JPH1196953A - 冷却試料観察装置 - Google Patents

冷却試料観察装置

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JPH1196953A
JPH1196953A JP9252962A JP25296297A JPH1196953A JP H1196953 A JPH1196953 A JP H1196953A JP 9252962 A JP9252962 A JP 9252962A JP 25296297 A JP25296297 A JP 25296297A JP H1196953 A JPH1196953 A JP H1196953A
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JP
Japan
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refrigerant
sample
temperature
heat
low
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JP9252962A
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English (en)
Inventor
Junji Endo
潤二 遠藤
Shigeo Kubota
重雄 窪田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料を冷却した状態で観察する装置におい
て、極低温からたとえば100K程度までの幅広い温度
範囲と、少ない冷媒消費量を達成すること。 【解決手段】 試料微動ステージ12上に断熱支持部材
32を介して熱シールド部3、熱シールド部3の内部に
断熱支持部材22を介してヒーター23を内蔵した試料
冷却部21を有し、液体状冷媒容器4と熱シールド部3
は高熱伝導部材33を介して、試料冷却部21と気体状
冷媒流路5は直接高熱伝導的に結合されている。気体状
冷媒50は液体状冷媒容器4から気体状冷媒流路5に導
かれて試料冷却部21を冷却し、流量調節バルブ51を
通して排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却された試料を
観察するための冷却試料観察装置に関し、特に高温超伝
導体などのように広い温度範囲で観察する場合に好適な
冷却試料観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来冷却試料観察装置に用いられてきた
試料ステージには、試料もしくは試料ホルダを保持する
部材(以下試料冷却部と称す)と液体状冷媒と高熱伝導
部材を介して連結し熱伝導によって冷却する熱伝導方式
と、液体状態から蒸発した直後のヘリウムガスを冷媒流
路を通して試料冷却部に導いて冷却するフロー方式とが
あった。
【0003】熱伝導方式試料冷却ステージは、特開昭63
-32847号(特許第2607478号)第1図および第2図に記
載のように、試料観察装置に一体的に保持された冷媒容
器と試料冷却ステージとを熱伝導棒を介して連結してい
る。この構造を以下に詳細に説明する。
【0004】円筒形断熱管32、33、34を介して試
料観察装置51(本例では電子顕微鏡)から保持された
外側シールド下キャップ28、内側シールド下キャップ
27および試料ホルダ22が、外側シールド伝熱管4
4、内側シールド伝熱管43および伝熱棒42とそれぞ
れ高熱伝導性の部材36〜41を介して連結されてい
る。冷媒容器1は、液体窒素容器3、第1液体ヘリウム
容器5および第2液体ヘリウム容器4からなり、これら
の容器はそれぞれ外側シールド伝熱管44、内側シール
ド伝熱管43および伝熱棒42と高熱伝導的に連結され
ている。
【0005】一般に、ある部材を通る熱量QC[W](ワッ
ト、以下同じ)と、その部材の両端の温度T1[K](ケル
ビン、以下同じ)、T2[K]との関係は、部材の長さ、断
面積および熱伝導率をそれぞれL[m](メートル、以下
同じ)、S[m2]、λ[W/(m・K)]とすると、
【0006】
【数1】
【0007】で表される。また高温側部材から低温側部
材への輻射による熱QR[W]は、高温側部材の温度、面
積、放射率をそれぞれ T2[K]、A2[m2]およびε2、低
温側部材の温度、面積、放射率をそれぞれT1[K]、A
1[m2]およびε1とすると、
【0008】
【数2】
【0009】と表される。
【0010】室温部から試料に流入する輻射熱は外側シ
ールド上下キャップ47、28、また円筒形断熱管34
を経由して伝導により流入する熱も外側シールド下キャ
ップ28に受けとめられ、大部分は液体窒素の蒸発に費
やされる。残りのごく一部は、外側シールド部内面から
の輻射と円筒形断熱管33を通って内側シールド上下キ
ャップ45、46、27に流れるが、そのほとんどは第
2液体ヘリウム容器内の液体ヘリウムの蒸発に費やされ
る。従って、試料ホルダには、内側シールドからの輻射
熱、円筒形断熱管32を熱伝導で伝わって来る熱および
ビーム通過孔29、48からわずかに見える室温部から
の輻射熱である。内側シールド上下キャップ45、4
6、27はいずれも液体ヘリウム温度近く(たとえば5
K程度)に冷却されおり、またビーム通過孔は面積が小
さいので、(1)式(2)式からわかるように、輻射、
伝導両者よる熱流入は極めて小さく、試料ホルダはほぼ
液体ヘリウム温度に到達する。
【0011】一方フロー方式試料冷却ステージでは、ウ
ルトラマイクロスコピー誌第10巻(1982年)12
5ページ〜154ページ(Ultramicroscopy 10(1982)12
5〜154)の論文「冷却ステージの設計と操作」(原題:
Design and Operation of Cold Stage)Fig.2および1
31ページ右コラム11行目から132ページ右コラム
16行目に記載のように、試料観察装置(電子顕微鏡)
内に断熱的に支持された熱シールド(Condensation shi
eld)とその内側に断熱的に保持された試料冷却部(Spe
cimen-cooling part)にヘリウムガス流路を設け、そこ
に液体ヘリウム容器(Container)から蒸発直後のヘリ
ウムガスをトランスファーチューブ(論文中ではTransf
er Siphon)で導き冷却する。この方式においても、室
温部からの輻射および伝導により流入する熱は、前記熱
シールドにほとんど吸収されるため、試料冷却部への熱
流入は極めて小さくなり、試料を供給されたヘリウムガ
ス温度近くまで冷却することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来用いられてきた試
料冷却ステージの2つの方式では、冷却の原理に若干の
相違がある。液体ヘリウムの沸点は4.2Kで、蒸発す
るときに潜熱として1gあたり20.9[J](ジュー
ル、以下同じ)の熱を奪い、蒸発した4.2Kの気体状
ヘリウムは5Kになるまでにエンタルピーが変化し1g
あたり6.5[J]の熱を奪う。すなわち、熱伝導方式で
は、主として蒸発潜熱を利用して冷却するのに対して、
フロー方式ではヘリウムガスの温度上昇に伴うエンタル
ピー変化を利用して冷却するという点が異なっている。
【0013】この差は、両方式の適性、用途の差に現れ
ている。この差を具体的に比較すると、以下のようにな
る。フロー方式では、蒸発ヘリウムガスの流量を制御す
ることにより容易に試料ステージの温度を調節すること
が可能で適応温度範囲も広いが、試料観察装置と離れた
液体ヘリウム容器内で蒸発したヘリウムガスを移送する
過程で流入する熱によるガス温度の上昇があり、さらに
冷却することがすなわちヘリウムガス温度の上昇である
ため、原理的に液体ヘリウム温度まで冷却することはで
きない。これに対して熱伝導方式は、試料ステージに流
入する熱は全て液体ヘリウムの蒸発によって奪われるた
め、試料ステージを液体ヘリウム温度まで冷却すること
が可能である。ところが、やや高い温度に保持しようと
するとヒーターで加えた熱が全て液体ヘリウムの蒸発に
消費されるため、適応温度範囲が狭く液体ヘリウムの消
費も多くなる。すなわち、フロー方式は到達温度をある
程度犠牲にしても温度範囲を広くしたい場合に適し、熱
伝導方式は温度範囲は狭くても到達温度を極力低くした
い場合に適している。
【0014】本発明は、これら従来の試料冷却ステージ
が有していた問題点を解決し、到達温度が低く、かつ適
応温度範囲も広い試料冷却ステージを容易に実現するこ
とを目的としてなされた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した課
題を解決するための基本構造として、液体状冷媒容器
と、液体状冷媒容器に直結された熱シールド部と、熱シ
ールド部内部に断熱的に保持されかつ液体状冷媒容器と
断熱された試料冷却部と、気体状冷媒供給側で該液体状
冷媒容器を経由して該試料冷却部に高熱伝導的に結合さ
れかつ流量の調節バルブを有する気体状冷媒流路を設け
た。
【0016】さらに、気体状冷媒流路が液体状冷媒中を
通り抜ける構造を有する。また、気体状冷媒が液体状冷
媒の蒸発ガスである。
【0017】液体状冷媒容器を高沸点冷媒用と低沸点冷
媒用の2系統、熱シールド部を高温側と低温側の2系統
とし、高沸点冷媒容器には略中空構造の高温側熱シール
ド部を高熱伝導的に結合し、高温側熱シールド部に略内
包された低温側熱シールド部は低沸点冷媒容器に高熱伝
導的に結合され、低温側熱シールド部に略内包された試
料冷却部は気体状冷媒流路に高熱伝導的に結合され、気
体状冷媒流路が冷媒供給側で高沸点冷媒用もしくは低沸
点冷媒用のいずれかの冷媒容器を経由している構造を記
述した。
【0018】熱シールド部が液体状冷媒容器に直結され
ている。熱シールド部に流入する熱量をQShield[W]と
し、熱シールド部と液体状冷媒容器を連結している部材
の熱伝導率、長さおよび断面積をそれぞれλ0[W/(m・
K)]、L0[m]、S0[m2]、液体状冷媒容器の温度と液体状
冷媒の温度を共にT0[K]とすると、熱シールド部の温度
Shield[K]は(1)式により、
【0019】
【数3】
【0020】を満たすように決められる。熱伝導率λ0
は温度Tの関数であるが、温度差ΔTが小さい範囲では
定数とみなし、
【0021】
【数4】
【0022】として扱われることが多く、簡単のため以
降も定数として扱う。熱流入QShieldを小さく抑え、λ
0の大きな材料を用い、S0/L0が大きくなるような形
状とすれば、熱シールド部はほぼ液体状冷媒の温度に到
達する。
【0023】気体状冷媒は、試料観察装置と一体的に設
置された液体状冷媒容器を経由するため、液体状冷媒の
温度 T0に近い温度T0'に冷却された気体状冷媒が試料
冷却部に供給される。この気体状冷媒が試料冷却部と熱
交換をすることによって温度はT0'からTGasに変化す
る。この変化は試料冷却部への熱流入QSample、気体状
冷媒の流量m[kg/sec]、1[K]温度が変化したときのエ
ンタルピー変化ΔH[J/kg]を用いて、
【0024】
【数5】
【0025】と表される。ここでも、厳密にはエンタル
ピー変化ΔHは温度の関数であるが、(3)式の議論と
同様温度範囲が狭いとして、定数として扱っている。試
料冷却部の温度TSは気体状冷媒TGasよりも高くなり、
その値を求めるには熱交換器の形状・構造、気体状冷媒
の性質、流入熱量などを用いて流体力学的に計算する必
要があるが、ここでは簡単のため十分な熱交換が行われ
てTS=TGasになると仮定する。すなわち(5)式は、
【0026】
【数6】
【0027】のように書ける。試料冷却部を取り囲んで
いる熱シールド部はほぼ液体状冷媒の温度になっている
ため、試料冷却部への熱流入は極めて小さい。したがっ
て、気体状冷媒の流量を大きくすることなく容易にTS
をT0'に近づけることができる。液体状冷媒に近い温度
の気体状冷媒が試料冷却部に供給されるため、試料冷却
部の温度も液体状冷媒に近い温度に到達する。こうして
従来のフロー方式に見られた到達温度と冷媒温度の差が
大きい欠点を改善することができる。
【0028】一方、たとえば高温超伝導体などのよう
に、液体状冷媒と室温の間の温度に保って試料を観察す
る場合、従来から試料冷却部に加熱用ヒーターを設けて
いる。この場合、(6)式のQSampleを(QSample+Q
Heater)に置き換えればよい。フロー方式や本特許の方
式では、気体状冷媒の流量mを流量可変のバルブを用い
て小さくすれば、ヒーターの出力が小さくても容易にT
Sを高くすることができる。熱伝導方式と比較すると、
試料冷却部は熱シールド部から断熱的に保持され、液体
状冷媒容器とも断熱されているので、ヒーターから供給
された熱のうち直接あるいは熱シールド部を経由して液
体状冷媒容器へ流れる熱はごく一部で、その残りは気体
状冷媒の昇温に費やされる。すなわち、そもそもヒータ
ーの出力が小さく、さらにヒーターの出力のうち液体状
冷媒容器に流れる割合が小さいため、試料温度の上昇に
対する液体状冷媒の消費の増大は、熱伝導方式に比べて
はるかに小さい。
【0029】気体状冷媒の温度T0'を液体状冷媒の温度
0にさらに近づけるためには、気体状冷媒流路が液体
状冷媒中を貫通するような構造が有効である。本発明に
おいては、液体状冷媒容器を冷却試料観察装置と一体的
に設けたため、液体状冷媒容器と試料冷却部との距離を
短くでき、熱的なシールドを設けることも可能であるた
め、実質的に液体状冷媒の温度を保ったまま気体状冷媒
を試料冷却部に供給できる。また、気体状冷媒を外部か
ら導入しても良いが、液体状冷媒の蒸発ガスを用いる
と、装置の簡略化や冷媒消費量の低減に大きな効果が期
待できる。
【0030】試料冷却ステージのうち、極低温、たとえ
ば液体ヘリウム温度近くまで冷却する装置では、これま
でも液体状冷媒容器を高沸点冷媒(一般に液体窒素)用
と低沸点冷媒(一般に液体ヘリウム)用の2系統とし、
試料冷却部も高沸点冷媒によって冷却された熱シールド
部で取り囲む構造が一般的であった。本特許の極低温用
冷却ステージでは、熱シールド部も高温側、低温側の2
重構造とし、高沸点冷媒容器と高温側熱シールド部、高
温側熱シールド部に略内包された低温側熱シールド部と
低沸点冷媒容器を高熱伝導的に結合し、低温側熱シール
ド部に略内包された試料冷却部を気体状冷媒流路に高熱
伝導的に結合した。本節前半で述べたと同様な原理で、
高温側および低温側熱シールド部はそれぞれ高沸点冷
媒、低沸点冷媒とほぼ同じ温度に冷却される。
【0031】試料冷却部は、低温側熱シールド部内部に
断熱的に保持されており、低沸点冷媒容器・高沸点冷媒
容器のいずれとも断熱され、気体状冷媒流路とは高熱伝
導的に結合されている。気体状冷媒流路は、高沸点冷媒
用・低沸点冷媒用二つの冷媒容器の少なくとも一方を経
由している。たとえば気体状冷媒を外部から供給する場
合には、いったん高沸点冷媒中を通してある程度温度を
下げてから低沸点冷媒中を通せば、より高価な低沸点冷
媒の消費量を低減することができる。また、気体状冷媒
として低沸点冷媒の蒸発ガスを用いるのであれば、蒸発
ガスをそのまま、あるいは低沸点冷媒中を通して試料冷
却部に供給すればよい。
【0032】この構成の試料冷却ステージにおいても、
作用は前述した基本構造の場合と同様で、試料冷却部に
流入する熱量が極めて小さくかつ気体状冷媒温度は液体
状冷媒の温度を実質的に保っているので、試料を低沸点
冷媒の温度に近い温度まで冷却することができる。ま
た、低沸点冷媒温度より高い温度に保つ場合、前半で述
べたと同様の議論により、気体状冷媒の流量をバルブに
よって制限するとともにヒーターから試料冷却部に熱を
負荷することによって、高沸点冷媒、低沸点冷媒の消費
量を大幅に増加させることなく容易に温度を上昇させる
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例
で、冷却試料観察装置1は電子顕微鏡やその類似装置を
想定しており、図示の便宜上試料室11と対物レンズ部15
の一部のみを示した。図中、気体状冷媒流路5、流量調
節バルブ51、ヒーター23及び試料微動ステージ押え13以
外は、略軸対称の部品の断面である。本例では、水平面
内に微動可能な試料微動ステージ12上に略薄肉円筒形状
を有する断熱支持部材32を介して熱シールド部3が固定
されている。熱シールド部3の内部には略薄肉円筒形状
の断熱支持部材22を介して試料冷却部21が組み込まれて
いる。試料冷却部21の上部には内部にらせん状の気体状
冷媒流路を有する熱交換器25が熱伝導の良い状態で取り
付けられている。また液体状冷媒よりも高い温度で試料
を観察するために、内部にヒーター23が組み込まれてお
り、観察温度の条件に応じて図示されていないヒーター
電源から電力が供給され、熱を発生する。熱交換器25に
はさらに供給側と出口側の2本の気体状冷媒流路5がつ
ながっている。熱シールド部3の上下面には電子線6が
通過するための絞り34、側面には気体状冷媒流路5が通
る穴が設けられているが、その他の部分は閉じた空間を
形成しており、外部から輻射熱が侵入するのを防止して
いる。熱シールド部3、試料冷却部21および熱交換器25
は、高熱伝導度の材料(たとえば高純度銅)からなり、
熱絶縁部材21、32は熱伝導度の低い樹脂やステンレスで
できている。また気体状冷媒流路5の材料には一般にス
テンレスが用いられる。
【0034】一方中空環状の液体状冷媒容器4は、試料
冷却ステージ外周に配置され、試料室11の底部から熱絶
縁部材41によって支えられている。液体状冷媒容器4と
熱シールド部3は、中間に可撓部を有する円盤状の高熱
伝導部材33によって熱的に結合されている。この液体状
冷媒容器4には、冷却試料観察装置1外から液体状冷媒
40を補給するが、煩雑さをさけるためその補給口等は図
示されていない。気体状冷媒50は、液体状冷媒容器4内
の液面上方から取り入れ、ベローズなどの可撓部を有す
る気体状冷媒流路5を経て上述した熱交換器25に導入さ
れ、流量調節バルブ51、図示されていない排出口を通し
て冷却試料観察装置1外に排出される。気体状冷媒流路
5の取り入れ口から排出口までの冷却試料観察装置1内
にある部分、および液体状冷媒容器4は対真空構造であ
ることは言うまでもない。また本例においては、気体状
冷媒50は液体状冷媒40の蒸発ガスであるが、外部から液
体状冷媒容器4内に導入されるものであっても差し支え
ない。
【0035】試料は、試料ホルダ20の先端部に保持さ
れ、冷却試料観察装置1外から図示されていない試料導
入機構によって図中上部の試料ホルダ20の位置を経て試
料冷却部21の位置(図中下部の試料ホルダ20の位置)に
装填される。
【0036】図の中心軸上方から図示されていない電子
銃、照射レンズ等を経て照射される電子線6の一部が試
料を透過し、対物レンズ15によって拡大された像を下方
に形成する。この像は、図示されていない拡大レンズに
よってさらに拡大され、図示されていない蛍光スクリー
ンや撮像装置によって可視画像となる。試料の視野選び
は、図示されていない試料微動機構により、試料微動ス
テージ12を電子線軸と直交する面内で微動することによ
って、従って試料冷却ステージ全体を微動することによ
って行う。このとき液体状冷媒容器4は試料室11に固定
されているので、試料冷却ステージ全体の変位は高熱伝
導部材33の可撓部、気体状冷媒流路5の可撓部で吸収さ
れる。
【0037】熱シールド部3に流入する熱は、熱絶縁部
材32を通して室温部から伝導で流入する熱QC1[W]およ
び試料室11の壁など室温部分からの輻射熱QR1[W]であ
る。伝導による熱流入は断熱支持部材32の熱伝導度をλ
1 [W/m-1K-1]、断面積をS1[m2]、伝熱方向の長さをL1
[m]、熱シールド部の温度をT1[K]、室温をTRT[K]とす
ると、
【0038】
【数7】
【0039】で表される。また輻射により流入する熱Q
R1は、室温部の面積と放射率をそれぞれART[m2]および
εRT、熱シールド部3の面積と放射率をそれぞれA
1[m2]およびε1とすると、
【0040】
【数8】
【0041】で表される。この両者の和Q1=QC1+Q
R1のほとんどは高熱伝導部材33を通して液体状冷媒40の
蒸発潜熱で打ち消されるが、ごく一部QC2は断熱支持部
材22を通って試料冷却部21に達し、また別の一部QR2
熱シールド部3の内壁から試料冷却部21に輻射される。
また熱シールド部3に設けられた電子線通過孔と気体状
冷媒流路5が通る穴を通して室温部から輻射によって流
入する成分QR3も試料冷却部21への熱流入となる。
【0042】QC2、QR2およびQR3の計算も(7)式、
(8)式と全く同じ形であるので、(7)式の変数を断
熱支持部材22に対する値S2、L2およびλ2に、(8)
式の添字RTの変数を添字1の変数、添字1の変数を試料
冷却部21の面積A2[m2]、放射率ε2および温度T2に置
き換えて、
【0043】
【数9】
【0044】
【数10】
【0045】
【数11】
【0046】となる。QR3は、電子線通過孔と気体状冷
媒流路5が通る穴の面積の和AAが極めて小さいため、
通常は高々数mWにしかならない。またT1、T2はいず
れも液体状冷媒の温度に近いので、(9)式の積分範囲
が狭くなりかつ熱絶縁材料の熱伝導度λ2は一般に低温
になるほど小さくなるので、流入する熱は非常に少なく
なる。T2がT1より高い場合は、試料冷却部21から熱シ
ールド部3へ熱が流れることになる。また(10)式の
()内は温度の4乗の差であるので、試料冷却部21と熱
シールド部3の温度およびその差が小さくなると急激に
減少する。
【0047】従って、この方式で試料冷却部21の温度を
下げる場合、まだ温度が高い間は気体状冷媒流路5に流
す気体状冷媒50の温度が上昇するときに多くの熱を奪
い、温度が低くなっても熱流入が小さいため、非常に少
ない流量で液体状冷媒の沸点に近い到達可能温度が達成
できる。
【0048】一方、到達可能温度より高い温度で試料を
観察する場合には、流量調節バルブ51を絞って気体状冷
媒50の流量を制限するか、ヒーター23に通電して加熱す
るか、あるいはその両者を併用する。ヒーター23から付
加される熱は、一部は断熱支持部材22を伝わりまた一部
は輻射によって熱シールド部3へ流入するが、大半の熱
は熱交換器25から気体状冷媒50の温度上昇に消費され
る。このため、試料温度を高くしても液体状冷媒の消費
量は大きく増加することはない。
【0049】こうして、本実施例によって、従来の熱伝
導式およびフロー式の試料冷却ステージの欠点を克服す
ることができた。
【0050】図2は、極低温試料冷却ステージに応用し
た例で、試料冷却ステージ部のみを示した。図1との相
違は、熱シールド部3が高温側熱シールド部35と低温側
熱シールド部31、液体状冷媒容器4が高沸点冷媒容器45
と低沸点冷媒容器42からなっていることで、ここでも気
体状冷媒流路5、流量調節バルブ51、ヒーター23及び試
料微動ステージ押え13以外は、略軸対称の部品の断面で
ある。従来から、このような試料冷却ステージでは、高
沸点冷媒に液体窒素、低沸点冷媒に液体ヘリウムがもっ
ぱら用いられてきた。本特許においても、この点に関し
てはなんら変わり無く、一般の使用には高沸点冷媒に液
体窒素、低沸点冷媒に液体ヘリウムを想定している。
【0051】試料微動ステージ12は、試料微動ステージ
押え13によって試料室11の底面上に電子線6と直交する
面内で微動可能に保持されている。高温側熱シールド部
35は、この試料微動ステージ12の上に略薄肉円筒状の断
熱支持部材36で固定されている。形状は略椀状で、底部
に電子線が通過するための絞り38が設けられている。低
温側熱シールド31は上下2部分からなる略中空状で、高
温側熱シールド部35の内側に略薄肉円筒状の断熱支持部
材32で固定されている。上面および底面に電子線が通過
するための絞り34、また側面には気体状冷媒流路5が通
るため間隙を有している。試料冷却部21は、低温側熱シ
ールド部31の内側に略薄肉円筒状の断熱支持部材22を介
して固定されている。上面は熱交換器25と熱的に結合し
ており、また昇温用にヒーター23を内蔵している。試料
ホルダ20は、外部から図示されていない試料導入機構に
よって図中上部の試料ホルダ20の位置に導入され、さら
に試料冷却部21の下部の位置(図中下部の試料ホルダ20
の位置)にセットされる。
【0052】高沸点冷媒容器45は、略薄肉円筒状の断熱
支持部材47、容器熱シールド49を介して試料室11の底面
から支えられ、上面は上面カバー48で覆われている。低
沸点冷媒容器42は、略薄肉円筒状の断熱支持部材44を介
して高沸点冷媒容器45の底面から釣り下げられている。
容器熱シールド49の底面内径側と高温側熱シールド部35
は可撓性を有する高熱伝導部材37を用いて熱的に連結さ
れている。従って、本例における高温側熱シールド部35
は、容器熱シールド49を通して高沸点冷媒46で冷却され
る。また低温側熱シールド部31は低沸点冷媒容器42と高
熱伝導部材33を用いて連結されており、低沸点冷媒43の
蒸発潜熱により冷却される。また、気体状冷媒流路5
は、取り入れ口が内部の低沸点冷媒43の液面上方にあ
り、蒸発直後の冷媒ガスは一旦低沸点冷媒43中を通って
から容器外に出て、前記熱交換器25、流量調節バルブ5
1、図示されていない配管・排気口を通って排出され
る。従って、取り入れられた気体状冷媒50は、実質的に
蒸発直後の温度を保ったまま熱交換器25に導かれること
になる。なお、高沸点冷媒容器45、低沸点冷媒容器42の
冷媒注入口、ガス抜き口などは図から省略されている。
【0053】試料の視野選びは、図示されていない試料
微動機構により、試料微動ステージ12を電子線6に直交
する面内で微小量動かすことによってなされる。この変
位は、高熱伝導部材37、高熱伝導部材33および気体状冷
媒流路5の可撓部分で吸収されるため、2つの冷媒容器
42、45は固定されたままで差し支えない。
【0054】本実施例では、低沸点冷媒容器42および低
温側熱シールド部31は、高沸点溶媒(液体窒素)46によ
って冷却された上面カバー48、容器熱シールド49および
高温側熱シールド部35で囲まれている。これらの各部の
の温度は、図1の実施例で述べたと同様、熱伝導の基本
的な式(1)式に従って決められ、通常は高沸点冷媒46
とほぼ同じ温度まで冷却することができる。低温側熱シ
ールド部31に流入する熱は、高沸点冷媒46に近い温度に
冷却された部材からの輻射、絞り38などを通してわずか
に見えている室温部からの輻射および断熱支持部材32を
通して高温側熱シールド部35から伝導で流入する熱であ
る。第一の実施例の(9)式〜(11)式の部分で説明
したように、既に低温になっている部分からの輻射およ
び伝導は小さく、室温部を見込む面積も小さいので、低
温側熱シールド部31に流入する熱は少ない。同様にし
て、試料冷却部21に流入する熱はさらに少なくなる。
【0055】この試料冷却部21に流入する熱は、気体状
冷媒流路5を通して熱交換器25に導入された気体状冷媒
50によって冷却されるが、前述したように気体状冷媒流
路5に取り込まれた気体状冷媒50は一旦低沸点冷媒43中
を通っているため、実質的に蒸発直後の温度を保ってい
る。このため、試料冷却部21を液体状冷媒43の沸点に近
い温度まで少ない気体状冷媒流量で容易に冷却すること
ができる。
【0056】一方、試料を低沸点冷媒43の沸点より高い
温度で観察する場合には、第一の実施例と同様に気体状
冷媒50の流量制限、ヒーター23への通電加熱もしくはそ
の両者の組み合わせによって行う。冷却能力が低下する
ので、少ないヒーターパワーで容易に試料冷却部21の温
度を上昇させることができるにもかかわらず、ヒーター
23からの熱の多くは熱交換器25により気体状冷媒50へと
伝わるので、低沸点冷媒43の消費量は大きく増加するこ
とはない。
【0057】この実施例において、気体状冷媒流路5が
低沸点冷媒43中を通っている構造は冷却の効果を高める
ものであるが、必要不可欠のものではない。また、気体
状冷媒50は外部から供給されるものであって差し支えな
い。この場合、気体状冷媒50は一旦高沸点冷媒容器45を
経由させれば、さらに望ましくは高沸点冷媒46中を通り
抜けさせれば、より高価な低沸点冷媒43の消費量を低減
することができる。
【0058】図3は、冷却試料観察装置1と周辺装置の
全体構成を簡略化して示したものである。煩雑さをさけ
るため、観察に要する光源、レンズ、などは省略されて
いる。
【0059】冷却試料観察装置1内に試料冷却ステージ
2、側面に液体状冷媒容器4が取り付けられている。試
料冷却ステージ2は、試料冷却部21、低温側熱シールド
31および高温側熱シールド35の3重構造になっており、
試料冷却部21にはヒーター23、温度計72が設置され、気
体状冷媒流路5が通っている。液体状冷媒容器4は、高
沸点冷媒容器45、低沸点冷媒容器42からなり、それぞれ
高沸点冷媒46、低沸点冷媒43が満たされている。気体状
冷媒流路5の供給端は低沸点冷媒43の液面直上にあり、
他端は流量調節バルブ51を経て排気ポンプ75につながっ
ている。
【0060】前述したごとく、低温側熱シールド31は低
沸点冷媒容器42、高温側熱シールド35は高沸点冷媒容器
45にこの図には示されていない熱伝導度の高い部材で連
結されているため、それぞれ低沸点冷媒43、高沸点冷媒
46とほぼ同じ温度に冷却されている。試料冷却部21は、
低温側熱シールド31、低沸点冷媒容器42のいずれとも断
熱され、低沸点冷媒43が蒸発した直後のガスを気体状冷
媒流路5に通すことによって冷却される。また、温度制
御器71は、流量調節バルブ51の開度を変えて気体状冷媒
50の流量を制御すると共に、ヒーター23の出力を制御
し、設定された試料観察温度を維持するように機能す
る。
【0061】図2で述べたとおり、試料冷却部21への熱
流入が少なく、気体状冷媒50の温度が低いため、少ない
流量で容易に低沸点冷媒43に近い温度が得られる。また
低沸点冷媒43の沸点と室温の間で試料を観察するとき
は、ヒーター23によって加えた熱の大半が気体状冷媒50
の温度上昇に吸収されるため、低沸点冷媒43の消費量の
増加を抑えることができる。
【0062】上述したように、試料冷却部21を液体状冷
媒容器4に直結された熱シールド部3の内部に断熱的に
保持し、該試料冷却部21は該液体状冷媒容器4とは断熱
されかつ気体状冷媒流路5とは高熱伝導的に結合し、該
気体状冷媒流路5に該液体状冷媒容器4を経由して気体
状冷媒50を供給した。この構造では、試料冷却部21はほ
ぼ同温度の熱シールド部3で囲まれているため熱流入が
少なく、気体状冷媒50の温度が低いので、少量の気体状
冷媒50の流量で効率よく低温まで冷却することができ
る。また液体状冷媒の沸点と室温の間の温度で試料を観
察する場合には、流量調節バルブ51で気体状冷媒の流量
を制限し、かつ試料冷却部21に内蔵されたヒーター23に
通電加熱すれば、少ないヒーターパワーで試料温度を上
昇させることができる。このとき、試料冷却部21は熱シ
ールド部3と液体状冷媒容器4のいずれとも断熱されて
いるので、ヒーター23からの熱のごく一部しか液体状冷
媒容器4には到達しない。すなわち、試料の到達温度を
液体状冷媒の沸点に近づけることができ、また試料観察
温度を上げた場合には液体状冷媒40の消費量の増加を抑
えることができ、冷却持続時間、コスト、温度調節範囲
の面で大きなメリットが得られる。
【0063】また、気体状冷媒流路5が液体状冷媒40中
を通り抜ける構造とすることにより、気体状冷媒50は液
体状冷媒40の温度を保ったまま試料冷却部21に到達する
ので、冷却の効果がさらに向上する。
【0064】さらにまた、気体状冷媒50に液体状冷媒40
の蒸発ガスを用いた。通常試料冷却装置では、冷媒ガス
種は問題とならないので、試料ステージや容器への熱流
入によって自然に蒸発する液体状冷媒40の蒸発ガスを試
料の冷却に用いれば、経済性で大きなメリットがある。
【0065】また、液体状冷媒容器を高沸点冷媒用と低
沸点冷媒用の2系統、熱シールド部を高温側と低温側の
2系統とし、高沸点冷媒容器45には高温側熱シールド部
35、低沸点冷媒容器42には低温側熱シールド部31を高熱
伝導的に結合し、試料冷却部21は気体状冷媒流路5に高
熱伝導的に結合し、気体状冷媒流路5が冷媒供給側で高
沸点冷媒用もしくは低沸点冷媒用のいずれかの冷媒容器
を経由している構造を記述した。たとえば液体ヘリウム
温度のような極低温の試料冷却ステージでは、従来から
液体窒素と液体ヘリウムを併用して、試料部への熱流入
を減らし、かつ高価な液体ヘリウムの消費量を低減する
方法が用いられてきた。これに対して本請求項の特徴
は、低温側熱シールド部31を低沸点冷媒43で直接冷却
し、試料冷却部21は気体状冷罵で冷却することにより、
試料冷却部21に流入する熱を減らして少量の気体状冷媒
50で効率よく試料冷却部21を冷却し、低沸点冷媒43と室
温の間の温度で試料を観察する場合は、流量調節バルブ
51と試料冷却部21に内蔵されたヒーター23を制御するこ
とにより小さなヒーターパワーで効率よく温度を上昇せ
しめ、このとき試料冷却部21が断熱的に保持されている
ため低沸点冷媒43の消費量は少なく押さえることがで
き、温度調整範囲も広い。すなわち、従来の熱伝導方式
の長所であった低い到達温度と、フロー方式の長所であ
った広い温度調節範囲を同時に達成することができる。
極低温にも対応することができる。
【0066】また、少流量の気体状冷媒50ので効率よく
低温が得られ、液体状冷媒沸点と室温の間で観察する場
合は流量調節バルブ51で気体状冷媒の流量を制限し、ヒ
ーター23に通電加熱することにより、少ないヒーターパ
ワーで容易に試料温度を上昇させることができる。液体
状冷媒40の消費量が少なく、冷却持続時間、コスト、温
度調節範囲の面で大きなメリットがある。極低温で同様
の効果を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】上述したように、本発明により、到達温
度が低く、かつ適応温度範囲も広い試料冷却ステージを
容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成を示す一実施例で、冷却
試料観察装置の試料室および対物レンズ部の一部を示す
図。
【図2】本発明を極低温試料冷却ステージに応用した例
を示したもので、簡略化のため試料冷却ステージのみを
示す図。
【図3】本発明を極低温試料冷却ステージに応用した別
の実施例で、冷却試料観察装置の全体構成を示す図。
【符号の説明】
1…冷却試料観察装置、 11…試料室、 12…試料微動ステージ、 13…試料微動ステージ押え、 15…対物レンズ部、 16…対物レンズポールピース、 17…対物レンズ励磁コイル、 2…試料冷却ステージ、 21…試料冷却部、 20…試料ホルダ、 22…断熱支持部材、 23…ヒーター、 25…熱交換器、 3…熱シールド部、 31…低温側熱シールド部、 32、36…断熱支持部材、 33、37…高熱伝導部部材、 34、38…絞り、 35…高温側熱シールド部、 4…液体状冷媒容器、 40…液体状冷媒、 41…低沸点冷媒容器、 42…低沸点冷媒(液体ヘリウム)、 45…高沸点冷媒容器、 46…高沸点冷媒(液体窒素)、 47…断熱支持部材、 48…上面カバー、 49…容器熱シールド、 5…気体状冷媒流路、 50…気体状冷媒、 51…流量調節バルブ、 6…電子線、 70…温度制御器、 71…温度計、 75…排気ポンプ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料もしくは試料ホルダを冷却する試料冷
    却部と熱シールド部からなる試料冷却ステージを内部に
    有する試料観察装置と、該試料観察装置と一体的に設置
    された液体状冷媒容器と、気体状冷媒流路とを有する冷
    却試料観察装置であって、前記熱シールド部は略中空構
    造をなし前記試料観察装置から断熱的に保持されかつ前
    記液体状冷媒容器と高熱伝導部材で連結され、前記試料
    冷却部は前記熱シールド部の内部に断熱的に保持され前
    記液体状冷媒容器とは断熱されかつ前記気体状冷媒流路
    とは高熱伝導的に連結され、該気体状冷媒流路が気体状
    冷媒供給側にて前記液体状冷媒容器を経由しており、該
    気体状冷媒流路が気体状冷媒供給側あるいは排出側の少
    なくとも一方に気体状冷媒の流量を調節するバルブを有
    していることを特徴とする冷却試料観察装置。
  2. 【請求項2】気体状冷媒流路が、気体状冷媒供給側に
    て、液体状冷媒中を貫通する浸漬部を有することを特徴
    とする請求項1に記載の冷却試料観察装置。
  3. 【請求項3】気体状冷媒が液体状冷媒の蒸発ガスである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却試料観
    察装置。
  4. 【請求項4】熱シールド部が低温側および高温側の2系
    統から成り、液体状冷媒容器が低沸点冷媒用および高沸
    点冷媒用の2系統の液体状冷媒容器から成り、前記高温
    側熱シールド部は略中空構造をなし前記試料観察装置か
    ら断熱的に保持されかつ前記高沸点冷媒容器と高熱伝導
    部材で連結され、前記低温側熱シールド部は略中空構造
    をなし前記高温側熱シールド部内部に断熱的に保持され
    かつ前記低沸点冷媒容器と高熱伝導部材で連結され、前
    記試料冷却部は前記低温側熱シールド部の内部に断熱的
    に保持され、該気体状冷媒流路が気体状冷媒供給側にて
    前記高沸点冷媒容器又は低沸点冷媒容器の少なくとも一
    方を経由していることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の冷却試料観察装置。
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