JPH1192693A - 石油分解促進用塗料組成物および石油で汚染された基材の浄化方法 - Google Patents

石油分解促進用塗料組成物および石油で汚染された基材の浄化方法

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JPH1192693A
JPH1192693A JP25345397A JP25345397A JPH1192693A JP H1192693 A JPH1192693 A JP H1192693A JP 25345397 A JP25345397 A JP 25345397A JP 25345397 A JP25345397 A JP 25345397A JP H1192693 A JPH1192693 A JP H1192693A
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JP
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microorganisms
oil
petroleum
resin
coating
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JP25345397A
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Hitoshi Izumida
仁 泉田
Toshiro Hirama
敏郎 平間
Toshiji Shimauchi
敏次 島内
Shigeaki Harayama
重明 原山
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Kansai Paint Co Ltd
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (a)樹脂ビヒクル、(b)微生物用栄
養成分、および必要に応じて(c)石油分解微生物を含
有することを特徴とする石油分解促進用塗料組成物、並
びにそれを用いた石油で汚染された基材の浄化方法。 【効果】 沿岸の岩石及び人工構造物等に付着した原油
成分を効率的に除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油分解促進用塗
料組成物および石油で汚染された基材の浄化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】海洋環境の石油汚染は近年特に増大して
いる。特にロシア船籍のタンカー・ナホトカ号の船舶事
故等による原油および燃料油の流出は限定された地域に
一度に多量の石油を流出し、沿岸に流れてきた石油が岩
石,人工構造物等に付着したりして海洋環境の大きな破
壊を招くとともに、養殖業等の水産業や観光業への甚大
な経済的打撃を与えた。一方、流出した石油の海表面へ
の移動速度はかなり早く、オイルフェンスの設置等を行
う以前に環境汚染は広がってしまい、海岸への漂着とい
う事態も起こっている。原油中には生物に対する多くの
有害物質が含まれており、食用海産生物体内への蓄積が
食物連鎖を経て人間の体内に高濃度に蓄積されることに
より公衆衛生上非常に大きな問題となることも懸念され
る。流出した石油は蒸発および風化(ウェザリング)を
受け、脂肪族炭化水素を中心とした軽質分、即ち易生分
解成分は速やかに消失するが、ウェザリング後に残存す
るタール成分は重質で高沸点の物性を有する脂肪族炭化
水素、環状脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素を中心
とした難分解成分であり、長期にわたり漂着した海岸線
に残存し、岩石および人工構造物等に付着する問題点と
前述の公衆衛生上の問題点と相まって問題はさらに重大
となっている。
【0003】実際の海洋環境中での原油流出事故現場で
は、流出油等の炭化水素化合物の除去に際しては、機械
的な汲み上げ、微生物による自然の浄化能向上のための
栄養剤の散布および高圧熱水と界面活性剤を併用しての
洗浄等の対策が講じられてきたが、いずれもコストがか
かり過ぎ、あるいは逆に海洋環境の富栄養化を招き赤潮
発生の誘発などの海洋汚染につながる等の問題点があ
り、有効な手段ではなかった。その結果、流出原油によ
る汚染した海洋の処理の殆どは自然の自浄力に委ねる
か、人力で剥がしているのが現状である。特に、最も問
題になっている沿岸の岩石および人工構造物等に付着し
た原油成分の効率的な除去方法はまったくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化水素、
特に岩石および人工構造物等に付着した原油中に含まれ
る、高沸点の物性を有する直鎖脂肪族炭化水素、分岐鎖
脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素
およびその誘導体等の多種類の炭化水素を、幅広くかつ
良好に分解する微生物を増殖させる石油分解促進用塗料
組成物を用いて、岩石および人工構造物等を汚染した原
油等の炭化水素を分解・除去することを目的とするもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】本発明者らは、海岸に
漂着後、岩および人工構造物等に付着した石油成分を短
期間で分解する方法について鋭意研究を重ねた結果、樹
脂ビヒクル、微生物用栄養成分、および必要に応じて石
油分解微生物を含有する石油分解促進用塗料組成物を石
油で汚染された基材に塗布することで石油の浄化が可能
になることがわかり、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、(a)樹脂ビヒクル、及び(b)微生物
用栄養成分を含有することを特徴とする石油分解促進用
塗料組成物である。
【0006】また、本発明は、(a)樹脂ビヒクル、
(b)微生物用栄養成分、及び(c)石油分解微生物を
含有することを特徴とする石油分解促進用塗料組成物で
ある。更に、本発明は、石油で汚染された基材に、上記
記載の石油分解促進用塗料組成物を塗布することを特徴
とする石油で汚染された基材の浄化方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の石油分解促進用塗料組成物は、一
般に、(a)樹脂ビヒクル成分と(b)微生物用栄養成
分を主成分とし、これに必要に応じて石油分解速度を促
進させるために(c)石油分解微生物および塗料物性調
整のための(d)固体物質等が配合される。なお、本発
明における石油とは、天然に産出される原油、およびそ
れを精製して得られる重油、軽油などの各種石油製品を
意味する。
【0008】(a)樹脂ビヒクル 樹脂ビヒクル(a)は、石油で汚染された基材に本発明
の塗料組成物が塗布された後、溶出する微生物用栄養成
分の流出速度をコントロールするために用いられる。使
用される樹脂ビヒクルとしては、常温あるいは焼付乾燥
により被膜形成可能な溶剤蒸発乾燥形、酸化重合形、反
応硬化形の樹脂がある。これらの樹脂の例としては、常
温硬化形または加熱硬化形アミノ樹脂(たとえばメラミ
ン樹脂)、二液硬化形エポキシ樹脂、エポキシエステル
樹脂、二液硬化形ポリウレタン樹脂、無油性ポリエステ
ル樹脂、油溶性フェノール樹脂(および、これと乾性油
との融合物)、油変性低酸価アルキド樹脂、塩化ビニル
系樹脂、塩化ゴム樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、アクリル系共重合樹脂、エチレ
ン〜酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン〜ブタジエン共重
合樹脂、塩化ビニル〜ビニルイソブチルエーテル共重合
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂(たと
えばポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロ
ラクトン)、低酸価加工天然樹脂(たとえばロジン誘導
体)、天然樹脂(たとえばアルギン酸ナトリウム、ロジ
ン)、石油系炭化水素樹脂などが挙げられる。これらの
樹脂は、単独で、または複数ブレンドして用いても良
い。また、これらの樹脂はそれ自体液状のものもある
が、固形の樹脂の場合は通常溶剤に溶解させ、ワニス状
にして使用に供される。
【0009】石油分解促進用塗料は、自然環境中に塗布
される性格上、樹脂ビヒクル(a)は生分解性を持つも
のを使用するのが好ましい。上に例示した樹脂のなかで
は、ポリエステル樹脂、天然樹脂等が好適であり、生分
解性のある樹脂の具体例としては、アルギン酸ナトリウ
ム、ロジン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポ
リカプロラクトン、ポリビニルアルコール、カルボキシ
ルメチルセルロース等を挙げることができる。
【0010】また、上記の樹脂ビヒクル(a)へ必要に
応じて可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては、塗
料、プラスチック等に対して可塑効果を有するものであ
れば特に限定されない。
【0011】(b)微生物用栄養成分 海洋等は窒素、リンが少ないため微生物の栄養成分を上
記した樹脂ビヒクル(a)中に加える必要がある。微生
物用栄養成分は、窒素含有物質、リン含有物質、アルカ
リ金属含有物質、アルカリ土類金属含有物質などから選
ばれる1種類以上の物質であり、本発明では、特にこれ
らの物質を2種類以上併用することが好ましい。これら
の物質中には、例えば石灰窒素、骨粉、カイガラ粉など
のように窒素、カルシウムおよび微量の他の原子(たと
えばリン)を複合して含む2種類以上の上記原子を含有
する物質も含まれる。具体例を挙げれば次の通りであ
る。なお、上記原子を複合して含む栄養成分について
は、便宜上一つの原子を含有する物質中に代表して挙げ
る。
【0012】窒素含有物質;硫安、尿素、石灰窒素、塩
安、硝安、リン安、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)の金属塩、鶏フン、牛フン、アミノ酸塩、グアニル
尿素塩、油カス、大豆カス、アセトアルデヒド尿素縮合
物(CDU)粉末、グリミンなど。 リン含有物質;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、メタリ
ン酸石灰、アンモニア化過リン酸石灰、溶性リン肥、縮
合リン酸塩、苦土リン安など。
【0013】アルカリ金属含有物質;塩化カリ、リン酸
カリ、硫酸カリ、硝酸カリ、海草灰、草木灰など。 アルカリ土類金属含有物質;骨粉、魚粉、カイガラ粉、
炭酸カルシウムなど。
【0014】上記に例示した各物質は、本発明に使用で
きる栄養物の一端であって、上記原子を単独であるいは
複合して含有する肥料物質もしくは栄養成分であれば、
上記に例示した以外のものであってもとくに制限なく使
用することができる。
【0015】これらの物質のうち、骨粉、カイガラ粉、
カニガラ粉、油カス、大豆カス、CDU粉末、苦土リン安
から選ばれる1種、好ましくは2種以上の栄養成分が、
好適に使用される。本発明の石油分解促進用塗料におけ
る栄養成分(b)の配合量はとくに限定されるものでは
ないが、栄養成分(b)の合計重量比率が、該塗料の不
揮発固形分中に1〜90%、好ましくは10〜70%の
範囲である。
【0016】(c)石油分解微生物 石油分解微生物(c)は、原油分解の初期活性を高める
ために必要に応じて用いられる。石油分解微生物(c)
を加えない場合でも環境中に必ず存在する石油分解微生
物(c)の生育を促進することで、岩または人工構造物
等に付着した原油成分の分解を行うことができるが、石
油分解微生物(c)を加えることで、より早く原油付着
物を分解することができる。
【0017】石油分解微生物(c)は、すでに多くの株
が知られている。たとえば、ロドコッカス属(特開平7-
95879号公報)、アルカリジェネス属(特開平7-95878号
公報)、アグロバクテリウム属(特開平7-313146号公
報)あるいは、カンジダ属(特開平7-144199号公報)等
を挙げることができるが、特に微生物の属が限定される
ものではない。
【0018】コスト等の問題から、本発明の塗料組成物
には、一般に石油分解微生物(c)を加えないが、付着
した原油汚染成分を早急に分解する必要がある場合、上
記した石油分解微生物(c)を配合すれば顕著な効果が
得られる。これらの石油分解微生物(c)は単独で用い
てもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。石油
分解促進用塗料における石油分解微生物(c)の配合量
はとくに限定されるものではないが、微生物の合計乾燥
重量比率が、該塗料の不揮発固形分中に0.001〜5
%、好ましくは0.01〜1%の範囲で用いられる。
【0019】(d)固体物質 塗料物性調整のために必要に応じて固体物質等を配合す
ることができる。たとえば、砂、コンクリート粒、プラ
スチック粉、ガラス粒、陶片、珪石粉、鉱さい等の金属
粒等があげられる。本発明の石油分解促進用塗料は、樹
脂ビヒクル成分(a)および微生物用栄養成分(b)を
主成分とするものであり、該両成分の混合比率は固形分
重量比で、好ましくは後者/前者が95/5〜5/9
5、より好ましくは90/10〜20/80が適してお
り、これら両成分の混合は水および/または有機溶剤の
存在下で行ってもさしつかえない。
【0020】さらに、上記石油分解促進用塗料には、前
記した樹脂ビヒクル(a)、微生物用栄養成分(b)、
石油分解微生物(c)および固体物質(d)の他に、塗
料粘度、貯蔵安定性、塗装作業性、色調、さらに塗膜の
状態およびその物性を調整する目的で、通常塗料に使用
されている公知の溶剤、添加剤、硬化促進剤、着色含量
等も当然使用できる。また、上記塗料は、前述の各構成
成分を混合し、公知の分散方式(たとえばペブルミル、
ペイントシェーカー、ディゾルバーなど)によって容易
に製造できる。
【0021】また、本発明における石油で汚染された基
材を浄化する方法は、該基材の上に該石油分解促進用塗
料を塗布することによって、基材の表面に付着した汚染
成分を効率よく分解することができる。汚染されうる基
材は、特に限定されるものではないが、例えば、岩,
砂,岸壁等のコンクリート構造物,船底、橋脚等の鉄構
造物,ブイ等のプラスチック,人工構造物等に塗られた
塗膜,漁網,カキ、ムラサキイガイ等の貝類等をあげる
ことができる。
【0022】本発明の石油分解促進用塗料の塗装方法と
しては、汚染された基材の形状、構造、表面状態等を考
慮し、これに適した公知の塗装法で容易に塗装される。
塗装法としては、スプレー、ローラ塗り、ハケ塗り、流
し塗り等があり、これらから選ばれた方法で塗装すれば
よい。塗膜は通常常温で乾燥させるが、樹脂の性質、被
塗物の種別によっては、加温(たとえば40〜60℃)して
乾燥させてもよい。
【0023】このようにして形成された塗膜から栄養成
分が基材表面に移行し、石油で汚染された基材上に存在
する石油分解微生物に供給され、該微生物が増殖するこ
とによって石油の分解が促進される。また、塗膜の周辺
にも栄養成分が供給されるため、塗膜の周辺の汚染され
た基材の石油の分解も促進される。分解された石油は自
然に基材から剥離するが、剥離しない場合にはスクレー
バー等を用いて除去すればよい。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、以下の「部」は「重量部」を示す。 〔実施例1〕幅20cm、奥行き10cm、高さ6cmのコンクリ
ート製ブロックの上面200cm2に平成9年2月4日に福井テ
クノポートで採集したロシア船籍タンカー・ナホトカ号
の漂着重油1.2gを塗布した。この上面に石油分解促進用
塗料B(YSP-B)を2.4gスプレー塗装後、自然乾燥した。
【0025】YSP-Bの配合 60%ロジン35.6部、25%カ
プロラクトンH-4(ダイセル(株)製)6.4部、デスパロ
ンNS(楠本化成(株)製)0.92部、ベントン#38(NL In
dustries Inc 製)1.4部、大豆カス20部、アセトアルデ
ヒド尿素縮合物(チッソ(株)製)20部、カキガラ粉
(丸栄(株)製)20部、苦土リン安((株)コープケミ
カル製)10部、キシレン12部、メチルイソブチルケトン
8部
【0026】〔実施例2〕実施例1と同様の方法でコン
クリートブロック漂着重油を塗布した。この上面に石油
分解微生物を含む石油分解促進塗料BM(YSP-BM)をスプ
レー塗装後、自然乾燥した。石油分解微生物としてロド
コッカス(Rodococcus)属sp.PR4株,(受託番号FERM-P-
13804)を用いた。ロドコッカス属PR4株は、ZoBell-2216
培地(Difco社製)で20℃,4日間培養後、その凍結乾燥菌
体を試料として用いた。
【0027】YSP-BMの配合 60%ロジン35.6部、25%カ
プロラクトンH-4(ダイセル(株)製)6.4部、デスパロ
ンNS(楠本化成(株)製)0.92部、ベントン#38(NL In
dustries Inc 製)1.4部、大豆カス20部、アセトアルデ
ヒド尿素縮合物(チッソ(株)製)20部、カキガラ粉
(丸栄(株)製)20部、苦土リン安((株)コープケミ
カル製)10部、ロドコッカス属PR4凍結乾燥菌体粉末1
部、キシレン12部、メチルイソブチルケトン8部
【0028】〔実施例3〕実施例1におけるYSP-Bの代
わりにYSP-Cを使用する以外は実施例1と同様に行っ
た。YSP-Cの配合 塩化ビニル樹脂13部、60%ロジン3
0.8部、25%カプロラクトンH-4(ダイセル(株)製)5.6
部、デスパロンNS(楠本化成(株)製)0.92部、ベント
ン#38(NL Industries Inc 製)1.4部、大豆カス20部、
アセトアルデヒド尿素縮合物(チッソ(株)製)20部、
カキガラ粉(丸栄(株)製)20部、苦土リン安((株)
コープケミカル製)10部、キシレン7.6部、メチルイソ
ブチルケトン5部
【0029】〔比較例1〕実施例1と同様の方法でコン
クリートブロック漂着重油を塗布しただけのものを試験
に供した。 試験方法 800mlの海水を含む恒温槽(幅23.5cm、奥行き14.5cm、
高さ11.0cm)中に、石油分解促進塗料を塗布したコンク
リートブロックを塗装面を上にして上面の低い方が海水
に浸る程度に傾かせ入れた。恒温槽は、20℃,100rpmで
往復振盪した。振盪開始後、12時間毎に海水800mlを新
規なものに交換した。12時間毎に海水を採取し、窒素濃
度,リン濃度を測定し、その結果を第1表に示した。ま
た、塗布表面の重油の付着状況を経時的に観察し、その
結果を第2表に示した。
【0030】
【表1】
【0031】(1)Total-N:サンプル中のNO3, NO2, NH
4 イオン濃度を測定し、これのN原子の合計濃度(ppm)
を示した。 (1)Total-P:サンプル中のPO4 イオン濃度を測定し、
これのP原子の合計濃度(ppm) を示した。 YSP-B, YSP-BM, YSP-Cを塗布することによって、系外に
安定に栄養分を供給できていることがわかる。
【0032】
【表2】
【0033】ブロック上面の重油の付着状況を観察:目
視による観察から評価した。 ◎:分解したことが顕著にわかる(表面の70%以上に
おいてブロック面が見える。)。 ○:分解したことが良くわかる(表面の40%以上にお
いてブロック面が見える。)。 △:分解したことがわかる(表面の10%以上において
ブロック面が見える。)。 ×:ほとんど分解していない(ブロック面が見えな
い。)。
【0034】YSP-B, YSP-BM, YSP-Cを塗布することによ
って、付着重油の分解が促進されていることがわかる。
YSP-BM は、石油分解微生物を加えた効果により、もっ
とも早く付着重油を分解した。
【0035】
【発明の効果】本発明は、新規な石油分解促進用塗料組
成物および石油で汚染された基材の浄化方法を提供す
る。この塗料組成物及び浄化方法を使用すれば沿岸の岩
石及び人工構造物等に付着した原油成分を効率的に除去
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12S 9/00 C12S 9/00 (72)発明者 島内 敏次 岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会 社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究 所内 (72)発明者 原山 重明 岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会 社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究 所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)樹脂ビヒクル、及び(b)微生物
    用栄養成分を含有することを特徴とする石油分解促進用
    塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (a)樹脂ビヒクル、(b)微生物用栄
    養成分、及び(c)石油分解微生物を含有することを特
    徴とする石油分解促進用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 石油で汚染された基材に、請求項1又は
    請求項2記載の石油分解促進用塗料組成物を塗布するこ
    とを特徴とする石油で汚染された基材の浄化方法。
JP25345397A 1997-09-18 1997-09-18 石油分解促進用塗料組成物および石油で汚染された基材の浄化方法 Pending JPH1192693A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116102941A (zh) * 2023-02-14 2023-05-12 福建道化海洋工程有限公司 一种以牡蛎壳粉改性的海洋生态修复涂料的制备方法及应用

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CN116102941A (zh) * 2023-02-14 2023-05-12 福建道化海洋工程有限公司 一种以牡蛎壳粉改性的海洋生态修复涂料的制备方法及应用

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