JPS5813722B2 - タ−ボ機械の調節自在羽根のための作動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ターボ（回転）機械に関し、特に、ターボ機
械の調節自在の羽根のための作動装置に関する。

圧縮機、タービンおよび膨脹装置等のターボ機械は、い
ろいろな型式の調節自在の羽根またはブレードを使用す
る。

例えば、調節自在の羽根は、予備渦流装置および抗渦流
装置として使用されている。

また、軸流圧縮機の固定羽根は、入口ノズル羽根と同様
に調節自在とされることが多い。

一般に、調節自在の複数個の羽根は、可動リングに連結
されたリング機構のような作動装置によっていっせいに
動かされる。

即ち、それらの羽根は、可動リングの回転によりリンク
機構を介して所望の態様に動かされる。

しかし、この形式の作動装置は、製造費が比較的高く、
摩擦およびバツクラツシの問題があり、更に、支障なく
作動するように維持するためには相当量の保守サービス
を必要とする。

１９６０年代にＮＡＳＡによる研究の成果として比較的
摩擦のない新規な軸受が開発された。

この軸受装置は、［ローラマイトＪ（Ｒｏｌａｍｉｔｅ
）と称されている。

ローラマイト軸受は、比較的摩擦がなく、バツクラツシ
がゼロである。

実際上、ローラマイト軸受は、ほとんど滑り摩擦がなく
、転がり摩擦を生じるだけである。

しかも、ローラマイトは、比較的製造費が安く、保守サ
ービス不要の装置である。

しかし、驚くべきことにこのローラマイトは、最初に予
測され、期待されたほどには広範に、また多様な用途に
使用されるには至らなかった。

それはおそらく、設計エンジニアが、ローラマイト装置
の多様な用途への適用を案出することができなかったた
めであろう。

従って、本発明の目的は、ターボ機械の調節自在の羽根
のための作動装置を提供することである。

本発明の特定的な目的は、比較的製造費が安く、摩擦が
なく、バツクラツシが殆んどゼロであるターボ機械のた
めの作動装置を提供することである。

本発明の更に特定的な目的は、ローラマイト装置を使用
したことを特徴とする、ターボ機械の調節自在羽根のた
めの作動装置を提供することである。

略述すれば、ターボ機械の調節自在羽根のための本発明
の作動装置は、室を画定する可動ハウジングと、該室内
に配設され、該ハウジングと共に移動するように該ハウ
ジングに付設されたバンドと、前記調節自在羽根に係合
し、かつ、前記バンドの第１の部分に接触させた第１ロ
ーラと、該バンドの第２の部分に接触させた第２ローラ
と、前記ハウジングおよびそれに付設された前記バンド
を第１ローラおよび第２ローラに対して移動させ、それ
によって第１および第２ローラをそれぞれの軸線の周り
に回転させ、第１ローラの回転によりそれに対応して前
記調節自在羽根を移動させるために該ハウジングに連結
された力発生手段とから成る。

第１図を参照すると、例えば膨脹装置、タービンまたは
圧縮機のようなターボ機械の回転ホイールの正面図が示
されている。

図示のターボ機械は、可動即ち調節自在羽根を使用する
ターボ機械の代表的な例である半径方向流入式膨脹装置
である。

このターボ機械は、固定子１１から隔置され、該固定子
に対して回転自在のホイール１０を備えている。

固定子１１には、その円周方向に等間隔を置いて複数個
の調節自在の羽根１２が取付けられている。

羽根１２は、ホイール１０の円周の周りに配置されてお
り、該ホイールへの有効流れ断面積を変更することがで
きるように設計されている。

原動流体は、隣接する羽根１２と１２の間のチャンネル
１５を通って半径方向内方へホイール１０内へ流入し、
該ホイールを通して膨脹せしめられ、力を発生する。

ホイール１０は、その中心開口１６を貫通する軸に適当
に取付けられている。

図示のターボ機械のホイールおよび固定子の上述の構造
は慣用のものである。

羽根１２は、固定子１１の表面１８に移動自在に連結さ
れている。

これらの羽根は、いっせいに動かされ、各々そのピボッ
ト点２０を中心として以下に説明する作動機構によって
回転せしめられる。

第２図を参照すると、第１図に示された固定子１１の裏
面に装着された本発明の作動機構２２が示されている。

作動機構２２は、室２６を画定するハウジングを構成す
る断面ほぼ長方形の環状部材２４を備えている。

ハウジング２４は、互いに半径方向に離隔した１対の円
周方向に延長した表面３４．３６を有しており、溝形部
材３１（第４図）の軌道２９内に適当に装着されている
。

部材３１は、例えば押えねじ３５のような適当な手段に
よって固定子１１の背面３３に取付けられる。

詳述すれば、ハウジング２４は、部材３１に対して円周
方向に回転することはできるが、部材３１に対して軸方
向にも半径方向にも移動することができないように部材
３１の軌道２９内に装着されている。

部材３１は、組立を容易にするために２つの別個の部材
３７，３９をねじ５３等の適当な手段で結合することに
よって構成する。

室２６内には複数のローラマイト装置３０を配設し、各
ローラマイト装置をそれぞれ１つの可動羽根１２に付設
する。

各ローラマイト装置３０はバンド３２を備えており、該
バンドの両端をリベット３８等によりハウジング２４の
表面３４．３６にそれぞれ固定する。

ローラマイド装置３０は、更に第１ローラ部材４０と第
２ローラ部材４２を有しており、バンド３２は、第２〜
４図に示されるようにローラ部材４０，４２の周りにほ
ぼＳ字形または逆Ｓ字形にぴったり巻きつけられている
。

従って、ローラ部材４０．４２はバンド３２に対して強
く接触した状態に維持されている。

バンド３０のループ５４が第２ローラ部材４２の周りに
巻きつけられ、ループ５６が第１ローラ部材４０の周り
に巻きつけられている。

一方のローラ部材、例えば第１口−ラ部材４０が第３お
よび４図に示されるように羽根１２の軸または軸様突出
部材４４に取付けられている。

各軸４４は、ハウジング部材２４の壁に穿設されたスロ
ット４５および固定子１１に穿設された孔４７を貫通し
て延長されている。

原動流体が孔４７を通って漏出するのを防止するために
軸４４にはＯリングのようなシール部材４９を装着する
。

実際の機能上は、第１ローラ部材４０は、羽根１２のた
めの軸の一部を構成する。

ハウジング２４の回転自在表面３６に、ピストン４８を
有する力発生装置４６をリンク５０を介して連結する。

力発生装置４６のシリンダ５２内でのピストン４８の移
動によりそれに対応してハウジング２４およびそれに付
設されているバンド３２を移動させる。

作動において、羽根１２をホイール１０に対しそ移動さ
せることによりターボ機械の入口ノズルの有効流れ断面
積を変更させたい場合は、ノズルの有効流れ断面積を増
大または減少させるかに応じてピストン４８をシリンダ
５２内でどちらかの方向に移動させる。

ピストン４８の移動によりそれに対応してハウジング２
４の表面３４．３６およびそれに付設されているバンド
３２が移動される。

バンド３２は、それが移動された結果として該可動バン
ドに対し固定関係に保持されているローラ部材４０．４
２の周りに巻回される。

バンド３２はローラ部材４０．４２に対して強く圧接し
ているのでバンド３２の巻回動作によりローラ部材４０
と４２との相対回転が惹起される。

第２ローラ部材４２は、第１ローラ部材４０に対して遊
びローラとして機能する。

第１０ーラ部材４０の回転は、該ローラ部材に連結され
ている軸４４を介して羽根１２の回転を惹起する。

各ローラマイト装置３０のバンド３２は、ハウジング２
４を介していっせいに移動されるので、それに対応して
すべての羽根１２が均一に移動（回転）される。

かくして、すべての羽根１２の均一な移動を達成するた
めの、製造費の安い、摩擦のない、しかも確実に機能す
る作動装置が得られる。

更に、この作動装置は、従来の複雑なリンク装置に比べ
て必要とされる保守サービスが極めて少くてすむ。

ここでは羽根１２は半径方向流入式膨脹装置のための入
口ノズル羽根として例示したが、本発明の作動装置は、
予備渦流装置や抗渦流装置として使用される可動羽根お
よびその他の用例に極用することができる。

更に、所望ならば、ローラ部材４０，４２の半径の比率
を変えることによって作動装置の出力比を変更すること
もできる。

以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、本発明の範囲内におい
ていろいろな変型、改変が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を組入れたターボ機械の一部分の平面図
で、細部を示すために一部が切除されている。 第２図は第１図に示されたターボ機械の一部分の裏側の
平面図、第３図は本発明の作動装置の透視図、第４図は
第３図の細部を示す断面図である。 図中、１２は羽根、２２は作動機構、２４はハウジング
部材、２６は室、３２はバンド、３４，３６は表面、４
０．４２はローラ部材、４４は軸、４６は力発生装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ターボ機械の調節自在羽根のための作動装置におい
   て、 室２６を画定する可動ハウジング部材２４と、該室内に
   配設され、該ハウジング部材と共に移動するように該ハ
   ウジング部材に付設されたバンド３２と、前記調節自在
   羽根に係合し、かつ、前記バンドの第１の部分に接触さ
   せた第１ローラ部材４０と、該バンドの第２の部分に接
   触させた第２０ーラ部材４２と、前記ハウジング部材お
   よびそれに付設された前記バンドを第１ローラ部材およ
   び第２ローラ部材に対して移動させ、それによって第１
   および第２ローラ部材をそれぞれの軸線の周りに回転さ
   せ、第１ローラ部材の回転によりそれに対応して前記調
   節自在羽根を移動させるために該ハウジング部材に連結
   された力発生手段４６とから成る作動装置。 ２ 前記ハウジング部材は、１対の互いに半径方向に離
   隔した環状表面部材３４．３６によって構成される断面
   ほぼ長方形のほぼ環状の部材である特許請求の範囲第１
   項記載の作動装置。 ３ 前記バンドの一端を前記ハウジング部材の一方の表
   面部材の内側面３４に取付け、該バンドの他端を他方の
   表面部材の内側面３６に取付けた特許請求の範囲第２項
   記載の作動装置。 ４ 前記調節自在羽根は、流れ断面積可変ノズルを画定
   するものである特許請求の範囲第１項または３項記載の
   作動装置。 ５ 前記第１ローラ部材は、前記羽根に取付けられ羽根
   と共に回転することができる軸部材によって構成されて
   いる特許請求の範囲第１項または４項記載の作動装置。 ６ 前記バンドは、ほぼＳ字形形態を有する部材によっ
   て構成されている特許請求の範囲第１項記載の作動装置
   。