JPS5812906Y2 - 薬液注入管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は地盤改良工事等に用いられる薬液注入管構造
に於て、内管の側部パッカーを外管内面に圧接して該内
管薬噴出孔から薬液を外管側部薬液注入孔を介して地盤
中に注入する構造に関するものであり、特に、内管の薬
液噴出孔の前後側壁にテーパーフランジ部を介して該テ
ーパーフランジ部に弾性シールリングを環設した薬液注
入管構造に係るものである。

従来、地盤改良モ事等に種々の薬注工法が採用されてい
るが、該薬液注入工法に供される薬液注入管にも、従っ
て、さまざまなタイプのものが開発されている。

第１図に示す薬液注入管１は該薬液注入工事に供される
もの・一つであり、所謂スｈレーナ注入管タイプであり
、多数のスリット２，２・・・・・・を装設されたゴム
製のシールストレーナ３は適宜に噴出孔４，４・・・・
・・を有する外管５に外装添設され、而して、該噴出孔
４，４・・・・・・に対応する噴出孔６，６・・・・・
・を有する内管７に該噴出孔６，６・・・・・・を挾に
で１段、２段のカップ状パッカー８，８・・・・・・を
環設している。

而して、薬液注入に際しては該内管７内送給腔９に図示
しない所定薬液を圧送すると該薬液は初段的に該内管７
の噴出孔６，６・・・・・・から圧出されて該内管７、
外管５、パッカー８，８の閉鎖空間中に圧入され、該パ
ッカー８，８をしてその可撓性により外方膨出し外管５
内壁にそのリップ１０を緊着させる様にしてシール性を
高め、それにより該閉鎖空間中の薬液圧を高め、シール
ストレーナ３の締付バランスを越える様にして外管５の
噴出孔４゜４・・・・・・から噴出し、該シールストレ
ーナ３のスリット２，２・・・・・・から地盤中に所定
薬注を行う様にされている。

さりながら、該種ストレーナ注入管タイプの薬液注入管
１に於ては該パッカー８のシールがそのリップ１０によ
り行われるため勢い該リップ１０の薄肉部が注入の度に
反復して外管５の内側壁に緊締添着されることになり、
緊締力か゛弱くなり易く、又、経時的に強度が低下する
欠点があった。

又、内管７が充分使用出来るにもか・わらず、パッカー
８を交換せねばならず、その作業が極めて煩瑣である難
点があり、結果的にコスト高になる不利点があった。

この考案の目的は上記従来技術に基づくパッカー装備薬
液注入管の問題に鑑み、内管外側面にチー バーフラン
ジを設けて該テーパーフランジに弾性シールリングを環
設する様にした新規な薬液注入管構造を提供せんとする
ものである。

上記目的に沿うこの考案の構成は内管に水、或は、薬液
を送給し、該内管の噴出孔より噴出させ外管との間に昇
圧させるプロセスに於て、環設されたシールリングが該
液圧により内管外側面に形成したテーパーフランジ部に
沿って外管内面に弾接され、確実にシールされると共に
弱所なく変形し、注入後は復位する様にし、昇圧液は外
管の噴出孔より地盤中に圧入される様にしたことを要旨
とするものである。

次にこの考案のｌ実施例を第２．３図に基づいて説明す
れば以下の通りである。

尚、第１図の態様と同一部分については同一符号を付し
て説明するものとする。

１′はこの考案の薬液注入管であり、多数の噴出用スリ
ット２，２・・・・・・を有するゴム製シールストレー
ナ３が所定数の噴出孔４，４・・・・・・有する外管５
の外側面に緊締添設されている。

而して、該噴出孔４，４・・・・・・に対応する噴出孔
６゜６・・・・・・を有する内管７は適宜該外管５内に
挿脱自在にされており、又、該内管の該噴出孔６，６・
・・・・・の部位の上下には小ストップリング１１．１
１が付設され、該ストップリング１１．１１には２段の
テーパーフランジ部１２．１２が溝部１３．１３を介し
て環設され、該溝部１３，１３にはそれぞれ断面円形の
ゴム製のパッカーとしての弾性シールリング１４が遊挿
されている。

上記構成に於て外管５内に内管７を内装し第１図の薬液
注入管同様所定の打設プロセスにより該薬液注入管１′
を対象地盤内に貫設し薬液注入を行うに際し、図示しな
い所定送給装置により設定注入薬液を内管７内に送給す
ると、該薬液は図示しない内管先端のチェックバルブに
より昇圧して噴出孔６，６・・・・・・より側出し、外
管５との間に注出されシールストレーナ３により昇圧す
る。

而して、該昇圧プロセスに於て上下のシールリング１４
．１４・・・・・・に一種のＯリング作用を付与し、該
シールリング１４．１４・・・・・・をしてテーパーフ
ランジ部１２のテーパ一部に締結する様に働き、その結
果、第３図に示す如く該シールリング１４．１４は外管
５の内面とテーパーフランジ部１２との間に断面変形を
生じて食い込み、緊結シール機能を発揮する。

その場合、図示する如く該シールリング１４が２段ある
ためバックシールによりシールがダブルに効き確実に液
圧が上昇し、シールストレーナ３のタイトバランスを越
えると薬液は外管５の噴出孔４．４・・・・・・より噴
出し、更にシールストレーナ３のスリット２，２・・・
・・・より図示しない地盤内に注入されていく。

そして、注入薬液の送給は停止すると液圧は降下するた
め上記シールリング１４．１４はその弾性により自然復
帰し、外管５に対する緊締作用は解離され、該外管５に
対する内管７の変位移動は何ら支障は生ぜず、次段削孔
、注入プロセスへの移動を適宜行うことが出来る。

尚、その間該シールリング１４はテーパーフランジ部１
２に於て軸方向に回転して同一姿勢を有することはない
。

勿論、この考案の実施例は上記実施例に限ることなく、
他の態様も可能であり、例えば、シールリングのテーパ
ーフランジ部との装着を３段、４段にすることも可能で
あるし、上下を非対称数セットすることも可能である。

又第１図の様な在来型のリップタイプパッカーを併設す
る設計も可能である。

上記の様にこの考案によれば、薬液注入管構造に於て、
外管に挿入される内管の薬液噴出孔の前後に少くとも１
段のテーパーフランジ部を設け、該テーパーフランジ部
のテーパー面を該噴出孔から遠のくに従って拡径する様
に形成させて該テーパー面に弾性シールリングを環設す
る様にしたことにより該内管の薬液噴出孔を外管の薬液
噴出孔に対応させて薬液を噴出させた場合内管と外管の
間に蓄圧される薬液が該シールリングをしてテーパーフ
ランジ部のテーパー面にせり上り、単にその断面を楕円
状に変形して外管内面に圧接して一種のＯリング作用を
行い確実にシールし、しかも、噴出圧を高める程緊締の
程度は強められ、シール性は増強される効果がある。

更に、シールが該シールリングにより行われるため、従
来のパッカーの様なリップ部を有しておらず、従って、
緊締解離の反復作用によるリップ部の疲労が生ずるおそ
れもなく、その限り極めて耐久性に優れた利点がある。

そして、該シールリングが緊締解離を反復するプロセス
で軸方向に姿勢を回転するため、同一姿勢で緊締解離が
反復されず、それによっても該シールリングの偏倚摩耗
や破損が避けられる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基く薬液注入管構造の部分断面概略
説明図、第２図はこの考案の１実施例の部分断面構造説
明図、第３図はシールリングの作動説明図である。 ６・・・・・・噴出孔、７・・・・・・内管、４・・・
・・・噴出孔、５・・・・・・外管、８・・・・・・パ
ッカー、１２・・・・・・デーパ−フランジ部、１４・
・・・・・シールリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薬液噴出孔を側部に開口する内管が側部に薬液噴出孔を
   有する外管内側にパッカーを対設させて内挿されている
   薬液注入管構造において、上記内管がその前記薬液噴出
   孔の前後に少くとも１段のテーパーフランジ部を該薬液
   噴出孔に遠のくに従って拡径する様にテーパーを形成さ
   せて環設され、而して該テーパ一部に弾性シールリング
   が環設されて成ることを特徴とする薬液注入管構造。