JPH1193805A - 直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズル - Google Patents
直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズルInfo
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- JPH1193805A JPH1193805A JP26074997A JP26074997A JPH1193805A JP H1193805 A JPH1193805 A JP H1193805A JP 26074997 A JP26074997 A JP 26074997A JP 26074997 A JP26074997 A JP 26074997A JP H1193805 A JPH1193805 A JP H1193805A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 噴孔22の流量を効果的に増大させるととも
に、各噴孔22からの噴射量を均一化し、排気性能や出
力性能を高める。 【解決手段】 ノズルボディ13先端に、サック部21
が袋状に形成されており、5つの噴孔22の入口側端部
が、サック部21に開口している。各噴孔22は、ノズ
ル1の中心線に対し所定角度傾斜しており、入口側の開
口縁に、全周に亙って、R面取部23が設けられてい
る。R面取部23は、砥粒流動加工により2次的に加工
されたものであって、その曲率半径は、12μm以上、
より好ましくは、40μmよりも小さなものとなってい
る。サックレス型ノズルの場合は、R面取部の曲率半径
は、40μm以上とする。
に、各噴孔22からの噴射量を均一化し、排気性能や出
力性能を高める。 【解決手段】 ノズルボディ13先端に、サック部21
が袋状に形成されており、5つの噴孔22の入口側端部
が、サック部21に開口している。各噴孔22は、ノズ
ル1の中心線に対し所定角度傾斜しており、入口側の開
口縁に、全周に亙って、R面取部23が設けられてい
る。R面取部23は、砥粒流動加工により2次的に加工
されたものであって、その曲率半径は、12μm以上、
より好ましくは、40μmよりも小さなものとなってい
る。サックレス型ノズルの場合は、R面取部の曲率半径
は、40μm以上とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の噴孔を先
端部に備えた直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズ
ルに関する。
端部に備えた直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】直接噴射式ディーゼル機関においては、
燃料噴射特性と機関性能は密接に関連しており、近時の
ディーゼル機関に対する排気性能向上と高効率化への要
求に対応するためには、燃料噴射ノズルや燃料噴射ポン
プ等からなる燃料噴射系の適正化が非常に大きな課題と
なっている。
燃料噴射特性と機関性能は密接に関連しており、近時の
ディーゼル機関に対する排気性能向上と高効率化への要
求に対応するためには、燃料噴射ノズルや燃料噴射ポン
プ等からなる燃料噴射系の適正化が非常に大きな課題と
なっている。
【0003】良く知られているように、燃料噴霧を微粒
化するためには、燃料噴射ノズルの噴孔を小径化するこ
とが好ましいが、その反面、噴孔を小径化すると、噴射
期間が長くなり、燃費の悪化等を招来する。このような
問題に関し、噴孔の入口側の開口縁にR加工を施すこと
で、噴孔の流量係数を高め得ることが知られている(例
えば、特開平5−231267号公報等参照)。これに
よれば、噴孔径を小径化しつつ噴孔流量を十分に確保す
ることが可能となり、互いにトレードオフの関係にある
NOxとパティキュレート(PM)とを、全体として改
善することができる。
化するためには、燃料噴射ノズルの噴孔を小径化するこ
とが好ましいが、その反面、噴孔を小径化すると、噴射
期間が長くなり、燃費の悪化等を招来する。このような
問題に関し、噴孔の入口側の開口縁にR加工を施すこと
で、噴孔の流量係数を高め得ることが知られている(例
えば、特開平5−231267号公報等参照)。これに
よれば、噴孔径を小径化しつつ噴孔流量を十分に確保す
ることが可能となり、互いにトレードオフの関係にある
NOxとパティキュレート(PM)とを、全体として改
善することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】直接噴射式ディーゼル
機関用の燃料噴射ノズルとしては、先端にサック部を有
し、このサック部に各噴孔が開口するサック付ノズル
と、サック部を具備せず、ニードル弁のテーパ状シート
面が対向するノズルボディ側のテーパ面に、噴孔の入口
側の端部が開口してなるサックレス型ノズル(VCOノ
ズル;ValveCovered Orifice)
と、に大別されるが、従来は、このような構成の相違、
特にサック部の有無と噴孔入口部のR形状との関係が十
分に解析されておらず、必ずしも適切なR形状となって
いない。そのため、各噴孔内の流速分布が不均一となっ
て噴霧の方向にばらつきが生じ、排気性能や出力性能を
十分に高めることができない場合がある。また、R形状
の形成を砥粒流動加工等の2次的な加工によって行う場
合には、過度に大きなR形状つまり曲率半径が過度に大
きな面取を施すとすると、加工時間が非常に長くかかる
ことになり、作業効率の悪化を来す、という問題もあ
る。
機関用の燃料噴射ノズルとしては、先端にサック部を有
し、このサック部に各噴孔が開口するサック付ノズル
と、サック部を具備せず、ニードル弁のテーパ状シート
面が対向するノズルボディ側のテーパ面に、噴孔の入口
側の端部が開口してなるサックレス型ノズル(VCOノ
ズル;ValveCovered Orifice)
と、に大別されるが、従来は、このような構成の相違、
特にサック部の有無と噴孔入口部のR形状との関係が十
分に解析されておらず、必ずしも適切なR形状となって
いない。そのため、各噴孔内の流速分布が不均一となっ
て噴霧の方向にばらつきが生じ、排気性能や出力性能を
十分に高めることができない場合がある。また、R形状
の形成を砥粒流動加工等の2次的な加工によって行う場
合には、過度に大きなR形状つまり曲率半径が過度に大
きな面取を施すとすると、加工時間が非常に長くかかる
ことになり、作業効率の悪化を来す、という問題もあ
る。
【0005】そこで、この発明は、適切な曲率半径のR
面取部を与えることで、各噴孔の流量係数を確実に高
め、かつ複数の噴孔の流量係数の均一化を図って、機関
の出力特性や排気特性を改善することを目的とする。さ
らに、過度の加工を不要とし、加工時間を一層短縮する
ことを目的とする。
面取部を与えることで、各噴孔の流量係数を確実に高
め、かつ複数の噴孔の流量係数の均一化を図って、機関
の出力特性や排気特性を改善することを目的とする。さ
らに、過度の加工を不要とし、加工時間を一層短縮する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、ノズルボディの先端部に
サック部を有し、複数の噴孔の入口側の端部がこのサッ
ク部に開口してなるサック付の直接噴射式ディーゼル機
関用燃料噴射ノズルにおいて、上記噴孔の入口側開口縁
に、曲率半径が12μm以上のR面取部を設けたことを
特徴としている。
めに、請求項1に係る発明は、ノズルボディの先端部に
サック部を有し、複数の噴孔の入口側の端部がこのサッ
ク部に開口してなるサック付の直接噴射式ディーゼル機
関用燃料噴射ノズルにおいて、上記噴孔の入口側開口縁
に、曲率半径が12μm以上のR面取部を設けたことを
特徴としている。
【0007】また請求項2に係る発明は、ニードル弁の
テーパ状シート面が対向するノズルボディ側のテーパ面
に、複数の噴孔の入口側の端部が開口してなるいわゆる
サックレス型の直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノ
ズルにおいて、上記噴孔の入口側開口縁に、曲率半径が
40μm以上のR面取部を設けたことを特徴としてい
る。
テーパ状シート面が対向するノズルボディ側のテーパ面
に、複数の噴孔の入口側の端部が開口してなるいわゆる
サックレス型の直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノ
ズルにおいて、上記噴孔の入口側開口縁に、曲率半径が
40μm以上のR面取部を設けたことを特徴としてい
る。
【0008】図1は、例えば5噴孔の燃料噴射ノズルに
おける噴孔入口側開口縁のR面取部の曲率半径と噴孔の
流量係数との関係を示している。なお、これは、三次元
数値解析によって求めたものであり、ニードル弁のリフ
ト量が、50μm、100μmおよび300μmのとき
のそれぞれの特性を示している。そして、白丸がサック
付ノズルの特性、黒丸がサックレス型ノズルの特性であ
る。
おける噴孔入口側開口縁のR面取部の曲率半径と噴孔の
流量係数との関係を示している。なお、これは、三次元
数値解析によって求めたものであり、ニードル弁のリフ
ト量が、50μm、100μmおよび300μmのとき
のそれぞれの特性を示している。そして、白丸がサック
付ノズルの特性、黒丸がサックレス型ノズルの特性であ
る。
【0009】サック付ノズル、サックレス型ノズルのい
ずれの場合でも、燃料は、ニードル弁のリフトに伴なっ
て、該ニードル弁のシート面周囲に生じる環状の流路を
通って噴孔入口部に至り、かつここで流れの向きが変え
られて噴孔内へ流入する。そのため、噴孔入口側の開口
縁が鋭利なエッジ形状である場合に比して、該開口縁に
R面取部を設けることにより、噴孔内の速度分布が均一
化され、流量係数が向上する。
ずれの場合でも、燃料は、ニードル弁のリフトに伴なっ
て、該ニードル弁のシート面周囲に生じる環状の流路を
通って噴孔入口部に至り、かつここで流れの向きが変え
られて噴孔内へ流入する。そのため、噴孔入口側の開口
縁が鋭利なエッジ形状である場合に比して、該開口縁に
R面取部を設けることにより、噴孔内の速度分布が均一
化され、流量係数が向上する。
【0010】図2は、一例として、サック付ノズルにお
いて、噴孔入口側の開口縁がエッジ形状(つまり曲率半
径R=0)である場合と、開口縁に曲率半径R=100
μmの面取部を備えている場合との、速度分布を対比し
て示した説明図である。この図に明らかなように、R形
状がないと、噴孔内では、速度分布が不均一であり、ノ
ズル中心線の上流側に近い側つまり図の上方寄りの部分
で相対的に速度が低いものとなる。これに対し、開口縁
をR形状とすることにより、流れが円滑化し、噴孔内で
は、速度の高い領域が拡大している。従って、流量係数
が向上する。
いて、噴孔入口側の開口縁がエッジ形状(つまり曲率半
径R=0)である場合と、開口縁に曲率半径R=100
μmの面取部を備えている場合との、速度分布を対比し
て示した説明図である。この図に明らかなように、R形
状がないと、噴孔内では、速度分布が不均一であり、ノ
ズル中心線の上流側に近い側つまり図の上方寄りの部分
で相対的に速度が低いものとなる。これに対し、開口縁
をR形状とすることにより、流れが円滑化し、噴孔内で
は、速度の高い領域が拡大している。従って、流量係数
が向上する。
【0011】ここで、図1に示したように、R面取部の
曲率半径が小さいと、該R面取部の効果は小さくなり、
流量係数は低いものとなる。そして、曲率半径が大きく
なれば、流量係数はそれに伴って増大するが、ある曲率
半径よりも大きい範囲では、流量係数の増加は緩やかと
なり、曲率半径の公差もしくは誤差に対する流量係数の
変化は小さい。
曲率半径が小さいと、該R面取部の効果は小さくなり、
流量係数は低いものとなる。そして、曲率半径が大きく
なれば、流量係数はそれに伴って増大するが、ある曲率
半径よりも大きい範囲では、流量係数の増加は緩やかと
なり、曲率半径の公差もしくは誤差に対する流量係数の
変化は小さい。
【0012】各噴孔がサック部に開口しているサック付
ノズルにおいては、曲率半径が12μmよりも小さいと
流量係数は大きく減少するが、それ以上であれば、図1
に明らかなように、流量係数は殆ど変化しない。従っ
て、請求項1のように曲率半径を12μm以上とするこ
とにより、各噴孔の流量係数が十分に増大し、噴孔流量
を大きく確保できるとともに、曲率半径のばらつきに伴
う流量係数のばらつきが小さくなり、各噴孔からの噴射
量の均一化を達成できる。一方、各噴孔がニードル弁の
シート面によって覆われるサックレス型ノズルにおいて
は、曲率半径が40μmよりも小さいと流量係数は大き
く減少し、それ以上であれば、流量係数は殆ど変化しな
い。従って、請求項2のように曲率半径を40μm以上
とすることにより、各噴孔の流量係数が十分に増大し、
噴孔流量を大きく確保できるとともに、曲率半径のばら
つきに伴う流量係数のばらつきが小さくなり、各噴孔か
らの噴射量の均一化を達成できる。
ノズルにおいては、曲率半径が12μmよりも小さいと
流量係数は大きく減少するが、それ以上であれば、図1
に明らかなように、流量係数は殆ど変化しない。従っ
て、請求項1のように曲率半径を12μm以上とするこ
とにより、各噴孔の流量係数が十分に増大し、噴孔流量
を大きく確保できるとともに、曲率半径のばらつきに伴
う流量係数のばらつきが小さくなり、各噴孔からの噴射
量の均一化を達成できる。一方、各噴孔がニードル弁の
シート面によって覆われるサックレス型ノズルにおいて
は、曲率半径が40μmよりも小さいと流量係数は大き
く減少し、それ以上であれば、流量係数は殆ど変化しな
い。従って、請求項2のように曲率半径を40μm以上
とすることにより、各噴孔の流量係数が十分に増大し、
噴孔流量を大きく確保できるとともに、曲率半径のばら
つきに伴う流量係数のばらつきが小さくなり、各噴孔か
らの噴射量の均一化を達成できる。
【0013】また請求項3に係る発明は、請求項1のも
のにおいて、R面取部の曲率半径が、40μmよりも小
さいことを特徴としている。
のにおいて、R面取部の曲率半径が、40μmよりも小
さいことを特徴としている。
【0014】上述したように、サック付ノズルにおいて
は、R面取部の曲率半径は、12μm以上あれば十分で
ある。このようなR面取部の加工を、砥粒流動加工等の
2次的な加工によって行う場合には、曲率半径を大きく
するためには、それだけ加工時間が長くかかることにな
り、作業効率の悪化を来す。そこで、この請求項3のよ
うにすれば、最小限の加工で十分な流量係数を確実に確
保できる。
は、R面取部の曲率半径は、12μm以上あれば十分で
ある。このようなR面取部の加工を、砥粒流動加工等の
2次的な加工によって行う場合には、曲率半径を大きく
するためには、それだけ加工時間が長くかかることにな
り、作業効率の悪化を来す。そこで、この請求項3のよ
うにすれば、最小限の加工で十分な流量係数を確実に確
保できる。
【0015】各噴孔の基本的な寸法としては、請求項4
のように、噴孔の孔径が0.05〜0.3mm、噴孔の
長さが1.0〜2.0mmの範囲にあることが望まし
い。
のように、噴孔の孔径が0.05〜0.3mm、噴孔の
長さが1.0〜2.0mmの範囲にあることが望まし
い。
【0016】
【発明の効果】この発明に係る直接噴射式ディーゼル機
関用燃料噴射ノズルによれば、適切な曲率半径のR面取
部を設けることにより、各噴孔の流量を効果的に増大さ
せることができ、噴孔の小径化による噴霧の微粒化と同
時に、噴射期間の短縮化を図ることができる。また、曲
率半径のばらつきに伴う流量係数のばらつきが小さくな
ることから、各噴孔からの噴射量の均一化を達成でき、
ディーゼル機関の排気性能や出力性能を高めることがで
きる。
関用燃料噴射ノズルによれば、適切な曲率半径のR面取
部を設けることにより、各噴孔の流量を効果的に増大さ
せることができ、噴孔の小径化による噴霧の微粒化と同
時に、噴射期間の短縮化を図ることができる。また、曲
率半径のばらつきに伴う流量係数のばらつきが小さくな
ることから、各噴孔からの噴射量の均一化を達成でき、
ディーゼル機関の排気性能や出力性能を高めることがで
きる。
【0017】また請求項3によれば、最小限の加工で十
分な流量係数を確実に確保でき、加工時間や加工コスト
を低減できる。
分な流量係数を確実に確保でき、加工時間や加工コスト
を低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基いて詳細に説明する。
形態を図面に基いて詳細に説明する。
【0019】図3は、この発明に係る燃料噴射ノズル1
が用いられる直接噴射式ディーゼル機関の断面図であっ
て、複数のシリンダ2が形成されたシリンダブロック3
の上面に、吸気ポート5および排気ポート6を備えたシ
リンダヘッド4が固定されており、シリンダ2内にピス
トン7が摺動可能に嵌合している。このピストン7の頂
面中央部には、例えば深皿型のキャビティ8が凹設され
ている。シリンダヘッド4側には、各ポート5,6を開
閉する吸気弁9および排気弁10が、各気筒にそれぞれ
一対づつ設けられており、かつ、これらの計4個の吸気
弁9,排気弁10に囲まれた気筒中心部に、燃料噴射ノ
ズル1が装着されている。この燃料噴射ノズル1は、キ
ャビティ8の略中心に対向し、かつ気筒中心線に沿った
垂直姿勢で取り付けられている。
が用いられる直接噴射式ディーゼル機関の断面図であっ
て、複数のシリンダ2が形成されたシリンダブロック3
の上面に、吸気ポート5および排気ポート6を備えたシ
リンダヘッド4が固定されており、シリンダ2内にピス
トン7が摺動可能に嵌合している。このピストン7の頂
面中央部には、例えば深皿型のキャビティ8が凹設され
ている。シリンダヘッド4側には、各ポート5,6を開
閉する吸気弁9および排気弁10が、各気筒にそれぞれ
一対づつ設けられており、かつ、これらの計4個の吸気
弁9,排気弁10に囲まれた気筒中心部に、燃料噴射ノ
ズル1が装着されている。この燃料噴射ノズル1は、キ
ャビティ8の略中心に対向し、かつ気筒中心線に沿った
垂直姿勢で取り付けられている。
【0020】この燃料噴射ノズル1は、後述するよう
に、サック付ノズルもしくはサックレス型ノズルとして
構成されており、例えば5つの噴孔を先端部に備えてい
る。図4は、燃料噴射ノズル1の要部を示す断面図であ
って、筒状をなすノズルホルダ11の先端に、ノズルナ
ット12によってノズルボディ13が固定され、その中
心部にニードル弁14が摺動可能に保持されている。上
記ニードル弁14は、プッシュロッド15を介してノズ
ルスプリング16の付勢力を受け、常に閉方向に付勢さ
れている。そして、図示せぬ燃料入口から燃料通路17
を通して油溜まり部18に流入した燃料の圧力によって
上方へリフトするようになっている。
に、サック付ノズルもしくはサックレス型ノズルとして
構成されており、例えば5つの噴孔を先端部に備えてい
る。図4は、燃料噴射ノズル1の要部を示す断面図であ
って、筒状をなすノズルホルダ11の先端に、ノズルナ
ット12によってノズルボディ13が固定され、その中
心部にニードル弁14が摺動可能に保持されている。上
記ニードル弁14は、プッシュロッド15を介してノズ
ルスプリング16の付勢力を受け、常に閉方向に付勢さ
れている。そして、図示せぬ燃料入口から燃料通路17
を通して油溜まり部18に流入した燃料の圧力によって
上方へリフトするようになっている。
【0021】図5は、第1の実施例として、サック付ノ
ズルの場合のノズルボディ13先端部の構成を示してい
る。図示するように、ノズルボディ13先端に、適宜な
容積のサック部21が袋状に形成されており、5つの噴
孔22の入口側の端部が、それぞれこのサック部21に
開口している。各噴孔22は、ノズル1の中心線に対し
所定角度傾斜しており、かつ、ノズル1の周方向に均等
に、つまり72°毎に配置されている。また、各噴孔2
2は、円形断面を有し、この実施例では、直径が0.2
2mm、長さが1.0mm〜1.2mmとなっている。
そして、サック部21に開口した入口側の開口縁に、全
周に亙って、R面取部23が設けられている。このR面
取部23は、砥粒を混合した粘性を有する流体を通過さ
せることによってエッジを丸める公知の砥粒流動加工に
より2次的に加工されたものであって、その曲率半径
は、12μm以上、より好ましくは、40μmよりも小
さなものとなっている。なお、この曲率半径は、砥粒流
動加工における粒度や加工時間によって管理される。
ズルの場合のノズルボディ13先端部の構成を示してい
る。図示するように、ノズルボディ13先端に、適宜な
容積のサック部21が袋状に形成されており、5つの噴
孔22の入口側の端部が、それぞれこのサック部21に
開口している。各噴孔22は、ノズル1の中心線に対し
所定角度傾斜しており、かつ、ノズル1の周方向に均等
に、つまり72°毎に配置されている。また、各噴孔2
2は、円形断面を有し、この実施例では、直径が0.2
2mm、長さが1.0mm〜1.2mmとなっている。
そして、サック部21に開口した入口側の開口縁に、全
周に亙って、R面取部23が設けられている。このR面
取部23は、砥粒を混合した粘性を有する流体を通過さ
せることによってエッジを丸める公知の砥粒流動加工に
より2次的に加工されたものであって、その曲率半径
は、12μm以上、より好ましくは、40μmよりも小
さなものとなっている。なお、この曲率半径は、砥粒流
動加工における粒度や加工時間によって管理される。
【0022】図6は、第2の実施例として、サックレス
型ノズルの場合のノズルボディ13先端部の構成を示し
ている。このサックレス型の場合は、ニードル弁14の
テーパ状シート面14aが対向するノズルボディ13側
のテーパ面13aに、5つの噴孔22の入口側の端部
が、それぞれ開口している。各噴孔22は、ノズル1の
中心線に対し所定角度傾斜しており、かつ、ノズル1の
周方向に均等に、つまり72°毎に配置されている。ま
た、各噴孔22は、円形断面を有し、この実施例では、
直径が0.22mm、長さが1.0mm〜1.2mmと
なっている。そして、テーパ面13aに開口した入口側
の開口縁に、全周に亙って、R面取部23が設けられて
いる。このR面取部23は、前述した砥粒流動加工によ
り2次的に加工されたものであって、その曲率半径は、
40μm以上に設定されている。なお、上記ニードル弁
14は、シート面14aより上方に位置する図示せぬシ
ート線が上記テーパ面13aに当接するようになってお
り、噴孔22の付近では、シート面14aとテーパ面1
3aとの間に図示するように僅かな間隙が生じている。
型ノズルの場合のノズルボディ13先端部の構成を示し
ている。このサックレス型の場合は、ニードル弁14の
テーパ状シート面14aが対向するノズルボディ13側
のテーパ面13aに、5つの噴孔22の入口側の端部
が、それぞれ開口している。各噴孔22は、ノズル1の
中心線に対し所定角度傾斜しており、かつ、ノズル1の
周方向に均等に、つまり72°毎に配置されている。ま
た、各噴孔22は、円形断面を有し、この実施例では、
直径が0.22mm、長さが1.0mm〜1.2mmと
なっている。そして、テーパ面13aに開口した入口側
の開口縁に、全周に亙って、R面取部23が設けられて
いる。このR面取部23は、前述した砥粒流動加工によ
り2次的に加工されたものであって、その曲率半径は、
40μm以上に設定されている。なお、上記ニードル弁
14は、シート面14aより上方に位置する図示せぬシ
ート線が上記テーパ面13aに当接するようになってお
り、噴孔22の付近では、シート面14aとテーパ面1
3aとの間に図示するように僅かな間隙が生じている。
【0023】図7は、上記のように噴孔22の入口側の
開口縁に十分な曲率半径のR面取部23を設けたもの
(実線)と、R面取を施していないもの(破線)との、
等スモーク曲線を対比して示したものであり、この特性
図から明らかなように、R面取を施すことにより、等ス
モーク条件での出力向上が図れる。
開口縁に十分な曲率半径のR面取部23を設けたもの
(実線)と、R面取を施していないもの(破線)との、
等スモーク曲線を対比して示したものであり、この特性
図から明らかなように、R面取を施すことにより、等ス
モーク条件での出力向上が図れる。
【図1】R面取部の曲率半径と噴孔の流量係数との関係
を示す特性図。
を示す特性図。
【図2】噴孔の開口縁がエッジ形状である場合とR面取
部を備えている場合との速度分布を対比して示した説明
図。
部を備えている場合との速度分布を対比して示した説明
図。
【図3】この発明に係る燃料噴射ノズルが用いられる直
接噴射式ディーゼル機関の断面図。
接噴射式ディーゼル機関の断面図。
【図4】この発明に係る燃料噴射ノズルの要部を示す断
面図。
面図。
【図5】サック付ノズルの場合のノズルボディ先端部の
断面図。
断面図。
【図6】サックレス型ノズルの場合のノズルボディ先端
部の断面図。
部の断面図。
【図7】R面取部の有無による等スモーク条件での出力
特性を対比して示す特性図。
特性を対比して示す特性図。
22…噴孔 23…R面取部
Claims (4)
- 【請求項1】 ノズルボディの先端部にサック部を有
し、複数の噴孔の入口側の端部がこのサック部に開口し
てなる直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズルにお
いて、上記噴孔の入口側開口縁に、曲率半径が12μm
以上のR面取部を設けたことを特徴とする直接噴射式デ
ィーゼル機関用燃料噴射ノズル。 - 【請求項2】 ニードル弁のテーパ状シート面が対向す
るノズルボディ側のテーパ面に、複数の噴孔の入口側の
端部が開口してなる直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴
射ノズルにおいて、上記噴孔の入口側開口縁に、曲率半
径が40μm以上のR面取部を設けたことを特徴とする
直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズル。 - 【請求項3】 R面取部の曲率半径が、40μmよりも
小さいことを特徴とする請求項1記載の直接噴射式ディ
ーゼル機関用燃料噴射ノズル。 - 【請求項4】 噴孔の孔径が0.05〜0.3mm、噴
孔の長さが1.0〜2.0mmの範囲にあることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の直接噴射式ディ
ーゼル機関用燃料噴射ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26074997A JPH1193805A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26074997A JPH1193805A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1193805A true JPH1193805A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17352215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26074997A Pending JPH1193805A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1193805A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009535561A (ja) * | 2006-05-04 | 2009-10-01 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 内燃機関の運転方法及びこの方法用の内燃機関 |
JP2014194202A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Denso Corp | 燃料噴射ノズル |
JP2014194203A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Denso Corp | 燃料噴射ノズル |
JP2022093105A (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-23 | 株式会社クボタ | 電子燃料噴射式ディーゼルエンジン |
JP2022093106A (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-23 | 株式会社クボタ | 電子燃料噴射式ディーゼルエンジン |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP26074997A patent/JPH1193805A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009535561A (ja) * | 2006-05-04 | 2009-10-01 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 内燃機関の運転方法及びこの方法用の内燃機関 |
JP2014194202A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Denso Corp | 燃料噴射ノズル |
JP2014194203A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Denso Corp | 燃料噴射ノズル |
JP2022093105A (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-23 | 株式会社クボタ | 電子燃料噴射式ディーゼルエンジン |
JP2022093106A (ja) * | 2020-12-11 | 2022-06-23 | 株式会社クボタ | 電子燃料噴射式ディーゼルエンジン |
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