JPS5812044B2 - 液体分離装置における分離管の連結部 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体分離装置における分離管の連結部に関する
ものである。

工場廃水、或は下水の浄化、または海水からの塩分の除
去等を行うために逆浸透現象を利用することが知られて
おり、これを実現するための逆浸透分離装置が種々提案
されている。

逆浸透分離装置の基本的構造は、多孔性支持管の内面に
半透膜を設けた逆浸透分離管を多数本（通常は１８本）
並列に配設すると共に、分離管を一対あて連通するため
の流通路を有する連結器を、上記並列配設の分離管群の
両端に装着すると共にこれら両連結器を共通の耐張ボル
トで締付けて、分離管群をジグザグ流通を形成するよう
に連結し、そして分離管群を収納するためのケースの両
端を上記の両連結器に結着せる構成であって、被処理液
が分離管群の上記ジグザグ通路を通過する間に、被処理
液の浸透圧力以上に加圧されて、半透膜を通過した浄水
がケースから取り出されると共に濃縮液が上記ジグザグ
通路の流出口より排出されていく。

ところで、上記装置において、逆浸透分離管と連結器と
の連結には、従来、第５図に示すように、分離管１０．
１０・・・にバッキング２０を介して中空アダプター３
０を挿着し、該アダプター３０のフランジ部と、連結器
４０の流通路口内面との間にＯ−リング２２０を介在さ
せ、共通の耐張ボルト５０による両連結器４０，４０の
締付力でＯ−リングを圧縮するといった手段が用いられ
ている。

しかしながら、この連結手段においては、多数本の分離
管相互に、僅かな寸法誤差があっても、分離管の軸方向
圧縮応力に差が生じ、それぞれのＯ−リングの圧縮応力
がまちまちにされる結果、各分離管を連結器に一様なシ
ール性で連結することが困難である。

上記寸法誤差を無視して装置を組立てる場合は、分離管
群の一部が過大な軸方向圧縮力を受けて曲げ変形する、
一部のＯ−リングが過大な圧縮力のために破損するとい
った不都合は避けられない。

更に、上記の連結手段では、高内圧を受ける両連結器を
その高内圧に抗して一体的に連結するための耐張ボルト
でＯ−リングを締付けており、耐張ボルトの締付機構に
万−緩みが生じると、Ｏ−リングのシール性が直に低下
されるといった不具合もある。

このため、本願出願人は、第４図に示すように、フラン
ジ部２２０′をスリーブ部２０′の一端に形成したバッ
キングのスリーブ部２０′を分離管１′の端部内に挿着
し、上記分離管１′の外径にほぼ等しい外径を有するフ
ランジ部３３０′をスリーブ部３０′の一端に形成した
筒状アダプターのスリーブ部３０′を上記バッキング内
に挿着し、かかる分離管端部を連結器４０′の流通路口
４１′に挿入して、該通路口４１′の内面にバッキング
のフランジ部２２０周縁を圧接させ、しかも該フランジ
部２２０′を上記アダプターのフランジ部３３０′によ
り分離管端面に圧接させることを既に提案した。

この分離管と連結器との連結構造によれば、バッキング
のフランジ部２２０′が連結器の流通路口４１′内でい
わゆるＯ−リングとしてのシール効果を発揮しシール圧
を充分に高くできる。

従って、連結器の流通路凹底面と分離管端との相対関係
に関係なく連結器と分離管とを水密に連結でき、多数本
の分離管の長さ寸法に多少の誤差があっても、連結器と
分離管の連結に何らの支障ともならない。

しかしながら、この連結構造においては、分離管端部内
に、アダプターのスリーブ部先端並びにバッキングのス
リーブ部先端とで形成された急峻な段が存在するので、
この箇所での圧力損失が問題となる。

本発明に係る液体分離装置における分離管の連結部は、
本出願人が既に提案した上記連結部の圧力損失の軽減を
図るものである。

以下、図面により本発明を説明する。

第１図において、１は逆浸透分離管であり、多孔性また
は穿孔支持体管１′に管状の半透膜１″が内挿されてい
る。

２は筒状バッキングであり、第２図に示すように、スリ
ーブ部２１の一端にフランジ部２２が形成され、このフ
ランジ部２２の外径は分離管１の外径よりも大きくされ
、かつ、フランジ部２２の周縁は円弧状のシール面にさ
れている。

この筒状バッキング２のスリーブ部２１の他端４面はテ
ーパー面２１１とされている。

第１図において、３は筒状アダプターであり、第３図に
示すように、スリーブ部３１の一端にフランジ部３２が
形成され、このフランジ部３２の外径は分離管１の外径
にはゞ等しくされている。

この筒状アダプター３のスリーブ部３１の他端部外面は
、上記筒状バッキング２を充分に圧縮し得る適当なテー
パー面３３とされている。

上記の筒状バッキング２のスリーブ部２１が分離管端部
内に挿着され、次いで筒状アダプター３が筒状バッキン
グ２内に挿着される。

この場合、筒状アダプター３の先端はテーパー面３３に
されているので、筒状バッキング２内への筒状アダプタ
ー３の挿入は容易である。

このようにして挿入された筒状アダプター３の先端から
筒状バッキング２の先端のテーパー面２１１が突出して
いる。

上記のようにして、筒状バッキング２並びに筒状アダプ
ター３が挿着された分離管端部は、連結器４の連通路口
４１に挿入され、筒状バッキング２のフランジ部２２が
連通路口４１に圧接されており、筒状アダプター３のフ
ランジ部３２の前面３４が連通口４１の奥方垂直面４１
０に非接触とされている。

本発明に係る液体分離装置における分離管の連結部は、
上記した通り、分離管端部内における筒状バッキングの
端面を、筒状アダプターの端面に対してテーパー面で突
出させ、従来例における、垂直な段面を除去するもので
あるから、この垂直段面のために生じる圧力損失を充分
に防止できる。

従って、本発明によれば、逆浸透分離装置の圧力損失を
充分に低減でき、逆浸透分離装置の直列連結台数を増大
させることができる。

そして、逆浸透分離装置を多数台連結しても、圧力損失
を充分に小さくとどめ得るので、下流側の分離装置の圧
力は、上流側のそれに較べてそれ程小さくなることがな
く、下流側の分離装置も効率よく使用できる、被処理液
を送流するためのポンプ容量を小さくし得る、動力費が
少なくて済む等の利点が得られる。

更に、筒状アダプター３のフランジ部３２の前面３４が
連結器の通路口４１の奥方垂直面４１０に非接触とされ
ており、両連結器のステーボルトによる締結にもかゝわ
らず、分離管を軸方向に圧縮することがないから、分離
管の曲げ変形、既述した各分離管と連結器とのシール性
のばらつき等の不具合を解消できる。

なお、本発明は、限外濾過装置にも適用することができ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る分離管の連結部を示す説明図、第
２図並びに第３図は本発明において使用される筒状バッ
キング並びに筒状アダプターを示す縦断面図、第４図は
本出願人が既に提案した分離装置における分離管の連結
部を示す説明図、第５図は従来の逆浸透分離装置を示す
説明図である。 図において、１，１・・・は逆浸透分離管、２は筒状バ
ッキング、２２はバッキング２のフランジ部、３は筒状
アダプター、４は連結器、４１は連通路口である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 並列配設の多数本の分離管の両端に、これら分離管
   を連通するための連通路を有する連結器を装着せる分離
   管の連結部において、フランジ部を、スリーブ部の一端
   に形成したバッキングのスリーブ部を分離管の端部内に
   挿着し、分離管の外径にはゾ等しい外径を有するフラン
   ジ部をスリーブ部の一端に形成したアダプターのスリー
   ブ部を上記バッキング内に挿着し、かゝる分離管端部を
   連結器の流通路口に挿入して、該流通路口内面に上記バ
   ッキングのフランジ部周縁を圧接させ、該フランジ部を
   上記アダプターのフランジ部により分離管端々面に圧接
   させ、該フランジ部の前面を上記流通口の奥方垂直面に
   非接触とし、上記バッキングのスリーブ部先端４面はア
   ダプターのスリーブ部先端より突出せるテーパー面とし
   たことを特徴とする液体分離装置における分離管の連結
   部。