JPS581194B2 - 電気亜鉛メッキ方法 - Google Patents

電気亜鉛メッキ方法

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JPS581194B2
JPS581194B2 JP4967979A JP4967979A JPS581194B2 JP S581194 B2 JPS581194 B2 JP S581194B2 JP 4967979 A JP4967979 A JP 4967979A JP 4967979 A JP4967979 A JP 4967979A JP S581194 B2 JPS581194 B2 JP S581194B2
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filtration
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼板(帯)(以下単に鋼板と云う)の硫酸性
電気亜鉛メッキ浴を用いる電気亜鉛メッキ方法に関する
ものである。
一般に電気亜鉛メッキ浴としては、従来より硫酸亜鉛浴
、塩化物浴、ホウフツ化浴、アルカリ性浴、ピロリン酸
浴等が広く用いられているが、なかでも硫酸亜鉛浴は、
安価であり、かつメッキ浴の管理が容易であるので使用
例が多く、鉄鋼業などで生産される電気亜鉛メッキ鋼板
の製造には、通常、硫酸亜鉛浴が用いられている。
このような電気亜鉛メッキにおいて、メッキ浴中には、
メッキ用原料に含まれるSb,Co,Ni,At,Cu
,Fe,Cd,Sn,Pb等の不純物が存在し、また、
不溶性電極を用いる場合は、電極からも不純物が混入す
る。
これらメッキ浴中の不純物は、電析亜鉛の結晶、電析亜
鉛の純度等に影響を与え、実用的には、表面粗度、表面
外観などの物理的な性質(特性)やクロメート処理、リ
ン酸塩処理等の化成処理性、さらに使用時の諸特性に影
響を与える。
そこで、これら不純物の影響を軽減する方法の1つとし
て、SrやBaの化合物をメッキ浴に添加する方法が提
案されている。
しかしながらこれらの化合物をメッキ浴に添加した場合
メッキ浴中の浮遊固形物(以下単にSSと云う)が増加
し、特に硫酸浴では、難溶性のSrSO4やBaSO4
が生成して種々のトラブルを生ずる。
例えばSSがメツキセルあるいはメッキ浴タンク中に沈
積したり、配管、ノズル等に沈積してメッキ液の循環を
阻害し、その除去に多大な費用を要するだけでなく、電
気亜鉛メッキ鋼板表面に付(沈)着し、ロール等による
圧着を受けて該メッキ鋼板表面性状を損い商品価値を低
下せしめるおそれがある。
そこで本発明者らは、これら化合物の添加方法及びSS
の除去方法とメッキ鋼板の後処理性の関係について、鋭
意検討し本発明に到った。
すなわち硫酸性電気亜鉛メッキ浴の全部あるいは1部の
液を取り出し、濾過機を通し、浮遊固形物を除去し、濾
過後の液を再びメッキ浴に戻して使用することである。
この場合、メッキ浴へのSrあるいは、Baの化合物の
1種あるいは2種以上から成る薬剤の添加は、メツキセ
ルあるいは、メッキ浴タンクに添加しても良く、またメ
ッキ浴タンクあるいはメツキセルから取り出した全部あ
るいは、1部の液に添加しても良い。
メッキ浴から取り出した1部の液に添加する場合は、反
応槽で十分反応せしめてから沢過することが好ましい。
濾過機としては、濾布濾過機または、砂濾過機を用いる
ことが好ましい。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明者らは、硫酸性電気亜鉛メッキ浴にSrやBaの
化合物を添加したときの難溶性のSrSO4やBaSO
4の生成によるSSの増加に伴うトラブルの除去につい
て検討した。
まず本発明者らは、ビーカー実験で次のことを確認した
■ 硫酸性電気亜鉛メッキ浴に前述のSb,Co,Ni
,As,Cu,Fe,Cd,Sn,Pb等の不純物を添
加するち電気亜鉛メッキ鋼板の後処理性は、添加量に応
じて、悪くなる。
■ 前述した不純物を添加した硫酸性電気亜鉛メッキ浴
にSrやBaの化合物を添加すると、多量加えた場合に
は、直ちに電気亜鉛メッキ鋼板の後処理性が向上し、少
量添加の場合にも長時間経過すると電気亜鉛メッキ鋼板
の後処理性が向上する。
■ 硫酸性電気亜鉛メッキ浴にSrやBaの化合物を添
加後、直ちに約10μ目の濾布で濾過し、該濾過した液
に前述した不純物を添加したところ始めは、後処理性が
悪かったが時間の経過と共に後処理性は良くなった。
なお、濾過後のメッキ浴中のSSの粒径はほぼ3μ以下
であった。
一般に濾布は濾布目の開きの3分の1くらいの大きさの
粒子まで捕集できるとされる。
なお、ここで云う「後処理性」とは、電気亜鉛メッキ鋼
板にクロメート処理、リン酸塩処理、電解クロメート処
理等の化成処理を施こした時の処理被膜の密着性、外観
、並びに亜鉛メッキ鋼板に直接又は、化成処理を施こし
た後に塗膜を施した時の塗膜密着性等の性能を云う。
特に密着性については次の評価を行った。
電気亜鉛メッキ鋼板を化成処理し、塗装し、加熱処理(
300℃,30分)後、試料面に粘着テープを密着し、
この粘着テープを剥離した時に塗料等が、粘着テープと
一緒に剥離する程度1点(不良)から5点(良好)まで
に評点をつけて評価した。
4点以上が実用上、問題なく使用できるものである。
さらに硫酸性電気亜鉛メッキ浴中のSSの挙動について
詳しく調べ次のことを確認した。
工業的に使用される硫酸性電気亜鉛メッキ浴は、通常亜
鉛濃度30g/l以上でPH0〜7位である。
このようなメッキ浴中では、SrSO4やBaSO4の
単独の粒子はあまり大きく成長しない。
SrSO4の場合、1〜5μ位の単粒子しか得られない
しかしながら、このような微粒子は、凝集して大きな粒
子となり沈澱し、前記するような種々のトラブルを生じ
ている。
SrSO4の粒子は、1μ径の場合計算によれば、1m
沈降するのに7〜8日かかると、推定されるので、小粒
子径のSSを取り除く必要はない。
従って、凝集した大粒子あるいは比較的大きなSSの単
粒子のみ除去すれば良いことになる。
またSSの単粒子が激集して大きな粒子とならないため
、あるいは凝集を遅くするには、該メッキ浴中のSS粒
子の量を減らせば良い。
これらの結果に基づいて、本発明者らは、第1図に示す
ような実験設備を用いてメッキ浴中のSSの影響をなく
するためのシステムの検討を行った。
実験設備は、メツキセル2、メッキ浴タンク4、反応槽
7及び濾過機8から成り、反応槽7は、切替弁13及び
14を切替えてバイパスすることでp過用循環ポンプ6
と薬剤添加口11を介して直結することができるものと
した。
メツキセル2でメツキされる鋼板は、電気亜鉛メッキ後
、各種の特性(特に後処理性)が調べられた。
硫酸性電気亜鉛メッキ浴5はメッキ浴循環ポンプ3で電
気亜鉛メッキ中は一定量ずつメツキセル2に送られるよ
うになっている。
SrやBaの化合物は、薬品添加口9、又は同10、又
は同11から一定量ずつ添加されるようになっている。
主としてBaSO4やSrSO4から成るSSは濾過機
8からスラツジ排出口12を通して排出される。
なお、メツキセル2中の陽電極は不溶性合金を用い亜鉛
の供給は、該メッキ浴5の1部を取り出し、原料亜鉛を
溶解してメッキ浴タンク4中の該メッキ浴5に戻すよう
になっている。
また濾過後のメッキ液は、メッキ液返送ポンプ15によ
ってメッキ浴タンクに戻される。
濾過機8の濾過方式としては硫酸性電気亜鉛メッキ浴か
ら取り出した該メッキ液中のSSを除去すると云う目的
のためには、遠心分離、デカンター、セパレーター、ウ
エット、サイクロン、沈降分離、プレコート濾過、濾布
濾過、砂濾過等の各種の方式及びこれらの組合せが考え
られるが遠心分離、デカンター、セパレーター、ウエッ
ト、サイクロン、沈降分離は単独では、処理能力分離性
及び設備費に難点があるので、本実験ではプレコート濾
過、濾布濾過及び砂濾過を対象とした。
なお、主濾過機の性能効率を十分発揮せしめ、システム
の効率を上げるために、主濾過機の前面に沈降分離、セ
パレーター等の粗分離操作工程を設ければ、都合の良い
場合があることは当然考えられる。
またSS分離した後のSS分は、主濾過機ないしは、前
処理(粗分離)工程からスラリーの状態で排出、回収さ
れると考えられるが、これらは別の固液分離操作、例え
ば、沈澱分離、脱水等でSS分をより含液率の低い状態
に処置することが考えられ、この場合は、液成分は、当
然、元のメッキ系に戻すことによって液の損失を防ぎ効
率を上げるシステムをとることができる。
また砂濾過は、本発明対象のSSの場合、SSの粒子径
から完全濾過は望めないが、SSを部分濾過する機能を
十分持つため、本発明において有効に使用し得る。
次に、前述した実験設備によるシステムの検討結果につ
いて述べる。
まず第1の方法として次の検討を行った。
メッキ浴タンク4及びメツキセル2中のSS濃度を極小
量にするために、BaやSrの化合物から成る薬剤を薬
剤添加口10あるいは薬剤添加口11から添加し、濾過
機はプレコート濾過機を用いた。
この場合、薬剤添加口10から添加する場合は反応槽7
を設置したが、薬剤添加口11より添加する場合は反応
槽7はバイパスし、濾過用循環ポンプ6と薬剤添加口1
1を直結した。
まず薬剤添加口から該薬剤を添加する場合、ビーカー実
験で示されたように反応時間が短いので多量の該薬剤が
必要であった。
また電気亜鉛メッキ鋼板の後処理性を一定基準以上に保
持するためには、多量の該メッキ液を循環しなければな
らなかった。
次に、該薬剤の添加量の節約方法として薬剤添加口10
より反応槽7に該薬剤を添加したところ、反応槽が大き
くなれば、該薬剤の添加量が減少して良いことが分った
すなわち前記のビーカー実験で示されるように反応時間
を十分取れば該薬剤の添加量は少なくても良いことが分
った。
しかしながら上記の2つの方法とも、一定量以上の該メ
ッキ液を濾過用循環ポンプ6で送付しなければ該メッキ
鋼板の後処理性は良好に保たれなかった。
上記いずれの方法においてもプレコート濾過を行ったの
で、メッキ浴タンク及びメツキセル2中の該メッキ浴の
SS濃度は極少1 0 ppm以下に抑えることができ
、該薬剤添加による不都合を解消することができた。
なお、濾過機は、プレコート材として、けいそう土系の
もの1Kg/m2の厚みで用いた。
発明者らはさらに、前記のビーカー実験で確認したSr
またはBaの化合物を添加して約10μ目の濾布で粗い
沢過した該メッキ液にも電気亜鉛メッキ鋼板の後処理性
向上能力があること及び小さいSSは沈澱(沈降)が遅
いことから硫酸性電気亜鉛メッキ浴中には、前記するよ
うな不都合を生じない程度の少量で、粒子径の小さなS
Sが存在しても何ら支障をきたさないものと考えた。
前記するようにSrSO4の粒子は1μの径の場合計算
から1m沈降するのに7〜8日かかると推定されるもの
である。
そこで第2の方法として、該メッキ浴中のSS濃度を1
0ppm以下に抑えることはやめて薬剤添加口9より該
薬剤を該メッキ浴5に添加することにした。
この場合、濾過機8は濾過後の該メッキ液のSS濃度を
0〜10ppm以下とするようなプレコート濾過などで
、極度にキレイな濾液を得ることも考えられるが、該メ
ッキ液の戻る該メッキ浴5は、SS濃度が薬剤供給口9
より添加されるSrやBaの化合物により高められてい
るので、濾過機での濾過は、完全である必要がない。
むしろ後処理性の向上に効果のある小さなSS成分を漏
らすような濾過機の方が良い。
発明者らは詳しくは後述するように約10μ目の濾布濾
過機を用いて実験を行った。
実質設備では通常SSは漏れや鋼板のドラツクアウトに
よるSSの持出しとバランスして2,000 〜5,0
00ppmになると推定される。
該方法による実験において、薬剤添加口9から添加する
SrやBaの化合物から成る薬剤を一定にして、濾過用
循環ポンプ6の該メッキ液流量を変え、またメッキ浴タ
ンク4中の硫酸性電気亜鉛メッキ浴中のSSの濃度を変
えて、電気亜鉛メッキ鋼板の後処理性及びSSの沈着状
況を調べた。
その結果について述べる。該メッキ浴中のSS濃度<1
0,50,100,150,200,400,700,
1,000,2,000,及び5,000ppmの場合
の後処理性特に密着性の評点は、それぞれ、2,4,4
,5,5,5,5,5,5,及び5でありSS濃度が5
0ppm以上でる必要があった。
また後処理性に関しては、上限は特になく、SS濃度が
5,000ppmになっても何ら劣化することはなかっ
た。
設備に対するSSの沈着(付着)等の不都合は、該メッ
キ浴中のSS濃度が低ければ低いほど有利であったが、
1,000ppmまでは実用上問題を生じないと見られ
る。
1,000ppm超では、滞留時間が長いことも重なっ
て、該メッキ浴中における微小SSの会合が著るしく、
SSの沈澱に急激な増加が見られた。
従って、メッキ浴中のSS濃度としては、50〜1,0
00ppmに保持することが必要である。
該メッキ浴中の最適SS濃度範囲は、100〜300p
pmである。
第2の方法においては、前述したように、SrやBaの
化合物から成る薬剤をメッキ浴タンクの薬剤添加口9か
ら添加しても良いが、薬剤添加口11から添加して、濾
過機を濾布濾過機や砂濾過機を用いて、濾過後のメッキ
液中のSS量を50〜1,000ppmに保持すること
もできる。
この場合該薬剤の効果が若干減少し、薬剤添加口9から
添加する方法より薬剤の使用量が多目であった。
なお、スラツジ排出口より排出されるSrSO4やBa
SO4の量は、添加するSrやBaの化合物量に見合う
量であることは云うまでもない。
また該メッキ浴5中のSS濃度は、濾過用循環ポンプ6
の流量及び濾過機8の濾過効率によって支配されること
も同様である。
次に濾過機について詳しく述べる。
該メッキ浴中のSSを完全に除去(例えばSS1ppm
以下)するためには、プレコート濾過などが考えられる
のでこれらの方法について実験を試みたがプレコート濾
過は単なる濾布濾過に比べて複雑な機構を伴うため割高
な設備となる。
これらの面からも第1の方法は経済的効果の面であまり
良くなかった。
第2の方法すなわち該メッキ浴中のSSを適度に高めて
おく方法では、前述するように、ここに用いる濾過機は
、完全に、SSを除云する必要がない。
そこで、プレコート濾過のようにプレコートすると云う
複雑で、コストの高い濾過でなく、濾布のみによる濾過
及び砂濾過について検討した。
濾布濾過機の場合、濾布に使われる材質としては一般に
木綿、化学繊維、ウール、絹、麻などがあるが、本発明
の対象とする硫酸性電気亜鉛メッキ浴は、pHが低いの
で、木綿、ウール、絹、麻などをおかし、これらは、使
用に耐られない。
化学繊維は該メッキ浴に対して強い耐食性を有している
が、なかでもポリプロピレン繊維が特に優れ、コスト的
にも有利であった。
濾布の織り方には、一般にヒラ織り、アヤ織り、シュス
織などがあるが、ヒラ織では、SSの捕足性が良過ぎて
、目づまりし、逆洗によって圧力損失(ΔP)が元に戻
らず、寿命を著るしく縮めた。
シュス織は、もれるSSが多く、一定の量のSsを捕集
するための設備が大きくなり不都合であった。
最も適した織り方は、アヤ織りで、表面濾過及び深層濾
過作用によってSSの捕集及び逆洗性が適度であった。
濾布目については、本実験において、5〜40μ目につ
いて、アヤ織り濾布を用いて、圧力損失、SSの捕集性
等について調べた結果7〜20μ目の濾布が適度な濾過
特性を示した。
7μ目未満の濾布は、目づまりが多く、また20μ目超
のものはSSの捕集効率があまり良くなかった。
しかしながら7μ目未満及び20μ目超の濾布が全く使
用できないと云うものではなく、SS捕集のバランスを
選ぶことによって使用し得る。
第2図は、Srの化合物を添加したSS192ppmの
硫酸性電気亜鉛メッキ浴を、ポリプロピレン製アヤ織り
9〜12μ目の濾布を用い、3.7m/Hrの沢過速度
で濾過した場合の濾過時間と圧力損失(ΔP)の関係を
示したものである。
沢過を始めてから約15分経過すると圧力損失は約1.
0Kg/cm2を超えて、圧力損失(ΔP)と濾過時間
の関係は両対数で示される直線から外れてくる。
このずれは、圧力が上昇するために、SSの大きなもれ
が発生することを示している。
しかしながら約45分間の平均のもれるSSは約50p
pmであり、濾過後の該メッキ液中のSS粒子の大きさ
はほぼ3.0μ以下であった。
濾過前の該メッキ液中に含まれるSSはO〜4.3μ位
の粒子径であったので、該濾過機によりこれらの大きい
粒子が主に、捕捉されたものと考えられる。
前述したように大きい粒子のSSを捕捉せしめて、小さ
な粒子のSSのみ通過せしめることによって硫酸性電気
亜鉛メッキ浴中のSS沈澱による設備上の不都合を回避
できるのである。
第2図について、さらに詳しく説明する。
圧力損失(ΔP)と濾過時間の両対数で示される直線部
分(圧力損失約1.0Kg/cm2まで)は、該メッキ
液中のSS成分が一定の割合で濾過捕集されていること
を示し、圧力損失1.0kg/cm2では、圧力上昇に
より、捕集されたSSの充填状態に変更が起り、SSが
もれ出すものである。
しかしながら圧力損失1.0Kg/cm2超においても
、SSの捕集は行われているので、該圧力損失域におい
ても濾過機としての機能を果すことができる。
ただしこの場合太き目のSS粒子がもれ出すのは避けら
れない。
従って該メッキ浴中の沈降性の大きい、粒子径の大きな
粒子を捕集すると云う観点からはあまり好ましくないの
で、第2図で示される圧力損失と沢過時間の関係が直線
である範囲で使用することが望ましい。
たゞし、当然平均して総体的に許される範囲で意識的に
漏れ範囲条件を用いることも可能である。
次に、砂濾過機について述べる。
一般に砂濾過方式には、緩速砂濾過法と急速砂濾過法が
ある。
本発明者らは設備を小さくするために濾過速度1m/H
r以上の急速濾過法に分類される濾過速度を採用するこ
ととした。
濾過機は通常用いられる砂層600〜700mmのみ、
砂層300mm及びアンスラサイト300〜400mm
の2つのタイプについて主に検討した。
また、通常急速濾過法で用いられる凝集処理あるいは凝
集沈澱は、凝集剤がメッキ浴に混入することを避けるた
め用いないことにした。
このため通常の急速濾過法による濾過よりも、もれのS
S分は多く、濾過速度を低目にせざるを得なかった。
最も適する濾過速度は1〜5m/Hrである。
砂のみの層による濾過はメッキ液中のSSが砂層上部に
集中して捕えられて、圧力損失が急激に上昇し、逆洗間
隔が短くなると云う不都合な面があった。
これに反し比較的粒子径の大きいアンスラサイトを上層
に砂を下層に用いる二層濾過は、濾過層中のSS捕集分
布が広範囲に亙り、濾過中の圧力損失の増加かかんまん
であった。
砂粒子は0.3〜1.0mm、アンスラサイトは、1〜
5mm位のものを用いるのが良い。
次に具体的な実施例について説明する。
実施例 1 第3図に示すような実験設備を用いて、パイロット実験
を行った。
硫酸性電気亜鉛メッキ浴5の浴量は2m8であり、濾布
濾過機8の濾布面積は、4300cm2(0.43m2
)である。
メッキセル2の陽電極は、不純亜鉛を用いた。
濾過用循環ポンプ6は、1.5m3/Hrとした。
その他の条件は下に記す。
なお、濾過機8は、ポリプロピレン製のアヤ織りで濾目
10μの濾布を用いた。
■ 鋼板(被メッキ材) 厚さ0.5mm×巾150m
m■ 電気亜鉛メッキ浴組成 Zn2+ 50g/l
SO42− 90g/l Na+ 5g/l ■ メツキ浴温度 50℃ ■電流密度 20A/dm2■メツキ量
20g/m2 メツキ浴5に薬品添加口9からSr(OH)2を0.0
93Kg/Hr添加した。
比較例としてSr(OH)2を全く添加しないもの及び
Sr(OH)2を0.093Kg/Hr添加して、濾過
機を作動させないものについてSSの挙動及びここで電
気亜鉛メッキされる鋼板の後処理性を調べた。
なお、実験設備は、約20時間運転し、終了時の設備面
及び該メッキ鋼板の諸特性を調べたものである。
第1表に示す通り本発明においては、SSの沈澱及び該
メッキ鋼板の後処理性が優れていた。
実施例 2 実施例1と同様な実験を行った。
但し、濾過は下記するような砂濾過機を用いた。
濾過機及びその条件以外は実施例1と全く同一である。
砂濾過機 塔 直径 0.80m 高さ 1.10m 濾過速度 2.98m/Hr なお、砂沢過機出口のSS濃度は30ppm以下であり
、4時間毎に約20分の逆洗を行った。
その結果を第2表に示す。
第2表に示す通り本発明による方法においては、SSの
沈澱もほとんどなくなるがメッキ鋼板の後処理性が優れ
ている。
なお、本実施例では、砂濾過機によって、硫酸性電気亜
鉛メッキ浴から取り出したメッキ液中のSSを十分な砂
濾過機によって30ppm以下にしたが、例えば珪砂の
粒子径を1〜2mmと大きくしてさらに不十分な濾過を
行い、砂濾過機出口のメッキ液中SS濃度を30ppm
以上にしても実用的には何ら差支えない。
しかしながら、この場合は該メッキ浴中のSS濃度は1
30ppmより大きくなる。
また逆にさらに細い珪砂を用いて濾過効率を上げること
もできる。
一般に工業的に行われる電気亜鉛メッキ鋼板の製造には
、電解槽(メツキセル)がたて型のものと横型のものが
ある。
たて型メツキセルの場合は、第1図及び第3図に示すよ
うなメッキ浴タンク4が設けられることもあるが、設け
られない場合もある。
また横型の場合は、ほとんどの場合メッキ浴タンク4が
設けられる。
本発明においては、メッキ浴タンク4が設けられる場合
は、該タンクから一部のメッキ液を取り出し濾過機を通
すこととし、該タンク4を設けられない場合はメッキセ
ルから一部のメッキ液を取り出すこととした。
該タンク4を設ける場合メツキセルとのメッキ浴の交換
は一般に大きいので、該タンク4及びメッキセル中のメ
ッキ液組成はほぼ同一である。
従って本発明は、メッキ浴タンク4を設けない場合にも
適用されるものである。
電気亜鉛メッキ浴への亜鉛の供給方法としては、通常二
つの方法が取られている。
■陽電極に不溶解電極を用い、該メッキ浴のpHを低め
に保ち、該メッキ浴の一部を取り出し、金属亜鉛と接触
せしめ金属亜鉛を該浴中に溶解せしめて亜鉛を供給する
方法■陽電極に金属亜鉛を用いる方法である。
本発明は、いずれの場合にも適用し得るもので、亜鉛供
給方法に何ら制限されるものではない。
Srの化合物としては、フツ化物、炭酸塩、シュウ酸塩
、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩など用
いられる。
またBaの化合物としては炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩
、硝酸塩、水酸化物、硝酸塩等が用いられる。
これらは単独でもあるいは混合して用いても何ら差支え
なかった。
以上の説明は、主に連続式である電気亜鉛メッキ鋼板の
製造に関して説明して来たが、一般にボルトなどの小物
体に用いられるバッチ式の電気亜鉛メッキにおいても適
用し得るもので鋼板製造だけに本発明を限定するもので
はない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実験設備を示す模図である。 第2図は、濾布濾過機の沢過時間と圧力損失の関係を表
わしたものである。 第3図は、実施例を行った実験設備の模図である。 1・・・・・・鋼板、2・・・・・・メツキセル、3・
・・・・・メッキ浴循環ポンプ、4・・・・・・メッキ
浴タンク、5・・・・・・硫酸性電気亜鉛メッキ浴、6
・・・・・・濾過用循環ポンプ、7・・・・・・反応槽
、8・・・・・・濾過機、9・・・・・・薬品添加口、
10・・・・・・薬品添加口、11・・・・・・薬品添
加口、12・・・・・・スラツジ排出口、13・・・・
・・切替弁、14・・・・・・切替弁、15・・・・・
・メッキ液返送ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 硫酸性電気亜鉛メッキ浴にSrまたはBaの化合物
    の1種あるいは2種以上から成る薬剤を添加し、該メッ
    キ浴の全部あるいは、1部の液を取り出し、沢過機を通
    して浮遊固形物を除去し、沢過後の液を再びメッキ浴に
    戻して、該メッキ浴の該固形物の濃度を50〜1,00
    0ppmに保持しつつ電気亜鉛メッキすることを特徴と
    する電気亜鉛メッキ方法。 2 硫酸性電気亜鉛メッキ浴の全部あるいは1部の液を
    取り出し、該液にSrまたはBaの化合物の1種あるい
    は、2種以上から成る薬剤を添加し、該液と該薬剤を反
    応せしめてから濾過機を通して浮遊固形物を除去し、沢
    過後の液を再び該メッキ浴に戻し、該メッキ浴中の該固
    形物の濃度を1,000ppm以下に保持して電気亜鉛
    メツキすることを特徴とする電気亜鉛メッキ方法。 3 メッキ液とSrあるいはBaの化合物の1種あるい
    は2種以上から成る薬剤を反応槽で十分反応せしめてか
    ら沢過する特許請求の範囲第2項記載の電気亜鉛メッキ
    方法。 4 前記濾過機として濾布濾過機を用いる特許請求の範
    囲第1項ないし第2項のいずれかに記載の電気亜鉛メッ
    キ方法。 5 前記濾過機として、砂濾過機を用いる特許請求の範
    囲第1項ないし第2項のいずれかに記載の電気亜鉛メッ
    キ方法。
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