JPH1193719A - 内燃機関の回転方向切換制御方法 - Google Patents
内燃機関の回転方向切換制御方法Info
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Abstract
向を反転させること。 【解決手段】時刻t1 で反転指令が発生した時に内燃機
関への燃料の供給を停止させ、機関の回転速度を設定値
Nsまで低下させる。回転速度が設定値Nsまで低下す
る間に点火位置を過進角位置θd1まで進角させておく。
時刻t3 において機関の回転速度が設定値Nsまで低下
したときに、燃料の供給を再開させ、機関の回転方向を
反転させる。時刻t5 において内燃機関1の回転方向の
反転に成功したと判定されたときに点火位置を上死点T
DC付近の位置に移行させて、反転した方向への機関の
回転を維持する。
Description
ストン形内燃機関の回転方向を切り換える内燃機関の回
転方向切換制御方法に関するものである。
便であることを重視する車両等においては、駆動源とし
て、小形の2サイクル内燃機関や、4サイクル内燃機関
が用いられており、内燃機関の出力を駆動輪に伝達する
動力伝達装置としては、遠心クラッチ式の無段変速機が
多く用いられている。この種の乗物は、小形、軽量で、
安価であることを重視するため、無断変速機としては、
バックギアが組み込まれていないものを用いることが多
い。
変速機を用いた車両等においては、バック(後進)をす
ることができないため、狭い場所で走行方向を反転させ
ることが必要になったときに、車体全体を持ち上げてそ
の向きを変える必要があり、操作性が悪かった。
乗物の走行方向の反転を可能にするためには、必要なと
きに内燃機関の回転方向を切り換えることができるよう
にしておけばよい。
て、米国特許第3,036,802号の明細書及び図面
に記載された方法が提案されている。この既提案の回転
方向切換方法では、機関の回転方向を切り換えることが
必要になったときに、点火装置の動作を停止させて機関
を失火させることにより、機関のクランク軸の回転速度
を低下させ、クランク軸の回転速度が設定値まで低下し
て停止寸前の状態になったときに、十分に進角した回転
角度位置で点火動作を行わせることによりピストンを押
し戻して機関の回転方向を反転させる。このようにして
機関の回転方向を反転させた後、直ちにその反転した方
向への回転を維持するのに適した回転角度位置まで点火
位置を変化させて、回転方向を反転させた状態での機関
の運転を継続させる。
6,802号に示された既提案の方法では、機関の回転
速度を低下させる際に機関を失火させていたため、機関
の回転方向を反転させる際に未燃焼ガス(特にHC成
分)が大量に排出され、大気を汚染するという問題があ
った。
反転させる際に未燃焼の排気ガスが排気管に溜っている
状態で点火動作を再開させるため、排気管内で未燃焼ガ
スに着火してアフタファイアが生じ、その際に大きな爆
発音が発生して運転者に不安を与えたり、アフタファイ
ア発生時に生じる衝撃により機関本体や排気管を損傷し
たりするおそれがあった。
となく、クランク軸の回転方向を反転させることができ
るようにした内燃機関の回転方向切換制御方法を提案す
ることにある。
往復移動するピストンと該ピストンに連結されたクラン
ク軸とを備えて、点火位置を制御することができる点火
装置により点火される火花点火式往復ピストン形内燃機
関の回転方向を切り換える回転方向切換制御方法に係わ
るものである。
反転させることを指令する反転指令が与えられたとき
に、スロットルバルブの開度をアイドリング時の開度付
近に保った状態で、内燃機関への燃料の供給を停止して
該内燃機関の回転速度を設定値まで低下させる燃料遮断
過程と、該燃料遮断過程で内燃機関の回転速度が設定値
に達するまでの間に点火装置が点火動作を行う位置を機
関の回転方向を反転させるのに適した過進角位置に移行
させる点火位置移行過程と、内燃機関の回転速度が設定
値に達したときに内燃機関への燃料の供給を再開させる
とともに過進角位置で点火装置に点火動作を行わせる回
転方向反転過程と、回転方向反転過程で内燃機関の回転
方向の反転に成功したか否かを判定する回転方向判定過
程とを行わせ、回転方向判定過程により回転方向の反転
に成功したと判定された時に、点火位置を反転した方向
への内燃機関の回転を維持するのに適した回転角度位置
に移行させる。
当な回転方向検出手段を設けておく。この回転方向検出
手段は、例えば、機関のクランク軸が一方向に回転する
ときと他方向に回転するときとでパルス信号の発生形態
が異なる回転センサと、該回転センサが発生するパルス
信号の発生形態を識別するパルス発生形態識別手段とに
より構成することができる。
の回転角度位置で表される。機関の点火位置は、機関の
運転状況に応じて、上死点(ピストンが上死点に達した
ときのクランク軸の回転角度位置)よりも進んだ位置側
に変化(進角)させられる。定常運転時の各回転速度に
おける点火位置は、機関から所定の出力を引き出し、機
関を安定に回転させるために必要な位置に設定される。
は、点火位置を定常運転時の各回転速度における適正な
点火位置よりも更に進角側に進めることを意味する。
供給を停止する」とは、燃料噴射弁から燃料を供給する
機関の場合には、燃料噴射弁からの燃料噴射量を零にす
ることを意味し、キャブレターから燃料を供給する機関
の場合には、該キャブレターからの燃料の噴出を停止さ
せることを意味する。燃料の供給が停止させられた状態
でも、機関のシリンダ内への空気の供給は継続される。
に、内燃機関への燃料の供給を停止すると、機関のシリ
ンダ内で燃焼が行われなくなるため、機関の回転速度が
低下していく。この間に点火位置は過進角位置まで移行
させられる。機関の回転速度が設定値まで低下したとき
に、燃料の供給が再開されるが、燃料の供給が再開され
た後、シリンダ内の混合気の空燃比が該混合気に着火し
得る値に達するまでの間には所定の遅れ時間がある。こ
の遅れ時間が経過する間に、機関の回転速度は設定値よ
りも更に低下する。機関のシリンダ内に供給される混合
気の空燃比が所定の値に達すると、過進角位置で点火火
花が発生した時にシリンダ内で燃焼が行われる。過進角
位置で燃焼が行われると、ピストンを押し戻す方向の力
が発生し、その力が上死点に向けて上昇しようとするピ
ストンの力に勝ると、機関は逆転する。したがって、燃
料の供給を再開する際の機関の回転速度の設定値と、燃
料の供給を再開した後の点火位置である過進角位置とを
適当に設定しておくことにより、機関の回転方向を反転
させることができる。また回転方向判定過程により回転
方向の反転に成功したと判定された時に、点火位置を反
転した方向への内燃機関の回転を維持するのに適した回
転角度位置に移行させることにより、反転した方向への
機関の運転を行わせることができる。
停止させることにより機関の回転速度を低下させ、回転
速度が設定値まで低下したときに燃料の供給を再開させ
るとともに、過進角位置で点火を行わせるようにする
と、未燃焼ガスをほとんど排出することなく、機関の回
転方向を切り換えることができる。そのため、回転方向
の切り換え時にアフタファイアが生じたり、大気を汚染
したりするおそれをなくすことができる。
終的にその回転方向を反転させる方法としては、反転指
令が与えられたときに、点火位置を過進角側に徐々に進
角させて、点火位置が所定の過進角位置に達したときに
機関の回転方向を反転させる方法もある。しかしなが
ら、このように、点火位置を過進角側に徐々に進角させ
ていく方法をとった場合には、点火位置を進角させてい
く過程で、ノッキング状態(ピストンにその進行方向と
逆方向の力が加わる状態)が生じる期間が長くなるた
め、ピストンやクランク軸回りに衝撃が加わる時間が長
くなるという問題が生じる。
料の供給を停止することにより機関の回転速度を設定値
まで低下させるようにすれば、回転速度を低下させる過
程では全くノッキングが生じないため、機関の回転方向
を反転させる際に、機関に無用の衝撃を与えるのを防ぐ
ことができる。
向を反転させることを指令する反転指令が与えられたと
きに、スロットルバルブの開度をアイドリング時の開度
付近に保った状態で、内燃機関への燃料の供給を停止し
て該内燃機関の回転速度を設定値まで低下させる燃料遮
断過程と、該燃料遮断過程で内燃機関の回転速度が設定
値に達するまでの間に点火装置が点火動作を行う位置を
機関の回転方向を反転させるのに適した過進角位置に移
行させる点火位置移行過程と、内燃機関の回転速度が設
定値に達したときに内燃機関への燃料の供給を再開させ
るとともに過進角位置で点火装置に所定回数(設定され
た回数)の点火動作を行わせる回転方向反転過程と、回
転方向反転過程が終了した後各気筒の点火位置を上死点
付近に設定された設定点火位置に移行させて機関の回転
方向の反転に成功したか否かを判定する回転方向判定過
程とを行わせ、該回転方向判定過程により回転方向の反
転に成功したと判定された後に、回転方向を反転させた
状態での機関の運転を行わせるようにしてもよい。
非常に低く、しかも不安定であるため、機関の回転方向
が反転したことを検出することは必ずしも容易ではない
が、上記のように、点火位置を上死点付近に戻した後
に、機関の回転方向を確認するようにすれば、機関の回
転方向の判定を容易に行うことができる。
転方向判定過程で機関の回転方向の反転に失敗したと判
定されたときには、回転方向の反転に成功したことが確
認されるまで、燃料遮断過程から回転方向判定過程に至
る一連の過程を繰り返し、回転方向判定過程で機関の回
転方向の反転に成功したと判定された後に、回転方向を
反転させた状態での機関の運転を行わせるようにするの
が好ましい。
での点火の回数は、機関の回転方向を反転させるために
適当な回数に設定する。回転方向反転過程での点火回数
を多くし過ぎると機関が停止するおそれがあるため、過
進角過程での点火回数は必要最小限の値に設定するのが
好ましい。
至る一連の過程を複数回繰り返すようにする場合、該一
連の過程を繰り返す毎に過進角位置を進めていくように
すると、機関の回転方向の反転を確実に行わせることが
できる。
に至る一連の過程を複数回繰り返す場合、該一連の過程
を繰り返す毎に回転方向判定過程で行う点火の回数を増
加させるようにすると、機関の回転方向の反転を確実に
行わせることができる。
め、機関の回転方向が反転したことを表示する表示手段
を設けて、上記回転方向判定過程で機関の回転方向の反
転に成功したと判定された時に、該表示手段に表示動作
を行わせるようにすることが望ましい。
場合程、燃料に点火した際に生じる火炎の伝播速度が速
くなり、点火後ピストンに加わる爆発力が最大値に達す
るまでの時間が短くなる。従って、点火位置を過進角側
にステップ状に進角させて機関の回転方向を反転させる
場合、機関を反転させる際の混合気の温度が高いときに
は、点火位置をステップ状に過進角させる際の進角量を
少なくすることができる。また、混合気の温度が低いと
きには、点火位置をステップ状に過進角させる際の進角
量を多くする必要がある。
度を検出する機関温度センサ及び内燃機関の吸気温度を
検出する吸気温度センサのうちの少なくとも一方を設け
て、該温度センサにより検出された温度が低い場合ほど
点火位置をステップ状に過進角させる際の進角量を多く
するように温度センサにより検出された温度に応じて過
進角位置を変化させるようにするのが好ましい。
点火位置を徐々に進角させて過進角位置に移行させるよ
うにしてもよく、点火位置を過進角位置までステップ状
に変化させるようにしてもよい。
供給を停止した後、機関の吸気管内等に残留している燃
料が気化してシリンダに供給されるおそれがある場合に
は、未燃焼ガスの排出を防止するために燃料遮断過程で
も点火装置に点火動作を行わせることが望ましい。
換制御方法を実施するために用いる内燃機関制御装置の
構成例を示したもので、同図において1は、制御の対象
とする内燃機関、2は内燃機関1に燃料を与える燃料噴
射弁(インジェクタ)、3は燃料噴射弁2に燃料を供給
する燃料ポンプ、4は燃料噴射弁を制御する燃料噴射制
御装置、5は内燃機関1を点火する点火装置である。ま
た6は内燃機関1の回転を検出する回転センサ、7は反
転指令を発生する反転指令発生部、8は反転指令発生部
が反転指令を発生したときに内燃機関の回転方向を反転
させるように点火装置5及び燃料噴射制御装置4を制御
する回転方向切換制御装置である。
御装置5B及び回転方向切換制御装置8は、マイクロコ
ンピュータに所定のプログラムを実行させることにより
実現される。各制御装置は、個別のマイクロコンピュー
タを用いて実現するようにしてもよく、同じマイクロコ
ンピュータを用いて実現するようにしてもよい。
ピストンと該ピストンに連結されたクランク軸とを備え
た火花点火式往復ピストン形内燃機関である。本発明が
制御の対象とする内燃機関は2サイクル機関でも4サイ
クル機関でもよいが、この例では、2サイクル機関であ
るとする。
するために用いられる場合を例にとって、機関側の構成
と負荷側の構成とを示したものである。図示の内燃機関
1は、シリンダ100a及びクランクケース100bを
有する機関本体100と、シリンダ100a内に嵌合さ
れたピストン101と、ピストン101にコンロッド1
02を介して連結されたクランク軸103とを有するピ
ストンバルブ式の2サイクル機関である。シリンダ10
0aには吸気ポート104と排気ポート105と図示し
ない掃気ポートとが設けられ、排気ポート105には排
気管106が接続されている。図示してないが、クラン
クケース100b内の空間とピストン101の裏側に隠
れている図示しない掃気ポートとを接続するように掃気
通路が設けられている。吸気ポート104は、図示しな
い吸気マニホールドに逆止弁を介して接続されている。
ト式無段変速機(CVT)を構成するプライマリプーリ
及びセカンダリプーリ、12はプーリ10及び11に掛
け渡されたスチールベルトである。プーリ10及び11
はそれぞれのV字形溝の幅を変化させて、ベルトとの斜
面接点の径方向位置を変化させ得るようになっている。
プライマリプーリ10はクランク軸103に取り付けら
れ、セカンダリプーリ11の回転軸にスノーモビルの駆
動輪が取り付けられている。
に接続されている。遠心クラッチ機構は、内燃機関のク
ランク軸の回転速度がある値よりも低いときにベルト1
2を係合させるV形溝の幅を広くしてベルト12を駆動
しない状態とし、クランク軸の回転速度がある値を超え
る領域でベルトを係合させるV形溝の幅を狭くしてベル
ト12を駆動する状態にするとともに、ベルト12とプ
ーリ10との斜面接点の径方向位置を回転速度に応じて
変化させる。セカンダリプーリ11も回転速度に応じて
ベルト12を係合させるV形溝の幅を変化させ得るよう
になっていて、回転速度に応じてベルト12との斜面接
点の位置を変化させることにより、プライマリプーリ1
0とセカンダリプーリ11との間の減速比を変化させる
ようになっている。
103の時計方向(矢印CL方向)への回転を正回転と
し、クランク軸の反時計方向への回転を逆回転とする。
タ)2は、例えば、先端に噴射口を有するバルブボディ
と、該噴射口を開閉するバルブと、該バルブを駆動する
電磁石とを備えたもので、バルブボディ内には燃料ポン
プ3から燃料が所定の圧力で供給されている。燃料噴射
弁2は、電磁石に駆動電流が与えられている間バルブを
開いて、内燃機関の吸気マニホールド内の空間や、シリ
ンダ内の空間(燃焼室)などの燃料噴射空間に燃料を噴
射する。燃料噴射弁2から噴射される燃料の量(燃料噴
射量)は、燃料ポンプからバルブボディ内に与えられる
燃料の圧力と、バルブが開いている時間との積により決
まる。一般には、燃料噴射弁2のバルブが開いている時
間のみにより噴射量を制御し得るようにするため、燃料
ポンプ3から燃料噴射弁2に与えられる燃料の圧力が一
定に保持されている。
温度、大気圧、スロットルバルブの開度、機関の回転速
度、反転指令の有無等の各種の制御条件に応じて、燃料
噴射弁2に駆動電流を与えるタイミングと、該駆動電流
を与える時間とを制御して、燃料噴射弁2からの燃料噴
射量を制御する。
点火用の高電圧を発生する点火回路5Aと、内燃機関の
点火位置で点火回路5Aに点火信号を与える点火位置制
御装置5Bと、内燃機関1の気筒に取り付けられた点火
プラグ5Cとを備えたものである。
が与えられたときに点火コイルの一次電流に急激な変化
を生じさせる一次電流制御回路とを備えていて、点火コ
イルの一次電流の急激な変化により、該点火コイルの二
次コイルに点火用の高電圧を誘起させる。この点火回路
5Aとしては、コンデンサ放電式の回路や、電流遮断式
の回路等、種々の形式のものが知られているが、本発明
では、点火位置制御装置5Bが内燃機関の点火位置で発
生する点火信号に応答して点火用高電圧を出力するもの
であれば、いかなる形式の点火回路を用いてもよい。
ータを備えていて、回転センサ6が発生する信号から機
関の回転速度情報と回転角度情報とを得て、機関の回転
速度、機関温度、反転指令の有無などの各種の制御条件
に応じて、機関の点火位置を演算し、演算した点火位置
が検出されたときに点火回路5Aに点火信号を与える。
子に接続されていて、点火回路5Aが点火用の高電圧を
発生したときに火花を発生して機関を点火する。
転角度、及び回転方向の情報を含むパルス信号を発生す
るもので、この回転センサとしては例えば図3に示す誘
導子形の信号発電機を用いることができる。図3におい
て、600は機関のクランク軸103に取り付けられた
回転ヨーク601と、回転ヨーク601の外周に形成さ
れた2段リラクタ602とからなるロータである。2段
リラクタ602は、その周方向の一端寄りに位置する第
1の部分602aと、他端寄りに位置する第2の部分6
02bとからなっていて、第2の部分602bの高さが
第1の部分602aの高さよりも高く設定され、第1の
部分602aの円弧長(周方向長さ)が第2の部分60
2bの円弧長よりも短く設定されている。図示の例で
は、機関が正回転しているときに、2段リラクタの第1
の部分602aが回転方向の前方側に位置するようにロ
ータ600が設けられている。ヨーク601としては、
機関に取り付けられるフライホイール等を利用すること
ができる。
て機関のケース等の固定部分に取り付けられた信号発電
子である。信号発電子603は、先端に磁極部603a1
を有する鉄心603aと、該鉄心に巻回された信号コイ
ル603bと、鉄心に磁気結合された永久磁石603c
とを備えた公知のもので、磁極部603a1をロータ60
0の外周面に所定のギャップを介して対向させた状態で
配置されている。
が正回転する過程でリラクタ602の第1の部分602
aが信号発電子の磁極部603a1に対向したときに信号
コイル603bに鎖交する磁束が増加し、リラクタの第
2の部分602bが信号発電子の磁極部603a1に対向
したときに、信号コイルに鎖交する磁束が更に増加す
る。信号コイル603bは、鎖交する磁束が増加する
際、及び鎖交する磁束が減少する際に極性が異なるパル
ス信号を発生する。
転しているとき及び逆回転しているときに信号コイル6
03bに誘起するパルス信号の波形を、機関の回転角度
θに対して示したものである。信号コイル603bは、
機関が正回転しているときに、リラクタの第1の部分6
02aが信号発電子の磁極部との対向を開始する角度θ
1 の位置及びリラクタの第2の部分602bが信号発電
子の磁極部との対向を始める角度θ2 の位置でそれぞれ
一方の極性(図示の例では正極性)のパルス信号S1 及
びS2 を発生し、リラクタの第2の部分602bが信号
発電子の磁極部との対向を終了する角度θ3 の位置で他
の極性(図示の例では負極性)のパルス信号S3 を発生
する。
しているときに、図4(B)に示したように、リラクタ
の第2の部分602bが信号発電子の磁極部に対向する
角度θ3 の位置で正極性のパルス信号S3 ´を発生し、
リラクタの第2の部分602bが信号発電子の磁極部と
の対向を終了する角度θ2 の位置、及び第1の部分60
2aが信号発電子の磁極との対向を終了する角度θ1 の
位置でそれぞれ負極性の信号S2 ´及びS1 ´を発生す
る。
は、それぞれのパルス信号がしきい値レベル(パルス信
号を受入れる回路が認識し得るレベル)に達する位置で
あるが、各パルス信号の信号幅は十分に狭いため、図4
においては、便宜上各パルス信号のピーク位置をその発
生位置としている。
は、機関が正回転しているときと、逆回転しているとき
とで、信号コイルに誘起する信号の極性と発生順序とが
異なるため、信号コイルから得られる信号の極性と発生
順序とを識別することにより、機関の回転方向を判定す
ることができる。
パルス信号の発生順序を識別するパルス発生形態識別手
段とにより、回転方向検出手段を構成することができ
る。
が、正極性パルスS1 、正極性パルスS2 及び負極性パ
ルスS3 の順にパルス信号を発生したときに、機関が正
回転していると判定することができ、信号コイルが、正
極性パルスS3 ´、負極性パルスS2 ´及び負極性パル
スS1 ´の順にパルス信号を発生したときに機関が逆回
転していると判定することができる。
S1 が発生してからパルス信号S3が発生するまでの時
間から、機関の回転速度を検出することができる。
設定し、機関のピストンが上死点に達した時に、リラク
タ602の周方向の中心位置が信号発電子603の磁極
部の中心に対向する状態になるように、信号発電子60
3を配置しておくことにより、機関の正回転時及び逆回
転時にそれぞれパルス信号S1 及びS3 ´を上死点前α
/2の対称な位置で発生させることができ、これらの信
号S1 及びS3 ´の発生位置を正回転時の点火位置の最
小進角位置及び逆回転時の点火位置の最小進角位置とす
ることができる。ここで「最小進角位置」とは、機関の
定常運転時の点火位置のうち、最も上死点に近い点火位
置であり、通常は、アイドリング時の点火位置である。
リラクタ602の極弧角αは例えば10度に設定する。
リラクタの極弧角を10度とした場合、機関の正回転時
及び逆回転時の最小進角位置(アイドリング時の点火位
置)は、上死点前5度の位置となる。
は、一定の位置を基準にして測る必要があるが、通常は
機関の上死点を基準にして各パルス信号の発生位置を測
っている。
図示しない波形整形回路によりマイクロコンピュータが
認識し得る波形の信号に変換されて、マイクロコンピュ
ータの所定の入力ポートに与えられる。
与えられた信号から機関の回転角度情報と、回転速度情
報と、回転方向の情報とを得るとともに、図示してない
各種センサから、機関の吸気温度、機関の温度(冷却水
の温度)、スロットルバルブの開度、大気圧等の情報を
得て、燃料噴射制御装置4、点火位置制御装置5B及び
回転方向切換制御装置8をそれぞれ実現するための演算
処理を行う。
7は、図示しない定電圧直流電源回路の正極側の出力端
子に一端が接続された抵抗7Aと、抵抗7Aの他端と接
地間に接続された反転指令用スイッチ7Bとからなって
いる。図示しない定電圧直流電源回路の負極側の出力端
子は接地され、該電源回路の出力電圧が抵抗7Aとスイ
ッチ7Bとの直列回路の両端に印加されている。抵抗7
Aとスイッチ7Bとの接続点から出力端子が導出され、
該出力端子と接地間に得られる信号が図示しないマイク
ロコンピュータに入力されて、回転方向切換制御装置8
に反転指令を与える信号として用いられる。スイッチ7
Bは例えば、機関が正回転している時にオフ状態に保た
れ、機関を逆回転させる際にオン状態にされる。またス
イッチ7Bは機関が逆回転している間オン状態に保持さ
れ、機関を正回転させる際にオフ状態にされる。
ッチ7Bがオフ状態にあるときに高レベルの状態をと
り、該スイッチ7Bがオン状態にあるときに零レベルの
状態をとる。回転方向切換制御装置8は、反転指令発生
部から与えられる信号のレベルが変化する毎に機関の回
転方向を反転させることを指令する反転指令が与えられ
たと判断する。
スロットルバルブの開度を最小値付近の値(アイドリン
グ時の開度付近の値)にするようにスロットルレバー等
のスロットル操作部材を操作し、反転指令発生部7のス
イッチ7Bを操作する。
が操作されて反転指令発生部7から反転指令が与えられ
たときに、マイクロコンピュータにより行われる各種の
制御(点火装置や燃料噴射装置の制御)を反転時の制御
モードに切り換えて、以下のように機関を反転させるた
めの処理を行わせる。
きに、スロットルバルブの開度が最小値に保たれている
状態で、先ず内燃機関への燃料の供給を停止して機関の
回転速度を設定値まで低下させる燃料遮断過程を行わせ
る。またこの燃料遮断過程と並行して(内燃機関の回転
速度が設定値に達するまでの間に)、点火装置が点火動
作を行う位置を機関の回転方向を反転させるのに適した
過進角位置に移行させる点火位置移行過程を行わせる。
そして、機関の回転速度が設定値まで低下した時に(燃
料遮断過程が終了した時に)、内燃機関への燃料の供給
を再開させるとともに過進角位置で点火装置に点火動作
を行わせる回転方向反転過程を行う。またこの回転方向
反転過程では、同時に、内燃機関の回転方向の反転に成
功したか否かを判定する回転方向判定過程を行い、該回
転方向判定過程により回転方向の反転に成功したと判定
された時に、点火位置を反転した方向への内燃機関の回
転を維持するのに適した回転角度位置に移行させる。
を示したもので、同図においてCLは機関の正回転方向
を示し、TDCは機関の上死点(ピストンが上死点にあ
るときのクランク軸の回転角度位置)を示している。機
関が図示の矢印CL方向に回転しているときには、点火
位置が上死点TDCよりも僅かに進角した位置θa と、
更に進角した位置θb との間を定常運転時の進角範囲と
して、この進角範囲内で点火位置が回転速度の変化に応
じて変化させられる。点火位置θb よりも更に進角した
範囲は過進角範囲であり、θd の位置は、正回転してい
る機関の回転方向を本発明の方法により反転させる際の
点火位置の過進角位置である。
図示の矢印CL方向と逆方向に回転している状態での定
常時の進角範囲であり、θd ´は、逆方向に回転してい
る機関の回転方向を反転させる際の過進角位置である。
Cよりも進角側の回転角度範囲であることを意味し、A
TDCは上死点よりも遅角側の回転角度範囲であること
を意味している。
ている内燃機関の回転方向を反転させる際の燃料噴射状
態の変化、点火位置の変化及び機関の回転速度の変化の
一例を、図6(A),(B)及び(C)を参照して詳細
に説明する。
の変化を示し、図6(B)は点火位置θiの時間tに対
する変化を示している。また図6(C)は機関の回転速
度Nの時間tに対する変化を示している。
(A)〜(C)に示す時刻t0 において、スロットルバ
ルブの開度を最小値に絞ると、機関の点火位置θiは、
定常運転時の進角範囲のうち、上死点に最もに近い位置
θa になり、機関の回転速度はアイドリング速度N0 に
なる。
と、燃料噴射弁2からの燃料の噴射量が零にされて燃料
遮断過程が開始される。この燃料遮断過程では、シリン
ダ内で燃焼が行われなくなるため、図6(C)に示すよ
うに機関の回転速度が低下していく。
程においても、点火動作は継続させることが望ましい。
後から点火位置θiが徐々に進角させられて、燃料噴射
量が零になっている間に(燃料遮断過程が行われている
間に)点火位置が過進角位置θdx(x=1,2,3,
…)に移行させられる。
で低下した時に燃料の噴射が再開されて燃料遮断過程が
終了させられ、回転方向反転過程が開始される。図6に
示した例では、2サイクル機関において燃料を吸気管内
またはクランクケース内に噴射する場合を想定している
ため、時刻t3 で燃料の供給が再開された後、シリンダ
内の混合気の空燃比が該混合気に着火し得る値に達する
までの間には所定の遅れ時間がある。この遅れ時間が経
過する間に、機関の回転速度Nは設定値Nsよりも更に
低下する。機関のシリンダ内に供給される混合気の空燃
比が所定の値に達すると、過進角位置θdxで点火火花が
発生した時にシリンダ内で燃焼が行われるようになる。
力Pとの関係を示したもので、同図において曲線aは適
正位置で点火が行われた場合を示し、曲線bは適正位置
よりも進角した位置で点火が行われた場合を示してい
る。また曲線cは適正位置よりも遅角した位置で点火が
行われた場合を示している。同図に示すように、点火位
置を過進角側に移行させると、点火動作が行われる際の
シリンダ内の圧力が低くなっていき、点火後シリンダ内
の圧力が最大になる位置が進角側(機関の上死点TDC
から離れる側)にずれていく。そのため点火位置の進角
に伴って、ピストンを押し戻そうとする力が大きくなっ
ていき、時刻t4 でピストンを押し戻そうとする力が上
死点に向けて上昇しようとするピストンの力に勝ると、
機関の回転方向が反転する。
た後、混合気の空燃比が着火可能な値に復帰して燃焼が
行われた際に、機関の回転方向を反転させることができ
るように、回転速度の設定値Nsと、燃料の供給を再開
した直後の点火位置である過進角位置θdxとを適値に設
定しておく。
が着火可能な値に復帰するまでの時間をできるだけ短く
するため、燃料の供給を再開する際の燃料噴射量は、ア
イドリング時の燃料噴射量よりも多い値に設定するのが
好ましい。
噴射する直噴式の内燃機関の場合には、燃料の供給が再
開された時点で直ちに混合気が着火可能な状態になり、
燃料の供給が再開された後最初に行われる点火動作によ
り燃焼が行われるため、機関の回転方向の反転は速やか
に行われる。
ら、回転センサ6の出力パスルの発生順序を識別するこ
とにより機関の回転方向を判定する回転方向判定過程が
行われる。この回転方向判定過程により、時刻t5 で回
転方向の反転に成功したと判定された時に、点火位置が
反転した方向への内燃機関の回転を維持するのに適した
回転角度位置(図示の例では上死点TDC)に移行させ
られる。これにより、反転した方向への機関の回転が維
持される。
角量βxの大きさは、混合気の温度に応じて適宜に選定
する。内燃機関においては、混合気の温度が高い場合
程、燃料に点火した際に生じる火炎の伝播速度が速くな
り、点火後ピストンに加わる爆発力が最大値に達するま
での時間が短くなる。従って、機関を反転させる際の混
合気の温度が高いときには、点火位置を過進角させる際
の進角量βxを図6(B)に示すβ1 のように少なくし
て過進角位置をθd1とするのがよく、混合気の温度が低
いときには、点火位置を過進角させる際の進角量を図6
(B)のβ3 のように多くして過進角位置をθd3とする
のがよい。
点から過進角位置までの進角量βxの大きさを変えるに
は、内燃機関の温度を検出する機関温度センサ及び内燃
機関の吸気温度を検出する吸気温度センサのうちの少な
くとも一方を設けて、該温度センサにより検出された温
度が低い場合ほど点火位置を過進角させる際の進角量β
xを多くするように温度センサにより検出された温度に
応じて過進角位置θdxを変化させるようにすればよい。
ど排出させることなく、機関の回転方向を反転させるこ
とができるため、回転方向の切り換え時にアフタファイ
アが生じたり、大気を汚染したりするおそれをなくすこ
とができる。
際に燃料の供給を停止するようにすると、ノッキングを
生じさせることなく、機関の回転速度を低下させること
ができる。
に低く、しかも不安定であるため、内燃機関の点火位置
が過進角位置θdxにある状態のときに、機関の回転方向
の反転に成功したか否かの判定を行うことは必ずしも容
易ではない。従って、機関の回転方向の反転に成功した
か否かの判定を行う回転方向判定過程は、点火位置を過
進角位置から反転後の点火位置に移行させた後に行うの
が好ましい。
させることを指令する反転指令が与えられたときに、ス
ロットルバルブの開度をアイドリング時の開度付近に保
った状態で、内燃機関への燃料の供給を停止して該内燃
機関の回転速度を設定値まで低下させる燃料遮断過程
と、燃料遮断過程で内燃機関の回転速度が設定値に達す
るまでの間に点火装置が点火動作を行う位置を機関の回
転方向を反転させるのに適した過進角位置に移行させる
点火位置移行過程と、内燃機関の回転速度が設定値に達
したときに内燃機関への燃料の供給を再開させるととも
に過進角位置で点火装置に所定回数の点火動作を行わせ
る回転方向反転過程と、回転方向反転過程が終了した後
各気筒の点火位置を上死点付近に設定された設定点火位
置に移行させて機関の回転方向の反転に成功したか否か
を判定する回転方向判定過程とを行わせ、該回転方向判
定過程により回転方向の反転に成功したと判定された後
に、回転方向を反転させた状態での機関の運転を行わせ
るようにすればよい。
内燃機関の各気筒毎の点火回数ではなく、内燃機関全体
としての点火回数であり、この点火回数は、機関の気筒
数よりも少ないこともあり得る。
機関の回転方向を反転させるために適当な回数に設定す
る。回転方向反転過程での点火回数を多くし過ぎると機
関が停止するおそれがあるため、回転方向反転過程での
点火回数は必要最小限の値に設定するのが好ましい。
め、上記回転方向判定過程で機関の回転方向が反転した
ことが検出された時に、機関の回転方向が反転したこと
を表示する表示手段に表示動作を行わせることが望まし
い。
記回転方向判定過程で機関の回転方向の反転に失敗した
と判定されたときには、機関の回転方向の反転に成功し
たことが確認されるまで、燃料遮断過程から回転方向判
定過程に至る一連の過程を繰り返し、回転方向判定過程
で機関の回転方向の反転に成功したと判定された後に、
回転方向を反転させた状態での機関の運転を行わせるよ
うにするのが好ましい。
ことが確認されるまで、燃料遮断過程から回転方向判定
過程に至る一連の過程を繰り返す方法をとる場合に、マ
イクロコンピュータに実行させるプログラムのうち、反
転指令が与えられたときに実行される割込みルーチンの
アルゴリズムを示したものである。
指令が与えられた時に先ずステップ1において、スロッ
トル開度が最小値に保たれているか否かを判定し、スロ
ットル開度が最小でない場合には、ステップ1aで燃料
噴射量を規定量に復帰させ、更にステップ1bで点火位
置を定常時の位置に復帰させて(機関の回転方向を反転
させる処理を中止して)メインルーチンに戻る。ステッ
プ1においてスロットル開度が最小値に保たれているこ
とが確認されたときには、ステップ2において、燃料の
噴射を停止させ、ステップ3において点火位置を単位量
Δθiだけ進角させる。次いでステップ4において、機
関の回転速度Nが設定値Nsまで低下したか否かを判定
し、その結果、回転速度Nが設定値Nsまで低下してい
ないと判定されたときには、ステップ1に戻って、ステ
ップ1からステップ4までを繰り返す。
Nsまで低下していると判定されたときには、ステップ
5において、燃料の噴射を再開させ、ステップ6におい
て、吸気温度を検出しているセンサの検出値に適合した
進角量(上死点から過進角位置θdxまでの進角量)βx
を決定する。次いでステップ7において、点火位置が目
標とする過進角位置に達しているか否かを判定する。そ
の結果、点火位置が目標とする過進角位置に達していな
い場合には、ステップ8を行って、点火位置を直ちに目
標とする過進角位置に移行させ、ステップ9に進む。ス
テップ7において、既に点火位置が目標とする過進角位
置に達していると判定されたときには、直ちにステップ
9に進む。
点火が行われたか否かを判定し、所定回数の点火が行わ
れたと判定されたときにステップ10に進んで、点火位
置θiを上死点付近に移行させる。点火位置を上死点付
近とすれば、機関の回転方向が反転していても反転して
いなくても、機関は回転し得るので、機関が停止するの
を防ぐことができる。
プ11で機関の回転方向の反転に成功したか否かを判定
する。その結果回転方向の反転に成功しているときに
は、メインルーチンに復帰する。ステップ11で回転方
向の反転に失敗したと判定されたときには、ステップ9
で判定する点火の回数を1だけ増加させた後、ステップ
1に戻り、上記と同じ過程を繰り返す。
の過程が燃料遮断過程であり、ステップ3,6,7及び
8の過程が点火位置移行過程である。またステップ9の
過程が回転方向反転過程であり、ステップ10及び11
の過程が回転方向判定過程である。
ときに燃料遮断過程から回転方向判定過程までの一連の
過程を繰り返すようにすると、機関の回転方向の反転を
確実に行わせることができる。
1で回転方向の反転に失敗したと判定されたときに、ス
テップ12で次回の回転方向反転過程における点火回数
を増加させる代りに、次回の回転方向反転過程における
点火位置の過進角位置を前回の過進角位置よりも更に進
めるようにしてもよい。
回転方向反転過程で行わせる点火の回数を1だけ増加さ
せるとともに、該回転方向反転過程における点火位置を
過進角側に更に進角させるようにしてもよい。
じて上死点から過進角位置θdxまでの進角量βxを変え
るようにしているが、機関の温度(機関の冷却水の温
度)を検出して、該機関の温度に応じて上死点から過進
角位置までの進角量βxの大きさを変えるようにしても
よく、吸気温度と機関の温度との双方に対して進角量β
xの大きさを決定するようにしてもよい。
りなく、進角量βxを一定(混合気の温度が低い場合で
も機関の回転方向を反転させ得る値)としてもよい。
転方向判定過程に至る一連の過程を繰り返す毎に、回転
方向反転過程における点火の回数を増加させるようにし
ているが、該一連の過程を繰り返す場合に、回転方向反
転過程で行われる点火の回数を一定とするようにしても
よい。その場合には、図8のステップ12を省略する。
手段として燃料噴射弁(インジェクタ)を用いている
が、内燃機関に燃料を供給する手段としてキャブレター
を用いる場合にも本発明を適用できるのはもちろんであ
る。
を停止させるには、例えば、キャブレターのフロートチ
ャンバーとノズルとの間にバルブを挿入して、該バルブ
を閉じることにより、キャブレターのノズルからの燃料
の噴射を停止させるようにすればよい。
させる際に、運転者がスロットルバルブの開度を最小値
に保つとしたが、スロットルバルブを電気式のアクチュ
エータにより操作するように構成して、反転指令が与え
られたときに、スロットルバルブの開度を最小値に保持
するようにアクチュエータを制御するようにしてもよ
い。
位置を徐々に進角させて過進角位置に移行させるように
しているが、点火位置移行過程では、点火位置を過進角
位置までステップ状に変化させるようにしてもよい。
ックさせる場合には、機関の回転速度が無制限に上昇す
ると危険である。そのため、車両等をバックさせる方向
に機関を回転させる際には、機関の回転速度を所定の制
限値以下に制限するようにするのが好ましい。機関の回
転速度を制限するには、例えば、機関の回転速度が制限
値を越えたときに点火位置を遅角させるようにすればよ
い。
関への燃料の供給を停止させることにより機関の回転速
度を低下させ、回転速度が設定値まで低下したときに燃
料の供給を再開させるとともに、過進角位置で点火を行
わせるようにしたので、未燃焼ガスをほとんど排出する
ことなく、機関の回転方向を切り換えることができ、回
転方向の切り換え時にアフタファイアが生じたり、大気
を汚染したりするおそれをなくすことができる。
を停止することにより機関の回転速度を設定値まで低下
させるようにしたので、回転速度を低下させる過程でノ
ッキングが生じるのを防ぐことができ、機関の回転方向
を反転させる際に、機関に無用の衝撃を与えるのを防ぐ
ことができる。
御装置の構成例を示したブロック図である。
関と車両等の駆動輪との間に設けられる変速機の一例と
を示した説明図である。
出するために用いる回転センサの一例を示した構成図で
ある。
した波形図である。
明するための説明図である。
時間的変化と点火位置の時間的変化と機関の回転速度の
時間的変化とを示した線図である。
を示した線図である。
られたときにマイクロコンピュータが実行するプログラ
ムの割込みルーチンのアルゴリズムを示したフローチャ
ートである。
Claims (10)
- 【請求項1】 シリンダ内を往復移動するピストンと該
ピストンに連結されたクランク軸とを備えて、点火位置
を制御することができる点火装置により点火される火花
点火式往復ピストン形内燃機関の回転方向を切り換える
回転方向切換制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
転指令が与えられたときに、スロットルバルブの開度を
アイドリング時の開度付近に保った状態で、内燃機関へ
の燃料の供給を停止して該内燃機関の回転速度を設定値
まで低下させる燃料遮断過程と、前記燃料遮断過程で前
記内燃機関の回転速度が設定値に達するまでの間に前記
点火装置が点火動作を行う位置を機関の回転方向を反転
させるのに適した過進角位置に移行させる点火位置移行
過程と、前記内燃機関の回転速度が前記設定値に達した
ときに前記内燃機関への燃料の供給を再開させるととも
に前記過進角位置で前記点火装置に点火動作を行わせる
回転方向反転過程と、前記回転方向反転過程で前記内燃
機関の回転方向の反転に成功したか否かを判定する回転
方向判定過程とを行わせ、 前記回転方向判定過程により回転方向の反転に成功した
と判定された時に、前記点火位置を反転した方向への内
燃機関の回転を維持するのに適した回転角度位置に移行
させることを特徴とする内燃機関の回転方向切換制御方
法。 - 【請求項2】 シリンダ内を往復移動するピストンと該
ピストンに連結されたクランク軸とを備えて、点火位置
を制御することができる点火装置により点火される火花
点火式往復ピストン形内燃機関の回転方向を切り換える
回転方向切換制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
転指令が与えられたときに、スロットルバルブの開度を
アイドリング時の開度付近に保った状態で、内燃機関へ
の燃料の供給を停止して該内燃機関の回転速度を設定値
まで低下させる燃料遮断過程と、前記燃料遮断過程で前
記内燃機関の回転速度が設定値に達するまでの間に前記
点火装置が点火動作を行う位置を機関の回転方向を反転
させるのに適した過進角位置に移行させる点火位置移行
過程と、前記内燃機関の回転速度が前記設定値に達した
ときに前記内燃機関への燃料の供給を再開させるととも
に前記過進角位置で前記点火装置に所定回数の点火動作
を行わせる回転方向反転過程と、前記回転方向反転過程
が終了した後各気筒の点火位置を上死点付近に設定され
た設定点火位置に移行させて機関の回転方向の反転に成
功したか否かを判定する回転方向判定過程とを行わせ、 前記回転方向判定過程により回転方向の反転に成功した
と判定された後に、回転方向を反転させた状態での機関
の運転を行わせることを特徴とする内燃機関の回転方向
切換制御方法。 - 【請求項3】 シリンダ内を往復移動するピストンと該
ピストンに連結されたクランク軸とを備えて、点火位置
を制御することができる点火装置により点火される火花
点火式往復ピストン形内燃機関の回転方向を切り換える
回転方向切換制御方法において、 前記内燃機関の回転方向を反転させることを指令する反
転指令が与えられたときに、スロットルバルブの開度を
アイドリング時の開度付近に保った状態で、内燃機関へ
の燃料の供給を停止して該内燃機関の回転速度を低下さ
せる燃料遮断過程と、前記燃料遮断過程で前記内燃機関
の回転速度が設定値に達するまでの間に前記点火装置が
点火動作を行う位置を機関の回転方向を反転させるのに
適した過進角位置に移行させる点火位置移行過程と、前
記内燃機関の回転速度が前記設定値に達したときに前記
内燃機関への燃料の供給を再開させるとともに前記過進
角位置で前記点火装置に所定回数の点火動作を行わせる
回転方向反転過程と、前記回転方向反転過程が終了した
後各気筒の点火位置を上死点付近に設定された設定点火
位置に移行させて機関の回転方向の反転に成功したか否
かを判定する回転方向判定過程とを行わせ、 前記回転方向判定過程で機関の回転方向の反転に失敗し
たと判定されたときには、機関の回転方向の反転に成功
したと判定されるまで、前記燃料遮断過程から回転方向
判定過程に至る一連の過程を繰り返し、 前記回転方向判定過程で機関の回転方向の反転に成功し
たと判定された後に、回転方向を反転させた状態での機
関の運転を行わせることを特徴とする内燃機関の回転方
向切換制御方法。 - 【請求項4】 前記燃料遮断過程から回転方向判定過程
に至る一連の過程を繰り返す毎に、前記過進角位置を前
回の過進角位置よりも更に進めることを特徴とする請求
項3に記載の内燃機関の回転方向切換制御方法。 - 【請求項5】 前記燃料遮断過程から回転方向判定過程
に至る一連の過程を繰り返す毎に、前記回転方向反転過
程で行う点火の回数を増加させることを特徴とする請求
項3または4に記載の内燃機関の回転方向切換制御方
法。 - 【請求項6】 前記回転方向判定過程で機関の回転方向
の反転に成功したことが検出された時に、機関の回転方
向が反転したことを表示する表示手段に表示動作を行わ
せることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つ
に記載の内燃機関の回転方向切換制御方法。 - 【請求項7】 前記内燃機関の温度を検出する機関温度
センサ及び内燃機関の吸気温度を検出する吸気温度セン
サのうちの少なくとも一方の温度センサを設けて、該温
度センサにより検出された温度が低い場合ほど前記過進
角位置を進ませるように前記温度センサにより検出され
た温度に応じて前記過進角位置を変化させることを特徴
とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の内燃機
関の回転方向切換制御方法。 - 【請求項8】 前記点火位置移行過程では、前記点火位
置を徐々に進角させて前記過進角位置に移行させること
を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の
内燃機関の回転方向切換制御方法。 - 【請求項9】 前記点火位置移行過程では、前記点火位
置をステップ状に過進角位置まで変化させることを特徴
とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の内燃機
関の回転方向切換制御方法。 - 【請求項10】 前記燃料遮断過程でも前記点火装置に
点火動作を行わせることを特徴とする請求項1ないし9
のいずれか1つに記載の内燃機関の回転方向切換制御方
法。
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JP25237997A JP3446807B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 内燃機関の回転方向切換制御方法 |
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JP25237997A JP3446807B2 (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 内燃機関の回転方向切換制御方法 |
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JPH1193719A true JPH1193719A (ja) | 1999-04-06 |
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US (1) | US6098574A (ja) |
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