JPH1194975A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

原子炉用制御棒

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JPH1194975A
JPH1194975A JP9254950A JP25495097A JPH1194975A JP H1194975 A JPH1194975 A JP H1194975A JP 9254950 A JP9254950 A JP 9254950A JP 25495097 A JP25495097 A JP 25495097A JP H1194975 A JPH1194975 A JP H1194975A
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JP
Japan
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neutron absorbing
rod
control rod
support means
neutron
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Application number
JP9254950A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Kikuchi
義春 菊地
Akira Koizumi
章 小泉
Koichi Machida
浩一 町田
Norio Kawashima
範夫 川島
Yasuyuki Goto
靖之 後藤
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】制御棒製造時における中性子吸収棒の上下の逆
転を防止することができる原子炉用制御棒を提供する 【解決手段】制御棒1は、沸騰水型原子炉炉心(図示せ
ず)の非制御セルに配置されるものであり、複数の中性
子吸収棒2と、これら複数の中性子吸収棒2の上部及び
下部をそれぞれ支持する上部支持手段としてのハンドル
3及び下部支持手段としての下部支持板4とを有し、複
数の中性子吸収棒2で中性子を吸収することにより原子
炉の出力制御を行う。そして、上部端栓10と上部支持
手段としてのハンドル3の間の接続部分を凹凸嵌合構造
とし、下部端栓11と下部支持手段としての下部支持板
4の間の接続部分を単なる上下方向接触構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉に係わり、
特に、原子炉停止時に用いられる原子炉用制御棒及びこ
の制御棒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子力エネルギーの核燃料リサイ
クルにおいて、再処理によって使用済み燃料から取り出
されたプルトニウムをウランと混合し、ウラン・プルト
ニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)として、軽水炉で
利用することが考えられている。この際、経済性の向上
を目的としたMOX燃料の高燃焼度化のニーズや、プル
トニウム使用量増加及びMOX燃料利用の集中を目的と
した炉心へのMOX燃料装荷率増加のニーズがある。
【0003】MOX燃料は、その核分裂性物質であるプ
ルトニウム−239やプルトニウム−241の熱中性子
吸収断面積がウラン−235より大きいこと、及びプル
トニウム−240による中性子の吸収がウラン−238
より大きいこと等により、ウラン燃料よりも熱中性子の
割合が減少し、中性子スペクトルが硬くなるという性質
がある。このようなMOX燃料の高燃焼度化を図るため
には、燃料の持つ反応度を高める必要があるが、そのた
めにMOX燃料のプルトニウム富化度を増加させると、
中性子スペクトルの硬化が増す傾向がある。一方、MO
X装荷率を高めるためには、例えば中性子スペクトルが
より軟らかいウラン燃料の装荷率を減少させればよい
が、これによっても中性子スペクトルの硬化が増す傾向
がある。
【0004】中性子スペクトルが硬化すると、制御棒構
成材中の熱中性子吸収物質であるB4Cやハフニウム等
の熱中性子吸収効果が低下するので、制御棒価値が低下
する。制御棒価値が低下すると、原子炉を停止したとき
の臨界への裕度を示す指標である炉停止余裕(未臨界
度)が減少する。したがって、低下した炉停止余裕は何
らかの手段により増加させる必要がある。炉停止余裕を
向上させる手段としては、制御棒価値の増加、ウォータ
ロッド等の増加による水対燃料体積比の増加、ガドリニ
ア等の燃料中に混入する可燃性毒物質濃度の増加等があ
る。しかしながら、これらのうち、ウォータロッド等の
増加による水対燃料体積比の増加は、プルトニウムの装
荷量の減少や燃料集合体等の形状変更を伴う。また、可
燃性毒物濃度増加は毒物のサイクル末期での燃え残りを
発生し、反応度を損失する。以上の理由から、炉停止余
裕を向上させる手段としては、炉心設計への影響が少な
い制御棒価値の増加が適切である。
【0005】この制御棒価値を増加することを目的とし
た公知技術例としては、例えば、特開昭57−9889
3号公報がある。一般に、B4Cが熱中性子吸収材に使
用されるのは、天然に産出されるボロンに、熱中性子吸
収断面積が非常に大きい質量数10の同位体10Bが約2
0%含まれているからである。従って、使用するB4
中の10B濃度を濃縮によって高めることによって制御棒
価値を増加させることができる。上記公知技術は、濃縮
ボロンを用いてB4C単位重量当たりの熱中性子吸収量
を増加させることにより、使用するB4Cの量を低減し
つつ、制御棒価値を高めるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術においては、濃縮ボロンは天然ボロンに比べ濃縮
コストの関係上高価であり、したがって制御棒も高価に
なり、コスト低減が困難となるという課題があった。
【0007】そこで、この課題に対応して、製造コスト
を高騰させることなく十分な制御棒価値を確保できる技
術が提唱されており、例えば、特開平3−262994
号公報には、制御棒を構成する中性子吸収棒中に内包さ
れるB4Cペレットにおいて、ステンレス被覆管に隣接
した径方向外周領域にのみ10B濃度を濃縮した濃縮ホウ
素を配置する一方、径方向内側領域には天然ホウ素を配
置する。
【0008】また、上記課題に対応する他の構成とし
て、本件出願人は、特願平8−189266号(出願
日:平成8年7月18日)にて、炉心の非制御セルに配
置され、原子炉運転中は該炉心から引き抜かれるととも
に該原子炉停止時に該炉心に挿入され、中性子吸収材と
してB4Cが用いられた沸騰水型原子炉用制御棒におい
て、相対的に上部の領域における前記B4C中の10B濃
縮度を、相対的に下部の領域における前記B4C中の10
B濃縮度よりも大きくしたことを特徴とする沸騰水型原
子炉用制御棒を提案した。この先願発明では、炉停止余
裕が相対的に低下する炉心上部領域に対応し、制御棒の
うち相対的に上部の領域に10Bの濃縮度が大きいB4
を充填し、炉停止余裕の相対的に大きい炉心下部の領域
には10Bの濃縮度が小さいB4C、例えば天然ボロンを
原料とするB4Cを充填することにより、全体としての
制御棒価値を大きく低下させることなく十分に確保して
炉停止余裕を向上させつつ、使用する濃縮ボロンの量を
低減し、製造コスト低減を図ることに成功した。
【0009】しかし、上記先願発明に提案された制御棒
は、新たに以下のような別の課題を生じる。すなわち、
一般に、制御棒を製造する際には、平板を横断面略U字
形となるように折り曲げてシースを形成し、B4Cを充
填した多数の中性子吸収棒をそのシース内に挿入配列
し、この状態で、これら中性子吸収棒及びシースを径方
向中心部に配置されたタイロッドに固定する。これによ
り、この多数の中性子吸収棒を包含したシースを、予め
タイロッドを介し連結固定されていたハンドルと下部支
持板(又は落下速度リミッタ)との間に挿入配置する。
このとき、従来、中性子吸収棒は上下対称の形状をして
おり製造組立時に上下の外見上の区別がつかなかった
が、中性子吸収棒内の10Bの上下方向濃縮度分布がなか
ったため、中性子吸収棒をシース内に挿入配置するとき
上下が逆転したとしても性能上支障は生じなかった。し
かしながら、上記先願発明のように上部領域と下部領域
とで10B濃縮度に差があると、上下が逆転すると中性子
吸収能力が減少することとなる。そして、上下逆であっ
たとしても、上下の外見上の区別がつかないことから、
そのまま原子炉に装荷されてしまう可能性がある。その
ため、設計通りの制御棒価値を得られなくなって中性子
吸収能力が減少する可能性がないとは言えず、信頼性の
面で課題がある。
【0010】本発明は、製造時における中性子吸収棒の
上下の逆転を防止することができる原子炉用制御棒を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、外皮を形
成する被覆管とこの被覆管の上端及び下端をそれぞれ密
封する上部端栓及び下部端栓とを備えその密封された被
覆管の内部に中性子吸収材を充填した複数の中性子吸収
棒と、これら複数の中性子吸収棒の上部及び下部をそれ
ぞれ支持する上部支持手段及び下部支持手段とを有し、
前記複数の中性子吸収棒で中性子を吸収することにより
原子炉の出力制御を行う原子炉用制御棒において、前記
中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間の接続部
分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支持手段と
の間の接続部分のうち、少なくとも一方を凹凸嵌合構造
とする。例えば、中性子吸収棒の上部と上部支持手段と
の間の接続部分、及び中性子吸収棒の下部と下部支持手
段との間の接続部分のうち、一方を凹凸嵌合構造とし他
方を単なる上下方向接触構造とする。これにより、中性
子吸収棒の上下位置を正しく配置したときには一方側に
おいて凹凸嵌合用の凹形状と凹凸嵌合用の凸形状とを正
しく嵌合させ、中性子吸収棒を配置するのに必要な上部
支持手段と下部支持手段との間の上下方向距離を比較的
短くできる。その一方、上下位置を誤って逆転させて配
置しようとしたときには、凹凸嵌合用の凹形状と凹凸嵌
合用の凸形状とが向き合わず嵌合しなくなる分、中性子
吸収棒を配置するのに必要な上部支持手段と下部支持手
段との間の上下方向距離を長くすることができる。また
例えば、中性子吸収棒の上部と上部支持手段との間の接
続部分、及び中性子吸収棒の下部と下部支持手段との間
の接続部分の両方を凹凸嵌合構造とし、かつ、中性子吸
収棒の上部及び下部のうち一方は凹凸嵌合用の凹形状を
備え、他方は凹凸嵌合用の凸形状を備える。つまりこの
場合、この上部及び下部の形状に対応して、上部支持手
段及び下部支持手段のうち一方が凹凸嵌合用の凸形状、
他方は凹凸嵌合用の凹形状を備えることとなる。これに
より、中性子吸収棒の上下位置を正しく配置したときに
は、一方側で凹凸嵌合用の凹形状と凸形状とを正しく嵌
合させるとともに他方側でも凹凸嵌合用の凸形状と凹形
状とを正しく嵌合させ、中性子吸収棒を配置するのに必
要な上部支持手段と下部支持手段との間の上下方向距離
を比較的短くできる。その一方、上下位置を誤って逆転
させて配置しようとしたときには、凹凸嵌合用の凹形状
どうし及び凹凸嵌合用の凸形状どうしが向き合って嵌合
しなくなる分、中性子吸収棒を配置するのに必要な上部
支持手段と下部支持手段との間の上下方向距離を長くす
ることができる。したがって、以上述べたような中性子
吸収棒の配置に必要な上下方向の距離の差を利用するこ
とにより、例えば中性子吸収棒において中性子吸収材と
して用いるB4Cに含有される10Bに上下方向濃縮度分
布がある場合、中性子吸収棒の上下方向を正しく配置し
ようとしているか、誤って上下逆転させて配置しようと
しているかを識別することができる。すなわち、予め上
部支持手段と下部支持手段とを比較的短い所定の距離を
おいて固定しておけば、上下を誤って逆転させて配置し
ようとしたときには、上部支持手段と下部支持手段との
間に中性子吸収棒を挿入配置できないようにすることが
できる。このようにすることで、制御棒製造時における
中性子吸収棒の上下逆転を防止することができる。
【0012】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間の接
続部分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支持手
段との間の接続部分のうち、一方を凹凸嵌合構造とし、
他方を単なる上下方向接触構造とする。
【0013】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間
の接続部分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支
持手段との間の接続部分の両方を凹凸嵌合構造とし、か
つ、前記中性子吸収棒の上部及び下部のうち、一方は凹
凸嵌合用の凹形状を備え、他方は凹凸嵌合用の凸形状を
備えている。
【0014】(4)上記(1)において、また好ましく
は、前記上部端栓と前記上部支持手段との間の接続部
分、及び前記下部端栓と前記下部支持手段との間の接続
部分のうち、少なくとも一方を凹凸嵌合構造とする。
【0015】(5)上記(1)において、また好ましく
は、前記上部支持手段は、横断面略十字形状のタイロッ
ドの上端近傍に固定されたハンドルを備えている。
【0016】(6)上記(1)において、また好ましく
は、前記上部支持手段は、前記複数の中性子吸収棒を包
含するシースの上端近傍に設けられた張り出し部分をさ
らに備えている。
【0017】(7)上記(1)において、また好ましく
は、前記下部支持手段は、該原子炉用制御棒を駆動する
制御棒駆動装置に接続された下部支持板又は落下速度リ
ミッタを備えている。
【0018】(8)上記(1)において、好ましくは、
前記複数の中性子吸収棒は内部に充填された前記中性子
吸収材がB4Cであり、かつそれら複数の中性子吸収棒
のうち少なくとも1つは、B4C中に含まれる10Bが上
下方向濃縮度分布を備えている。
【0019】(9)上記目的を達成するために、また本
発明は、内部に中性子吸収材を充填した複数の中性子吸
収棒と、これら複数の中性子吸収棒の上部及び下部をそ
れぞれ支持する上部支持手段及び下部支持手段とを有す
る原子炉用制御棒の製造方法において、前記上部支持手
段と前記下部支持手段とを所定の距離をおいて相互に連
結して固定し、前記中性子吸収棒の上部及び下部のうち
少なくとも一方に凹凸嵌合用の凸形状を形成し、この凸
形状に嵌合する形状を備えた冶具を用い、凹凸嵌合を形
成しつつ前記複数の中性子吸収棒の上下方向の向きを揃
えて束ね、この束ねられた複数の中性子吸収棒を、前記
上部支持手段と前記下部支持手段との間に挿入配置す
る。冶具と中性子吸収棒との凹凸嵌合を利用して中性子
吸収棒の上下方向向きを揃えて束ねることにより、制御
棒製造時における一部の中性子吸収棒の上下逆転を未然
かつ確実に防止することができる。
【0020】(10)上記目的を達成するために、また
本発明は、内部に中性子吸収材を充填した複数の中性子
吸収棒と、これら複数の中性子吸収棒の上部及び下部を
それぞれ支持する上部支持手段及び下部支持手段とを有
する原子炉用制御棒の製造方法において、前記上部支持
手段と前記下部支持手段とを所定の距離をおいて相互に
連結して固定し、前記中性子吸収棒の上部及び下部のう
ち少なくとも一方に凹凸嵌合用の凸形状を形成するとと
もにその凸形状に略水平方向の貫通穴を形成し、この貫
通穴を貫通する形状を備えた冶具を用い、凹凸嵌合を形
成しつつ前記複数の中性子吸収棒の上下方向の向きを揃
えて束ね、この束ねられた複数の中性子吸収棒を、前記
上部支持手段と前記下部支持手段との間に挿入配置す
る。冶具を凸形状に設けられた貫通穴に通しつつ中性子
吸収棒の上下方向向きを揃えて束ねることにより、制御
棒製造時における一部の中性子吸収棒の上下逆転を未然
かつ確実に防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。以下の実施形態はいずれも、沸騰
水型原子炉の炉心に挿入される制御棒の実施形態であ
る。
【0022】本発明の第1の実施形態を図1〜図6によ
り説明する。本実施形態による制御棒の全体構造を表す
斜視分解図を図2に、図2中A−A断面による横断面図
を図3に示す。図2及び図3において、本実施形態によ
る制御棒1は、沸騰水型原子炉炉心(図示せず)の非制
御セルに配置されるものであり、複数の中性子吸収棒2
と、これら複数の中性子吸収棒2の上部及び下部をそれ
ぞれ支持する上部支持手段としてのハンドル3及び下部
支持手段としての下部支持板4とを有し、複数の中性子
吸収棒2で中性子を吸収することにより原子炉の出力制
御を行うものである。そして、原子炉運転中は炉心から
引き抜かれるとともに原子炉停止時に炉心に挿入される
ようになっている。
【0023】中性子吸収棒2は、横断面略U字形状(図
3参照)の4つのシース5に包含されるように配列され
ている。各シース5は、ステンレス製平板を折り曲げて
形成されるものであり、その両端部分が、制御棒1の軸
心に配置され横断面が略十字形状のステンレス製のタイ
ロッド6に取り付けられている。これら4つのシース5
及びそれらに包含される中性子吸収棒2が、軸心から四
方に延びる4つのブレード8を構成しており、これによ
って4つのブレード8の横断面形状は略十字形となって
いる。
【0024】ハンドル3は、下部にある保持部3aの軸
心側がタイロッド6の上端近傍に溶接固定され、これに
よってブレード8の上方に配置されている。また保持部
3aには、シース5の上端部が保持部3aの下端部を外
側から包み込むように溶接固定されている。
【0025】下部支持板4は、上部にある保持部4aの
軸心側がタイロッド6の下端近傍に溶接固定され、これ
によってブレード6の下方に配置される。また保持部4
aには、シース5の下端部が保持部4aの上端部を外側
から包み込むように溶接固定されている。さらに下部支
持板4の下端部は、図示しない接続手段を介し、制御棒
1を駆動する公知の制御棒駆動装置(図示せず)に接続
されている。
【0026】本実施形態の要部は、中性子吸収棒2の形
状及び中性子吸収棒2とハンドル3との接続部分の構造
にある。以下これを図1及び図4により詳細に説明す
る。図1(a)は、本実施形態による制御棒1の中性子
吸収棒2近傍の詳細構造を表す縦断面図である。この図
において、中性子吸収棒2は、外皮を形成するステンレ
ス製の被覆管9と、この被覆管9の上端及び下端をそれ
ぞれ密封する上部端栓10及び下部端栓11と、上部端
栓10の下側及び下部端栓11の上側にそれぞれ設けら
れたスチールウール13,13を備え、その密封された
被覆管9の内部に中性子吸収材として炭化ホウ素(B4
C)7を充填した構造となっており、シース5内に配置
されてハンドル3の保持部3aと下部支持板4の保持部
4aとの間に保持される。このとき中性子吸収棒2は、
シース5とハンドル保持部3aと下部支持板保持部4a
とに囲まれた空間内に挿入配置されているだけで、シー
ス5には固定されておらず、またハンドル保持部3a及
び下部支持板保持部4aにも固定されておらず接続され
ている(ハンドル保持部3aには嵌合、下部支持板保持
部4aには単なる接触、詳細は後述)だけである。また
このとき、中性子吸収棒2は、被覆管9中の空間が、ス
テンレス鋼製の複数の仕切り球12によって上下方向に
複数個に分割され、各分割部分に異なる種類の中性子吸
収材を充填可能になっている。中性子吸収棒2はこれを
利用して、その内部に充填されたB4C中に含まれる10
Bに上下方向濃縮度分布を設定するようになっている。
すなわち例えば、図4(a)に示されるように、中性子
吸収棒2を有効長全長のほぼ真ん中、すなわち上端から
の距離が中性子吸収棒2の有効長全長の約1/2である
位置で上下2領域に分割したとき、上部領域に10B濃縮
ボロンを使用したB4Cを充填し、下部領域には天然ボ
ロンを原料としたB4Cを充填している。なお、これに
代わり、図4(b)に示されるように、下部領域に濃縮
度が相対的に低い10B濃縮ボロンを原料としたB4Cを
充填し、上部領域に濃縮度が相対的に高い10B濃縮ボロ
ンを使用したB4Cを充填してもよい。
【0027】そして、本実施形態の最も大きな特徴は、
上部端栓10と上部支持手段としてのハンドル3の間の
接続部分を凹凸嵌合構造とし、下部端栓11と下部支持
手段としての下部支持板4の間の接続部分を単なる上下
方向接触構造としたことにある。すなわち、上部端栓1
0の上端部に凹凸嵌合用の凸形状として長い突起部10
aを設けるとともに、ハンドル3の保持部3aの下端部
にその突起部10aと嵌合する凹凸嵌合用の凹形状とし
て凹溝3aAを形成する(図1(b)参照)。この凹溝
3aAは、上部端栓突起部10aを全長を挿入可能な形
状及び寸法を備えている。また、下部端栓11には上部
端栓突起部10aより短い突起部11aを設ける一方、
下部支持板保持部4aの頂面4aAを下部端栓突起部1
1aを載置するような通常の平面状としている。
【0028】ここで、上記構成の制御棒1の製造は、通
常のこの種の制御棒と同様、以下のような手順で行う。
すなわち、まず第1手順として、タイロッド6にハンド
ル3の保持部3a及び下部支持板4の保持部4aを溶接
固定する。このときハンドル3と下部支持板4とが所定
の距離La(図1(a)参照)をおいて相互に連結され
るように固定する。なおこのLaは、上部端栓突起部1
0aの根元から下部端栓突起部11aの先端までの距離
L1(後述)に等しいか、好ましくはL1よりわずかに大
きくなっている。その後、第2手順として、シース5の
開口部側から、シース5内側の空間に中性子吸収棒2を
順次挿入し、所定個数の中性子吸収棒2を束ねるように
配列する。そして、第3手順として、内側空間に複数個
の中性子吸収棒2を配列した状態のまま、シース5を、
ハンドル3と下部支持板4との間に挿入配置する。この
とき、シース5内の複数の中性子吸収棒2を制御棒の軸
心方向にスライドさせ上部端栓突起部10aを保持部凹
溝3aAに滑り込ませるようにしながら、シース5を取
り付ける。その後、第4手順として、シース5をハンド
ル3及び下部支持板4に溶接固定し、これによって図2
に示される構造が完成する。
【0029】次に、上記構成の本実施形態による作用を
説明する。すなわち、本実施形態においては、中性子吸
収棒2の上部端栓10とハンドル3の間の接続部分を凹
凸嵌合構造とし、下部端栓11と下部支持板4の間の接
続部分を単なる上下方向接触構造とする。これにより、
上記第2手順と、第3手順との両方において、中性子吸
収棒2の上下逆転を防止できる。
【0030】(1)第2手順における上下逆転防止作用 すなわち、中性子吸収棒2の上部端栓10には長い突起
部10aがあるのに対し、下部端栓11には短い突起部
11aのみしかなく、これらの形状は一見して明らかに
異なる。したがって、上記第2手順で、シース5の開口
部側からシース5内側の空間に中性子吸収棒2を順次挿
入し、所定個数の中性子吸収棒2を束ねるように配列す
るとき、一部の中性子吸収棒2が誤って上下逆転してい
ればそれを目視で識別することができる。したがって、
中性子吸収棒2の上下逆転を未然に防止できる。
【0031】しかしながら、この第2手順で、一部の中
性子吸収棒2の上下逆転を見逃してしまう可能性がない
とは言えない。また、全部の中性子吸収棒2の上下方向
を正しく揃えてシース5内に配置したが、シース5が上
下対称構造であるため、下部端栓11と下部支持板4の
間に挿入配置するときにシース5ごと全部の中性子吸収
棒2が上下逆転したまま配置しようとする可能性があ
る。この場合、次の(2)の作用で確実に上下逆転を防
止する。
【0032】(2)第4手順における上下逆転防止作用 すなわち、本実施形態においては、中性子吸収棒2の上
下位置を正しく配置するときには、図1(a)に示すよ
うに、ハンドル保持部3aの凹溝3aAと上部端栓突起
部10aとを正しく嵌合させて突起部10aの長さを吸
収できるので、中性子吸収棒2を配置するのに必要なハ
ンドル3と下部支持板4との間の上下方向距離は、上部
端栓突起部10aの根元から下部端栓突起部11aの先
端までの距離L1(≒La)以上となる。これに対して、
中性子吸収棒2の上下位置を誤って逆転させて配置しよ
うとしたときには、図1(c)に示すように、凹凸嵌合
用の凹形状である凹溝3aAと凹凸嵌合用の凸形状であ
る上部端栓突起部10aとが反対側となって向き合わず
嵌合しなくなる分突起部10aの長さを吸収できないの
で、中性子吸収棒2を配置するのに必要なハンドル3と
下部支持板4との間の上下方向距離は、下部端栓突起部
11a先端から上部端栓突起部10aの先端までの距離
L2(>La)以上となる。以上により、これらL1とL2
との差を利用し、中性子吸収棒2の上下方向を正しく配
置しようとしているか、誤って上下逆転させて配置しよ
うとしているかを識別することができる。すなわち、前
述したように上記第1手順でハンドル3と下部支持板4
とは間隔La(≒L1)で固定されているので、上記第3
手順でシース5をハンドル3・下部支持板4に取り付け
ようとするとき、誤って上下を逆転させている場合に
は、上述したようにL2がLaより大きいため上下逆転し
ている中性子吸収棒2がハンドル3若しくは下部支持板
4に干渉し挿入できない。これにより、中性子吸収棒2
の上下逆転を確実に防止することができる。
【0033】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、制御棒1の製造時における中性子吸収棒2の上下逆
転を防止することができる。したがって、内部に充填さ
れたB4C中に含まれる10Bが上下方向濃縮度分布を備
える場合にも先願発明のように中性子吸収能力が減少す
る可能性が生じるのを防止できるので、制御棒1の信頼
性を向上することができる。またこのとき、先願発明の
制御棒と比較して異なるのは、中性子吸収棒2の上部端
栓10に長い突起部10aを設けることと、ハンドル3
に凹溝3aAを形成する加工が加わることのみであるる
ため、製造工程の追加・変更や新規設備の導入の必要が
ほとんどなく、コスト高を招くことがない。また、制御
棒1の全長・幅、ブレード8の厚さ、下部支持板4の寸
法、ハンドル3の大部分(凹溝3aA以外)の寸法は先
願発明と同一で足りる。そのため、沸騰水型原子炉下方
に通常設けられている制御棒案内管(図示せず)や炉心
支持金具(同)を大きくする等の変更を行う必要がな
く、この意味でもコスト高を招くことがない。さらに、
先願発明の制御棒とほぼ同等の重量となるため、先願発
明と同様の制御棒駆動装置を用いてもそのまま良好な制
御棒の操作性を確保できる。また、先願発明の場合には
中性子吸収棒の形状が上下対称であって区別がつかない
ため、前述したような中性子吸収能力が減少する可能性
が生じるのを防止するために、その上下対称形状の中性
子吸収棒に何らかのマーキングをして上下の区別をつけ
ようとすることも考えられなくはない。しかし、本実施
形態によれば、中性子吸収棒2の形状そのものが上下で
全く異なるので、マーキングの場合よりも上下方向の位
置の正誤を一見して容易に識別できるので、製造効率を
向上できる効果もある。
【0034】なお、上記第1の実施形態においては、ブ
レード8の下方に下部支持手段として下部支持板4を配
置した場合を例にとって説明したが、この下部支持板4
に代わり、例えば図5に示すように、異常時に落下速度
を抑制する落下速度リミッタ14を配置してもよい。こ
の場合も同様の効果を得る。
【0035】また、上記第1の実施形態においては、図
1(b)に示したように、複数の中性子吸収棒2の上部
端栓突起部10aを1つの凹溝3aA内にまとめて収納
したが、これに限られず、例えば図6に示したように、
ハンドル保持部3aに丸穴3aBを所定ピッチで複数個
形成し、これに各上部端栓突起部10aを個別に差し込
むようにしてもよい。この場合、前述した製造手順にお
いて、例えば先に各中性子吸収棒2をこれら丸穴3aB
に差し込んだ後、それら中性子吸収棒2をシース5で包
み込むようにしながらシース5をハンドル3と下部支持
板4との間に挿入配置して溶接固定すればよい。この変
形例においても、同様の効果を得る。
【0036】さらに、上記第1の実施形態においては、
上部端栓10と上部支持手段(ハンドル3)との間の接
続部分を凹凸嵌合構造とし、下部端栓11と下部支持手
段(下部支持板4)との間の接続部分を単なる上下方向
接触構造としたが、これを逆にしてもよい。このような
実施形態を次の第2の実施形態で説明する。
【0037】本発明の第2の実施形態を図7により説明
する。第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付
し、説明を省略する。図7(a)は本実施形態による制
御棒の中性子吸収棒202近傍の詳細構造を表す縦断面
図であり、第1の実施形態の図1(a)に相当する図で
ある。また図7(b)は、その部分拡大斜視図であって
第1の実施形態の図1(b)に対応する図である。
【0038】これら図7(a)及び図7(b)におい
て、本実施形態の制御棒は、上部端栓210と上部支持
手段としてのハンドル203の間の接続部分を単なる上
下方向接触構造とし、下部端栓211と下部支持手段と
しての下部支持板204の間の接続部分を凹凸嵌合構造
としたものである。すなわち、第1の実施形態とは逆
に、下部端栓211の下端部に凹凸嵌合用の凸形状とし
て長い突起部211aを設けるとともに、下部支持板2
04の保持部204aにその突起部211aと嵌合する
凹凸嵌合用の凹形状として凹溝204aAを形成してい
る。また、上部端栓210には下部端栓突起部211a
より短い突起部210aを設ける一方、ハンドル保持部
203aの下面は、上部端栓突起部210aに上下方向
に接触する通常の平面状となっている。上記以外の構成
は、第1の実施形態の制御棒1とほぼ同様である。ま
た、製造手順についても、第1の実施形態の制御棒1と
ほぼ同様であり、第1手順で、ハンドル203と下部支
持板204とは所定の距離Lb(図7(a)参照、後述
するL3に等しいか好ましくはL3よりわずかに大きい)
をおいて相互に連結されるように固定される。
【0039】以上のように構成した本実施形態によって
も、第1の実施形態と同様の効果を得る。すなわち、ま
ず、中性子吸収棒202が上下非対称であることによ
り、製造時の第2手順において一部の中性子吸収棒20
2が誤って上下逆転していればそれを目視で識別するこ
とができるので、中性子吸収棒202の上下逆転を未然
に防止できる。さらに、中性子吸収棒202の上下位置
を正しく配置するときには、下部端栓211の突起部2
11aと下部支持板保持部204aの凹溝204aAと
を正しく嵌合させて突起部211aの長さを吸収でき、
図7(a)に示すように、中性子吸収棒202を配置す
るのに必要なハンドル203と下部支持板204との間
の上下方向距離が上部端栓突起部210aの先端から下
部端栓突起部211aの根元までの距離L3以上とな
る。これに対して、中性子吸収棒202の上下位置を誤
って逆転させて配置しようとしたときには、図7(c)
に示すように、凹溝204aAと下部端栓突起部211
aとが反対側となって嵌合しなくなるため、中性子吸収
棒202を配置するのに必要な上下方向距離は、下部端
栓突起部211a先端から上部端栓突起部210aの先
端までの距離L4(>Lb)以上となる。したがって、第
3手順でシース5をハンドル203及び下部支持板20
4に取り付けようとするとき、誤って上下を逆転させて
いる場合には、上下逆転している中性子吸収棒202が
ハンドル203若しくは下部支持板204に干渉し挿入
できなくなる。これにより、中性子吸収棒202の上下
逆転を確実に防止することができる。
【0040】なお、上記第2の実施形態においては、図
7(b)に示したように、複数の中性子吸収棒2の下部
端栓突起部211aを1つの凹溝204aA内にまとめ
て収納したが、これに限られず、図6に示した変形例と
同様に、下部支持板保持部204aに丸穴を所定ピッチ
で複数個形成し、これに各下部端栓突起部211aを差
し込むようにしてもよい。この変形例によっても同様の
効果を得る。
【0041】また、上記第1及び第2の実施形態は、中
性子吸収棒とハンドル(又は下部支持板)との間で凹凸
嵌合構造を構成するときに、中性子吸収棒側に凹凸嵌合
用の凸形状を、ハンドル(又は下部支持板)側に凹形状
を設けたが、これを逆にしてもよい。このような実施形
態を次の第3の実施形態で説明する。
【0042】本発明の第3の実施形態を図8により説明
する。第1及び第2の実施形態と同一の部材には同一の
符号を付し、説明を省略する。図8(a)は本実施形態
による制御棒の中性子吸収棒302近傍の詳細構造を表
す縦断面図であり、図1(a)に相当する図である。ま
た図8(b)は、その部分拡大斜視図であって図1
(b)に相当する図である。
【0043】これら図8(a)及び図8(b)におい
て、本実施形態の制御棒は、上部端栓310とハンドル
保持部303aの間の接続部分を凹凸嵌合構造とすると
きに、ハンドル保持部303aに凹凸嵌合用の凸形状と
しての突起部303aAを形成するとともに、上部端栓
310にこれと嵌合する凹凸嵌合用の凹形状としての凹
溝310aを形成した点が、第1の実施形態と異なる。
上記以外の構成は、第1の実施形態の制御棒1とほぼ同
様である。また、製造手順についても、第1の実施形態
の制御棒1とほぼ同様である。このとき、第1手順で、
ハンドル303と下部支持板4とは所定の距離Lc(図
8(a)参照、後述するL5に等しいか好ましくはL5よ
りわずかに大きい)をおいて相互に連結されるように固
定される。
【0044】以上のように構成した本実施形態によって
も、第1の実施形態と同様の効果を得る。すなわち、ま
ず、中性子吸収棒302が上下非対称であることによ
り、製造時の第2手順において一部の中性子吸収棒30
2が誤って上下逆転していればそれを目視で識別するこ
とができるので、中性子吸収棒302の上下逆転を未然
に防止できる。さらに、中性子吸収棒302の上下位置
を正しく配置しようとしたときには、図8(a)に示す
ように、ハンドル保持部303aの突起部303aAと
上部端栓310の凹溝310aとを正しく嵌合させて突
起部303aAの長さを吸収できるので、中性子吸収棒
302を配置するのに必要なハンドル303と下部支持
板4との間の上下方向距離は、上部端栓凹溝310aの
底部から下部端栓突起部11a先端までの距離L5以上
となる。これに対して、中性子吸収棒302の上下位置
を誤って逆転させて配置しようとしたときには、図8
(c)に示すように、ハンドル保持部303aの突起部
303aAと上部端栓凹溝310aとが反対側となって
嵌合しなくなり、中性子吸収棒302を配置するのに必
要なハンドル303と下部支持板4との間の上下方向距
離は、下部端栓突起部11a先端から上部端栓310の
先端までの距離L6(>Lc)以上となる。したがって、
第3手順でシース5をハンドル303及び下部支持板4
に取り付けようとするとき、誤って上下を逆転させてい
る場合には、上下逆転している中性子吸収棒302がハ
ンドル303若しくは下部支持板4に干渉して挿入でき
なくなる。これにより、中性子吸収棒302の上下逆転
を確実に防止することができる。
【0045】なお、上記第3の実施形態においては、上
部端栓310と上部支持手段(ハンドル303)との間
の接続部分を凹凸嵌合構造とし、下部端栓11と下部支
持手段(下部支持板4)との間の接続部分を単なる上下
方向接触構造としたが、第2の実施形態と同様この関係
を逆にしてもよい。このような実施形態を次の第4の実
施形態で説明する。
【0046】本発明の第4の実施形態を図9により説明
する。第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付
し、説明を省略する。図9(a)は本実施形態による制
御棒の中性子吸収棒402近傍の詳細構造を表す縦断面
図であり、第2の実施形態の図7(a)に相当する図で
ある。
【0047】この図9(a)において、本実施形態の制
御棒は、上部端栓210と上部支持手段としてのハンド
ル保持部203aの間の接続部分を単なる上下方向接触
構造とし、下部端栓411と下部支持手段としての下部
支持板404の間の接続部分を凹凸嵌合構造とした点が
第3の実施形態と異なる。すなわち、第3の実施形態と
は逆に、下部端栓411の下端部に凹凸嵌合用の凹形状
として凹溝411aを設けるとともに、下部支持板40
4の保持部404aにその凹溝411aと嵌合する凹凸
嵌合用の凸形状として突起部404aAを形成してい
る。また、上部端栓210には、第2の実施形態と同様
に短い突起部210aを設け、ハンドル保持部203a
の下面は通常の平面状となっている。上記以外の構成
は、第3の実施形態の制御棒とほぼ同様である。また、
製造手順についても、第3の実施形態とほぼ同様であ
る。このとき、第1手順で、ハンドル203と下部支持
板404とは所定の距離Ld(図9(a)参照、後述す
るL7に等しいか好ましくはL7よりわずかに大きい)を
おいて相互に連結されるように固定される。
【0048】以上のように構成した本実施形態によって
も、第3の実施形態と同様の効果を得る。すなわち、ま
ず、中性子吸収棒402が上下非対称であることによ
り、製造時の第2手順において一部の中性子吸収棒40
2が誤って上下逆転していればそれを目視で識別するこ
とができるので、中性子吸収棒402の上下逆転を未然
に防止できる。さらに、中性子吸収棒402の上下位置
を正しく配置するときには、図9(a)に示すように、
中性子吸収棒402を配置するのに必要なハンドル20
3と下部支持板404との間の上下方向距離は、上部端
栓突起部210aの先端から下部端栓凹溝411aの底
部までの距離L7以上となる。これに対して、中性子吸
収棒402の上下位置を誤って逆転させて配置しようと
したときには、図9(b)に示すように、突起部404
aAと下部端栓凹溝411aとが反対側となって嵌合し
なくなるため、中性子吸収棒402を配置するのに必要
な上下方向距離は、下部端栓411a先端から上部端栓
突起部210aの先端までの距離L8(>Ld)以上とな
る。したがって、第3手順でシース5をハンドル203
呼び下部支持板404に取り付けようとするとき、誤っ
て上下を逆転させている場合には、上下逆転している中
性子吸収棒402がハンドル203若しくは下部支持板
404に干渉して挿入できなくなる。これにより、中性
子吸収棒402の上下逆転を確実に防止することができ
る。
【0049】なお、以上の第1〜第4の実施形態のう
ち、第1及び第3の実施形態では、上部端栓と上部支持
手段との間の接続部分を凹凸嵌合構造とする一方、下部
端栓と下部支持手段との間の接続部分を単なる上下方向
接触構造とし、また第2及び第4の実施形態では、下部
端栓と下部支持手段との間の接続部分を凹凸嵌合構造と
する一方、上部端栓と上部支持手段との間の接続部分を
単なる上下方向接触構造とした。言い換えれば、上部端
栓と上部支持手段との間の接続部分、及び下部端栓と下
部支持手段との間の接続部分のうち、一方を凹凸嵌合構
造とした。しかし本発明はこれに限られず、両方の接続
部分を凹凸嵌合構造としてもよい。このような実施形態
を次の第5の実施形態で説明する。
【0050】本発明の第5の実施形態を図10により説
明する。本実施形態は、第3の実施形態における中性子
吸収棒302上部における凹凸嵌合構造(図8(a)参
照)と、第2の実施形態における中性子吸収棒202下
部における凹凸嵌合構造(図7(a)参照)とを組み合
わせた場合の実施形態である。第3及び第2の実施形態
と同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0051】図10は(a)、本実施形態による制御棒
の中性子吸収棒502近傍の詳細構造を表す縦断面図で
あり、図7(a)や図8(a)に相当する図である。
【0052】この図10(a)において、本実施形態の
制御棒は、第3の実施形態同様、ハンドル保持部303
aに凹凸嵌合用の凸形状としての突起303aAを形成
するとともに、上部端栓310にこれと嵌合する凹凸嵌
合用の凹形状としての凹溝310aを形成することによ
って、上部端栓310とハンドル保持部303aの間の
接続部分を凹凸嵌合構造とする。また、第2の実施形態
同様、下部端栓211の下端部に凹凸嵌合用の凸形状と
して長い突起部211aを設けるとともに、下部支持板
204の保持部204aにその突起部211aと嵌合す
る凹凸嵌合用の凹形状として凹溝204aAを形成して
いる。上記以外の構成は、第1の実施形態の制御棒1と
ほぼ同様である。また、製造手順についても、第1の実
施形態の制御棒1とほぼ同様である。このとき、第1手
順で、ハンドル303と下部支持板204とは所定の距
離Le(図10(a)参照、後述するL9に等しいか好ま
しくはL9よりわずかに大きい)をおいて相互に連結さ
れるように固定される。
【0053】以上のように構成した本実施形態によって
も、第1の実施形態と同様の効果を得る。すなわち、ま
ず、中性子吸収棒502が上下非対称であることによ
り、製造時の第2手順において一部の中性子吸収棒50
2が誤って上下逆転していればそれを目視で識別するこ
とができるので、中性子吸収棒502の上下逆転を未然
に防止できる。さらに、中性子吸収棒502の上下位置
を正しく配置しようとしたときには、図10(a)に示
すように、ハンドル保持部303aの突起部303aA
と上部端栓310の凹溝310aとを正しく嵌合させて
突起部303aAの長さを吸収し、かつ下部端栓211
の突起部211aと下部支持板保持部204aの凹溝2
04aAとを正しく嵌合させて突起部211aの長さを
吸収できるので、中性子吸収棒502を配置するのに必
要なハンドル303と下部支持板204との間の上下方
向距離は、上部端栓凹溝310aの底部から下部端栓突
起部211aの根元までの距離L9以上となる。
【0054】これに対して、中性子吸収棒502の上下
位置を誤って逆転させて配置しようとしたときには、図
10(b)に示すように、ハンドル保持部303aの突
起部303aAと上部端栓凹溝310aとが反対側とな
って嵌合しなくなり、かつ凹溝204aAと下部端栓突
起部211aとが反対側となって嵌合しなくなるため、
中性子吸収棒502を配置するのに必要なハンドル30
3と下部支持板204との間の上下方向距離は、下部端
栓突起部211a先端から上部端栓310の先端までの
距離L10(>Le)以上となる。したがって、第3手順
でシース5をハンドル303及び下部支持板204に取
り付けようとするとき、誤って上下を逆転させている場
合には、上下逆転している中性子吸収棒502がハンド
ル303若しくは下部支持板204に干渉して挿入でき
なくなる。これにより、中性子吸収棒502の上下逆転
を確実に防止することができる。
【0055】なお、上記第5の実施形態においては、上
部端栓と上部支持手段との間の接続部分、及び下部端栓
と下部支持手段との間の接続部分の両方を凹凸嵌合構造
とする際、中性子吸収棒502の上部にある上部端栓3
10に凹形状である凹溝310aを形成し、下部にある
下部端栓211に凸形状である突起部211aを形成し
たが、これに限られず、上部端栓に第1の実施形態と同
様の凸形状である突起部を形成し、下部端栓に第4の実
施形態と同様の凹形状である凹溝を形成してもよい。こ
れらの場合も、同様の効果を得る。また、以上説明した
ように、上記第1〜第5の実施形態は、ほぼ同様の効果
を得ることができる。但し、第2、第4、第5の実施形
態においては、中性子吸収棒202,402,502の
荷重のかなりの部分が突起部211a、凹溝411aの
壁面、突起部211aにそれぞれ加わる可能性がある。
そのため、強度の十分な確保な観点からは、これらより
も、第1及び第3実施形態のほうが好ましい場合も考え
られる。
【0056】本発明の第6の実施形態を図11により説
明する。第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を
付し、説明を省略する。図11(a)は本実施形態によ
る制御棒の中性子吸収棒602近傍の詳細構造を表す縦
断面図であり、第1の実施形態の図1(a)に相当する
図である。また図11(b)は、シース605の構造を
表す斜視図である。
【0057】これら図11(a)及び図11(b)にお
いて、本実施形態の制御棒が第1の実施形態と異なる点
は、上部端栓10と上部支持手段との間の接続部分を凹
凸嵌合構造とするときに、凹凸嵌合用の凸形状である上
部端栓突起部10aに対し、ハンドル保持部3aの凹溝
3aAの代わりに、シース605に設けた張り出し部分
605a,605a(上下方向高さ寸法ΔL、後述の図
11(c)参照)が嵌合することである。すなわちこの
場合、張り出し部分605a,605aとハンドル保持
部603aの底面とにより形成される凹形状空間に上部
端栓突起部10aが収納され、シース張り出し部分60
5a,605aとハンドル保持部603とが上部支持手
段を構成することになる。
【0058】上記以外の構成は、第1の実施形態の制御
棒1とほぼ同様である。
【0059】また、製造手順についても、第1の実施形
態の制御棒1とほぼ同様である。このとき、第1手順
で、ハンドル603と下部支持板4とは所定の距離Lf
(図11(a)参照、後述するL11に等しいか好ましく
はL11よりわずかに大きい)をおいて相互に連結される
ように固定される。なお、シース605に張り出し部分
605aを形成するときは、一体で形成してもよいが、
ステンレス製平板に張り出し部分605a,605aを
予め固定した後に、その平板を折り曲げて(折り曲げ部
分には張り出し部分605aは設けられていない)横断
面略U字形状のシースを形成してもよい。本実施形態に
よっても、第1の実施形態と同様の効果を得る。すなわ
ち、まず、中性子吸収棒602が上下非対称であること
により、製造時の第2手順において一部の中性子吸収棒
602が誤って上下逆転していればそれを目視で識別す
ることができるので、中性子吸収棒602の上下逆転を
未然に防止できる。さらに、中性子吸収棒602の上下
位置を正しく配置するときには、上部端栓10の突起部
10aとシース張り出し部分605aとを正しく嵌合さ
せて突起部10aの長さを吸収できるので、図11
(a)に示すように、中性子吸収棒602を配置するの
に必要なハンドル603と下部支持板4との間の上下方
向距離は、上部端栓突起部10aの先端から下部端栓突
起部11a先端までの距離L11以上となる。これに対し
て、中性子吸収棒602の上下位置を誤って逆転させて
配置しようとしたときには、図11(c)に示すよう
に、シース張り出し部分605aと上部端栓突起部10
aとが反対側となって嵌合せず、下部端栓11がシース
張り出し部分605aに当接するため、中性子吸収棒6
02を配置するのに必要なハンドル603と下部支持板
4との間の上下方向距離は、シース張り出し部分605
a上端から上部端栓突起部10a先端までの距離L12
(≒L11+ΔL)以上となる。したがって、第3手順で
シース605をハンドル603及び下部支持板4に取り
付けようとするとき、誤って上下を逆転させている場合
には、上下逆転している中性子吸収棒602がハンドル
603若しくは下部支持板4に干渉して挿入できなくな
る。これにより、中性子吸収棒602の上下逆転を確実
に防止することができる。また、シース605に張り出
し部分605aを形成する加工が必要となるものの、ハ
ンドルについては、第1の実施形態等と異なりハンドル
保持部603aの下端に溝を形成する必要がなく、単に
先願発明のハンドルよりも若干寸法を短くすれば足り
る。すなわち、制御棒に剛性を与える主部材であるハン
ドル603や下部支持部材4に突起や溝を形成しなくて
よいので、強度確保の点からは最も好ましい。
【0060】本発明の第7の実施形態を図12及び図1
3により説明する。本実施形態は、第6の実施形態にお
けるシース605の張り出し部分605aの代わりに、
冶具を用いた凹凸嵌合によって中性子吸収棒の上下逆転
を防止する制御棒の製造方法の実施形態である。第6の
実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、説明を省
略する。図12は、本実施形態による製造方法で製造し
た制御棒の中性子吸収棒702付近の詳細構造を表す縦
断面図である。なお図中、破線は冶具715(後述)が
挿入されていた位置を示している。この図12と第6の
実施形態の図11(a)を比較して分かるように、本実
施形態により製造した制御棒が第6の実施形態と異なる
のは、シース705に、シース605の張り出し部分6
05aが設けられていないことである。その他の構造は
第6の実施形態とほぼ同様である。
【0061】このような制御棒を最終的に完成させる本
実施形態による製造手順を以下に説明する。すなわち、
第1の実施形態と同様、まず、タイロッド6にハンドル
保持部603a及び下部支持板保持部4aを溶接固定す
る。このときハンドル603と下部支持板4とが所定の
距離Lgをおいて相互に連結されるように固定する。な
おこのLgは、上部端栓突起部10aの先端から下部端
栓突起部11a先端までの距離L13に等しくするか、好
ましくはわずかに大きくする。その後、予めステンレス
製平板を折り曲げて形成した略U字形状のシース705
の上端近傍の第6の実施形態の張り出し部605aに相
当する位置に、図13に示すように張り出し部605と
同様の形状の冶具715,715を仮設し、この仮設状
態のままこれら冶具715,715と各中性子吸収棒7
02の上部端栓突起部10aとで凹凸嵌合を形成しつ
つ、中性子吸収棒702を順次シース705内の空間に
スライドさせるようにして配置し、上下方向の向きを揃
えて束ねる。このようにして束ねた後、冶具715,7
15をシース705から抜き去る。
【0062】そして、このようにシース705の内側空
間に複数の中性子吸収棒702を束ねた状態のまま、シ
ース705を、ハンドル603と下部支持板4との間に
挿入配置する。このとき、シース705内の複数の中性
子吸収棒702を制御棒の軸心方向にスライドさせるよ
うにしながらシース705を取り付ける。その後シース
705をハンドル603及び下部支持板4に溶接固定す
る。これによって、図12に示されような構造が完成す
る。
【0063】本実施形態によっても、第1の実施形態と
同様の効果を得る。すなわち、冶具715,715と中
性子吸収棒702の上部端栓突起部10aとの凹凸嵌合
を利用することによって、図12に示すように、中性子
吸収棒702の上下方向向きを揃えて束ねることがで
き、制御棒製造時における一部の中性子吸収棒702の
上下逆転を未然かつ確実に防止することができる。これ
により、内部に充填されたB4C中に含まれる10Bが上
下方向濃縮度分布を備える場合にも、先願発明のように
中性子吸収能力が減少する可能性が生じるのを防止でき
るので、制御棒の信頼性を向上することができる。
【0064】なお、上記第7の実施形態では、冶具71
5,715を使用したが、これに限られず、以下のよう
な冶具の変形例も考えられる。すなわち、例えば、各中
性子吸収棒702の上部端栓10aに略水平方向の貫通
穴(図示せず)を形成しておき、この貫通穴に細丸棒状
の冶具を通しつつ、シース705内に所定個数の中性子
吸収棒702を束ねるように配列するようにしてもよ
い。この変形例によっても、同様の効果を得る。また、
上記第7の実施形態及びその変形例では、上部端栓にお
いて冶具を嵌合させたり貫通させたりしたが、これに限
られず、下部端栓においてこれらを行ってもよいし、上
部端栓・下部端栓の両方で行ってもよい。さらに上部端
栓・下部端栓にも限られず、中性子吸収棒702の上部
や下部の端栓以外の他の部分に凹凸嵌合用の凸形状を形
成し、それに冶具を嵌合させたり貫通させたりしてもよ
い。これらの場合も、同様の効果を得ることは言うまで
もない。さらに、上記第1〜第7の実施形態において
は、上部支持手段及び下部支持手段は、中性子吸収棒の
上部及び下部として上部端栓及び下部端栓をそれぞれ支
持したが、これに限られず、例えば被覆管の上端近傍及
び下部近傍を支持してもよい。これらの場合も同様の効
果を得る。また、上記第1〜第7の実施形態は、いずれ
もすべての中性子吸収棒の内部に充填されたB4C中に
含まれる10Bが上下方向濃縮度分布を備えていたが、こ
れに限られず、このような濃縮度分布を備えた中性子吸
収棒は少なくとも1本あれば足り、その濃縮度分布を備
えた中性子吸収棒に関して、確実に上下逆転を防止でき
る効果を得ることができる。さらに、上記第1〜第7の
実施形態は、いずれもブレード8が横断面略十字形であ
る制御棒に本発明を適用した場合であったが、これに限
られず、例えば、特開平5−249275号公報の図1
7及び図18等に示されるようなブレードが他の横断面
形状である制御棒に対しても適用でき、この場合も同様
の効果を得る。また、上記第1〜第7の実施形態は、い
ずれも沸騰水型原子炉の制御棒に本発明を適用した場合
であったが、これに限られず、加圧水型原子炉等を含む
他の原子炉の制御棒に適用することもでき、この場合も
同様の効果を得る。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、制御棒製造時における
中性子吸収棒の上下逆転を防止することができる。した
がって、先願発明のように中性子吸収能力が減少する可
能性が生じるのを防止できるので、制御棒の信頼性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による制御棒の中性子
吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、ハンドル保持部
下端部の斜視図、及び中性子吸収棒の上下位置を誤って
逆転させて配置しようとした場合の状況を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施形態による制御棒の全体構
造を表す斜視分解図である。
【図3】図2中A−A断面による横断面図である。
【図4】図1に示された炭化ホウ素中の10B濃縮度分布
の例を示す図である。
【図5】落下速度リミッタを配置した場合の変形例を示
す図である。
【図6】ハンドル保持部の構造に関する変形例を示す図
である。
【図7】本発明の第2の実施形態による制御棒の中性子
吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、下部支持板上端
部の斜視図、及び中性子吸収棒の上下位置を誤って逆転
させて配置しようとした場合の状況を示す説明図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施形態による制御棒の中性子
吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、ハンドル保持部
下端部の斜視図、及び中性子吸収棒の上下位置を誤って
逆転させて配置しようとした場合の状況を示す説明図で
ある。
【図9】本発明の第4の実施形態による制御棒の中性子
吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、及び中性子吸収
棒の上下位置を誤って逆転させて配置しようとした場合
の状況を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の実施形態による制御棒の中性
子吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、及び中性子吸
収棒の上下位置を誤って逆転させて配置しようとした場
合の状況を示す説明図である。
【図11】本発明の第6の実施形態による制御棒の中性
子吸収棒近傍の詳細構造を表す縦断面図、シースの構造
を表す斜視図、及び中性子吸収棒の上下位置を誤って逆
転させて配置しようとした場合の状況を示す説明図であ
る。
【図12】本発明の第7の実施形態による製造方法で製
造した制御棒の中性子吸収棒付近の詳細構造を表す縦断
面図である。
【図13】冶具を仮設する様子を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
1 制御棒 2 中性子吸収棒 3 ハンドル(上部支持手段) 4 下部支持板(下部支持手段) 6 タイロッド 7 炭化ホウ素(中性子吸収材) 9 被覆管 10 上部端栓 11 下部端栓 14 落下速度リミッタ(下部支持手段) 202 中性子吸収棒 203 ハンドル(上部支持手段) 204 下部支持板(下部支持手段) 210 上部端栓 211 下部端栓 302 中性子吸収棒 303 ハンドル(上部支持手段) 310 上部端栓 402 中性子吸収棒 404 下部支持板(下部支持手段) 411 下部端栓 502 中性子吸収棒 602 中性子吸収棒 603 ハンドル(上部支持手段) 605 シース 605a 張り出し部分(上部支持手段) 702 中性子吸収棒 715 冶具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 浩一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 川島 範夫 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 後藤 靖之 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外皮を形成する被覆管とこの被覆管の上端
    及び下端をそれぞれ密封する上部端栓及び下部端栓とを
    備えその密封された被覆管の内部に中性子吸収材を充填
    した複数の中性子吸収棒と、これら複数の中性子吸収棒
    の上部及び下部をそれぞれ支持する上部支持手段及び下
    部支持手段とを有し、前記複数の中性子吸収棒で中性子
    を吸収することにより原子炉の出力制御を行う原子炉用
    制御棒において、 前記中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間の接
    続部分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支持手
    段との間の接続部分のうち、少なくとも一方を凹凸嵌合
    構造としたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 【請求項2】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間の接
    続部分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支持手
    段との間の接続部分のうち、一方を凹凸嵌合構造とし、
    他方を単なる上下方向接触構造としたことを特徴とする
    原子炉用制御棒。
  3. 【請求項3】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記中性子吸収棒の上部と前記上部支持手段との間の接
    続部分、及び前記中性子吸収棒の下部と前記下部支持手
    段との間の接続部分の両方を凹凸嵌合構造とし、かつ、
    前記中性子吸収棒の上部及び下部のうち、一方は凹凸嵌
    合用の凹形状を備え、他方は凹凸嵌合用の凸形状を備え
    ていることを特徴とする原子炉用制御棒。
  4. 【請求項4】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記上部端栓と前記上部支持手段との間の接続部分、及
    び前記下部端栓と前記下部支持手段との間の接続部分の
    うち、少なくとも一方を凹凸嵌合構造としたことを特徴
    とする原子炉用制御棒。
  5. 【請求項5】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記上部支持手段は、横断面略十字形状のタイロッドの
    上端近傍に固定されたハンドルを備えていることを特徴
    とする原子炉用制御棒。
  6. 【請求項6】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記上部支持手段は、前記複数の中性子吸収棒を包含す
    るシースの上端近傍に設けられた張り出し部分をさらに
    備えていることを特徴とする原子炉用制御棒。
  7. 【請求項7】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記下部支持手段は、該原子炉用制御棒を駆動する制御
    棒駆動装置に接続された下部支持板又は落下速度リミッ
    タを備えていることを特徴とする原子炉用制御棒。
  8. 【請求項8】請求項1記載の原子炉用制御棒において、
    前記複数の中性子吸収棒は内部に充填された前記中性子
    吸収材がB4Cであり、かつそれら複数の中性子吸収棒
    のうち少なくとも1つは、B4C中に含まれる10Bが上
    下方向濃縮度分布を備えていることを特徴とする原子炉
    用制御棒。
  9. 【請求項9】内部に中性子吸収材を充填した複数の中性
    子吸収棒と、これら複数の中性子吸収棒の上部及び下部
    をそれぞれ支持する上部支持手段及び下部支持手段とを
    有する原子炉用制御棒の製造方法において、 前記上部支持手段と前記下部支持手段とを所定の距離を
    おいて相互に連結して固定し、 前記中性子吸収棒の上部及び下部のうち少なくとも一方
    に凹凸嵌合用の凸形状を形成し、 この凸形状に嵌合する形状を備えた冶具を用い、凹凸嵌
    合を形成しつつ前記複数の中性子吸収棒の上下方向の向
    きを揃えて束ね、 この束ねられた複数の中性子吸収棒を、前記上部支持手
    段と前記下部支持手段との間に挿入配置することを特徴
    とする原子炉用制御棒の製造方法。
  10. 【請求項10】内部に中性子吸収材を充填した複数の中
    性子吸収棒と、これら複数の中性子吸収棒の上部及び下
    部をそれぞれ支持する上部支持手段及び下部支持手段と
    を有する原子炉用制御棒の製造方法において、 前記上部支持手段と前記下部支持手段とを所定の距離を
    おいて相互に連結して固定し、 前記中性子吸収棒の上部及び下部のうち少なくとも一方
    に凹凸嵌合用の凸形状を形成するとともにその凸形状に
    略水平方向の貫通穴を形成し、 この貫通穴を貫通する形状を備えた冶具を用い、凹凸嵌
    合を形成しつつ前記複数の中性子吸収棒の上下方向の向
    きを揃えて束ね、 この束ねられた複数の中性子吸収棒を、前記上部支持手
    段と前記下部支持手段との間に挿入配置することを特徴
    とする原子炉用制御棒の製造方法。
JP9254950A 1997-09-19 1997-09-19 原子炉用制御棒 Pending JPH1194975A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6654438B1 (en) * 2000-08-30 2003-11-25 Hitachi, Ltd. Control rod for boiling water reactor, unit for control rod and production method of control rod
JP2011058865A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 原子炉用制御棒
JP2017049085A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 原子燃料工業株式会社 使用済核燃料の直接処分方法

Cited By (3)

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