JPS5811365Y2 - 上向流フロツク分離装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、上向流の被分離液の固液分離を行う分離装
置の改良に係るものである。

従来、上向流固液分離装置において、薄板面にひれ条を
列設し、これらひれ条を、相対峙して、又は、傾斜した
板の裏面側に配設して成るものは公知である。

しかし、ひれ条を薄板の上面側に設けた場合は、板面に
沈降した分離固体を排除する点に改良の余地がある。

この問題を解決するには、ひれ条を突設した板自体を取
外し可能にする機構にするか、あるいはひれ条間の溝腔
部自体をも成る角度例えば６０°に傾斜させる方法が考
えられる。

しがし、前者の場合は、構造が複雑となる上、板の取外
し、取付は作業が面倒となる欠点があり、また、後者に
おいてはひれ条列に斜角を与えたために生じる分離機能
の低下は免れないという問題がある。

この考案は、上記事情に鑑みなされたもので、上述のひ
れ条間の溝腔部を傾斜させた形式の分離装置を改良して
、効率の良い固液分離機能を有する上向流フロック分離
装置を提供するものである。

以下に、この考案の実施例を図面について説明する。

第１図ないし第４図はこの考案の第一実施例を示すもの
では、１は薄板、２は薄板面上に垂設される多数のひれ
条であって、これらひれ条２は互いにほぼ平行に、かつ
、薄板１の向合う一組の辺１′に対して成る角度例えば
６０°をもって列設されている。

３は導流片であって、ひれ条２の上縁部に、ひれ条２の
突出方向に沿って延長方向に形式されるとともに、ひれ
条２に対して成る角度例えば３０°の角度、すなわち前
記薄板１の辺１′に対して９０°の角度をもって並列に
設けられている。

この考案の装置は、このように形成された複数の薄板１
を互いにほぼ平行に隔設させて、前記ひれ条２を隔壁と
して相互に隣接する溝腔４，４・・・・・・を形式させ
るとともに、これら溝腔４に、被分離液の上向流方向に
対抗して被分離液の分離汚泥の滑降を可能とする角度例
えば６０°の斜角を設け、かつ、薄板１を被分離液の流
向Ａに沿って傾斜させて配設して成るものであって（第
１図参照）、上向流とした被分離液を導流片３に沿って
上昇させ、その一部がひれ条２に衝突して旋回流が生じ
たとしても、薄板１に対して垂直方向から見た流向は導
流片３の作用で偏流が減少されるので、被分離液の所望
の分離効果が得られる。

また、分離された汚泥は、第１図に矢印Ｂで示すように
、ひれ条２に沿って降下すなわち排出させることか′で
゛きる。

第５図ないし第７図はこの考案の第二実施例を示すもの
で、ひれ条２の衝壁効果を増すために、導流片３ａを、
被分離液の流向Ａに対してやや角度を持って列設させた
ものである。

すなわち、第６図ａ、ｌ）に示すひれ条２を列設した薄
板１と、導流片３ａを列設した板片５とを一組とした分
離素子部６を、互いに平行となるように隔設させて、第
５図及び第７図に示すように、ひれ条２と導流片３ａと
を異なる面上で相互に交叉させるとともに、導流片３ａ
を、被分離液の流向Ａに対して成る角度例えば６０°に
傾斜させるようにしたものである。

このように形成することにより、上向流とした被分離液
は、導流片３ａに沿って上昇し、その一部がひれ条２に
衝突して旋回流が生じたときも、薄板１に対して垂直方
向から見た流向は導流片３ａの作用で偏流が少なくなり
、分離された汚泥をひれ条２に沿って排出させることが
できる。

第８図はこの考案の第三実施例を示すもので、導流片３
ｂの下線の一部に切欠き３ｂ′を設け、この切欠き３ｂ
’を介して導流片３ｂをひれ条２の上縁に設けて、導流
片３ｂの一部を溝腔４内に入り込ませるようにしたもの
である。

この場合、前記第二実施例に示すように、導流片３ｂも
薄板１上にひれ条２を列設すると同様に構成して、ひれ
条２を有する薄板１と背中合せに形成し、かつ前記切欠
き３ｂ’を介してひれ条２と導流片３ｂとを突合せるよ
うに取付ければ、工作は容易となる。

また、第９図及び第１０図はこの考案の第四実施例を示
すもので、薄板１上に突設するひれ条２ａをあらかじめ
導流片３を含めた高さとし、このひれ条２ａの上縁部を
部分的に切欠いて、その切欠き片３Ｃの一端をひれ条２
ａに付けたま・とし、他端側を折曲げて他端を隣接のひ
れ条２ａに係合させて、切欠き片３Ｃを導流片としたも
のである。

よって、導流片の接着作業の低減を計ることができるた
め、製作上有利となる。

なお、この場合、第８図に示すように、隣接する導流片
すなわち切欠き片３Ｃを段状に形成してもよく、また、
隣接する導流片３Ｃを直線状に形成してもよい。

第１１図は上記のように形成されたこの考案の使用態様
の一例を示すものであって、横流式のフロック装置７の
末端取水域７′においてこの考案の装置を適用したもの
である。

すなわち、フロック装置７の末端取水域７′において被
分離液を一時的に上向流として固液分離するようにした
ものであって、取水速度の向上を計るようにしたもので
ある。

上記のように、この考案の装置は、薄板上面側に垂設さ
れたひれ条を隔壁として相互に隣接する各溝腔を形成す
るとともに、これら溝腔に、被分離液の上向流方向に対
抗してその分離汚泥の滑降すなわち排出を可能とする角
度（上記実施例では６０°としであるがその他の任意の
角度でもよい）の斜角を設け、かつ、ひれ条の上縁部に
、被分離液の上向流の誘導方向とほぼ平行な導流片を形
成して戒るため、被分離液の固液分離を行うひれ条によ
って生じる旋回流を導流片によって減少させることがで
き、分離機能を向上させ、かつ、分離された汚泥を速や
かに排出させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の第一実施例を示すもの
で、第１図は斜視図、第２図は正面図、第３図及び第４
図はその平面図及び側面図、第５図ないし第７図はこの
考案の第二実施例を示すもので、第５図は平面図、第６
図ａ、ｂはこの考案における分離素子部を構成する部材
の斜視図、第７図は側断面図、第８図はこの考案の第三
実施例を示す斜視図、第９図及び第１０図はそれぞれこ
の考案の第四実施例を示す斜視図、第１１図はこの考案
の装置を使用した横流式フロック分離装置の一例を示す
側面図である。 図において、１・・・・・・薄板、２，２ａ・・・・・
・ひれ条、３，３ａ、３ｂ、３Ｃ・・・・・・導流片、
３ｂ′・・・・・・切欠き、４・・・・・・溝腔、５・
・・・・・板片、６・・・・・・分離素子部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄板上面に多数のひれ板を平行的に垂設し、かつ並列す
   るこれらひれ板の上縁にその並列方向と鋭角の方向に導
   流片を突設した薄板を、導流片の並列方向が流入原水の
   流向と平行となり、また薄板の面部は水平面に対し傾斜
   をもたせて多数平行的に排列してなる、上向流フロック
   分離装置。