JPH1194532A - X線固体平面検出器及びx線診断装置 - Google Patents

X線固体平面検出器及びx線診断装置

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JPH1194532A
JPH1194532A JP9257311A JP25731197A JPH1194532A JP H1194532 A JPH1194532 A JP H1194532A JP 9257311 A JP9257311 A JP 9257311A JP 25731197 A JP25731197 A JP 25731197A JP H1194532 A JPH1194532 A JP H1194532A
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ray
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flat panel
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Application number
JP9257311A
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Inventor
Shinichi Yamada
真一 山田
Takuya Sakaguchi
卓弥 坂口
Kunio Aoki
邦夫 青木
Masayuki Nishiki
雅行 西木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線検出器のダイナミックレンジをX線曝射
条件に応じて変更し、X線吸収が大いに異なる領域を含
む部位の透視における画像品質を改善し、A/D変換後
の階調を有効に利用する。 【解決手段】 KB23から入力された情報に基づい
て、X線曝射条件選択部19がX線曝射条件を選択し、
このX線曝射条件により対応テーブル17を検索して曝
射条件に適合するゲイン制御状態を読出し、これによっ
てアナログSW設定部15を駆動する。アナログSW設
定部15の信号により初段積分アンプ47の積分容量4
9、53、57を切り替えてゲイン制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線診断装置に好
適なX線固体平面検出器に係り、特にその透視画質改善
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりX線撮像手段としてイメージイ
ンテンシファイア(I.I.)−TVカメラ系を備えた
X線透視撮影装置が用いられている。このI.I.−T
V系を備えたX線透視撮影装置による心臓血管検査等で
は、被写体のパンニングを伴いなおかつ肺野、横隔膜等
のX線低吸収領域と心臓部を含むX線高吸収領域が混在
する透視撮影領域となる。このX線低吸収領域における
ハレーションを防止し透視画質を向上させるために、従
来電動コリメータや電動補償フィルタ等のメカニカルフ
ィルタが使われてきた。しかし、メカニカルフィルタの
操作は画角が替わる度に行わなければならず、操作が煩
雑であった。
【0003】そこで近年、透視画質を改善する方法とし
て、「X線イメージング装置の自動輝度補償方法」(特
開平4−329934号公報)や、「X線記録のダイナ
ミック圧縮方法及びその装置」(特開平4−27167
7号公報)が提案されている。
【0004】また近年、半導体製造技術を応用したX線
固体平面検出器の構成として、間接変換型X線固体平面
検出器(米国特許USP4689487ほか)、及び直
接変換型X線固体平面検出器(米国特許USP5319
206ほか)が提案されている。
【0005】この間接変換型X線固体平面検出器は、X
線を増感紙やヨウ化セシウム(CsI)結晶などの化学
物質を介して光に変換し、この光の強度をフォトダイオ
ードの光電変換作用で電荷に変換し、この電荷を画素毎
の容量に蓄積する。
【0006】そして、薄膜トランジスタ(以下、TFT
と略す)マトリックス等のスイッチング手段により蓄積
された電荷を順次読み出して、チャージアンプ(初段積
分アンプとも呼ばれる)により電圧に変換し、この電圧
をA/D変換してディジタル画像信号を得るものである
(図8参照)。
【0007】一方、直接変換型X線固体平面検出器は、
図9に模式断面図を示すように、高電界下のセレン(S
e)等の半導体へ入射したX線が直接光電効果により電
荷生成に寄与し、この電荷が画素毎の信号蓄積容量に蓄
積される。そして、間接変換型と同様に、蓄積された電
荷をTFTのスイッチングにより順次読み出し、図示さ
れないチャージアンプにより電圧に変換し、A/D変換
してディジタル画像信号を得る。
【0008】なお、図10(a)のアモルファス−セレ
ン(a−Se)の膜厚dSe=160μm,バイアス電圧
Vbを変化(1000V〜1700V)させた場合の単
位吸収エネルギー当たりの発生電子数の変化を図10
(b)に示す(参考文献:”X-ray imaging using amor
phous selenium:Determination of x-ray sensitivityb
y pulse height spectroscopy”,J.A.Rowlands,G.DeCr
escenzo,and N.Araj,Medical Physics VOL.19,No.4,pp
1065-1069,Jul/Aug 1992)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線撮
像装置の利用方法において、透視と撮影では、X線条件
すなわちX線管電流と曝射時間との積であるX線量(m
As)が大きく異なり、それぞれの条件において、X線
固体平面検出器の各画素に蓄積される電荷量が異なる。
【0010】例えば透視条件と撮影条件では、1画素に
蓄積される最大電荷量で数百倍の差がある。このため、
透視条件などの電荷量が少ない信号範囲では、ADCの
持つビットレンジを有効活用できず、ディジタル変換後
の信号値の分解能が低くなるという問題点があった。
【0011】また、従来の透視画像改善方法では、イメ
ージインテンシファイアの出力をTVカメラで撮像した
後のビデオ信号に対して種々の処理を施す方法なので、
I.I.からの光強度が、カメラのダイナミックレンジ
以上である場合に対しては改善の余地がないという問題
点があった。
【0012】一方、従来のX線固体平面検出器では、入
力X線に対する出力信号の関係は、ほぼ線形でかつ平面
的に一様であり、検出面の2次元的な領域によってこれ
を変更することはできなかった。
【0013】以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、X
線曝射条件によらず、常に与えられたビットレンジを有
効に利用して、濃度分解能の高いX線画像を得ることの
できるX線固体平面検出器を提供することである。
【0014】また本発明の目的は、X線固体平面検出器
の入力X線に対する出力信号の関係を2次元的な領域に
よって変更することで、従来のI.I.−TVカメラに
よる透視画像では得られなかった情報を得、さらに見易
い画像を観察者に提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、入射するX線または光に応じて発生した電
荷を伝達するマトリクス状に配列された画素電極と、前
記画素電極の出力を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段
に蓄積された電荷を読み出す読み出し手段と、前記読み
出し手段を介した前記蓄積手段の出力を積分及び増幅す
る前段処理回路と、前記前段処理回路のアナログ出力信
号をディジタル値に変換するA/D変換器と、X線曝射
条件に応じて前記前段処理回路の特性を変える制御手段
とを備えたことを要旨とするX線固体平面検出器であ
る。
【0016】以上の構成により本発明においては、A/
D変換器の前段に設けられた前段処理回路の積分定数や
ゲイン等の特性をX線曝射条件に応じて変えることによ
り、前段処理回路がA/D変換器に出力するアナログ電
圧値をA/D変換器が飽和しない範囲内で十分大きい値
とすることができ、A/D変換器のダイナミックレンジ
をフルに活用した精度の高いディジタルX線画像情報を
得ることが出来る。
【0017】また本発明においては、A/D変換器の前
段に設けられた前段処理回路の出力が所定の値以上とな
った時に、前段処理回路の出力電圧を低下させるように
制御手段により制御することにより、A/D変換器の飽
和を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るX線
固体平面検出器の第1の実施形態を説明するブロック回
路図である。本実施の形態は、X線曝射条件に応じて前
段処理回路である初段積分アンプのゲインを変更するこ
とによりA/D変換特性を制御する例を示している。
【0019】図1において、X線診断装置1は、X線源
であるX線管球11と、X線管球11からのX線曝射条
件を制御するX線曝射制御部13と、アナログスイッチ
(以下、アナログSWと略す)設定部15と、X線曝射
条件とゲイン制御との対応テーブル17と、X線曝射条
件選択部19と、X線画像情報を保持する画像メモリ2
1と、X線曝射条件を入力するためのキーボード(以
下、KBと略す)23と、X線画像を表示するCRT2
5と、X線固体平面検出器31とを備えて構成されてい
る。
【0020】X線固体平面検出器31は、例えば、10
00×1000の行列状に配置された各画素に対応する
複数の光電変換素子43と、各光電変換素子43のそれ
ぞれに対応して設けられた読出スイッチとしての複数の
TFT41と、各列のTFT41のゲートに駆動信号を
送出するゲートドライバ45と、各行のTFT41のド
レインが共通に接続された初段積分アンプ47と、各初
段積分アンプ47の出力を時分割多重化するマルチプレ
クサ61と、マルチプレクサ61の出力を増幅するアン
プ63と、アンプ63の出力をアナログ/ディジタル変
換して画像メモリ21へ出力するADC65とを備えて
いる。
【0021】X線固体平面検出器31の複数の光電変換
素子43は、X線を直接電荷に変換する直接変換型の光
電変換素子であってもよいし、X線入射面に形成された
図示されない蛍光体によりX線を可視光に変換し、この
可視光の強度分布を電荷に変換する間接変換型の光電変
換素子であってもかまわない。
【0022】X線固体平面検出器31の初段積分アンプ
47は、差動増幅器59と、コンデンサ49、53、5
7と、電子的に開閉動作が行われる例えば相補型MOS
−FETを用いたバイラテラルゲートのようなアナログ
SW51、55と、を備えて構成されている。
【0023】そして、アナログSW設定部15からの信
号によりアナログSW51および55が開閉され、積分
アンプの積分容量を変化させることができるようになっ
ている。
【0024】次に、この第1の実施形態の動作を説明す
る。X線撮影または透視に際して、まずCRT25にメ
ニュー画面が表示され、このメニューに従って、管電
圧、管電流、曝射時間等のX線曝射条件がX線曝射条件
選択部19に入力される。X線曝射条件選択部19は、
入力されたX線曝射条件に応じた制御信号をX線曝射制
御部13に出力するとともに、このX線曝射条件によっ
て、X線曝射条件とゲイン制御との対応テーブル17を
検索し、このX線曝射条件に応じた初段積分アンプ47
のゲイン(積分容量)を形成するアナログSW制御状態
を求める。
【0025】このX線曝射条件とゲイン制御との対応テ
ーブル17は、例えばX線透視の場合などX線曝射量が
少ない場合には、発生電荷量が少ないので積分容量を小
さくし、例えばX線撮影の場合などX線曝射量が多い場
合には、発生電荷量が多いので積分容量を大きくするよ
うにアナログSWの開閉状態を制御するものであり、例
えばROM等に予め書き込まれた固定値でもよいし、E
EPROM等を用いて、X線管球11やX線固体平面検
出器31の経年変化に応じて書き換えても良い。
【0026】そして、このアナログSW制御状態を実現
するアナログSW設定信号をアナログSW設定部15で
作成し、X線固体平面検出器31の各初段積分アンプ4
7のアナログSW51、55へ送出する。
【0027】こうして、X線曝射条件に応じたX線固体
平面検出器31の初段積分アンプのゲインが設定され
る。次いで、X線管球11からX線が曝射されたとき、
図示されない被検体を透過してX線固体平面検出器31
の各画素に入射したX線の強度は、光電変換素子43に
より電荷に変換され、各光電変換素子43に蓄積された
電荷量は、各画素毎に設けられたTFT41のスイッチ
により初段積分アンプ47により電圧に変換される。
【0028】このとき、初段積分アンプ47はX線曝射
量に応じた適切なゲインに設定されているので、マルチ
プレクサ61を介して、アンプ63で増幅された後、A
DC65に入力するアナログX線画像信号の振幅レベル
は、ADC65のビット分解能を十分に引き出すことが
できる。ADC65によりアナログ/ディジタル変換さ
れたディジタルX線画像信号は、画像メモリ21に書き
込まれ、CRT25に十分な濃度分解能で表示される。
【0029】以上説明したように、本実施の形態では、
初段積分アンプ47のゲインがX線曝射条件に応じた適
切なゲインに設定されているので、ADC65に入力さ
れる信号がADC65のダイナミックレンジを有効に利
用し、X線画像の濃度分解能を高め、微小なコントラス
ト変化が読み取れるようになる。
【0030】なお、本実施の形態では、積分容量のコン
デンサを49、53、57と3通りの容量を設け、これ
を2つのアナログSW51、55により切り替えたが、
これに限らずコンデンサ57にも直列にアナログSWを
設けてもよいし、さらに任意の数の積分容量とこれらを
切り替えるアナログSW群を設けることも可能である。
【0031】また、本実施の形態の変形例として、初段
積分アンプ47の出力、マルチプレクサ61の出力、ま
たはアンプ63の出力などのADC65の前段処理回路
の出力を監視し、この監視結果によりアナログSW設定
部15を制御する制御手段を更に設け、これらの出力電
圧が所定の値以上となったときに、初段積分アンプ47
の積分定数やゲインを変更して前段処理回路の出力電圧
が低下するように制御しても良い。
【0032】図2は、本発明に係るX線固体平面検出器
の第2の実施形態を説明するブロック回路図である。本
実施の形態は、X線曝射条件に応じてA/D変換器の前
段処理回路であるアンプのゲインを変更することにより
A/D変換特性を制御する例を示している。
【0033】図2において、X線診断装置3は、X線管
球11と、X線曝射制御部13と、アナログSW設定部
15と、X線曝射条件とゲイン制御との対応テーブル1
7と、X線曝射条件選択部19と、画像メモリ21と、
KB23と、CRT25と、X線固体平面検出器33と
を備えて構成されている。
【0034】本実施の形態のX線診断装置3は、X線固
体平面検出器31の代わりにX線固体平面検出器33が
用いられていることを除いて第1の実施形態と同じであ
るので重複する説明は省略する。
【0035】X線固体平面検出器33は、例えば、10
00×1000の行列状に配置された複数の光電変換素
子43と、各光電変換素子43のそれぞれに対応して設
けられた読出スイッチとしての複数のTFT41と、各
列のTFT41のゲートに駆動信号を送出するゲートド
ライバ45と、各行のTFT41のドレインが共通に接
続された初段積分アンプ71と、各初段積分アンプ47
の出力を時分割多重化するマルチプレクサ61と、マル
チプレクサ61の出力を増幅するアンプ85と、アンプ
85の出力をアナログ/ディジタル変換して画像メモリ
21へ出力するADC65とを備えている。
【0036】X線固体平面検出器33の構成要素のう
ち、複数の光電変換素子43、各光電変換素子43に対
応して設けられたTFT41、ゲートドライバ45、マ
ルチプレクサ61、ADC65は、第1の実施形態のX
線固体平面検出器31と同様の構成要素であるので、重
複する説明は省略する。
【0037】本実施の形態のX線固体平面検出器33
は、ゲイン(積分容量)が固定の初段積分アンプ71を
備えるとともに、各初段積分アンプ71の出力を時分割
多重化するマルチプレクサ61とADC65との間に設
けられた増幅度可変のアンプ85を備えている点が第1
の実施形態と異なる。
【0038】アンプ85は、その入力側に設けられた抵
抗73の値Riと、アンプ85の出力からその負入力に
帰還する帰還抵抗値Rfにより増幅度(Rf/Ri)が
決まるので、アンプ85の出力からその負入力に帰還す
る抵抗77、81、にそれぞれ直列にアナログSW7
5、79を設け、各SW75、79をアナログSW設定
部15からの信号により開閉状態を切り替える。これに
より帰還抵抗値が変化するのでアンプ85の増幅度を切
り替えることができる。
【0039】このアナログSW75、81にも第1の実
施形態に用いたアナログSWと同様な、電子的に開閉動
作が行われる例えば相補型MOS−FETを用いたバイ
ラテラルゲート等の素子を利用することができる。
【0040】次に、この第2の実施形態の動作を説明す
る。X線撮影または透視に際して、まずCRT25にメ
ニュー画面が表示され、このメニューに従って、管電
圧、管電流、曝射時間等のX線曝射条件がX線曝射条件
選択部19に入力される。X線曝射条件選択部19は、
入力されたX線曝射条件に応じた制御信号をX線曝射制
御部13に出力するとともに、このX線曝射条件によっ
て、X線曝射条件とゲイン制御との対応テーブル17を
検索し、このX線曝射条件に応じたアンプ85のゲイン
を形成するアナログSW制御状態を求める。
【0041】このX線曝射条件とゲイン制御との対応テ
ーブル17は、X線曝射量が少ない場合には、発生電荷
量が少ないのでアンプ85ゲインを大きくするため帰還
抵抗値Rfを大きくし、X線曝射量が多い場合には、発
生電荷量が多いのでゲインを小さくするために帰還抵抗
値Rfを小さくするようにアナログSW77、81の開
閉状態を制御するものであり、例えばROM等に予め書
き込まれた固定値でもよいし、EEPROM等を用い
て、X線管球11やX線固体平面検出器33の経年変化
に応じて書き換えても良い。
【0042】そして、このアナログSW制御状態を実現
するアナログSW設定信号をアナログSW設定部15で
作成し、X線固体平面検出器33のアンプ85のアナロ
グSW75、81へ送出する。
【0043】こうして、X線曝射条件に応じたX線固体
平面検出器33のアンプ85のゲインが設定され、X線
が曝射されたとき、その曝射量に最適なアンプのゲイン
が得られ、ADC65のダイナミックレンジを有効に利
用し、X線画像の濃度分解能を高め、微小なコントラス
ト変化が読み取れるようになる。
【0044】なお、本実施の形態では、アンプ85の帰
還抵抗を77、81、83、と3本設けたが、これに限
らず任意の数の帰還抵抗を切り替えることも可能であ
る。
【0045】また、第2実施形態の変形例として、後段
のアンプ85のゲインを切り替える代わりに、図3
(a)、(b)に示すように、複数の直列に接続された
後段アンプQ1,Q2またはQ5,Q5を設けて、その
段数を切り替えても良いし、特に図示しないが、それぞ
れゲインの異なる複数のアンプを設けて、アンプを切り
替えてもよい。いずれの場合も切り替えるアンプの段数
やアンプの個数には特に制限はなく、必要に応じて任意
の数を設け切り替えればよい。
【0046】さらに、本実施の形態の変形例として、初
段積分アンプ71の出力、マルチプレクサ61の出力、
またはアンプ85の出力などのADC65の前段処理回
路の出力を監視し、この監視結果によりアナログSW設
定部15を制御する制御手段を更に設け、これらの出力
電圧が所定の値以上となったときに、アンプ85のゲイ
ンを変更して前段処理回路の出力電圧が低下するように
制御しても良い。
【0047】図4は、本発明に係るX線固体平面検出器
の第3の実施形態を説明するブロック回路図である。本
実施の形態は、X線固体平面検出器35の読出信号の2
次元的な領域に応じてアンプのゲインを変更することに
よりA/D変換特性を制御する例を示している。
【0048】図4において、X線固体平面検出器35
は、例えば、1000×1000の行列状に配置された
各画素に対応する複数の光電変換素子43と、各光電変
換素子43のそれぞれに対応して設けられた読出スイッ
チとしての複数のTFT41と、各列のTFT41のゲ
ートに駆動信号を送出するゲートドライバ45と、各行
のTFT41のドレインが共通に接続された初段積分ア
ンプ71と、各初段積分アンプ71の出力を時分割多重
化するマルチプレクサ61と、マルチプレクサ61の出
力を増幅するアンプ93と、アンプ93の出力をアナロ
グ/ディジタル変換して画像メモリ21へ出力するAD
C65と、マルチプレクサ61の出力から低周波成分を
抽出する低周波抽出手段87と、低周波抽出手段87に
よる抽出結果に応じてそれぞれアンプ93のオフセット
およびゲインを設定するアンプオフセット設定手段89
およびアンプゲイン設定手段91とを備えている。
【0049】X線固体平面検出器35の複数の光電変換
素子43は、X線を直接電荷に変換する直接変換型の光
電変換素子であってもよいし、X線入射面に形成された
図示されない蛍光体によりX線を可視光に変換し、この
可視光の強度分布を電荷に変換する間接変換型の光電変
換素子であってもかまわない。
【0050】次に、本第3実施形態の動作を説明する。
X線固体平面検出器35の各画素にX線またはX線から
変換された光線が入射し、入射したX線または光線の量
に応じた電荷が各光電変換素子43に生成され、これが
アナログのX線画像信号としてマルチプレクサ61の出
力信号として得られることは、従来のX線固体平面検出
器と同じである。マルチプレクサ61の出力として得ら
れたX線画像信号は、アンプ93に入力されるととも
に、低周波成分抽出手段87により、その低周波成分が
抽出される。抽出された低周波成分の情報は、アンプオ
フセット設定手段89およびアンプゲイン設定手段91
にそれぞれ入力され、低周波成分を抑制し、高周波成分
を強調するようなアンプオフセットおよびアンプゲイン
制御信号に変換され、アンプ93に供給される。アンプ
93は、このアンプオフセットおよびアンプゲインに応
じてアナログX線画像信号を増幅し、ADC65に出力
する。
【0051】図5は本第3実施形態の作用を説明する図
である。同図(a)は、光電変換素子43のマトリック
スにより得られたX線のイメージを示している。同図
(a)における(ア)ラインのプロファイルは、本発明
を用いなければ同図(b)の様に出力され、(イ)ライ
ンで示されたA/Dコンバータの入力上限値を越えて入
力される情報は量子化されずに失われてしまう。そこで
同図(c)に示すような低周波成分を抽出し、これを用
いて低周波成分を抑制し、高周波成分を強調すれば同図
(d)に得られるようなプロファイルが得られることに
なる。
【0052】次に、本発明に係るX線固体平面検出器の
第4の実施形態を説明する。図6は、本発明に係るX線
固体平面検出器の第4の実施形態を説明するブロック回
路図である。本実施の形態は、X線曝射条件に応じてX
線を電荷に変換する光電変換膜のバイアス電圧を変更す
ることによりA/D変換特性を制御する例を示してい
る。
【0053】図6において、X線診断装置5は、X線源
であるX線管球11と、X線管球11からのX線曝射条
件を制御するX線曝射制御部13と、X線曝射条件とゲ
イン制御との対応テーブル17と、X線曝射条件選択部
19と、X線画像情報を保持する画像メモリ21と、X
線曝射条件を入力するためのKB23と、X線画像を表
示するCRT25と、X線固体平面検出器37と、X線
固体平面検出器37にバイアス電圧を供給するバイアス
用可変電源97と、バイアス電圧設定部99と、最大最
小検出部101とを備えて構成されている。
【0054】X線固体平面検出器37は、例えば、10
00×1000の行列状に配置された各画素に対応する
複数の光電変換素子43と、各光電変換素子43のそれ
ぞれに対応して設けられた読出スイッチとしての複数の
TFT41と、各列のTFT41のゲートに駆動信号を
送出するゲートドライバ45と、各行のTFT41のド
レインが共通に接続された初段積分アンプ71と、各初
段積分アンプ71の出力を時分割多重化するマルチプレ
クサ61と、マルチプレクサ61の出力を増幅するアン
プ63と、アンプ63の出力をアナログ/ディジタル変
換して画像メモリ21へ出力するADC65とを備えて
いる。
【0055】X線固体平面検出器37は、例えば、アモ
ルファス−セレン膜(以下、a−Seと略す)を用いた
直接変換型の複数の光電変換素子43と、この複数の光
電変換素子43に共通のバイアス電圧を印加する共通バ
イアス電極95とを備えている。
【0056】次に、この第4の実施形態の動作を説明す
る。X線撮影または透視に際して、まずCRT25にメ
ニュー画面が表示され、このメニューに従って、管電
圧、管電流、曝射時間等のX線曝射条件がX線曝射条件
選択部19に入力される。X線曝射条件選択部19は、
入力されたX線曝射条件に応じた制御信号をX線曝射制
御部13に出力するとともに、このX線曝射条件によっ
て、X線曝射条件とゲイン制御との対応テーブル17を
検索し、このX線曝射条件に応じたバイアス電圧を求め
る。
【0057】このX線曝射条件とゲイン制御との対応テ
ーブル17は、X線曝射量が少ない場合には、発生電荷
量が多くなるようにバイアス電圧を高め、X線曝射量が
多い場合には、発生電荷量が少なくなるようにバイアス
電圧を低めるように制御するものであり、例えばROM
等に予め書き込まれた固定値でもよいし、EEPROM
等を用いて、X線管球11やX線固体平面検出器37の
経年変化に応じて書き換えても良い。
【0058】そして、X線曝射条件とゲイン制御との対
応テーブル17の検索の結果、得られたバイアス電圧の
条件をバイアス設定部99に送り、バイアス設定部99
はこのバイアス電圧の条件に応じたバイアス電圧を発生
するようにバイアス用可変電源97を制御する。こうし
てX線曝射条件に応じたバイアス電圧がX線固体平面検
出器37に与えられる。
【0059】次いで、X線管球11からX線が曝射され
たとき、図示されない被検体を透過してX線固体平面検
出器37の各画素に入射したX線の強度は、光電変換素
子43により電荷に変換され、各光電変換素子43に蓄
積された電荷量は、各画素毎に設けられたTFT41の
スイッチにより初段積分アンプ71により電圧に変換さ
れる。
【0060】この電圧は、マルチプレクサ61を介し
て、アンプ63で増幅された後、ADC65に入力す
る。このADC65に入力されるアナログX線画像信号
の振幅レベルは、ADC65のビット分解能を十分に引
き出すことができる。ADC65によりアナログ/ディ
ジタル変換されたディジタルX線画像信号は、画像メモ
リ21に書き込まれ、CRT25に十分な濃度分解能で
表示される。
【0061】本実施の形態では、X線曝射条件、被検者
の体格、体位、撮影部位によっては、X線曝射条件だけ
では、バイアス電圧が最適になるとは限らない場合もあ
る。このような場合、第2回目のX線曝射は、第1回目
のX線曝射の結果のアナログ/ディジタル変換結果を利
用して、バイアス電圧を変更することができる。
【0062】このために、ADC65の出力をモニタす
る最大・最小検出部101が設けられている。最大・最
小検出部101は、ADC65が変換したディジタルX
線画像データから最大値および最小値を検出し、各画素
毎に光電変換素子43の発生電荷量が飽和しているか飽
和していないかを判定する。
【0063】この判定において、例えば、図7(a)に
示すように、全ての画素の発生電荷量が飽和していなく
て、現在のX線画像の出力レベルがADCのレンジより
十分小さければ、次回からバイアス電圧を高めるように
バイアス設定部99に信号を送る。この判定において、
例えば、図7(b)に示すように、発生電荷量が飽和し
ている画素の領域がある程度以上に大きければ、次回よ
りバイアス電圧を低めるようにバイアス設定部99に信
号を送る。
【0064】これにより、X線固体平面検出器37のバ
イアス電圧がX線曝射条件に応じた適切なゲインに設定
されているので、ADC65に入力される信号がADC
65のダイナミックレンジを有効に利用し、X線画像の
濃度分解能を高め、微小なコントラスト変化が読み取れ
るようになる。
【0065】また、本実施の形態においては、X線曝射
条件によるバイアス電圧の設定が困難な場合でも、2枚
目以降ののX線撮影または2フレーム目以降のX線透視
において、最適なX線固体平面検出器のバイアス電圧が
得られる。
【0066】さらに、本実施の形態ではA/D変換器の
出力に基づいて光電変換素子の発生電荷量が飽和してい
ることを検出しているが、A/D変換器に入力されるア
ナログ電圧からコンパレータ等を用いて直接検出する構
成としても良い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、X
線透視の際にA/D変換後のディジタル階調がフルに利
用可能となり、X線画像の濃度分解能を高め、微小なコ
ントラスト変化が読み取れるようになり、診断能を向上
させることができるという効果がある。
【0068】また本発明によれば、心臓血管検査など
の、被写体のパンニングを伴いなおかつX線の低吸収領
域と高吸収領域が混在する部位のX線透視に於いても、
メカニカルフィルタを用いることなしにハレーションを
防止した見易い画像にて観察することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線固体平面検出器の第1実施形
態を用いたX線撮像装置の構成を示すシステム構成図で
ある。
【図2】本発明に係るX線固体平面検出器の第2実施形
態を用いたX線撮像装置の構成を示すシステム構成図で
ある。
【図3】第2実施形態の変形例を説明する部分回路図で
ある。
【図4】本発明に係るX線固体平面検出器の第3実施形
態を説明するブロック回路図である。
【図5】第3実施形態の動作を説明する図であり、
(a)はX線のイメージ、(b)は本発明が適用されな
いときの(ア)ラインのプロファイル、(c)は抽出さ
れた低周波成分、(d)は本発明を適用したときの
(ア)ラインのプロファイルをそれぞれ示す。
【図6】本発明に係るX線固体平面検出器の第4実施形
態を用いたX線撮像装置の構成を示すシステム構成図で
ある。
【図7】第4実施形態の動作を説明する図である。
【図8】従来のX線固体平面検出器の構成を説明するブ
ロック回路図である。
【図9】直接変換型X線固体平面検出器の画素部の構造
を説明する模式断面図である。
【図10】直接変換型X線固体検出器に用いられるアモ
ルファスセレン(a−Se)膜におけるバイアス電圧
(Vb)をパラメータとした入射X線エネルギーに対す
る生成電子数を示すグラフである。
【符号の説明】
1…X線診断装置、11…X線管球、13…X線曝射制
御部、15…アナログSW設定部、17…X線曝射条件
とゲイン制御との対応テーブル、19…X線曝射条件選
択部、21…画像メモリ、23…KB、25…CRT、
31…X線固体平面検出器、41…TFT、43…光電
変換素子、45…ゲートドライバ、47…初段積分アン
プ、49、53、57…コンデンサ、51、55…アナ
ログSW、59…差動アンプ、61…マルチプレクサ、
63…アンプ、65…アナログ/ディジタルコンバータ
(ADC)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西木 雅行 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射するX線または光に応じて発生した
    電荷を伝達するマトリクス状に配列された画素電極と、 前記画素電極の出力を蓄積する蓄積手段と、 前記蓄積手段に蓄積された電荷を読み出す読み出し手段
    と、 前記読み出し手段を介した前記蓄積手段の出力を積分及
    び増幅する前段処理回路と、 前記前段処理回路のアナログ出力信号をディジタル値に
    変換するA/D変換器と、 X線曝射条件に応じて前記前段処理回路の特性を変える
    制御手段とを備えたことを特徴とするX線固体平面検出
    器。
  2. 【請求項2】 前記前段処理回路は前記蓄積手段に蓄積
    された電荷量を電圧に変換する積分アンプを備え、前記
    制御手段は前記積分アンプのゲイン又は積分定数を変え
    るものであることを特徴とする請求項1記載のX線固体
    平面検出器。
  3. 【請求項3】 前記前段処理回路は複数の積分アンプを
    備え、前記制御手段は前記積分アンプの接続段数を切り
    替えるものであることを特徴とする請求項1記載のX線
    固体平面検出器。
  4. 【請求項4】 前記制御手段はX線画像の低周波成分を
    抑制し、高周波成分を強調するように前記積分アンプの
    ゲインを変えるものであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれか1項記載のX線固体平面検出器。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、透視用と撮影用の設定
    情報を記憶する記憶手段を有し、この記憶された設定情
    報に基づいて前記前段処理回路の特性を切り替えること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載
    のX線固体平面検出器。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記前段処理回路の出
    力が所定の値以上となった時に、前記前段処理回路の出
    力電圧が低下するように制御を行うものであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のX
    線固体平面検出器。
  7. 【請求項7】 入射するX線または光に応じて電荷を発
    生する変換手段と、 前記変換手段の一方の面に設けられた第1の電極と、 前記変換手段の他方の面にマトリクス状に設けられた第
    2の電極と、 前記変換手段により発生された電荷を蓄積する蓄積手段
    と、 前記蓄積手段に蓄積された電荷を読み出す読み出し手段
    と、 前記読み出し手段を介した前記変換手段の出力を積分及
    び増幅する前段処理回路と、 前記前段処理回路のアナログ出力信号をディジタル値に
    変換するA/D変換器と、 前記第1の電極と前記第2の電極の間にバイアス電圧を
    供給するバイアス電圧発生手段と、 X線曝射条件に応じて前記バイアス電圧発生手段の発生
    する電圧を変える制御手段とを備えたことを特徴とする
    X線固体平面検出器。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記前段処理回路の出
    力が所定の値以上となった時に、前記バイアス電圧発生
    手段の発生する電圧が低下するように制御を行うもので
    あることを特徴とする請求項7記載のX線固体平面検出
    器。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項記
    載のX線固体平面検出器を用いたことを特徴とするX線
    診断装置。
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