JPH1194479A - 熱利用装置の顕熱回収装置 - Google Patents

熱利用装置の顕熱回収装置

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JPH1194479A
JPH1194479A JP9278247A JP27824797A JPH1194479A JP H1194479 A JPH1194479 A JP H1194479A JP 9278247 A JP9278247 A JP 9278247A JP 27824797 A JP27824797 A JP 27824797A JP H1194479 A JPH1194479 A JP H1194479A
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heat
utilization device
heat medium
storage tank
hydrogen
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JP9278247A
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Yukio Sato
幸雄 佐藤
Harunobu Takeda
晴信 竹田
Yuichi Wakizaka
裕一 脇坂
Yoshinori Kawarasaki
芳徳 河原崎
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱利用装置の顕熱を蓄熱タンクに効果的に蓄
え、これを次の加熱または冷却に有効利用することがで
きない。熱利用装置の内壁に断熱材を被覆させていない
ため、特に、加熱状態と冷却状態との切換えに際し、熱
利用装置の構成部材の加熱又は冷却に熱エネルギーが消
費され、熱効率が低下する。 【解決手段】 熱利用装置本体1bの内壁に、断熱材1
8が被覆されている熱利用装置1を使用し、熱利用装置
1の熱媒通路1aの一端部に接続させた第1の蓄熱タン
ク6と、該熱媒通路1aの他端部に接続させた第2の蓄
熱タンク7と、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bと第
2の蓄熱タンク7の内部空間7bとの間で熱媒を交互に
移送させる移送装置2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱利用装置の顕熱
回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来の熱利用装置として、
例えば特開昭59−138896号公報に記載されるも
のが知られている。この熱利用装置は、外筒内に内部に
水素吸蔵合金を保持する金属製の水素吸蔵合金保持筒を
設けて成り、該水素吸蔵合金保持筒内に水素ガスを供給
して水素吸蔵合金に吸蔵させ、その際発生する熱を水素
吸蔵合金保持筒の外側の外筒内を流通する熱交換流体に
より水素吸蔵合金保持筒の壁を介して回収する熱利用装
置において、上記の外筒の内面に断熱を施したことを特
徴としている。
【0003】しかしながら,このような従来の熱利用装
置にあつては、熱利用装置の内壁に断熱材を被覆させる
ものではあるが、加熱装置及び冷却装置で別個に作つた
高温又は低温の熱媒を交互に熱利用装置に供給する用い
方に対し、熱利用装置の顕熱を回収して再利用すること
を示唆しない。
【0004】また、従来の熱利用装置の顕熱回収装置と
して、例えば特開平8−128756号公報に記載され
るものが知られている。これは、図10に示す一対の水
素吸蔵合金収容容器102,104の顕熱を回収するも
のである。すなわち、一対の水素吸蔵合金収容容器10
2,104の熱媒通路102a,104aを接続する顕
熱回収回路185が環状に設けられ、この顕熱回収回路
185にポンプ135及び成層型蓄熱タンク190,1
91が介装されていると共に、顕熱回収回路185内に
熱媒が充填されている。顕熱回収回路185は、成層型
蓄熱タンク190,191の下部及び上部に接続され、
成層型蓄熱タンク190,191が顕熱回収回路185
の一部を形成している。132,133,133a,1
34は、顕熱回収回路185を開閉するバルブである。
【0005】この成層型蓄熱タンク190,191は、
内部が熱伝達率の小さな部材からなる多数の仕切りによ
つて区画されて自然対流が抑制される構造を有する。従
つて、温度変化を生じながら送り込まれた熱媒がそのま
まの温度分布で蓄積され、成層型蓄熱タンク190,1
91に蓄積された熱媒の温度分布が自然対流によつて均
一になることが防止される。
【0006】顕熱回収工程に際しては、ポンプ135を
駆動し、顕熱回収回路185内に予め充填してある熱媒
を一方向に循環させ、熱媒通路102a,104aを通
じて水素吸蔵合金収容容器102,104内の温度の昇
降変更を図る。例えば、熱媒通路102aを通つた最高
温度25℃の高温の熱媒が成層型蓄熱タンク190の下
部から入り次第に蓄熱され、充満されていた熱媒が上端
部から押し出される。成層型蓄熱タンク190から押し
出された熱媒は、熱媒通路104aを通じて水素吸蔵合
金収容容器104内の昇温に利用される。
【0007】また、例えば、−20℃の低温の水素吸蔵
合金収容容器102内の熱媒が成層型蓄熱タンク190
の下部から入り次第に蓄熱され、充満されていた熱媒が
上端部から押し出される。成層型蓄熱タンク190から
押し出された熱媒は、熱媒通路104aを通じて水素吸
蔵合金収容容器104内の降温に利用される。
【0008】更に、他の成層型蓄熱タンク191は、水
素吸蔵合金収容容器104の熱媒通路104aを通つた
熱媒が導入される。これにより、上述した水素吸蔵合金
収容容器102,104間での作用と同様の作用が水素
吸蔵合金収容容器104,102の間で得られることに
なる。
【0009】しかしながら、このような従来の熱利用装
置の顕熱回収装置にあつては、成層型蓄熱タンク19
0,191が熱利用装置である水素吸蔵合金収容容器1
02,104の両側に装備されてはいるが、回路185
の途中に介装され、上部及び下部にそれぞれ回路185
が接続されて成層型蓄熱タンク190,191が環状を
なす回路185の一部を形成している。このため、次の
ような技術的課題を有している。
【0010】(1)一方の水素吸蔵合金収容容器10
2,104の熱媒通路102a,104aを通つて顕熱
を奪つた熱媒が成層型蓄熱タンク190,191に流入
し、成層型蓄熱タンク190,191から押し出された
熱媒が他方の水素吸蔵合金収容容器104,102の熱
媒通路104a,102aに導入され、他方の水素吸蔵
合金収容容器104,102の昇温又は降温に供され
る。このため、成層型蓄熱タンク190,191は、回
路185の長さを増大させる機能を主体とする配置であ
り、両成層型蓄熱タンク190,191によつて回収し
た顕熱を一対の水素吸蔵合金収容容器102,104の
温度変更に有効活用することができない。
【0011】(2)ポンプ135は、常時、一方向に駆
動し、顕熱回収回路185内の熱媒を一方向に循環させ
る構造であるため、成層型蓄熱タンク190,191の
下部から入つた熱媒が上部から流出する。このため、例
えば成層型蓄熱タンク190,191の下部から入つて
高温状態から次第に温度低下する熱媒が成層型蓄熱タン
ク190,191の上部から押し出され、この次第に温
度低下する熱媒によつて水素吸蔵合金収容容器104,
102の昇温を図るようになる。その結果、水素吸蔵合
金収容容器104,102に効果的な温度変化を与える
ことが困難であつた。
【0012】(3)特に、1個の熱利用装置としての水
素吸蔵合金収容容器102又は104に、加熱装置及び
冷却装置で別個に作つた高温又は低温の熱媒を交互に供
給する用い方ではなく、このような用い方に対して水素
吸蔵合金収容容器102又は104の顕熱を回収して再
利用することを示唆しない。しかして、このような用い
方においては、従来、加熱・冷却の繰返しに伴う水素吸
蔵合金収容容器102又は104や配管系の温度変化に
対し、それぞれ毎回全エネルギを浪費することになつて
いた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1は、シェル状をなす熱利用
装置本体1bと、熱利用装置本体1bの内部空所1dに
配置され、熱利用装置本体1bに形成した熱媒入口1e
と熱媒出口1fとを連通する熱媒通路1aとを有し、熱
利用装置本体1bの内部空所1dを外部に連通する少な
くとも1個のポート1m,1nが熱利用装置本体1bに
形成されると共に、前記内部空所1dを区画する熱利用
装置本体1bの内壁に、断熱材18が被覆されている熱
利用装置1を使用し、加熱装置3による加熱状態と冷却
装置4による冷却状態とを熱利用装置1に交互に与え、
熱利用装置1に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収
装置であつて、熱利用装置1の熱媒通路1aの一端部に
接続させた第1の蓄熱タンク6と、該熱媒通路1aの他
端部に接続させた第2の蓄熱タンク7と、第1の蓄熱タ
ンク6の内部空間6bと第2の蓄熱タンク7の内部空間
7bとの間で熱媒を交互に移送させる移送装置2とを有
することを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置であ
る。請求項2は、少なくとも一方の蓄熱タンク6,7の
内壁に断熱材28が被覆され、該蓄熱タンク6,7の内
部空間6b,7bが断熱材28によつて区画されている
ことを特徴とする請求項1の熱利用装置の顕熱回収装置
である。請求項3は、シェル状をなす熱利用装置本体1
bと、熱利用装置本体1bの内部空所1dに配置され、
熱利用装置本体1bに形成した熱媒入口1eと熱媒出口
1fとを連通する熱媒通路1aとを有し、熱利用装置本
体1bの内部空所1dを外部に連通する少なくとも1個
のポート1m,1nが熱利用装置本体1bに形成される
と共に、前記内部空所1dを区画する熱利用装置本体1
bの内壁に、断熱材18が被覆されている熱利用装置1
を使用し、加熱装置3による加熱状態と冷却装置4によ
る冷却状態とを熱利用装置1に交互に与え、熱利用装置
1に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつ
て、熱利用装置1の熱媒通路1aの一端部を下端部の出
入口66c2 に接続させ、該熱媒通路1aの他端部を上
端部の出入口66c1 に接続させた1個の蓄熱タンク6
6と、該蓄熱タンク66の内部空間66bに上下方向の
摺動可能に収容され、該内部空間66bを上空間66b
1 と下空間66b2 とに仕切る仕切部材19と、該熱媒
通路1aを流通する熱媒を、上空間66b1 と下空間6
6b2 との間で交互に移送させる移送装置2とを有する
ことを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置である。請
求項4は、蓄熱タンク66の内壁に断熱材28が被覆さ
れ、該蓄熱タンク66の内部空間66bが断熱材28に
よつて区画されていることを特徴とする請求項3の熱利
用装置の顕熱回収装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の
形態に係る熱利用装置の顕熱回収装置を示す。図中にお
いて符号1は熱利用装置としての水素回収容器であり、
内部に水素吸蔵合金Mを収容すると共に、水素吸蔵合金
Mを加熱又は冷却するための熱媒通路1aを有してい
る。
【0015】水素回収容器1は、図8に示すようにシェ
ル状をなす容器本体1bの内部空所1dを第1,第2境
壁1j,1kによつて仕切り、熱媒入口1eに接続する
熱媒入口空間1g、熱交換室1h及び熱媒出口1fに接
続する熱媒出口空間1iを形成している。熱媒通路1a
は、チューブ状をなし、熱媒入口空間1gと熱媒出口空
間1iとを連通するように第1,第2境壁1j,1kの
間に複数配置されている。また、容器本体1bには、内
部空所1dの熱交換室1hを外部に連通する2個のポー
ト1m,1nが形成され、この内部空所1dの一部であ
る熱交換室1hを区画する容器本体1b及び第1,第2
境壁1j,1kの内壁に、断熱材18を被覆させてあ
る。断熱材18は、伝熱性の低い合成樹脂シート、独立
気泡を有する発泡性材料等によつて形成することができ
る。この熱交換室1hに、水素吸蔵合金Mが収容されて
いる。
【0016】熱媒通路1aの一端、つまり熱媒入口1e
は、図1に示すように移送装置である正逆駆動が可能な
ポンプ2を備える流路10の他端に接続され、流路10
の一端には、それぞれ開閉バルブ20,21を備える一
対の流路11,12が接続され、一方の流路11には加
熱装置3が接続され、他方の流路12には冷却装置4が
接続されている。また、熱媒通路1aの他端、つまり熱
媒出口1fには、それぞれ開閉バルブ22,23を備え
る一対の流路13,14が接続され、一方の流路13に
は加熱装置3が接続され、他方の流路14には冷却装置
4が接続されている。これらの熱媒通路1a及び流路1
0,11,12,13,14には、液体からなる熱媒
(冷媒を含む)が収容されている。
【0017】しかして、一対の開閉バルブ20,22を
開いた状態でポンプ2を駆動することにより、加熱装置
3によつて加熱された熱媒が熱媒通路1aに導かれ、水
素吸蔵合金Mを加熱するので、水素吸蔵合金Mから水素
を放出させることができる。また、一対の開閉バルブ2
1,23を開いた状態でポンプ2を駆動することによ
り、冷却装置4によつて冷却された熱媒が熱媒通路1a
に導かれ、水素吸蔵合金Mを冷却するので、水素吸蔵合
金Mに水素を吸蔵させることができる。吸蔵又は放出さ
れる水素は、水素回収容器1のポート1m,1nに流路
51を介して接続させた他の水素回収容器、水素利用装
置等の水素装置50との間で授受が行なわれる。しかし
て、ポート1m,1nは、水素の吸排が可能なように、
容器本体1bに少なくとも1個が形成されていればよ
い。
【0018】更に、熱媒通路1aの両端側に、それぞれ
流路15,16を介して蓄熱タンク6,7を接続させ
る。具体的には、ポンプ2よりも流路11,12寄りの
流路10には、開閉バルブ24を備える流路15を介し
て第1の蓄熱タンク6が接続され、開閉バルブ23より
も水素回収容器1寄りの流路14には、開閉バルブ25
を備える流路16を介して第2の蓄熱タンク7が接続さ
れている。各蓄熱タンク6,7は、同形をなし、箱状を
なすタンク本体6d,7dの内壁に断熱材28を被覆さ
せ、上端部に通気孔6a,7aを有する単一の内部空間
6b,7bを有している。両蓄熱タンク6,7の内部空
間6b,7bには、一方の内部空間6b,7bのみがほ
ぼ満たされる量の熱媒が収容されている。断熱材28
は、水素回収容器1の容器本体1bの内壁に被覆させた
断熱材18と同種のもので良い。各蓄熱タンク6,7
は、下端部に熱媒の出入口6c,7cを有している。し
かして、両開閉バルブ24,25を開いてポンプ2を正
又は逆方向に駆動することにより、いずれか一方の蓄熱
タンク6,7の内部空間6b,7b内の熱媒を出入り口
6c,7cから流出させ、流路10,15,16を経て
熱媒通路1aに導いた後に、他方の蓄熱タンク6,7の
内部空間6b,7bに熱媒の出入り口6c,7cから導
入させることができる。
【0019】次に、作用について説明する。水素回収容
器1の熱媒通路1aに、加熱装置3で加熱した熱媒と冷
却装置4で冷却した熱媒とを交互に供給して、水素回収
容器1内の水素吸蔵合金Mに温度変化を与える。水素吸
蔵合金Mから水素を放出させる際には、一対の開閉バル
ブ20,22のみを開いた状態でポンプ2を駆動し、加
熱装置3によつて加熱された熱媒を熱媒通路1aに導
き、水素吸蔵合金Mを加熱する。また、水素吸蔵合金M
に水素を吸蔵させる際には、一対の開閉バルブ21,2
3のみを開いた状態でポンプ2を駆動し、冷却装置4に
よつて冷却された熱媒を熱媒通路1aに導き、水素吸蔵
合金Mを冷却する。吸蔵又は放出される水素は、前述し
たように水素回収容器1に流路51を介して接続させた
他の水素装置50との間で授受が行なわれる。
【0020】このようにして水素回収容器1内の水素吸
蔵合金Mを昇温又は降温させて温度変化を与える際に、
次の操作を行なつて水素回収容器1内の顕熱を回収す
る。すなわち、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水
素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温させた後であつ
て、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器
1内の水素吸蔵合金Mを降温させる前、つまり水素吸蔵
合金Mから水素を放出させた後に、第1の蓄熱タンク6
に貯留させた熱媒を出入り口6cから流出させて水素回
収容器1の熱媒通路1aに通し、流出する熱媒を第2の
蓄熱タンク7に導いて出入り口7cから流入・貯留させ
る。その際、一対の開閉バルブ24,25のみを開いた
状態でポンプ2を一方向(図1に示す方向)に駆動す
る。なお、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bには、既
に、図1に示すように上部が比較的低温で下部が比較的
高温状態の熱媒が貯留されている。これにより、比較的
高温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に冷却されると共
に、水素回収容器1内の顕熱が熱媒によつて回収されて
第2の蓄熱タンク7に貯留される。このとき、第2の蓄
熱タンク7の内部空間7bに貯留される熱媒は、上部が
比較的高温で下部が比較的低温状態となる。
【0021】また、冷却装置4で冷却した熱媒を導入し
て水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを降温させた後で
あつて、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収
容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温させる前、つまり水素
吸蔵合金Mに水素を吸蔵させた後に、第2の蓄熱タンク
7に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに
通し、熱媒通路1aから流出する熱媒を第1の蓄熱タン
ク6に導いて貯留させる。その際、一対の開閉バルブ2
4,25のみを開いた状態でポンプ2を他方向(図1に
示す方向と反対方向)に駆動する。これにより、比較的
低温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に加熱されると共
に、水素回収容器1内の顕熱が熱媒によつて回収されて
第1の蓄熱タンク6に貯留される。このとき、第1の蓄
熱タンク6の内部空間6bに貯留される熱媒は、上部が
比較的低温で下部が比較的高温状態となる。
【0022】このような操作を繰り返して与えることに
より、水素回収容器1内の顕熱が第1の蓄熱タンク6又
は第2の蓄熱タンク7に次々に貯留され、その後に水素
回収容器1内の水素吸蔵合金Mの温度変更に有効活用さ
れる。この両蓄熱タンク6,7間での熱媒の移動は、第
1の蓄熱タンク6の内部空間6bに、上部が比較的低温
で下部が比較的高温状態として貯留されている熱媒が、
下部の出入り口6cから流出して高温状態の水素吸蔵合
金Mに接し、熱媒が次第に温度低下しながら水素吸蔵合
金Mを冷却するので、水素吸蔵合金Mの降温が効果的に
行なわれる。
【0023】また、第2の蓄熱タンク7に、下部の出入
り口7cから流入して、上部が比較的高温で下部が比較
的低温状態として貯留された熱媒は、冷却装置4で冷却
した熱媒を導入して水素回収容器1を降温させた後であ
つて、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容
器1を昇温させる前に、水素回収容器1に導入し、水素
回収容器1から流出する熱媒を第1の蓄熱タンク6に導
いて貯留させる。この両蓄熱タンク6,7間での熱媒の
移動は、第2の蓄熱タンク7の内部空間7bに、上部が
比較的高温で下部が比較的低温状態として貯留されてい
る熱媒が、下部の出入り口7cから流出して低温状態の
水素吸蔵合金Mに接し、熱媒が次第に温度上昇しながら
水素吸蔵合金Mを加熱するので、水素吸蔵合金Mの昇温
が効果的に行なわれる。
【0024】このようにして、加熱装置3による加熱状
態と冷却装置4による冷却状態とを水素回収容器1に交
互に与え、水素回収容器1に温度変化を与える際、断熱
材18の機能により、熱エネルギーが水素吸蔵合金Mの
昇温又は降温に有効利用される。すなわち、水素回収容
器1の熱媒通路1aに熱媒を通すことにより、水素吸蔵
合金Mが昇温又は降温するのみならず、容器本体1b及
び第1,第2境壁1j,1kも昇温又は降温する傾向を
呈する。しかしながら、水素吸蔵合金Mを収容する熱交
換室1hは、容器本体1b及び第1,第2境壁1j,1
kの内壁に被覆させた断熱材18によつて区画されてい
るので、伝熱が抑制され、水素吸蔵合金Mのみが効果的
に昇温又は降温する。
【0025】同様に、両蓄熱タンク6,7の内壁に断熱
材28が被覆され、蓄熱タンク6,7の内部空間6b,
7bが断熱材28によつて区画されているので、タンク
本体6d,7dが昇温又は降温することによるエネルギ
ーロスが著しく減少する。なお、本例では両蓄熱タンク
6,7の内壁に断熱材28を被覆したが、少なくとも一
方の蓄熱タンク6,7のタンク本体6d,7dの内壁に
断熱材28を被覆させることにより、タンク本体6d,
7dが昇温又は降温することによるエネルギーロスを減
少させることが可能である。
【0026】ところで、上記1実施の形態にあつては、
水素回収容器1の熱媒通路1aを、両蓄熱タンク6,7
の熱媒を通すためのみならず、冷却装置4で冷却した熱
媒及び加熱装置3で加熱した熱媒を交互に通すことにも
共用したが、冷却装置4で冷却した熱媒、加熱装置3で
加熱した熱媒及び両蓄熱タンク6,7の熱媒を通す熱媒
通路を個別に備えさせることも可能である。更に、冷却
装置4で冷却した熱媒及び加熱装置3で加熱した熱媒を
交互に水素回収容器1の熱媒通路1aに通すことに代え
て、冷却装置4で水素回収容器1の外壁を直接冷却し、
また、加熱装置3で水素回収容器1の外壁を直接加熱
し、熱媒及び熱媒通路1aを蓄熱タンク6,7にのみ使
用することも可能である。
【0027】このようにして、水素回収容器1内の多量
(約70%)の熱エネルギーを両蓄熱タンク6,7に回
収可能であり、水素回収容器1の加熱装置3による加熱
及び冷却装置4による冷却を最小限のエネルギー消費で
行なうことが可能になる。
【0028】次に、ポンプ2と異なる移送装置を備える
熱利用装置の顕熱回収装置の構造例について説明する。
図2は、熱利用装置の顕熱回収装置の第1構造例を示
し、加熱装置3及び冷却装置4は省略してある。この蓄
熱タンク6,7は、上端部の通気孔6a,7aを塞いだ
密閉型であり、熱媒を収容する内部空間6b,7bを有
する蓄熱タンク6,7の下端部に熱媒の出入口6c,7
cを形成すると共に、両蓄熱タンク6,7の上端部同士
を連通する配管61に、気体を正逆に送つて内部空間6
b,7bの気体を吸排させる吸排手段60を備えさせ
る。この吸排手段60は、正逆送りが可能なコンプレッ
サーによつて形成することができる。そして、少なくと
も一方の蓄熱タンク6,7の内壁に断熱材28を被覆さ
せ、その蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bを断熱
材28によつて区画させてある。なお、第1の蓄熱タン
ク6の出入口6cは、流路75によつて熱媒通路1aの
一端部に接続し、第2の蓄熱タンク7の出入口7cは、
流路76によつて熱媒通路1aの他端部に接続してい
る。
【0029】図2に示すように吸排手段60を一方向に
駆動し、第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内の気体を
配管61を通じて第2の蓄熱タンク7の内部空間7b内
の上部に送り込めば、第2の蓄熱タンク7の内部空間7
b内に貯留された熱媒が、流路76,75及び熱媒通路
1aを通つて第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに流入
する。また、吸排手段60を他方向に駆動し、第2の蓄
熱タンク7の内部空間7b内の気体を配管61を通じて
第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内の上部に送り込め
ば、第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内に貯留された
熱媒が、流路75,76及び熱媒通路1aを通つて第2
の蓄熱タンク7の内部空間7bに流入する。
【0030】かくして、水素回収容器1を昇温させた後
で降温させる前に、第1の蓄熱タンク6に貯留させた熱
媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに導入し、水素回収
容器1の熱媒通路1aから流出する熱媒を第2の蓄熱タ
ンク7に導いて貯留させ、かつ、水素回収容器1を降温
させた後で昇温させる前に、第2の蓄熱タンク7に貯留
させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに導入し、
水素回収容器1の熱媒通路1aから流出する熱媒を第1
の蓄熱タンク6に導いて貯留させ、水素回収容器1の顕
熱を第1の蓄熱タンク6及び第2の蓄熱タンク7に回収
することができる。そして、蓄熱タンク6,7の内壁に
断熱材28を被覆させることにより、蓄熱タンク6,7
の内部空間6b,7bが断熱材28によつて区画されて
いるので、タンク本体6d,7dが昇温又は降温するこ
とによるエネルギーロスが著しく減少する。
【0031】また、この第1構造例によれば、熱媒が流
通するポンプ2を使用しないので、ポンプに熱を奪われ
て熱効率が低下することが防止されると共に、腐食性、
爆発性等を有する熱媒も容易に送ることができる。ちな
みに、腐食性、爆発性を有する熱媒を送るポンプは、特
殊材料を使用して複雑構造を有するため、保守性に劣る
と共にコストが嵩む。
【0032】更に、両蓄熱タンク6,7の内部空間6
b,7bが密閉されて外気と遮断されているので、内部
空間6b,7bに収容する気体の種類に制限を受け難
く、空気以外の気体を使用することが可能である。ま
た、吸排手段60による気体の送り量によつて熱媒の流
量を制御できるので、移送途中の熱媒に直接触れること
なく熱媒の流量を増減制御することも容易にできる。
【0033】図3は、熱利用装置の顕熱回収装置の第2
構造例を示し、図2に示す第1構造例と比較して、第2
の蓄熱タンク7の上端部に通気孔7aを形成すると共
に、配管61の吸排手段60と第2の蓄熱タンク7とを
接続する部分を省略した点で相違する。従つて、少なく
とも一方の蓄熱タンク6,7の内壁に断熱材28が被覆
され、その蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bが断
熱材28によつて区画されている。第2構造例によれ
ば、第1構造例と比較して、吸排手段60の正逆駆動に
よつて第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに空気が強制
的に吸排され、これに伴つて第2の蓄熱タンク7の内部
空間7b内の空気が通気孔7aから出入りすることを除
き、ほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、
断熱材28が被覆された少なくとも一方の蓄熱タンク
6,7において、蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7
bが断熱材28によつて区画されているので、タンク本
体6d,7dが昇温又は降温することによるエネルギー
ロスが著しく減少する。
【0034】図4は、熱利用装置の顕熱回収装置の第3
構造例を示す。第3構造例にあつては、蓄熱タンク6,
7の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間6b,7
bに上下方向の摺動自在に設けたラム部材9と、ラム部
材9を昇降駆動する駆動装置70とを有し、ラム部材9
を昇降駆動することにより、蓄熱タンク6,7の下端部
の出入口6c,7cから熱媒が強制的に出入りする。水
素回収容器1の熱媒通路1aの一端部は、流路75を介
して蓄熱タンク6の下端部の出入口6cに接続され、熱
媒通路1aの他端部は、流路76を介して蓄熱タンク7
の下端部の出入口7cに接続されている。そして、少な
くとも一方の蓄熱タンク6,7の内壁に断熱材28が被
覆され、その蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bが
断熱材28によつて区画されている。なお、流路75,
76に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0035】第1の蓄熱タンク6のラム部材9の駆動装
置70は、蓄熱タンク6のタンク本体6dの上部に配設
した複動式のシリンダ装置71によつて構成され、シリ
ンダ71aの内部にピストン71bが摺動自在に嵌合し
て上圧力室71d及び下圧力室71eを区画し、ピスト
ンロッド71cがラム部材9に連結されている。しかし
て、上圧力室71dに圧力流体を供給し、下圧力室71
eをドレインすることにより、ピストン71b、ピスト
ンロッド71c及びラム部材9が下降するので、第1の
蓄熱タンク6の内部空間6bに貯留された熱媒が出入口
6cから流出する。また、下圧力室71eに圧力流体を
供給し、上圧力室71dをドレインすることにより、ピ
ストン71b、ピストンロッド71c及びラム部材9が
上昇するので、熱媒が出入口6cから第1の蓄熱タンク
6の内部空間6bに流入する。
【0036】第2の蓄熱タンク7のラム部材9の駆動装
置70は、蓄熱タンク7のタンク本体7dの上部に配設
したねじ装置72によつて構成され、第2の蓄熱タンク
7のタンク本体7dを貫通させて回転自在に配置され、
下端部にラム部材9が相対回転自在に連結されるねじ部
材72aと、蓄熱タンク7のタンク本体7dの上部に固
設され、ねじ部材72aに螺合するナット部材(図示せ
ず)と、ねじ部材72aを正逆に回転駆動するモータ装
置72bとを有する。
【0037】しかして、モータ装置72bによつてねじ
部材72aを一方向に回転駆動することにより、ナット
部材に螺合するねじ部材72a及びラム部材9を下降さ
せ、また、ねじ部材72aを他方向に回転駆動すること
により、ねじ部材72a及びラム部材9を上昇させるこ
とができるので、第1の蓄熱タンク6の駆動装置70と
同様の作用を得ることができる。なお、ナット部材(図
示せず)を第2の蓄熱タンク7のタンク本体7dの上部
に回転のみ自在に配置し、ねじ部材72aを回転不可能
かつ昇降可能に第2の蓄熱タンク7のタンク本体7dを
貫通させて配置し、モータ装置72bによつてナット部
材を正逆に回転駆動しても、同様の作用を得ることがで
きる。
【0038】この熱利用装置の顕熱回収装置の第3構造
例によれば、熱媒が流通するポンプ2を使用しないの
で、ポンプに熱を奪われて熱効率が低下することが防止
される等、第1構造例とほぼ同様の作用効果を得ること
ができる。そして、断熱材28が被覆された少なくとも
一方の蓄熱タンク6,7において、その蓄熱タンク6,
7の内部空間6b,7bが断熱材28によつて区画され
ているので、タンク本体6d,7dが昇温又は降温する
ことによるエネルギーロスが著しく減少する。なお、第
3構造例のラム部材9の駆動装置70は、各蓄熱タンク
6,7の内部空間6b,7b内の熱媒を強制的に出入り
させるので、一方の蓄熱タンク6,7にのみ駆動装置7
0を備えさせ、他方の蓄熱タンク6,7を図1に示すよ
うに上端部に通気孔6a,7aを有する蓄熱タンク6,
7によつて置換することも可能である。
【0039】図5は、熱利用装置の顕熱回収装置の第4
構造例を示す。第4構造例にあつては、蓄熱タンク66
の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間66bに上
下方向の摺動自在に設けたラム部材9と、ラム部材9を
昇降駆動する駆動装置70とを有し、ラム部材9を昇降
駆動することにより、蓄熱タンク66の上下両端部の出
入口66c1 ,66c2 から熱媒が出入りする。内部空
間66bは、ラム部材9によつて上空間66b1 と下空
間66b2 とに区分され、水素回収容器1の熱媒通路1
aの一端部は、流路75を介して下端部の出入口66c
2 に接続され、また、熱媒通路1aの他端部は、流路7
6を介して上端部の出入口66c1 に接続されている。
この蓄熱タンク66の内壁に断熱材28が被覆され、蓄
熱タンク66の内部空間66bが断熱材28によつて区
画されている。なお、流路75,76に備える開閉バル
ブ24,25は省略してある。
【0040】そして、蓄熱タンク66のタンク本体66
dを磁力透過性を有する非磁性材によつて形成すると共
に、非磁性材製のラム部材9の少なくとも直径方向の2
箇所に磁性部材9aを埋め込み、かつ、各磁性部材9a
に対向させて、蓄熱タンク66の外側に磁石73をそれ
ぞれ配置してある。磁石73は、支持部材73aに支持
され、上下方向に延在する案内部材74により、それぞ
れ支持部材73aが案内されて上下方向に移動が可能で
ある。このラム部材9に取付けた磁性部材9a、支持部
材73aに取付けた磁石73及び案内部材74並びに支
持部材73aを昇降駆動する昇降装置73bにより、ラ
ム部材9の駆動装置70を構成している。
【0041】しかして、昇降装置73bを駆動し、支持
部材73a及び磁石73を案内部材74に沿つて昇降移
動させることにより、磁性部材9aに吸引力を受けてラ
ム部材9が追従移動するので、熱媒が流路75,76及
び熱媒通路1aを通つて上空間66b1 と下空間66b
2 との間で移動する。このように、本構造例ではポンプ
を使用しないので、水素回収容器1の顕熱回収に関し、
第1構造例とほぼ同様の作用を得ることができる。但
し、上空間66b1 及び下空間66b2 に貯留される熱
媒は、いずれも下部が低温で上部が高温となるので、自
然対流を生じ難く、上空間66b1 及び下空間66b2
に回収した顕熱を水素回収容器1の温度変化に更に有効
利用することが可能である。そして、蓄熱タンク66の
内部空間66bが断熱材28によつて区画されているの
で、タンク本体66dが昇温又は降温することによるエ
ネルギーロスが著しく減少する。なお、昇降装置73b
は、例えば案内部材74と支持部材73aとの間に配設
したリニアモータによつて構成することができ、リニア
モータによつて支持部材73a及び磁石73を昇降駆動
させることが可能である。また、駆動装置70は、各種
のものを使用することが可能である。
【0042】なお、図4,図5に示す熱利用装置の顕熱
回収装置の第3,4構造例において、流路75,76に
熱媒の圧力又は流量を検出するセンサーを設け、圧力又
は流量が適正になるように駆動装置70によるラム部材
9の昇降駆動速度を制御することも可能である。
【0043】図6,図7は、熱利用装置の顕熱回収装置
の第5構造例を示す。第5構造例にあつては、蓄熱タン
ク66の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間66
bに上下方向の摺動自在に設けた仕切部材19により、
内部空間66bを上空間66b1 と下空間66b2 とに
区分した。熱媒通路1aの一端部は、蓄熱タンク66の
下端部の出入口66c2 にポンプ2を備える流路10及
び流路15を介して接続され、熱媒通路1aの他端部
は、流路16を介して蓄熱タンク66の上端部の出入口
66c1 に接続されている。なお、仕切部材19には、
熱媒とほぼ同じ比重を与えてある。また、流路15,1
6に備える開閉バルブ24,25は省略してある。この
蓄熱タンク66のタンク本体66dの内壁に断熱材28
が被覆され、蓄熱タンク66の内部空間66bが断熱材
28によつて区画されている。
【0044】しかして、水素回収容器1内の水素吸蔵合
金Mを昇温又は降温させて温度変化を与える際に、次の
操作を行なつて水素回収容器1内の顕熱を回収する。す
なわち、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収
容器1を昇温させた後であつて、冷却装置4で冷却した
熱媒を導入して水素回収容器1を降温させる前に、図7
に示すようにポンプ2を他方向に駆動し、上空間66b
1 に貯留させた熱媒を上端部の出入口66c1 から流出
させて水素回収容器1の熱媒通路1aに通し、流出する
熱媒を下端部の出入口66c2 から下空間66b2 に導
いて貯留させる。その際、仕切部材19が、内部空間6
6b内を上方に向けて摺動する。なお、上空間66b1
には、既に、図6に示すように上部が比較的高温で下部
が比較的低温状態の熱媒が貯留されている。これによ
り、比較的高温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に冷却
されると共に、水素回収容器1の顕熱が熱媒によつて回
収されて下空間66b2 に貯留される。このとき、下空
間66b2 に貯留される熱媒は、上部が比較的高温で下
部が比較的低温状態となる。
【0045】また、冷却装置4で冷却した熱媒を導入し
て水素回収容器1を降温させた後であつて、加熱装置3
で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1を昇温させる
前に、図6に示すようにポンプ2を一方向に駆動し、下
空間66b2 に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒
通路1aに通し、水素回収容器1から流出する熱媒を上
空間66b1 に導いて貯留させる。その際、仕切部材1
9が、内部空間66b内を下方に向けて摺動する。これ
により、比較的低温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に
加熱されると共に、水素回収容器1の顕熱が熱媒によつ
て回収されて上空間66b1 に貯留される。このとき、
上空間66b1 に貯留される熱媒の温度分布は、上部が
比較的高温で下部が比較的低温状態となる。このように
して、仕切部材19によつて区画される上空間66b1
及び下空間66b2 において、一方から流出した熱媒が
他方に流入するようになるため、熱媒の流出入が比較的
スムースになり、図5に示す第4構造例と同様に、特に
上空間66b1 における熱媒の落下による混合が抑制さ
れる。
【0046】このような上空間66b1 と下空間66b
2 との間での熱媒の移動は、図5に示す第4構造例と同
様に、それぞれ上部が比較的高温で下部が低温状態とし
て貯留されている熱媒が、下端部の出入口66c2 から
は低温側から流出して低温状態の水素吸蔵合金Mに接
し、熱媒が次第に温度上昇しながら水素吸蔵合金Mを加
熱するので、水素吸蔵合金Mの昇温が効果的に行なわ
れ、また、上端部の出入口66c1 からは高温側から流
出して高温状態の水素吸蔵合金Mに接し、熱媒が次第に
温度低下しながら水素吸蔵合金Mを降温させるので、水
素吸蔵合金Mの降温が効果的に行なわれる。
【0047】また、上空間66b1 及び下空間66b2
の両者において、熱媒の対流及び混合が良好に防止さ
れ、熱媒の温度分布の保持性が向上するため、無駄なエ
ネルギー消費を防止できる。加えて、図5に示す第4構
造例と同様に1個の蓄熱タンク66で済むため、構造が
簡素かつコンパクトになる。更に、蓄熱タンク66のタ
ンク本体66dの内壁に断熱材28が被覆され、蓄熱タ
ンク66の内部空間66bが断熱材28によつて区画さ
れているので、タンク本体66dが昇温又は降温するこ
とによるエネルギーロスが著しく減少する。
【0048】図9には、熱利用装置としての水素回収容
器1の他の構造例を示し、図8に示す水素回収容器1と
実質的に同一機能部分には同一符号を付してそれらの説
明は省略する。この水素回収容器1では、内部空所1d
の熱交換室1hに蛇行した流路を形成するように複数枚
の邪魔板54を配設してある。しかして、この水素回収
容器1によれば、熱交換室1hに収容した水素吸蔵合金
Mから放出又は吸蔵される水素をポート1m,1nから
流出又は流入させることができる。更に、この水素回収
容器1によれば、熱交換室1hに収容した水素吸蔵合金
Mを省略させ、一方のポート1nから流入させた熱媒を
他方のポート1mから流出させることにより、この熱媒
が邪魔板54によつて区画されて蛇行する流路を流れる
ようになるので、熱媒通路1aを流れる熱媒との間で熱
交換を効果的に行なわせることができる。
【0049】ところで、上記1実施の形態及び各構造例
にあつては、水素回収容器1の容器本体1bの内壁に断
熱材18を被覆させると共に、蓄熱タンク6,7,66
のタンク本体6d,7d,66dの内壁に断熱材28を
被覆させたが、更に、熱媒通路1a以外の熱媒が流れる
箇所、例えば容器本体1bに形成した熱媒入口1e、熱
媒入口空間1g、熱媒出口1f、熱媒出口空間1iの内
壁、又は流路10,15,16,75,76、ポンプ2
の内壁、又は開閉バルブ20,21,22,23,2
4,25の内壁にも断熱材を被覆させ、これらが昇温又
は降温することによるエネルギーロスを低減させること
も可能である。また、水素回収容器1の内部空所1dに
第1,第2境壁1j,1kを配置して熱媒入口空間1g
及び熱媒出口空間1iを形成したが、熱媒通路1aが単
一の場合には、第1,第2境壁1j,1kを省略し、容
器本体1bに形成した熱媒入口1eと熱媒出口1fに熱
媒通路1aを直接接続させることができる。更に、各蓄
熱タンク6,7,66のタンク本体6d,7d,66d
の内壁に被覆させた断熱材28は、少なくとも一部、特
に熱媒と接する箇所に設け、伝熱を抑制させればよい。
【0050】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る熱利用装置の顕熱回収装置によれば、次の
効果を奏することができる。 (1)熱利用装置の熱利用装置本体の内壁が断熱材によ
つて被覆されているので、熱媒通路を流れる熱媒によつ
て内部空間を加熱又は冷却する際、熱利用装置本体自体
が加熱又は冷却されることが抑制される。その結果、エ
ネルギーロスが著しく減少し、熱効率が向上する。特
に、熱利用装置に加熱状態と冷却状態とが交互に与えら
れる使用態様において、熱効率が向上する効果が著し
い。
【0051】(2)請求項1,3によれば、熱利用装置
の熱媒通路の両側に蓄熱タンクを接続し、この蓄熱タン
クに温度勾配をもつ熱媒を往復させて熱利用装置を加熱
又は冷却することができる。これにより、加熱装置によ
る加熱状態と冷却装置による冷却状態とが交互に与えら
れる熱利用装置において、熱利用装置の顕熱を蓄熱タン
クに効果的に蓄え、これを次の加熱または冷却に有効利
用することができる。その結果、加熱装置又は冷却装置
による加熱・冷却時に、補充分の最小限のエネルギ消費
で済むことになり、エネルギの浪費を低減できる。加え
て、熱利用装置の顕熱を蓄熱タンクに蓄える際、断熱材
により、熱利用装置本体自体が加熱又は冷却されること
が抑制される。その結果、エネルギーロスが著しく減少
し、熱効率が更に向上する。
【0052】(3)請求項2,4によれば、蓄熱タンク
の内壁にも断熱材が被覆され、蓄熱タンクの内部空間が
断熱材によつて区画されているので、蓄熱タンクに流入
する熱媒により、蓄熱タンクの構成部材が加熱又は冷却
されることが抑制される。その結果、エネルギーロスが
著しく減少し、熱効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係る熱利用装置の顕
熱回収装置を示す概略図。
【図2】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第1構造
例を一部省略して示す概略図。
【図3】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第2構造
例を一部省略して示す概略図。
【図4】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第3構造
例を一部省略して示す概略図。
【図5】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第4構造
例を一部省略して示す概略図。
【図6】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第5構造
例を一部省略して示す概略図。
【図7】 同じく第5構造例の作用説明図。
【図8】 同じく熱利用装置を示す断面図。
【図9】 同じく熱利用装置の他の構造例を示す断面
図。
【図10】 従来の熱利用装置の顕熱回収装置を示す
図。
【符号の説明】
1:水素回収容器(熱利用装置)、1a:熱媒通路、1
b:容器本体(熱利用装置本体)、1d:内部空間、1
e:熱媒入口、1f:熱媒出口、1g:熱媒入口空間、
1h:熱交換室、1i:熱媒出口空間、1j:第1境
壁、1k:第2境壁、1m,1n:ポート、2:ポンプ
(移送装置)、3:加熱装置、4:冷却装置、6:第1
の蓄熱タンク、6b:内部空間、6c:熱媒の出入口、
6d:タンク本体、7:第2の蓄熱タンク、7b:内部
空間、7c:熱媒の出入口、7d:タンク本体、9:ラ
ム部材、18,28:断熱材、19:仕切部材、60:
吸排手段、61:配管、66:蓄熱タンク、66b:内
部空間、66b1 :上空間、66b2 :下空間、66c
1 :出入口、66c2 :出入口、66d:タンク本体、
70:駆動装置、M:水素吸蔵合金。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原崎 芳徳 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル状をなす熱利用装置本体(1b)
    と、熱利用装置本体(1b)の内部空所(1d)に配置
    され、熱利用装置本体(1b)に形成した熱媒入口(1
    e)と熱媒出口(1f)とを連通する熱媒通路(1a)
    とを有し、熱利用装置本体(1b)の内部空所(1d)
    を外部に連通する少なくとも1個のポート(1m,1
    n)が熱利用装置本体(1b)に形成されると共に、前
    記内部空所(1d)を区画する熱利用装置本体(1b)
    の内壁に、断熱材(18)が被覆されている熱利用装置
    (1)を使用し、加熱装置(3)による加熱状態と冷却
    装置(4)による冷却状態とを熱利用装置(1)に交互
    に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装
    置の顕熱回収装置であつて、熱利用装置(1)の熱媒通
    路(1a)の一端部に接続させた第1の蓄熱タンク
    (6)と、該熱媒通路(1a)の他端部に接続させた第
    2の蓄熱タンク(7)と、第1の蓄熱タンク(6)の内
    部空間(6b)と第2の蓄熱タンク(7)の内部空間
    (7b)との間で熱媒を交互に移送させる移送装置
    (2)とを有することを特徴とする熱利用装置の顕熱回
    収装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の蓄熱タンク(6,7)
    の内壁に断熱材(28)が被覆され、該蓄熱タンク
    (6,7)の内部空間(6b,7b)が断熱材(28)
    によつて区画されていることを特徴とする請求項1の熱
    利用装置の顕熱回収装置。
  3. 【請求項3】 シェル状をなす熱利用装置本体(1b)
    と、熱利用装置本体(1b)の内部空所(1d)に配置
    され、熱利用装置本体(1b)に形成した熱媒入口(1
    e)と熱媒出口(1f)とを連通する熱媒通路(1a)
    とを有し、熱利用装置本体(1b)の内部空所(1d)
    を外部に連通する少なくとも1個のポート(1m,1
    n)が熱利用装置本体(1b)に形成されると共に、前
    記内部空所(1d)を区画する熱利用装置本体(1b)
    の内壁に、断熱材(18)が被覆されている熱利用装置
    (1)を使用し、加熱装置(3)による加熱状態と冷却
    装置(4)による冷却状態とを熱利用装置(1)に交互
    に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装
    置の顕熱回収装置であつて、熱利用装置(1)の熱媒通
    路(1a)の一端部を下端部の出入口(66c2 )に接
    続させ、該熱媒通路(1a)の他端部を上端部の出入口
    (66c1 )に接続させた1個の蓄熱タンク(66)
    と、該蓄熱タンク(66)の内部空間(66b)に上下
    方向の摺動可能に収容され、該内部空間(66b)を上
    空間(66b1 )と下空間(66b2 )とに仕切る仕切
    部材(19)と、該熱媒通路(1a)を流通する熱媒
    を、上空間(66b1 )と下空間(66b2 )との間で
    交互に移送させる移送装置(2)とを有することを特徴
    とする熱利用装置の顕熱回収装置。
  4. 【請求項4】 蓄熱タンク(66)の内壁に断熱材(2
    8)が被覆され、該蓄熱タンク(66)の内部空間(6
    6b)が断熱材(28)によつて区画されていることを
    特徴とする請求項3の熱利用装置の顕熱回収装置。
JP9278247A 1997-09-25 1997-09-25 熱利用装置の顕熱回収装置 Pending JPH1194479A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019052826A (ja) * 2017-09-19 2019-04-04 アイシン精機株式会社 温調装置

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