JPS58150397A - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はスピーカー等の電気音響変換器用振動板（以
下単に振動板と記す）に関し、比弾性が大きく、適度の
白物ロスを有し、更にスピーカーに組込み場合の接着性
をも考慮した振動板に関する。

従来、振動板としてはパルプ繊維を叩解、抄造して、た
とえばコーン状に抄き上げ、これを加熱プレス成形、又
は乾燥して得られた振動板、又はこれに剛性を付与する
ため、又は内部ロスを付与するために種々の合成樹脂を
含浸せしめた振動板が多用されている。

このような振動板は原料パルプの材質、抄造条件、加熱
プレス条件、含浸する合成樹脂の量や種類により、て異
なるが密度はほぼ０３〜０．５の範囲、ヤング率は０．
８〜１．　ＯＸ　ｌ　０１０ｄｙｎ４、内部損失（ｔａ
ｎδ）０．０２〜０．０３の範囲に入る。

このように従来の振動板は密度が小さい点を除いて、ヤ
ング率、内部損失において充分に満足した値を有してい
るとは云えない。

特に・内部損失が小さい事は振動板が特定の周波数帯に
おいて自己共振を発生Ｉ−やすく、これがスピーカーの
周波数特性において有害なピーク、ディップを発生し、
所望の再生周波数帯において均一なる出力レベルを得る
ことが困難であった。

又当該繊維質振動板は抄造時における繊維同志のからみ
合や、プレス条件等のバラツキによって均一した物性の
振動板を得ることが困難であった。

一方金属箔を成形した振動板は、特にドーム状振動板に
採用されているが、内部損失が更に小さい為、特定の高
音域再生用のたとえばホーン型スピーカーに使用されて
いるのが現状である。

又近年、種々の合成樹脂より成形した振動板が現出して
おり、特にポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレ
フィン系合成樹脂が密度が小さい点（０９〜１，０）と
、内部損失が大きい点（ｔａｎδ：Ｏ，ＯＳ〜０．０９
）から注目されているがヤング率が小さい事（１，１０
〜１１８×１０１０ｄｙｎ／ＣＩ）が欠点となっている
。

更には当該ポリオレフィン系樹脂は非極性であるため接
着性が極めて小さく、スピーカーに組込んで使用するに
はエツジ、コイルボビン、ダストキャップ等との接着結
合が不可欠であるため前記接着性の小さい事が大きな欠
点となっている。

この為、ポリオレフィン系合成樹脂振動板は予めコロナ
放電加工又は化学的活性化処理によって表面を活性化し
、この活性化した面に極性基を有する高分子（ウレタン
系樹脂）被膜を形成した後前記・エツジ等との接着を行
う必要があり製造工程が煩瑣となるとともに、前記処理
装置を必要とするだめ、設備費用面からも不利があった
。

そこで、この発明ではビニル系重合体又は共重合体とジ
エン系重合体を混合して得られる材料にヤング率を向上
せしめる目的でマイカ片を混入して成形した振動板であ
る。

前記ビニル系重合体としてはポリ塩化ビニル、ビニル系
共重合体としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、
ジエン系共重合体としてはアクリロニトリル−ブタジェ
ン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体等が使用で
きる。

次に、ビニル系共重合体として塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ジエン系共重体としてアクリロニトリル−ブ
タジェン共重合体を使用した実施例について説明する。

〔実施例〕

塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体７０部と、アクリロニ
トリル−ブタジェン共重合体３０部を混練した後、平均
粒径４０μ、アスペクト比３０のマイカ片４０部を更に
混練して均一に分散せしめ、厚さ０４−のシート状に成
形した。

当該シートを４０■×１５簡の大きさに切り取り、密度
、ヤング率、及び内部損失（ｔａｎδ）を測定した結果
、密度ρ＝１．４、ヤング率Ｅ＝　５．７　Ｘ　１０”
ｄＹ輸、ｔａｎδ＝０．０４５（但し、ヤング率及び内
部損失は室温２０℃にて振動リード法二周波数９０Ｈｚ
：で測定した）の値を得た。

これを従来のパルプ繊維質材と比較してみると比弾性率
（Ｅ／ρ）において約１．４〜２倍の値が得られ、更に
内部損失（ｔａｎδ）は約２倍の値を得ることができ、
従来のパルプ繊維質材に比較して、更にすぐれた特性を
有することができた。

次に前記実施例で得られたシートを真空成形によって口
径２０ｃｔｎのコーン状振動板に成形し、これをスピー
カーに組みこんで周波数特性を測定した結果第１図のご
とき結果が得られた。

図において１は本発明実施例の振動板を用い・たスピー
カーの周波数特性で、２は同口径のパルプ繊維質振動板
を用いたスピーカーの周波数特性である。（なお、振動
板の特性を比較するため、磁気回路等の他の構成部品は
同一のものを使用しである。） 当該周波数特性から明らかなように、この発明の振動板
を具備したスピーカーは従来例のスピーカ・−に比べて
ピーク、ディップの発生が特に高域周波数領域において
抑制され、更に振動板の剛性の増加によって、ピストン
振動領域が拡大し、より平坦なる周波数特性が得られた
。

又、本発明の振動板はポリオレフィン系合成樹脂振動板
に比べて接着性が極めて良好であって、接着のための予
備処理を全く必要とせず、通常のゴム系接着剤によって
、エツジ、コイルボビン、ダストキャップ等との接着結
合が可能となる等、組立工程上の利点を有する。

ビニル系重合体又は共重合体と、ジエン系共重合体、及
びマイカ片の混合割合は前記実施例に限定されるもので
はないが、ビニル系重合体又は共重合体９０〜５０部に
対しジエン系共重合体が１０〜５０部が適当であり、ジ
エン系共重合体が１０部以下であると必要な内部損失が
得られにくく、又５０部以上であると必要なりング率が
得られにくい。

又マイカ片は前記混合物１００部に対し１０〜６０部が
適当な範囲であり、これ以下では必要なりング率が得ら
れに＜＜、一方これ以上では必要な内部損失が得られに
くくなる。

したがって、各材料の配合割合は所望するスピーカーの
周波数特性に応じて、適時選択するのが好ましい。

以上に説明したごとく、この発明はビニル系重合体又は
共重合体と、ジエン系共重合体、マイカ片を混合して成
形してなる振動板であって、比弾性が犬きく、かつ内部
損失が適値であることよりより平坦なる周波数特性を有
するスピーカーを提供することができるものである。

又、この発明はコーン状振動板のみでなく、ドーム状撮
動板、コーン状振動板の中央部に位置するダストキャッ
プ又はセンタードームラジェーターにも適用できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明実施例のコーン型振動板を具備したス
ピーカー及び従来の繊維質振動板を具備したスピーカー
の周波数特性図である。 ５１

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　ビニル系の重合体又は共重合体と、ジエン系共重合
   体と、マイカ片の混合物を成形してなる電気音響変換器
   用振動板。 ２　ビニル系の重合体又は共重合体がそれぞれポリ塩化
   ビニル又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気音響変換
   器用振動板。 ３　ジエン系共重合体がアクリロニトリル−ブタジェン
   共重合体又はスチレン−ブタジェン共重合体であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気音響変換
   器用振動板。 ４　ビニル系の重合体又は共重合体がそれぞれポリ塩化
   ビニル又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ジエン系
   共重合体がアクリロニトリル−ブタジェン共重合体であ
   って、ビニル系の重合体又は共重合体が９０〜５０部、
   ジエン系共重合体が１０〜５０部、マイカ片が１０〜６
   ０部であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の電気音響変換器用振動板。