JPH1196004A - データプロセッサにおける条件分岐実行を制御するための方法および装置 - Google Patents

データプロセッサにおける条件分岐実行を制御するための方法および装置

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JPH1196004A
JPH1196004A JP10214928A JP21492898A JPH1196004A JP H1196004 A JPH1196004 A JP H1196004A JP 10214928 A JP10214928 A JP 10214928A JP 21492898 A JP21492898 A JP 21492898A JP H1196004 A JPH1196004 A JP H1196004A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前方向および後方向分岐予測ならびに条件的
実行の独立した制御を可能にすることにより、パイプラ
インストールを低減しかつ異なる環境に対しより柔軟性
あるプログラム実行を達成可能にしたデータプロセッサ
を提供する。 【解決手段】 パイプライン化データ処理システム10
は前方向分岐予測および後方向分岐予測を選択的に制御
する機構、ならびに種々の分岐の筋書きに対して命令の
プリフェッチおよび条件的実行のための機構を含む。3
ビットのプログラマがアクセス可能な制御フィールド1
9が使用されて前方向および後方向条件分岐の双方に対
する命令のプリフェッチの独立した制御を可能にするこ
とにより条件的分岐命令と共に使用されるべき活動の形
式を特定する。また、条件的実行に対する制御が前方向
および後方向分岐の双方に対して提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はデータ処理に関
し、かつより特定的にはデータプロセッサにおいて条件
分岐(conditional branch)の実行
を制御するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】データ処理システムはもしそれがプログ
ラム実行のための数多くの段階またはステージを含んで
いれば「パイプライン化される(pipeline
d)」ことになる。例えば、4ステージのパイプライン
はフェッチステージ、デコードステージ、実行ステー
ジ、および書戻しステージ(write−back s
tage)を含むことができる。フェッチステージの間
に、次の命令があるメモリロケーションから読み出され
る。次に、該命令はデコードされ、実行され、かつメモ
リのロケーションにまたはレジスタに書戻される。これ
らのステージの各々は完了するのに1つまたはそれ以上
のクロックサイクルを必要とするであろう。また、第1
の命令がデコードされるのと同時に、第2の命令をフェ
ッチすることができ、かつ第1の命令が実行されている
間に、第2の命令をデコードし、以下同様に行うことが
でき、従って、「パイプライン」が満杯(full)状
態に留まっているようにされる。パイプライン化データ
処理システムは実行されるプログラムが命令の流れの変
化またはチェンジオブフロー(change of f
low)、すなわち順次的でない流れ、を含む場合に実
行ペナルティを受けることがある。チェンジオブフロー
が生じた場合、データ処理システムは命令パイプライン
を再充填するためにプログラムフローの実行を停止する
ことが必要であろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】チェンジオブフローが
生じた場合に性能を改善するために使用される技術の内
で、分岐予測、プリフェッチおよび条件的実行のような
種々の機構がある。しかしながら、これらの機構の多く
はデータ処理システムに増大した複雑さを加えかつすべ
ての環境で効果的でないかもしれない。従って、種々の
異なる環境に適用できる分岐予測デスティネイションプ
リフェッチおよび条件的実行に対する制御を提供する必
要性が存在する。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般に、本発明は種々の
分岐の筋書きに対する命令のプリフェッチ(prefe
tching)および条件的実行(condition
al execution)のみならず、順方向または
前方向(forward)分岐予測および逆方向または
後方向(backward)分岐予測を選択的に制御す
る方法およびデータ処理システムを提供する。3ビット
のプログラマがアクセス可能な制御フィールドが使用さ
れて前方向および後方向条件分岐の双方に対する命令の
プリフェッチの独立した制御を可能にすることにより条
件分岐命令と共に使用される活動または行動(acti
vity)の形式を特定する。また、条件的実行に対す
る制御が前方向および後方向分岐の双方に対して提供さ
れる。前方向および後方向分岐予測および条件的実行の
独立した制御を可能にすることにより、パイプラインス
トール(pipeline stalls)が低減でき
かつ異なる環境に対してより柔軟性あるプログラムの実
行が達成できる。より詳細には、本発明はさらに図1〜
図12を参照して説明することができる。
【0005】本発明の一態様では、少なくとも1つのチ
ェンジオブフロー命令を含む、複数の命令を実行するデ
ータプロセッサ(10)が提供され、該データプロセッ
サは、前記複数の命令の内の選択されたものを順次フェ
ッチするための命令プリフェッチユニット(26)、前
記命令プリフェッチユニット(26)に結合され前記命
令プリフェッチユニット(26)によってフェッチされ
た前記複数の命令の内の選択されたものを選択的にデコ
ードするための命令デコードユニット(32)、前記命
令デコードユニット(32)に結合された命令実行ユニ
ット(40)であって、該命令実行ユニット(40)は
前記命令デコードユニット(40)によってデコードさ
れた前記複数の命令を選択的に実行するもの、そして前
記命令プリフェッチユニット(26)、前記命令デコー
ドユニット(32)および前記命令実行ユニット(4
0)に結合された制御ユニット(18)であって、該制
御ユニット(18)は記憶された制御値を有し、該記憶
された制御値は前記命令デコードユニット(32)によ
って条件的フロー命令が検出されたことに直接応答して
命令プリフェッチユニット(26)がさらなる命令をフ
ェッチすることを所定の量の時間の間選択的にディスエ
ーブルすることにより命令プリフェッチユニット(2
6)を直接制御し、前記命令プリフェッチユニット(2
6)のディスエーブルは前記所定量の時間が経過するま
でフェッチ動作を完全に避けることによりデータプロセ
ッサ(10)のオーバヘッドを低減し、所定量の時間が
経過した時点で命令プリフェッチユニット(26)によ
るプリフェッチは自動的に再開されるもの、を具備する
ことを特徴とする。
【0006】本発明の別の態様では、データプロセッサ
(10)における、条件分岐命令の実行を制御するため
の装置が提供され、該装置は、命令エンコード値を得る
ために命令アドレスを提供する命令フェッチ回路(2
6)であって、該命令フェッチ回路は制御入力を有する
もの、前記命令フェッチ回路(26)に結合された入力
を有し前記命令エンコード値を受けるための命令デコー
ダ(32)であって、該命令デコーダ(32)は前記命
令エンコード値を前記データプロセッサによって実行で
きる形式に変換することにより前記命令エンコード値を
準備するもの、前記命令デコーダ(32)に結合され命
令を実行するための実行ユニット(40)、そして前記
命令フェッチ回路(26)、前記命令デコーダ(32)
および前記実行ユニット(40)の各々に結合された制
御ユニット(18)であって、該制御ユニット(18)
は分岐制御値に応答して制御信号を前記命令フェッチ回
路(26)の前記制御入力に提供し、前記分岐制御値は
前記命令デコーダ(32)が条件分岐命令に遭遇したこ
とを判定した場合にさらなる命令をフェッチする複数の
動作モードの内の1つを決定し、前記複数の動作モード
は前記条件分岐命令によって示される命令フローの方向
によって決定されるもの、を具備することを特徴とす
る。
【0007】本発明のさらに別の態様では、データプロ
セッサ(10)においてチェンジオブフロー命令を実行
する方法が提供され、該方法は、命令プリフェッチユニ
ット(26)によって複数の命令の内の選択されたもの
を順次フェッチする段階、フェッチされた前記複数の命
令の内の選択されたものを選択的にデコードする段階、
デコードされた前記複数の命令の内の選択されたものを
選択的に実行する段階、そして条件フロー命令が検出さ
れたことに直接応答して所定量の時間の間前記命令プリ
フェッチユニット(26)がさらなる命令をフェッチす
ることを選択的にディスエーブルすることによって前記
命令プリフェッチユニット(26)を直接制御する制御
値を使用する段階であって、前記ディスエーブルは前記
所定量の時間が経過するまでフェッチ動作を完全に避け
ることにより前記データプロセッサ(10)のオーバベ
ッドを低減し、前記所定量の時間が経過した時点で前記
命令プリフェッチユニット(26)によるプリフェッチ
は自動的に再開されるもの、を具備することを特徴とす
る。
【0008】本発明のさらに別の態様では、データプロ
セッサ(10)における、条件分岐命令の実行を制御す
る方法が提供され、該方法は、命令アドレスをフェッチ
しかつ命令エンコード値を得る段階、前記命令エンコー
ド値をデコードする段階、前記命令エンコード値を実行
する段階、そして前記フェッチする段階を制御するため
に制御信号を提供する段階であって、該制御信号は分岐
制御値に応じて提供され、該分岐制御値は条件分岐命令
に遭遇した場合にさらなる命令がフェッチされる複数の
モードの命令フェッチの1つを決定し、前記複数のモー
ドの動作は前記条件分岐命令によって示される命令フロ
ーの方向によって決定されるもの、を具備することを特
徴とする。
【0009】本発明のさらに別の態様では、データプロ
セッサ(10)における条件分岐命令の実行を行う方法
が提供され、該方法は、命令フェッチユニット(26)
によって実行されるべき複数の命令をフェッチする段
階、実行ユニット(40)によって実行するために前記
命令をデコードする段階、そして条件分岐命令の検出に
応じて命令フェッチユニット(26)に対し制御信号を
提供する制御回路(18)によって前記データプロセッ
サ(10)の動作を制御する段階であって、前記制御信
号は前記条件分岐命令によって要求される命令フローの
変化の方向が前方向であるかあるいは後方向であるかの
決定に基づき、それぞれ命令フェッチユニットに順次的
な方法で付加的な命令をフェッチさせかつ条件的に実行
するか、あるいは予測されたデスティネイションの命令
にジャンプすることにより付加的な命令をフェッチしか
つ条件的に実行するかを制御するもの、を具備すること
を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、ブロック図形式で、本発
明に係わるパイプライン化されたデータ処理システム1
0を示す。データ処理システム10はメモリ12および
データプロセッサ14を含む。データプロセッサ14は
アドレスバッファ16、アドレスマルチプレクサ24、
制御ユニット18、分岐制御ビットフィールド19、命
令フェッチユニット26、命令デコーダ32、実行ユニ
ット40、バスインタフェースユニット23、データ入
力バッファ20、およびデータ出力バッファ22を含
む。命令フェッチユニット26はプログラム制御計算ブ
ロック28および命令バッファ30を含む。
【0011】メモリ12はアドレスを受けるためにアド
レスバスにかつデータを受けかつ提供するためにデータ
バスに結合されている。メモリ12はスタティックラン
ダムアクセスメモリ(SRAM)、およびダイナミック
ランダムアクセスメモリ(DRAM)のような揮発性メ
モリまたは電気的にプログラム可能なリードオンリメモ
リ(EPROM)およびフラッシュメモリのような不揮
発性メモリを含む任意の種類の伝統的なメモリとするこ
とができる。また、メモリ12はプロセッサ14と同じ
集積回路上にあってもよく、あるいはプロセッサ14の
外部に配置されてもよい。アドレスマルチプレクサ24
は実行ユニット(executionunit)40か
らオペランドアドレスを受けるための第1の複数の入力
端子、命令フェッチユニット26から命令アドレスを受
けるための第2の複数の入力端子、およびアドレスバッ
ファ16に結合された複数の出力端子を有する。アドレ
スマルチプレクサ24は前記オペランドアドレスあるい
は前記命令アドレスをメモリ12に向けるためにバスイ
ンタフェースユニット23によって制御される。命令フ
ェッチユニット26はメモリから選択された命令をその
後フェッチするためにデータ入力バッファ20に結合さ
れている。
【0012】命令デコーダ32はバス42および44を
介して命令フェッチユニット26に結合されている。命
令フェッチユニット26は命令エンコード値(inst
ruction encoding value)を得
るために命令アドレスを提供する。命令デコーダ32は
命令フェッチユニット26から命令エンコード値を受
け、該命令エンコード値をデータプロセッサ14によっ
て実行できるフォーマットに変換することにより該命令
エンコード値を準備し、かつ命令フェッチユニット26
によってフェッチされた命令を選択的にデコードする。
命令デコーダ32はバス42および44を介して実行ユ
ニット40に結合されている。実行ユニット40はメモ
リ12からデータを受けるためにデータ入力バッファ2
0に結合されている。同様に、実行ユニット40はメモ
リ12にデータを提供するためにデータ出力バッファ2
2に結合されている。実行ユニット40は命令デコーダ
32によってデコードされた命令を選択的に実行し、か
つ結果をデータ出力バッファ22に提供する。実行ユニ
ット40は、例えば、演算論理ユニット(ALU)を含
むことができる。
【0013】バスインタフェースユニット23は命令ユ
ニット40からオペランドアクセス要求を受け、かつこ
れに応じて、演算または操作されるべきデータにアクセ
スするためにアクセス制御信号をメモリ12に提供す
る。また、バスインタフェースユニット23は命令フェ
ッチユニット26に結合されて命令のためにメモリ12
にアクセスするための命令アクセス要求を受信する。バ
スインタフェースユニット23はデータ処理システム1
0において命令のシーケンスを調整するためにバス54
を介して制御ユニット18に双方向的に結合されてい
る。
【0014】制御ユニット18は制御バス48を介して
命令フェッチユニット26に双方向的に結合され命令フ
ェッチユニット26の動作を制御する。制御ユニット1
8は制御バス50を介して命令デコーダ32に双方向的
に結合され、かつ制御ユニット18は制御バス52を介
して実行ユニット40に双方向的に結合されている。実
行ユニット40は条件バス(condition bu
s)46を介して命令フェッチユニット26に結合され
て条件情報を命令フェッチユニット26に提供する。図
示された実施形態では、分岐制御フィールド19は前方
向および後方向分岐プリフェッチおよび条件命令の実行
を制御するための政策(policies)を選択する
ための情報を格納する制御ユニット18内のレジスタの
3ビットの制御フィールドである。他の実施形態では、
制御フィールドは1つまたはそれ以上のビットを含むこ
とができる。制御フィールド19は条件フロー命令(c
onditional flow instructi
on)(条件分岐命令)が命令デコーダ32によって検
出されたことに応じて所定の量の時間の間命令フェッチ
ユニット26をディスエーブルすることにより命令フェ
ッチユニット26を直接制御する。制御ユニットは分岐
制御フィールド19に格納された値に応じて命令フェッ
チユニット26に制御信号を提供する。分岐制御フィー
ルド19は命令デコーダ32が条件分岐命令に遭遇した
ことを判定した場合に命令フェッチユニット26がさら
に命令をフェッチするいくつかのモードの動作の内の1
つを決定する(図12を参照)。前記動作モードは条件
分岐命令によって示される命令フローの方向(後方向分
岐または前方向分岐)によって決定される。条件フロー
命令は、例えば、トラップ(trap)またはジャンプ
(jump)命令とすることができる。
【0015】命令フェッチユニット26をディスエーブ
ルすることは所定の量の時間が経過するまでフェッチ動
作を完全に避けることによりデータ処理システム10の
オーバヘッドを低減する。所定量の時間が経過した後、
命令フェッチユニット26は自動的に動作を再開する。
命令フェッチユニット26はまた前方向および後方向分
岐の双方に対してディスエーブルされるようにすること
ができる。
【0016】データ処理システム10は4ステージパイ
プラインで命令を実行する。該4ステージはフェッチス
テージ、デコードステージ、実行ステージ、および書戻
しステージを含む。命令フェッチステージの間に、命令
が、メモリ12のような、メモリから読み出される。該
命令は次に命令デコーダ32においてデコードされる。
デコードされた命令はバス42を介して実行ユニット4
0に提供される。実行ユニット40は命令を実行しかつ
次に結果をデータ出力バッファ22を介してメモリ12
に書き戻す。
【0017】図2は、本発明を説明するのに有用な一連
の命令を示す。本発明を説明する目的で、命令の形式は
重要ではない。従って、図2における各々の命令番号に
関連する命令は単一の文字で表されている。図2の命令
を実行する間に、データ処理システム10は、例えば、
条件分岐命令のような次の順次の(sequentia
l)命令でなくてもよい他の命令へとデータ処理システ
ム10が移行することを要求する命令に遭遇するまで、
順次各命令を実行することになる。図2においては、命
令番号4は“V”と名付けられた条件分岐命令を示して
いる。命令Vを実行した後、データ処理システム10は
順次次の命令を実行するかあるいは命令Vを実行した後
に得られた結果に基づき命令Wに移行することを要求さ
れる。条件または条件的フローは命令Vで発出する曲が
った矢印で表されている。図2に示された一連の命令を
より効率的に実行するため、データ処理システム10は
分岐制御フィールド19に含まれる所定の制御情報に基
づき分岐が命令Xへのものかあるいは命令Wへのものか
を予測しようと試みる。分岐予測を行うべきか否かを決
定することに加えて、分岐制御フィールド19はまた予
測された次の命令ステップの条件的実行が行われるか否
かを決定するために使用できる。
【0018】分岐制御フィールド19はプリフェッチ、
予測および、条件フロー命令に関連する、条件的実行に
対して独立の制御を可能にする。本発明の一態様によれ
ば、分岐制御フィールド19の制御ビットに基づき、次
の命令は実行されている現在の命令において条件が解明
される(resolved)までフェッチされない。次
の命令がフェッチされないから、データ処理ユニット1
0において後に捨てられるかもしれない命令をプリフェ
ッチすることにより生じる遅延は低減される。また、不
必要なプリフェッチおよび実行を除去することにより電
力消費も低減できる。さらに、データ処理システムは命
令をより高速かつより効率的に実行する。加えて、本発
明はユーザが前方向分岐ではなく後方向分岐を、もしそ
れが特定のプログラムがパイプライン化プロセッサにお
いてより効率的に実行されるようにするものであれば、
選択できるようにすることによって柔軟性を加える。
【0019】図3〜図11は、タイミング図形式で、本
発明に係わる分岐制御を説明するための種々の場合を示
している。図3〜図11に示された例は説明の目的で図
2の命令フローを使用する。
【0020】図3は、データ処理システム10において
前方向または後方向分岐におけるプリフェッチが行われ
ないケース1(CASE1)のタイミング図を示す。図
3において、データプロセッサ10の4つのパイプライ
ンステージの各々が示されている。最初のクロックサイ
クルの間に、図2における命令2である、命令Tがフェ
ッチされる。第2のクロックサイクルの間に、命令Uが
フェッチされ、かつ命令Uがフェッチされると同時に、
命令Tがデコードされる。クロックサイクル3におい
て、命令Uがデコードされている間に命令Vがフェッチ
される。命令Vは命令Xおよび命令Wをさし示す矢印に
よって示されるように前方向分岐命令として示されてい
る。もし分岐制御フィールド19(図1)における制御
ビットが何らの前方向分岐もプリフェッチされるべきで
ないことを示せば、クロックサイクル4において、プロ
セッサ10はワード「ストール(stall)」で示さ
れるように次の命令をプリフェッチしないことになる。
しかしながら、命令Vはデコードされかつ命令Uは実行
されることになり、それはこれらがパイプラインのより
後のステージにあるからである。クロックサイクル4に
おけるストールは次のクロックサイクルにおいて命令X
あるいは命令Wのいずれがフェッチされるべきかを知る
ために命令Vが解明できるようにするために挿入され
る。クロックサイクル4の終わりに示されるようにいっ
たん条件が解明されると、適切な命令が次にフェッチで
きる。ケース1に適用される制御フィールドの値につい
ては図12を参照。
【0021】図4は、タイミング図形式で、プリフェッ
チのデスティネイション(destination)が
正しく予測されたケース2(CASE2)を示してい
る。説明の目的で、図4は後方向分岐を示している。し
かしながら、図4は前方向分岐にも同様に適用される。
クロックサイクル1において、図2に示される命令Zが
フェッチされる。クロックサイクル2において、命令Z
がデコードされている間に次の順次的な命令、命令W、
がフェッチされる。クロックサイクル3において、命令
Qがフェッチされ、命令Wがデコードされ、かつ命令Z
が実行される。命令Qは条件的後方向分岐命令であり、
この場合次の命令は命令Sまたは命令Rとすることがで
きる。説明の目的で、命令Sが次の命令となるべきこと
が予測される。従って、命令Sがプリフェッチされ、命
令Qがデコードされ、命令Wが実行され、かつ命令Zが
書き戻される。クロックサイクル4の終わりに、条件が
解明されて命令Sが正しい命令であったことが示されか
つクロックサイクル5において、命令Tがプリフェッチ
され、命令Qが実行され、かつ命令Wが書き戻される間
に命令Sがデコードされる。ケース2においては、パイ
プラインストールは受けない。
【0022】図5は、タイミング図形式で、プリフェッ
チのデスティネイションが間違って予測されたケース3
(CASE3)を示している。クロックサイクル1にお
いて、命令Z(図2)がフェッチされる。クロックサイ
クル2において、命令Wがフェッチされかつクロックサ
イクル3において、命令Qがフェッチされ、かつ命令Q
は条件的後方向分岐命令である。もし後方向分岐プリフ
ェッチが分岐制御フィールド19において選択されてい
れば、命令Sがクロックサイクル4においてプリフェッ
チされる。(ケース3に適用される制御フィールドの値
に対しては図12を参照。)クロックサイクル5の間
に、命令Qが実行されかつ命令Sのプリフェッチが正し
くなかったことが判定される。正しい命令、命令Rがフ
ェッチされる間パイプラインはストールされる。クロッ
クサイクル6においていったん命令Rがフェッチされる
と、通常の実行が再開される。
【0023】図6は、タイミング図形式で、順次のプリ
フェッチが正しく予測されたケース4(CASE4)を
示している。クロックサイクル3において、分岐命令V
がフェッチされるが、それは分岐制御フィールド19が
プリフェッチが続いて起こるべきことを示しているため
である。クロックサイクル4の間に、命令Xがフェッチ
される。クロックサイクル5において、命令Vが実行さ
れかつ条件が解明されて命令Xがプリフェッチすべき正
しい命令であったことを示す。命令Xによって通常の実
行が再開される。
【0024】図7は、タイミング図形式で、命令プリフ
ェッチが順次的またはシーケンシャルでありかつ間違っ
て予測されるケース5(CASE5)を示している。ク
ロックサイクル3において、命令Vがプリフェッチさ
れ、この場合命令Vは条件的前方向分岐命令である。次
の命令はクロックサイクル4において命令Xであるか
ら、命令Xがフェッチされる。クロックサイクル5にお
いて、命令Vが実行される。条件が解明され命令Xがプ
リフェッチすべき間違った命令であったことを示す。プ
リフェッチが間違っていたから、クロッサクイクル6に
おいて、正しい命令、命令W、がフェッチされかつパイ
プラインが再充填される(refilled)。
【0025】図8は、タイミング図形式で、条件的実行
がイネーブルされかつ行われた分岐の予測が正しかった
ケース6(CASE6)を示している。クロックサイク
ル3において、前方向分岐命令Vがフェッチされる。分
岐が取られることが予測され、従って命令Wがフェッチ
される。命令Wは条件が解明される前にクロックサイク
ル6において実行される。クロックサイクル6の後に、
条件が解明され、かつ予測が正しかったことになり、従
ってパイプラインフローは継続することができる。
【0026】図9は、タイミング図形式で、分岐がとら
れるものとして間違って予測された条件的実行を示すケ
ース7(CASE7)を示している。図8について上で
述べたように、命令Wは次の命令であるべきことが予測
される。しかしながら、この場合命令Wは間違った命令
である。従って、クロックサイクル6の終わりに、条件
が解明されかつクロックサイクル7において、正しい命
令、命令X、がフェッチされかつパイプラインは正しい
命令によって再充填されなければならない。
【0027】図10は、タイミング図形式で、分岐がと
られないものと正しく予測された条件的実行を示すケー
ス8(CASE8)を図示している。クロックサイクル
3において、命令Vは前方向分岐命令であり、かつ予測
が行われないから、次の順次的な命令、命令X、がフェ
ッチされる。命令Xが実行されたクロックサイクル6の
終わりに、条件が正しく解明されかつパイプラインフロ
ーは乱されない状態に留まっている。
【0028】図11は、タイミング図形式で、分岐予測
が行われないものと間違って予測された条件的実行を示
すケース9(CASE9)を図示している。クロックサ
イクル3において分岐命令Vをフェッチした後、フェッ
チされるべき次の順次的な命令は命令Xである(図2を
参照)。図11のクロックサイクル6の終わりに、条件
が間違いで解明される。正しい命令は命令Wであるべき
であるから、命令Wがクロックサイクル7においてフェ
ッチされかつパイプラインはそれが正しい命令によって
充填される間ストールする。
【0029】図12は、図1の分岐制御フィールド19
に対する制御値および各々の制御値に対応する適用可能
なケース1〜9のテーブルを示す。分岐制御フィールド
19はデータ処理10に対するプログラマのモデルの部
分である。図示された実施形態では、分岐制御フィール
ド19は実行されるべき命令のシーケンス内で適切な命
令を挿入することにより更新できる。これはプリフェッ
チおよび条件的実行の双方に対する前方向および後方向
条件分岐の双方において分岐予測の効率的な使用を可能
にする。
【0030】次に、図12における各々の制御値に対し
てとられる動作または行動(actions)の概要を
示す。
【0031】もし分岐制御フィールドが000を含んで
いれば、前方向あるいは後方向分岐に対するプリフェッ
チ予測は分岐条件が解明されるまで行われない。
【0032】もし分岐制御フィールドが001を含んで
いれば、後方向分岐のデスティネイションがプリフェッ
チされるが、前方向分岐に対するプリフェッチ予測はな
い。
【0033】もし分岐制御フィールドが010を含んで
いれば、デスティネイションをプリフェッチしかつ後方
向分岐デスティネイションの条件的実行を可能にし(す
なわち、後方向予測が行われかつ、条件的実行と共に、
デスティネイションをプリフェッチ)、前方向分岐に対
するプリフェッチ予測はない。
【0034】もし分岐制御フィールドが011を含んで
いれば、後方向分岐のデスティネイションをプリフェッ
チし(すなわち、予測が行われかつデスティネイション
をプリフェッチするが、条件的実行はない)、前方向分
岐に対する順次的な命令をプリフェッチする(すなわ
ち、予測は行われないが、条件的実行はない)。
【0035】もし分岐制御フィールドが100を含んで
いれば、両方の分岐方向のデスティネイションをプリフ
ェッチする(すなわち、予測が行われるが、条件的実行
はない)。
【0036】もし分岐制御フィールドが101を含んで
いれば、両方の分岐方向のデスティネイションをプリフ
ェッチし、予測された後方向分岐の条件的実行を可能に
する(すなわち、予測が行われるが、前方向分岐に対す
る条件的実行はない)。
【0037】もし分岐制御フィールドが110を含んで
いれば、両方の分岐方向のデスティネイションをプリフ
ェッチし、予測された分岐の条件的実行を可能にする
(すなわち、予測が行われ、かつすべての分岐に対する
条件的実行を可能にする)。
【0038】もし分岐制御フィールドが111を含んで
いれば、後方向分岐のデスティネイションをプリフェッ
チし、予測された後方向分岐の条件的実行を可能にする
(すなわち、予測が行われかつデスティネイションをプ
リフェッチし、条件的実行を可能にする)。前方向分岐
に対する順次的な命令をプリフェッチする(すなわち、
予測は行われず、条件的実行を可能にする)。
【0039】
【発明の効果】プリフェッチ予測または予測プリフェッ
チおよび分岐命令に対する条件的実行に対して独立に制
御を可能にすることにより、処理時間をより効率的に使
用することが可能になり、それは間違った予測の結果と
してのパイプラインストールが低減できるからである。
【0040】本発明がその特定の実施形態に関して説明
されかつ示されたが、本発明はこれらの例示的な実施形
態に限定されるものではない。当業者は本発明の精神か
ら離れることなく変更および修正を行うことができるこ
とを認識するであろう。従って、本発明は添付の特許請
求の範囲内に入るすべてのそのような変更および修正を
含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるパイプライン化データ処理シス
テムを示すブロック図である。
【図2】本発明を説明するのに有用な一連の命令を示す
説明図である。
【図3】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図4】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図5】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図6】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図7】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図8】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図9】本発明に係わる分岐制御を説明するために種々
の場合を示すタイミング図である。
【図10】本発明に係わる分岐制御を説明するために種
々の場合を示すタイミング図である。
【図11】本発明に係わる分岐制御を説明するために種
々の場合を示すタイミング図である。
【図12】図1の分岐制御フィールドに対する制御値お
よび各々の制御値に関連する行動に対応する適用可能な
ケース1〜9をテーブル形式で示す説明図である。
【符号の説明】
10 パイプライン化データ処理システム 12 メモリ 14 データプロセッサ 16 アドレスバッファ 18 制御ユニット 19 分岐制御ビットフィールド 20 データ入力バッファ 22 データ出力バッファ 23 バスインタフェースユニット 24 アドレスマルチプレクサ 26 命令フェッチユニット 28 プログラム制御計算ブロック 30 命令バッファ 32 命令デコーダ 40 実行ユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのチェンジオブフロー命
    令を含む、複数の命令を実行するデータプロセッサ(1
    0)であって、 前記複数の命令の内の選択されたものを順次フェッチす
    るための命令プリフェッチユニット(26)、 前記命令プリフェッチユニット(26)に結合され前記
    命令プリフェッチユニット(26)によってフェッチさ
    れた前記複数の命令の内の選択されたものを選択的にデ
    コードするための命令デコードユニット(32)、 前記命令デコードユニット(32)に結合された命令実
    行ユニット(40)であって、該命令実行ユニット(4
    0)は前記命令デコードユニット(40)によってデコ
    ードされた前記複数の命令を選択的に実行するもの、そ
    して前記命令プリフェッチユニット(26)、前記命令
    デコードユニット(32)および前記命令実行ユニット
    (40)に結合された制御ユニット(18)であって、
    該制御ユニット(18)は記憶された制御値を有し、該
    記憶された制御値は前記命令デコードユニット(32)
    によって条件的フロー命令が検出されたことに直接応答
    して命令プリフェッチユニット(26)がさらなる命令
    をフェッチすることを所定の量の時間の間選択的にディ
    スエーブルすることにより命令プリフェッチユニット
    (26)を直接制御し、前記命令プリフェッチユニット
    (26)のディスエーブルは前記所定量の時間が経過す
    るまでフェッチ動作を完全に避けることによりデータプ
    ロセッサ(10)のオーバヘッドを低減し、所定量の時
    間が経過した時点で命令プリフェッチユニット(26)
    によるプリフェッチは自動的に再開されるもの、 を具備することを特徴とする少なくとも1つのチェンジ
    オブフロー命令を含む、複数の命令を実行するデータプ
    ロセッサ(10)。
  2. 【請求項2】 データプロセッサ(10)における、条
    件分岐命令の実行を制御するための装置であって、 命令エンコード値を得るために命令アドレスを提供する
    命令フェッチ回路(26)であって、該命令フェッチ回
    路は制御入力を有するもの、 前記命令フェッチ回路(26)に結合された入力を有し
    前記命令エンコード値を受けるための命令デコーダ(3
    2)であって、該命令デコーダ(32)は前記命令エン
    コード値を前記データプロセッサによって実行できる形
    式に変換することにより前記命令エンコード値を準備す
    るもの、 前記命令デコーダ(32)に結合され命令を実行するた
    めの実行ユニット(40)、そして前記命令フェッチ回
    路(26)、前記命令デコーダ(32)および前記実行
    ユニット(40)の各々に結合された制御ユニット(1
    8)であって、該制御ユニット(18)は分岐制御値に
    応答して制御信号を前記命令フェッチ回路(26)の前
    記制御入力に提供し、前記分岐制御値は前記命令デコー
    ダ(32)が条件分岐命令に遭遇したことを判定した場
    合にさらなる命令をフェッチする複数の動作モードの内
    の1つを決定し、前記複数の動作モードは前記条件分岐
    命令によって示される命令フローの方向によって決定さ
    れるもの、 を具備することを特徴とするデータプロセッサ(10)
    における、条件分岐命令の実行を制御するための装置。
  3. 【請求項3】 データプロセッサ(10)においてチェ
    ンジオブフロー命令を実行する方法であって、 命令プリフェッチユニット(26)によって複数の命令
    の内の選択されたものを順次フェッチする段階、 フェッチされた前記複数の命令の内の選択されたものを
    選択的にデコードする段階、 デコードされた前記複数の命令の内の選択されたものを
    選択的に実行する段階、そして条件フロー命令が検出さ
    れたことに直接応答して所定量の時間の間前記命令プリ
    フェッチユニット(26)がさらなる命令をフェッチす
    ることを選択的にディスエーブルすることによって前記
    命令プリフェッチユニット(26)を直接制御する制御
    値を使用する段階であって、前記ディスエーブルは前記
    所定量の時間が経過するまでフェッチ動作を完全に避け
    ることにより前記データプロセッサ(10)のオーバベ
    ッドを低減し、前記所定量の時間が経過した時点で前記
    命令プリフェッチユニット(26)によるプリフェッチ
    は自動的に再開されるもの、 を具備することを特徴とするデータプロセッサ(10)
    におけるチェンジオブフロー命令を実行する方法。
  4. 【請求項4】 データプロセッサ(10)における、条
    件分岐命令の実行を制御する方法であって、 命令アドレスをフェッチしかつ命令エンコード値を得る
    段階、 前記命令エンコード値をデコードする段階、 前記命令エンコード値を実行する段階、そして前記フェ
    ッチする段階を制御するために制御信号を提供する段階
    であって、該制御信号は分岐制御値に応じて提供され、
    該分岐制御値は条件分岐命令に遭遇した場合にさらなる
    命令がフェッチされる複数のモードの命令フェッチの1
    つを決定し、前記複数のモードの動作は前記条件分岐命
    令によって示される命令フローの方向によって決定され
    るもの、 を具備することを特徴とするデータプロセッサ(10)
    における、条件分岐命令の実行を制御する方法。
  5. 【請求項5】 データプロセッサ(10)における条件
    分岐命令の実行を行う方法であって、 命令フェッチユニット(26)によって実行されるべき
    複数の命令をフェッチする段階、 実行ユニット(40)によって実行するために前記命令
    をデコードする段階、そして条件分岐命令の検出に応じ
    て命令フェッチユニット(26)に対し制御信号を提供
    する制御回路(18)によって前記データプロセッサ
    (10)の動作を制御する段階であって、前記制御信号
    は前記条件分岐命令によって要求される命令フローの変
    化の方向が前方向であるかあるいは後方向であるかの決
    定に基づき、それぞれ命令フェッチユニットに順次的な
    方法で付加的な命令をフェッチさせかつ条件的に実行す
    るか、あるいは予測されたデスティネイションの命令に
    ジャンプすることにより付加的な命令をフェッチしかつ
    条件的に実行するかを制御するもの、 を具備することを特徴とするデータプロセッサ(10)
    における条件分岐命令の実行を行う方法。
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