JPH1198460A - 光ディスクの再生方法及び再生装置 - Google Patents

光ディスクの再生方法及び再生装置

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JPH1198460A
JPH1198460A JP9251998A JP25199897A JPH1198460A JP H1198460 A JPH1198460 A JP H1198460A JP 9251998 A JP9251998 A JP 9251998A JP 25199897 A JP25199897 A JP 25199897A JP H1198460 A JPH1198460 A JP H1198460A
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JP
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data
file
clip
time
vobu
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Application number
JP9251998A
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English (en)
Inventor
Shinichi Saeki
慎一 佐伯
Kazuhiro Tsuga
一宏 津賀
Tomoyuki Okada
智之 岡田
Tokuo Nakatani
徳夫 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊再生中のシークの回数を削減する再生方
法及び再生装置の提供。 【解決手段】 1つ以上のAVデータを格納するAVデ
ータ格納領域と、前記AVデータ内に存在するVOBUのA
Vデータ内での位置と再生時刻とリファレンスピクチャ
の大きさを示すVOBU情報領域とを有する光ディスクを再
生する再生方法であって、再生対象のVOBUのリファレン
スピクチャ内に非連続境界が存在するか否かを判断し、
非連続境界が存在する場合は、VOBU情報を参照して、そ
のVOBUの直前または直後のVOBUを求め、求めたVOBUのリ
ファレンスピクチャをディスクから読み出して再生する
再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MPEGなどのA
Vデータを記録する光ディスクの再生方法及び再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】640MB程度が上限であった書き換え
型光ディスクの分野で数GBの容量を有する相変化型光
ディスクDVD−RAMが出現、コンピュータ用途だけ
でなくAVにおける記録・再生メディアとして期待され
ている。つまり従来の代表的なAV記録メディアである磁
気テープに代わるメディアとして普及が予想される。
【0003】(DVD−RAMの簡単な例)近年、書き
換え可能な光ディスクの高密度化が進みコンピュータデ
ータやオーディオデータの記録に留まらず、動画像デー
タの記録が可能となりつつある。
【0004】例えば、光ディスクの信号記録面には、従
来から凸凹状のガイド溝が形成されている。
【0005】従来は凸または凹にのみ信号を記録してい
たが、ランド・グルーブ記録法により凸凹両方に信号を
記録することが可能となった。これにより約2倍の記録
密度向上が実現した(例えば特開平8−7282参
照)。
【0006】また、記録密度を向上させるために有効な
CLV方式(線速度一定記録)の制御を簡易化し実用化
を容易とするゾーンCLV方式なども考案、実用化され
ている(例えば特開平7−93873)。
【0007】これらの大容量化を目指す光ディスクを用
いて如何に動画像を含むAVデータを記録し、従来のAV
機器を大きく超える性能や新たな機能を実現するかが今
後の大きな課題である。
【0008】このような大容量で書き換え可能な光ディ
スクの出現により、AVの記録・再生も従来の磁気テープ
に代わり光ディスクが主体となることが考えられる。テ
ープからディスクへの記録メディアの移行はAV機器の機
能・性能面でさまざまな影響を与えるものである。
【0009】ディスクへの移行において最大の特徴はラ
ンダムアクセス性能の大幅な向上である。仮にテープを
ランダムアクセスする場合、一巻の巻き戻しに通常数分
オーダーの時間が必要である。これは光ディスクメディ
アにおけるシーク時間(数10ms以下)に比べ桁違い
に遅い。従ってテープは実用上ランダムアクセス装置に
なり得ない。
【0010】具体例で補足を行うと、仮に2時間テープ
に2時間分の放送が一度記録された後、途中の30分だ
けを残し他の1時間半を消去し、消去した部分を他の録
画に利用する場合を考える。テープ上には途中に残った
30分の映像で分断された細切れの前半部分と後半部分
が残る。理論上合計一時間半分の空き領域が存在するに
も関わらず、一時間半分の連続録画を行うことはできな
い。
【0011】これには次の2つの理由が存在する。まず
第1にデジタルVTRであってもテープ上の映像データ
がファイルとして管理されていない。従ってどこが空き
領域であり、どの部分が記録済み領域かが識別できな
い。第2の理由として、ランダムアクセス性能の低さに
より連続領域以外の離れた領域にAVデータを連続記録
も、再生もできない。
【0012】このようにテープはその物理構造上、巻き
戻しを行い先頭から連続的に記録するか、または記録さ
れた最後の部分に追記するかのいづれかの使用方法に限
定されるものである。
【0013】録画済みのテープに追加録画する場合、実
質上先頭への巻き戻しが発生し記録済みの映像を消して
しまったり、巻き戻し時間が掛かり録画チャンスを逃が
してしまうことをたびたび経験しているはずである。
【0014】光ディスクによりもたらされるランダムア
クセス性能の向上は単なる頭出しの早さだけではなく以
下に説明する3つの機能的な特徴を生み出すものであ
る。 1) AVデータがコンピュータのファイルとして取り
扱える。 2) AVデータのノンリニア編集が可能となる。 3) 可変ビットレートのAVデータをリアルタイムで
記録・再生可能である。
【0015】以下これらの特徴を従来技術により説明す
る。 (従来技術1:コンピュータファイルとしてAVデータ
を記録する)相変化型光ディスクDVD−RAMを搭載
したマルチメディアPCの場合を例に取って従来技術1
を説明する。
【0016】コンピュータに接続して光ディスクを用い
る場合、OS中にあるファイルシステムと呼ばれる記録
媒体管理プログラムを通してディスク上への書き込みや
読み出しが行われる。コンピュータで主に扱うデータは
文字やコードデータであるため1ファイルの容量は例え
ば100kb程度と光ディスクの記録容量(数GB)に
対して小さい。そのためファイルシステムは多数の小さ
なファイルが記録、消去を繰り返しても問題が生じない
ように設計されている。
【0017】具体的にはディスク全体を数10KB単位
の小さなデータブロックに分割し、一つのデータブロッ
クにファイルがおさまらない場合には、必ずしも連続領
域にない他のデータブロックへ残りのデータを記録す
る。最後にデータブロックのリンク情報をファイルの管
理情報として記録しファイルの書き込みを完了する。何
も記録されていないデータブロックは空き領域として管
理され、必要に応じてデータの記録に使われる。またフ
ァイルが消去された場合には、使用済みのデータブロッ
クは空き領域に登録される。
【0018】このような従来型のファイルシステム構造
で光ディスクにAVデータを記録・再生する場合を考え
る。
【0019】まず、光ディスクに記録するAVデータの
フォーマットはMPEG2(ISO/IEC13818
参照)で規定され、ビットレートは8Mbpsであると
仮定する。つまり1秒間に8メガビット (=1メガバイ
ト)のデータを記録または読み出す必要がある。通常従
来のマルチメディアPCではMPEG1と呼ばれる1.
5Mbps程度のビットレートを有するAVデータが使
用されるが、本例ではDVDにおいて標準的に使用され
るMPEG2を基本に説明を行う。
【0020】ここで簡単に光ディスクドライブのデータ
転送速度とランダムアクセス性能について説明する。
【0021】まずDVD−RAMにおける転送速度は最
大11Mbps程度である。これは記録時であり読み出
し時には倍速以上の読み出し速度の向上も可能である。
ランダムアクセス性能はディスクドライブの機構系やサ
ーボ系の設計により大きく変わる。通常データブロック
間の移動に要する時間は、PC用の周辺機器において3
00ms程度であるが、民生用プレーヤなどでは最大
1.5秒程度の時間を必要とする。特に最内周から最外
周への移動に時間が掛かる。DVD−RAMへの記録を
PCで行った後、民生機で再生を行う場合を想定し、こ
こでは最大1.5秒が必要となると仮定する。
【0022】従ってファイルシステムの連続記録単位で
あるデータブロックを32KBとし、32KB毎にデー
タブロック間の移動が発生すると仮定すれば1秒分のデ
ータである1MBを記録または読み出すのに、31回の
ブロック間移動が発生し最悪では45秒以上を要する。
これではAVデータを途切れずに記録・再生することが
全く保証できない。
【0023】何も記録されていないディスクにAVデー
タを記録する場合には連続するデータブロックを割り当
てることができるため、連続記録・再生が可能である。
しかし様々な記録と(部分)消去を何度も繰り返していく
とデータブロックが連続して割り当てられなくなり同様
の問題が生じる。
【0024】解決手段として従来はガーベッジコレクシ
ョンと呼ばれる方法が存在する。これはデータブロック
を連続的に配置できない場合に障害となるデータの配置
を変更し、連続領域を確保する手法である。しかし光デ
ィスクでは転送速度が容量の割に遅いため、ガーベッジ
コレクションに数時間を要することとなり実用的ではな
かった。
【0025】(従来技術2:AVデータを編集する)ディ
スクによりAVデータを扱うことにより得られる第2の
特徴は、AVデータのノンリニア編集が可能となる点で
ある。これはAVデータ中の必要な部分を自由に書き換
えたり、不要な部分だけを消去したり、 複数のAVデ
ータの任意の区間同士を接続したりというデータの処理
性能の向上とみなすことも出来る。
【0026】まず最初にテープを用いた編集について簡
単に説明する。代表的なAVデータの処理として録画さ
れた映像のカット編集について考える。テープにおける
カット編集とは映像カット1と映像カット2を結合し最
終映像を作成し、テープに記録する作業である。この作
業をテープデッキで行う場合、最低2台のデッキと最低
2本のテープ(素材と編集結果)が必要となる。
【0027】まずデッキ1に映像カット1の録画された
テープをセットし、デッキ2に編集結果を記録するテー
プをセットする。デッキ1で映像カット1の先頭個所ま
で頭だしを行った後デッキ1の再生とデッキ2の録画を
同時に開始する。カット1の最後で2台のデッキを止め
る。続いてデッキ1のテープにある映像カット2の頭だ
しを行い、再度デッキ1の再生とデッキ2の録画を同時
に開始する。カット2の最後まで録画が終われば、デッ
キ2のテープを巻き戻して編集作業が終了する。
【0028】テープメディアの編集がこのように手間と
時間の掛かる作業であり且つ2台のデッキを必要とする
ため業務用やプロ用を除いて一般のコンシューマが編集
を行うことは希である。
【0029】次にディスクを用いて編集を行う場合を考
える。テープにおける編集は映像をコピーすると考えら
れた。一方ディスクの場合にはカット1とカット2の間
に接続性を指定するだけで編集作業が完了する。
【0030】つまり編集手順は以下の通りとなる。ここ
で上記の例と同様に映像カット1と映像カット2は同一
のディスク上に記録されていると仮定する。 1) 映像カット1の最後と映像カット2の先頭を指定
し接続を指示する。 2) (必要であれば)映像カット1と2以外の不要な部
分を消去する。
【0031】再生時に映像カット1に続いてカット2が
連続的に読み出されることにより、編集された結果が出
力される。
【0032】上記1)及び2)の操作は大量の映像デー
タを読み出す必要がないため、極めて短時間の内に終了
する。しかし従来光ディスクを用いてこのような編集を
おこなうものは存在しなかった。
【0033】上記の編集において光ディスクを用いた場
合の最大の課題は、光ディスクのランダムアクセス性能
の低さである。テープに比べて桁違いに速い性能も編集
操作には不十分である。そのため業務用のノンリニア編
集機ではハードディスクが使用される。ハードディスク
のランダムアクセス速度は数msであり、且つ転送速度も
30Mbps以上であるため8Mbps程度のAVデー
タをリアルタイムで記録・再生することは容易である。
【0034】但し最大の問題は、ハードディスクは固定
された装置であり、編集の入力媒体や最終出力媒体とは
なり得ない点である。従って従来のノンリニア編集機の
出力はあくまでビデオテープであり、将来光ディスクに
記録する場合にも、ノンリニア編集機に内蔵される編集
作業用ハードディスクと編集結果を書き出す光ディスク
の2つのディスクが必要となる。
【0035】(従来技術3:可変ビットレートのAVデ
ータをリアルタイムで記録・再生する)さらにランダム
アクセス性能の向上により得られるディスクの第3のメ
リットとして可変ビットレートのAVデータが記録・再
生可能となる。これはランダムアクセス性能の向上とい
うより空回りできないテープメカと空回り可能なディス
クメカの違いともいえる。
【0036】DVDではデータの読み出しに間欠転送と
呼ぶ手法を用いている。つまりCDが絶えず連続的に一定
の速度でデータを読み続けるのに対して、デコーダなど
再生系でデータを消費する速度より速い転送レートでデ
ータを読み出し、読み出し速度と消費速度の差により生
じる余裕分を半導体メモリによりバッファリングを行
う。バッファが一杯になった時点で読み出しを中断しキ
ックバックと呼ばれる空回しを継続する。バッファに空
きが生じると再度読み出しを行う。
【0037】この手法により外部からの振動など何らか
の原因でディスク読み出しにエラーが発生してもリトラ
イが可能となる。さらに、重要なことは記録されるAV
データのビットレートが可変にできる点である。
【0038】MPEG2は基本的に可変ビットレートで
の圧縮・転送・記録を目指したものである。具体的には
エンコード時に入力されるビデオ信号の解析を行い画像
の複雑度を計算する。複雑なシーンでは多くのビット量
を割り当て、単純なシーンでは少ないビット量を割り当
てる。動きの激しいシーンや高周波成分の多いシーンで
は、静止しているシーンや低周波成分主体のシーンに比
べ数倍のビット量が割り当てられる。
【0039】この技術により固定ビットレートのMPE
Gストリームに比べ最大2倍程度圧縮率を高め、長時間
記録が可能となる。
【0040】しかし、可変ビットレートによりディスク
にAVデータを記録すると、ランダムアクセス時にどこ
に飛び込めば良いかが分からないという問題が生じる。
【0041】このためDVD−ROMでは、内部のビデ
オデータの再生時間が1つまたは複数のGOPで、0.
4秒以上かつ1.0秒(例外的にVOB終端では1.2
秒)以下となる連続区間の先頭に、NVパックと呼ばれ
るDVD固有の情報を収めたパックをおき、NVパック
に、近隣のNVパックを参照する情報や、最初のリファ
レンスピクチャを表示するために読み出さなければなら
ないデータの大きさが記録される。
【0042】なお、NVパックから次のNVパックの前
までのAVデータを、VOBU(Video OBject Unitの
略)と呼ぶ。VOBUは、連続かつ隙間なくAVデータ
を分割する。
【0043】NVパックに記録される近隣のNVパック
の参照のための情報として、そのVOBUの先頭のタイムコ
ードを基準にして、ある時間間隔だけ離れた場所にある
前後のVOBUのNVパックのアドレスを、自身のNVパッ
クのアドレスからの相対値で示す。時間間隔は、1秒か
ら1秒置きに15秒までと、20秒、60秒、120
秒、240秒が使われる。
【0044】次に、早送り再生や巻戻し再生のような特
殊再生の動作の一例について説明する。再生の速さに応
じて、ある一定の時間間隔にあるVOBUのリファレン
スピクチャのみを再生する事により、ほぼ一様な速度の
特殊再生を実現する事ができる。一定の時間間隔のVO
BUを次々と読み出すためには、NVパックのある近隣
のNVパックのアドレスを示す情報を利用する。
【0045】また、AVデータの先頭から一定の時間間
隔のタイムコードごとに、そのタイムコードに対応する
VOBUのAVデータ内でのアドレスを示すタイムサー
チマップ情報が記録される。タイムマップ情報を参照す
ることにより、指定されたタイムコードからAVデータ
の再生を開始することができる。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
において説明したディスクのランダムアクセス性能を最
大限に引き出す上で支障となる以下の課題を解決し、書
き換え可能な大容量光ディスクDVD-RAMの最大かつ本命
の用途であるDVDレコーダを実現するものである。
【0047】早送り再生や早戻し再生の特殊再生では、
タイムコードで一定間隔に離れているVOBUのリファレン
スピクチャを再生していく。このとき、AVデータが連
続領域に記録されている場合には、VOBUの先頭へのシー
クとVOBUのリファレンスピクチャの読み出しの動作を繰
り返す事になる。AVデータがファイルとして管理され
ているときには、論理的には連続でも物理的には不連続
な領域に記録される場合がある。VOBUのリファレンスピ
クチャが、このような不連続境界を跨って記録されてい
る場合には、データの読み出しの途中でもシークが発生
するという問題がある。
【0048】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明においては、1つ以上のAVデ
ータを格納するAVデータ格納領域と、前記AVデータ
内に存在するVOBUのAVデータ内での位置と再生時刻と
リファレンスピクチャの大きさを示すVOBU情報領域とを
有する光ディスクを再生する再生方法であって、再生対
象のVOBUのリファレンスピクチャ内に非連続境界が存在
するか否かを判断し、非連続境界が存在する場合は、VO
BU情報を参照して、そのVOBUの直前または直後のVOBUを
求め、求めたVOBUのリファレンスピクチャをディスクか
ら読み出して再生することを特徴とする再生方法として
いる。
【0049】請求項2に係る発明においては、1つ以上
のAVデータを格納するAVデータ格納領域と、前記A
Vデータ内に存在するVOBUのAVデータ内での位置と再
生時刻とリファレンスピクチャの大きさを示すVOBU情報
領域とを有する光ディスクを再生する再生装置であっ
て、不連続判定手段と、VOB再生手段からなり、不連続
判定手段は、VOBUのリファレンスピクチャ内に非連続境
界が存在するか否かを判断し、VOB再生手段は、非連続
境界が存在しない場合は、そのVOBUのリファレンスピク
チャを再生し、非連続境界が存在する場合は、VOBU情報
を参照して、そのVOBUの直前または直後のVOBUを求め
て、そのVOBUのリファレンスピクチャを再生することを
特徴とする再生装置としている。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の1実施例であるDVDレコ
ーダを用いて本発明の詳細を説明する。
【0051】1.システム構成と各部の機能 DVDレコーダのシステム構成を図24を用いて説明す
る。
【0052】(ディスク記録部)ディスク記録部100
は論理セクター番号と1つ以上のセクター単位の論理デ
ータ(2048バイト)を入力としてディスク上にデー
タを記録する。ディスク上に記録されるデータは16セ
クターの固まりであるECCブロック単位で処理されるた
め、ECCブロックの一部のセクタに記録するときには、
以下の処理が発生する。
【0053】まず、記録したいセクターを含む当該ECC
ブロックを一度バッファメモリに読み出す。記録したい
セクター分のデータをバッファの当該領域にコピーし、
そのバッファのデータをECCブロックに記録する。
【0054】AVデータなど連続する大量のデータを記
録する場合には、この処理のオーバーヘッドを取り除く
ため、ECCブロック単位で記録を行う。
【0055】(ディスク読み出し部)ディスク読み出し
部101はディスク記録部と同様に読み出す論理セクタ
ー番号とセクタ数を入力すると、当該ECCブロック単位
で読み出しを行い、ECC処理を経て必要なセクターデー
タのみがファイルシステム部に転送される。ディスク記
録部と同様にAVデータの読み出し時にECCブロック毎
に16セクター単位で読み出しを行うことによりオーバー
ヘッドを削減する。
【0056】PC用の周辺機器であるDVD-RAMドライブは
ディスク記録部とディスク読み出し部の機能を実現し、
SCSIやIDEと呼ばれるIFのコネクターでPC本体と接続さ
れる。PCをベースとするDVDレコーダは本説明と若干異
なる仕様となる場合もあるが、本発明の趣旨とは無関係
のため説明を省略する。
【0057】(ファイルシステム部)ファイルシステム部
102はAVデータを扱うAVファイルシステム部10
3と制御情報など非AVファイルを扱う非AVファイル
システム部104で構成される。図1にファイルシステ
ム部のコマンド一覧を示す。「CREATE」はディスク上に
ファイルを新しく作成し、ファイルディスクリプタを返
す。「DELETE」はディスク上に存在するファイルを削除
する。「OPEN」はディスク上に記録されているファイル
にアクセスするために、そのファイルへのファイルディ
スクリプタを取得する。「CLOSE」はオープンされてい
るファイルをクローズする。「WRITE」は非AVファイ
ルをディスク上に記録する。「AV-WRITE」はAVファイ
ルをディスク上に記録する。「READ」はディスク上に記
録されたファイルを読み出す。「SEEK」はディスク上に
記録されたデータストリーム内を移動する。「RENAME」
はディスク上に記録されたファイルの名前を変更する。
「MKDIR」はディスク上に新しいディレクトリを作成す
る。「RMDIR」はディスク上に存在するディレクトリを
削除する。「STATFS」はファイルシステムの現在の状況
の問い合わを行う。「GET_ATTR」は現在オープンされて
いるファイルの属性の問い合わを行う。「SET_ATTR」は
現在オープンしているファイルの属性を変更する。「IN
_AV_BLK_BOUND」はAVファイルの指定された区間内に
AVブロックの境界があるかどうかを調べる。「MERG
E」はディスク上の2つAVファイルと、メモリ中のデ
ータをマージする。「SPLIT」はディスク上のAVファ
イルを2つのAVファイルに分割する。「SHORTEN」は
ディスク上のAVファイルの端部を削除して、AVファ
イルの不必要な部分を削除する。「REPLACE」はAVフ
ァイルの一部分とメモリ中のデータを入れ替える。
【0058】ここで着目すべき点はAVデータの記録時
には非AVデータの記録時とは異なるコマンドを用いる
点である。これらの機能を行使した結果ディスク上の記
録状態がどのように変化するかについては、後述するA
Vファイルシステムの動作例を参照のこと。
【0059】(ユーザIF部)ユーザIF部106は、 D
VDレコーダ全体を制御している録画・編集・再生制御部
105の指示により画面上にグラフィック表示を用いて
ユーザ操作を促したり、処理の途中経過を表示したり、
ユーザのリモコン操作の結果を録画・編集・再生制御部
に知らせたりする。
【0060】(録画・編集・再生制御部)録画・編集・
再生制御部105は、DVDレコーダ全体を制御する部分
である。録画・編集・再生制御部105ではユーザ操作
に応じて新規の録画、録画済みのAVデータの再生や編
集をAVデータ録画部110、AVデータ再生部12
0、AVデータ編集部130に処理を要求する。この
際、各処理部は独自にAVファイルシステム部103に
対してAVデータの記録や読み出しを要求するが、非A
Vデータは制御データ管理部107があらかじめ主記憶
上に読み出し、各処理部からの要求に応じて即座に情報
を提供できる構成になっている。
【0061】(AVデータ録画部)AVデータ録画部1
10は、AVデータ入力部、AVファイル管理情報生成
部、AVクリップ管理情報生成部、オーバーフロー対策
部から構成される。 AVデータ録画部110は、録画
・編集・再生制御部105からの録画要求を受ける。
【0062】AVデータ入力部111は、入力される映
像信号とオーディオ信号のMPEGデータへの変換、つまり
エンコードをリアルタイムで実施する。次に、エンコー
ドしたMPEGデータを、AVファイルとしてディスクに書
き出すために、AVファイルシステム部103に渡す。
また、AVデータ入力部111は、 エンコードしてMPE
Gビデオデータのデコード可能な最小単位であるGOP毎
に、そのGOPのデータをディスクに記録するときに必要
となるセクタ数とリファレンスピクチャのセクタ数を計
算し、得られた値をAVファイル管理情報生成部に渡
す。
【0063】AVファイル管理情報生成部112は、GO
Pごとのセクタ数とリファレンスピクチャのセクタ数を
録画が終了するまで主記憶上に記憶する。録画の終了時
に、記憶していたGOP情報からAVファイル管理情報を
生成し、制御データ管理部107に渡す。
【0064】AVクリップ管理情報生成部114は、録
画開始時にAVデータの先頭にStartMarkをつけ、録画
終了時にAVデータの終わりにEndMarkを付ける。この
2つのマークを1つのクリップとして図38に示すAV
クリップ管理情報を作成し、AVクリップ管理情報ファ
イルとして書き込む。また、このクリップ1つより構成
される新しいクリップシーケンスをクリップシーケンス
を管理するファイルに追加する。クリップとクリップシ
ーケンスについては後で詳しく説明する。
【0065】次に、録画・編集・再生制御部から一時停
止命令を受けた場合の処理を図25を用いて説明する。
図25に示すAVデータ入力部は、ビデオエンコーダ
と、ビデオエンコーダの出力を格納するビデオバッファ
と、オーディオエンコーダと、オーディオエンコーダの
出力を格納するオーディオバッファと、ビデオデータお
よびオーディオデータを多重化するシステムエンコーダ
と、エンコーダの同期クロックであるSTC(システム
タイムクロック)と、全体の制御および管理を行うエン
コーダ制御部とから構成されている。エンコーダ制御部
は、特にビデオエンコーダでのエンコードを管理してい
る。具体的には、エンコードを行ったデータのGOP情
報およびピクチャ情報などを管理し、AVファイル管理
情報生成部に必要な情報を渡す。
【0066】録画・編集・再生制御部からの一時停止命
令は、図25中のエンコーダ制御部に送られる。エンコ
ーダ制御部は最初にビデオエンコーダおよびオーディオ
エンコーダに対して一時停止命令を出す。一時停止命令
を受け取ったビデオエンコーダおよびオーディオエンコ
ーダは、エンコーダ内部にバッファリングしているフレ
ーム(入力中のフレームを含む)までのエンコードを行
い、エンコードを中止する。ビデオエンコーダは、エン
コードの中止と同時にエンコード制御部にエンコード中
止を知らせる。ビデオエンコーダからエンコードの中止
を受け取ったエンコード制御部は、システムエンコーダ
およびSTC(システムタイムクロック)に一時停止命
令を送り、システムエンコーダよびSTC(システムタ
イムクロック)を一時停止させる。また、エンコーダ制
御部は、AVクリップ管理情報生成部に対して、一時停
止を行ったフレームのタイムコード(エンコード開始か
らの相対値)を送る。この後、録画・編集・再生制御部
からの一時停止解除命令を受けることで、ビデオエンコ
ーダ、オーディオエンコーダ、システムエンコーダおよ
びSTC(システムタイムクロック)は、エンコードを
再開する。
【0067】AVクリップ管理情報生成部では、一時停
止時にAVデータ入力部より受け取ったタイムコードを
一つのマークとしてAVクリップ管理情報に記録する。
なお、一時停止時刻でクリップを分割しても良い。
【0068】オーバーフロー対策部113は、ディスク
の記録速度に何らかの障害が生じ、あらかじめ想定され
たビットレートでファイルシステム部に転送できない事
態が発生した場合、AVデータ入力部で生成されるMPEG
データが内部に設けられたバッファメモリに対してオー
バーフローを起こさないようにAVデータ入力部に対し
てビットレートの低下を指示するとともに、既に発生し
たMPEGデータから例えばB-pictureのデータのみを削除
しビットレートを強制的に低下させる処理を行う。
【0069】(AVデータ編集部)AVデータ編集部12
0は、AVクリップ列編集部121、AVクリップ編集
部122および特殊再生情報編集部123から構成され
る。
【0070】ここでAVクリップとAVクリップ列につ
いて説明する。AVクリップとはAVデータのカット編
集において設定されるIN点(始まりの点)とOUT点(終わり
の点)で指定されるAVデータの部分区間である。
【0071】図26はAVクリップとAVクリップ列の
例を示す。上段はMPEGデータで構成されるAVファイル
#jとAVファイル#kにおいて指定された3つのAVクリ
ップの例を示す。クリップ#1はIN点をMark#1が示し、OU
T点をMark#2が示す。Mark#1、Mark#2ともタイムコード
で示される。クリップ#2,#3も同様にMarkによりIN点とO
UT点が示される。このタイムコードはAVファイルの先
頭を時刻00:00:00:00として計算したものである。
【0072】図26の下段は上段に示された3つのAV
クリップがシーケンスとして列を構成したものである。
まずAVファイル#jのクリップ#1、続いてAVファイ
ル#kのクリップ#1、最後にAVファイル#jのクリップ#2
が順番に並び編集結果として再生されるAVデータ列を
表す。
【0073】ここで注意すべきはAVクリップ列編集部
ではあくまでマークを指定するだけで、AVデータ自体
にはなんの加工も施さない点である。このクリップ列情
報はディスクに記録されるとともに、AVデータ再生部
130において指定された順序で再生可能である。
【0074】AVクリップ編集部122は、AVクリッ
プ列編集部121において指定されたAVクリップをA
Vファイルから切り出し、指定されたAVクリップ列の
順番に接続をできるようにAVデータ自身を加工する。
【0075】ここでAVデータとAVクリップの関係を
図27を用いて説明する。まずAVデータはMPEGで構成
されるため、データは約0.5秒を一つの単位とするGOP(G
roup of Pictures)に分割されている。図中において#1
から#8までの各VOBUはGOPを示す。VOBUはVideo Object
Unitの略であり、通常は1GOPで構成される。一方前述し
たようにAVクリップのIN点とOUT点を示すマークはタ
イムコードで指定されGOP (VOBU)の境界とは全く独立に
指定される。
【0076】図において斜線部がAVクリップとAVデ
ータ中の該当するビデオデータとの関係を概ね示してい
る。しかしオーディオデータはビデオデータとはずれた
状態で多重化されている。このようなMPEGデータに対し
てビデオを基準としたデータの取り出しを行うと、ビデ
オデータと同期の取れない(再生時刻がビデオよりも前
の)オーディオデータが同時に取り出されてしまう。こ
のようにAVクリップが指定されたからといってMPEGの
性格上、AVデータを単純に切り出すことは困難であ
る。このため切り出しにはMPEGデータの関係するGOP(VO
BU)を再構成する必要が生じる。AVクリップ編集部で
はこのようなMPEGデータの再構築を行う。詳細は動作例
において説明する。
【0077】特殊再生情報編集部123は特殊再生情報
生成部112において生成された特殊再生用ファイル内
相対アドレス情報をAVクリップの編集にともなうAV
データの変形に応じて修正する。
【0078】(AVデータ再生部)AVデータ再生部
は、AVクリップ列再生部132、AVファイル読み出
し部133、読み出しエラー対策部134、AVデコーダ
部131で構成される。
【0079】AVクリップ列再生部132は、録画・編
集・再生制御部105から渡されたクリップシーケンス
の再生を制御する。AVファイル読み出し部133に対
して、クリップシーケンスを構成する各クリップのデー
タを読み出すことを要求する。AVデコーダ部131に対
して、読み出されたデータをデコードすることを要求す
る。
【0080】AVファイル読み出し部133は、クリッ
プシーケンスを構成する各クリップのAVファイル内で
のアドレス(ファイル・オフセット)を計算し、ファイ
ルシステム部102に対して、AVファイルからのデー
タの読み出しを要求する。また、早送り再生や早戻し再
生の場合には、再生のために最小限必要な部分を検索
し、必要なデータのみを読み出すように、ファイルシス
テム部102に要求する。
【0081】読み出しエラー対策部134は、ディスク
に記録されたAVデータがECC処理を実施してもなおエ
ラーの訂正ができない場合、適切な回復、回避処置を行
う。具体的には、次のGOP(VOBU)を代わりに指示した
り、AVデコーダ部131のオーディオデコーダに対して
オーディオのミュートを要求する。
【0082】AVデコーダ部131は、ファイルシステム
部102から読み出されるAVデータのデコードを行
う。デコーダのモデルは図28に示す。図28において
150は入力されるAVデータ、151はAVデータ中
のパックヘッダに記述されたSCRやストリームIDに基づ
きデータをデコーダに転送するDeMUX(デマルチプレク
サー)、152はビデオデコーダ、153はオーディオ
デコーダ、154はAVデータ中に存在する編集により
生じたデータ境界における処理を行うシームレス接続処
理部、155はビデオデコーダの出力である映像信号、
156はオーディオデコーダの出力であるオーディオ信
号である。本構成はシームレス接続処理部を除き通常の
MPEGデコーダと同じである。
【0083】2.ディスクフォーマット 次にディスクへ記録するフォーマットについて説明す
る。
【0084】まずディスク全体の構成を図2に示す。図
において横軸は物理セクターアドレスを示す。物理セク
ターアドレスの先頭部分にはリードイン領域がありサー
ボを安定させるために必要な基準信号や他のメディアと
の識別信号などが記録されている。リードイン領域に続
いてデータ領域が存在する。この部分に論理的に有効な
データが記録される。最後にリードアウト領域がありリ
ードイン領域と同様な基準信号などが記録される。
【0085】以下本発明の対象となるデータ領域につい
て詳述する。 (データ領域)まずデータ領域はセクタと呼ばれるアク
セス可能な最小サイズのブロックに分割されて、セクタ
毎に使用状況を割り当て情報管理領域を用いて管理され
る。割り当て管理情報領域の形態はリスト構造やテーブ
ルが考えられる。ここではセクタビットマップという表
を用いて管理する例を用いて説明する。図10にその様
子を示す。
【0086】1つのセクタのサイズは2KBであり、デ
ィスクへのREAD、WRITEはセクタサイズの整数倍の単位
でしか許されない。更にデータ領域は複数のゾーンに分
割される。本例では具体的なゾーン数は24とする。ゾ
ーン導入の意味はゾーン内ではCAV(角速度一定、つま
り回転速度一定)でディスクを回転させることにより記
録時の制御を容易にすることにある。また各ゾーンには
同一数のトラックが割り当てられる。本例ではゾーンあ
たり1888本とする。ゾーンの境界では各ゾーンで2
トラック分(48から80セクターに相当)のバッファセ
クターが設けられ、この領域にはデータは記録できな
い。さらに各ゾーンの先頭はECCブロックの先頭セクタ
ーとなっており、アクセス性の向上を図っている。
【0087】このようにゾーン境界で記録ができないセ
クターが存在するが、使用上は不都合であるため物理セ
クターアドレスから表により論理セクター番号を計算す
ることにより、論理セクターアドレスはデータの記録可
能な領域のみを連続的に示すように考慮されている。従
って以降はゾーンの境界に存在する領域は無視して議論
を進めるが、但しゾーン境界を跨いで連続的にデータ記
録や読み出しを行う場合には数100ms程度の遅延が発
生するものとする。
【0088】3.AVファイルシステム 次にデータ領域の利用方法であるファイルシステムにつ
いて説明する。ファイルシステムの目的はアプリケーシ
ョンがファイルを単位とするアクセスを可能とするこ
と、つまり他のファイルのことは気にせずにアプリケー
ションを実現できることである。これにより多数のファ
イルが同一ディスク上に存在しても容易にアプリケーシ
ョンが実現可能となる。さらにファイルの追記や消去を
繰り返し行ってもデータ領域を有効に活用が出来る。こ
れはファイルの内容となる論理データをディスク上に記
録する際に小さなデータブロックに分割し、ブロック間
のリンク情報を合わせて管理するからである。データ領
域の先頭部分には、このようにファイルシステムを通し
てデータを管理するためのボリューム情報やファイル情
報が記録される。これら管理情報に続いて実際のファイ
ルデータが記録される。
【0089】ファイルデータにはAVデータと非AVデ
ータの2種類が存在し、ディスク上における記録方法も
異なる。これはAVデータの記録や読み出しにおけるリ
アルタイム性を保証すると同時に非AVデータ(通常小
さい容量である)のファイルが多数記録された場合にお
けるディスクの使用効率を維持するためである。
【0090】図3はデータ領域の詳細である。リアルタ
イム性を保証するためにはデータの記録・読み出し時に
発生するオーバーヘッド時間を正確に見積もる必要があ
る。まずデータ領域は前述のように24のゾーンに分か
れ境界を跨いで連続記録・読み出しを行う際には数10
0msの遅延が生じる。一つのゾーンは固定長の論理ブロ
ック(以後AVブロックと呼ぶ)に分割される。但しゾ
ーンの最後のAVブロックは他のAVブロックよりも大
きなサイズを有する。各AVブロックはECCブロックの
整数倍で構成され、ECCブロックは16セクターで構成
される。各セクターは2048Bのデータを記録可能であ
る。図3は各セクターにAVデータを記録した場合の例
である。AVブロックのサイズの決定方法に関しては後
で説明する。
【0091】(AVブロック)各AVブロックはAVデ
ータを記録しても良いし、非AVデータを記録しても良
い。但し、AVデータと非AVデータを同一のAVブロ
ック内に混在して記録することは認めない。AVブロッ
クもセクタ同様、割り当て情報管理領域を用いて管理さ
れる。この形態もセクタと同様にリスト構造やテーブル
が考えられる。
【0092】なお、この管理情報領域は、ディスクのボ
リューム管理領域の様にファイルシステム用の領域に持
つことも出来るし、アプリケーションから処理できる1
つのファイルとしてディスク上に持つことも出来る。
【0093】ここではテーブル構造である図4示すAV
ブロック管理テーブルを例に説明を行う。この管理テー
ブルはデータ領域の先頭にあるボリューム情報の一部と
して記録される。管理テーブルはAVブロックアドレス
に対応するAVブロックがAV用にデータが割り当てられ
ているか、非AV用に割り当てられているか、未使用であ
るかを識別するために用いられる。図中に示すようにテ
ーブルの内容である2ビットが00は未使用、01はAV、10
は非AVを示す。各AVブロックの長さは本例では224ECC
ブロック(約7MB)であり、各ゾーンの最終AVブロッ
クのみはテーブルに示すゾーン毎に異なる値となる。こ
れはゾーン境界をAVブロックが跨ぐのを回避しつつ、
ディスクの使用効率を維持するものである。
【0094】ここでAVブロックの長さはどのように決
定されるのかを説明する。図5と図6はAVデータ記録
時と読み出し時のバッファリングモデルを示すものであ
る。図5においてエンコーダの出力であるMPEGデータは
トラックバッファと呼ばれるFIFO(First In First Out)
メモリに一時蓄積された後、ディスクに記録される。デ
ィスクに記録する際には可能な限り連続したECCブロッ
ク単位でデータを記録することにより無駄な回転待ちや
シーク時間を回避できる。AVブロックはこのように一
度に連続的に記録・読み出しを行う単位である。この際
にトラックバッファの占有状態をグラフ化した図が図5
と図6である。
【0095】図5においてトラックバッファへの最大入
力レートをVin、ディスク記録の許容最大レートをVout
とする。ここでVin < Voutである。本例では実際の値と
してVin=8Mbps, Vout=11Mbpsと設定する。トラックバッ
ファは初期値としてバッファ容量以下のある値までAV
データが蓄積済みと仮定する。これは蓄積せずに記録を
開始するとVout > Vinのためすぐにトラックバッファ
がアンダーフローを起こし、最大許容レートでディスク
に連続記録ができないためである。図5においてAVブ
ロック#jの記録を行いながら、エンコードを続けるとデ
ィスクへの書き込み時間中はVin - Voutのレートでバッ
ファの占有量は減少する。ブロック#jの記録が完了した
時点で次のAVブロックであるAVブロック#kにジャン
プ(シークと回転待ち)を行う。この間はエンコードの
レートであるVinでバッファ占有量が増加する。ここで
満足すべき条件はトラックバッファがオーバーフロー
し、AVデータが紛失することを避けることである。こ
の条件はAVブロックの長さには無関係にジャンプ時間
の最大値とVinから、Vin x 最大ジャンプ時間 < トラ
ックバッファ容量となる。
【0096】今、Vin=8Mbps、最大ジャンプ時間=1.5秒
であるのでトラックバッファの容量は1.5MB必要であ
る。もちろん記録時の最大ジャンプ時間が短いディスク
記録装置を用いればバッファ容量は大幅に削減可能とな
る。
【0097】次に読み出し時のバッファリングモデルを
図6を用いて説明する。図においてディスクから読み出
されたデータはECC処理を経てトラックバッファへVinの
レートで入力される。トラックバッファは記録時と同様
のFIFOである。ワーストケースとしてトラックバッファ
に全くデータが溜まっていない状態からAVブロック#j
の読み出しに入る。この場合読み出し中にはVin - Vout
のレートでバッファにデータが溜まって行く。AVブロ
ックの長さを224ECCブロック(=7.2MB)、Vin=11Mbps、Vo
ut=8Mbpsとすると、AVブロックの読み込み時間は約5.
2秒となりバッファをオーバーフローさせないためには
約2MBのトラックバッファが必要となる。但し、トラッ
クバッファがオーバーフローを起こしてもディスクに記
録されているデータを紛失する訳ではないため、2MBの
バッファを持つ必要はない。必要条件としては、AVブ
ロック#jの読み込みを完了しジャンプしている間にトラ
ックバッファがアンダーフローを起こさないだけのバッ
ファ容量を確保することである。これは最大ジャンプ時
間を1.5秒、Vout=8Mbpsとすると1.5MBとなる。最大ジャ
ンプ時間が短い読み出し装置の場合、必要なバッファ容
量は削減可能である。
【0098】ここでAVブロック長の下限値について説
明する。上記の読み出し時のバッファリングモデルにお
いてAVブロックを全て一気に読み出した場合2MBのト
ラックバッファを必要とするが、実際ジャンプ時にデー
タをアンダーフローさせないためには1.5MBのトラック
バッファで十分であると説明した。つまり、 AVブロ
ック長を適切に設定したため、2MB > 1.5MBとなりAV
ブロック長を意識することなく議論を進めることが可能
となった。逆に一気に読み込んだ場合でも1.5MBに満た
ない量しかトラックバッファに蓄積できなかった場合を
考えるとトラックバッファは明らかにアンダーフローを
起こす。従ってAVブロック内のデータを読み出してい
る間にトラックバッファに蓄積されるデータを、Vinの
ビットレートで読み出した場合に1.5秒以上の時間が
必要になればよいから、AVブロック長(bit単位)x
(Vin -Vout) / (Vin x Vin) > 1.5秒つまり、AVブロ
ック長は最低5.5MB以上必要となる。7MB程度に設定した
理由はディスクエラーが発生した場合などのマージンを
見込んでいるからである。
【0099】このAVブロックを用いてAVファイルを
記録する場合、AVファイルの先頭と末尾部分を除いて
他の部分をAVブロック内にフルにデータを書き込む形
で記録を行えば、AVファイルのリアルタイム記録・再
生を保証することが可能となる。というのはこれまで説
明してきたように、1つAVブロックにフルに連続記録
されたAVデータを読み出すと、ビットレート8Mbp
sのデコードで1.5秒以上再生できるデータをトラッ
クバッファに蓄積する事が出来る。この1.5秒は民生
のワーストケースのジャンプ時間であるから、データ読
み出し中に如何なるジャンプが発生しても記録・再生を
支障なく続ける事が可能となる。再生ではAVファイル
の先頭の連続記録長がAVブロック長より短いと問題に
なりそうだが、トラックバッファにデータがフルになる
までデコードを開始しないとすれば、AVファイル再生
の初期段階からジャンプを保証することが可能となり、
再生が途切れるという問題は発生しない。このようにA
Vブロックとバッファリングモデルを用いることにより
AVのリアルタイ記録・再生を保証しつつ、ディスクの使
用効率を維持することができる。
【0100】なお、説明してきた様にバッファをフルに
するためには、7.2MBの連続データは必要ない。
5.5MBのデータが連続的に書かれていればバッファ
をフルにすることは可能である。そのため、5.5MB
のデータが連続的に書かれていればAVブロックに未使
用領域を作るというAVデータの記録方法も考えられる
が、ディスクにより多くのデータを記録するという立場
から考えるとディスクの使用効率を下げるようなこの方
法は利点がない記録方法となる。またAVファイルシス
テムが、AVブロックに連続的に5.5MBのデータを
記録できたかどうかを管理せねばならず、AVファイル
システムの処理も複雑となってしまう。
【0101】(AVブロックとセクタビットマップの階
層化)ここまではAVブロックのみに着目して説明して
きたが、データ領域の割り当て状況を管理するという性
質は、AVブロック管理テーブルも、セクタビットマッ
プも共にもっており、データ領域を割り当てる場合に
は、AVブロック管理テーブルとセクタビットマップを
同調して操作する必要がある。AVブロック管理テーブ
ルはAVブロックが未使用(00)、AVファイル用(01)、
非AVファイル用(10)のどの状態であるかを管理する。
【0102】またセクタビットマップはセクタの割り当
て済み(1)、未割り当て(0)という状態を管理す
る。
【0103】ここでは、AVブロック管理テーブルとセ
クタビットマップの関係を説明する。ただし、実際の動
作(READ、WRITEなど)に伴うAVブロック管理テーブ
ルとセクタビットマップに対する処理の説明は、後でフ
ァイルシステムのコマンドを説明する際に行う。
【0104】AVブロックをAVファイル用に割り当て
ると、その中に含まれる全てのセクタはセクタビットマ
ップ上に割り当て済みと登録される。図11においてA
VブロックAV_BLK#4がその例である。また図12(a)
に、その場合のセクタビットマップの変化を示してあ
る。実際にデータが書き込まれないセクタが有ったとし
ても、全て割り当て済みとなるのである。こうすること
で、セクタビットマップのみをサポートし、AVブロッ
ク管理テーブルをサポートしないファイルシステムにこ
のディスクをアクセスさせても、DVD-RAMのファイルシ
ステムで書き込まれたAVファイルを保護することが可
能なのである。
【0105】AVファイル用に割り当てられたAVブロ
ックは、記録されている全てのAVデータが削除された
場合、AVブロック管理表に未使用のAVブロックと登
録される。具体的にはAVブロック管理テーブルの01の
値が00に変更される。また同時に未使用に変更されたA
Vブロックに含まれるセクタも状態が変更され、セクタ
ビットマップ上で未割り当てセクタと変更される。図1
2(b)にそのときの処理内容を示しておく。AVブロ
ック内のAVデータが全て削除されたかどうかは、セク
タビットマップから判断できないため、ファイルのExte
nt情報を元にAVファイルシステムが判断する。
【0106】AVブロックを非AVファイル用に割り当
てると、AVブロック管理テーブルに10と登録される。
図11のAV_BLK#1はそれの例である。AVブロックを非
AVファイル用に割り当てる場合、AVブロックに含ま
れるセクタは実際にデータが書き込まれるものに関して
のみセクタビットマップを割り当て済みと変更される。
つまりAVファイルを記録するときのように、データを
記録しないセクタまでセクタビットマップ上で割り当て
済みにする事はないのである。こうすることで、非AV
ファイル用AVブロックでは複数の非AVファイルが存
在することができ、ディスク全体の使用効率を改善する
ことが可能となる。また、こうすることでセクタビット
マップのみをサポートするファイルシステムでも、非A
Vファイル用AVブロックに非AVファイルの書き込み
が可能となる。
【0107】更にセクタビットマップのみをサポートす
るファイルシステムで非AVファイルが書き込まれたデ
ィスクも、DVD-RAMのファイルシステムにかける際に
は、はじめにセクタビットマップをサーチして、AVブ
ロック管理テーブルで、00となっているAVブロックに
含まれるセクタであるのに、セクタビットマップ上で割
り当て済みの状態をもつセクタが存在すれば、そのセク
タを含むAVブロックを10としてAVブロック管理テ
ーブルに登録することで、DVD-RAMのファイルシステム
上でのディスクの正当性を保つ事が出来る。
【0108】AVブロックの記録方法に関して付け加え
ておくと、非AV属性のAVブロックに対しては、データ
のの記録は代替セクタ方式で記録される。しかし、特に
記録方式に対する制限はないので、別にECCブロックス
キップ方式(アドレスエラーがあるECCブロックはスキ
ップして次のECCブロックに記録を行う。特平8−25
8078参照)で、データを記録してもよい。ただし、
同一のECCブロック中で先の2つの記録方式が混在する
ことだけは避けなければならない。
【0109】以上がAVブロックの原理の説明である。 (AVブロックを処理するAVファイルシステムAPI)
図1に示してあるファイルシステムのコマンドのうち、
図24のDVDレコーダーの動作について説明する際に必
要とされ、しかもAVブロック管理テーブルとセクタビ
ットマップに関係するコマンドをここで説明する。
【0110】「WRITE」は、ディスク上に非AVファイ
ルを書き込む場合に実行される。「WRITE」はまずAV
ブロック管理テーブルを検索し、10の状態をもつAVブ
ロックを探す。次に見つけたAVブロック内のセクタの
状態をセクタビットマップより検索して、未割り当ての
セクタがあればそこにデータを書き込み、データを書き
込んだセクタをセクタビットマップ上で割り当て済みと
状態を変更する。10の状態をもつAVブロック内に十分
な空き領域がない場合、もしくは10のAVブロックが存
在しない場合は、00のAVブロックを新しく非AVファ
イル用のAVブロックとして割り当て、その中のセクタ
に非AVファイルを書き込む。この場合もセクタに対す
る処理は先と同様に行う。01の状態のAVブロックに対
して非AVファイルを書き込む事は無い。先にも説明し
た様に、AVファイルシステムはファイルをExtentのリ
ンクリストで管理するため、非AVファイルを書き込む
際に記録するセクタが不連続になると、新しくExtentを
生成することになる。
【0111】「AV−WRITE」は、ディスク上にAVファ
イルを書き込む場合に実行される。「AV−WRITE」は、
AVブロック管理テーブルを先頭から00の状態のAVブ
ロックを検索して、先にAVデータを記録していたAV
ブロックに連続した形でなるべく新しいAVブロックを
確保しようとする。確保されたAVブロック内に存在す
る全セクタはセクタビットマップ上で割り当て済みと変
更される。そして確保したAVブロックに対して先頭か
らAVファイルを書き込んでいく。「AV−WRITE」にお
けるAVブロック管理テーブルとセクタビットマップの
変化の様子は図12に示して有る。「WRITE」とは逆に
「AV−WRITE」は10の状態を持つAVブロックに関して
AVファイルを記録することは無い。AVファイルシス
テムでは、ファイルはExtentのリンクリストとして管理
される。AVファイルを書き込んでいる際に、AVブロ
ックが不連続になった場合、新たなExtentが生成され
る。AVファイルをゾーンを跨いで記録する場合、ディ
スクのゾーンの境界にはバッファセクタが存在するため
必ずゾーン境界でExtentが切れることになる。
【0112】「READ」は、ディスク上に記録されたデー
タを、指定されたサイズだけ読み出す場合に実行され
る。「READ」は一度に32KB程度のデータを読み出
す。これはエラー訂正の最小単位ECCブロックが16セ
クターで構成され、それが32KBであることに依る。
「READ」が連続的にデータを読み出しているときに、Ex
tentの境界に到達すると、次のデータが記録されている
Extentまでジャンプを行い、そこからまたデータの読み
出しを行う。このジャンプ時間はワーストケースで1.
5秒であるが、 AVブロック内のセクターには連続的
にAVファイルが記録されていることから、AVブロッ
ク内の全セクターを連続的に読む出すことで、1.5秒
の間AVデコーダーに提供するデータをトラックバッファ
に蓄積することが出来、AVファイル内でのシームレス
再生を保証することができる。「READ」自体はAVブロ
ック、セクタビットマップに対して処理を行うことは無
い。
【0113】なお、「READ」は指定されたデータ内にA
Vブロックの境界がある場合に、カレントのヘッドの位
置から近い方のAVブロックに記録されているデータを
先に読み出すことで、データ読み出し時間の最適化を行
うことも可能である。
【0114】「DELETE」はディスク上に存在するファイ
ル全体を削除する場合に実行される。「DELETE」はファ
イルのExtentのリンクリストをたどりながら、全てのEx
tentを削除することでファイルの削除を実現する。「DE
LETE」をAVファイルに対して実行するのか、非AVフ
ァイルに対して実行するのかでAVブロック、セクタビ
ットマップへの処理が変わってくるので、それぞれの場
合について説明を行う。
【0115】まずAVファイルを削除する場合について
図13を用いて説明する。図13はAVfile#2を削除する
例である。AVfile#2はAV_BLK#11とAV_BLK#14に記録され
ており、 AVブロック管理テーブル上でAV_BLK#11,#1
4(斜線部)は01と登録されている。AVfile#2に対して
「DELETE」コマンドが実行されるとAVブロック管理テ
ーブルのAV_BLK#11、#14の部分が01から00に変更され、
未使用AVブロックとして管理される。併せて、AV_BLK
#11、#14に含まれる全てのセクタについてセクタビット
マップを割り当て状態(各ビットが1)から未割り当て
状態(各ビットが0)に変更する。
【0116】次に図14を用いて非AVファイルを削除
する場合を説明する。削除する非AVファイルをfile#3
とする。file#3は1つのExtentから構成されており、Ex
tentの内容は図13に示すとおりである。今file#3を
「DELETE」コマンドにより削除すると、file#3が記録さ
れていたセクタsector#100からsecotr#110のセクタビッ
トマップの内容(斜線部分)が割り当て状態から未割り
当て状態に変更される。AV_BLK#11のAVブロック管理
テーブルの状態は、その時のセクタビットマップの状態
により処理が変わってくる。file#3以外にもAV_BLK#11
内に非AVファイルが記録されている場合、AV_BLK#11
についてAVブロック管理テーブルを変更することはな
い。しかし、file#3を消すことでAV_BLK#11内に存在す
るファイルが無くなる場合、AV_BLK#11についてAVブ
ロック管理テーブルを10から00に変更して、AV_BLK#11
を未使用状態にする。
【0117】「SHORTEN」は、AVファイルの端の要ら
ない部分を削除する場合に実行される。「SHORTEN」は
AVファイルのみに有効なコマンドで、非AVファイル
に対して実行するとエラーとなる。「SHORTEN」にはA
Vファイルの先頭部分を削除する場合と、AVファイル
の末尾部分を削除する場合の2通りの使い方がある。
【0118】AVファイルの部分削除は、1つのAVブ
ロック内で処理が完結出来るのであればExtent情報を変
更する事で実現する。つまり実際にディスク上からデー
タを削除するわけではなく、Extentの情報を情報を変更
することで、ファイルシステムから不要な部分のデータ
を見えないようにするのである。AVのAVブロックの場
合、ファイルシステムはAVブロックの解放をExtent情
報により判断して行う。なぜなら、AVブロックがAV
ファイル用に割り当てられると、セクタビットマップ上
ではそのAVブロックに含まれる全セクタは割り当て済
みとされてしまい、実際にデータが存在しないところま
で割り当て済みとなるので、セクタビットマップからA
Vファイルのデータが存在するところを判断することは
できないのである。データを削除することで有効(ファ
イルシステムから認識される)データを全く持たないA
Vブロックが出来る場合には、そのAVブロックを未使
用の状態に変更する処理を行う。この処理は「DELETE」
の部分で説明したことと同様の事を行う。
【0119】図15を用いてAVファイルに「SHORTE
N」を実行した場合の考え方を説明する。ただし、図1
5ではわかりやすいように、AVブロックからデータが
実際に削除されたように書かれているが、先にも説明し
たように実際にはデータが残されていることに注意して
ほしい。図15(a)はAVfile#1の編集点より前の部分
を削除する例である。「SHORTEN」を実行した事で、フ
ァイルシステムからはAVfile#1の編集点より前のデータ
は見えなくなってしまう。図15(b)はAVファイル
の末端の要らない部分を削除するために「SHORTEN」コ
マンドを実行する例である。図15(b)においてAVfi
le#1の編集点より前の部分を削除すると、AV_BLK#kが有
効なデータを持たないAVブロックとなる。この場合は
先に説明した様に、AV_BKL#kを未割り当て状態に変更す
る必要が出てくる。
【0120】「SPLIT」はAVファイルを2つに分割す
るために実行される。「SPLIT」はAVファイルにのみ
有効なコマンドで、非AVファイルに実行するとエラー
となる。
【0121】図16を用いてAVfile#1を分割する例を説
明する。ここでAVfile#1を分割した後でもAVfile#1とい
う名前を使っているが、これは分割後の前のファイルが
元ファイルの管理情報をそのまま受け継ぐためにそのよ
うにした。「SPLIT」によってAVfile#1は(サイズ短く
なった)AVfile#1とAVfile#3に分割される。この時編集
点を含むAVブロックAV_BLK#mには2つのファイルが存
在することになる。AVブロックにAVデータを記録す
る場合、1つのAVブロックには1つAVファイルしか
記録できないため、共存しているAVfile#3のデータは他
の未割り当て状態のAVブロックへ移動させなければな
らない。そのためAVブロック管理テーブルから00の状
態のAV_BLK#nを見つけ、状態を01に変更して、AVfile#3
-1をAV_BLK#mから移動する。AV_BLK#nはAVファイル用
のAVブロックとなるので、AV_BLK#nに含まれる全ての
セクタは割り当て済みとセクタビットマップを変更され
る。
【0122】「MERGE」はディスク上の2つのAVファ
イルと、メモリ上のデータを接続して1つのAVファイ
ルを作る場合に実行される。「MERGE」におけるデータ
の移動の様子を図17を用いて説明する。図17はAVfi
le#1とAVfile#2とメモリ内のデータを、AVfile#1、メモ
リ内データ、AVfile#2という順番で接続する例である。
この場合out点直前のAVfile#1の連続記録長がAVブロ
ック長より長く、AV_BLK#nのout点以降にメモリ内のデ
ータサイズ以上の空き領域(ベクタビットマップには割
り当て済みとされているが)があるため、そこにメモリ
内のデータを書き込み、メモリ内のデータ最後からのジ
ャンプ先をAV_BLK#nのin点に設定すればmerge処理は終
わる。
【0123】しかし、図17の(b)の場合、つまりメ
モリ内のデータサイズkがout点以降の空き領域のサイ
ズiより大きい場合、空き領域にメモリ内のデータが書
き込めないため、他の空き領域にAVfile#1のデータを移
動させて、メモリ内のデータと合わせてデータ長がAV
ブロック長より長い連続記録データを作成する必要があ
る。これは、AVファイルの端部以外の連続記録データ
は必ずAVブロック長以上でなければならないと制約が
あるからである。AVブロックの長さを決定する考え方
を示したところで説明したとおり、もしこの制約を満た
さないとファイル内での連続再生を保証することができ
なくなってしまう。図17(a)はAVfile#1が既にこの
条件を満たしていたので、データの移動を行わなかった
のである。
【0124】AVファイルの連続記録データ長がAVブ
ロック長以上でなければならないという制約は図18の
様なAVfile#1-1のデータサイズlとメモリ内のデータサ
イズkの合計がAVブロック長以下の場合も適用されデ
ータの移動が発生する。もしメモリ内のデータをAV_BLK
#nに書き込むとAV_BLK#n内のデータ長がAVブロック長
以下になってしまい、ファイル内での連続再生を保証で
きない。AVブロック長以上の連続データを作成するた
め、AVfile#1-1とAVfile#1-2を空きAVブロックが2つ
連続する領域で2つにまとめ、その後ろにメモリデータ
を追加することによりAVブロック長以上の長さの連続
記録データを作成する。これによりファイル内シームレ
ス再生を保証することが可能になる。なお、AVfile#2の
in点以降の連続データ長がAVブロック長未満の場合、
これもファイル中の連続記録データ長がAVブロック長
未満の場合に該当するので、データの移動を行い連続記
録データを再構成する必要がある。
【0125】なお、図17(a)においてAVfile#2のin
点直前の空き領域のサイズjがメモリ内のサイズkより
も大きい場合、図21に示す様にメモリ内のデータを、
in点直前の空き領域にAVブロックの途中から書き込み
という特別な記録の仕方を行い、ファイルをmergeする
方法も考えら得る。これ以降にもAVfile#2の前にメモり
中のデータを書き込むという方法を幾つか説明するが、
この場合メモリ中のデータをAVfile#2に連続する形で書
き込む事に注目して貰いたい。空き領域の途中から書き
込むことになるのも、このことが直接の原因である。と
いうのはAVデータはなるべくデータを連続した形で記
録し、余分なジャンプを同一AVブロック内では起こら
ない様にしなければならないのである。余分なジャンプ
があるために場合によっては、記録されたAVデータの
連続再生が出来ない場合が起きてくるのである。in点直
前にメモリ内のデータを書き込めれば、図17(b)の
時に余計なデータの移動は発生しない。もちろんメモリ
内データとAVfile#2を結合して生成された連続記録デー
タ長がAVブロック長以上であるという条件が必要であ
る。
【0126】また、図17(b)において空き領域iと
jの合計がkより大きい場合、図22の(a)の様に、
サイズiの空き領域にメモリ内のデータを書き込めるだ
け書き、メモリ内の残りのデータをサイズjの空き領域
内でAVfile#2につながる形で書き込むことが出来れば、
余計なデータの移動を行う必要はない。但しこの場合
も、生成される2つAVデータは、長さがAVブロック
長以上の条件を満たす必要がある。また、メモリ内のデ
ータの書き込む手順は先にin点の前に存在するサイズj
の空き領域に書いてから、out点の後ろに存在する空き
領域に残りのデータを書き込むという方法も考えられ
る。
【0127】なお、図22(a)の方法を考えている場
合であっても、iとjの合計がメモり内のデータサイズ
より小さい場合は、図23に示す様にファイル1のデー
タの移動をしなくてはならなくなる。ただし、今回の場
合は、図17(b)の様にAVfile#1のデータを1AVブ
ロック分動かすことをせずに、メモリ中のデータをAV
ブロック長のデータにするために補う分のデータだけを
移動させているのに注意して貰いたい。
【0128】また、図22(b)の特殊なケースとし
て、図23に示すようにin点、out点に隣接する2つの
データが共にAVブロック長未満のサイズしかない場合
がある。(a)の様に、in点の前、out点の後ろに空き領域
があり、しかもメモリ中のデータをうまく分割すれば、
両方のデータが共にAVブロック長以上のサイズを持て
るのであれば、図23(a)に示すようなメモリ中のデ
ータの記入の仕方をすれば余分なデータの移動は起こら
ない。
【0129】また、in点、out点に隣接する空き領域が
ない(b)の様な場合であっても、in点とout点に隣接
するデータとメモリ中のデータを足し合わせてAVブロ
ック長以上のデータを構成できるのであれば、この3つ
のデータを、新たな空き領域を割り当て移動させれば、
その他のディスク上のデータは移動させなくて済む。
【0130】色々な「MERGE」の方法を図で説明してき
たが、いずれの場合も共通して言えることは最悪でも移
動するデータサイズは2AVブロック長以下におさえる
ことが出来ると言うことである。但し唯一の例外とし
て、2つ連続した空きAVブロックが必要なのに、1つ
ずつ孤立した空きAVブロックしか存在しない場合に、
2つ連続した空きAVブロックを作るために、1AVブ
ロックのデータを移動させることが必要となる。この場
合にだけ余分な1AVブロックのデータの移動が発生
し、全体として3AVブロックのデータの移動が起こる
ことになる。
【0131】なお、「MERGE」は、1つのファイルとメ
モリ内のデータをmergeすることも可能である。図17
においてAVfile#2を指定しなければ(NULLにすれば)、
AVfile#1とメモリ内のデータのmergeを行うこと、つま
りAVファイルの後ろにメモリ内のデータを追加するこ
とになる。また、AVfile#1を指定しなければ、AVfileの
前にメモリ内のデータを追加する事になる。更にメモリ
のデータをを指定しなければファイルのみのmergeも行
うことが可能である。
【0132】これまでの話はファイル内のシームレス再
生についてのみ考慮してきたが、ファイル間シームレス
再生を考えると、これまで考えてきた「MERGE」の処理
では不十分である。ファイル間シームレス再生を実現し
ようとする場合、AVファイルの記録で満足しなければ
ならない条件が更に厳しくなる。ファイル内シームレス
再生だけを保証するのであれば、一連のAVファイルを
記録しているAVブロックの内、最初と最後のAVブロ
ックを除く全てのAVブロックでデータの連続記録長が
AVブロック長以上のサイズを持っていれば良かった。
しかし、ファイル間シームレス再生を保証しようとする
と、AVファイルを記録している全てAVブロックでA
Vデータの連続記録長でAVブロック長以上のサイズを
持っている必要があり、図17(b)や図18の様なデ
ータの移動が、AVファイルの端部のにおいても必要と
なってくる。
【0133】「IN_AV_BLK_BOUND」は、指定された2地
点の間にAVブロックバウンダリがあるか判定する場合
に実行する。もし指定された区間にAVブロックバウン
ダリが存在すればTRUEを返し、存在しなければFALSEを
返す。図19においてa点とb点の場合は共にAV_BLK#1
00の中にあるため、この2点を指定して「IN_AV_BLK_BO
UND」を実行するとTRUEが返される。a点とc点で定義
される区間にはAV_BLK#100とAV_BLK#101の境界が存在す
るため、a点とc点を指定して「IN_AV_BLK_BOUND」を
実行するとFALSEを返す。このコマンドは特再の場合に
意味を持つもので、詳しい説明は特再情報のところで行
うためここでは省略する。
【0134】「SEARCH_DISCON_AV_BLK」は指定された区
間にAVブロック不連続境界があるか調べ、ある場合は
TRUEを、無い場合はFALSEを返す。ここでAVブロック
不連続境界の定義をしておく。AVブロック不連続境界
とは、AVファイルの連続データを記録した2つのAV
ブロックの間に他のAVブロックを挟むか、もしくはゾ
ーン境界を挟む状態を指す。
【0135】図20にAVブロック不連続境界の例を示
す。(a)においてAVfile#1はAV_BLK#mとAV_BLK#nに連
続するデータを記録してある。AV_BLK#mとAV_BLK#nの間
には複数のAVブロックが存在し、AVブロック不連続
境界が発生している。Extentもここで分断される。
(b)の場合、AVfile#2はAV_BLK#k、AV_BLK#lに連続的
に記録されている。しかし、この2つのAVブロックは
それぞれ異なるゾーン#i、#jに属しているため、この
AVブロックの間にAVブロック不連続境界が発生して
しまう。
【0136】「SEARCH_DISCON_AV_BLK」は2地点を指定
されて実行される。AVブロックが不連続である判定
は、AVファイルのExtent情報から判断する。指定され
た2地点が同じExtentに含まれるのであれば、2地点間
にAVブロック不連続境界は存在しない。指定された2
地点が異なるExtentにそれぞれ含まれ、そのExtentの間
にAVブロック長以上の隙間がある、もしくはExtentが
それぞれ違うゾーンに含まれる場合は、指定された2地
点の間に必ずAVブロック不連続境界が存在することに
なる。
【0137】もう一つExtentが分割されるケースとして
ECCブロックのスキップがある。AVファイルを記録す
る場合、アドレスエラーが起きたら、そのECCブロック
をスキップして次のECCブロックにデータを記録すると
いう記録方法(特平8−258078記載)を行った場
合に、ECCブロックのスキップによりExtentの不連続が
起きる。そのため、アドレスエラーによりECCブロック
をスキップしてAVファイルを記録する場合も、Extent
は分割されるが、この場合はAVブロック内でECCブロ
ックの不連続境界であり、AVブロック不連続境界には
該当しないとする。
【0138】ここまでに紹介したプリミティブなAVフ
ァイルシステムのAPIを用いて、AVデータを編集する
場合を考えると、余分なデータの移動を発生することが
ある。
【0139】例えば、AVデータを分割するAPIに「SPL
IT」というものが存在するが、AVデータの”AVデー
タは1つのAVブロックを占有する”という条件から、
「SPLIT」で分割されることによって、編集点より後ろ
に生成されるファイルは、他の領域に移動されなければ
ならない。しかし編集において「SPLIT」が単独で使わ
れる事は少なく、その後に付随して行われる処理が存在
する場合が多い。
【0140】例えばCMカットなどの不要部分の削除を
行う場合、「SHORTEN」を実行するために不要部分の中
でAVファイルを分割する必要がある。この場合にカッ
トする領域内で「SPLIT」が実行され、新しく出来たA
Vファイルのデータは移動されてしまう。この後の流れ
の中で実行される「SHORTEN」によって削除される不要
なデータであるにも関わらず移動してしまうと、余計な
データの移動が1回多く発生することになる。もし「SH
ORTEN」によって削除される不要な部分を取り除いた後
に出来る2つのファイルが、それぞれ別々のAVブロッ
クに存在していれば全くデータの移動は発生しないので
ある。この事を考えて、「SPLIT」から「SHORTEN」まで
の処理を1つのコマンドとして実装すれば、余分なデー
タの移動を減らすことが可能となる。
【0141】また、「SPLIT」の実行においては、処理
されたデータがAVファイルの規定を満足しなくてもよ
いとすれば、余計なデータの移動は発生しない。これに
よりデータの移動量は削減出来るが、AVブロックの管
理が多少複雑になる。AVファイルがAVブロックの一
部分にデータを持つ場合、それを削除したからといっ
て、そのAVブロックをすぐに未使用に出来ない。なぜ
なら、AVブロックの残りの空き領域に、他のAVファ
イルのデータが存在するかもしれないからである。これ
は全てのファイルのExtentを調べれば分かるが、これを
行うのは面倒である。これの解決策としては、AVブロ
ック管理テーブルに記録されているAVファイルの開始
アドレスとサイズを持たせるという方法が考えられる。
また、AVファイルシステムしかこのディスクにアクセ
スしないとすれば、セクタビットマップをAV属性のAV
ブロックに関しても、データが記録されたセクタしか割
り当て済みと登録しない様にすることで、AVブロック
内のデータの存在を確かめることが可能となり、AVフ
ァイルは1つのAVブロックを占有するという制限を外
すことが出来る。
【0142】4.プレゼンテーションデータ ここでは、MPEGストリーム(以下「プレゼンテーション
データ」とも呼ぶ)が収められているAVファイルにつ
いて説明する。
【0143】(ディレクトリ構成)図29はDVDレコーダ
において必要なディレクトリとファイルの構成を示す。
【0144】DVDレコーダのファイルは全てROOTディレ
クトリの下のDVD_RAM_AVという専用のディレクトリに記
録される。図中で拡張子が”.avf”であるAV_File_#1.a
vf,,,AV_File_#n.avfは実際のMPEGデータを記録したA
Vファイルを示す。これらのファイルは前述のAVブロ
ックを用いて連続的に記録される。図中で拡張子が”.i
fo”は後述するAVファイル管理情報ファイル、”.cl
p”は後述するAVクリップ管理情報ファイルのAV Clip
partである。AVファイル、AVファイル管理情報フ
ァイルおよびAVクリップ管理情報ファイル間では、拡
張子を取り除いたボディー名で対応が取れているもので
ある。また、ファイル名が固定である”Clip_Sequenc
e”は、後述するAVクリップ管理情報ファイルのAV Cl
ip Sequenceである。
【0145】以降ここではAVファイルの論理フォーマ
ットについて説明する。まず、最初にMPEGデータについ
て簡単に説明し、次に編集によってできるAVファイル
のデータ構造および作成方法について説明する。
【0146】(ビデオデータ)まず、MPEGのビデオデータ
について説明する。
【0147】MPEGのビデオ圧縮では、圧縮率を高めるた
め、フレーム内での空間周波数特性を利用した圧縮だけ
でなく、過去および未来からの時間相関特性を用いたデ
ータ圧縮も行っている。図30を用いて説明すると、MP
EGでは、過去および未来からの参照を行うBピクチャ
と、過去からの参照のみを行うPピクチャと、時間相関
を用いないIピクチャの3種類のピクチャタイプが存在
する。時間相関による圧縮を用いているPおよびBピク
チャは参照先のピクチャの情報をもとにデコードされる
ので、これらのピクチャのデコードには参照先のピクチ
ャがデコードされている必要がある。そのため、未来か
らの参照を行っているBピクチャは、参照先である未来
のピクチャがデコードされた後でなければ、デコードが
できない。そこで、MPEGの圧縮データ(ストリーム)で
は、ピクチャの再生順(display order)と異なり、図
30に示すようにBピクチャを参照先のピクチャの後に
並べる(coding order)ことを行っている。また、この
順番の入れ替えをリオーダと呼んでいる。
【0148】時間相関を用いたPおよびBピクチャは、
参照先のピクチャを利用してデコードを行うので、単独
でのデコードはできない。そのため、PおよびBピクチ
ャのみを連続して使用すると、特殊再生などでストリー
ム途中からのデコードを行う場合に問題が生じるので、
一般的には約0.5秒毎にIピクチャを入れることを行
う。このIピクチャを先頭として、次のIピクチャ先頭
までをGOP(Group of Pictures)と呼びMPEGでの一圧縮単
位として扱っている。
【0149】また、MPEGでは、時間相関を用いた圧縮を
行っている関係から、GOPではdisplay orderで一番最後
のフレームがIまたはPピクチャで終わり、coding ord
erで一番最初のフレームがIでなければならない制限が
ある。
【0150】(多重化)次に、AVデータの多重化につい
て説明する。
【0151】ビデオおよびオーディオデータは、約2KB
の単位で分割され、2KB固定長のパックに収められる。
ビデオパックおよびオーディオパックは、デコーダバッ
ファに入力する順に並べられ、パックヘッダにデコーダ
バッファへの入力時刻を示すタイムスタンプであるSCR
(System Clock Reference)が付けられる。また、パック
内のパケットヘッダ中には、ビデオおよびオーディオデ
ータの再生時刻を示すPTS(Presentation Time Stamp)
と、デコード時刻を示すDTS(Decoding Time Stamp)が付
けられている。
【0152】このようにして多重化が行われるビデオ、
オーディオデータでは、次のような特長がある。
【0153】MPEGビデオでは、高効率な圧縮を実現する
為、画像の複雑さに応じた動的な符号量割り当てをフレ
ーム単位でできるようにデコーダで入力バッファを持
ち、このデコーダバッファへ予めデータを蓄えておくこ
とで圧縮の難しい複雑な画像に対しての大量のデータ割
り当てを可能としている。従ってデコーダバッファへ予
めデータを蓄える為の時間(以下「VBV delay」と呼
ぶ)だけビデオデータを早くデコーダバッファへ入力す
る必要がある。これに対してオーディオデータは各フレ
ームとも固定サイズでエンコードされるため、ビデオデ
ータのようにデコード時刻よりも特別に早くデータ入力
を行う必要はない。従ってビデオデータはオーディオデ
ータよりも先行して多重化が行われる。
【0154】図31はビデオデータおよびオーディオデ
ータの多重化の例である。図31は上から、(a)がビ
デオデータ、(b)がビデオバッファの状態、(c)が
ビデオデータとオーディオデータを多重化したAVデー
タ(夫々パック化され多重化されている)、(d)がオ
ーディオデータを示している。横軸は各図に共通した時
間軸を示していて、各図とも同一時間軸上に描かれてい
る。また、ビデオバッファの状態において、縦軸はバッ
ファ占有量(ビデオバッファのデータ蓄積量)を示し、
図中の太線はバッファ占有量の時間的遷移を示してい
る。また、太線の傾きはビデオのビットレートに相当
し、一定のレートでデータがバッファに入力されている
ことを示している。また、一定間隔でバッファ占有量が
削減されているのは、データがデコードされたことを示
している。また、点線(斜め線)と時間軸の交点はビデ
オフレームのビデオバッファへのデータ転送開始時刻を
示している。
【0155】以降、ビデオデータ中の複雑な画像Aを例
に説明する。図31(b)で示すように画像Aは大量の
符号量を必要とするため、画像Aのデコード時刻よりも
図中のVBV delayだけ早い時間からビデオバッファへデ
ータ転送を開始しなければならない。その結果、AVデ
ータとしては網掛けされたビデオパックの位置(時刻)
で多重化される。これに対して、オーディオデータの転
送はデコード時刻より特別に早まらないので、図中の網
掛けされたオーディオパックの位置(時刻)で多重化さ
れる。従って、同じ時刻に再生されるビデオデータとオ
ーディオデータでは、ビデオデータが先行している状態
で多重化が行われる。尚、MPEGでは、バッファ内にデー
タを蓄積できる時間が限定されていて、全てのデータは
バッファに入力されてから1秒以内にバッファからデコ
ーダへ出力されなければならないように規定されてい
る。そのため、ビデオデータとオーディオデータの多重
化でのずれは最大で1秒(厳密に言えばビデオデータの
リオーダの分だけ更にずれることがある)である。
【0156】尚、本例では、ビデオがオーディオに対し
て先行するとしたが、理屈の上では、オーディオがビデ
オに対して先行することも可能ではある。ビデオデータ
に圧縮率の高い簡単な画像を用意し、オーディオデータ
を不必要に早く転送を行った場合に、このようなデータ
を意図的に作る事は可能である。しかしながらMPEGの制
約により、先行できるのは最大でも1秒までである。
【0157】(編集後のAVファイル)次に、編集を行っ
た結果、AVファイルがどのような構造に変化するのか
について説明する。
【0158】例として図26に示す3つのAVクリップ
を用いて説明する。まず編集を行う以前の段階では、A
Vファイル#j、#kとも図27に示す標準的なMPEGデータ
形式で記録される。つまり、先頭のパックのSCRを0とし
て時間的に連続するタイムスタンプが付与される。この
ようなMPEGデータをDVDではVOB(Video Object)と呼ぶ。
VOBの正確な定義はISO/IEC13818-1で規定されるMPEGの
プログラムストリームであって最後にprogram_end_code
が付かないものである。
【0159】3つのクリップを編集して一つのAVファ
イルを構成する場合、結果として3つのクリップに対応
する3つのVOBから構成される一つのAVファイルが作
成される。各VOBの境界ではオリジナルのVOBから切り出
された位置に応じて先頭のタイムスタンプが異なるた
め、VOBの境界ではタイムスタンプは連続していない。
【0160】図32は、タイムスタンプが連続しない3
つのVOBから構成されるAVファイルの例である。編
集によって作られたVOB境界点ではタイムスタンプの
不連続が生じる。MPEGで定義されているデコーダモデル
(以下「STD」と呼ぶ)はタイムスタンプが連続するス
トリームに対しての動作を規定したモデルであるため、
本例のようにタイムスタンプの不連続が生じると、VO
B境界を途切れることなく連続再生(以下「シームレス
再生」と呼ぶ)することができなくなる。
【0161】(E-STD)DVDでは、図33に示す拡張STDモ
デル(以下「E-STD」と呼ぶ)を定義し、タイムスタン
プが連続しないVOB間のシームレス再生を実現する。
E-STDは、MPEGで定義しているSTDに比べて、基準時間を
刻むシステムタイムクロック(以下「STC」と呼ぶ)に
オフセットを加える加算器とSTCの出力値と加算器の出
力値の一方を選択できるスイッチが付加された構成とな
っている。この構成によって、VOB間で固有のオフセ
ット(「STC offset」と呼ぶ)を加えることで、図32
に示すようにVOB間で擬似的にタイムスタンプを連続
させることが可能となる。STC offsetは次のようにして
定義される。ストリーム中のタイムスタンプで表現した
VOBのビデオ表示開始時刻をVOB_V_S_PTMと定義し、終了
時刻をVOB_V_E_PTMと定義する。この時、STC offsetは
次の式より求まる。
【0162】STC offset = 前部VOBのVOB_V_E_PTM - 後
部VOBのVOB_S_PTM次に、E-STDの動作について簡単に説
明する。E-STDの動作で重要なことは、図33中の各ス
イッチ(SW1、SW2、SW3およびSW4)の切り替えタイミン
グである。中でも、一番最初に切り替えを必要とするデ
マルチプレクサ用のスイッチSW1の切り替えタイミング
は、他のスイッチに対しての切り替え予告となり得るの
で特に重要である。スイッチSW1の切り替えは、前部VOB
の最後のパックの入力開始から後部VOBの最初のパック
の入力開始までの間なので、前部VOBの最後のパックの
入力開始時刻を示すSCR(LAST_SCR)と、後部VOBの最初
のパックの入力開始時刻を示すSCR(FIRST_SCR)をSW1
切り替えタイミングとしてE-STDに与えれば良い。これ
によって通常再生時のスイッチ切り替えが可能になる。
【0163】また、図33中のADPI(Audio Decoder Pa
use Information)は、オーディオデコーダを一時的に
停止させるための情報であるが、詳しくは、後述するオ
ーディオギャップで説明する。
【0164】尚、E-STDの基本動作については、特許
「国際公開番号WO97/13364」で詳しく述べて
いるので、本例でのこれ以上の説明は省略する。
【0165】(オーディオギャップ)VOB間でのシームレ
ス再生を実現するために幾つかの条件がある。一つ目は
オーディオギャップである。DVDで扱うAVデータは、
ビデオの場合はNTSC、PALであり、オーディオの場合はD
olby AC3、MPEG、LPCMである。これらのAVデータは全
てフレームという概念を持っていて、夫々異なるフレー
ム周期で構成されている。具体的には、NTSCの1フレー
ムは約33msec(正確には1/29.97sec)、PALの1フレーム
は40msecであり、Dolby AC3の1フレームは32msec、MPEG
の1フレームは24msec、LPCMの1フレームは約1.67msec
(正確には1/600sec)である。このため、どのビデオ、
オーディオの組み合わせにおいてもフレーム周期が異な
るため、AVファイルからVOBを切り出して、異なる2つ
のVOBを繋ぎ編集を行う場合、ビデオを基準にVOBを繋ぐ
とオーディオデータに再生のギャップまたはオーバーラ
ップが生じ、オーディオを基準にVOBを繋ぐとビデオデ
ータに再生のギャップまたはオーバーラップが生じてし
まう。DVDでは、ビデオを基準としてオーディオのギャ
ップが生じるものとする。
【0166】図34は、本例のオーディオギャップを示
した図である。MPEGデータにはデコード時刻や再生時刻
を示すタイムスタンプが付加されているが全てのフレー
ムに対して付けられているわけではない。例えば、ビデ
オデータの場合、1GOPに一回、即ち約0.5秒に一回つけ
られることがしばしばある。そこでデコーダでは、AV
データが一定のフレームレートであることを利用して、
一定周期で連続的にAVデータのデコードを行ってい
る。このようなデコーダにオーディオギャップを有する
AVデータを入力する場合、デコーダに対してシステム
制御部(図24の録画・編集・再生制御部)からオーデ
ィオポーズを指示してオーディオデコーダを一時的に停
止する必要がある。これが図33中のADPI(Audio Deco
der PauseInformation)である。
【0167】このようにして、オーディオギャップを処
理することが可能となるが、汎用的なマイコンとソフト
ウェアから構成されるシステム制御部からオーディオデ
コードの停止を制御する都合上、オーディオギャップが
短期間に連続しては、システム制御部の処理が間に合わ
ない問題が生じる。そこで、オーディオギャップが一定
の間隔以上ひらくように制限を設ける必要がある。
【0168】本例では、以下の制限を設け上記の問題を
回避することとする。オーディオギャップは編集により
生じるものであるから、オーディオギャップは編集の単
位、即ちVOBに対して最大1つとする。次に、オーディオ
ギャップの時間長に制限を設け、1オーディオフレーム
未満とする。次に、オーディオギャップのおける位置
(時刻)に制限を設ける。オーディオギャップは編集に
より生じるものであるから、編集の境界面であるVOBの
ビデオ表示開始時刻を基準として、前後1オーディオフ
レーム未満の間にオーディオギャップの開始時刻を置く
ように制限する。次に、VOBの時間長を1.5秒以上に制限
する。
【0169】以上の制限を設けることで、シームレス再
生時におけるオーディオギャップの発生間隔は最小で
も、”1.5秒−1オーディオフレーム再生時間×2”に収
めることが可能である。具体的に数値を当てはめてみる
と、オーディオをDolby AC3とすれば1オーディオフレー
ム再生時間は32msecであるから、オーディオギャップの
発生間隔は最小でも1436msecになる。
【0170】(バッファ制御)二つ目はVOB間でのバッフ
ァ制御の連続性である。
【0171】前述した多重化の説明でも述べたが、MPEG
は高効率な圧縮を実現するためにデコーダに入力バッフ
ァを設けて、各フレームに必要な符号量を動的に割り当
てられるようにしている。この反面、デコーダバッファ
がアンダーフローまたはオーバーフローを起こすと正常
な再生が行えず、再生途中で途切れるなどの障害が生じ
てしまう。そこでMPEGのエンコーダでは、デコーダバッ
ファがアンダーフローまたはオーバーフローを起こさな
いようにエンコーダ内部に仮想バッファを設けてデコー
ダバッファのシミュレーションを行っている。
【0172】このような一連の流れの中でエンコードさ
れたMPEGデータはデコーダバッファのオーバーフローま
たはアンダーフローが起きないことが保証されるが、別
々にエンコードされたVOB間でシームレス再生を行う場
合、VOB間でデコーダバッファがアンダーフローまたは
オーバーフローしないことを保証できない。そのため、
VOB間でシームレス再生を行うには、VOB間でのバッファ
制御の連続性を保証する必要がある。そこで、編集時に
VOB間でのバッファ制御が連続するようにVOB境界近傍を
局所的に再エンコードを行う。
【0173】(再エンコード方法)次に、VOB境界近傍で
の局所的な再エンコードについて説明する。
【0174】まず、VOB境界となるAVデータを読み出
す。読み出し方法、後述する編集の動作で説明する。読
み出したAVデータを、ビデオ、オーディオ夫々に分離
し、夫々に処理を施す。
【0175】まず、ビデオのGOP再構成を行う。ビデオ
の再構成について図35を用いて説明する。
【0176】ビデオデータはGOPを一塊にした単位でエ
ンコードが行われるため、編集によってGOPが崩される
と、全てのフレームのデコードを正常に行うことができ
なくなってしまう。そこで、図35のようにGOP途中の
フレームで編集が要求された場合は、GOPを新たに作り
直す必要がある。先にも述べたが、MPEGには、時間相関
を用いないIピクチャと、過去からの時間相関を用いた
Pピクチャと、過去および未来からの時間相関を用いた
Bピクチャの3種類のピクチャタイプがあり、MPEGのB
ピクチャと、IおよびPピクチャでは、フレームの表示
順(display order)と、フレームの圧縮データ順(cod
ing order)とが入れ替わっている。また、GOPでは、フ
レームの表示順(display order)で、一番最後のフレ
ームがIまたはPピクチャで終わり、フレームの圧縮デ
ータ順(coding order)で、一番最初のフレームがIで
なければならないため、GOPを再構成する場合、以下の
ルールに従った処理が必要となる。
【0177】一つ目は、前部のVOBの最後のGOPにおい
て、フレームの表示順(display order)で、最後のピ
クチャがBピクチャの場合は、このピクチャをPピクチ
ャ(またはIピクチャ)にピクチャタイプを変更する
(ルール1)。
【0178】二つ目は、後部のVOBの最初のGOPにおい
て、フレームの圧縮データ順(codingorder)で、最初
のピクチャがPピクチャの場合、Iピクチャに変更する
(ルール2)。
【0179】三つ目は、後部のVOBの最初のGOPにおい
て、フレームの表示順(display order)で、最初のI
ピクチャ(ルールに2に従い変更されたIピクチャも含
む)より先に表示されるBピクチャでは、過去からの時
間相関を打ち切るようにピクチャ内の圧縮方法を変更す
る(ルール3)。
【0180】次に、ビデオバッファ制御を行う。ビデオ
バッファ制御について図36を用いて説明する。
【0181】バッファ制御の説明でも述べたが、編集を
行う2つのVOB間でビデオバッファ制御が連続しなければ
ならない。そこで、2つのVOB間でのバッファ制御が連続
できるようにVOB境界近傍での再エンコードを行う。図
36は、再エンコード時のバッファ制御を示した図であ
る。まず、VOB境界でのバッファ占有量Bv1を決める。Bv
1の決めかたに限定はないが、本例では、後部VOBでの再
エンコード前のバッファ占有量をそのまま用いる。前部
VOBでは、前部VOB最後(VOB境界)のバッファ占有量がB
v1となるように、各ピクチャでの符号量割り当てを行い
直し、再エンコード区間の各ピクチャの再エンコードを
行う。後部VOBでは、VOB先頭でのバッファ占有量をBv1
として、再エンコード範囲後の最初のピクチャでのバッ
ファ占有量Bv2(再エンコード前と同一値)に繋がるよ
うに、再エンコード区間でのバッファ制御を行う。
【0182】以上の処理によって2つのVOB間でのバッフ
ァ制御は連続させることが可能となる。また、ビデオの
再エンコードを行う範囲は、少なくともピクチャタイプ
が変更されるフレームは必要であるが、この限りではな
く、複数VOBUに跨って再エンコードを行っても構わな
い。しかしながら、再エンコードの範囲が長くなるだけ
編集時の再エンコード時間が長くなるデメリットが生じ
る。
【0183】次に、オーディオギャップの作成を行う。
オーディオギャップの作成方法について図36を用いて
説明する。
【0184】オーディオギャップの説明でも述べたが、
ビデオとオーディオのフレームレートの違いによって、
編集時にVOB境界でオーディオの不連続点(オーディオ
ギャップ)が発生する。また、オーディオギャップの開
始時刻は、VOBのビデオ表示開始時刻VOB_V_S_PTMの前後
1オーディオフレーム未満になければならない。そこ
で、次のようにしてオーディオギャップを決定する。図
36において、時刻t2は後部VOBのVOB_V_S_PTMであり、
この時刻t2を規準として、前部VOBでは、時刻t2を含む
オーディオフレームまでを編集後のデータとして使用し
(時刻t2がオーディオフレーム境界に一致する場合は、
時刻t2で再生終了となるフレームまでを使用する)、後
部VOBでは、前部VOB最後のオーディオフレームの再生終
了時刻t3直後(同時刻を含む)に再生開始する最初のオ
ーディオフレームからを編集後のデータとして使用す
る。
【0185】また、前部VOB最後のオーディオフレーム
の再生終了時刻t3から、後部VOB最初のオーディオフレ
ームの再生開始時刻t4までの時間がオーディオギャップ
長A_GAP_LENになり、後部VOB最初のオーディオフレーム
の再生開始時刻t4からオーディオギャップ長A_GAP_LEN
だけ前の時刻がオーディオギャップ開始時刻A_STP_PTM
になる。
【0186】次に、ビデオ、オーディオの多重化を行
う。ビデオ、オーディオの多重化について図36を用い
て説明をする。
【0187】前述した、ビデオのGOP構造の再構成、バ
ッファ制御とビデオ再エンコード、オーディオギャップ
の作成を行った後、ビデオ、オーディオの多重化を行
う。多重化の説明でも行ったがMPEGの性質上、ビデオデ
ータはオーディオデータより先行して多重化が行われ
る。これは、VOB境界においても同様であり、後部VOBの
先頭では、ビデオデータが先行して多重化される分だけ
前部VOBにあったオーディオデータが後部VOBに回り込み
多重化される。逆に、前部VOBでは、後部VOBに回り込ん
だオーディオデータを除いて多重化される。具体的に
は、図36の時刻t1(後部VOBでのビデオデータ入力開
始時刻)を規準として、時刻t1直後(時刻t1は含まな
い)に再生が開始されるオーディオフレームからは、後
部VOBとして多重化を行う。
【0188】尚、VOB間でのバッファ制御の連続および
多重化方法については、特許「国際公開番号WO97/
13367」および「国際公開番号WO97/1336
3」で詳しく述べているので、本例でのこれ以上の説明
は省略する。
【0189】このようにシームレス接続・再生の考え方
を用いると本来は全てのタイムスタンプを書き換えなけ
れば編集できないMPEGデータであっても、大量のデータ
の移動や書き換えを伴うことなく簡易に編集が可能とな
る。
【0190】(非シームレス接続)次に、非シームレス接
続について説明する。
【0191】編集によってAVファイル内に複数のVOB
ができることは先に説明した。ここでは、AVファイル
内のVOB間での非シームレス接続について説明する。
【0192】VOB間でのシームレス再生方法と、シーム
レスストリーム作成方法について前述したが、編集を行
う全てのMPEGストリーム間をシームレスストリーム化す
ることはできない。
【0193】例えば、編集により接続する2つのオーデ
ィオストリームが、一方がAC3のストリームであって、
他方がMPEGのストリームである場合に、その接続境界に
対してシームレスストリーム処理を行ったとしても、一
般的にデコーダでシームレス再生はできない。ストリー
ムがAC3からMPEGへ変化する場合、デコーダ内部でスト
リーム属性の切り替えを行うため、この間デコードが停
止してしまうからである。オーディオストリームの属性
が変わる場合も同様である。
【0194】以下の条件を少なくとも1つ満たす場合、
シームレス再生はできなくなる。 1)ビデオのフレームレート(NTSC、PAL、...)が異な
る。 2)オーディオエンコード方式(AC-3、MPEG、LPCM)が
異なる。 3)オーディオストリームのビットレートが異なる。
【0195】また、意図的に非シームレス接続のVOBと
することも可能である。上記の場合、VOB間が非シーム
レスストリームとなるように編集を行う。具体的には、
次のようにして再エンコードを行う。最初のVOB境界の
読み出し、AVストリームの分離、ビデオのGOP再構成ま
では同一である。VOB間でのビデオバッファ制御は必要
なく、各VOB単体でのビデオバッファ制御さえ行えば良
く、オーディオデータの切り出しにおいても、オーディ
オギャップの作成のように厳密な計算は要求されず、ビ
デオにほぼ一致するオーディオデータを切り出せば良
い。また、ビデオ、オーディオの多重化も各VOB内での
ビデオ、オーディオの多重化さえ行えば良い。
【0196】5.ナビゲーションデータ 5.1.AVファイル管理情報 AVファイル管理情報の論理フォーマットについて図5
5と図57を参照しながら説明する。 図55はAVフ
ァイル管理情報の全体を示し、図57はAVファイル管
理情報の一部であるStream Informationを示す。
【0197】(AV File Management Information)AV Fil
e Management Informationには、対応するAVファイル
の識別名を示すAV File ID、そのAVファイルのセクタ
単位の大きさを示すSector Size、そのAV Fileの再生時
間を示すPlayback Timeと、VOB Tableが記録される。
【0198】VOB Tableには、AVファイルに含まれるV
OBの数と、VOB Informationの配列へのポインタが記録
される。VOB Informationには、AVファイル先頭から
の相対セクタアドレスでVOB先頭のアドレスを示すStart
Sector、AVファイルの先頭をタイムコード00:00:00:
00としてVOBの先頭の再生経過時間を示すStart Time、T
ime Mapに記録されたStart Sectorの値を補正するため
のSector Offset、Time Mapに記録されたStart Timeの
値を補正するためのTime Offset 、VOBのデータ属性を
示すStream Informationと、次に説明するTime Map Tab
leとVOBU Map Tableが記録される。
【0199】Time Map Tableには、Time Mapの数、Time
Map間の時間間隔を秒で示すTime Unit、各Time Mapが
指す時間を補正するためのTime Base、Time MapのVOBU
Map Indexを補正するためのIndex Offsetと、Time Map
の配列へのポインタが記録される。Time Mapには、Time
Mapが示す時刻に対応するVOBUのVOBU Map配列内でのイ
ンデックスを示すVOBU Map Index、VOBの先頭からのそ
のVOBUの先頭の相対セクタアドレスを示すStart Secto
r、VOBの先頭からのそのVOBU先頭のビデオフレームの相
対タイムコードを示すStart Timeが記録される。
【0200】VOBU Map Tableには、VOBに含まれるVOBU
の数とVOBU Mapの配列へのポインタが記録される。VOBU
Mapには、VOBUの先頭の相対セクタアドレスを示すStar
t Sector Offset、VOBU先頭のビデオフレームの相対タ
イムコードを示すStart TimeOffset、早送りや巻き戻し
など特殊再生時に用いるリファレンスピクチャのVOBU先
頭からの相対エンドアドレスを示すEnd Sector of the
Reference Pictureが記録される。
【0201】Time Map Tableは、VOB先頭から一定間隔
ごとの時刻に存在するVOBUの情報を記録する。VOBU Map
Tableは、VOB中に存在する全VOBUの情報を、VOB中に存
在する順番に従って、VOBU Map#1から順に記録する。
【0202】Time Map#iは、VOB先頭からの再生経過時
間が((Time Unit) * i + (Time Base))の時点に存在す
るVOBUを指す。Time Unitが1、Time Baseが0の場合に
は、Time Map#1、Time Map#2、Time Map#3は、それぞ
れ、VOBの先頭から1秒後、2秒後、3秒後に存在するV
OBUを指す。Time MapのVOBU Map IndexとTime Map Tabl
eのIndex Offsetを足した値がVOBU Mapのインデックス
を示す。Time MapのStartSectorとTime Map TableのSec
tor Offsetを足した値が、Time Mapが指すVOBUの先頭の
アドレスをVOB先頭からのセクタ単位のオフセットで表
す。 Time MapのStart TimeとTime Map TableのTime Of
fsetを足した値が、Time Mapが指すVOBUの先頭の再生経
過時間を、VOBの先頭のタイムコードを00:00:00:00とし
たタイムコードで表す。
【0203】VOBU MapのStart SectorとStart Timeは、
Time Mapで指されたVOBUまたはVOBの先頭を基準とした
相対値で表す。Time Map#1が指すVOBUより前にあるVOBU
に関しては、VOBの先頭を基準とする。その他のVOBUに
関しては、Time Mapで指されたVOBUのうちで最も手前に
あるものを基準とする。Time Unitを数秒に設定した場
合は、Start Timeは2バイト、Start Timeは1バイトで
表すことができる。
【0204】図56に、Time MapのVOBU Map IndexとVO
BU Mapの関係を示している。 (Stream Information)Stream Informationには、ビデオ
ストリームの種々の属性を示すVideo Attribute、オー
ディオストリームのマッピングを示すAudio Map Tabl
e、オーディオストリームの属性を示すAudio Attribute
Tableを記録する。
【0205】Audio Map Tableは、8ストリーム分のAud
io Mapを記録する。Audio Mapは、ストリームが有効か
否かを示すValidity FlagとAudio Attribute TableのAu
dioAttributeを指すインデックスを記録する。
【0206】Audio Attribute Tableは、8ストリーム
分のオーディオストリームの種々の属性を記録する。Vi
deo FormatはMPEG2の他にMPEG1も設定可能である。Vide
o SystemはNTSCまたはPAL/SECAMが設定可能であり、 NT
SCではVideo Resolutionは他に352 x 480, 352 x 240が
設定可能である。Video Aspectは4:3または16:9のワイ
ドが設定可能であり、ワイドの場合における表示モード
として標準以外にLetter BoxまたはPan Scanが設定でき
る。Video APSはアナログビデオ信号用のコピー防止制
御の方法を示し、AGCはビデオ信号のブランク区間の信
号振幅を変化させVTRのAGC回路に障害を与えることによ
りVTRへのコピーを防止するものである。他にColor Str
ipeや両方の組み合わせも設定可能である。Audio Forma
tはオーディオのエンコード形式を示し、MPEG2やDolby
Digital、リニアPCMなどを設定可能である。Audio Samp
lingはサンプリング周波数を示し、他に44.1KHzなどが
設定可能である。Audio Bitrateは固定ビットレートの
場合に値を示し、可変ビットレートの場合は"VBR"と記
述される。これらのAttributesは図24中のAVデコーダ
部131の初期設定に用いられる。
【0207】(AVファイル管理情報の生成)録画時のA
Vファイル管理情報の生成について説明する。
【0208】図24のAVデータ入力部111は、録画
中にリアルタイムにGOPごとのセクタ数とリファレンス
ピクチャのセクタ数に関する情報をAVファイル管理情
報生成部112に渡す。
【0209】AVファイル管理情報生成部112は、今
までに生成したAVファイル管理情報と渡されたGOPの
情報から、リアルタイムに現時点までのAVファイル管
理情報を生成し、主記憶上に記憶する。そして、録画の
終了時に、この主記憶上に記憶しているAVファイル管
理情報を、非AVファイルとして、AVファイル管理情
報ファイルに記録する。
【0210】なお、AVファイル管理情報生成部は、リ
アルタイムにGOPの情報のみを記憶し、AVファイル管
理情報をディスクに記録する前に、AVファイル管理情
報を生成するという動作でも良い。
【0211】また、AVファイル管理情報生成部は、録
画の終了前でも、AVデータのリアルタイムの記録を妨
げないならば、AVファイル管理情報を、AVファイル
管理情報ファイルに記録しても良い。
【0212】図58は、録画の開始から終了までの間
に、AVファイル管理情報生成部が渡されるGOPの情報
の例を示す。図59は、図58のGOPの情報から生成さ
れるAVファイル管理情報を示す。また、図66は、3
本のオーディオストリームが存在する場合のAVファイ
ル管理情報の中のStream Informationの例を示す。
【0213】まず、録画後に生成されるAVファイル管
理情報について説明する。図59は、図58のGOPの情
報の例から生成されるAVファイル管理情報の例を示
す。図59で示されたAVファイル管理情報の内容につ
いて説明する。VOBの数は1である。VOB Informationの
Sector OffsetとTime Offset 、Time Map TableのTimeB
aseとIndex Offsetは、いづれも0であり、Time Mapに
記録された値は、補正することなく、VOB先頭を基準に
した値を示している。
【0214】次に、図66に示したSteam Information
の内容について説明する。Audio Map及びAudio Attribu
teの最初の3つがValidとなり、その他はInvalidとな
る。Audio MapのAudio Attribute Indexには、Audio Ma
pのインデックスと同じ値が記録される。
【0215】(AVファイル管理情報のSplit)編集時のS
plitに伴うAVファイル管理情報の更新について説明す
る。図24の特再情報編集部が、Split要求を受けたと
きの動作について例を用いて説明する。図60は、Spli
t前のAVファイル管理情報を示す。図61は、このA
Vファイル管理情報をVOB#3とVOB#4の間でSplitした後
の2つのAVファイル管理情報を示す。
【0216】まず、前半部のAVファイル管理情報の内
容について説明する。前半部のAVファイルが、元のフ
ァイルを引き継ぐため、AV File IDはSplit前と同じで
ある。ファイルの大きさ、再生時間、VOBU数が、小さく
なることに伴って、AV FileManagement InformationのS
ector SizeとPlayback Time、VOBU Map TableのVOBU
数、Time Map TableのTime Map数が、小さくなる。
【0217】次に、後半部のAV管理情報ファイルの内容
について説明する。AV File IDには新規の名前が記録さ
れる。ファイルの大きさ、再生時間、VOBU数が、小さく
なることに伴って、AV File Management Informationの
Sector SizeとPlayback Time、VOBU Map TableのVOBU
数、Time Map TableのTime Map数が、小さくなるのは、
前半部と同様である。ファイルの前側がなくなるため、
各VOBU Mapや各Time Mapに記録された値を補正しなけれ
ばならない。そのために、各VOBU Mapや各Time Mapに記
録された値を書き換えるのではなく、VOB Information
のSector OffsetとTime Offset 、および、VOBU Time T
ableのTime BaseとIndex Offsetに、補正をするための
値を設定する。
【0218】Stream Informationに関しては、Split前
の値が、そのまま、Split後の両方のStream Informatio
nに引き継がれる。
【0219】(AVファイル管理情報のShorten)なお、
編集時のShortenの場合は、Splitによってできる2つの
AV管理情報の一方のみが生成される動作と同じであるた
め、説明を省略する。
【0220】(AVファイル管理情報のMerge)編集時のM
ergeに伴うAVファイル管理情報の更新について説明す
る。図24の特再情報編集部が、Merge要求を受けたと
きの動作について例を用いて説明する。図62は、Merg
e前の2つのAVファイル管理情報を示す。図63は、
この2つのAVファイル管理情報を間に再エンコードし
た2つのVOBUを追加してMergeした後のAVファイル管
理情報を示す。ただし、前方のAVファイルの後には1
2フレーム40セクタからなるVOBUを、後方のAVファ
イルの前には18フレーム56セクタからなるVOBUを追
加したものとする。また、図67はMerge前の2つのス
トリーム情報の例を示し、図68はMerge後の2つのス
トリーム情報の例を示す。
【0221】MergeされたAVファイル管理情報の内容
について説明する。前方のAVファイルにMerge 後のA
Vファイルが引き継がれるため、AV File IDには前方の
AVファイルの名前が記録される。 AV File Managemen
t InformationのSector SizeとPlayback Timeは、2つ
のAVファイルと追加される2つのVOBUの分を合計した
値となる。2つのAVファイルが、それぞれVOBとなる
ため、VOBの数が2となる。VOB#1に関しては、VOBU#5が
追加されてVOBが大きくなることに伴って、 VOBU Map T
ableのVOBU数とTime Map TableのTime Map数が大きくな
る。 VOB#2に関しては、VOBUが追加されてVOBが大きく
なることに伴って、 VOBU Map TableのVOBU数が大きく
なる。前方にVOBとVOBUが追加されたことにより、各VOB
U Mapや各Time Mapに記録された値を補正しなければな
らない。そのために、各VOBU Mapや各Time Mapに記録さ
れた値を書き換えるのではなく、 VOB InformationのSe
ctorOffsetとTime Offset 、および、VOBU Time Table
のTime BaseとIndex Offsetに、補正をするための値を
設定する。
【0222】ストリーム情報に関しては、Audio Mapに
おけるValidなもののインデックスが同じであり、か
つ、同じインデックスのAudio Mapに対応するAudio Att
ributeの属性が同じになるように、後半のAVファイル
のStream Informationを変更する。
【0223】(AVファイル管理情報の大きさ)図59の
例では、VOBU MapのStart Sectorが2バイト、Start Ti
meが1バイト、End Sector of the Reference Picture
が1バイトであり、Time MapのStart Sectorが4バイ
ト、Start Timeが4バイト、VOBU Map Indexが2バイト
である。例えば、再生時間が7時間で各VOBUが0.5秒の
AVデータを記録するならば、VOBU Mapの大きさは約2
00キロバイトであり、また、Time Map TableのTime U
nitを5秒とするならば、Time Map Tableの大きさは、
約50キロバイトであるので、AVファイル管理情報の
大きさは、約250キロバイトである。32キロバイト
ずつディスクにアクセスするならば、約8回のアクセス
でAVファイル管理情報をディスクに書き出すことがで
きる。
【0224】特殊再生を行う場合に、VOBU Map Tableを
参照しないで、Time Map Tableのみを参照しても、特殊
再生をすることが可能である。ただし、特殊再生の速度
の種類が少なくなる。
【0225】このような特殊再生の方法により、主記憶
の容量が少ない再生装置でもVOBU Map Tableを主記憶に
記憶しないで、特殊再生を実行することができる。
【0226】5.2.AVクリップ管理情報 (AVクリップ管理情報の論理フォーマット)次に、AV
クリップ管理情報の論理フォーマットについて図37を
参照しながら説明する。
【0227】まず、AVファイル毎に作られるAVクリ
ップ管理情報の内のAV Clip partについて説明する。
【0228】AV Clip partには、対応するAVファイル
の識別名を示すAV File IDと、VOB毎に定義されるClip
Informationの数と、Clip Informationへのポインタが
記録される。Clip InformationはVOBを識別するVOB ID
と、AVファイル先頭からの相対値をタイムコードで示
したVOBのビデオ表示開始フレームStart Timeと、スト
リーム中のタイムスタンプで示したVOBのビデオ表示開
始時刻VOB_V_S_PTMと、ストリーム中のタイムスタンプ
で示したVOBのビデオ表示終了時刻VOB_V_E_PTMと、VOB
先頭パックのバッファへの入力時刻であるFIRST_SCR
と、VOB最後のパックのバッファへの入力時刻であるLAS
T_SCRと、直前のVOBとのシームレス接続情報を示すSeam
less Informationと、Mark Tableと、Clip Tableが記録
される。Seamless Informationには、シームレス接続ま
たは非シームレス接続するかを判別するSeamless Flag
と、オーディオギャップの開始時刻をストリーム中のタ
イムスタンプで示したA_STP_PTMと、オーディオギャッ
プの時間長を示したA_GAP_LENが記録される。Mark Tabl
eにはMarkの数と、マークへのポインタが記録され、各
マークにはVOB先頭からの相対値で示したタイムコード
(Time_Code)と、マークの指し示すフレームが属するV
OBUのVOB内での相対タイムコード(VOBU_Time_Code)
と、このVOBUのVOB内での相対アドレス(VOBU_Addres
s)と、このVOBU先頭からこのフレームの最初のデータ
までの相対アドレス(Frame_Address)と、マークの削
除の可否を示すDelete_Permission(デフォルトは削除
可)が記録される。Clip TableにはClipの数と、クリッ
プへのポインタが記録され、各クリップにはStart Mark
と、End Markと、このクリップを一回以上再生したかを
示すPlayedフラグ(録画時は未再生)と、クリップの削
除の可否を示すDelete_Permission(デフォルトは削除
可)と、DVD-RAM上の空き領域が少なくなった場合に、
自動的に削除しても良いことを示すAuto_Deleteフラグ
(デフォルトは自動削除不可)が記録される。
【0229】次に、AVクリップ管理情報の内のAVク
リップシーケンス情報である、AV Clip Sequenceについ
て説明する。
【0230】AV Clip Sequenceには、Clip Sequenceの
数と、Clip Sequenceへのポインタが記録される。Clip
Sequenceには、クリップシーケンスに設定されたクリッ
プを示すEntry Clipの数と、Entry Clipへのポインタと
クリップシーケンスの削除の可否を示すDelete_permiss
ion(デフォルトは削除可)が記録される。Entry Clip
には、クリップの実AVデータのあるAVファイルを識
別するAV File IDと、VOBを識別するVOB IDと、Clipを
識別するClip IDと、前のEntry Clipとの接続がシーム
レス再生されるかを判別するSeamless Flagが記録され
る。
【0231】(AVクリップ管理情報の作成)録画時に作
成されるAVクリップ管理情報について説明する。
【0232】図24のAVクリップ管理情報生成部は、
録画終了時に図38に示すAVクリップ管理情報を作成
し、ファイルに書き込む。次に、録画時に生成されるA
Vクリップ管理情報の内容について説明する。基本的に
一回の録画では、1つのVOBと、2つのマークと、1つのク
リップと、1つのクリップシーケンスが生成される。2つ
のマークは、VOBのビデオ表示開始および終了フレーム
であり、VOB先頭からの相対値である。1つのクリップ
は、この2つのマークをStart Mark、End Markとした1つ
のClipであり、1つのクリップシーケンスは、この1つの
クリップから構成されたClip Sequenceである。各フィ
ールドはAVクリップ管理情報のフォーマットで説明し
た通りに値が入れられる。
【0233】なお、AVデータ録画部の説明で行ったよ
うに、一時停止が行われた場合には、一時停止をした箇
所にマークが置かれる。また、一時停止等によってVOB
が分けられたとした場合、上記の通りVOB単位でマー
ク、クリップおよびクリップを作成するが、クリップシ
ーケンスに限り、一連の録画単位となる1つのAVファ
イルで1つを作成する。
【0234】次に、マーク、クリップ、クリップシーケ
ンスの追加方法について説明する。図24の録画・編集
・再生制御部がマーク追加要求を受けた場合の処理につ
いて例を用いて説明する。図38は録画直後でAVクリ
ップ管理情報を追加する前の図であり、図39はAVク
リップ管理情報を追加した後の図である。
【0235】まず、マークの追加方法について説明す
る。図39は新たなマーク00:00:01:00を追加した場合
のAVクリップ管理情報を示す。追加するマークは、Ma
rk Tableで使用されていないID Mark#3が与えられ、Mar
k Tableに追加される。
【0236】次に、クリップの追加方法について説明す
る。図39は先に追加したマーク(図39のMark#3)を
開始マークとし、AVファイル末尾のマーク(図39の
Mark#2)を終了マークとする新たなクリップを追加した
場合のAVクリップ管理情報を示す。追加するクリップ
は、Clip Tableで使用されていないID Clip#2が与えら
れ、Clip Tableに追加される。
【0237】次に、クリップシーケンスの追加方法につ
いて説明する。図39は先に追加したクリップ(図39
のClip#2)を一つの再生シーケンスとする新たなクリッ
プシーケンスを追加した場合のAVクリップ管理情報を
示す。追加するクリップシーケンスは、AV Clip Sequen
ceで使用されていないID Clip_Sequence#2が与えられ、
AV Clip Sequenceに追加される。追加されたクリップシ
ーケンスは、先に追加したクリップ(図39のClip#2)
から構成されるので、このクリップが属するAV File I
D、VOB ID、Clip IDと、Seamless FlagがEntry Clipと
して管理記録される。
【0238】次に、マーク、クリップ、クリップシーケ
ンスの削除方法について説明する。図24の録画・編集
・再生制御部がマーク削除要求を受けた場合の処理につ
いて例を用いて説明する。削除は、前述したマーク、ク
リップ、クリップシーケンスの追加と丁度正反対にな
る。即ち、前述した追加の例で使用した図39がAVク
リップ管理情報の削除前の図であり、図38がAVクリ
ップ管理情報を削除した後の図になる。
【0239】まず、クリップシーケンスの削除方法につ
いて説明する。削除するクリップシーケンス(Clip Seq
uence)をエントリークリップ(EntryClip)の情報ごと
AV Clip Sequenceから削除する。同時に、管理している
クリップシーケンス数(Num of Clip Sequences)を削
除したクリップシーケンスの分だけ削減する。
【0240】次に、クリップの削除方法について説明す
る。削除するクリップ(Clip)をクリップテーブル(Cl
ip Table)から削除し、管理しているクリップ数(Num
of Clips)を削除したクリップの分だけ削減する。ま
た、削除したクリップを含むクリップシーケンスがある
場合は、このクリップシーケンスは削除される。
【0241】次に、マークの削除方法について説明す
る。削除するマーク(Mark)をマークテーブル(Mark T
able)から削除し、管理しているマーク数(Num of Mar
ks)を削除したマークの分だけ削減する。また、削除し
たマークを含むクリップがある場合は、このクリップは
削除され、削除されたクリップを含むクリップシーケン
スも削除される。
【0242】(AVクリップ管理情報のSplit)編集時のS
plitに伴なうAVクリップ管理情報の更新について説明
する。
【0243】図24の特再情報編集部123が、Split
要求を受けた時の動作について例を用いて説明する。
【0244】図40は、Split前のAVクリップ管理情
報を示し、図41は、このAVクリップ管理情報をフレ
ーム00:00:02:00でSplitした後の2つのAVクリップ管
理情報を示す。
【0245】尚、Splitするフレーム00:00:02:00がどち
らのAVクリップに属するかは本発明の本質と関係が無
いので、本例では後半部のAVクリップに属するものと
して以下説明をするが、Splitするフレームの扱いが制
限されるものではない。
【0246】まず、前半部のAVクリップ管理情報の内
容について説明する。前半部のAVファイルが、もとの
AVファイルの内容を引き継ぐため、AV_File_IDはSpli
t前と同じである。もとのAVファイルに比べて失った
区間のマーク(図40のMark#2)と、このマークを含む
クリップ(図40のClip#1)が削除される。代わりに新
たなAVファイルのビデオ表示終了フレームを示す新マ
ーク(図41のMark#2)が作られ、AVファイルのビデ
オ表示開始フレームを示すマーク(図41(a)のMark
#1)をStart Mark、AVファイルのビデオ表示終了フレ
ームを示す新マーク(図41(a)のMark#2)をEnd Ma
rkとする新たなクリップ(図41(a)のClip#1)が作
成される。また、VOB後半を失うため、VOBのビデオ表示
終了時刻VOB_V_E_PTMは、新しいマーク(図41(a)
のMark#2)の表示終了時刻となる"270270"に変更され、
VOB最後のパックのバッファへの入力時刻LAST_SCRも実
際のストリーム中の値に変更される(本例においては"1
60270")。
【0247】次に、後半部のAVクリップ管理情報の内
容について説明する。後半部のAVファイルのAV_File_
IDには新たな名前が記録される。もとのAVファイルに
比べて失った区間のマーク(図40のMark#1)と、この
マークを含むクリップ(図40のClip#1)が削除され
る。代わりに新たなAVファイルのビデオ表示開始フレ
ームに新マーク(図41(b)のMark#1)が作られる。
また、前半部を失うため残りのマーク(図40のMark#
2)は失った時間00:00:02:00だけ早まった時刻で記録さ
れる。また、AVファイルのビデオ表示開始フレームの
マーク(図41(b)のMark#1)をStart Mark、AVフ
ァイルのビデオ表示終了フレームのマーク(図41
(b)のMark#2)をEnd Markとする新たなAVクリップ
(図41(b)のClip#1)が作成される。また、VOB前
半を失うため、VOBのビデオ表示開始時刻VOB_V_S_PTM
は、新しいマーク(図41(b)のMark#1)の表示開始
時刻となる"270270"に変更され、VOB先頭パックのバッ
ファへの入力時刻を示すFIRST_SCRも実際のストリーム
中の値に変更される(本例においては"170270")。
【0248】次に、クリップシーケンスの情報であるAV
_Clip_Sequenceについて説明する。Splitにより失われ
たクリップ(図40のClip#1)を含むクリップシーケン
スは削除される。代わりに新たに作成されたクリップ
(前半部のAVファイルでは図40(a)のClip#1、後
半部のAVファイルでは図41(b)のClip#1)を再生
するための新たなクリップシーケンス(図41(c)の
Clip_Sequence#1およびClip_Sequence#2)が作成され
る。
【0249】尚、編集時のShortenの場合は、Splitと、
SplitによってできるAVクリップ管理情報の一方を削
除する動作と等価であるため、本例での説明は省略す
る。
【0250】(AVクリップ管理情報のMerge)編集時のM
ergeに伴なうAVクリップ管理情報の更新について説明
する。
【0251】図24の特再情報編集部がMerge要求を受
けたときの動作について例を用いて説明する。
【0252】図42は、Merge前の2つのAVクリップ管
理情報を示す。図43は、この2つのAVクリップ管理
情報の間に再エンコードした2つのVOBUを追加してMerge
した後のAVクリップ管理情報を示す。前方のAVファ
イルの後には12フレームからなるVOBUを、後方のAVフ
ァイルの前には18フレームからなるVOBUを追加する。ま
た、2つのVOBUは夫々接続するVOB(AVファイル)のタ
イムスタンプに連続してエンコードされたデータである
ものとする。
【0253】MergeされたAVクリップ管理情報の内容
について説明する。前方のAVファイルをMerge後のA
Vファイルが引き継ぐため、AV File IDには前方のAV
ファイルの名前が記録される。前方のAVファイルには
12フレームのVOBUが追加されるので、AVファイルのビ
デオ表示終了フレームを示すマーク(図42(a)のMa
rk#2)が12フレーム増加する。同様に後方のAVファイ
ルには18フレームのVOBUが追加されるので、AVファイ
ルのビデオ表示終了フレームを示すマーク(図42
(b)のMark#2)が18フレーム増加する。
【0254】2つのAVファイルはMergeによって1つの
AVファイルになるが、お互いの時間属性には相関が無
いため、2つのAVファイル間でタイムスタンプの不連
続が生じる。このため、Mergeされても、異なるVOBとし
て夫々が管理される。前方のAVファイルのVOB IDを
1、後方のAVファイルのVOB IDを2としてAVクリップ
管理情報に記録する。
【0255】また、前述したオーディオギャップで説明
したように、ビデオとオーディオのフレーム周期の違い
から、VOB間でオーディオギャップが発生する。オーデ
ィオギャップで述べたように、VOB先頭のビデオ表示開
始時刻を基準にオーディオのギャップ開始時刻およびギ
ャップ時間を求めると、オーディオギャップ開始時刻A_
STP_PTM=216810、オーディオギャップ時間長A_GAP_LEN=
378となる。
【0256】マークおよびクリップは、VOB内で完結す
るので、先に説明したMergeで追加されるVOBUの分だけ
が変更されるが、前方のVOBには後ろに12フレーム、後
方のVOBには前に18フレーム夫々増加するので、前方VOB
のビデオ表示終了時刻VOB_V_E_PTMは12フレーム分だけ
増加し、後方のVOBのビデオ表示開始時刻VOB_V_S_PTMは
18フレーム分だけ削減される。
【0257】また、増加したフレーム分のパックが夫々
に増えているので、前方のVOBのLAST_SCRは、増加した
パックの最後のSCRに変更され、後方のVOBのFIRST_SCR
は、増加したパックの先頭のSCRに変更される。また、
マージされた2つのVOB間で、シームレス再生(プレゼン
テーションデータ参照)が可能な場合は、後部VOBのSea
mless Flagを"YES"に変更する。
【0258】次に、AVクリップシーケンスの情報であ
るAV_Clip_Sequenceについて説明する。
【0259】AVクリップシーケンスを構成するEntry
Clipは基本的に変更されないが、AVファイルがMerge
されることによる各Entry Clipの属性が変更される。En
try Clip#1は前方のAVファイル中に含まれているの
で、属性情報はそのまま継承される。Entry Clip#2は後
方のAVファイル中に含まれているので、属性情報であ
るAV File IDは"System_2"に、VOB IDは"2"に変更され
る。また、Mergeによって2つのVOB間がシームレス再生
可能になった場合は、シームレス再生される後方VOBを
示すEntry Clip中のSeamless Flagが"YES"に変更され
る。このSeamless Flagの判定は次のようにして行う。
【0260】Entry Clip間でのシームレス再生の判定手
順について図44を用いて説明する。
【0261】まず、Entry Clip間でAV File IDが一致す
るかを調べる。一致する場合はステップ2へ移り、一致
しない場合はSeamless Flagを"NONE"にする(ステップ
1)。
【0262】次に、Entry Clip間でVOB IDが一致するか
を調べる。一致する場合はステップ3へ移り、一致しな
い場合はステップ4に移る(ステップ2)。
【0263】次に、ステップ2でEntry Clip間でVOB ID
が一致する場合について説明する。AVファイル内でEn
try Clipが連続しているかを調べ、連続する場合はSeam
lessFlagを"YES"にし、連続しない場合はSeamless Flag
を"NONE"にする(ステップ3)。
【0264】次に、ステップ2でEntry Clip間でVOB ID
が一致しない場合について説明する。AVファイル内で
VOBが連続しているかを調べ、連続する場合はステップ
5に移り、連続しない場合はSeamless Flagを"NONE"に
する(ステップ4)。
【0265】次に、前Entry ClipがVOB終端のClip、且
つ、後Entry ClipがVOB先端のClipであるかを調べる。
本条件を満たす場合はSeamless Flagを"YES"にし、満た
さない場合は、Seamless Flagを"NONE"にする(ステッ
プ5)。
【0266】また、Mergeで、2つのAVファイルに1つ
のVOBUを追加するのは上述した例で片方のVOBUのサイズ
が0であるものと同一であり、2つのAVファイルを直接
マージするのは上述した例で両方のVOBUのサイズが0で
あるものと同一であり、1つのAVファイルに1つのVOBU
を追加するのは上述した例で片方のファイルが無く、こ
の空のファイルに追加するVOBUのサイズが0であるもの
と同一である。また、上述した例では1つのファイルに
追加するVOBUを1つであるとしたが、VOBUの数は本質的
に1つに限定されるものではない。
【0267】以上でディスク上に記録されるファイルの
論理フォーマットの説明を終わり、以下DVDレコーダの
動作について図24の構成図を基に説明する。
【0268】6.DVDレコーダの動作:各動作にUIの
説明、ファイル操作を付加 6.1.初期状態 DVDレコーダに新しいディスクが装着されると、ディス
ク読み出し部101はディスクの状態を調査するために
ディスクの回転が安定するのを待った後、ファイルシス
テム部102に対してDVD-RAMメディアが確かに装着さ
れ安定読み出し状態になった事を通知する。
【0269】ファイルシステム部102はディスク読み
出し部101に対してボリューム情報とファイル情報、
AVクリップ管理情報の読み出しを指示する。読み出さ
れたボリューム情報とファイル情報、AVクリップ管理
情報はファイルシステム部102のメモリに記憶され、
以降のファイル操作に対してはこのメモリ中のデータを
参照する。これらの情報はディスクの取り出しを指示さ
れるまで、ファイルシステム部102内のメモリに保持
される。
【0270】録画・編集・再生制御部105は、ユーザ
IF部106に対して、読み出されたAVクリップ管理
情報からディスク内に記録されているAVファイルの状
態をグラフィックスし、図46に示す初期画面として表
示することを要求する。ディスク内に何も記録されてな
い場合はカーソルの矢印のみが表示される。
【0271】図46の初期画面において、ユーザが図4
5に示すリモコンのボタンを操作することにより、再
生、編集、録画のそれぞれの状態に移行する。
【0272】6.2.録画 図46の初期画面で、ユーザーが図45に示すリモコン
の録画ボタンを押すと、図64の201の画面へと移行
してくる。本実施例では設定可能な録画条件は録画時間
と録画品質の2点とする。
【0273】まず「1」「選択」を押すと録画時間の指
定にフォーカスがあたり、図45のリモコンボタンのカ
ーソルボタンにより「無制限」または「指定時間」に矩
形を移動した後、再度「選択」ボタンを押すことにより
条件が設定される。
【0274】「指定時間」が選択された場合には、テン
キーボタンにより時間を入力する画面に切り替わり、設
定が完了すると再度図64の201の画面に戻る。録画
条件の「録画品質」はAVデータのビットレートや解像
度を制御し、図24のAVデータ入力部111で発生す
るMPEGデータのビットレートが制御される。
【0275】高画質、標準、時間優先に対する制御方法
を図65に示す。図64の202に移行した後、リモコ
ンの「録画」ボタンが押されたとする。
【0276】録画処理を開始する前に、図24の録画・
編集・再生制御部105は102のファイルシステム部
に対して図1のコマンドの中から「CREATE」を要求し、
ファイルシステム部はファイルが作成できる場合にはフ
ァイル識別子を返す。この際、録画条件に合わせてファ
イルサイズはディスクの最大サイズが取られる。録画・
編集・再生制御部105からAVデータ録画部110に
ファイル識別子と録画条件である図65の時間優先のパ
ラメータが渡され録画開始が指示される。
【0277】AVデータ録画部110では内部のバッフ
ァメモリであるトラックバッファ1.5MBの内容をクリア
し、AVデータの入力が可能となる。
【0278】AVデータ入力部111では入力されるAV
信号のエンコードが開始される。エンコードされた結果
発生するビット列は絶えずトラックバッファに記録され
る。特殊再生情報生成部112ではAVデータ入力部が
AVデータに挿入するGOP境界識別子及びGOP先頭のI-pi
ctureの境界の検出を行い、検出されるまでにカウント
されたビット量をセクター数に換算し内部のメモリに記
憶する。
【0279】AVクリップ管理情報生成部114では、
AVデータの記録開始時にメモリ中にAVクリップ管理
情報のデータ領域を新しく作り、ビデオデータ開始地点
をマークしメモリに記憶する。この時、他の領域は初期
値(もしくは未定義)のままである。
【0280】トラックバッファがあらかじめ定められた
容量まで占有された時点でオーバーフロー対策部113
がトラックバッファの内容を読み出しAVファイルシス
テム部103に対して図1の「AV-WRITE」コマンドを用
いてディスクへの書き込みを要求する。AVデータ入力
部111が発生するビットレートよりファイルシステム
を通してディスクに記録されるビットレートが高いた
め、図5のバッファリングモデルに示されるようにトラ
ックバッファ内のデータ占有量は減少する。このAVデ
ータ録画部における処理と並行してAVファイルシステ
ム部103を通じて記録要求されたAVデータはディス
ク記録部100によりディスクに記録されていく。この
際の記録方法を図7を用いて説明する。
【0281】図7は図4でフォーマットを説明したAV
ブロック管理テーブルの現在の状態を示すものである。
AVブロック管理テーブルのアドレス(上位)0、(下位)
0,1,2はボリューム情報、ファイル管理情報、AVファ
イル管理情報ファイル、AVクリップ管理情報ファイル
など非AVファイル(情報)用にあらかじめ使用すること
が示されている。これらの情報は実際のディスク上には
まだ記録されていない。一方録画を開始したAVデータ
はアドレス(上位)1、(下位)0のAVブロックから記録
を開始する。これは図7中の斜線で示されたブロックで
ある。ディスクの初期状態から録画を開始するので、順
次連続するAVブロックに連続的に記録がなされた後、
ゾーン1とゾーン2の境界でゾーンを2に移り、以降ゾ
ーン2、ゾーン3とゾーン内では連続的に記録が行われ
対応するAVブロック管理テーブルの内容も変化する。
ここでAVブロック管理テーブル自身も図24のファイ
ルシステム部102のメモリ中に記憶されているためデ
ィスクにはAVデータのみが書かれるため無駄なシーク
や回転待ちは一切発生しない。
【0282】図8にはファイルシステム情報の中のファ
イル情報の状態を示す。DVD-RAMのファイルシステムに
おいてファイルは複数のExtentのリンクリストとして管
理される。一つのExtentはディスク上における連続記録
領域に対応する。先に説明した様にゾーン境界にはセク
タバッファが存在するため、ゾーンの境界では連続記録
ができず新たなExtentが生成される。
【0283】ゾーン境界では数100msの遅延が生じ
る。しかしAVブロック内の全てのセクターは連続記録
を行っているので図24のAVデータ録画部110中の
トラックバッファがオーバーフローを起こすことはな
く、連続的なデータ入力が行われる。
【0284】このようにAVデータの録画を行った結
果、ディスクにもはやバッファリングされている以上の
データが記録できなくなった場合の動作を説明する。図
24中のAVデータ録画部において、AVデータ入力部
111はエンコード処理を中止する。MPEGにおいて有効
なデータ境界は必ずGOP境界でなければならないため、
中断される直前のGOP境界がデータの最終ポイントとな
る。
【0285】特殊再生情報生成部112では録画を開始
後、全てのGOP境界とGOP先頭のI-picture境界を検出、
各GOPのセクター数及びGOP先頭のI-pictureのセクター
数を図58に示す配列の形態で保持している。これらの
情報は制御データ管理部107に転送されAVファイル
管理情報ファイルの生成に用いられる。またオーバーフ
ロー対策部113は最後のGOP境界までのAVデータを
有効データとしてAVファイルシステム部103に転送
を行い、AVデータ録画部110における全ての録画処
理が終了する。
【0286】AVクリップ管理情報生成部114は、録
画終了時にAVデータの終了時点をマークし、これをA
Vクリップ管理情報として、メモリに書き込む。このA
Vクリップ管理情報は、制御データ管理部107に転送
され、AVクリップ管理情報ファイルAV Clip part, A
V Clip Sequenceの生成や更新に用いられる。
【0287】制御データ管理部107は引き渡された図
58に示される特殊再生制御情報や図37のAVクリッ
プ管理情報に基づきAVファイル管理情報ファイルとA
Vクリップ管理情報ファイルを非AVファイルシステム
部104を通じてディスク上に記録する。ここで、AV
クリップ管理情報内に記録された録画されたAVデータ
の開始点から終了点までを1クリップ(マーク位置は開
始点と終了点)とし、クリップ1つのAVクリップ列が
自動的に生成され、AVクリップ管理情報AVClip Sequ
enceファイルを新規ディスクであれば作成し、他のAV
データが記録済みのディスクであれば、新たなクリップ
をAVクリップ管理情報AV Clip Sequenceに追加更新
する。この時、この新しいクリップにはSeamless Infor
mationとしてNon Seamlessがセットされる。
【0288】また、このディスク記録に先立ち、ファイ
ルシステム部102に記憶されていたボリューム情報や
図8に示されるExtentなどのファイル情報もディスク上
に記録される。これらの情報の記録を終えた後もボリュ
ーム情報やファイル情報はファイルシステム内のメモリ
中に残り、次の録画や編集に使用される。
【0289】初期状態以外の状態で録画を行う場合に
は、図45のリモコンの録画ボタンを押すと録画の初期
画面が現れ、上記と同じ手順で録画を行うことが出来
る。
【0290】6.3.仮編集 次に、編集の手順について説明する。
【0291】本実施例における編集は、AVクリップに
よる仮編集と、実際にMPEGストリームへの加工(再
編集)を行う本編集とから構成される階層式編集であ
る。ここでは、仮編集について説明する。
【0292】(マーク設定)まず、AVファイルにマーク
を設定する手順について説明する。
【0293】図46で示す初期状態から一つのクリップ
シーケンスを選択して再生を行う。再生の詳細について
は後述する。
【0294】図47は、マーク設定の流れを示した図で
ある。ユーザは再生画面を見ながら気に入った画面でリ
モコンのマークボタンを押す。この操作によって、リモ
コンからユーザIF部を通して、録画・編集・再生制御部
へマーク要求が送られる。録画・編集・再生制御部はA
Vデータ再生部へ、再生中のAVファイルの識別子であ
るAV File IDと、タイムスタンプ(AVファイル内での
相対値)を要求し、AVデータ再生部は、録画・編集・
再生制御部にAVFile IDおよびタイムスタンプを返す。
録画・編集・再生制御部は、AVデータ編集部に対し
て、再生中のAVファイルIDとタイムスタンプを添えて
マーク要求を送る。AVデータ編集部のAVクリップ列
編集部では、AVクリップ管理情報中のAV Clip partの
情報を用いて、受け取ったAVファイルIDとタイムスタ
ンプから再生中のVOBを特定し、このVOBのビデオ表示開
始時刻VOB_V_S_PTMと受け取ったタイムスタンプを比較
し、マークが指定されたフレームのVOB内での相対タイ
ムコードを特定する。AVクリップ列編集部は、要求さ
れたマーク情報を、”AVクリップ管理情報の作成”の
マーク追加手順に従い、AVクリップ管理情報に追加す
る。このAVクリップ管理情報は、AVデータの再生終
了後に、制御データ管理部に送られ、非AVファイルシ
ステム部を通してディスクに記録される。
【0295】次に、録画時のマーク設定手順について説
明する。図46で示す初期状態から、前述した録画の手
順に従い、録画を行う。
【0296】図48は、録画時のマーク設定の流れを示
した図である。ユーザは録画画面を見ながら気に入った
画面でリモコンのマークボタンを押す。この操作によっ
て、リモコンからユーザIF部を通して、録画・編集・再
生制御部へマーク要求が送られる。録画・編集・再生制
御部はAVデータ録画部へ、録画中のAVファイルの識
別子であるAV File IDと、タイムスタンプ(AVファイ
ル内での相対値)を要求し、AVデータ録画部は、録画
・編集・再生制御部にAVFile IDおよびタイムスタンプ
を返す。録画・編集・再生制御部は、AV File ID、仮マ
ークIDとタイムスタンプから構成される仮マークテーブ
ルを作成し、この仮マークテーブルへ仮マークおよびタ
イムスタンプの登録を行う。以降、マーク要求がある度
に、同様の処理を行い、仮マークテーブルへの登録を行
う。録画・編集・再生制御部は、録画終了と同時に、仮
マークテーブルに登録された仮マーク毎に、AVデータ
編集部に対して、AVファイルIDとタイムスタンプを添
えてマーク要求を送る。以後の処理は、前述した再生時
のマーク設定方法と同様である。
【0297】次に、録画時の自動マーク設定方法につい
て説明する。AVデータ録画部で、シーンチェンジを検
出した場合、AVデータ録画部は、自動的に録画・編集
・再生制御部にAV File IDと、タイムスタンプを送る。
録画・編集・再生制御部では、AVデータ録画部より送
られたAV File IDと、タイムスタンプを前述した仮マー
クテーブルに自動的に登録を行う。以後、前述した録画
時のマーク設定手順と同様の処理を行い、マークを設定
する。
【0298】次に、再生時の自動マーク設定方法につい
て説明する。AVデータ再生部で、シーンチェンジを検
出した場合、AVデータ再生部は、自動的に録画・編集
・再生制御部にAV File IDと、タイムスタンプを送る。
録画・編集・再生制御部では、AVデータ再生部より送
られたAV File IDと、タイムスタンプをマーク要求と共
にAVデータ編集部に送る。以後、前述した再生時のマ
ーク設定手順と同様の処理を行い、マークを設定する。
【0299】(クリップ設定)次に、AVファイルにクリ
ップを設定する手順について説明する。
【0300】図49は、クリップ設定の流れを示した図
である。図46で示す初期状態で、リモコンの仮編集ボ
タンを押すと、録画・編集・再生制御部は、制御データ
管理部よりAVクリップ管理情報を読み出し、ユーザIF
部を通して、クリップ設定の画面を表示する。具体的に
は、図49に示すような、録画の記録であるAVデータ
の録画日、録画時間、録画したチャンネルと、録画した
データを時間軸で示す簡単なグラフと、AVデータに登
録されているマークおよびクリップと、クリップシーケ
ンスと、一つのマークまたはクリップを選択するカーソ
ルが表示される。ユーザはリモコンの上下左右キーを押
し、フォーカスされるマークまたはクリップを移動す
る。ユーザは、選択キーを使い2つのマークをリモコン
で選択する。この操作によって、2つのマークに挟まれ
た区間が1つのクリップとなるように、ユーザIF部を通
して、録画・編集・再生制御部にクリップ要求が送られ
る。録画・編集・再生制御部は、AVデータ編集部に、
選択された2つのマークと、2つのマークが属するAVフ
ァイルIDおよびVOB IDを添えてクリップ要求を送る。A
Vデータ編集部のAVクリップ列編集部は、要求された
クリップ情報を、”AVクリップ管理情報の作成”のク
リップ追加手順に従い、AVクリップ管理情報に追加す
る。このAVクリップ管理情報は、制御データ管理部に
送られ、非AVファイルシステム部を通してディスクに
記録される。
【0301】また、カーソルの移動に応じてカーソルが
指し示すマークのフレームやマーク以降の映像をバック
グラウンドに表示することも可能である。詳しくは、ク
リップシーケンスの再生で説明する再生手順と同様であ
る。
【0302】(クリップシーケンス設定)次に、クリップ
シーケンスを設定する手順について説明する。
【0303】図50は、クリップシーケンス設定の流れ
を示した図である。クリップ設定と同じく、図46で示
す初期状態で、リモコンの仮編集ボタンを押すと、録画
・編集・再生制御部は、制御データ管理部よりAVクリ
ップ管理情報を読み出し、ユーザIF部を通して、クリッ
プシーケンス設定の画面を表示する。具体的には、図5
0に示すような、録画の記録であるAVデータの録画
日、録画時間、録画したチャンネルと、登録されている
マークと、クリップと、一つのマークまたはクリップを
選択するカーソルと、クリップシーケンスが表示され
る。ユーザはリモコンの上下左右キーを押し、フォーカ
スされるマークまたはクリップを移動する。ユーザは、
選択キーを使い複数のクリップをクリップの再生順に従
い、リモコンで選択する。この一連の操作によって、選
択されたクリップ列が一つのクリップシーケンスとなる
ように、ユーザIF部を通して、録画・編集・再生制御部
にクリップシーケンス要求が送られる。録画・編集・再
生制御部は、AVデータ編集部に、選択されたクリップ
列と、各クリップが属するAVファイルIDとVOB IDとを
添えてクリップシーケンス要求を送る。AVデータ編集
部のAVクリップ列編集部は、要求されたクリップシー
ケンス情報を、”AVクリップ管理情報の作成”のクリ
ップシーケンス追加手順に従い、AVクリップ管理情報
に追加する。このAVクリップ管理情報は、制御データ
管理部に送られ、非AVファイルシステム部を通してデ
ィスクに記録される。
【0304】また、カーソルの移動に応じてカーソルが
指し示すクリップをバックグラウンドに表示することも
可能である。詳しくは、クリップシーケンスの再生で説
明する再生手順と同様である。
【0305】(クリップシーケンス削除)次に、マーク、
クリップ、クリップシーケンスの削除手順について説明
する。
【0306】図51は、マーク、クリップ、クリップシ
ーケンス削除の流れを示した図である。
【0307】クリップ、クリップシーケンスの設定と同
じく、図51で示す初期状態で、リモコンの仮編集ボタ
ンを押すと、録画・編集・再生制御部は、制御データ管
理部よりAVクリップ管理情報を読み出し、ユーザIF部
を通して、マーク、クリップ、クリップシーケンス削除
の画面を表示する。具体的には、図51に示すような、
録画の記録であるAVデータの録画日、録画時間、録画
したチャンネルと、登録されているマークと、クリップ
と、クリップシーケンスと、マークまたはクリップまた
はクリップシーケンスを選択するカーソルが表示され
る。ユーザは、リモコンの上下左右キーを押し、カーソ
ルを削除したいマークまたはクリップまたはクリップシ
ーケンスに移動し、削除キーを押す。この操作によっ
て、選択されたマークまたはクリップまたはクリップシ
ーケンスを削除するように、ユーザIF部を通して録画・
編集・再生制御部に削除要求が送られる。録画・編集・
再生制御部は、AVデータ編集部に、選択されたマーク
またはクリップまたはクリップシーケンスと、マークま
たはクリップの場合は各マークまたはクリップが属する
AVファイルIDとVOB IDとを添えて削除要求を送る。A
Vデータ編集部はのAVクリップ列編集部は、要求され
た削除情報を、”AVクリップ管理情報の削除”の手順
に従い、AVクリップ管理情報から削除する。このAV
クリップ管理情報は、制御データ部に送られ、非AVフ
ァイルシステム部を通してディスクに記録される。
【0308】6.4.AVファイル編集(本編集) 次に、AVファイル編集(本編集)について説明する。
AVファイル編集(本編集)は、前述した仮編集で作成
した複数のクリップシーケンスの中から1つのクリップ
シーケンスを選択し、実際にMPEGストリームに対し
て加工(編集)を行うものである。
【0309】(AVファイル編集の設定)次に、クリップ
シーケンスにより論理的に仮編集されたAVデータに対
しての実際の編集を設定する手順について説明する。
【0310】図52は、編集の設定の流れを示した図で
ある。図46で示す初期状態で、リモコンの本編集ボタ
ンを押すと、録画・編集・再生制御部は、制御データ管
理部よりAVクリップ管理情報を読み出し、ユーザIFを
通して、編集を行うクリップシーケンス設定の画面を表
示する。具体的には、図52に示すような、録画の記録
であるAVデータの録画日、録画時間、録画したチャン
ネルと、マークと、クリップと、クリップシーケンス
と、一つのクリップシーケンスを選択するカーソルが表
示される。ユーザはリモコンの上下左右キーを押し、フ
ォーカスされるクリップシーケンス移動する。ユーザ
は、選択キーを使い複数のクリップシーケンスの中か
ら、気に入った一つのクリップシーケンスを選択する。
この操作によって、選択されたクリップシーケンスに対
して実際の編集が行われるように、ユーザIF部を通し
て、録画・編集・再生制御部に編集要求が送られる。録
画・編集・再生制御部は、AVデータ編集部に、選択さ
れたクリップシーケンスを示すIDを添えて編集要求を送
る。AVデータ編集部のAVクリップ編集部は、要求さ
れた編集情報を、後述するAVファイル、AVファイル
管理情報およびAVクリップ管理情報の編集手順に従い
編集を行う。編集されたAVファイルは、AVファイル
システム部を通してディスクに記録され、AVファイル
管理情報およびAVクリップ管理情報は、制御データ管
理部に送られ、非AVファイルシステム部を通してディ
スクに記録される。
【0311】(AVファイル編集の動作)次に、AVファ
イル、AVファイル管理情報およびAVクリップ管理情
報の編集手順について説明する。
【0312】図53は、編集の流れを示した図である。
図53は、図52で示すクリップシーケンスの内、クリ
ップシーケンス#3が選択され、編集される場合の例を示
した図である。尚、本発明のAVファイル編集とは、ク
リップの取り出しと、クリップの接続を効率良く組み合
わせることで実現するものである。
【0313】まず最初に、AVファイルから編集で使用
する各クリップを取り出す。AVファイル"System_1"に
は、使用するクリップが2つ存在するので、夫々を取り
出せるように、AVファイルシステムで用意されている
Split機能を使いAVファイル"System_1"を2つのAVフ
ァイルに分割する。同様に、AVファイル管理情報、A
Vクリップ管理情報も、夫々用意されているSplit機能
を使い2つのAVファイルに分割する(ステップ1)。
【0314】次に、各クリップの両端であるスタートマ
ークおよびエンドマークを含むAVデータを読み出す。
多重化の説明でも述べたが、MPEGの性質上ビデオとオー
ディオのデータは最大1秒離れて多重化が行われるた
め、各クリップ両端のビデオおよびオーディオデータ両
方を読み出すためには、マークが指すビデオフレームを
含むVOBUだけでなく、その前後の1秒分のビデオデータ
を含む一つまたは複数のVOBU(以降「VOBU群」と呼ぶ)
を読み出すことが必要である。まず、指定されたクリッ
プの属するAVファイルをオープンする。次にスタート
マークのタイムコードとAVファイル管理情報中のVOBU
Map中のStart Timeとの比較を行い、スタートマークの
指すビデオフレームの前後1秒分のビデオデータを含むV
OBU群を特定する。次に、VOBU Map中のStart Sector情
報を用いて読み出すVOBU群の開始セクタと終了セクタを
特定し、VOBU群開始セクタまでAVファイルのSEEKを行
い、VOBU群終了セクタまでAVファイルのREADを行う。
エンドマークも同様の処理を行い、VOBU群の読み出しを
行う。以上のようにして読み出したVOBU群に対して、VO
B間がシームレス再生可能となるかを読み出したVOBU群
の解析により決定し、再エンコード方法の説明で述べた
手順に従い、ビデオ再エンコードと、オーディオギャッ
プの作成(シームレス再生時のみ)またはオーディオデ
ータの切り出し(非シームレス再生時のみ)と、ビデ
オ、オーディオデータの多重化を行う。尚、読み出すVO
BU群の決定方法は、上記に限定されるものではなく、A
Vデータの解析を行い、必要最小限のAVデータのみを
読み出しても良いし、逆に多くても(例えば10VOBU固定
のようにする)構わない(ステップ2)。
【0315】次に、各AVファイルから不要部分を取り
除き、クリップだけのAVファイルを作る。ステップ2
でクリップ切断面を含むVOBU群を読み出し、再エンコー
ドおよび多重化を行っているので、この読みだしを行っ
たVOBU群を含んで不要データとして切り捨てる。AVフ
ァイルからのデータの削除は、AVファイルシステムで
用意されているShorten機能を使用する。同様に、AV
ファイル管理情報、AVクリップ管理情報も夫々用意さ
れているShorten機能を使用して管理情報を変更する
(ステップ3)。
【0316】最後に、クリップを再生シーケンスの順番
で接続していき、一つのAVファイルへとマージを行
う。まず、最初のクリップ(図53のクリップ(3))と
二番目のクリップ(図53のクリップ(4))を1つのAV
ファイルへとマージを行う。この時、ステップ2で読み
込み、再エンコードを行ったVOBU群<32'>(ステップ2
で読み込んだVOBU群<32>を再エンコードしたVOBU群)お
よびVOBU群<41'>(ステップ2で読み込んだVOBU群<41>
を再エンコードしたVOBU群)を間に挟み込む。2つのク
リップと2つのVOBU群は、AVファイルシステムで用意
されているMerge機能を使用することで、1つのAVファ
イルへとマージがされる。また、同様に、AVファイル
管理情報、AVクリップ管理情報も、夫々用意されてい
るMerge機能を使用して1つのAVファイル管理情報、A
Vクリップ管理情報にマージされる。同様に、マージさ
れたAVファイルと、3つ目のクリップ(図53のクリ
ップ(5))と、VOBU群<42'>(ステップ2で読み込まれた
VOBU群<42>を再エンコードしたVOBU群)と、VOBU群<51'
>(ステップ2で読み込まれたVOBU群<51>を再エンコー
ドしたVOBU群)をマージする。最後に、先頭にVOBU群<3
1'>(ステップ2で読み込まれたVOBU群<31>を再エンコ
ードしたVOBU群)と最後にVOBU群<52'>(ステップ2で
読み込まれたVOBU群<52>を再エンコードしたVOBU群)を
夫々Merge機能により接続する(ステップ4)。
【0317】以上の処理によって、論理的に仮編集され
たクリップシーケンスを、実態の伴なう1つのAVファ
イルへと編集を行うことができる。また、本編集では、
MPEGストリームのタイムスタンプの付け替えを行わ
ないことと、光ディスク上に記録されているMPEGス
トリームの移動を必要最小限に抑えていることにより、
従来のMPEGストリームの編集では得られなかった短
時間(数秒)での編集が可能である。
【0318】次に、図54を用いて、本実施例における
階層式編集方法について説明する。本実施例における階
層式編集方法は、次の3つのステップから成り立ってい
る。 1)仮編集ステップ:マーク、クリップおよびクリップ
シーケンスによる編集 2)確認ステップ :仮編集結果の確認 3)本編集ステップ:MPEGストリームの加工(編
集) まず、”仮編集ステップ”について説明する。仮編集は
大きく2つのステップに分かれる。前半はマーク設定ス
テップで、後半はクリップおよびクリップシーケンスの
設定ステップである。まず、マークの設定は、MPEG
ストリームの再生中に、ユーザからのマーク要求を受け
るマーク要求ステップと、マーク要求がある場合にマー
クを設定するマーク設定ステップと、再生終了を判定す
る再生終了判定ステップとから構成される。後半は、ユ
ーザからのクリップ要求を受けるクリップ要求ステップ
と、クリップ要求がある場合にクリップを設定するクリ
ップ設定ステップと、ユーザからのクリップシーケンス
要求を受けるクリップシーケンス要求ステップと、クリ
ップシーケンスの要求がある場合にクリップシーケンス
を設定するクリップシーケンス設定ステップと、クリッ
プ編集終了を判定するクリップシーケンス判定ステップ
とから構成せれる。
【0319】次に、”確認ステップ”について説明す
る。ユーザから確認(再生)を行うクリップシーケンス
の選択を受けるクリップシーケン選択ステップと、ユー
ザが選択したクリップシーケンスの再生を行う再生ステ
ップとから構成される。
【0320】次に、”本編集ステップ”について説明す
る。ユーザから本編集を行うクリップシーケンスの選択
を受けるクリップシーケンス選択ステップと、選択され
たクリップシーケンスがシームレス再生が可能となるよ
うにMPEGストリームの加工を行うMPEGストリー
ム加工(編集)ステップとから構成される。
【0321】本実施例では、DVD-RAMを単なるAVデー
タの記録媒体としたのではなく、従来にない階層式編集
を実現するAVデータおよび仮編集データの記録媒体と
していることが特徴である。また、編集における全ての
工程を1枚のDVD-RAM上で実現していることも特徴であ
る。
【0322】6.5.再生 (クリップシーケンスの再生)次に上記のように編集さ
れたAVデータファイルを再生する場合の動作を説明す
る。図24のユーザIF部106は、録画・編集・再生制
御部105より得たAVクリップ管理情報に基づいて、
図46に示された画面により、ディスクに存在する全部
のクリップシーケンスを表示する。その画面の中で、カ
ーソルは1つのクリップシーケンスを指している。ユー
ザがリモコンの「上矢印」ボタンまたは「下矢印」ボタ
ンを操作したときに、ユーザIF部106はクリップシー
ケンスを指しているカーソルを移動する。ユーザがリモ
コンで「再生」ボタンを押したとき、再生の動作を開始
する。なお、再生を中止する場合はリモコンの「STOP」
ボタンを押す。
【0323】ユーザがリモコンで「再生」ボタンを押し
たとき、ユーザIF部106は録画・編集・再生制御部
105に引数としてクリップシーケンスの番号を渡して
再生処理を要求する。録画・編集・再生制御部105は
再生を指示されると、引数として渡されたクリップシー
ケンスをAVデータ再生部130に転送し、再生を要求
する。
【0324】AVデータ再生部130が、引数として渡
されたクリップシーケンスの再生を行う場合の動作を説
明する。
【0325】まず、図24のAVクリップ列再生部13
2は制御データ管理部107からAVクリップ管理情報
をもらい、該当する番号のクリップシーケンスを検索す
る。次に、AVクリップ管理情報を利用して、クリップ
シーケンスの各クリップの先端と終端のマークに関する
情報を作成し、その情報を引数として渡して、AVファ
イル読み出し部133に再生を要求する。同時に、各ク
リップ間のシームレス情報を引数として渡して、AVデコ
ーダ部に再生を要求する。
【0326】まず、AVファイル読み出し部133は、
制御データ管理部107に対して、AVファイル管理情
報の転送を要求し、得られたAVファイル管理情報を参
照して、引数で渡された各クリップの先端のマークに対
応するVOBUの先頭のセクタアドレスと、終端のマークに
対応するVOBUの終わりのセクタアドレスを求める。
【0327】ここで、マークの指定時刻からVOBUの先頭
または終わりのセクタアドレスを求める動作について説
明する。VOB InformationのStart Timeを参照して、指
定時刻を含むVOBを探す。得られたVOBのTime Map Table
を参照する。((Time Unit) *(Time MapのIndex) + (Tim
e Base))が各Time Mapの指す時刻を表しているため、マ
ークの指定時刻の前後を指すTime Mapのインデックスを
求める。そのインデックスをiと仮定する。Time Map#i
が指すVOBUをVOBU1、Time Map#(i+1)が指すVOBUをVOBU2
と仮定する。求めたいVOBUは、VOBU1からVOBU2までの間
に存在する。Time MapのStart Timeを補正することによ
り、VOBU1とVOBU2の先頭の時刻を得ることができる。Ti
me MapのVOBU Map IndexとVOBU Map Tableを参照するこ
とにより、VOBU1とVOBU2の間に存在するVOBUを得ること
ができ、VOBU MapのStart Timeを補正することにより、
それらのVOBUの先頭時刻を得ることができる。以上で得
られた各VOBUの先頭の時刻とマークの時刻を比較するこ
とにより、マークの時刻を含むVOBUを得ることができ
る。そのVOBUのTime MapのStart SectorまたはVOBUMap
のStart Sectorを補正することにより、そのVOBUのAV
ファイルの先頭からのセクタアドレスを得ることができ
る。VOBU Map Tableにおいて、得られたVOBUの次のVOBU
の先頭のセクタアドレスを同様にして求めることによ
り、必要とするVOBUの終わりのアドレスを得ることがで
きる。
【0328】次に、AVファイル読み出し部133は、
ファイルシステム部102に対して、1番目のクリップ
のAV File IDで示されたAVファイルの「OPEN」を要求
し、その後、そのクリップの先端のマークに対応するVO
BUの先頭のセクタアドレスまで「SEEK」を要求する。そ
れから、一度に32KB程度の大きさでデータを、AVファ
イルからAVデータ再生部130内のトラックバッファ
へ読み込むために、ファイルシステム部102に対して
「READ」を要求する。そのクリップの終端のマークに対
応するVOBUの終わりのセクタまで読み出すまで、「REA
D」を繰り返し要求する。ただし、トラックバッファが
フルになったときは「READ」要求をしないで、トラック
バッファに空きができるのを待ち、トラックバッファに
空きができたら、「READ」の要求を再開する。そして、
クリップに対応するデータの読み出し完了後に、トラッ
クバッファにAVデータの切れ目を示すエンドマークを
書き出す。
【0329】AVファイル読み出し部133は、2番目
以降のクリップに対しても、順に同様の動作を繰り返
し、全部のクリップに対応するデータを、トラックバッ
ファに書き出し続ける。
【0330】AVデコーダ部131は、再生を要求された
ときに、トラックバッファがフルになるまで、トラック
バッファを監視しながら待つ。トラックバッファが、フ
ルになったときに、デコード動作を開始する。トラック
バッファ内にエンドマークが存在し、次のクリップとの
接続がノンシームレス接続の場合は、エンドマークのデ
ータまでで、一旦、デコードを停止する。そして、再
び、トラックバッファがフルになったときに、デコード
動作を開始する。トラックバッファ内にエンドマークが
存在し、次のクリップとの接続がシームレス接続の場合
は、先に説明したシームレス再生の動作を行う。
【0331】次にこのファイル内の連続読み込みにおけ
るファイルシステムとディスク読み出し部の動作につい
て説明する。読み出し対象のAVファイルが図9に示す
ように、AVブロックに記録されているとする。AV_BLK
#iとAV_BLK#lを除いて全てのAVブロックには5.5MB
以上のデータが記録されているものとする。
【0332】ファイルシステム部102が「READ」要求
を受け取ると、ファイル識別子を元にメモリ中に常駐し
ているファイル管理情報から該当ファイルのExtent情報
を検索する。AVファイルのExtent#1から先頭のAVブ
ロックのアドレス情報を取り出し、該当するAVブロッ
クからデータを読み込む。ファイルシステム部102か
らAVデータを受け取った後のAVデコード部131とA
Vデータ再生部130の動作は先に説明したとおりであ
る。今AV_BLK#iに5.5MB以上のデータが記録され
ていたとする。この場合、デコードはAV_BLK#iを読み
込んでいる途中で開始される。ファイルシステム部10
2はデータを読み込んでいるセクタと、AV_BLK#iの終
端セクタを比較して、等しい場合は次のExtent#2へジャ
ンプする。この時トラックバッファにはジャンプ中にAV
デコード部131へデータを連続的に供給しつづけるこ
とが可能なサイズのデータが蓄積されている。これはAV
_BLK#i内のセクタに連続的にAVデータが記録されて
おり、そのデータを連続的に読み出している間にトラッ
クバッファ内にフルにデータが蓄積されてする事が可能
なのである。トラックバッファ内にデータがフルにある
場合、およそ1.5秒間AVデコーダ部131にデータを
供給することが可能である。この1.5秒という値は民
生機における最外周から最内周へのジャンプに要する時
間であり、ワーストケースを保証することが可能なので
ある。Extent間でゾーンが異なる場合でも、ゾーン境界
を跨ぐジャンプを行ってデータ読み出すために必要な時
間は数100msであるので、データの連続性が十分保
証される。
【0333】(早送り再生)クリップシーケンスの再生
中に、早送りが指示された場合の動作を説明する。クリ
ップシーケンスの再生中に、図45のリモコンにおいて
「早送り」ボタンを押すと、図24のユーザIF部106
から録画・編集・再生制御部105に早送り再生処理を
要求し、録画・編集・再生制御部105は、AVクリッ
プ列再生部132に早送り再生処理を要求する。
【0334】AVクリップ列再生部132は、AVデコー
ダ部131にデコードの停止を要求する。AVデコーダ部
は、停止したときのクリップと時刻に関する情報を、A
Vクリップ列再生部132に返す。次に、AVクリップ
列再生部132は、トラックバッファをクリアした後
に、引数として停止したときのクリップと時刻に関する
情報を、AVファイル読み出し部133に渡して、早送
り再生処理を要求する。同時に、AVデコーダ部131
に、早送り再生処理を要求する。
【0335】AVファイル読み出し部133が、早送り
再生処理を要求されたときの動作を説明する。まず、引
数として渡された停止したときの時刻より、5秒先の時
刻を含むVOBUを求める。このVOBUを求める動作は、再生
のときに説明したマークの時刻を含むVOBUを求める動作
と同じである。 AVファイル読み出し部133は、求
めたVOBUの先頭のAVファイル内でのセクタアドレスと
リファレンスピクチャのVOBU先頭からの相対エンドアド
レスを得る。 リファレンスピクチャのデータがAVブ
ロックの不連続境界を跨っているか否かをファイルシス
テム部102に「IN_AV_BLK_BOUND」を要求することに
より、判定する。AVブロックの不連続境界を跨いでい
る場合には、隣接する次のVOBUを求め、そのVOBUの先頭
のAVファイル内でのセクタアドレスとリファレンスピ
クチャのVOBU先頭からの相対エンドアドレスを得る。次
に、 AVファイル読み出し部133は、再生のときに
クリップのデータを読み出したのと同様の動作により、
AVファイルからVOBUのリファレンスピクチャのデータ
を読み出し、トラックバッファに書き出す。AVファイ
ル読み出し部133は、データの書き出し完了後に、ト
ラックバッファにAVデータの切れ目を示すエンドマー
クを書き出す。 次に、さらに5秒ごとに先、すなわ
ち、10秒先、15秒先、…のVOBUに対して、順に同様
の動作を行う。指定時刻がクリップの終端を越えた場合
は、次のクリップの先頭のVOBUを対象し、そのVOBUか
ら、5秒ごとに先のVOBUに対して、順に同様の動作を行
う。
【0336】なお、VOBUの大きさはビットレートが8Mbp
sで1.2秒としても、1.2Mバイトであり、AVブロックの
大きさより小さいため、隣接する2つのVOBUがどちらも
AVブロック境界を跨ることはない。
【0337】上記の説明においては5秒先のVOBUを求め
たが、この秒数を変えることにより、早送り再生の速度
を変えることができる。
【0338】AVデコーダ部133が、早送り再生処理を
要求されたときの動作を説明する。トラックバッファが
フルになるか、または、エンドマークがトラックバッフ
ァに書き出されたら、デコード動作を開始する。そし
て、エンドマークのところでデコードを停止する。この
動作を、繰り返す。
【0339】(早戻し再生)AVファイルの再生中に、
早戻し再生が指示された場合の動作は、上記の早送り再
生の説明における、5秒ごとに先のVOBUを求める動作
を、5秒ごとに戻したVOBUを求めるような動作に変更す
る以外は、同じ動作をする。
【0340】(再生途中での停止)なお、再生途中で停
止が行われた場合、再生中であったクリップを停止箇所
で2つに分割し、分割した前部クリップの再生済みを示
すフラグ(Played)を再生済みにする。
【0341】(簡易再生装置)図37のAVクリップ管
理情報の論理フォーマットを示す。
【0342】第1の実施例におけるAVクリップ管理情
報と比較して、MarkにVOBUの先頭のアドレスとタイムコ
ードを示す情報が追加されている。そのため、AVファ
イル管理情報のVOBU情報がなくてもクリップ再生が可能
となるため、主記憶容量の小さい再生装置でも、主記憶
にAVファイル管理情報を記憶することなく、クリップ
再生が可能となる。
【0343】7.第2の実施例 第2の実施例におけるAVファイル管理情報の論理フォ
ーマットについて図69を参照しながら説明する。スト
リーム情報に関しては、第1の実施例と同じであるた
め、説明を省略する。
【0344】Time Map Tableには、Time Map Groupの
数、Time Map GroupのMain Time Mapが指す時間間隔を
秒で示すMain Time Unit、Time Map GroupのSub Time M
ap間の時間間隔を秒で示すSub Time Unit、Main Time M
ap及びSub Time Mapが指す時間を補正するTime Base、T
ime Map Groupの配列へのポインタが記録される。
【0345】Main Time Mapには、VOBUの先頭のセクタ
単位のアドレスを示すStart Sectorとタイムコードを示
すStart Time Offsetが記録される。Start Time Offset
は、Main Time Mapが指すタイムコードからの相対値を
示す。Sub Time Mapには、VOBUの先頭のセクタ単位のア
ドレスを示すStart Sector Offsetとタイムコードを示
すStart Time Offsetが、記録される。Start Sector Of
fsetは、Main Time Mapで指されたVOBUの先頭からの相
対値で示す。Start Time Offsetは、Main Time Mapが指
すタイムコードからの相対値を示す。
【0346】Time Map TableのMain Time Unitは大きな
秒単位の時間間隔を示し、Sub TimeUnitは上記のMain T
ime Unitの区間を細かく区切る秒単位の時間間隔を示
す。Time Map Groupは、Main Time Mapと複数のSub Tim
e Mapからなる。Main Time Mapは、Main Time Unitで示
された時間間隔に存在するVOBUの情報を示す。Sub Time
Unitは、Main Time Unitで示された時間間隔の区間内
のSub Time Unitで示された時間間隔に存在するVOBUの
情報を示す。Main Time Unitをt秒、Sub Time Unitをs
秒とすると、Sub Time Mapの個数pは、(t/s - 1)とな
る。
【0347】(AVファイル管理情報の大きさ)第1の実
施例と同様の例では、Main Time MapのStart Sectorが
4バイト、Start Time Offsetが1バイト、End Sector
of the Reference Pictureが1バイトである。Sub Time
mapのStart Sectorが2バイト、Start Time Offsetが
1バイト、End Sector of the Reference Pictureが1
バイトである。
【0348】例えば、再生時間が7時間のAVデータ
を、 Time Map TableのMain Time Unitが5秒、Sub Tim
e Unitを0.5秒ととして記録するならば、Time Map G
roupの大きさは42バイト、Time Map Tableの大きさ
は、約210キロバイトであるので、AVファイル管理
情報の大きさも、約210キロバイトである。
【0349】特殊再生を行う場合に、Sub Time Mapを参
照しないで、Main Time Mapのみを参照しても、特殊再
生をすることが可能である。ただし、特殊再生の速度の
種類が少なくなる。このような特殊再生の方法により、
主記憶の容量が少ない再生装置でもVOBU Map Tableを主
記憶に記憶しないで、特殊再生を実行することができ
る。さらに、Sub Time Mapを間引いて持つことにより、
主記憶に記憶する特殊再生情報の大きさを調整すること
も可能である。
【0350】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、早送りまた
は早戻しの特殊再生中に、リファレンスピクチャの読み
出しの途中でシークが発生しない。
【0351】請求項2の本発明によれば、早送りまたは
早戻しの特殊再生中に、リファレンスピクチャの読み出
しの途中でシークが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファイルシステム部の機能一覧を示す図
【図2】ディスク全体の構成図
【図3】AVブロックの構成図
【図4】AVブロック管理テーブルの構成図
【図5】AVデータ書き込み時のバッファリングモデル
を示す図
【図6】AVデータ読み出し時のバッファリングモデル
を示す図
【図7】初期状態から録画を開始した直後のAVブロッ
ク管理テーブルの状態を示す図
【図8】初期状態から録画を開始した場合のファイル情
報の状態を示す図
【図9】AVデータのAVブロックへの割り当てとシー
ケンシャル読み出しを示す図
【図10】セクタビットマップの構成図
【図11】AVブロック管理テーブルの構成図
【図12】AVブロック属性変化によるセクタビットマ
ップ処理を示す図
【図13】AVファイルの「DELETE」コマンドの処理を
示す図
【図14】非AVファイルの「DELETE」コマンドの処理
を示す図
【図15】「SHORTEN」コマンドの処理を示す図
【図16】「SPLIT」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図17】「MERGE」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図18】「MERGE」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図19】「IN_AV_BLK_BOUND」コマンドの処理を示す
【図20】AVブロック不連続境界の説明図
【図21】「MERGE」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図22】「MERGE」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図23】「MERGE」コマンドにおけるAVブロックの
扱いを示す図
【図24】DVDデコーダの構成図
【図25】AVデータ入力部の構成図
【図26】AVクリップとAVクリップ列の例を示す図
【図27】AVクリップとAVデータの関係を示す図
【図28】AVデコーダモデルの構成図
【図29】DVDデコーダ用のファイル構成の例を示す図
【図30】ビデオピクチャタイプの説明図
【図31】多重化の説明図
【図32】3つのVOBから構成されるAVファイルの例
を示す図
【図33】拡張STDモデルの構成図
【図34】オーディオギャップの例を示す図
【図35】ビデオピクチャ構造の説明図
【図36】バッファ制御、オーディオギャップとオーデ
ィオ多重化境界の説明図
【図37】AVクリップ管理情報の構成図
【図38】録画後のAVクリップ管理情報の例を示す図
【図39】AVクリップ管理情報追加の例を示す図
【図40】Split前のAVクリップ管理情報の例を示す
【図41】Split後のAVクリップ管理情報の例を示す
【図42】Merge前のAVクリップ管理情報の例を示す
【図43】Merge後のAVクリップ管理情報の例を示す
【図44】シームレスフラグ判定のフローチャート
【図45】リモコンの例を示す図
【図46】初期画面の例を示す図
【図47】再生時のマーク設定の例を示す図
【図48】録画時のマーク設定の例を示す図
【図49】クリップ設定の例を示す図
【図50】クリップシーケンス設定の例を示す図
【図51】マーク、クリップ、クリップシーケンス削除
の例を示す図
【図52】本編集の例を示す図
【図53】本編集での操作ステップの例を示す図
【図54】階層式編集方法のフローチャート
【図55】AVファイル管理情報の構成図
【図56】Time MapとVOBU Mapの関係を示す図
【図57】ストリーム情報の図
【図58】録画中に生成されるGOPの情報を示す図
【図59】録画後のAVファイル管理情報の例を示す図
【図60】AVファイル管理情報のSplit前の例を示す
【図61】AVファイル管理情報のSplit後の例を示す
【図62】AVファイル管理情報のMerge前の例を示す
【図63】AVファイル管理情報のMerge後の例を示す
【図64】初期及び録画時の表示の例を示す図
【図65】録画条件と画質選択の対応の例を示す図
【図66】ストリーム情報の例を示す図
【図67】ストリーム情報のMerge前の例を示す図
【図68】ストリーム情報のMerge後の例を示す図
【図69】AVファイル管理情報の構成図
【符号の説明】
100 ディスク記録部 101 ディスク読み出し部 102 ファイルシステム部 103 AVファイルシステム部 104 非AVファイルシステム部 105 録画・編集・再生制御部 106 ユーザIF部 107 制御データ管理部 110 AVデータ録画部 111 AVデータ入力部 112 AVファイル管理情報生成部 113 オーバーフロー対策部 114 AVクリップ管理情報生成部 120 AVデータ編集部 121 AVクリップ列編集部 122 AVクリップ編集部 123 AVファイル管理情報編集部 130 AVデータ再生部 131 AVデコーダー部 132 AVクリップ列再生部 133 AVファイル読み出し部 134 読み出しエラー対策部 150 AVデータ入力 151 DeMUX 152 ビデオデコーダ 153 オーディオデコーダ 154 シームレス接続処理部 155 映像出力 156 オーディオ出力 200 録画時選択画面1 201 録画時選択画面2 202 録画時選択画面3
フロントページの続き (72)発明者 中谷 徳夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ以上のAVデータを格納するAVデ
    ータ格納領域と、前記AVデータ内に存在するVOBU
    のAVデータ内での位置と再生時刻とリファレンスピク
    チャの大きさを示すVOBU情報領域とを有する光ディ
    スクを再生する再生方法であって、再生対象のVOBU
    のリファレンスピクチャ内に非連続境界が存在するか否
    かを判断し、非連続境界が存在する場合は、VOBU情
    報を参照して、そのVOBUの直前または直後のVOB
    Uを求め、求めたVOBUのリファレンスピクチャをデ
    ィスクから読み出して再生することを特徴とする再生方
    法。
  2. 【請求項2】 1つ以上のAVデータを格納するAVデ
    ータ格納領域と、前記AVデータ内に存在するVOBU
    のAVデータ内での位置と再生時刻とリファレンスピク
    チャの大きさを示すVOBU情報領域とを有する光ディ
    スクを再生する再生装置であって、不連続判定手段と、
    VOB再生手段からなり、不連続判定手段は、VOBU
    のリファレンスピクチャ内に非連続境界が存在するか否
    かを判断し、VOB再生手段は、非連続境界が存在しな
    い場合は、そのVOBUのリファレンスピクチャを再生
    し、非連続境界が存在する場合は、VOBU情報を参照
    して、そのVOBUの直前または直後のVOBUを求め
    て、そのVOBUのリファレンスピクチャを再生するこ
    とを特徴とする再生装置。
JP9251998A 1997-09-17 1997-09-17 光ディスクの再生方法及び再生装置 Pending JPH1198460A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7418194B2 (en) 1999-05-07 2008-08-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Data structure of stream data, and recording and playback method thereof
US7502543B2 (en) 2001-06-22 2009-03-10 Sony Corporation Data transmission apparatus and data transmission method
JP2013175259A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Alpine Electronics Inc 情報再生装置および早送り/早戻し再生方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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