JPS5813356B2 - ソレノイド型プランジヤハンマ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シリアルプリンタなどに用いるソレノイド型
プランジャハンマに係り、特にハンマシャフトならびに
軸受部の構造に関する。

印字入力によって活字選択されて静止した活字をその背
面から叩き出し、インクリボンを介して、プラテンに巻
き回わしされた印字用紙に打ちつけて印字するシリアル
プリンタにおいて、活字の叩き出しにソレノイド型プラ
ンジャハンマが使用されている。

このソレノイド型プランジャハンマは、中空状に巻装さ
れた励磁コイルと、該励磁コイルの外周を被うように延
びたヨークと、前記励磁コイルの中空部に移動可能に挿
入されて軸方向に延びたハンマシャフトを有するプラン
ジャと、前記ハンマシャフトの軸方向の移動を許容して
該ハンマシャフトを保持する軸受とから主に構成されて
いる。

そして、前記励磁コイルにパルス電流を流すと、生起す
る電磁誘導によってプランジャが直進運動クし、それに
ともなってハンマシャフトの先端部で活字をプラテン側
に叩き出してプリントする機構になっている。

ところがこのソレノイド型プランジャハンマで、ハンマ
シャフトならびにその軸受の断面形状がともに円形であ
ると、ハンマシャフトの往復動時にそれが回転して隣の
活字も一緒に叩き出すなどの幣害が生じる。

このハンマシャフトの回り止めをするため、ハンマシャ
フトを支承する軸受の軸受孔の形状を角穴トし、一方、
ハンマシャフトの軸部を前記角穴と滑合可能な角形とす
ることが提案された。

確かにこのような構造にすることでハンマシャフトの回
り止めがなされるが、難点がない訳ではない。

すなわち、ハンマシャフトの軸部を角形にすれば、各角
部先端が尖っているため、その尖端部が軸受の内壁面と
摺接して摩耗粉が非常に出易く、その摩耗粉がハンマシ
ャフトと軸受の間に滞留する。

そして摩耗粉の滞留量が多くなるとそれが抵抗となり、
プランジャの推進力が弱くなるとともに応答性が悪くな
って、きれいなプリントができない。

また摩耗粉がハンマシャフトと軸受の間に溜ると、摩耗
粉が研摩作用を発揮してハンマシャフト及び軸受の摩耗
がさらに大きくなり、しかも摩耗の状態が偏り、ハンマ
シャフトがぶれてソレノイド型プランジャハンマの耐用
寿命が短縮する。

本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解消し、プ
ランジャの推進力が常に高いうえ応答性が良く、耐用寿
命の長いソレノイド型プランジャハンマを提供するにあ
る。

この目的を達成するため、本発明は、中空状に巻装され
た励磁コイルと、該励磁コイルの外周を被うように延び
たヨークと、前記励磁コイルの中空部に移動可能に挿入
されて軸方向に延びたハンマシャフトを有するプランジ
ャと、前記ハンマシャフトの軸方向の移動を許容して該
ハンマシャフトを保持する軸受とを備え、該軸受にハン
マシャフトの軸部が挿通される断面形状が円形の挿通孔
と、その挿通孔のハンマシャフト移動方向前方に設けら
れた回り止め部とを有し、該回り止め部にハンマシャフ
ト移動方向に延びた回り止め面と、前記挿通孔と連通し
その挿通孔の少なくとも前方開口近傍に下方へ向けて延
びた摩耗粉排出部とを設け、前記ハンマシャフトは軸受
の挿通孔に挿入される外周形状が円形の軸部と、前記回
り止め部の回り止め面と面接触してハンマシャフトの回
り止めを行なう摺接面とを有していることを特徴とする
ものである。

以下、本発明の実施例を図面とともに説明する。

中空状のコイルボビン１に沿って励磁コイル２が所定タ
ーン数巻装されている。

励磁コイル２に対して所定の間隙を保つように配設され
たヨーク３により、励磁コイル２の内周の一部と一方の
端面と外周の全体が被われている。

ヨーク３の前方にはフランジ付きの外筒４が配設され、
ヨーク３と外筒４が連結している。

前記励磁コイル２の中空部にはプランジャ５が軸方向に
沿って移動可能に挿入され、該プランジャ５の軸方向の
前後にはハンマシャフト６Ａ，６Ｂが延びている。

前側のハンマシャフト６Ａは、前記外筒４の内側に装着
された前側軸受７Ａに挿通して保持されている。

一方、後側のハンマシャフト６Ｂは、前記ヨーク３の内
側に装着された後側軸受７Ｂに挿通して保持されている
。

従って、前側ハンマシャフト６Ａとプランジャ５と後側
ハンマシャフト６Ｂの一体物は、前側軸受７Ａと後側軸
受７Ｂの間で軸方向に移動可能に支承されている。

前側軸受７Ａとプランジャ５の間には、復帰用のコイル
スプリング８が介在されており、このコイルスプリング
８によってプランジャ５は常に後側軸受７Ｂ方向に付勢
されている。

９はカラーで、前側ハンマシャフト６Ａとコイルスプリ
ング８の間に挿入されている。

また、プランジャ５と後側軸受７Ｂの間にはワツシャ−
１０と、ゴムなどからなる弾性体１１が介挿されている
。

前側軸受７Ａの軸心には外周形状が円形の前側シャフト
６Ａの軸部２２が挿通する断面形状が円形の挿通孔１２
が穿設され、さらに軸受７Ａの前部には上下方向に貫通
した溝が設けられて、軸受７Ａの前部周壁が両側に２つ
割れになっている。

この溝により上側と下側にそれぞれ開口した溝状の摩耗
粉排出部１３が形成され、この排出部１３は前記挿通孔
１２の開口直前にあってそれと連通している。

また前部周壁の２つ割れにより、内側に対向した平面２
３ ，２３を有する回り止め部１４，１４が両側に形成
されている。

前側ハンマシャフト６Ａの先端部１５の両側面には前記
回り止め部１４，１４の平面２３ ，２３と対向する平
面部１６，１６がそれぞれ設けられている。

前側軸受７Ａの回り止め部１４，１４の間に前側ハンマ
シャフト６Ａの先端部１５が挿入されて、回り止め部１
４，１４と平面部１６の係合により先端部１５の回り止
めがなされている。

なお、前側軸受７Ａの挿通孔１２に前側ハンマシャフト
６Ａの軸部２２を挿入することにより、挿通孔１２と軸
部２２との間で円柱嵌合がなされろ。

励磁コイル２にパルス電流を流すとヨーク３が磁化され
、生起した磁気吸引力によりプランジャ５がコイルスプ
リング８の付勢に抗して前方（第１図において右方向）
に直進する。

このプランジャ５の移動にともなってハンマシャフト６
Ａ，６Ｂも軸受７Ａ，７Ｂに支承されて直進し、前側ハ
ンマシャフト６Ａの先端部１５でプリントホイール１７
に担持された活字１８を叩き出す。

この活字１８はインクリボン１９を介して、プラテン２
１に巻き回わされた印字用紙２０に打ちつけられて、印
字用紙２０に所定の字がプリントされる。

プランジャ５が前方へ移動中に励磁コイル２の電流がオ
フになるため、活字１８の叩き出しはプランジャ５及び
ハンマシャフト６Ａ，６Ｂの慣性力によって行なわれる
。

印字後はプラテン２１に衝突した時の反発力とコイルス
プリング８の復元力とによって、プランジャ５およびハ
ンマシャフト６Ａ，６Ｂは後方（第１図において左方向
）に復帰し、プランジャ５がワツシャ−１０を介して弾
性体１１に当接して停止する。

このようにハンマシャフト６Ａ，６Ｂの往復運動によっ
て、活字選択されて静止した活字を叩き出して印字用紙
にプリントする。

前述のように回り止め部１４，１４の平面２３２３と前
側ハンマシャフト６Ａの平面部１６との係合により、前
側ハンマシャフト６Ａが往復動してもそれの回り止めが
確実にできる。

ところが前側ハンマシャフト６Ａの平面部１６には角部
があるから、それが回り止め部１４と摺接することによ
り平面部１６の角部が摩耗して摩耗粉が出る。

生成した摩耗粉は、直接回り止め部１４に設けられた摩
耗粉排出部１３から自重によって落下、除去される。

摩耗粉排出部１３を挿通孔１２の開口近傍に設けること
により、回り止め部１４と平面部１６との摺接によって
生成した摩耗粉が前側ハンマシャフト６Ａの往復動によ
って挿通孔１２側へ入り込まないようにすることができ
、また、挿通孔１２内で摩耗粉が生成してもそれを直ち
に排出することができる。

前側ハンマシャフト６Ａの往復動方向と直交する方向の
位置決めは、挿通孔１２と軸部２２との円柱嵌合によっ
てなされる。

この嵌合部分には角部がないから材料の摩耗はほとんど
起こらず、また回り止め部１４からの摩耗粉の侵入は摩
耗粉排出部１３で排除され、しかも挿入孔１２ならびに
軸部２２の形状がともに円形であるから、高い加工精度
が得られる。

このようなことから、前側ハンマシャフト６Ａの位置決
めが長期間適正に行なわれる。

この実施例では摩耗粉の排出部を前側軸受に設けたが、
後側軸受に設けるか、または両方の軸受に設けることも
できる。

排出部は溝状のものに限られることなく、例えば透孔を
穿設して、これを排出部とすることもできる。

前記実施例で述べたように軸受の端部に上下方向に貫通
した溝を設けてその溝を排出部とすれば、加工が容易で
掃除も簡単である。

本発明は前述のように、軸受一ハンマシャフト集合体に
おいて、ハンマシャフトの回り止め機構と位置決め機構
とを別々に設けることにより、回り止め機構でハンマシ
ャフトの回り止めが確実に行なわれ、そこで生成した摩
耗粉は回り止め部に設けられた排出部から排除され、位
置決め機構側への侵入が阻止できる。

一方、位置決め機構では軸部とそれを挿入する挿通孔と
が円柱嵌合になっているから摩耗粉がほとんど生成せず
、摩耗粉のトラブルがなく、しかも高い加工精度が得ら
れるため、ハンマシャフトの位置めが長期にわたって確
実である。

このようなことから、プランジャの推進力が常に高く維
持され、応答性が良好で、信頼性が高く耐用寿命の長い
ソレノイド型プランジャハンマが提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係るソレノイド型プランジャ
ハンマの使用態様を示す要部断面図、第２図は該プラン
ジャハンマの正面図、第３図は該プランジャハンマに用
いる軸受とハンマシャフト先端部の斜視図である。 ２・・・・・・励磁コイル、３・・・・・・ヨーク、５
・・・・・・プランジャ、６Ａ，６Ｂ・・・・・・ハン
マシャフト、７Ａ，７Ｂ・・・・・・軸受、１２・・・
・・・挿通孔、１３・・・・・・排出部、１６・・・・
・・平面部、２２・・・・・・軸部、２３・・・・・・
平面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中空状に巻装された励磁コイルと、該励磁コイルの
   外周を被うように延びたヨークと、前記励磁コイルの中
   空部に移動可能に挿入されて軸方向に延びたハンマシャ
   フトを有するプランジャと、前記ハンマシャフトの軸方
   向の移動を許容して該ハンマシャフトを保持する軸受と
   を備え、該軸受にハンマシャフトの軸部が挿通される断
   面形状が円形の挿通孔と、その挿通孔のハンマシャフト
   移動方向前方に設けられた回り止め部とを有し、該回り
   止め部にハンマシャフト移動方向に延びた回り止め面と
   、前記挿通孔き連通しその挿通孔の少なくとも前方開口
   近傍に下方へ向けて延びた摩耗粉排出部とを設け、前記
   ハンマシャフトは軸受の挿通孔に挿入される外周形状が
   円形の軸部と、前記回り止め部の回り止め面と面接触し
   てハンマシャフトの回り止めを行なう摺接面とを有して
   いることを特徴とするソレノイド型プランジャ。