JPH1194419A - 建設機械の冷却装置及び建設機械 - Google Patents

建設機械の冷却装置及び建設機械

Info

Publication number
JPH1194419A
JPH1194419A JP25499697A JP25499697A JPH1194419A JP H1194419 A JPH1194419 A JP H1194419A JP 25499697 A JP25499697 A JP 25499697A JP 25499697 A JP25499697 A JP 25499697A JP H1194419 A JPH1194419 A JP H1194419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
engine
construction machine
fan
cooling device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25499697A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Takeshita
清一郎 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP25499697A priority Critical patent/JPH1194419A/ja
Publication of JPH1194419A publication Critical patent/JPH1194419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】現行よりもさらなる低騒音化を図ることができ
る建設機械の冷却装置を提供する。 【解決手段】油圧ショベルのエンジン8の冷却水を冷却
するラジエータ9を含む少なくとも1つの熱交換器と、
回転軸11aが駆動されることにより熱交換器9を冷却
する冷却風10を誘起する冷却ファン11とを有する建
設機械の冷却装置において、冷却ファン11の吹き出し
側に略円盤状の流体案内手段12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の冷却装
置に係わり、さらに詳しくは、エンジンで駆動されるフ
ァンによって、ラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器
を冷却する建設機械の冷却装置及びこれを備えた建設機
械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンで駆動されるファンによ
り熱交換器を冷却する冷却装置として、例えば実開昭6
3−4400号公報に記載のように、熱交換器と、エン
ジンの駆動力で回転軸が回転し熱交換器を冷却する冷却
風を誘起する軸流ファンと、熱交換器の下流側に設けら
れ冷却風を軸流ファンの吸い込み側に導入するシュラウ
ドとを有する冷却装置において、軸流ファンの動翼の吹
き出し側直後に動翼の外形とほぼ同径の略円盤状の背板
を設ける構成がある。このような構成により、軸流ファ
ンの吹き出し側に遠心方向に生成される冷却風の主流
と、この主流から剥離して熱交換器側へ戻る逆流とが干
渉することによる乱れの発生を防止し、ファンから発生
する騒音を低減するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、換気
装置・空調機等の一般機械を対象とし、それらの騒音を
低減することを主眼としている。
【0004】一方、建設機械においては、近年、住民の
生活環境を保全するために、その騒音・振動の規制を強
化する動きがあり、近い将来にその強化された規制が適
用されることがほぼ確実視されている。その一例を挙げ
ると、現行の騒音評価は、建設機械の車体が静的な状態
であるエンジン無負荷最高回転数での評価(すなわち定
置騒音評価)であるが、これに代わって、建設機械の車
体が動的な状態にあるとき、具体的には掘削・走行・旋
回動作等を含む模擬作業負荷時における評価(すなわち
作業騒音評価)が採用される。また、現行の騒音測定
は、車体側方4方向において車体から所定距離にある複
数箇所で平面的に行われているが、これに代わって、車
体を囲む半球上の複数箇所で3次元的に行われるように
なる。さらに、現行の騒音測定は、車体を堅土の地表面
に配置して行えば足りたが、これに代わって、例えば油
圧ショベルではコンクリート又はアスファルト上に配置
して測定するのが基本となり、堅土の場合にはその測定
騒音値に補正値を加える義務が生じるようになる。この
ような背景のもと、今後の建設機械においては、現行よ
りさらに進んだ低騒音化が要求されている。
【0005】このような建設機械に対する適用に配慮さ
れた冷却装置としては、例えば、特開平8−25411
9号公報記載のように、上記一般機械用の冷却装置同
様、熱交換器と、軸流ファンと、シュラウドと、略円盤
状の背板とを有する冷却装置において、略円盤状の背板
の径の大きさを動翼の外形より大きくないように限定す
るとともに、その略円盤状の背板の外周側に整流用固定
翼であるフローガイドを設けるものがある。これによ
り、軸流ファンから吹き出された冷却風のうち旋回成分
を軸方向成分に矯正して損失動圧を回収し、風量増加及
び騒音の低減を図るものである。
【0006】しかしながら、この従来の冷却装置を建設
機械に適用する場合には、以下のような問題がある。す
なわち、建設機械は、その作業中において常に負荷が大
きく変動するため、これに応じてエンジン回転数が頻繁
に大きく変動する。例えば油圧ショベルでは、通常、掘
削作業中のほとんどの期間、エンジン回転数が1500
rpm〜2000rpmの広い範囲で作業モードの違い
及び掘削負荷の変動により頻繁に上下動する。このよう
なエンジン回転数の変動のため、エンジンに駆動される
ファンの回転数も大きく変動し、そのたびにファンから
吹き出される冷却風旋回成分の向きや速さが変動するこ
ととなる。ここで、特開平8−254119号公報の冷
却装置では、整流手段としてのフローガイドが固定翼形
状となっている。そのため、フローガイドで効率よく矯
正できるのは、その固定翼形状にほぼ一意的に対応した
ある狭い範囲の向き・速さを備えた冷却風旋回成分のみ
に限定される。そして、これ以外の冷却風旋回成分に対
しては、矯正による本来の効果を有効に発揮することが
できず、かえってフローガイドが大きな抵抗となって冷
却風流れを阻害し、風量の減少や騒音の増大を招く。し
たがって、エンジン回転数が頻繁に大きく変動する建設
機械に対しては、実際には適用するのは困難である。す
なわち、建設機械に対し適用可能である現行よりさらな
る低騒音化を図れる冷却装置は、従来存在しなかった。
【0007】本発明の目的は、現行よりもさらなる低騒
音化を図ることができる建設機械の冷却装置及びこれを
用いた建設機械を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、建設機械
のエンジンの冷却水を冷却するラジエータを含む少なく
とも1つの熱交換器と、回転軸が駆動されることにより
前記熱交換器を冷却する冷却風を誘起する冷却ファンと
を有する建設機械の冷却装置において、前記冷却ファン
の吹き出し側に略円盤状の流体案内手段を設けたことを
特徴とする。このように構成したことにより、流体案内
手段で、冷却ファンによって誘起される遠心方向の冷却
風の主流とこの主流から剥離して冷却ファンの中心側に
向かう逆流との干渉を防止し、乱れの発生を防止できる
ので、冷却ファンから発生する騒音を低減することがで
きる。これにより、建設機械における規制強化の動向に
対応し、現行よりもさらなる低騒音化を図ることができ
る。
【0009】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法とほぼ
等しい外径寸法を備えていることを特徴とする。
【0010】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法よ
り小さな外径寸法を備えていることを特徴とする。
【0011】(4)上記(3)において、さらに好まし
くは、前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法
の70%以上90%以下の外径寸法を備えていることを
特徴とする。
【0012】(5)上記(1)において、また好ましく
は、前記流体案内手段の外周に、前記冷却風の下流側に
湾曲した形状の湾曲部を備えたことを特徴とする。これ
により、湾曲部が遠心方向の主流をさらに円滑に下流側
に導くことができるので、さらに騒音を低減することが
できる。
【0013】(6)上記(1)において、また好ましく
は、前記流体案内手段の外周に、前記冷却風との接触面
積を増大させる凹凸部を設けたことを特徴とする。凹凸
部による接触面積増大により、冷却風が流体案内手段外
周に接触して複数の乱流が生成されるときの、各乱流の
規模を小さくすることができる。これにより、さらに騒
音を低減することができる。
【0014】(7)上記(1)において、また好ましく
は、前記流体案内手段は、支持手段を介して前記エンジ
ンに固定されていることを特徴とする。例えば流体案内
手段をシュラウドに固定した場合、剛体であるシュラウ
ドの固有振動数が変化し、冷却風の風圧による振動と共
振して騒音をさらに増大させる可能性がある。流体案内
手段をエンジン側に固定することにより、これを防止
し、騒音を確実に低減することができる。
【0015】(8)上記(7)において、さらに好まし
くは、前記熱交換器の下流側に設けられ前記冷却風を前
記冷却ファンの吸い込み側に導入するシュラウドをさら
に有し、かつ、このシュラウド又は前記流体案内手段に
振動を抑制する制振手段を設けたことを特徴とする。こ
れにより、シュラウド又は流体案内手段の振動自体を抑
制できるので、さらに騒音を低減することができる。
【0016】(9)上記(1)において、また好ましく
は、前記冷却ファンは、軸流ファンであることを特徴と
する。
【0017】(10)また上記目的を達成するために、
本発明は、エンジンと、このエンジンによって駆動され
る油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油に
よって駆動されるアクチュエータと、前記エンジンの冷
却水を冷却するラジエータを含む少なくとも1つの熱交
換器、回転軸が駆動されることにより前記熱交換器を冷
却する冷却風を誘起する冷却ファン、及び前記冷却ファ
ンの吹き出し側に設けられた略円盤状の流体案内手段を
備えた冷却装置とを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。この実施形態は、本発明を、建設機
械の一例として油圧ショベルに適用した場合の実施形態
である。
【0019】図2は、本実施形態による冷却装置が適用
される油圧ショベルの全体外観構造を表す斜視図であ
り、この油圧ショベルは、概略的に言うと、走行体1
と、この走行体1上に旋回可能に設けた旋回体2と、こ
の旋回体2の前方左側に設けた運転室3と、旋回体2上
に横置きに配置したエンジン装置4と、旋回体2の後部
に設けたカウンタウエイト5と、旋回体2の前部に設け
られ、ブーム6a、アーム6b及びバケット6cからな
る多関節型のフロント装置6とから構成されている。ま
た、フロント装置6のブーム6a、アーム6b、及びバ
ケット6cは、エンジン装置4内のエンジン(図示せ
ず、後述の図1参照)によって駆動される油圧ポンプ
(同)からの圧油により作動する油圧アクチュエータ、
すなわちブームシリンダ7a、アームシリンダ7b、及
びバケットシリンダ7cによって、それぞれ動作するよ
うになっている。
【0020】図1は、本実施形態による冷却装置が設け
られるエンジン装置4の詳細構造を一部断面にて示す側
面図である。なおこの図1において、図2と同符号のも
のは同一部分である。図1において、冷却装置は、エン
ジン装置4内に設けられており、エンジン8の冷却水を
冷却する熱交換器であるラジエータ9と、回転軸11a
が駆動されることによりラジエータ9を冷却する冷却風
10を誘起する冷却ファン11と、冷却ファン11の吹
き出し側に設けられた略円盤状の流体案内手段12とを
備えている。
【0021】エンジン装置4の外郭はエンジンカバー1
3によって構成されており、さらにこのエンジンカバー
13は、下カバー14と、吸込み側横カバー15と、吐
出側横カバー16と、上カバー18とで構成されてい
る。そしてこの上カバー18における吸込み側横カバー
15側には、外部から冷却風10を取り入れる吸込口1
9が設けられている。また、上カバー18の中央部及び
吐出側横カバー16側には、冷却風10を外部に排出す
る吐出口20及び21がそれぞれ設けられている。さら
に、下カバー14にも、吐出口22が設けられている。
【0022】エンジン8は、旋回体2下部に設けられる
フレーム23上に振動減衰装置24を介して設置されて
おり、このエンジン8のクランク軸8aからの駆動力
が、プーリ25、ファンベルト26、及びプーリ28を
介し、冷却ファン11の回転軸11aに伝達されるよう
になっている。またエンジン8の吐出側横カバー16側
には前述した油圧ポンプ29が設けられており、エンジ
ン8からの排気ガスはマフラ30を介してエンジン装置
4の外部に放出されるようになっている。
【0023】冷却ファン11は、軸流ファンであり、回
転軸11aと、この回転軸11aに固定され複数枚の動
翼を備えた羽根車11bとから構成されている。またラ
ジエータ9の下流側には、冷却風10をこの冷却ファン
11の吸込側に導入するシュラウド31が設けられてい
る。なおラジエータ9と上カバー18との間は、仕切部
材32によってシールされている。
【0024】流体案内手段12は、冷却ファン11とエ
ンジン8との間に配置されており、詳細形状を図3に示
すように、中心部にファン回転軸11aの直径より大き
く回転軸11aが貫通する貫通孔12Aを備えた略円盤
状の部材で構成されている。この部材は、金属、プラス
チック等で製作される。この貫通穴12Aの直径は、で
きるだけ冷却ファン11の回転軸11aの直径に近いほ
うが風量及び騒音の面からみて好ましい。また、この流
体案内手段12は、冷却ファン11の外径寸法Dとほぼ
等しい外径寸法Doを備えており、支持手段33を介し
てエンジン8に固定されることによって前述した位置に
保持されるようになっている。このとき支持手段33
は、例えば、一端が流体案内手段12に溶接固定され他
端がボルトによりエンジン8に固定された複数本のアー
ムから構成されている。
【0025】なお、ラジエータ9は、冷却風10により
冷却する熱交換器の最小限の一例であり、これのみに限
られない。すなわち、その他の熱交換器、例えば、油圧
アクチュエータ7a〜7cを駆動する圧油を冷却するオ
イルクーラや、エンジン8の燃焼用吸入空気を予冷する
インタークーラが設けられる場合には、それらとラジエ
ータ9とを併せて配置し、冷却風10で冷却する。
【0026】上記構成において、エンジン8が起動する
と、クランク軸8aからの駆動力が回転軸11aに伝達
されて冷却ファン11が回転する。この冷却ファン11
の回転により外気が吸込口19からエンジン装置4内に
導入され、冷却風10となってラジエータ9を冷却した
後、シュラウド31で絞られて冷却ファン11に流入す
る。さらに冷却ファン11から吹き出された冷却風10
は、流体案内手段12に当たって遠心方向に効率よく流
れ、エンジン8、マフラ30、油圧ポンプ29等の周辺
部材を冷却した後、吐出口20,21,22から外部に
放出される。
【0027】以上のような本実施形態の作用を以下、順
次説明する。 (1)剥離逆流との干渉防止による騒音低減作用 上記したように、冷却ファン11によって冷却風10は
エンジン8側に吹き出される。ここで、冷却ファン11
は軸流ファンであるが、現行の油圧ショベルにおけるフ
ァン作動点(低流量、高圧力)においては、シュラウド
31によって径方向に絞られること及びエンジン装置1
4内の密閉度が高いことにより、冷却ファン11から吹
き出される冷却風は主として遠心方向に流出する。ここ
で、流体案内手段12がない場合には、図4に示すよう
に、冷却ファン11の吹き出し側に遠心方向に生成され
る冷却風10の主流10aと、この主流10aから剥離
して回転軸11a付近からラジエータ9側へ戻る逆流1
0bとが干渉し、これによって乱れが発生して騒音を増
加させる。これに対して、本実施形態においては、流体
案内手段12を設けることにより、図5に示すように、
遠心方向の冷却風10の主流10aと逆流10bとの干
渉を防止し、乱れの発生を防止できるので、冷却ファン
11から発生する騒音を低減することができる。このこ
とをさらに図6により説明する。図6は、本実施形態に
よるエンジン装置4と同様のエンジン装置と、このエン
ジン装置から流体案内手段12及び支持手段13を除去
した比較例によるエンジン装置との両方において、エン
ジン8の回転数を所定回転数に固定して冷却ファン11
を駆動し、騒音測定を行った結果を示したものであり、
前者の結果を実線で、後者の結果を破線で示したもので
ある。なお横軸には周波数[Hz]をとり、縦軸には騒
音レベルの相対値をとって表している。図示のように、
周波数0Hzから3000Hzまでのほぼ全域にわたっ
て、本実施形態によるエンジン装置4のほうが騒音レベ
ルが低くなっていることが分かる。したがって、本実施
形態によるエンジン装置4は、冷却ファン11から発生
する騒音を低減することができる。
【0028】(2)流体案内手段をエンジン側から支持
することによる騒音低減作用 例えば流体案内手段12をシュラウド31に固定した場
合、冷却風10の風圧にさらされる流体案内手段12か
らの振動がシュラウド31に伝達されるとともに、流体
案内手段12の質量付加等により剛体であるシュラウド
31の固有振動数が変化する。ここで、冷却風10の風
圧振動による騒音は、先に図6に示したような周波数特
性を示し、例えば図6中fa,fb,fcといった騒音レ
ベルが比較的高くなるピーク周波数が存在する。したが
って、シュラウド31の固有振動数が変化したときに
は、その変化の挙動によってはこのピーク周波数と一致
する可能性があり、このような場合、流体案内手段12
からシュラウド31に伝達された振動にシュラウド31
が共振することとなるため、この騒音増大分によって上
記(1)による騒音低減作用を低減する可能性がある。
本実施形態においては、流体案内手段12をエンジン8
に固定することにより、このような可能性をなくすこと
ができるので、騒音を確実に低減することができる。
【0029】(3)その他 また、流体案内手段12をシュラウド31に固定する場
合には、冷却ファン11の回転軸11aがエンジン8と
一体となって振動流体案内手段12と回転軸11aとの
衝突防止のために、貫通穴12Aと回転軸11aとのク
リアランスを比較的大きく取らねばならない。これに対
して本実施形態においては、流体案内手段12はエンジ
ン8に固定されるため、流体案内手段12と回転軸11
aとが同一の振動系に属することとなり、貫通穴12A
と回転軸11aとのクリアランスを最小限にすることが
できる。これにより、エンジン8からの騒音が冷却ファ
ン11側に洩れるのをより低減できるので、騒音をさら
に低減することができる。
【0030】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、建設機械における規制強化の動向に対応して、現行
よりもさらなる低騒音化を図ることができる。
【0031】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の
変形が可能である。以下、それら変形例を順次説明す
る。
【0032】(a)制振材を用いた場合 すなわち、流体案内手段12やシュラウド31に対し、
制振手段としての制振材を貼付することにより、これら
流体案内手段12やシュラウド31の振動自体を抑制で
き、さらに騒音を低減することができる。このことを図
7により説明する。
【0033】図7は、本実施形態によるエンジン装置4
と同様のエンジン装置と、このエンジン装置においてウ
レタン製の制振材をシュラウド31に貼付した制振材つ
きエンジン装置との両方において、エンジン8の回転数
を所定回転数に固定して冷却ファン11を駆動し、騒音
測定を行った結果を示したものである。前者の結果を破
線で、後者の結果を実線で示す。図6同様、横軸には周
波数[Hz]をとり、縦軸には騒音レベルの相対値をと
って表している。図示のように、制振材を設けた場合の
ほうが制振材を設けない場合よりも全体的に騒音レベル
が低くなっており、騒音を低減することができることが
分かる。
【0034】なお、上記はシュラウド31に制振材を貼
付した場合であるが、流体案内手段12に貼付しても同
様の効果が得られるのは明らかである。
【0035】(b)流体案内手段の外径を小さくする場
合 本願発明者等は、流体案内手段12の外径寸法の大きさ
が騒音に与える影響を検討するために、上記実施形態の
エンジン装置4と同様のエンジン装置において、エンジ
ン8の回転数を所定回転数に固定し、(流体案内手段1
2の外径寸法Do)/(冷却ファン11の外径寸法D)
を100%から60%まで徐々に小さくしたときの騒音
レベルを測定する実験を行い、図8に示す結果を得た。
図8において、Do/Dを100%から小さくしていく
と、Do/D=90%で騒音レベルは急激に低下する
が、その低下の度合いは次第にゆるやかになり、Do/
D=80%で最小値となる。そして、Do/Dをさらに
小さくすると騒音レベルは再び緩やかな上昇に転じ、D
o/D=70%ではDo/D=80%での値より大きくな
り、さらにDo/D=60%ではDo/D=70%での値
よりも大きくなっている。しかし、このDo/D=60
%の場合もDo/D=100%の場合よりは騒音レベル
が小さくなっており、特に、Do/D=70%〜90%
の場合は騒音レベルがさらに小さくなっている。そし
て、騒音低減の最適値はDo/D=80%であることが
わかる。
【0036】このような挙動は、以下のような理由に基
づく。すなわち、Do/Dが80%より大きくなると、
流体案内手段12の外径寸法Doが過大になって冷却風
10の流れの抵抗となり、騒音が増大する傾向となる。
一方、Do/Dが80%より小さくなると、流体案内手
段12の外径寸法Doが過小になり、図4及び図5を用
いて説明した冷却風10の主流10aから剥離した逆流
10bの干渉を防止する効果が低減するため、干渉によ
る乱れによって騒音が増大する傾向となる。
【0037】以上に基づき、Do/Dの値は、好ましく
は100%未満、さらに好ましくは70%以上90%以
下に設定することが良い。
【0038】(c)流体案内手段の外周に湾曲部を設け
る場合 すなわち、図9及び図10に正面図及びX−X断面による
断面図をそれぞれ示すように、略円盤状の流体案内手段
12の外周に、冷却風の下流側(例えば図1の構成に適
用した場合にはエンジン8側)に湾曲する湾曲部12B
を形成した場合である。この構造の流体案内手段12を
用いることにより、湾曲部12Bが遠心方向の主流10
aの流れをさらに円滑にエンジン8側に導くことができ
るので、前述した実施形態の効果に加え、さらに騒音を
低減することができる。
【0039】(d)流体案内手段の外周に凹凸部を設け
る場合 すなわち、図11及び図12に正面図及びXII−XII断面
による断面図をそれぞれ示すように、略円盤状の流体案
内手段12の外周に、冷却風との接触面積を増大させる
凹凸部、例えば鋸歯状部12Cを形成した場合である。
この構造の流体案内手段12を用いると、鋸歯状部12
Cによる接触面積増大により、冷却風10が接触して乱
流が生成されるときの各乱流の規模を小さくすることが
できる。これにより、前述した実施形態の効果に加え、
さらに騒音を低減することができる。
【0040】(e)冷却ファンとして遠心ファンを用い
た場合 この変形例による冷却装置が設けられるエンジン装置2
04の詳細構造を表す横断面図を図13に示す。図1と
同一部分には同符号を付す。この図13において、図1
と異なるのは、冷却ファンとして遠心ファン211が設
けられ、これに伴ってラジエータ209、これを支持す
る仕切部材232U,232L、及びシュラウド231
の形状・配置が変わっていることである。
【0041】遠心ファン211は、エンジン8のクラン
ク軸8aからの駆動力が、プーリ25、ファンベルト2
6、及びプーリ28を介して伝達される回転軸211a
と、この回転軸211aに固定された羽根車211bと
を備えており、さらにこの羽根車211bは、複数枚の
動翼211b1と、心板211b2と、動翼211b1に
固定された回転シュラウド211b3とから構成されて
いる。このような構造により、遠心ファン211は、径
方向中心部において軸方向に吸い込んだ冷却風10を、
遠心方向に吹き出すようになっている。またこの遠心フ
ァン211も、図1の軸流ファン11同様、その外径寸
法D2が、流体案内手段12の外径寸法Doとほぼ等しく
なっている。その他の構造は、図1とほぼ同様である。
【0042】本実施形態によっても、図1に示した実施
形態と同様、騒音低減効果を得ることができる。
【0043】(f)シュラウドもエンジン側で支持した
場合 この変形例による冷却装置が設けられるエンジン装置3
04の詳細構造を表す横断面図を図14に示す。図1と
同一部分には同符号を付す。この図14において、図1
と異なるのは、シュラウド331が、流体案内手段12
を支持する支持手段333を介してエンジン8に固定さ
れる一方、ラジエータ9とは、弾性部材、例えばゴム継
手334によって接続されていることである。
【0044】その他の構造は、図1とほぼ同様である。
【0045】本実施形態によっても、図1に示した実施
形態と同様、騒音低減効果を得ることができる。またこ
れに加え、シュラウド331がエンジン8に固定される
ことにより、シュラウド331と冷却ファン11の回転
軸11aとが同一の振動系に属することとなり、シュラ
ウド331の下流側端部とファン動翼羽根車11bとの
クリアランスdを最小限にすることができる。これによ
り、冷却ファン11のファン効率を向上することができ
るので、同一回転数なら風量を増加することができる。
また、同一風量ならば回転数を低減できるので、その分
騒音をさらに低減することができる。
【0046】(g)冷却風の流れが逆になる場合 すなわち、図1における冷却風10の矢印が逆向きにな
った場合にほぼ相当し、外気が吸込口から導入された
後、まずエンジン8、マフラ30、油圧ポンプ29等を
冷却した後に冷却ファン11に流入し、冷却ファン11
から吹き出された冷却風10がラジエータ9等の熱交換
器を冷却した後、吐出口から外部に放出される場合であ
る。このような場合でも本発明による流体案内手段は適
用可能であるが、この場合には、流体案内手段は、冷却
ファン11の左側(ラジエータ9側)に設けられること
になる。このような構造においても、図1に示した実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、建設機械における規制
強化の動向に対応し、現行よりもさらなる低騒音化を図
ることができる。その結果、住民の生活環境を保全し得
る建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による冷却装置が設けられ
るエンジン装置の詳細構造を一部断面にて示す側面図で
ある。
【図2】図1の本発明の一実施形態の冷却装置が適用さ
れる油圧ショベルの全体外観構造を表す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の流体案内手段の詳細形状
を表す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の流体案内手段がない場合
における冷却風の挙動を示す図である。
【図5】図1の本発明の一実施形態の冷却装置における
冷却風の挙動を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の流体案内手段の有無によ
る騒音測定結果の比較を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の変形例による制振材の有
無による騒音測定結果の比較を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の変形例による流体案内手
段の外径寸法と冷却ファンの外径寸法との比を変化させ
たときにおける騒音測定結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態の流体案内手段の変形例に
よる正面図である。
【図10】図9におけるX−X断面による断面図である。
【図11】本発明の一実施形態の流体案内手段の変形例
による正面図である。
【図12】図11におけるXII−XII断面による断面図で
ある。
【図13】本発明の一実施形態に遠心ファンを適用した
変形例による冷却装置が設けられるエンジン装置の詳細
構造を表す横断面である。
【図14】本発明の一実施形態においてシュラウドもエ
ンジン側で支持した変形例による冷却装置が設けられる
エンジン装置の詳細構造を表す横断面である。
【符号の説明】
7a ブームシリンダ(アクチュエータ) 7b アームシリンダ(アクチュエータ) 7c バケットシリンダ(アクチュエータ) 8 エンジン 9 ラジエータ 11 冷却ファン(軸流ファン) 11a 回転軸 12 流体案内手段 12B 湾曲部 12C 鋸歯状部(凹凸部) 29 油圧ポンプ 31 シュラウド 33 支持手段 209 ラジエータ 211 冷却ファン 211a 回転軸 231 シュラウド 331 シュラウド 333 支持手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建設機械のエンジンの冷却水を冷却するラ
    ジエータを含む少なくとも1つの熱交換器と、回転軸が
    駆動されることにより前記熱交換器を冷却する冷却風を
    誘起する冷却ファンとを有する建設機械の冷却装置にお
    いて、 前記冷却ファンの吹き出し側に略円盤状の流体案内手段
    を設けたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法と
    ほぼ等しい外径寸法を備えていることを特徴とする建設
    機械の冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法よ
    り小さな外径寸法を備えていることを特徴とする建設機
    械の冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段は、前記冷却ファンの外径寸法の
    70%以上90%以下の外径寸法を備えていることを特
    徴とする建設機械の冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段の外周に、前記冷却風の下流側に
    湾曲した形状の湾曲部を備えたことを特徴とする建設機
    械の冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段の外周に、前記冷却風との接触面
    積を増大させる凹凸部を設けたことを特徴とする建設機
    械の冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記流体案内手段は、支持手段を介して前記エンジ
    ンに固定されていることを特徴とする建設機械の冷却装
    置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記熱交換器の下流側に設けられ前記冷却風を前記
    冷却ファンの吸い込み側に導入するシュラウドをさらに
    有し、かつ、このシュラウド又は前記流体案内手段に振
    動を抑制する制振手段を設けたことを特徴とする建設機
    械の冷却装置。
  9. 【請求項9】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記冷却ファンは、軸流ファンであることを特徴と
    する建設機械の冷却装置。
  10. 【請求項10】エンジンと、このエンジンによって駆動
    される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧
    油によって駆動されるアクチュエータと、前記エンジン
    の冷却水を冷却するラジエータを含む少なくとも1つの
    熱交換器、回転軸が駆動されることにより前記熱交換器
    を冷却する冷却風を誘起する冷却ファン、及び前記冷却
    ファンの吹き出し側に設けられた略円盤状の流体案内手
    段を備えた冷却装置とを有することを特徴とする建設機
    械。
JP25499697A 1997-09-19 1997-09-19 建設機械の冷却装置及び建設機械 Pending JPH1194419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25499697A JPH1194419A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 建設機械の冷却装置及び建設機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25499697A JPH1194419A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 建設機械の冷却装置及び建設機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1194419A true JPH1194419A (ja) 1999-04-09

Family

ID=17272766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25499697A Pending JPH1194419A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 建設機械の冷却装置及び建設機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1194419A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294747A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械
JP2008144582A (ja) * 2008-01-17 2008-06-26 Seirei Ind Co Ltd 旋回作業車
JP2011021533A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Isuzu Motors Ltd 冷却装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294747A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械
JP2008144582A (ja) * 2008-01-17 2008-06-26 Seirei Ind Co Ltd 旋回作業車
JP2011021533A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Isuzu Motors Ltd 冷却装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100302104B1 (ko) 건설기계의 냉각장치 및 건설기계
US6390770B1 (en) Fan device and shroud
WO1998016727A1 (fr) Appareil de refroidissement de moteur
JP2003120589A (ja) ラジエータファンおよびこれを用いたエンジン冷却装置
JP2001123836A (ja) 建設機械のエンジン冷却装置
KR101425100B1 (ko) 냉각 장치 및 이것을 구비한 건설 기계 또는 작업 기계
JP4399398B2 (ja) 冷却装置及び作業機械の冷却装置
WO1996032575A1 (fr) Dispositif de refroidissement pour un echangeur de chaleur
JPH1194419A (ja) 建設機械の冷却装置及び建設機械
JP4199642B2 (ja) 建設機械の冷却風ガイド、建設機械の冷却ファン駆動モータのサポート及び建設機械の冷却装置
JP2000336694A (ja) 建設機械の冷却装置及び建設機械
JP5883278B2 (ja) 建設機械
JP2001329842A (ja) 熱交換器の導風板構造
JP2000303497A (ja) 建設機械の冷却装置及び建設機械のカバー
JP2001227003A (ja) 建設機械の冷却装置
WO2020080260A1 (ja) 建設機械
JP2002201940A (ja) 建設機械の熱交換装置
JPH11257045A (ja) 建設機械の排気装置
JPH11241366A (ja) 建設機械の排気装置
JP2000192506A (ja) 建設機械の騒音低減装置及び建設機械のカバ―
JP2000177403A (ja) 建設機械の冷却装置
JPH09112270A (ja) エンジン冷却装置
JP6035193B2 (ja) 建設機械
JP2003191758A (ja) 建設機械の冷却装置
JP2000054430A (ja) 建設機械の冷却装置及びバッテリー保護カバー