JPH1199391A - 廃液中の塩化物イオンの除去方法 - Google Patents

廃液中の塩化物イオンの除去方法

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JPH1199391A
JPH1199391A JP26403397A JP26403397A JPH1199391A JP H1199391 A JPH1199391 A JP H1199391A JP 26403397 A JP26403397 A JP 26403397A JP 26403397 A JP26403397 A JP 26403397A JP H1199391 A JPH1199391 A JP H1199391A
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JP
Japan
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cathode
anode
chloride ions
waste liquid
electrolysis
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JP26403397A
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Kenji Fujihata
健二 藤畑
Hideji Seki
秀司 関
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温,常圧下において、試薬の添加や二次廃棄
物の発生がなく、反応制御が容易な処理方法を提供す
る。 【解決手段】電解槽内の中央部に固体電解質1として陽
イオン交換膜を、その両側に陽極2と陰極3を配置す
る。塩化物イオンを含む原液7を陽極室5に入れ、電気
分解を開始すると金属イオンが電気泳動により陰極室6
へ移動し、陽極室5は酸性となると同時に、塩化物イオ
ン10が陽極反応により塩素ガス11となる。 2Cl- −2e→Cl2 ここで、陽イオン交換膜のない通常の中性またはアルカ
リ性で電気分解を行った場合、塩化物イオンは塩素ガス
とならず、酸化剤である次亜塩素酸が生成し、原液中に
残留する。本発明に方法により、常温,常圧で外部から
の試薬の添加が全く必要なく、二次廃棄物も発生しない
塩化物イオンの除去が容易となる。また、この反応は通
水速度と電流により容易に制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有廃液から
塩化物イオンを電気化学に除去処理する廃液中の塩化物
イオンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電気湯沸かし器にはカルキ抜き機
能があるが、これは塩化物イオンを加熱除去する方法で
ある。また、水質分析法では塩化銀として沈殿除去する
方法が用いられている。純水製造装置等ではイオン交換
樹脂を用いて全イオン成分を除去している。これらの処
理方法について、以下に検討する。
【0003】加熱法は塩化物イオンを強熱することによ
り気化するもので最もシンプルな方法であるが、他の揮
発性イオンがある場合や固形分を多く含む場合には適用
が難しい。
【0004】沈殿法は、硫酸銀等の銀化合物を添加して
塩化銀の沈殿とする方法である。非常に精度よく塩素を
除去できるが、二次廃棄物となる塩化銀沈殿や過剰分の
銀イオンについて新たな処理が必要となる。
【0005】イオン交換法は、イオン交換樹脂により塩
化物イオンを含めた全イオン成分を除去する方法であ
る。これによれば純水レベルの処理液を得られるが、イ
オン交換樹脂自体が二次廃棄物であり、また固形分を含
む場合やイオン成分を多く含む(高電導度)の場合には
適用が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、塩
化物イオンを含む廃液が高電導度で固形分を多く含む場
合には適用が難しく、また添加試薬や使用樹脂による二
次廃棄物,有害な副生成物の発生など課題がある。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、常温・常圧下において、試薬の添加や二次廃
棄物の発生なしに、塩化物イオンを選択的に除去でき、
反応制御が容易な廃液中の塩化物イオンの除去方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図1
に示すように電解槽内に陽極2と陰極3を設け、この両
極2,3間に固体電解質1を配置した陽極室5と陰極室
6を有する電気分解装置4を用い、前記陽極室5に塩化
物イオンを含む原液7を流入し、電気分解処理により前
記塩化物イオンを塩素ガスとし、前記電気分解処理され
た水つまり、処理液9を前記陰極室6を通過して流出す
ることを特徴とする。
【0009】まず、原液7は、電気分解装置4の陽極室
5に流入し、ここで原液7中の陽イオンは、固体電解質
1を介した電気透析反応により、陰極室6へ移動する。
したがって、陽極室5は、 中性溶液→酸性廃液(塩化物イオンを含む) となる。
【0010】また、同時に陽極室5で酸性となった原液
中にある塩化物イオン10は、陽極2での電気分解反応に
より、 2Cl- −2e- →Cl2 ↑ となり、塩化物イオンは選択的に除去される。
【0011】さらに、陽極室5の電解処理水は陰極室6
に流入し、陽極室5から移動してくる陽イオンにより、 中性または微酸性溶液→アルカリ性溶液 となる。
【0012】請求項2の発明は、前記塩化物イオンを含
む原液は原子力施設から発生する放射性廃液であること
を特徴とする。この発明によれば、放射性廃液に伴う原
子力施設の廃棄物発生量を低減できる。
【0013】請求項3の発明によれば、前記陽極室の陽
極は白金および白金被覆電極からなることを特徴とす
る。この発明によれば、塩素に対する白金の触媒作用に
より選択的に塩化物イオンを除去できる。
【0014】請求項4の発明は、前記固体電解質は陽イ
オン交換膜からなることを特徴とする。この発明によれ
ば、陽イオンを透過し、陰イオンを遮断できる。請求項
5の発明は、前記陽極および陰極はメッシュ形状である
ことを特徴とする。この発明によれば、電極の表面積を
大きくでき電極の耐久性やガス発生をよくすることがで
きる。
【0015】請求項6の発明は、前記固定電解質は陽イ
オン交換膜、陽極はメッシュ形状の白金、陰極はメッシ
ュ形状のステンレス鋼(SUS)を用いることを特徴と
する。この発明によれば、塩化物イオンをより効率よく
除去できる。
【0016】請求項7の発明は、前記原液から除去され
た塩素ガスをアルカリ溶液により回収することを特徴と
する。すなわち、 Cl2 ↑+アルカリ溶液→2ClO- となる。
【0017】請求項8の発明は、前記アルカリ溶液は水
酸化カルシウム溶液とし、さらし粉または塩化カルシウ
ムを得ることを特徴とする。すなわち、 Cl2 ↑+Ca(OH)2 →Ca(ClO)2 +H2 ↑ Cl2 ↑+Ca(OH)2 →Ca(Cl)2 + 1/2H2 ↑ となる。
【0018】請求項9の発明は、前記塩化物イオンを除
去した原液をアルカリ溶液として回収することを特徴と
する。すなわち、 2MCl→Cl2 ↑+2MOH(M:陽イオン)
【0019】請求項10の発明は、前記原液に含まれる金
属イオンを陰極に電着することを特徴とする。すなわ
ち、 M+ +e- →M(metal) となる。
【0020】請求項11の発明は、前記電解分解において
陰極から発生する水素ガスを回収することを特徴とす
る。すなわち、 2H2 O+2e- →H2 +2OH- となる。
【0021】請求項12記載の発明は、前記陽極室におい
て電気分解処理された水を陰極室において陰極での電気
分解反応で発生する水素と陰極反応により還元処理する
ことを特徴とする。すなわち陰極室において次亜塩素酸
等の残留酸化物質は、 2HClO+H2 +2e- →2Cl- +2H2 O となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係る廃液中の塩化物イオ
ンの除去方法の第1から第12の実施の形態を図1から図
13を参照しながら順次説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の請求項1〜6およ
び9〜12に対応する実施の形態に係る塩化物イオンの除
去方法の原理を説明するための電気分解装置内を概略的
に示す系統図である。
【0023】本実施の形態では図1に黒太線枠で示す電
解槽内に固体電解質1を中心に境界として配置し、固体
電解質1の左側に陽極2と、右側に陰極3を配置して陽
極室5と陰極室6を構成した電気分解装置4を使用す
る。
【0024】この電気分解装置4の陽極室5に塩化物イ
オンを含む原液7を流入する。流入した原液7の陽イオ
ン12は、電気透析反応により固体電解質1を透過し陰極
室6に移動するため、陽極室5の原液7は酸性となる。 原液→酸性液(塩化物イオンを含む)…(1)
【0025】また、酸性となった原液7の塩化物イオン
10と水は、陽極2表面で以下の電気分解反応を起こす。 2Cl- −2e- →Cl2 ↑…(2) 2H2 O−4e- →4H+ +02 …(3)
【0026】電気分解装置4の陽極室5から陰極室6に
流入した陽極電解液8の水は陰極3表面で以下の電気分
解反応を起こす。 2H2 O+2e- →2OH- +H2 …(4)
【0027】またこの反応と陽極室5から透過してくる
陽イオン12により、陰極室6から流出する処理液9はア
ルカリ性となる。 陽極電解液→アルカリ性処理液…(5)
【0028】本実施の形態において、電極間距離を20m
m、電解面積を7cm2 、陽極に白金被覆チタン電極、陰
極にSUS電極、固体電解質にフッ素系強酸性陽イオン
交換膜を使用した装置により、処理条件を電解槽電圧15
V一定、通水流速5ml/min とし、組成がpH5〜6の
塩化ナトリウム溶液1000Cl−ppmである溶液量1000
mlの原液をワンスルー処理した。
【0029】その結果、陽極室からは95%以上の塩化物
イオンが除去された処理水が得られた。また、このとき
処理水はpH11〜12の水酸化ナトリウム溶液となり、次
亜塩素酸等の酸化性物質は検出されなかった。
【0030】一方、従来の塩素除去方法により上記原液
を処理すれば、例えば加熱法では塩素除去率が90%以上
得られた。しかし、消費電力がおよそ10倍以上必要とな
り、また塩素とともに揮発する水蒸気が原液液量の約10
%に相当した。これは塩素回収行程の負担を増大させ
る。
【0031】(第2の実施の形態)つぎに本発明の請求
項2に対応する第2の実施の形態を図1および図2によ
り説明する。
【0032】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、塩化物イオンを含む原液が原子力施設から
発生する一般廃液を蒸発濃縮処理した廃液(濃縮廃液)
であることにある。
【0033】図2は第2の実施の形態に係る固体電解質
1にフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2に白金被覆
チタン電極、陰極3にステンレス鋼(SUS)電極を使
用した電極間距離20mm、電解面積7cm2 の電気分解装置
4の陽極室5に原液7として濃縮廃液を溶液量 300ml入
れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水流速5ml/mi
n とした試験において、塩化物イオン濃度の過渡変化を
示す図であり、本実施の形態によって塩化物イオンを効
果的に除去できることが分かる。
【0034】(第3の実施の形態)つぎに本発明の請求
項3に対応する第3の実施の形態を図1および図3によ
り説明する。本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、電気分解装置4の陽極2を白金により構成
したことにある。
【0035】すなわち、本実施の形態は図1において、
固体電解質1を中心に境界として設け、左側に白金で構
成した陽極2と右側に陰極3を配置した電気分解装置4
からなっている。
【0036】図3は第3の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を固体電解質1が
フッ素系強酸性陽イオン交換膜、陰極3がメッシュ状ス
テンレス鋼(SUS)電極、電極間距離3mm、電解面積
100cm2 の電気分解装置4の陽極室5に入れ、試験条件
を通水流速 250ml/min とした試験において、汎用(こ
こでは鋳鉄製)および白金製の陽極2と電流密度−電極
電位の相互関係を示す図である。
【0037】図3から明らかなように、白金製の陽極2
はより低い電極電位で塩素ガス11を発生することが分か
る。これは塩化物イオン10が白金製陽極と活性錯合体を
形成するために、他の汎用陽極より低いエネルギー(=
電極電位)でガス化反応するという触媒作用に基づくと
考えられる。
【0038】(第4の実施の形態)つぎに本発明の請求
項4に対応する第4の実施の形態を図1と図4により説
明する。
【0039】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、電気分解装置4の電解槽内に配置した陽極
2と陰極3の間に設置する固体電解質1を強酸性陽イオ
ン交換膜で構成したことにある。
【0040】すなわち、本実施の形態は図1に示す固体
電解質1に強酸性陽イオン交換膜を使用して、この強酸
性陽イオン交換膜の両側に陽極2と陰極3を配置して電
気分解装置4を構成する。
【0041】図4は第4の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、陽極2がメッ
シュ状白金被覆チタン電極、陰極3がメッシュ状SUS
電極、電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装
置4の陽極室5と陰極室6に入れ、処理条件を電解槽電
圧15V一定、通水流速 250ml/min としてバッチ処理し
た電気透析試験において、汎用固体電解質(ここではセ
ロファン膜)および強酸性陽イオン交換膜と陰極室6の
アルカリ濃度の過渡変化を示した図である。
【0042】図4から明らかなように、強酸性陽イオン
交換膜はより効率よくナトリウムイオンを分離できるこ
とが分かる。これは強酸性陽イオン交換膜の選択透過性
(ナトリウムイオンのような陽イオンのみを透過し、陰
イオンを遮断すること)による。
【0043】強酸性陽イオン交換膜はより効率よくナト
リウムイオンを分離できることが分かる。これは強酸性
陽イオン交換膜の選択透過性(ナトリウムイオンのよう
な陽イオンのみを透過し、陰イオンを遮断すること)に
よる。
【0044】(第5の実施の形態)つぎに本発明の請求
項5に対応する第5の実施の形態を図1および図5によ
り説明する。本実施の形態は図1の第1の実施の形態に
おいて、電気分解装置4の陽極2と陰極3をメッシュ形
状としたことにある。
【0045】すなわち、本実施の形態は図1において、
固体電解質1を中心とし、その左および右側にメッシュ
形状の陽極2および陰極3を配置した電気分解装置4を
構成する。
【0046】図5は第5の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、固体電解質1
がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2が白金被覆チ
タン電極、陰極3がメッシュ状ステンレス鋼(SUS)
電極、電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装
置4の陽極室5に入れ、処理条件を電解槽電圧15V一
定、通水流速 250ml/min としてバッチ処理した電気分
解試験において、陽極形状の種類と陽極室5の塩化物イ
オン濃度の過渡変化を示した図である。
【0047】図5から明らかなように、メッシュ形状の
陽極はより効率よく塩化物イオン10を塩素ガス11にでき
ることが分かる。これはメッシュ形状の陽極は比表面積
が大きく、電気分解反応に関与する塩化物イオン10が増
大することによる。
【0048】メッシュ形状の陽極はより効率よく塩化物
イオン10を塩素ガス11にできることが分かる。これはメ
ッシュ形状の陽極は比表面積が大きく、電気分解反応に
関与する塩化物イオン10が増大することによる。
【0049】(第6の実施の形態)つぎに本発明の請求
項6に対応する第5の実施の形態を図1および図6によ
り説明する。
【0050】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、電気分解装置4の固体電解質1を強酸性陽
イオン交換膜、陽極2をメッシュ状の白金製、陰極3を
メッシュ状のSUS電極としたことにある。
【0051】すなわち、本実施の形態は図1に示す第1
の実施の形態において、固体電解質1の強酸性陽イオン
交換膜を中心に境界とし、この陽イオン交換膜の両側に
メッシュ形状の白金製陽極2とメッシュ状の陰極3を配
置して電気分解装置4を構成したことにある。
【0052】図6は第6の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、陽極2が白金
被覆チタン電極、陰極3がSUS電極、電極間距離3m
m、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の陽極室5に入
れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水流速 100ml/
min としてバッチ処理した電気分解試験において、電極
形状および固体電解質の種類と陽極室5の塩化物イオン
10濃度の過渡変化を示した図である。本実施の形態か
ら、効率よく塩化物イオン10を塩素ガス11にできること
が分かる。
【0053】(第7の実施の形態)つぎに本発明の請求
項7に対応する第7の実施の形態を図7および図8によ
り説明する。
【0054】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、電気分解装置4の陽極2から発生する塩素
ガス11を、アルカリ溶液タンク14においてアルカリ溶液
15により回収することにある。
【0055】すなわち、本実施の形態は図7に示すよう
に、固体電解質1を中心に境界として設け、この両側に
陽極2と陰極3を配置した電気分解装置4と、アルカリ
溶液15により満たされ、その中央底部にガス導入管16を
有するアルカリ溶液タンク14から構成する。
【0056】電気分解反応により発生した塩素ガス11
は、アルカリ溶液タンク14に吹き込まれ、アルカリ溶液
15と以下の反応を起こす。 Cl2 ↑+アルカリ溶液→2ClO-
【0057】図8は第7の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、固体電解質1
がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2がメッシュ状
白金被覆チタン電極、陰極3がメッシュ状SUS電極、
電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の
陽極室5に入れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水
流速 250ml/min として電気分解し、発生した塩素ガス
11を約1mol /l の水酸化ナトリウム溶液15で満たされ
た負圧状態の溶液量1000mlのガラス製アルカリ溶液タン
ク14へ孔径 100μm以下の吹き出し部がある長さ 150mm
のガラス製導入管16によりバブリングする試験におい
て、塩素ガス11の吹き込みによる次亜塩素酸イオン17
(ClO- )濃度の過渡変化を示した図であり、塩素ガ
ス11を次亜塩素酸イオン17として回収できることが分か
る。
【0058】(第8の実施の形態)つぎに本発明の請求
項7に対応する第7の実施の形態を図7および図9によ
り説明する。
【0059】本実施の形態は図7に示す第6の実施の形
態において、アルカリ溶液タンク14のアルカリ溶液15を
水酸化カルシウム溶液とし、塩素ガス11を捕集してさら
し粉または塩化カルシウムを得ることにある。
【0060】すなわち、本実施の形態は図7に示す第6
の実施の形態において、固体電解質1を中心に境界とし
て設け、この両側に陽極2と陰極3を配置した電気分解
装置4と、アルカリ溶液15の水酸化カルシウム溶液によ
り満たされ、その中央底部にガス導入管16を有するアル
カリ溶液タンク14から構成する。
【0061】電気分解反応により発生した塩素ガス11
は、アルカリ溶液タンク14に吹き込まれ、アルカリ溶液
15の水酸化カルシウム溶液と以下の反応を起こす。 Cl2 ↑+Ca(OH)2 →Ca(ClO)2 +H2 ↑ Cl2 ↑+Ca(OH)2 →CaCl2 +H2 O+ 1/2H2
【0062】図9は第7の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、固体電解質1
がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2がメッシュ状
白金被覆チタン電極、陰極3がメッシュ状SUS電極、
電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の
陽極室5に入れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水
流速 250ml/min として電気分解し、発生した塩素ガス
11を約1mol /l の水酸化カルシウム溶液15で満たされ
た負圧状態の溶液量1000mlのガラス製アルカリ溶液タン
ク14へ孔径 100μm以下の吹き出し部がある長さ 150mm
のガラス製導入管16によりバブリングする試験におい
て、塩素ガス11の吹き込みにより次亜塩素酸イオン等と
なる塩素の濃度の過渡変化を示した図であり、塩素ガス
11を水酸化カルシウム溶液に回収できることが分かる。
【0063】(第9の実施の形態)つぎに本発明の請求
項9に対応する第9の実施の形態を図1および図10によ
り説明する。
【0064】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、原液7から塩化物イオン10を除いた処理液
9をアルカリ溶液として回収することにある。すなわ
ち、本実施の形態は図1に示す電解槽内に固体電解質1
を中心に境界として設け、この両側に陽極2と陰極3を
配置した電気分解装置4から構成する。原液7の塩化物
イオン10は、電気分解反応により陽極2で以下の反応を
起こす。 2MCl−2e- →Cl2 ↑+2M+ (M+ :陽イオ
ン)
【0065】図10は第9の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、固体電解質1
がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2がメッシュ状
白金被覆チタン電極、陰極3がメッシュ状SUS電極、
電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の
陽極室5に入れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水
流速 250ml/min としてバッチ処理した電気分解試験に
おいて、処理液9のアルカリ濃度の過渡変化を示した図
であり、原液7から塩化物イオン10を除くことでアルカ
リ溶液の処理液9を回収できることが分かる。
【0066】(第10の実施の形態)つぎに本発明の請求
項10に対応する第10の実施の形態を図1および図11によ
り説明する。
【0067】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、原液7に含まれる金属イオンを、電気分解
装置4の陰極室6の陰極3により電着することにある。
すなわち、本実施の形態は図1に示す固体電解質1を中
心に境界として設け、この両側に陽極2と陰極3を配置
した電気分解装置4から構成する。
【0068】原液7の金属イオン(M+ )12は、電気分
解反応により陰極3で以下の反応を起こし、金属Mを生
成する。 M+ +e- →M(metal)
【0069】図11は第10の実施の形態に係る約1mol /
l の塩化ナトリウム溶液に金属イオンとして塩化鉄約 5
00ppmを添加した原液7を、固体電解質1がフッ素系
強酸性陽イオン交換膜、陽極2がメッシュ状白金被覆チ
タン電極、陰極3がメッシュ状SUS電極、電極間距離
3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の陰極室6に
入れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水流速 250ml
/min としてバッチ処理した電気分解試験において、金
属イオン濃度の過渡変化を示した図であり、金属イオン
を陰極3に電着できることが分かる。
【0070】(第11の実施の形態)つぎに本発明の請求
項11に対応する第11の実施の形態を図1および図12によ
り説明する。
【0071】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、電気分解装置4の陰極室6の陰極3から発
生する水素ガスを回収することにある。すなわち、本実
施の形態は図1に示す固体電解質1を中心に境界として
設け、この両側に陽極2と陰極3を配置した電気分解装
置4から構成する。
【0072】原液7の水は、電気分解反応により陰極3
で以下の反応を起こす。 2H2 O+2e- →H2 +2OH-
【0073】図12は第11の実施の形態に係る原液7とし
て約1mol /l の塩化ナトリウム溶液を、固体電解質1
がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽極2がメッシュ状
白金被覆チタン電極、陰極3がメッシュ状SUS電極、
電極間距離3mm、電解面積 100cm2 の電気分解装置4の
陽極室5に入れ電気分解し、陰極3から発生する水素ガ
ス13を回収する想定において、電気化学的に算出される
水素ガス発生量の過渡変化を示した図であり、水素ガス
13を定常的に回収できる。
【0074】(第12の実施の形態)つぎに本発明の請求
項12に対応する第12の実施の形態を図1および図13によ
り説明する。
【0075】本実施の形態は図1に示す第1の実施の形
態において、陽極電解液8を電気分解装置4の陰極室6
の陰極3から発生する水素ガス13により還元処理するこ
とにある。すなわち、本実施の形態は図1に示す固体電
解質1を中心に境界として設け、この両側に陽極2と陰
極3を配置した電気分解装置4から構成する。
【0076】陽極電解液9に次亜塩素酸等などの形態で
残留する塩素は、陰極で発生する水素ガスと陰極反応に
より以下の反応を起こす。 2HClO+H2 +2e- →2Cl- +2H2
【0077】図13は第12の実施の形態に係る原液7とし
て約1000ClO- ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液
を、固体電解質1がフッ素系強酸性陽イオン交換膜、陽
極2が白金被覆チタン電極、陰極3がSUS電極、電極
間距離20mm、電解面積7cm2 の電気分解装置4の陰極室
6に入れ、処理条件を電解槽電圧15V一定、通水流速10
ml/min としてバッチ処理した電気分解試験において、
次亜塩素酸濃度の過渡変化を示した図であり、陰極3で
発生する水素ガスと陰極反応により次亜塩素酸等の酸化
性物質を還元処理できることが分かる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、陽極と陰極間に強酸性
陽イオン交換膜を配置した電気分解装置により、塩化物
イオンを選択的に除去した酸化性物質や金属イオンを含
まない処理水を得ることができる。また、電気分解反応
により発生する塩素ガスおよび水素ガスを有効利用でき
る。したがって、常温・常圧下において、試薬の添加や
二次廃棄物の発生なしに、塩化物イオンを選択的に除去
することが可能となる。
【0079】本発明を用いて、例えば原子力施設から発
生する一般廃液を蒸発濃縮した廃液(濃縮廃液)中の塩
化物イオンを除去すれば、濃縮廃液の濃縮度を上げるこ
とが可能となり、放射性廃棄物として発生する濃縮廃液
の発生量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る隔膜電気分解法による廃液中の塩
化物イオンの除去方法の第1〜6および第8〜12の実施
の形態を説明するための概略的に示す装置配置図。
【図2】本発明に係る第2の実施の形態において、塩化
物イオン濃度の過渡変化を示す特性図。
【図3】本発明に係る第3の実施の形態において、陽極
の種類と電流密度−電極電位の相互関係を示す特性図。
【図4】本発明に係る第4の実施の形態において、固体
電解質の種類と陰極室のアルカリ濃度の過渡変化を示す
特性図。
【図5】本発明に係る第5の実施の形態において、陽極
形状の種類と陽極室の塩化物イオン濃度の過渡変化を示
す特性図。
【図6】本発明に係る第6の実施の形態において、陽極
形状および固体電解質の種類と陽極室の塩化物イオン濃
度の過渡変化を示す特性図。
【図7】本発明に係る隔膜電気分解法による廃液中の塩
化物イオンの除去方法とアルカリ溶液による塩素ガスの
回収の第7および8の実施の形態を概略的に示す装置配
置図。
【図8】本発明に係る第7の実施の形態において、塩素
ガスの吹き込みによる次亜塩素酸イオン濃度の過渡変化
を示す特性図。
【図9】本発明に係る第8の実施の形態において、塩素
ガスの吹き込みによる次亜塩素酸イオン等の塩素の濃度
の過渡変化を示す特性図。
【図10】本発明に係る第9の実施の形態において、処
理液のアルカリ濃度の過渡変化を示す特性図。
【図11】本発明に係る第10の実施の形態において、金
属イオン濃度の過渡変化を示す特性図。
【図12】本発明に係る第11の実施の形態において、電
気化学的に算出される水素ガス発生量の過渡変化を示す
模式図。
【図13】本発明に係る第12の実施の形態において、次
亜塩素酸濃度の過渡変化を示す特性図。
【符号の説明】
1…固体電解質、2…陽極、3…陰極、4…電気分解装
置、5…陽極室、6…陰極室、7…原液(塩素含有
液)、8…陽極電解液、9…処理液、10…塩化物イオ
ン、11…塩素ガス、12…陽イオン、13…水素ガス、14…
アルカリ溶液タンク、15…アルカリ溶液、16…ガス導入
管、17…次亜塩素酸イオン。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解槽内に陽極と陰極を設け、この両極
    間に固体電解質を配置した陽極室と陰極室を有する電気
    分解装置を用い、前記陽極室に塩化物イオンを含む原液
    を流入し、電気分解処理により前記塩化物イオンを塩素
    ガスとし、前記電気分解処理された水を前記陰極室を通
    過して流出することを特徴とする廃液中の塩化物イオン
    の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記塩化物イオンを含む原液は原子力施
    設で発生する放射性元素および塩化物イオンを含有する
    廃液であることを特徴とする請求項1記載の廃液中の塩
    化物イオンの除去方法。
  3. 【請求項3】 前記陽極室の陽極は白金および白金被覆
    からなることを特徴とする請求項1記載の廃液中の塩化
    物イオンの除去方法。
  4. 【請求項4】 前記固体電解質は強酸性陽イオン交換膜
    からなることを特徴とする請求項1記載の廃液中の塩化
    物イオンの除去方法。
  5. 【請求項5】 前記陽極および陰極はメッシュ形状であ
    ることを特徴とする請求項1記載の廃液中の塩化物イオ
    ンの除去方法。
  6. 【請求項6】 前記固体電解質に強酸性陽イオン交換
    膜、陽極にメッシュ形状の白金、陰極にメッシュ形状の
    ステンレス鋼(SUS)を用いることを特徴とする請求
    項1記載の廃液中の塩化物イオンの除去方法。
  7. 【請求項7】 前記原液から電気分解反応により発生し
    た塩素ガスをアルカリ溶液により回収することを特徴と
    する請求項1ないし6記載の廃液中の塩化物イオンの除
    去方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリ溶液は水酸化カルシウム溶
    液とし、さらし粉または塩化カルシウムを得ることを特
    徴とする請求項7記載の廃液中の塩化物イオンの除去方
    法。
  9. 【請求項9】 前記原液から塩化物イオンを除去した処
    理液をアルカリ溶液として回収することを特徴とする請
    求項1ないし8記載の廃液中の塩化物イオンの除去方
    法。
  10. 【請求項10】 前記原液に含まれる金属イオンを陰極
    に電着することを特徴とする請求項1ないし9記載の廃
    液中の塩化物イオンの除去方法。
  11. 【請求項11】 前記電気分解で陰極から発生する水素
    ガスを回収することを特徴とする請求項1ないし10記載
    の廃液中の塩化物イオンの除去方法。
  12. 【請求項12】 前記陰極室において電気分解処理され
    た水を電気分解で陰極から発生する水素ガスと陰極反応
    により還元処理することを特徴とする請求項1ないし11
    記載の廃液中の塩化物イオンの除去方法。
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