JPS5817168Y2 - 流量制御弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一方向への流れは制御流れ、逆方向への流れは
自由流れとする流量制御弁に関するものである。

従来この種流量制御弁において、弁本体へ固着された案
内部材に進退自在に螺合した絞り弁体外周にばねにより
付勢されて弁座に当接せられ外周に開口する絞り孔を有
するチェック弁体を嵌合した構成のものがあるが、係る
構成のものは進退する可動の絞り弁体にチェック弁体を
嵌合させているためチェック弁体の弁面と弁座の当接が
確実にできずかつ絞り弁体により調整される絞り孔の開
口面積は自由流れ時絞り孔を有するチェック弁体が摺動
するため制御流れ時チェック弁体は設定した位置と同一
位置に復帰しないことがあり、正確な流量制御を行なう
には不適当であった。

また弁座と当接するチェック弁体はねし進退する可動の
絞り弁体に嵌合しているため、弁座とチェック弁体の弁
面を同心に当接せしめるには各部材は高精度を要しその
加工が困難であ′る等の欠点があった。

本考案はかかる欠点に鑑み、チェック弁体の弁面と弁座
との間における流体洩れおよび絞り弁体により調整され
る絞り孔の開口面積の不安定による流量誤差を除去せし
めて流量制御を正確に行なう極めて構成の簡単な流量制
御弁を提供するものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は弁本体で、外側面より順次縮径して異径の孔ａ、ｂ
を連設して連設段部に弁座２を形成し、異径の番孔はそ
れぞれ流体の流路Ａ、Ｂへ連通している。

３は大径側の孔すの開口部を閉塞するよう大径側の孔内
へ密接嵌入して弁本体に固着した弁体部材で、大径側の
孔は段部に弁座２を形成してそれぞれ流体の流路Ａ、Ｂ
へ連通している。

３は異径の孔すの開口部を閉塞して弁本体に固着した弁
体部材で、異径の孔す内へ該孔の内周面との間に空間を
形成するよう挿入する軸部を突設し、該軸部には突出端
から軸方向へ摺動孔４を形成して軸部の外周面から摺動
孔へ連通する絞り孔５を設けている。

そして絞り孔５は薄刃状の制御オリフィスを形成するよ
う軸心に対して斜めに穿設しその開口縁を薄刃に威して
おり、通し孔でよいため加工が非常に簡単である。

６はチェック弁体で、ばね７により付勢して弁座２へ線
接触状に当接する円錐状の弁面８を有し、弁体部材３の
軸部外周へ摺動自在に密接嵌合されており、軸部に形成
した規制部に当接することにより摺動端が規制され絞り
孔５の開口を変化しないようになっている。

９は弁体部材３の摺動孔４へ進退自在に係装された絞り
弁体で、先端に前記絞り孔５とで薄刃状の制御オリフィ
スを形成するエツジ部１０を設け、他端には摺動孔４へ
螺合し、外部からの回動操作により進退するねじ部１１
を設けている。

１２は該ねし部に固着したハンドル、１３はロックナツ
トで゛ある。

次に上記構成による作動を説明する。

まず流路Ｂから流路Ａ方向へ流体が流れる場合は、チェ
ック弁体はばね７の押圧力と流路Ａ、Ｂ間の差圧による
押圧力とにより弁面８が弁座２に線接触状に当接されて
おり、流体は弁体部材３の絞り孔５と絞り弁体９のエツ
ジ部１０とで構成される制御オリフィスを通過して流路
Ａ側に流れる。

制御オリフィスの開口面積はハンドル１２を回動するこ
とにより絞り弁体９は進退して任意に調整でき、制御オ
リフィスを通過する流れは薄刃状のため油温変化による
粘度の影響を受けにくいので正確な制御流量が得られる
。

特に油温変化の影響を大きく受ける微少流量の制御にお
いては、絞り孔の開口縁はナイフェツジのみとなるので
極めて良好なる温度補償効果が得られる。

また流路Ａから流路Ｂの方向へ流体が流れる場合は、差
圧によってばね７をたわませてチェック弁体６は弁体部
材３の軸部外周を摺動し、弁座２と弁面８との間を開い
て流体の自由流れを行なう。

このとき、チェック弁体６の摺動端が規制されチェック
弁体が絞り孔５の開口を変化しないので、流体は制御オ
リフィスからも流路Ｂへ流れ自由流れ時の流れ抵抗を小
さくできると共に、絞り孔５を１個あるいは円周方向に
不平衡に設けたとしてもチェック弁体に円周方向の不平
衡力が作用することなくチェック弁体は円滑に作動する
ことができる。

このように本考案によれば、大径側の孔内へ密接嵌入し
て弁本体に固着する弁体部材に大径側の孔内へ該孔の内
周面との間に空間を形成するよう挿入する軸部を突設し
、該軸部の外周へチェック弁体を摺動自在に密接嵌合し
た比較的簡単な構成でチェック弁体と弁座との心違い発
生要因個所を少なくして正確な同心度が得られ、チェッ
ク弁体の弁面を確実に弁座へ線接触状に当接することが
でき、ゴミや加工精度の影響を受けることなく良好な流
量制御が行われる。

さらにチェック弁体と絞り孔とを分離して設けているた
めチェック弁体の作動とは無関係に絞り孔の開口面積を
調整でき正確な流量設定が得られると共に弁座および弁
面の摩擦等によってチェック弁体の当接位置が変化して
も絞り孔の開口面積を一定に保持でき長期間にわたって
安定した設定流量が得られ調整操作の頻度を減少して保
守管理の簡略化が図れ、しかもチェック弁体を常に圧力
平衡状態に弁体部材の軸部へ密接嵌合して円滑な作動も
得られる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案流量制御弁の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・弁本体、Ａ、Ｂ・・・・・・流路、２・
・・・・・弁座、３・・・・・・弁体部材、４・・・・
・・摺動孔、５・・・・・・絞り孔、６・・・・・・チ
ェック弁体、７・・・・・・ばね、８・・・・・・弁面
、９・・・・・・絞り弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体１の外側面より順次縮径して異径の孔ａ、ｌ）を
   連設して連設段部に弁座２を形成し異径の番孔は流体の
   流路Ａ、Ｂへ連通し、大径側の孔すの開口部を閉塞する
   よう大径側の孔内へ密接嵌入して弁本体に固着する弁体
   部材３には大径側の孔す内へ該孔の内周面との間に空間
   を形成するよう挿入する軸部を突設し、軸部には突出端
   に開口する軸方向の摺動孔４を有して軸部の外周面から
   摺動孔へ連通する絞り孔５を設け、ばね７により付勢し
   て弁座へ線接触状に当接する弁面８を有し弁体部材の軸
   部外周へ摺動自在にチェック弁体６を密接嵌合し、弁体
   部材の摺動孔へ外部からの回動により進退して絞り孔の
   開口面積を調整する絞り弁体９を係装し、流体の流れ方
   向により制御流れと自由流れとを得るようにした流量制
   御弁。