JPS5815166B2 - 湿式脱硫プロセス用酸化還元性薬剤 - Google Patents

湿式脱硫プロセス用酸化還元性薬剤

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JPS5815166B2
JPS5815166B2 JP55136692A JP13669280A JPS5815166B2 JP S5815166 B2 JPS5815166 B2 JP S5815166B2 JP 55136692 A JP55136692 A JP 55136692A JP 13669280 A JP13669280 A JP 13669280A JP S5815166 B2 JPS5815166 B2 JP S5815166B2
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phenoxyanthraquinone
acid
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sodium
salt
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JP55136692A
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加藤敏雄
坂井勝也
三田隆一
村上尚道
樋口長二郎
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般式(I) (式中、Mは水素原子、ナトIJウム原子、カリウム原
子又はアンモニウム基を意味し、nは1〜2の整数を表
わす。
)をもって表わされる2−フェノキシアントラキノンポ
リスルホン酸又はそれらの塩からなる湿式脱硫プロセス
用酸化還元性薬剤に関する。
ここに湿式脱硫プロセスとは、硫化水素を含有する石油
ガス、石炭ガス又は液体炭化水素を、可逆的に酸化還元
され得る酸化還元性薬剤を含有する液と接触させ、硫化
水素を酸化して単体イオウに変化させて除去し、一方、
硫化水素を酸化することによって自らは還元された酸化
還元性薬剤を空気と接触せしめて酸化することによって
再生し、ふたたび硫化水素の酸化に循環使用するプロセ
スである。
上記の湿式脱硫プロセス中、とくにストレットフォード
・プロセス(StretfordProcess)と呼
ばれるプロセスにおいては、酸化還元性薬剤として1種
もしくは数種のアントラキノンジスルホン酸もしくはそ
れらの塩、又はこれらのものと2種の原子価をとり得る
金属化合物、好ましくはメタバナジン酸ナトリウムのよ
うなバナジン酸塩、及び必要に応じて酒石酸カリウムナ
トリウム、エチレンジアミンテトラアセテート等のキレ
ート剤とをアルカリ性水溶液さして使用する。
このプロセスにおける最も実用的な実施態様であって、
酸化還元性薬剤としてアントラキノンジスルホン酸とメ
タバナジン酸ナトリウムをアルカリ水溶液として使用す
る場合には、次の反応が起こるとされている(アロマテ
ィックス、第19巻、53頁(1967年)、社団法人
日本芳香族工業会刊行)。
なお、式中、ADAはアントラキノンジスルホン酸を、
またADA※はアントラキノンジスルホン酸のロイコ体
を表わす。
2Na2COs+2H2S→2NaH8+2NaHCO
s4NaV03+2NaH8+H2O−+Na2V40
.+2S+4NaOHNa2V409+2NaOH+2
ADA−)4NaVO3+2ADA※2ADA※+02
(空気)→2ADA+2H202NaHCO+2NaO
H→2Ha2CO3+2H20上式のように、ストレッ
トフォード・プロセスにおいてアントラキノンジスルホ
ン酸はメタバナジン酸ナトリウムとともに硫化水素の単
体イオウへの酸化に関与し、自らは還元されてロイコ体
になるが、次いで空気と接触せしめられて酸化され、元
のアントラキノンジスルホン酸に再生される。
ストレットフォード・プロセス用のアントラキノンジス
ルホン酸としては、従来、1.6−11.7−1または
2.7−アントラキノンジスルホン酸等が有効であるこ
とが知られているが、実際に使用する場合には高い水溶
性と工業的に安価に入手し得る可能性とが要求されるた
めに、現在実用可能なものは2.7−アントラキノンジ
スルホン酸のみに限られている。
そのため次のような重大な問題がある。
すなわち、この2.7−アントラキノンジスルホン酸を
製造するためにアントラキノンをジスルホン化すると、
2.6−及び2.7−アントラキノンジスルホン酸がほ
ぼ等量づつ生成して、これらの混合物が得られる。
ところが、2.6−アントラキノンジスルホン酸はスト
レットフォード・プロセスのアルカリ水溶液には溶解し
難いために、該プロセスに使用することは難かしい。
そのため2.6−アントラキノンジスルホン酸に有益な
用途がない場合には、ストレットフォード・プロセス用
に2.7−アントラキノンジスルホン酸を安価に供給す
ることが極めて困難になる。
本発明はこのような問題点を解決し、改良された湿式脱
硫プロセス用の酸化還元性薬剤を提供しようとするもの
である。
本発明の湿式脱硫プロセス用酸化還元性薬剤は式(I) (式中、Mは水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子
又はアンモニウム基を意味し、nは1又は2である。
)をもってあられされる2−フェノキシアントラキノン
ポリスルホン酸又はその塩からなり、必要に応じて、2
.7−アントラキノンジスルホン酸を含むものである。
式(I)で表わされる2−フェノキシアントラキノンポ
リスルホン酸およびその塩は、詳しく述べると、一般式
(II) (式中、Mは一般式(I)と同じ意味を示す。
)をもって表わされる2−フェノキシアントラキノント
リスルホン酸及びその塩又は一般式(■)(式中Mは一
般式(I)と同じ意味を示す。
)をもって表わされる2−フェノキシアントラキノンテ
トラスルホン酸及びその塩、あるいはこれらの混合物で
ある。
上記の2−フェノキシアドラキノンポリスルホン酸は新
規化合物であって、2−フェノキシアントラキノンを発
煙硫酸、三酸化イオウもしくはクロルスルホン酸などの
スルホン化剤と加熱してスルホン化することにより製造
される。
出発原料である2−フェノキシアントラキノンはアント
ラキノン−2−スルホン酸ナトリウムとフェノールカリ
とを200℃で反応させるか、又は2−クロルアントラ
キノンを水酸化ナトリウムの存在下でフェノールと反応
させることにより容易に得ることができる。
又、2(p−フェノキシベンゾイル)安息香酸を例えば
五酸化リン、ポリリン酸、塩化アルミニウム等の脱水剤
で処理して脱水閉環することによっても得られる。
また、本発明の2−フェノキシアントラキノンポリスル
ホン酸のもう一つの製法は2−(p−フェノキシベンゾ
イル)安息香酸を脱水縮合剤およびスルホン化剤(両機
能をもつ発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウなどの使用が有
利である)と加熱処理することによる方法であり、この
場合には反応式(IV)に示す経路を経て反応が進むと
考えられる。
この出発原料である2−(p−フェノキシベンゾイル)
安息香酸は無水フタル酸とジフェニルエーテルとのフリ
ーデル・クラフッ (Fr1edelCrafts )
反応により得られる。
このようにして得られる2−フェノキシアントラキノン
ポリスルホン酸の塩、すなわち2−フェノキシアントラ
キノントリスルホン酸の塩、2−フェノキシアントラキ
ノンテトラスルホン酸の塩、又はそれら両者の混合物は
いずれも黄褐色固体であって、明確な融点を示さず、強
熱すれば分解する。
2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸ナトリ
ウムは下式(■)および(■)の構造を有する2種の異
性体の混合物である。
2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸は、元素
分析の結果より1分子中に3個のスルホン酸基を有し、
そのため式(II)をもって表わされることが明らかで
ある。
前述の2−フェノキシアントラキノンジスルホン酸およ
び2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸の構
造を併せ考えると、3個のスルホン酸基のうち2個はフ
ェノキシ基のO−位及びP−位に結合し、他の1個はア
ントラキノン核の3−16−もしくは7−位に結合した
構造を有する。
また、これらの位置異性体の混合物である可能性もある
一般式(I)をもって表わされる2−フェノキシアント
ラキノンポリスルホン酸の塩、すなわち式(II)で表
わされる2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸
塩、式(■)で表わされる2−フェノキシアントラキノ
ンテトラスルホン酸塩、又はこれらの混合物は極めて水
に溶は易く、そのため、また濃厚な無機塩水溶液に対し
ても著しく高い溶解性を示す。
2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸ナトリウ
ム、2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸ナ
トリウムについてチオ硫酸ナトリウム又はチオシアン酸
ナトリウムの濃厚な水溶液、ならびに硫酸ナトリウム、
チオ硫酸ナトリウム及びチオシアン酸ナトリウムを含む
混合水溶液に対する溶解度を測定した結果を表−1に記
す。
比較のために2.7−アントラキノンジスルホン酸ナト
リウムの上記各水溶液に対する溶解度を測定した結果も
併せて記す。
表−1から明らかなように、2−フェノキシアントラキ
ノントリスルホン酸ナトリウム及び2−フェノキシアン
トラキノンテトラスルホン酸ナトリウムは、アントラキ
ノンジスルホン酸塩の中でも水に溶は易いことで知られ
ている2、7−アントラキノンジスルホン酸ナトリウム
の10倍以上の高い溶解性を無機塩水溶液に対して示し
ている。
また、アントラキノンをジスルホン化する場合には、水
に易溶性の2.7−アントラキノンジスルホン酸ととも
に水に対する溶解度が比較的小さい2.6−アントラキ
ノンジスルホン酸がほぼ等量生成するが、これに対して
本発明における2−フェノキシアントラキノントリスル
ホン酸又は2−フェノキシアントラキノンテトラスルホ
ン酸の場合には、これらが前述の通り、それぞれ、いく
つかの位置異性体の混合物である可能性があるにもかか
わらず水に溶は難い成分は認められず、得られた2−フ
ェノキシアントラキノントリスルホン酸または2−フェ
ノキシアントラキノンテトラスルホン酸の全てが水に極
めてよく溶けることも特徴的である。
2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸及び2−
フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸は、また、
キノン化合物に特有な可逆的に酸化還元される性質を有
する。
すなわち、これらのスルホン酸は例えば亜バナジン酸ナ
トリウムによって還元されてロイコ体となり、そのロイ
コ体は例えば、空気中の酸素により酸化されてキノン体
にもどる。
2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸ナトリウ
ム及び2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸
ナトリウムが亜バナジン酸ナトリウムにより還元される
速度及びそのようにして生じたロイコ体が空気により酸
化される速度を測定して2.7−アントラキノンジスル
ホン酸ナトリウムの場合と比較すると表−2のようにな
る。
また表−2にはこれらのスルホン酸類の標準酸化還元電
位を併せ記す。
2−フェノキシアントラキノンポリスルホン酸は、前述
のとおり、水溶性にすぐれ、かつ2.7−アントラキノ
ンジスルホン酸と酸化還元反応に関する性質が極めてよ
く似ているために、ストレツトフオード・プロセスに使
用した場合にも2.7−アントラキノンジスルホン酸と
同様な反応挙動を示し、硫化水素を酸化して単体イオウ
吉して除去するのに有効に作用するのみならず、2.7
−アントラキノンジスルホン酸を利用した場合にはみら
れない多くの利点をもたらすことが出来る。
ストレットフォード・プロセスにおいてアントラキノン
ジスルホン酸の代りに2−フェノキシアントラキノンポ
リスルホン酸を使用する場合には単にアルカリ水溶液中
のアントラキノンジスルホン酸の一部又は全部をこれと
等モルの2−フェノキシアントラキノンポリスルホン酸
すなわち2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸
もしくは2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン
酸又はこれらの混合物に代えれば十分であって、その他
のアルカリ水溶液の組成やPH等の液性をことさらに変
更する必要はない。
従って2−フェノキシアントラキノンポリスルホン酸又
は2−フェノキシアントラキノンポリスルホン酸とアン
トラキノンジスルホン酸との混合物を約0.1%以上含
有する水溶液を作り、これにアンモニア等の塩基又はア
ルカリ金属炭酸塩を添加して、7以上、好ましくは8.
5〜9.5のPHを有するアルカリ水溶液としてストレ
ットフォード・プロセスに使用する。
また、2種以上の原子価状態を有する金属の化合物、例
えばメタバナジン酸すl−’Jウムを好ましくは1/1
000〜1/20モル/lの濃度でアルカリ水溶液に含
有させることが好ましく、さらに、必要に応じて酒石酸
カリウムナトリウム又はエチレンジアミンテトラアセテ
ートのようなキレート剤を併用することもできる。
アントラキノンジスルホン酸の代りに2−フェノキシア
ントラキノンポリスルホン酸を使用する場合には次のよ
うな利点が挙げられる。
2.7−アントラキノンジスルホン酸を製造する場合に
は、難溶性のためにストレットフォード・プロセスに使
用することに適しない2.6−アントラキノンジスルホ
ン酸がほぼ等量生成するのに対して、2−フェノキシア
ントラキノンポリスルホン酸には水に難溶性の異性体が
認められず、その全てが水によく溶け、その全てをスト
レットフォード・プロセスに利用することができる。
つぎに、ストレットフォード・プロセスにおいてはアル
カリ水溶液を長時間循環使用するために、その中には硫
酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸ナト
リウム等の無機塩が多量に蓄積し、それによりアントラ
キノンジスルホン酸が塩析されて単体イオウとともにプ
ロセスの循環系外に失われ易くなるという問題がある。
しかしながら2−フェノキシアントラキノンポリスルホ
ン酸を使用する場合には、これが先に記した通り、無機
塩水溶液に対して極めて高い溶解性を有しているために
、循環使用中塩析による損失は無視し得る程度に極めて
少なくなる。
また、無機塩水溶液に対するすぐれた溶解性のために、
2.7−アントラキノンジスルホン酸を使用した場合に
比べてアルカリ水溶液中の2−フェノキシアントラキノ
ンポリスルホン酸の濃度を高くして使用することができ
、それにより脱流効率が向上してより完全な硫化水素の
除去が可能となるとともに、アントラキノンジスルホン
酸を使用する場合に比べて装置を小型化することができ
る。
他方、2−フェノキシアントラキノンポリスルホン酸は
酸化還元反応に関する性質が2.7−アントラキノンジ
スルホン酸と極めてよく似ているために、2.7−アン
トラキノンジスルホン酸と同じ条件下で使用することが
できる。
そのため、プロセスの操作条件を変更したり、装置を改
造したりすることなく、従来2.7−アントラキノンジ
スルホン酸を使用していた装置をそのまま利用できると
いう利点もある。
以下に本発明において用いられる2−フェノキシアント
ラキノンポリスルホン酸の製造例および本発明の実施例
を示す。
これら製造例および実施例において「部」および「%」
は重量による。
製造例 1 54.5%発煙硫酸44部〔遊離8036モル比/2−
(p−フェノキシベンゾイル)安息香酸〕中に2−(p
−フェノキシベンゾイル)安息香酸15.9部および無
水硫酸すl−IJウム7.1部を加えかきまぜながら3
時間かけて180℃まで加熱した。
反応液を薄層クロマトグラフィーに供して2−フェノキ
シアントラキノントリスルホン酸のスポットが消失する
まで同温度で4時間保ってスルホン化反応を行なった。
室温まで冷却したのち水100部中に排出し、よくかき
まぜながら苛性ソーダ5部を加えた。
その後70〜80℃に保ちながら中性になるまで炭酸カ
ルシウムを添加して石コラを析出させた。
ついでこれをろ過しろ液を噴霧乾燥して34部の黄褐色
粉末を得た。
このものは明確な融点を示さず、強熱すれば分解する。
この黄褐色粉末をメタノール抽出により精製したものの
元素分析値は式(Bで表わされる2−フェノキシアント
ラキノンテトラスルホン酸ナトリウムの4水和物の組成
(C20H16019S4Na4 )にもとすいた計算
値とよく一致した。
元素 実測値C31,55%H1,87%S16.47
%分析値計算値 C30,78%H2,05%S16.
43%また、このもののプロトン−NMRスペクトルを
第1図に示す。
上に得られたものは、式(■)及び(■)の構造を有す
るものの混合物であることが、このNMRスペクトルか
ら確かめられる。
またこのものの赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)
には、第2図に示すように、アントラキノン核のC=O
にもとずく吸収(1685cfrL’)、置換ベンゼン
核にもとずく吸収(1590crn−’ )及びスルホ
ン基にもとずく吸収(1210及び1040Cfrt−
’ )が認められる。
製造例 2 52%発煙硫酸33部〔遊離5O34,3モル比/2−
(p−フェノキシベンゾイル)安息香酸〕中に2−(p
−フェノキシベンゾイル)安息香酸15.9部および無
水硫酸すl−IJウム7.1部を加え、かきまぜながら
3時間かけて180°Cまで加熱し同温度で7時間保っ
て、反応液の薄層クロマトグラフにおける2−フェノキ
シアントラキノンジスルホン酸のスポットがほとんど消
滅するまでスルホン化反応を行なった。
室温まで冷却したのち、水100部中に排出し、よくか
きまぜながら苛性ソーダ3部を加えた。
その後70〜80°Cに保ちながら中性になるまで炭酸
カルシウムを添加して石ロウを析出させた。
ついでこれを濾過し、ろ液を噴霧乾燥して30.5部の
黄褐色粉末を得た。
このものは明確な融点を示さず強熱すれば分解する。
この黄褐色粉末をメタノール抽出により精製したものの
元素分析値は式(II)で表わされる2−フェノキシア
ントラキノントリスルホン酸ナトリウムの3水和物の組
成(C1゜H,50,6S3Na4)にもとずいた計算
値によく一致した。
元素 実測値C36,13%H2,11%S14.42
%分析値計算値C36,37%H2,29%S14.5
6%また、このものは、第3図に示すように、製造例1
で得られた2−フェノキシアントラキノンテトラスルホ
ン酸ナトリウムに極めてよく似た赤外線吸収スペクトル
(KBr錠剤法)を示す。
以上のことから、ここに得られたものは式(II)で表
わされる2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸
ナトリウムである。
製造例 3 54.5%発煙硫酸44部〔遊離5O36モル比/2−
(p−フェノキシベンゾイル)安息香酸〕中に2−(p
−フェノキシベンゾイル)安息香酸15.9部を加えか
きまぜながら3時間かけて160℃まで加熱した。
該反応液を薄層クロマトグラフィーに供して2−フェノ
キシアントラキノントリスルホン酸のスポットが消失す
るまで同温度で10時間保ってスルホン化反応を行なっ
た。
室温まで冷却したのち水100部中に排出し、よくかき
まぜながら29%アンモニア水23.4部を加えた。
その後70〜80℃に保ちながら中和になるまで炭酸カ
ルシウムを添加して石ロウを析出させた。
ついで、これをろ過しろ液を噴霧乾燥して33部の黄褐
色粉末を得た。
この黄褐色粉末をメタノール抽出により精製したものの
元素分析値は式(■)で表わされる2−フェノキシアン
トラキノンテトラスルホン酸アンモニウムの4水和物の
組成(C20H32N4019S4)にもとずいた計算
値とよく一致した。
元素分析値(%) 実測値C:31.05H:3.94 N: 7.58
S :16.99計算値C:31.58H:4.24N
ニア36S:16.86また、このもののプロトン−N
MRスペクトルは、第1図の2−フェノキシアントラキ
ノンテトラスルホン酸ナトリウムのそれとよく一致した
また、このものの赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法
)には、第4図に示すように、アントラキノン核のC=
Oにもとずく吸収(1685cm−1)、置換ベンゼン
核にもとずく吸収(1590cm−1)及びスルホン基
にもとずく吸収(1210及び1040cm−1)が認
めらtLル。
実施例 1 内径10cm、長さ100cmのガラス管(ジャケット
付)内にポリプロピレン製で径1crrLのカゴ型充填
剤(テラレットS型)を高さ95crrLまで充填して
つくった吸収塔の下部から炭酸ガス6%及び窒素94%
からなるガスに硫化水素59/Nm”を含有させた硫化
水素含有ガスを2301/hrの速度で送入した。
一方該塔上部からメタバナジン酸ナトリウム0.03モ
ル/lと2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸
ナトリウム0.005モル/lとを含み炭酸ナトリウム
を加えてPHを9に調整した40℃のアルカリ性水溶液
を4.61/hrの速度で散布して硫化水素含有ガスき
接触させた。
ガス液比は0.02である。吸収塔の下部から液を抜き
出して、内径10crfL1長さ100cmのガラス管
(ジャケット付)でつくられた再生塔に送りこれに空気
を吹込んでイオウを完全に析出させた。
再生塔における液の滞留時間は20分であった。
上記のようにして硫化水素含有ガスを処理することによ
って99.7%以上の脱硫率で硫化水素含有ガス中の硫
化水素を除去することができた。
また、2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸ナ
トリウムの代りにアントラキノン−2,7−ジスルホン
酸ナトリウムを使用して、上記と同様にして硫化水素含
有ガスを処理した場合の脱硫率は99.6%であった。
実施例 2 実施例1において2−フェノキシアントラキノントリス
ルホン酸ナトリウムの代りに2−フェノキシアントラキ
ノンテトラスルホン酸ナトリウム、又は2−フェノキシ
アントラキノントリスルホン酸ナトリウムと2−フェノ
キシアントラキノンテトラスルホン酸ナトリウムとの1
:1(重量比)混合物を使用して、同様にして処理する
ことにより、99.7%以上の脱硫率で硫化水素含有ガ
ス中の硫化水素を除去することができた。
実施例 3 実施例1において2−フェノキシアントラキノントリス
ルホン酸ナトリウムの代りに2−フェノキシアントラキ
ノントリスルホン酸ナトリウム又は2−フェノキシアン
トラキノンテトラスルホン酸ナトリウムと2.7−アン
トラキノンジスルホン酸ナトリウムさの1:1(重量比
)混合物を使用して同様に処理することにより99.7
%以上の脱硫率で硫化水素含有ガス中の硫化水素を除去
することができた。
実施例 4 2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸アンモ
ニウムを実施例1において2−フェノキシアントラキノ
ントリスルホン酸ナトリウムの代りに使用して、同様に
処理することにより、硫化水素含有ガス中の硫化水素を
99.7%以上の脱硫率で除去することができた。
また、2−フェノキシアントラキノントリスルホン酸ア
ンモニウムもほぼ同等の脱硫率を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は2−フェノキシアントラキノンテトラスルホン
酸ナトリウムのプロトン−NMRスペクトルを示し、第
2図、第3図および第4図はそれぞれ2−フェノキシア
ントラキノンテトラスルホン酸ナトリウム、2−フェノ
キシアントラキノントリスルホン酸ナトリウム及び2−
フェノキシアントラキノンテトラスルホン酸アンモニウ
ムの赤外線吸収スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式(1) (式中、Mは水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子
    又はアンモニウム基を意味し、nは1又は2である。 )をもってあられされる2−フェノキシアントラキノン
    ポリスルホン酸又はその塩からなり、必要に応じて、2
    ,7−アントラキノンジスルホン酸を含む湿式脱硫プロ
    セス用酸化還元性薬剤。 2 湿式脱硫プロセスがストレットフォードプロセスで
    ある特許請求の範囲第1項記載の酸化還元性薬剤。 3 式(I)をもってあられされる2−フェノキシアン
    トラキノンポリスルホン酸又はその塩が、式(I)(式
    中、Mは式(1)におけるものと同じ意味を示す。 )をもってあられされる2−フェノキシアントラキノン
    トリスルホン酸又はその塩である特許請求の範囲第2項
    記載の酸化還元性薬剤。 4 式(1)をもってあられされる2−フェノキシアン
    トラキノンポリスルホン酸又はその塩が、式(■)(式
    中、Mは式(I)におけるものと同じ意味を示す。 )をもってあらかされる2−フェノキシアントラキノン
    テトラスルホン酸又はその塩である特許請求の範囲第2
    項記載の酸化還元性薬剤。 5 式(I)をもってあられされる2−フェノキシアン
    トラキノンポリスルホン酸又はその塩が、式(II)(
    式中、Mは式(I)におけるものと同じ意味を示す。 )をもってあられされる2−フェノキシアントラキノン
    トリスルホン酸又はその塩と、式(■)(式中、Mは式
    (I)におけるものと同じ意味を示す。 )をもってあられされる2−フェノキシアントラキノン
    テトラスルホン酸又はその塩との混合物である特許請求
    の範囲第2項記載の酸化還元性薬剤。
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