JPH1191692A - 回転翼航空機の回転翼羽根 - Google Patents

回転翼航空機の回転翼羽根

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JPH1191692A
JPH1191692A JP25836697A JP25836697A JPH1191692A JP H1191692 A JPH1191692 A JP H1191692A JP 25836697 A JP25836697 A JP 25836697A JP 25836697 A JP25836697 A JP 25836697A JP H1191692 A JPH1191692 A JP H1191692A
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水 俊 夫 清
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マッハ数0.6〜0.8、揚力係数1.0〜
0.6付近の回転翼羽根表面の局所マッハ数を抑制し、
衝撃失速を起こりにくくし、回転翼羽根/渦干渉騒音を
低減する断面形状を有する回転翼航空機の回転翼羽根を
提供する。 【解決手段】 高マッハ数かつ零揚力係数の条件下で、
最大揚力係数Clmaxと零揚力抵抗発散マッハ数Mddが大
きい翼型の断面形状を基礎として、これに軽減アフト・
キャンバーを付加し、前縁ドループを緩和し、後縁部の
翼厚を絞り込み、必要に応じて後縁部にはね上げ部を設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転翼航空機の回
転翼羽根に係り、特に最大揚力係数、抵抗発散マッハ数
等によって評価される回転翼羽根の基本性能を高いレベ
ルで維持しつつ、先行する回転翼羽根の翼端渦に後続す
る回転翼羽根が干渉することによって生じる騒音を低減
する回転翼航空機の回転翼羽根に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転翼航空機の回転翼羽根の断
面形状として、NACA(NASA米航空宇宙局の前
身)によって開発された翼型が広く採用されてきた。N
ACAの翼型の代表的なものとしては、NACA001
2及びNACA23012が知られている。
【0003】これに対して、本願出願人は先に特願平3
−131428号出願により、回転翼航空機の翼型とし
てより高性能な翼型を提案した。この翼型は、上記NA
CAの翼型より高い最大揚力係数Clmax及び零揚力抵抗
発散マッハ数Mddを有しているものであった。
【0004】図10は、上記特願平3−131428の
翼型のうち、U896H−10,U896H−10U
R,U896H−08,U896H−09,U896H
−12という翼型の断面形状を示している。これらの翼
型は、翼前縁から約30%弦長の点までの部分を正キャ
ンバーの形状とし、翼の約30%弦長の点から約90%
弦長の点までの部分を実質的に上下面対称な形状として
いる。これら翼型は、上記断面形状により、最大揚力係
数Clmaxを大きくし、かつ対気速度が大きく(この条件
を以下「高マッハ数」の状態ということにする)、迎角
が小さい(揚力係数が零となる条件が客観的な評価に好
都合であるので、揚力係数が零となる条件を基準にす
る。この条件を以下「零揚力係数」ということにする)
という条件で、零揚力抵抗発散マッハ数Mddを大きくす
ることができる。
【0005】図11に、上記特願平3−131428の
翼型とNACAの翼型の最大揚力係数Clmaxと零揚力抵
抗発散マッハ数Mddを比較したグラフを示す。
【0006】図11のグラフは、縦軸にマッハ数0.4
における最大揚力係数Clmax、横軸に零揚力抵抗発散マ
ッハ数Mddを示し、座標面上に各翼型をプロットしたも
のである。回転翼航空機の回転翼羽根としては、揚力が
大きくかつ抵抗が小さい翼型、すなわち、最大揚力係数
Clmaxが大きくかつ零揚力抵抗発散マッハ数Mddが大き
い翼型が高性能の翼型ということができる。
【0007】図11のグラフに示すように、特願平3−
131428の翼型は翼型NACA0012、NACA
23012に比べ、最大揚力係数Clmaxまたは零揚力抵
抗発散マッハ数Mddが高く、高性能な翼型であるという
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転航
空機が着陸のため降下する時は、図12に模式的に示す
ように、先行する回転翼羽根の翼端渦に後続する回転翼
羽根が干渉・衝突することがある。
【0009】上記先行する回転翼羽根によって引き起さ
れる翼端渦は渦状の速度場を誘起し、後続回転翼羽根が
これと干渉・衝突する時に後続回転翼羽根が回転翼航空
機の前進方向側にあると、渦状速度場との相乗効果によ
って後続回転翼羽根が高マッハ数かつ高揚力係数の気流
状態に置かれる。図13に後続回転翼羽根が高マッハ数
かつ高揚力係数に置かれる様子を示す。
【0010】高マッハ数かつ高揚力係数状態では、衝撃
波の発生と成長を原因とする失速が生じ、回転翼羽根表
面の圧力が急激に変化して大きな騒音を発生する。この
ようにして発生する騒音は回転翼羽根/渦干渉騒音と呼
ばれ、回転翼航空機の降下中に地域住民に与える騒音の
大部分を占めている。
【0011】本願出願人が先に提案した特願平3−13
1428の翼型は高マッハ数かつ零揚力係数状態におい
て著しい抵抗の低減を達成するため、この状態での衝撃
波の発生と成長の抑制を実現しているが、高マッハ数か
つ高揚力状態における回転翼羽根/渦干渉騒音の低減に
ついてはなお改善の余地があった。
【0012】回転翼羽根/渦干渉騒音は回転翼羽根の翼
面の衝撃失速によるところが大きい。一般に、迎角を一
定にして一様流のマッハ数を増加させていくと、回転翼
羽根表面に衝撃波が発生し、さらに成長して局所マッハ
数ピークが高くなり、回転翼羽根の表面の流れが不安定
となる。そして局所マッハ数が所定の値を超えると衝撃
失速を生じる。図14に衝撃失速が生じるまでの様子を
示す。
【0013】翼型の衝撃失速に対する性能の評価として
衝撃失速境界がある。図15は縦軸に揚力係数Cl、横
軸に一様流のマッハ数をとり、衝撃失速境界を示したも
のである。
【0014】図15から明らかなように、回転翼羽根/
渦干渉騒音の低減のためには、衝撃失速を抑制するこ
と、すなわち局所マッハ数ピークを抑制することが要求
される。
【0015】特願平3−131428の翼型は、高マッ
ハ数かつ零揚力係数における局所マッハ数ピークの抑制
を効果的に行っている。しかし、高マッハ数かつ高揚力
係数状態(マッハ数:0.6〜0.8、揚力係数:1.
0〜0.6)における局所マッハ数ピークの抑制にはな
お改良の余地があった。
【0016】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、マッハ数0.6〜0.8、揚力係数1.0〜0.6
付近の局所マッハ数ピークを抑制し、衝撃失速を起こし
にくくすることにより、回転翼羽根/渦干渉騒音の低減
を実現し、かつ、高い翼型性能を有する回転翼航空機の
回転翼羽根を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による回転翼航空機の回転翼羽根は特願平3
−131428に示された翼型U896H−10を基本
として軽減アフト・キャンバーをつけ、最小限の縦揺モ
ーメント特性を有するようにドループを緩和するととも
に、後縁で著しい剥離を生じない程度にはね上げを設け
たものである。具体的には特許請求の範囲の請求項1な
いし3に記載する翼断面形状を有するものである。な
お、軽減アフト・キャンバーを図16に示す。
【0018】アフト・キャンバーの作用、すなわちアフ
ト・キャンバーを設けたことによる局所マッハ数の分布
の変化を図17に示す。
【0019】図17に示すように、アフト・キャンバー
の適用により、遷音速領域で翼型上面の超音速部分が翼
後縁にまで引き伸ばされ、その効果により翼型上面の局
所マッハ数ピークが下げられ、衝撃失速が抑制される。
【0020】本発明による翼型は、アフト・キャンバー
として図16に示すように、最大キャンバー位置を完全
にスーパー・クリティカル翼型のアフト・キャンバーの
それよりも前方である70%弦長の点に位置させ、25
%弦長と最大キャンバー位置間のモーメント・アームを
短くした軽減アフト・キャンバーを採用している。この
軽減アフト・キャンバーの採用は、上述した局所マッハ
数ピークの引き下げを可能にするとともに、縦揺モーメ
ントの増加を抑制することができる。
【0021】また、本発明による回転翼羽根において、
翼型U896H−10と比較して最大揚力係数と同時に
縦揺モーメントも増加させるドループ(翼型の前縁形状
における頭下げ形状)を緩和したこと、すなわち翼型の
前縁形状の頭下げ形状を少なくしたこと、及び翼型後縁
で下向きの空気力を発生して翼型に頭上げの縦揺モーメ
ントを付与する効果があるはね上げをつけたことによっ
て、縦揺モーメントの増加をさらに抑制することができ
る。
【0022】上記諸作用により、本発明は従来の翼型U
896H−10を基本として、その特長である高い零揚
力抵抗係数と最大揚力係数を同等に維持しつつ、衝撃失
速を起こりにくくする一方、縦揺モーメントも同等に維
持した回転翼航空機の回転翼羽根を提供することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
添付の図面を参照して説明する。本発明の目的は、回転
翼羽根/渦干渉騒音の低減のため、衝撃失速を起こりに
くくする点にあるが、回転翼航空機の翼型に要求される
基本性能である零揚力抵抗発散マッハ数、最大揚力係
数、縦揺れモーメントとの高レベルでのバランスにも配
慮している。最初にこれらの翼型性能について説明す
る。 [零揚力抵抗発散マッハ数と最大揚力係数]図9は飛行
中の回転翼航空機の回転翼羽根の先端部及び中央部に作
用する気流の迎角αとマッハ数Mの関係を示している。
図中矢印Pは回転翼航空機の進行方向を示しており、矢
印Rは回転翼羽根の回転方向を示している。迎角αとマ
ッハ数Mの関係を示すグラフでは、縦軸に迎角α、横軸
にマッハ数Mをとり、曲線Aは回転翼羽根の先端部a,
a′、曲線Bは回転翼羽根の中央部b,b′のそれぞれ
の気流に対する迎角αとマッハ数Mの関係を経時的に示
している。
【0024】曲線A,Bからもわかるように、回転翼羽
根に作用する迎角とマッハ数は、飛行中に回転翼羽根が
方向Rに回転することと、回転翼羽根の回転面が回転航
空機の飛行方向Pに傾斜していることにより、回転翼羽
根が回転翼航空機の進行方向Pに向かって移動している
ときは対気速度(マッハ数M)が大きく、迎角αが小さ
い。一方、回転翼羽根が回転航空機の進行方向Pと反対
の方向に向かって移動しているときは、対気速度(マッ
ハ数M)は小さく、迎角αは大きい。
【0025】上述したような気流条件中で作用するた
め、回転翼羽根の翼型の性能は、対気速度(マッハ数
M)が大きく迎角αが小さいときにおける抵抗と、対気
速度(マッハ数M)が小さく迎角αが大きいときにおけ
る揚力とにより第一義的に評価される。
【0026】高マッハ数かつ低迎角における抵抗の評価
は零揚力抵抗発散マッハ数Mddの高低を用いて行う。零
揚力抵抗発散マッハ数Mddは、一般に抵抗係数Cd がマ
ッハ数Mの増加とともに急激に増加する性質を有してい
ることにより、Cd とMの関係を示す曲線の傾きd(C
d )/d(M)が0.1となるマッハ数をいう。Mddが
高い翼型ほど高マッハ数かつ零揚力係数における抵抗が
小さい。
【0027】一方、低マッハ数かつ高迎角における揚力
の評価は、一般に最大揚力係数Clmaxによって評価す
る。 [縦揺モーメント]縦揺モーメントは翼の頭上げ・頭下
げモーメントであるが、回転翼航空機では前進飛行時に
回転翼羽根が前進側と後退側とでは流速が異なるため、
縦揺モーメントが大きいと周期的な大きな捩じり荷重が
回転翼羽根に加わる。この大きな捩じり荷重の変動は回
転翼羽根の振動を生じる。従って、回転翼羽根には、縦
揺モーメントが小さいことが要求される。
【0028】図1は、本願請求項1または2の実施形態
である翼型U958Q−10の断面形状を示している。
この翼型U958Q−10を座標系で表わせば、基礎翼
厚を10%弦長として下記の表1のようになる。
【0029】 表 1 上 面 下 面U /c(%) YU /c(%) XL /c(%) YL /c(%) 0.000 0.000 0.000 0.000 0.150 0.806 0.150 −0.525 0.500 1.424 0.500 −0.868 1.250 2.188 1.250 −1.292 2.500 2.981 2.500 −1.725 5.000 3.966 5.000 −2.298 6.000 4.288 6.000 −2.467 7.500 4.644 7.500 −2.678 10.000 5.066 10.000 −2.949 15.000 5.566 15.000 −3.303 20.000 5.791 20.000 −3.537 30.000 5.926 30.000 −3.970 40.000 5.908 40.000 −4.061 50.000 5.761 50.000 −3.731 60.000 5.270 60.000 −3.075 70.000 4.324 70.000 −2.229 80.000 2.922 80.000 −1.378 90.000 1.274 90.000 −0.625 95.000 0.406 95.000 −0.295 100.000 0.230 100.000 −0.230 図1において、cは翼弦長、XU ,XL は翼前縁からの
距離、YU ,YL は翼上面と翼下面の翼弦からの垂直距
離とする。なお、翼型U958Q−10の翼型中心線の
翼後縁のはね上げ角は、翼弦を水平面として約0.05
°である。
【0030】上記翼型U958Q−10と、特願平3−
131428の翼型U896H−10の中心線を比較し
たものを図2に示す。図2に示すように、本発明に係る
翼型U958Q−10は、約30%弦長の点から後方の
部分に余弦曲線を組み合わせた軽減アフト・キャンバー
を採用している。この軽減アフト・キャンバーにより、
翼型U958Q−10においては衝撃失速を抑制するこ
とができる。衝撃失速の抑制により騒音の発生を抑制す
ることができる。
【0031】また、翼型U958Q−10は、ドループ
を緩和していること、はね上げをつけていることによっ
て縦揺モーメントを更に抑制することができる。
【0032】図3に本実施形態の翼型U958Q−10
と、特願平3−131428の翼型U896H−10の
翼厚分布を比較したものを示す。図3から明らかなよう
に、本実施形態の翼型U958Q−10は後縁厚さを絞
り込んでいる。
【0033】図4に本実施形態による翼型U958Q−
10と特願平3−131428の翼型U896H−10
の衝撃失速境界を比較したものを示す。図4は、縦軸に
揚力係数C1、横軸に一様流のマッハ数Mをとり、翼型
U958Q−10と翼型U896H−10の衝撃失速を
生じる点をプロットしてつなげたものである。図から明
らかなように、本実施形態の翼型U958Q−10は、
従来の翼型U896H−10と比較してマッハ数0.6
〜0.8で衝撃失速境界の揚力係数C1が平均で+0.
1増加しており、増加が最も少ない所でも+0.05増
加している。
【0034】図5に本実施形態による翼型U958Q−
10と特願平3−131428の翼型U896H−10
の零揚力縦揺モーメント係数を比較したものを示す。図
5は、縦軸に25%弦長点における零揚力縦揺モーメン
ト係数Cm1/4 、横軸に一様流のマッハ数Mをとり、翼
型U958Q−10と翼型U896H−10の各マッハ
数における零揚力縦揺モーメント係数をプロットしたも
のである。図5から明らかなように、翼型U958Q−
10は翼型U896H−10と同程度に縦揺モーメント
を抑えている。
【0035】図6に本実施形態の翼型U958Q−10
と従来の翼型の最大揚力係数Clmax(マッハ数0.4)
及び零揚力抵抗発散マッハ数Mddによる翼型性能比較図
を示す。
【0036】図6は、縦軸にマッハ数0.4における最
大揚力係数Clmax、横軸に零揚力抵抗発散マッハMddを
とり、座標面上に本実施形態の翼型U958Q−10と
従来の翼型NACA0012、NACA23012、特
願平3−131428の翼型U896H−10、U89
6H−10UR、U896H−08、U896H−0
9、U896H−12のそれぞれの該当点をプロットし
たものである。
【0037】図6から明らかなように、本実施形態の翼
型U958Q−10は特願平3−131428の各翼型
に比べて零揚力抵抗発散マッハ数Mdd及び最大揚力係数
Clmaxがやや低いものの、新世代翼型の性能を有してい
る。
【0038】図7は本発明の第二の実施形態による翼型
U958Q−08の断面形状を示している。
【0039】図8は本発明の第三の実施形態による翼型
U958Q−12の断面形状を示している。
【0040】上記翼型U958Q−08と翼型U958
Q−12は、表1に示した第一実施形態の翼型U958
Q−10のYU 、YL の値にそれぞれ係数8/10と1
2/10を乗じた断面形状を有しているものである。こ
れらの翼型U958Q−08、U958Q−12は、翼
型性能において第一実施形態の翼型U958Q−10と
ほぼ共通している。
【0041】なお、上述した実施形態の翼型U958Q
−10,U958Q−08,U958Q−12は、翼の
後縁付近に微小なはね上げを付加することによって頭下
げモーメントを小さくなるようにしているが、本願発明
はこれに限られず、ある程度の頭下げモーメントを許容
できる場合は、翼の後縁付近を若干下げることにより、
一層大きい最大揚力係数を有する翼型を得ることができ
る。
【0042】また、翼型U958Q−08,U958Q
−12は翼型U958Q−10の翼面のY座標YU ,Y
L にそれぞれ係数8/10と12/10を乗じている
が、乗じる係数は上記値に限られず、5/10ないし1
5/10の任意の値を乗じることができる。
【0043】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よる回転翼羽根の翼型は、回転翼羽根の基本性能におい
て、新世代翼型と同等に高い零揚力の抵抗発散マッハ数
と最大揚力係数を有している。
【0044】また、本発明による回転翼羽根は、アフト
・キャンバーをつけることにより衝撃失速を起こりにく
くし、回転翼羽根/渦干渉騒音の低減を達成することが
できる。しかも、最大キャンバーを70%弦長に位置さ
せた軽減アフト・キャンバーとすることにより、頭下げ
縦揺モーメントの増加を抑制することができる。
【0045】また、翼後縁部にはね上げを設けた本発明
の回転翼羽根によれば、上記本発明の回転翼羽根の効果
を加えて翼後縁部のはね上げによりさらに頭下げの縦揺
れモーメントを抑制することができる。
【0046】さらに、本発明の翼型は回転翼羽根の長さ
方向にそって各位置に最適な性能の翼型にすることがで
きる。すなわち、回転翼羽根の回転面の各半径方向の位
置に応じて翼型の後縁付近に微小なはね上げ、下げ、あ
るいは翼弦から翼面までの距離に所定の係数を乗じて翼
厚を調整することにより、回転翼羽根回転面の半径方向
位置に最適な性能や特性を有する翼型群からなる回転翼
航空機の回転翼羽根を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による翼型の断面形状を
示した図。
【図2】本発明の第一実施形態による翼型と特願平3−
131428の翼型の中心線の翼弦からの垂直距離を比
較して示した図。
【図3】本発明の第一実施形態による翼型と特願平3−
131428の翼型の翼厚を比較して示した図。
【図4】本発明の第一実施形態による翼型の特願平3−
131428の翼型の衝撃失速境界を比較して示した
図。
【図5】本発明の第一実施形態による翼型と特願平3−
131428の翼型の零揚力縦揺モーメント係数を比較
して示した図。
【図6】本発明の第一実施形態による翼型と従来の翼型
の最大揚力係数と零揚力抵抗発散マッハ数を比較して示
した図。
【図7】本発明の第二実施形態による翼型の断面形状を
示した図。
【図8】本発明の第三実施形態による翼型の断面形状を
示した図。
【図9】前進飛行中の回転翼航空機の回転翼羽根の外翼
部及び内翼部に作用する気流の迎角とマッハ数の関係を
示した図。
【図10】特願平3−131428による翼型の断面形
状を示した図。
【図11】特願平3−131428による翼型の最大揚
力係数と零揚力抵抗発散マッハ数を示した図。
【図12】回転翼航空機の降下時の先行回転翼羽根の翼
端渦と後続回転翼羽根とが干渉する様子を示した図。
【図13】先行回転翼羽根の翼端渦と干渉する後続回転
翼羽根の周りの気流の様子と干渉によって高マッハ数高
揚力係数となることを示した図。
【図14】一様流の流速の増加によって局所マッハ数ピ
ークが高くなった結果翼上面で衝撃失速が生じる様子を
示した図。
【図15】衝撃失速境界の揚力係数とマッハ数の関係を
示した図。
【図16】通常の翼型と完全なスーパークリティカル翼
型と軽減アフト・キャンバーを設けた翼型のキャンバー
を比較して示した図。
【図17】揚力係数が同一の通常の翼型とアフト・キャ
ンバーを設けた翼型の局所マッハ数を比較して示した
図。
【符号の説明】
c 翼弦長 Clmax 最大揚力係数 Cm1/4 零揚力縦揺モーメント M マッハ数 Mdd 零揚力抵抗発散マッハ数 XU 翼の前縁からの距離(上面) XL 翼の前縁からの距離(下面) YU 翼上面の翼弦からの垂直距離(上面) YL 翼下面の翼弦からの垂直距離(上面) Y 中心線(翼弦からの垂直距離) t 翼厚(翼弦に対する垂直方向の厚さ) U958Q−10 本発明の第一実施形態による翼型 U958Q−08 本発明の第二実施形態による翼型 U958Q−12 本発明の第三実施形態による翼型

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転翼航空機の回転翼羽根において、基礎
    翼厚を10%弦長とし、翼前縁から約90%弦長までの
    部分を下記の表に規定された断面形状としたことを特徴
    とする回転翼航空機の回転翼羽根。 上 面 下 面U /c(%) YU /c(%) XL /c(%) YL /c(%) 0.000 0.000 0.000 0.000 0.150 0.806 0.150 −0.525 0.500 1.424 0.500 −0.868 1.250 2.188 1.250 −1.292 2.500 2.981 2.500 −1.725 5.000 3.966 5.000 −2.298 6.000 4.288 6.000 −2.467 7.500 4.644 7.500 −2.678 10.000 5.066 10.000 −2.949 15.000 5.566 15.000 −3.303 20.000 5.791 20.000 −3.537 30.000 5.926 30.000 −3.970 40.000 5.908 40.000 −4.061 50.000 5.761 50.000 −3.731 60.000 5.270 60.000 −3.075 70.000 4.324 70.000 −2.229 80.000 2.922 80.000 −1.378 90.000 1.274 90.000 −0.625 c :翼弦長 XU :翼の前縁からの距離(上面) XL :翼の前縁からの距離(下面) YU :翼弦から翼上面までの垂直距離 YL :翼弦から翼下面までの垂直距離
  2. 【請求項2】翼前縁から約95%弦長の点から100%
    弦長の点までの部分に、翼型中心線の接線が翼弦に対し
    て−3°ないし+6°の傾斜角を有するはね上げ部を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の回転翼航空機の
    回転翼羽根。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の翼前縁か
    ら各距離の点における翼弦から翼上面および翼下面まで
    の垂直距離にそれぞれ所定の係数を乗じた断面形状を有
    することを特徴とする回転翼航空機の回転翼羽根。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110765669A (zh) * 2019-12-04 2020-02-07 北京电子工程总体研究所 一种轴对称无翼无舵导弹主动段零升阻力系数辨识方法

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