JPH1194545A - 鉛直方向変位の測定方法とその測定装置 - Google Patents
鉛直方向変位の測定方法とその測定装置Info
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- JPH1194545A JPH1194545A JP29311597A JP29311597A JPH1194545A JP H1194545 A JPH1194545 A JP H1194545A JP 29311597 A JP29311597 A JP 29311597A JP 29311597 A JP29311597 A JP 29311597A JP H1194545 A JPH1194545 A JP H1194545A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水管式鉛直方向変位測定装置において、構成
が単純で面倒な調整を要せず測定精度が安定した汎用性
に優れたものを得る。 【解決手段】 測定地点に貯留した液体の液面の、基準
液面に対する見掛け上の液面変化分に相当する液体重量
変化分を秤量し、この重量変化分から測定地点の鉛直方
向の変位分を算出する。
が単純で面倒な調整を要せず測定精度が安定した汎用性
に優れたものを得る。 【解決手段】 測定地点に貯留した液体の液面の、基準
液面に対する見掛け上の液面変化分に相当する液体重量
変化分を秤量し、この重量変化分から測定地点の鉛直方
向の変位分を算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地盤の沈下ある
いは隆起に伴う地盤の鉛直方向の変位や、建造物の鉛直
方向の変位を測定する方法と、その方法によって鉛直方
向の変位を測定する装置に関するもので、特にこの鉛直
方向の変位を、基準点の基準水位に対する測定箇所にお
ける水位の差として捉えて測定する、いわゆる水管式の
鉛直方向変位測定方法とその測定装置に関するのもであ
る。
いは隆起に伴う地盤の鉛直方向の変位や、建造物の鉛直
方向の変位を測定する方法と、その方法によって鉛直方
向の変位を測定する装置に関するもので、特にこの鉛直
方向の変位を、基準点の基準水位に対する測定箇所にお
ける水位の差として捉えて測定する、いわゆる水管式の
鉛直方向変位測定方法とその測定装置に関するのもであ
る。
【0002】
【従来の技術】自然の地殻変動に伴う地盤の沈下や隆
起、埋立地や造成地の経年地盤沈下、あるいは新たな土
木・建築工事に伴う周囲の基礎地盤の変位、更にはこれ
らの沈下、隆起、変位によってこれらの地盤上の既存の
建造物が受ける歪み等を認識するために、従来、測定箇
所に基準水槽と連通する変位水筒を設け、地盤の沈下や
隆起が生じた場合、これに伴って生ずる変位水筒内の基
準水面に対する見掛けの水頭変化を、ベローズを使用し
た水圧計で水圧の変化として検出するようにした水管式
鉛直方向変位測定装置や、変位水筒内にフロートを浮か
べると共にこのフロートの上方に渦電流型変位検出器を
設けて、地盤の沈下や隆起に伴って生ずる変位水筒内の
基準水面に対する見掛け上の水頭変化を、フロートと渦
電流型変位検出器の間の間隙変化として非接触的に渦電
流型変位検出器で検出するようにした水管式鉛直方向変
位測定装置が知られている。
起、埋立地や造成地の経年地盤沈下、あるいは新たな土
木・建築工事に伴う周囲の基礎地盤の変位、更にはこれ
らの沈下、隆起、変位によってこれらの地盤上の既存の
建造物が受ける歪み等を認識するために、従来、測定箇
所に基準水槽と連通する変位水筒を設け、地盤の沈下や
隆起が生じた場合、これに伴って生ずる変位水筒内の基
準水面に対する見掛けの水頭変化を、ベローズを使用し
た水圧計で水圧の変化として検出するようにした水管式
鉛直方向変位測定装置や、変位水筒内にフロートを浮か
べると共にこのフロートの上方に渦電流型変位検出器を
設けて、地盤の沈下や隆起に伴って生ずる変位水筒内の
基準水面に対する見掛け上の水頭変化を、フロートと渦
電流型変位検出器の間の間隙変化として非接触的に渦電
流型変位検出器で検出するようにした水管式鉛直方向変
位測定装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような従
来の水管式鉛直方向変位測定装置において、ベローズを
用いるものは変位水筒内の水頭変化に対するベローズの
応答性が悪いことから測定精度に問題があり、また渦電
流型変位検出器を用いるものはフロートとの整合性を考
慮した特注品を必要とする場合が多く、汎用性とコスト
面で問題がある。この発明は、変位水筒内の水頭変化に
応じて動くベローズやフロートを水筒内に一切設けず、
簡単な測定原理に基づいて手軽に鉛直方向の変位を測定
する方法と、この方法で鉛直方向の変位を測定するため
の、構成が簡単で汎用性に優れ製造コスト面でも有利な
水管式鉛直方向変位測定装置を得ることを目的とする。
来の水管式鉛直方向変位測定装置において、ベローズを
用いるものは変位水筒内の水頭変化に対するベローズの
応答性が悪いことから測定精度に問題があり、また渦電
流型変位検出器を用いるものはフロートとの整合性を考
慮した特注品を必要とする場合が多く、汎用性とコスト
面で問題がある。この発明は、変位水筒内の水頭変化に
応じて動くベローズやフロートを水筒内に一切設けず、
簡単な測定原理に基づいて手軽に鉛直方向の変位を測定
する方法と、この方法で鉛直方向の変位を測定するため
の、構成が簡単で汎用性に優れ製造コスト面でも有利な
水管式鉛直方向変位測定装置を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する手
段として、この発明は、測定地点に貯留した液体の液面
の、基準液面に対する見掛け上の液面変化分に相当する
同液体の重量変化分を秤量し、この重量変化分から測定
地点の鉛直方向の変位分を換算することにより地盤の鉛
直方向の変位を測定しようとするものであり、この方法
で鉛直方向の変位を測定するために、この発明は、測定
地点に設置した測量用タンクと基準地点に設置した基準
タンクを連通管で連通させ、この連通管を介して基準タ
ンクと測量用タンクに液体を貯留すると共に、測量用タ
ンク内の液体の重量を計量する秤量計と、この秤量計の
出力信号を基に前記基準タンク内の基準液面に対する前
記測量用タンク内の液体の見掛け上の液面変化分を算出
する計算手段をもって鉛直方向変位測定装置を構成す
る。
段として、この発明は、測定地点に貯留した液体の液面
の、基準液面に対する見掛け上の液面変化分に相当する
同液体の重量変化分を秤量し、この重量変化分から測定
地点の鉛直方向の変位分を換算することにより地盤の鉛
直方向の変位を測定しようとするものであり、この方法
で鉛直方向の変位を測定するために、この発明は、測定
地点に設置した測量用タンクと基準地点に設置した基準
タンクを連通管で連通させ、この連通管を介して基準タ
ンクと測量用タンクに液体を貯留すると共に、測量用タ
ンク内の液体の重量を計量する秤量計と、この秤量計の
出力信号を基に前記基準タンク内の基準液面に対する前
記測量用タンク内の液体の見掛け上の液面変化分を算出
する計算手段をもって鉛直方向変位測定装置を構成す
る。
【0005】そして測定地点の地盤が沈下あるいは隆起
すれば、これに伴って測量用タンクも基準タンクに対し
て下方あるいは上方に変位し、測量用タンク内の液面が
基準タンク内の液面に比して見掛けの上で上昇あるいは
下降したと同じ状態になり、この結果測定地点の地盤が
沈下あるいは隆起すれば、測量用タンク内の液量は、上
記見掛け上の水面の上昇分あるいは下降分だけ増加ある
いは減少し、内部に液体を貯留した上記測量用タンクの
総重量は、上記見掛け上の水面の上昇分あるいは下降分
に相当する分だけ増加あるいは減少する。従って例えば
筒状の測量タンク内部の底面積と、測量タンクに貯留す
る液体の密度が既知であれば、従来周知の秤量計で測量
用タンクの総重量の増加分あるいは減少分、即ち測量用
タンク内の液体の重量の増加分あるいは減少分を計量す
ることにより、これを基に測量用タンク内の液体の上記
見掛け上の水面の上昇変位あるいは下降変位、即ち測定
地点(測定地点の測量用タンク)の鉛直方向の変位量を
算出することができ、その地点の地盤の沈下・隆起を測
定することができる。
すれば、これに伴って測量用タンクも基準タンクに対し
て下方あるいは上方に変位し、測量用タンク内の液面が
基準タンク内の液面に比して見掛けの上で上昇あるいは
下降したと同じ状態になり、この結果測定地点の地盤が
沈下あるいは隆起すれば、測量用タンク内の液量は、上
記見掛け上の水面の上昇分あるいは下降分だけ増加ある
いは減少し、内部に液体を貯留した上記測量用タンクの
総重量は、上記見掛け上の水面の上昇分あるいは下降分
に相当する分だけ増加あるいは減少する。従って例えば
筒状の測量タンク内部の底面積と、測量タンクに貯留す
る液体の密度が既知であれば、従来周知の秤量計で測量
用タンクの総重量の増加分あるいは減少分、即ち測量用
タンク内の液体の重量の増加分あるいは減少分を計量す
ることにより、これを基に測量用タンク内の液体の上記
見掛け上の水面の上昇変位あるいは下降変位、即ち測定
地点(測定地点の測量用タンク)の鉛直方向の変位量を
算出することができ、その地点の地盤の沈下・隆起を測
定することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の基本的な実施の形態の
一つは、測定地点に貯留した液体の液面の、基準液面に
対する見掛け上の液面変化分に相当する同液体の重量変
化分を秤量し、この重量変化分から測定地点の鉛直方向
の変位分を算出することにより鉛直方向の変位を測定す
る方法である。
一つは、測定地点に貯留した液体の液面の、基準液面に
対する見掛け上の液面変化分に相当する同液体の重量変
化分を秤量し、この重量変化分から測定地点の鉛直方向
の変位分を算出することにより鉛直方向の変位を測定す
る方法である。
【0007】この発明の基本的な実施の形態の他の一つ
は、測定点に設置した測量用タンクと基準地点に設置し
た基準タンクを連通管で連通させ、この連通管を介して
前記基準タンクと測量用タンクに液体を貯留すると共
に、前記測量用タンク内の液体の重量を計量する秤量計
と、この秤量計の出力信号を基に前記基準タンク内の基
準液面に対する前記測量用タンク内の液体の見掛け上の
液面変化分を算出する計算手段を備えた鉛直方向変位測
定装置である。
は、測定点に設置した測量用タンクと基準地点に設置し
た基準タンクを連通管で連通させ、この連通管を介して
前記基準タンクと測量用タンクに液体を貯留すると共
に、前記測量用タンク内の液体の重量を計量する秤量計
と、この秤量計の出力信号を基に前記基準タンク内の基
準液面に対する前記測量用タンク内の液体の見掛け上の
液面変化分を算出する計算手段を備えた鉛直方向変位測
定装置である。
【0008】この発明の鉛直方向変位測定装置の他の実
施形態は、測定地点に設置した測量用タンクと基準地点
に設置した基準タンクを、これら基準タンクと測量用タ
ンクに貯留される液体の基準液面より上方に突出する逆
U字管部を形成した連通管で連通させ、この連通管を介
して前記基準タンクと測量用タンクに液体を貯留して前
記逆U字管部の先端を前記測量用タンク内の液体中に開
口させると共に、前記測量用タンク内の液体の重量を計
量する秤量計と、この秤量計の出力信号を基に前記基準
タンク内の基準液面に対する前記測量用タンク内の液体
の見掛け上の液面変化分を算出する計算手段を備えたも
のである。
施形態は、測定地点に設置した測量用タンクと基準地点
に設置した基準タンクを、これら基準タンクと測量用タ
ンクに貯留される液体の基準液面より上方に突出する逆
U字管部を形成した連通管で連通させ、この連通管を介
して前記基準タンクと測量用タンクに液体を貯留して前
記逆U字管部の先端を前記測量用タンク内の液体中に開
口させると共に、前記測量用タンク内の液体の重量を計
量する秤量計と、この秤量計の出力信号を基に前記基準
タンク内の基準液面に対する前記測量用タンク内の液体
の見掛け上の液面変化分を算出する計算手段を備えたも
のである。
【0009】この発明の鉛直方向変位測定装置の他の実
施形態は、上記の実施形態において、更に多数の測量用
タンクを連通管を介して基準タンクに連結したものであ
る。
施形態は、上記の実施形態において、更に多数の測量用
タンクを連通管を介して基準タンクに連結したものであ
る。
【0010】この発明の鉛直方向変位測定装置の更に他
の実施形態は、測定地点に設置される防塵ケース内に、
液体を貯留する測量用タンクと、この測量用タンク内の
液体の重量を計量する秤量計を配設し、前記測量用タン
クを前記防塵ケース外の基準タンクに連通させる連通管
と、前記秤量計の出力信号を基に前記基準タンク内の基
準液面に対する前記測量用タンク内の液体の見掛け上の
液面変化分を算出する計算手段へ前記秤量計の出力信号
を伝達するケーブルを、前記防塵ケースから導出させた
ものであり、更に又この鉛直方向変位測定装置におい
て、先端が測量用タンク内の液体中に開口され且つその
液体の基準液面より上方に突出する逆U字管部が形成さ
れた連通管を防塵ケースから導出させたものである。
の実施形態は、測定地点に設置される防塵ケース内に、
液体を貯留する測量用タンクと、この測量用タンク内の
液体の重量を計量する秤量計を配設し、前記測量用タン
クを前記防塵ケース外の基準タンクに連通させる連通管
と、前記秤量計の出力信号を基に前記基準タンク内の基
準液面に対する前記測量用タンク内の液体の見掛け上の
液面変化分を算出する計算手段へ前記秤量計の出力信号
を伝達するケーブルを、前記防塵ケースから導出させた
ものであり、更に又この鉛直方向変位測定装置におい
て、先端が測量用タンク内の液体中に開口され且つその
液体の基準液面より上方に突出する逆U字管部が形成さ
れた連通管を防塵ケースから導出させたものである。
【0011】
【実施例】以下この発明の具体的実施例を図面を参考に
説明する。Kは地盤の沈下や隆起に伴う鉛直方向の変位
を検知する変位検知器で、測定地点の地上に建造された
構築物の壁面に取り付けられている。この変位検知器K
は、防塵ケース1内に、内径10mm程度の円筒状の測
量用タンク2、通常周知の電子式の秤量計3、逆U字管
部4aを形成した連通管4等を配設して構成されてい
る。測量用タンク2は秤量計3の上に置かれた状態で支
持されており、秤量計3は測量用タンク2内に貯留され
た液体5の重量を測定してその測定データ(出力信号)
をケーブル6を通じて他へ伝達するものである。なお、
連通管4とケーブル6は防塵ケース1の外へ導出され、
7は防塵ケース1に設けた通気孔である。また、8は別
の基準地点に設置した基準タンクで、前記測量用タンク
2を前記連通管4と連通管9を通じて基準タンク8に連
通させ、この連通管4、9、を介して基準タンク8と測
量用タンク2に水、その他の液体5を貯留している。L
oは液体5の基準液面(基準水位)を示しており、前記
連通管4の逆U字管部4aを基準液面Loより上方に突
出させ、逆U字管部4aの先端を測量用タンク2内の液
体5の中で開口させている。10はコンピュータ等の計
算手段で、計算手段10の入力端に前記ケーブル6が接
続されている。そして計算手段10は、前記測量用タン
ク2内の液体5の重量変化に対応する、秤量計3からの
重量変化測定データ(出力信号)を受けて、この出力信
号を基に前記基準液面Loに対する前記測量用タンク2
内の液体5の見掛け上の液面変化分を算出するものであ
り、この結果、前記液面変化分と合致する測定地点の地
盤の鉛直方向変位を測定することができる。
説明する。Kは地盤の沈下や隆起に伴う鉛直方向の変位
を検知する変位検知器で、測定地点の地上に建造された
構築物の壁面に取り付けられている。この変位検知器K
は、防塵ケース1内に、内径10mm程度の円筒状の測
量用タンク2、通常周知の電子式の秤量計3、逆U字管
部4aを形成した連通管4等を配設して構成されてい
る。測量用タンク2は秤量計3の上に置かれた状態で支
持されており、秤量計3は測量用タンク2内に貯留され
た液体5の重量を測定してその測定データ(出力信号)
をケーブル6を通じて他へ伝達するものである。なお、
連通管4とケーブル6は防塵ケース1の外へ導出され、
7は防塵ケース1に設けた通気孔である。また、8は別
の基準地点に設置した基準タンクで、前記測量用タンク
2を前記連通管4と連通管9を通じて基準タンク8に連
通させ、この連通管4、9、を介して基準タンク8と測
量用タンク2に水、その他の液体5を貯留している。L
oは液体5の基準液面(基準水位)を示しており、前記
連通管4の逆U字管部4aを基準液面Loより上方に突
出させ、逆U字管部4aの先端を測量用タンク2内の液
体5の中で開口させている。10はコンピュータ等の計
算手段で、計算手段10の入力端に前記ケーブル6が接
続されている。そして計算手段10は、前記測量用タン
ク2内の液体5の重量変化に対応する、秤量計3からの
重量変化測定データ(出力信号)を受けて、この出力信
号を基に前記基準液面Loに対する前記測量用タンク2
内の液体5の見掛け上の液面変化分を算出するものであ
り、この結果、前記液面変化分と合致する測定地点の地
盤の鉛直方向変位を測定することができる。
【0012】また測定地点が多数ある場合には、各測定
地点に前記の変位検知器Kを設置し、これらの変位検知
器Kを連通管9を介して前記基準タンク8に連結して各
変位検知器Kのケーブルを前記計算手段10の入力端に
接続して大きなシステムの鉛直方向変位測定装置を構成
することができる。基準タンク8は地盤変化の起こり難
い箇所に設置すべきであることはいうまでもないが、更
に図1に示す実施例では、基準タンク8は十分な容量を
持った貯水タンクの役割もしており、各測量用タンクK
内の液体が蒸発して測量用タンクK内が空になって測定
不能となる事態にならぬよう、各測量用タンクKに所要
の量の液体を基準タンク8から補給し得るものである。
なお、場合によっては、基準タンクと貯水タンクの機能
を分けて、例えば図1において、適切な基準箇所Pに設
置された測量用タンクKを基準タンクとし、貯水に適し
た箇所に別の貯水タンクを設置してもよく、また特に貯
水タンクが必要でなければこれを省いてもよい。
地点に前記の変位検知器Kを設置し、これらの変位検知
器Kを連通管9を介して前記基準タンク8に連結して各
変位検知器Kのケーブルを前記計算手段10の入力端に
接続して大きなシステムの鉛直方向変位測定装置を構成
することができる。基準タンク8は地盤変化の起こり難
い箇所に設置すべきであることはいうまでもないが、更
に図1に示す実施例では、基準タンク8は十分な容量を
持った貯水タンクの役割もしており、各測量用タンクK
内の液体が蒸発して測量用タンクK内が空になって測定
不能となる事態にならぬよう、各測量用タンクKに所要
の量の液体を基準タンク8から補給し得るものである。
なお、場合によっては、基準タンクと貯水タンクの機能
を分けて、例えば図1において、適切な基準箇所Pに設
置された測量用タンクKを基準タンクとし、貯水に適し
た箇所に別の貯水タンクを設置してもよく、また特に貯
水タンクが必要でなければこれを省いてもよい。
【0013】次に、この発明でいう「基準液面に対する
見掛け上の液面変化分」について説明する。図1に示す
初期の状態から、測定地点の地盤が沈下あるいは隆起す
れば、これに伴って測量用タンク2も基準タンク8に対
して下方あるいは上方に変位する。この結果、基準液面
Loは常に変わらないので、測量用タンク2が下方に変
位した時はその分だけ測量用タンク2内の液量が増し、
測量用タンク2が上方に変位した時はその分だけ測量用
タンク2内の液量が減ることになる。この状態の測量用
タンク2を、そのまま元の位置(下方あるいは上方に変
位する前の位置)に戻して見ると、測量用タンク内の液
面は、測量用タンク2が下方に変位した場合は、基準液
面Loに比して見掛けの上で(あるいは実質上)上昇し
て上昇液面Lhとなったことになり、測量用タンク2が
上方に変位した場合は基準液面Loに比して見掛けの上
で(またはは実質上)下降して下降液面Lrになったと
も考えられる。即ち、測定地点の地盤が沈下あるいは隆
起すれば、測量用タンク2内の液量は、上記見掛け上の
液面の上昇分(Lh−Lo)あるいは下降分(Lo−L
r)だけ増加あるいは減少し、内部に液体を貯留した上
記測量用タンク2の総重量は、上記見掛け上の液面の上
昇分あるいは下降分に相当する分だけ増加あるいは減少
する。従って例えば円筒状の測量用タンク2内部の底面
積と、測量用タンク2に貯留する液体5の密度が既知で
あれば、従来周知の秤量計3で測量用タンク2の総重量
の増加分あるいは減少分、即ち測量用タンク2内の液体
5の重量の増加分あるいは減少分を計量することによ
り、これを基に測量用タンク2内の上記見掛け上の液面
の上昇変位(Lh−Lo)あるいは下降変位(Lo−L
r)、即ち測定地点(測定地点の測量用タンク)の鉛直
方向の変位量を算出することができ、その地点の地盤の
沈下・隆起の有無とその度合いを測定することができ
る。
見掛け上の液面変化分」について説明する。図1に示す
初期の状態から、測定地点の地盤が沈下あるいは隆起す
れば、これに伴って測量用タンク2も基準タンク8に対
して下方あるいは上方に変位する。この結果、基準液面
Loは常に変わらないので、測量用タンク2が下方に変
位した時はその分だけ測量用タンク2内の液量が増し、
測量用タンク2が上方に変位した時はその分だけ測量用
タンク2内の液量が減ることになる。この状態の測量用
タンク2を、そのまま元の位置(下方あるいは上方に変
位する前の位置)に戻して見ると、測量用タンク内の液
面は、測量用タンク2が下方に変位した場合は、基準液
面Loに比して見掛けの上で(あるいは実質上)上昇し
て上昇液面Lhとなったことになり、測量用タンク2が
上方に変位した場合は基準液面Loに比して見掛けの上
で(またはは実質上)下降して下降液面Lrになったと
も考えられる。即ち、測定地点の地盤が沈下あるいは隆
起すれば、測量用タンク2内の液量は、上記見掛け上の
液面の上昇分(Lh−Lo)あるいは下降分(Lo−L
r)だけ増加あるいは減少し、内部に液体を貯留した上
記測量用タンク2の総重量は、上記見掛け上の液面の上
昇分あるいは下降分に相当する分だけ増加あるいは減少
する。従って例えば円筒状の測量用タンク2内部の底面
積と、測量用タンク2に貯留する液体5の密度が既知で
あれば、従来周知の秤量計3で測量用タンク2の総重量
の増加分あるいは減少分、即ち測量用タンク2内の液体
5の重量の増加分あるいは減少分を計量することによ
り、これを基に測量用タンク2内の上記見掛け上の液面
の上昇変位(Lh−Lo)あるいは下降変位(Lo−L
r)、即ち測定地点(測定地点の測量用タンク)の鉛直
方向の変位量を算出することができ、その地点の地盤の
沈下・隆起の有無とその度合いを測定することができ
る。
【0014】図2は、測定地点の地盤が沈下した場合の
「基準液面に対する見掛け上の液面変化分」の説明図で
ある。2’は地盤沈下前の位置にある測量用タンクを示
し、液体5の液面は基準液面Loにある。地盤が沈下す
ると測量用タンクもその沈下量だけ鉛直方向に下降し測
量用タンク2の状態となる。そして、その下降分の高さ
dに相当する液体5が基準タンク(貯水タンク)8から
測量用タンク2に連通管4、9を通じて補給され基準液
面(基準水位)Loが保たれ,鉛直方向の下降分、即ち
高さdに相当する液体5の増量分だけ測量用タンク2の
総重量が増加する。これを見方を変えて地盤沈下前の位
置にあった測量用タンク2’に当てはめて見ると、測量
用タンク2’の液面が見掛け上(あるいは実質上)基準
液面Loから上昇液面Lhに上昇したとも見ることがで
きる。なお、逆に地盤が隆起して測量用タンク2がその
分だけ鉛直方向に上方に変位すると、その上方変位分だ
け測量用2内の液体5の量が減って基準液面(基準水
位)Loが保たれ、見方を変えれば、測量用タンク2の
液面が見掛け上(あるいは実質上)基準液面Loから下
降液面Lrに下降したと見ることもできる。
「基準液面に対する見掛け上の液面変化分」の説明図で
ある。2’は地盤沈下前の位置にある測量用タンクを示
し、液体5の液面は基準液面Loにある。地盤が沈下す
ると測量用タンクもその沈下量だけ鉛直方向に下降し測
量用タンク2の状態となる。そして、その下降分の高さ
dに相当する液体5が基準タンク(貯水タンク)8から
測量用タンク2に連通管4、9を通じて補給され基準液
面(基準水位)Loが保たれ,鉛直方向の下降分、即ち
高さdに相当する液体5の増量分だけ測量用タンク2の
総重量が増加する。これを見方を変えて地盤沈下前の位
置にあった測量用タンク2’に当てはめて見ると、測量
用タンク2’の液面が見掛け上(あるいは実質上)基準
液面Loから上昇液面Lhに上昇したとも見ることがで
きる。なお、逆に地盤が隆起して測量用タンク2がその
分だけ鉛直方向に上方に変位すると、その上方変位分だ
け測量用2内の液体5の量が減って基準液面(基準水
位)Loが保たれ、見方を変えれば、測量用タンク2の
液面が見掛け上(あるいは実質上)基準液面Loから下
降液面Lrに下降したと見ることもできる。
【0015】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、この
発明による鉛直方向変位の測定方法とその測定装置によ
れば、測量用タンク内の液面変位を検知するために、構
造が複雑で誤動作しやすいベローズやコスト高の特注の
電気的センサー等を要せず、単純な形状の測量用タンク
と、一般によく使用される秤量計を用いて、構造が簡単
で堅牢な変位検知器を構成することができ、この秤量計
で測定した測量用タンク内の液体重量の変化分のデータ
を基に極めて簡単な算式で測量用タンク内の液体の液面
変位分、即ち地盤の沈下や隆起に伴う測定地点における
鉛直方向の変位を簡単に測定することができ、測量用タ
ンクの底面積を大きく取れば測定精度を高めることもで
きる。
発明による鉛直方向変位の測定方法とその測定装置によ
れば、測量用タンク内の液面変位を検知するために、構
造が複雑で誤動作しやすいベローズやコスト高の特注の
電気的センサー等を要せず、単純な形状の測量用タンク
と、一般によく使用される秤量計を用いて、構造が簡単
で堅牢な変位検知器を構成することができ、この秤量計
で測定した測量用タンク内の液体重量の変化分のデータ
を基に極めて簡単な算式で測量用タンク内の液体の液面
変位分、即ち地盤の沈下や隆起に伴う測定地点における
鉛直方向の変位を簡単に測定することができ、測量用タ
ンクの底面積を大きく取れば測定精度を高めることもで
きる。
【図1】この発明の一実施例を示す鉛直方向変位の測定
装置の構成図。
装置の構成図。
【図2】同装置の測量用タンクの「見掛け上の液面変化
分」説明図。
分」説明図。
1 :防塵ケース 8 :基準タン
ク 2 :測量用タンク 9 :連通管 2’:測量用タンク 10 :計算手段
(コンピュータ) 3 :秤量計 K :変位検知
器 4 :連通管 Lo:基準液面
(基準水位) 4a:逆U字管部 Lh:上昇液面 5 :液体 Lr:下降液面 6 :ケーブル P :基準箇所 7 :通気孔 d :下降分の
高さ
ク 2 :測量用タンク 9 :連通管 2’:測量用タンク 10 :計算手段
(コンピュータ) 3 :秤量計 K :変位検知
器 4 :連通管 Lo:基準液面
(基準水位) 4a:逆U字管部 Lh:上昇液面 5 :液体 Lr:下降液面 6 :ケーブル P :基準箇所 7 :通気孔 d :下降分の
高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏川 亨介 大阪府大阪市淀川区西宮原1丁目8番29号 中央復建コンサルタンツ株式会社内 (72)発明者 岡田 英克 大阪府大阪市淀川区西宮原1丁目8番29号 中央復建コンサルタンツ株式会社内
Claims (6)
- 【請求項 1】 測定地点に貯留した液体の液面の、基
準液面に対する見掛け上の液面変化分に相当する同液体
の重量変化分を秤量し、この重量変化分から測定地点の
鉛直方向の変位分を算出することを特徴とする鉛直方向
変位の測定方法。 - 【請求項 2】 測定地点に設置した測量用タンクと基
準地点に設置した基準タンクを連通管で連通させ、この
連通管を介して前記基準タンクと測量用タンクに液体を
貯留すると共に、前記測量用タンク内の液体の重量を計
量する秤量計と、この秤量計の出力信号を基に前記基準
タンク内の基準液面に対する前記測量用タンク内の液体
の見掛け上の液面変化分を算出する計算手段を備えたこ
とを特徴とする鉛直方向変位の測定装置。 - 【請求項 3】 測定地点に設置した測量用タンクと基
準地点に設置した基準タンクを、これら基準タンクと測
量用タンクに貯留される液体の基準液面より上方に突出
する逆U字管部を形成した連通管で連通させ、この連通
管を介して前記基準タンクと測量用タンクに液体を貯留
して前記逆U字管部の先端を前記測量用タンク内の液体
中に開口させると共に、前記測量用タンク内の液体の重
量を計量する秤量計と、この秤量計の出力信号を基に前
記基準タンク内の基準液面に対する前記測量用タンク内
の液体の見掛け上の液面変化分を算出する計算手段を備
えたことを特徴とする鉛直方向変位の測定装置。 - 【請求項 4】 多数の測量用タンクを連通管を介して
基準タンクに連結したことを特徴とする請求項2または
3記載の鉛直方向変位の測定装置。 - 【請求項 5】 測定地点に設置される防塵ケース内
に、液体を貯留する測量用タンクと、この測量用タンク
内の液体の重量を計量する秤量計を配設し、前記測量用
タンクを前記防塵ケース外の基準タンクに連通させる連
通管と、前記秤量計の出力信号を基に前記基準タンク内
の基準液面に対する前記測量用タンク内の液体の見掛け
上の液面変化分を算出する計算手段へ前記秤量計の出力
信号を伝達するケーブルを、前記防塵ケースから導出さ
せたことを特徴とする鉛直方向変位の測定装置。 - 【請求項 6】 先端が測量用タンク内の液体中に開口
され且つその液体の基準液面より上方に突出する逆U字
管部が形成された連通管を防塵ケースから導出させたこ
とを特徴とする請求項5に記載の鉛直方向変位の測定装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29311597A JPH1194545A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 鉛直方向変位の測定方法とその測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29311597A JPH1194545A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 鉛直方向変位の測定方法とその測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1194545A true JPH1194545A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=17790629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29311597A Pending JPH1194545A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 鉛直方向変位の測定方法とその測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1194545A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103063382A (zh) * | 2012-12-20 | 2013-04-24 | 华南理工大学 | 一种挠度自动测量装置及其测量方法 |
CN105547246A (zh) * | 2016-01-31 | 2016-05-04 | 赵挺生 | 一种连通管式沉降及变形监测装置 |
CN112097736A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-12-18 | 华东交通大学 | 一种气压式新型静力水准仪 |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP29311597A patent/JPH1194545A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103063382A (zh) * | 2012-12-20 | 2013-04-24 | 华南理工大学 | 一种挠度自动测量装置及其测量方法 |
CN105547246A (zh) * | 2016-01-31 | 2016-05-04 | 赵挺生 | 一种连通管式沉降及变形监测装置 |
CN112097736A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-12-18 | 华东交通大学 | 一种气压式新型静力水准仪 |
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