JPS5810680Y2 - デイ−ゼル動車の全軸駆動台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鉄道車両特に旅客用のディーゼル動車などに
使用する全軸駆動の動力台車の構造に関するものである
。

従来、軸バネ及び枕バネを備えたディーゼル動車などの
台車において、前後輪軸（台車の第１軸・第２軸）にそ
れぞれ装備された減速機間に推進軸を設けたいわゆる全
軸駆動の台車では、推進軸と揺れ枕との配置が空間的に
困難で、それぞれの機器の構造や配置に充分な配慮がで
きず、製造あるいは保守に種々の問題点を生じていた。

これを図によって説明する。

第１図、第２図に示す第１従来例は、下揺れ枕５の下方
に推進軸２が通過している構造の例で、従来量もひろく
採用されている配置である。

このようなものでは、上下水平各方向のすべての車体荷
重を支持する上心皿３はその直径が大きいことが必要で
之を小型にすることができず、かつ強度的な点から上揺
れ枕１の中央部付近は大きな曲げモーメントを受は高さ
を必要とし、その上端は一段と高くなっているため車体
下面との間隙が小さぐ、推進軸２は下揺れ枕５の下部空
所を通過せしめねばならない構造になっていた。

このような構造は、当然好渣しいものではなく、推進軸
２は、下揺れ枕５と車両限界の下端に囲１れた狭小の空
間にブレーキバリ４の作動に支障がないよう配設しなけ
ればならないので、製造、保守上の欠点となりとくに推
進軸２が下揺れ枕５とブレーキバリ４との間で直接に運
動するので、取付、取外しはもとより日常の調整も決し
て楽なことではなかった。

尚６は側受、７は側受スリ板である。次に第３図、第４
図に示す第■従来例は、推進軸２を上揺れ枕１と下揺れ
枕５との間に通過せしめるものであるが、この図から容
易にわかるように前例と大差なく、台車の構造が複雑で
あり、保守点検も必ずしも改善にならないばかりでなく
、強度的にも有利とならない欠点がある。

また、第５図、第６図に示す第■従来例は、さらに別の
構造例であるが、上揺れ枕１に貫通した穴８を設けてこ
こに推進軸２を通過せしめろことにより、上記各側の台
車の構造での欠点の改善を図ったものであるが、強度的
にも有利とならず、上揺れ枕１の構造が複雑であり製造
費も高くなるなど十分な解決となっていない。

尚３′は中心ピン、９は枕バネである。

本考案は、上記のような従来の構造の諸欠点を改善する
ことを目的とするものである。

以下図面を用いて説明する。

第７図乃至第１１図は、本考案による全軸駆動台車の実
施例である。

上揺れ枕１は、下揺れ枕５に近接してほぼ水平状に配設
し、枕バネ１１を介して両柱１，５を連結し、下揺れ枕
５は吊リンク１３により台車わく１２に接続する。

そして中心ピン３′によって車体の水平荷重を負担し台
車の回動を許すとともに、左右の側受６によって車体の
重量を支持せしめ、前記側受６、中心ピン３′、上揺れ
枕１で囲１れた空所に前後輪軸１４．１４間を結ぶ推進
軸２を配設した。

尚１０は側受ゴムである。本考案は以上のように揺れ枕
装置を有する２軸駆動台車において、車体の荷重を揺れ
枕上部の左右の側受での２点支持によって負担し、心ザ
ラは小形の中心ピンのみとなってここに広い空隙が形成
され、しかも高さの低い上揺れ枕１を採用することが強
度的に可能となったことによって、推進軸２を上揺れ枕
１の上部空所に貫通配設するもので、この構造によれば
車体１５下に側受６と中心ピンぎと上揺れ枕１との間隔
を十分に大きくすることができるので、推進軸２の配設
に困難がなく、従来の台車に比べて充分に広く且っ好ま
しいスペースが形成され、従来の諸欠点を除くことがで
きるばかりでな〈従来の台車性能改善にも資することが
できろ。

本考案による主な効果を列挙すると以下の如くである。

（１） 台車のメンテナンスに有利なこと。

即ち、前記の第１従来例の台車では、推進軸が下揺れ枕
とブレーキバリとの間隙に配置されているため、取付、
取外しなどは繁雑である。

また第■従来例、第■従来例では推進軸が揺れ枕装置の
間に収められているので、構造的に有利な点があっても
取付取外しなどはさらに繁雑となり楽ではない。

これにくらべて本考案の台車は、推進軸附近の配置は著
しく楽で、台車を分解することなくその取付取外しを可
能とすることができる。

（２）台車の構造上有利であること。

即ち、第■従来例の場合には、下揺れ枕とブレーキバリ
ノ間に推進軸が通過しており、軸バネのたわみを逃げる
ため下揺れ枕の形状が制約されしばしば複雑なものとな
っている。

第■従来例の場合には、揺れ枕と下揺れ枕との間に推進
軸を配置するので枕バネ、軸バネのたわみを逃げるため
揺れ枕装置は複雑なものとなる。

寸た第■従来例の場合には、推進軸の揺れ枕の貫通穴と
の間隙を大きくすることは、好１しくないので、必然的
にバネ変位は制限されることとなり両者の調整が困難で
ある。

これに対し、本考案にあっては、揺れ枕の上に推進軸が
通過しているので、従来の台車のようにバネのたわみの
大小によって揺れ枕装置や作動中のブレーキバリなどに
あたることがなく簡明な装置に横取できる。

（３）振動特性の改善が可能であること。

即ち、枕バネ及び軸バネの剛性は、車両の振動とくに上
下の振動特性に大きく影響する。

従来の台車のように推進軸を配置するときは、配置の上
での制約が厳しくバネの剛性が大きく振動が高いのが通
常で乗心地がよくない。

しかるに、本考案では、広い空間に配置が可能となるの
でこのような制約が小さく振動特性の改善に適している
。

（４）重心を低くすることが可能である。

本考案の台車を採用するときには、推進軸を上部空所に
おさめ高さの低い揺れ枕装置を台車の下部に配置するこ
とができるので車両の重心を低ぐすることができる。

（５）台車の重量を減少することが可能である。

従来の台車にくらべ簡明な揺れ枕装置が採用できるので
台車就中揺れ枕の軽量化ができる。

【図面の簡単な説明】

図は台車を示すもので、第１図は第１従来例の中心断面
正面図、第２図はその中心断面側面図、第３図は第■従
来例の中心断面正面図、第４図はその中心断面側面図、
第５図は第■従来例の中心断面正面図、第６図はその中
心断面側面図、第７図は本考案の一実施例を示す中心断
面正面図、第８図はその中心断面側面図Ｃ以上いずれも
略図）、第９図は本考案台車の側面図、第１０図は同じ
く正面図、第１１図は平面図である。 １は上揺れ枕、２は推進軸、３′は中心ピン、５は下揺
れ枕、６は側受である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の垂直荷重を側受で負担し、水平荷重は中心ピンで
   負担する台車に訃いて、該台車の上揺れ枕を下揺れ枕に
   近接して水平状に配設し、前記側受部、中心ピン部釦よ
   び上揺れ柱部で囲１れたスペースを貫通して前後輪軸間
   の推進軸を配設したことを特徴とするディーゼル動車の
   全軸駆動台車。