JPS5814968B2 - 機械量を電気量に変換する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機械的な力を歪量に表わす起歪素子と、この
歪量を電気量に変換する抵抗歪ゲージとで構成される機
械量を電気量に変換する装置に関する。

従来のこの種の装置に於ける起歪素子は、高弾性のもの
が要求され、高価で、時には加工の難しい材料を用いた
が、形状を簡単にし、かつ小型にすることによって、優
れた特性の材料の使用が容易になる。

また必要とする歪ゲージの全てを起歪素子上の一つの面
に設置することにより、その作業が容易となって性能の
安定化が図られ、蒸着法や写蝕法などの採用も可能とな
り、起歪素子の小型化、特性の向上、価格の低減に役立
つ。

ところで、抵抗歪ゲージは、その精度上、最底四個を用
いてブリッジを組み、引張り歪を受けるものと圧縮歪を
受けるものが対をなすようにするのが望ましい。

従来の起歪素子で梁を用いたもののうち、片持ち梁形式
のものでは、梁の一表面上に引張りと圧縮の歪と同時に
発生させるようにすると、力を加える位置を変えて起歪
部の歪量を変えるようにすることができず、その性能は
、梁の巾、厚さあるいは起歪部の間隔によって決定され
る欠点があった。

両端を固定した梁は、力を加える位置を変えることが困
難であり、構造が複雑となって応力も単純でなく、抵抗
歪ゲージを使用するのに適していない。

このように従来の梁を用いた装置では、性能と構造の双
方を満足する形状の単純なものがなかった。

本発明は、上記の性能と構造を満足するように形状単純
で、製作し易く、かつ調節可能な多くの利点を持つ機械
量−電気量変換装置を提供する。

以下図に就いて詳しく説明する。

第１図、第２図に於いて、起歪バー１は、例えば断面矩
形の単純な形状で、一端を固定した片持ち梁である。

自由端側は直交する板ばね２で支持され、直角方向に不
動で、長さ方向には自由に動き得るようになっている。

その固定側に近い位置に、互に近接して長さ方向に並ん
だ二つの起歪部３．４を設ける。

起歪部３，４は他の部分に比べて充分に小さい剛性をな
す。

例えば起歪バー１上の一側面に横方向のＵ字溝を設け、
肉厚を薄くして、この部分を起歪部３，４とする。

起歪部３，４にはそれぞれ、起歪バー１上の同じ面上に
、一対づつの抵抗歪ゲージ５，６および１．８を周知の
方法で設置する。

これら４つの抵抗歪ゲージ５，６，７，８でブリッジを
形成するように電気結線する。

上記板ばね２は起歪バー１に加えられる力（後述）を充
分に支えられる断面積を持ち、曲げモーメントに対して
は、起歪部３，４に比較して充分低い剛性をなすように
設定する。

この板ばね２はナイフェツジや軸など妃より摺動や転り
接触によるものに代えてもよい。

また抵抗歪ゲージ５，６゜７．８は拡散型や蒸着型が用
い得ることは勿論である。

起歪バー１に作用させる力の方向は、抵抗歪ゲージ設置
面と直角であり、第３図にも示すように力Ｆが加わると
、起歪バー１は一端が固定され、他端が支持されている
ので、起歪部が互に反対方向に屈曲して、抵抗歪ゲージ
に引張りと圧縮の歪みが発生する。

即ち、起歪部３に設置した抵抗歪ゲージ５，６には力Ｆ
に比例した引張りの歪が加わり、起歪部４に設置した抵
抗歪ゲージ７．８には、同じく力Ｆに比例した圧縮の歪
が発生する。

この４個の抵抗歪ゲージ５，６，７，８は適轟な導線で
接続され、５と６および１と８が相対するようにしてブ
リッジを構成しであるので、歪量を電気量として検出す
ることができる。

第３図に於いて、起歪部３，４の中心点をＡ。

Ｂ、板ばね２の支持点をＰ、力Ｆの作用する点をｘ、ｐ
ｘ＝ｉＸ、ＰＡ＝１１、ＫＨ＝１２とすると。

起歪部３，４には、１２１ｘＦ／２１１に近い曲げモー
メントが作用し、これに比例した歪が起歪部３．４に発
生することＫなる。

力Ｆを加える点Ｘが変わると、ｌＸが変化し、歪量が変
わる。

１．）１２になるように設計すれば、起歪部３，４での
歪量は略等しくなる。

またＦム部分の傾斜角αも小さくなる。

例えば１１／１２＝４に設定すると、歪量の比は１．２
５／１となり、抵抗歪ゲージの抵抗変化分が４辺等しく
ないことに起因する非直線性は０．０３％となり、無視
できるものとなる。

また、このとき起歪バー１のＰＡの部分が、力を加える
ことによって傾斜する角αも、１１部分の傾斜角βの１
／４であり、Ｘ点に力を加えるための入力軸に働く曲げ
モーメントの影響が無視できる程に小さくなり、機械量
の発生源と起歪バーとを支障なく連結できる。

このように本発明の装置は、片持ち梁形態の起歪バーの
自由端側を支持し、固定側に二つの起歪部を近接して直
列し、それぞれの起歪部の共通の面上に抵抗歪ゲージを
設置してなるもので、引張りと圧縮の歪が同時に発生し
、これらをブリッジに組んで、精度よく歪量を検出でき
る。

この場合、各抵抗歪ゲージは近接しているので温度特性
が良く、また引張りと圧縮を組合せたブリッジのため、
温度特性に優れ、出力を大きくとれる。

また、起歪バーの一表面上に近接して抵抗歪ゲージを設
置するので、その作業が容易で、作成し易いので、特性
の勝れた変換素子を安価に供給できる。

拡散型や蒸着型のゲージに於いて特にその特徴がある。

さらに力を加える位置を起歪バー上の広い範囲内に選択
でき、これによって起歪部の歪量を増減できるので、ス
パン変更Ａるいはスパン調整が可能で、変換装置として
の構造の単純化、価格の低減に役立つことが大きい。

第４図に示したのは、ワイヤを用いた放電加工による起
歪部の変形である。

起歪部３，４を放電加工による切溝１０で構成する。

この場合、起歪部３，４の形状を抵抗歪ゲージの有効部
分に対して均等な応力分布となるように厚さを調整し、
電極部分は歪が小さくなるように剛性を大きくすること
は、第１，２図のものと同様であるが、さらに、大きな
歪を抑える抑制部９を放電加工によって一体に成形でき
る利点がある。

抑制装置としては、外部に起歪バーを延長するなどして
、多様な手段が考えられるが、このように小型で簡潔な
形状とすることができるのは、特徴的である。

第５図は、起歪バーの自由端を支持点より更に外方に延
長して、この延長部に力Ｆを加える形にしたもので、第
３図の説明に於けるＦＸをＰＡより太き（設定できるの
で、小さな力を電気量に変換するときに有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施態様を示す正面図、第２図
は同平面図、第３図は同作動状態を示すスケルトン説明
図、第４図は放電加工による起歪部の他の実施態様を示
す拡大した正面図、第５図は支持位置を変換した本発明
装置の更に他の実施態様を示す正面図である。 １・・・・・・起歪バー、２・・・・・・板ばね、３，
４・・・・・・起歪部、５，６，７，８・・・・・・抵
抗歪ゲージ、９・・・・・・抑制部、１０・・・・・・
切溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １一端部に互に近接して長さ方向に並んだ他部分より充
   分に剛性の小さい二つの起歪部を有する起歪バーを備え
   、その一端部を固定して片持ち梁とし、他側自由端を長
   さ方向に動き得るように支持すると共に、両起歪部に同
   一面上にそれぞれ抵抗歪ゲージを設置してなることを特
   徴とする機械量を電気量に変換する装置。