JPH1190134A - オイル処理用濾過材及びオイル処理用フィルター - Google Patents

オイル処理用濾過材及びオイル処理用フィルター

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JPH1190134A
JPH1190134A JP9276620A JP27662097A JPH1190134A JP H1190134 A JPH1190134 A JP H1190134A JP 9276620 A JP9276620 A JP 9276620A JP 27662097 A JP27662097 A JP 27662097A JP H1190134 A JPH1190134 A JP H1190134A
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JP
Japan
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filter
oil
nonwoven fabric
oil treatment
air permeability
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JP9276620A
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English (en)
Inventor
Yasuo Namita
靖夫 波田
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Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車用オイル処理用フィルター等においてオ
イルの流通抵抗が少なく、高速濾過ができ、濾過効率、
濾過ライフがよいオイル処理用フィルターを提供するこ
と。 【構成】不織布及び濾紙の少なくとも一方を用いた積層
材を有し、JIS P8131に準じた試験における直
径10mmの円筒試験片を300ccの空気が透過する
時間を秒で表示した透気度が1.3より大きくないオイ
ル処理用濾過材。これを用いたオイル処理用フィルタ
ー。 【効果】上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の潤
滑油のオイル処理用濾過材及びこれを用いたオイル処理
用フィルタ−に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車分野、機械製造分野、機械加工分
野、工作機分野、船舶分野等においては、潤滑油等のオ
イルが使用されており、オイルを濾過するオイル処理用
フィルターが用いられている。例えば、自動車ではエン
ジンのシリンダーとピストンヘッドの摩擦を軽減するた
めの潤滑剤としてオイルを循環して使用することが行わ
れているが、エンジンの動作に伴って発生する熱により
オイルは加熱され、これが長時間継続されると、オイル
は劣化し、その著しいものは炭化してカーボン微粒子を
生じ、このカーボン微粒子は潤滑作用を減殺するので、
これを濾過するオイル処理用フィルターが用いられる。
また、オイルの劣化の原因としては、固体微粒子の混入
があったり、オイル循環経路中において、酸性物質の混
入や生成があり、また、金属、金属塩の混入等があり、
オイルを循環させてその潤滑作用を正常に保持させるた
めには、これらの混入物や生成物を除去する必要があ
る。このような自動車用オイル処理用フィルターとして
は、金属製のケースに濾過材を内装して一体構造とし、
その全体を交換できるようした、いわゆるカートリッジ
フィルターが用いられている。自動車用オイル処理用フ
ィルターに用いられる濾過材としては、セルロース繊維
から抄造した濾紙や、セルロースと合成繊維の混抄によ
る濾紙を用い、主としてこれら濾紙の孔径を細かくする
ことにより、あるいは濾紙の厚みを増すことによりオイ
ル中に存在するカーボン微粒子及びその他の微粒子を捕
捉することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 この
ように濾紙の孔径を細かくしたり、その厚みを増すと、
当然のことではあるが、これらの濾紙からなる濾過材は
オイルを通過し難くする一因になる。すなわち、エンジ
ンの回転数に応じて油用ポンプはそれに応じたオイルを
供給しているが、オイル処理用フィルターの濾過材部分
ではオイル量に応じた油圧に対するオイルの流通抵抗を
生じる。その結果、例えば自動車を運転するときに急発
進、急加速、高速走行等を行うに当たってエンジンの回
転数を高める場合には、それに応じてオイルもエンジン
のシリンダーとピストンとの間にスムーズに供給される
必要があるが、その供給がオイル処理用フィルターの濾
過速度が間に合わないことにより不十分になるときがあ
り、特に高速運転を長時間続けるような場合にはエンジ
ンのスムーズな動作が妨げられることがある。
【0004】本発明の第1の目的は、油圧によるオイル
の流通抵抗を低減させ高速濾過を行えるオイル処理用フ
ィルターを提供することにある。本発明の第2の目的
は、オイル劣化の原因である固体粒子の除去、カーボン
日粒子等の酸性物質の除去、金属や金属イオンの除去を
効率良く行えるオイル処理用濾過材及びオイル処理用フ
ィルターを提供することにある。本発明の第3の目的
は、塩基性物質を表面に均一に分布させたオイル処理用
濾過材及びオイル処理用フィルターを提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、濾過ライフの長いオイル処
理用濾過材及びオイル処理用フィルターを提供すること
にある。本発明の第5の目的は、フィルターの用途に応
じ塩基性物質あるいは濾過材を適宜代え易いオイル処理
用濾過材及びオイル処理用フィルターを提供することに
ある。本発明の第6の目的は、自動車用潤滑油等の高温
に加熱されカーボン微粒子等を生じるオイルの処理にお
いてその除去効率を高めることができ、かつ高速濾過を
行なえ、しかも濾過ライフの長い自動車用オイルフィル
ター等に用いられるオイル処理用濾過材及びオイル処理
用フィルターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、オイルを濾過する処理を行うの
に用いる濾過材において、該濾過材は不織布及び濾紙の
少なくとも一方を用いた積層材を有するオイル処理用濾
過材を提供するものである。また、本発明は、(2)、
オイルを濾過する処理を行うのに用いる濾過材におい
て、該濾過材は不織布及び濾紙の少なくとも一方を用い
た積層材を有し、JIS P8131に準じた試験にお
ける直径10mmの円形試験片を300ccの空気が透
過する時間を秒で表示した透気度が1.3より大きくな
いオイル処理用濾過材、(3)、オイルを濾過する処理
を行うのに用いる濾過材において、該過材はそれぞれJ
IS P8131に準じた試験における直径10mmの
円形試験片を300ccの空気が透過する時間を秒で表
示した透気度が0.8より大きくない不織布及び濾紙の
少なくとも一方を用いた積層材を有し、かつ該濾過材は
上記透気度が1.3より大きくないオイル処理用濾過
材、(4)、積層材を構成する不織布及び濾紙の少なく
とも一方の少なくとも1層は塩基性物質を含有する上記
(2)又は(3)のオイル処理用濾過材、(5)、塩基
性物質を含有する層は該塩基性物質の溶液の塗布膜とし
て濾過材の表面層に形成されている上記(4)のオイル
処理用濾過材、(6)、オイルはカーボン微粒子を含有
し、塩基性物質は塩基性高分子化合物及びケイ酸塩の少
なくとも1種である上記(2)ないし(5)のいずれか
のオイル処理用濾過材、(7)、上記(1)ないし
(6)のいずれかのオイル処理用濾過材を用いたオイル
処理用フィルタ−を提供するものである。
【0006】次に本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて濾過材としては、不織布及び濾紙の少なくとも一方
を用いた積層材を有し、これらの濾紙、不織布の材料と
しては耐熱性、耐油性を備えておれば特に制限はない
が、天然繊維、合成繊維のいずれか一方あるいは両方を
用いることができる。例えば繊維としてセルロース繊維
や合成繊維を単独に用いて抄造した濾紙及び両者を混抄
した濾紙等の少なくとも1種を用いることができる。こ
れら濾過材には例えば樹脂等を抄紙や不織布を形成する
段階で添加したり、あるいは抄紙後や不織布を形成した
後にその溶液の塗布により加え、あるいはこれらの両方
を行って紙力や布力等を向上させたものでも良い。樹脂
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリアクリルアミド系の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。また、いずれの場合も他の添加剤を併用してもよ
い。積層材は細孔の平均孔径の大きい不織布、濾紙で同
じものあるいはその平均孔径の異なるものを用いて、そ
の積層していくにつれてその細孔の空隙を小さくしてい
くことができ、これによりその空隙の大きい側の細孔で
大きな粒子を捕捉することができ、その空隙の大きい側
の細孔の平均孔径も大きいものを選択することができる
ことから、粒子を除去する濾過効率、濾過性能を維持す
る濾過ライフを長く維持することができ、濾過材をその
目的に使用することかできる。オイルの流通抵抗を小さ
くして高速濾過を行わせるためにには、濾過材として
は、JIS P8131に準じた試験における直径10
mmの円形試験片を300ccの空気が透過する時間を
秒で表示した透気度(以下、単に透気度という)が1.
3より大きくない(1.3以下)ことが好ましい。1.
3より大きいと油圧によるオイルの流通抵抗を減らす効
果が少なく、高速濾過をできなくなり易い。その透気度
が低過ぎる場合には濾過能力が低下するので、その下限
は0.8が好ましい。この際、不織布、濾紙のそれぞれ
の透気度は0.8より大きくないことが好ましく、その
下限は0.2が好ましい。0.8より大きいと積層材の
透気度が大きくなり過ぎることがあり、上述のように高
速濾過できなくなり易く、その下限を下回ると濾過能力
が低下し易くなる。透気度が小さいことは平均孔径が大
きいことを意味し、油圧によるオイルの流通抵抗を減ら
すことができる。濾過材の形状としては、板状あるいは
プリーツ形状等その形状は特に限定はされないが、その
構造は不織布及び濾紙の少なくとも一方を用いた積層材
を有する構造であり、その積層数は2層のみならずその
他の複数層でもよいが、その少なくとも1層の不織布又
は濾紙は塩基性物質で処理されることが好ましく、ま
た、濾過材表面には塩基性物質の塗布膜が形成されるこ
とがより好ましい。不織布及び濾紙の少なくとも一方を
用いた積層材のみからなる場合には、その濾過材の表側
の塩基性物質を塗布される側は目の粗い(細孔の平均孔
径の大きい)ものにし、その裏側は目の細かい(細孔の
平均孔径の小さい)ものにすることが、大きな粒子をそ
の目の粗い方で濾過し、その目の細かい方の目詰まりを
起こしにくくする点で好ましく、その表側のものを不織
布とし、裏側のものも不織布とすることが好ましいが、
裏側のものは濾紙にしてもよい。目の粗い濾紙を表側に
し、目の細かい不織布を裏側にしてもよい。このことか
ら、「オイルを濾過する処理を行うのに用いる濾過材に
おいて、該濾過材表面に塩基性物質の溶液の塗布膜を有
し、かつ該塗布膜が形成される濾過材は目の大きさの異
なる不織布及び濾紙の少なくとも一方を用いた積層材を
有し透気度が1.3より大きくなく、目の粗い側の不織
布又は濾紙に該塗布膜を形成するオイル処理用濾過
材。」の発明を構成してもよい。不織布及び濾紙の少な
くとも一方を積層するには、単に物理的に重ねてもよい
が、少量の接着剤で部分的あるいは全面を接着してもよ
い。接着方法としては、接着剤による方法、熱融着によ
る方法等特に制限はない。
【0007】塩基性物質としては、特にカーボン微粒子
に対する吸着性の良い塩基性化合物が好ましい。塩基性
物質は、表面が酸性側にあると考えられるカーボン微粒
子の吸着性を良くすることができるが、カーボン微粒子
に限らず、カーボン粒子その他酸性物質は同様に塩基性
物質に吸着される。なお、カーボン(微)粒子とは、炭
素のみの場合もあるが、オイルの炭化の程度が完全でな
い粒子の場合でも良い。これらのことから、「オイルを
濾過し該オイル中の酸性粒子分散物を除去する処理を行
う濾過材において、該濾過材表面に該酸性粒子分散物の
吸着性を有する塩基性物質の溶液の塗布膜を有し、かつ
その塗布膜が形成される濾過材は不織布及び濾紙の少な
くとも一方を用いた積層材を有し透気度が1.3より大
きくない(又は有し、該積層材表面に該塗布膜を形成し
透気度が1.3より大きくない)オイル処理用濾過
材。」の発明を構成し、また、これに上記の目の粗さに
関する構成を有する発明を組み合わせてもよく、さらに
「酸性粒子分散物」を「酸性固形粒子分散物」としても
良い。また、「塩基性物質」を「カーボン(微)粒子の
吸着性を有する塩基性物質」としても良い。
【0008】塩基性物質としては、例えばポリエチレン
イミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリ
ビニルピロリドン等の塩基性高分子化合物、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩が挙げられ、これ
らは単独又は複数混合して用いられる。これらの塩基性
物質は、塩基性高分子化合物の場合には、水及び有機溶
剤の少なくとも1種の溶液、すなわち水溶液、有機溶剤
溶液、両者の混合溶液を調製し、また、ケイ酸塩の場合
には、液状ケイ酸塩を用意し、あるいはケイ酸塩水溶液
を調製し、また、両者の塩基性物質を併用する場合はこ
れらの任意の液を混合し、それぞれの液をロールコーテ
ィング、刷毛塗り、含浸塗布、スプレーコーティング等
により、例えば不織布か濾紙又は両方に塗布し、その塗
布膜を形成した不織布か濾紙とその塗布膜を形成してい
ない不織布か濾紙を積層するか、あるいはその塗布膜を
形成した不織布及び濾紙の少なくとも一方を積層しても
よく、さらにはこれらの組み合わせのいずれでもよく、
結果的には少なくとも1層の不織布又は濾紙に塩基性物
質を含有させる処理を行ない、上記濾過材の表裏面のい
ずれか一方又は両方に同種若しくは種類を変えて塗布膜
を形成することが好ましい。塗布後は乾燥することが好
ましい。なお、濾過材の表面に塗布されれば、その内部
深くに浸透してもよく、その浸透が表層に止まってもよ
い。これらの塩基性物質の塗布量は濾過材に対して3〜
30重量%が好ましく、これより少ないとカーボン微粒
子等の吸着能が十分ではなく、これより多いとオイルの
透過性低下につながり易い。
【0009】このように、塩基性物質の溶液を不織布、
濾紙に塗布すると、塩基性物質は分子レベルで溶解して
おり、その濃度を適宜変えることができ、しかもその塗
布膜は不織布、濾紙に均一膜厚で形成させることができ
るので、塩基性物質を不織布、濾紙や濾過材表面に均一
に分布させその厚さも容易に変えることができ、薄膜に
することもできる。これは、従来の抄造による方法のよ
うに、パルプスラリー中にカーボン微粒子を吸着させる
ために分散させる例えば針状ケイ酸アルミニウム、針状
チタン酸カリウム、針状炭酸カルシウムは粉末粒子とし
て使用され、粉末粒子は多数の分子の凝集物であり、し
かもその粉末粒子とパルプとの混合は機械的操作により
行うからその混合度合もその操作しだいで変わり、した
がってその混合物を網で抄き上げた抄造紙における針状
ケイ酸アルミニウムの分布も均一にすることは容易では
ないのとは顕著な相違である。しかし、本発明ではこの
抄造による方法のものを用いてもよく、塩基性物質を含
まない同様の構成のものよりはよい。なお、上記針状ケ
イ酸アルミニウム等の塩基性化合物は塗布用にも用いら
れ、上記のポリエチレンイミン等は上記抄造による方法
に用いられ、これらは単独又は複数用いてもよい。ま
た、このように塩基性物質の溶液を濾過材に塗布する
と、濾過材は適宜代えることができ、塩基性物質の種類
を変えたその溶液も容易に適宜な量得られ易いので、抄
造の際塩基性物質を添加する場合には一旦抄造を開始す
るとパルプの種類や塩基性物質の種類を変えることが容
易ではないのとは異なり、オイル処理用濾過材の用途に
応じて臨機に対応する、いわゆる小回りがきくので便利
である。
【0010】エンジンの回転数が高い場合にはオイルの
循環速度を高める必要があるので、オイル処理用フィル
ターに用いる濾過材は、そのオイルの流通抵抗を小さく
する必要があるが、その場合には、濾過材は上述したよ
うに透気度が1.3より大きくない、空隙率の高い、い
わゆる目の粗いものを用いるが、この場合でも細孔の周
壁に上記の塩基性物質の塗布膜を形成しておくと、その
塗布膜を生成しない場合に比べ、酸性物質等の除去をよ
く行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下の実施
例により説明する。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 ポリエステル不織布(厚み0.1mm、透気度(後述の
試験方法で測定、以下、〔実施例〕の項は同じ))0.
2未満(0.2秒/300ml未満))を10枚重ね合
わせた積層材(透気度1.2)を作製し、これを図1に
示すようにカートリッジに組み立てる。すなわち、図1
に示すように、有底円筒状のケース部材1に図2に示す
通水性を有する中央円筒体2aの周側にプリーツ構造の
上記オイル処理用濾過材2bを備えた濾過体2をその下
端に板バネ3を介して配置し、濾過体2の中央円筒体2
aの上端を延長して設けた突出部端面に、ゴム等の可撓
性材からなり上記ケース部材1の上端の開口をほぼ覆う
皿状の弁体4aを有する弁用管体4の端面の凹条溝を当
接する。その弁用管体4の上端面拡開部内面に、板厚の
大きい板材であって、中央に濾過体2の中央円筒体2a
に連通する例えばねじ孔5a、その一側に例えばねじ孔
5bを形成した天井板部材5を当接し、この天井板部材
5をケース部材1の上端に巻き締め、これにより板バネ
3の弾性力により濾過体2を弁用管体4を介して天井板
部材5に押圧して支持し、固定する。このようにして金
属製ケース6に濾過体2を内装したカートリッジオイル
フィルター7が得られる。その使用法は、例えば図示省
略した導入管をねじ孔5b、導出管をねじ孔5aにねじ
込み、被処理用流体を流通させると、その流体はカート
リッジオイルフィルター7に流入され、ここで濾過され
て導出管から排出され処理された流体が得られるが、カ
ートリッジオイルフィルター7では、流入した被処理用
流体は弁体4aをその流体圧で変形させてその端部とケ
ース部材1の内面との間に隙間を形成し、そこから流入
し、オイル処理用濾過材2bを通って中央円筒体2aを
上昇し、弁用管体4を介して導出管に排出される。この
際、流体が逆流しようとしても弁体4aは原形に復する
のでその逆止弁となる。ここで、ケース部材1の高さ7
5mm、外径65mm、図2に示すプリーツの外径59
mmのオイル処理用濾過材(濾過面積約750cm2 )
2bを用いた自動車用カートリッジオイルフィルターを
作製した。作製した自動車用カートリッジオイルフィル
ターを用いた濾過効率試験、濾過ライフ試験を後述する
方法によって行った結果を表1に示す。
【0013】実施例2 実施例1において、ポリエステル不織布10枚中3枚を
3%ポリエチレンイミン溶液に含浸させ、乾燥させた
(不織布に対するポリエチレンイミンの塗布量は5.1
重量%)。この塩基性物質塗布処理をした不織布の1枚
を表側にし、他の2枚をその処理をしない不織布7枚と
任意の順序で重ね合わせて積層した積層材(透気度1.
3)を作製し、これを用いる以外は実施例1と同様にし
て自動車用カートリッジオイルフィルターを作製した。
これについても実施例1と同様に測定した結果を表1に
示す。本実施例のように、塩基性高分子化合物を用いる
と不織布に対する接着性が良く、その離脱を起こし難く
し、また、有機溶剤を使用できるので塗布液の乾燥性を
高め、生産性を高めることができる。
【0014】比較例1 実施例1において、不織布の積層材からなる濾過材の代
わりに、同実施例で用いたと同じ材料の厚さ1.0m
m、透気度1.3の不織布をオイル処理用濾過材に用い
たこと以外は同様にして自動車用カートリッジオイルフ
ィルターを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表
1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】上記実施例、比較例における試験の試験方
法は以下の通りである。 (1)透気度試験 JIS P8131「紙及び板紙の透気度試験方法」に
準じて行った。その測定値は直径10mmの円形試験片
を300ccの空気が透過する時間で表示する。
【0017】(2)カートリッジオイルフィルターを用
いた濾過ライフ試験 JIS D1611「自動車用濾過器試験方法」によ
る。すなわち、図3に示すように、オイルタンク10に
収容したオイルにコンタミナント11を混入し、これを
ポンプ12によりカートリッジオイルフィルター13に
通し、その両側に圧力計14、15を設けてその圧を測
定できるようにし、さらに流量計16を設けてその流量
を測定できるようにしたオイル循環回路を構成する。な
お、17、18はバルブである。この循環回路を次の条
件で作動させる。 使用する試験用オイル:後述のSAE♯30 オイルの流通速度:10リットル/分 オイル温度:80℃ コンタミナント:SOFT C−2A コンタミナント(後述)添加量:0.6g(固形分)/
時間 上記の規定量のコンタミナントを連続投入し、上記の自
動車用カートリッジオイルフィルター13(実施例、比
較例の各々)の前後の差圧が1.0Kg/cm2 に達す
るまで行う。1.0Kg/cm2 に達するまでの時間を
濾過ライフの値とする。これが大きいほどオイル処理用
濾紙のサンプルの細孔は塞がれず、いわゆる目詰まりし
難いことを示す。
【0018】(3)カートリッジオイルフィルターを用
いた濾過効率試験 JIS D1611「自動車用濾過器試験方法」によ
る。すなわち、図3のカートリッジオイルフィルター1
3の前後の圧力計14、15による差圧が1.0Kg/
cm2 に達したとき、カートリッジオイルフィルター1
3(実施例、比較例の各々)が捉えたコンタミナント量
を測定する。濾過効率は次の式により算出する。 濾過効率(%)=(投入コンタミナント量−オイルタン
ク11内残留コンタミナント)/投入コンタミナント量
【0019】上記試験に使用したオイル、コンタミナン
トは次のとおりである。 (試験用オイル)JIS D1611に記載されている
品と同様のもので、JIS K2216の1種3号の潤
滑油でSAE♯30(商品名) (試験用コンタミナント)SOFT C−2A(米国P
TI社製、輸入元理工貿易(株))を使用。その内容
は、次に示す組成で良く混合したものとし、重量百分率
(%)で表す。 カーボンブラック(平均粒径80μ) 16% 酸化第二鉄(粒径5μ以下を95%含んだもの) 2% 石油系アスファルト樹脂粉末 4% 使用油 78% なお、石油系アスファルト樹脂粉末は、JIS Z88
01による篩を使用し、590μ篩上0%、177μ篩
上10%、74μ篩上0%の粒径分布を示すものであ
る。
【0020】以上の結果、実施例1、2のオイル処理用
濾過材は比較例1のオイル処理用濾過材に比べ、透気度
は実施例1では若干低く、実施例2では同じであるの
に、比較例1に対しては濾過効率が14〜17%(約3
3〜40%)向上し、濾過ライフは9〜11(約41〜
50%)時間長くなっている。実施例1のオイル処理用
濾過材が比較例1のものに比べ、透気度の相違が少ない
にもかかわらず濾過ライフが長く、濾過効率が高いの
は、不織布単層の透気度が大きく、したがって細孔の平
均孔径が大きく、いわゆる目が粗いので、比較的大きな
粒子ほど表面側で捕捉され、裏面側にいくほどその単層
同志の重なりにより細孔の空隙が小さくなり(細孔の空
隙は積層するにつれて小さくなる)、粒子の捕捉効率が
向上し、その目詰まりも少なくなるのに対し、ほぼ同じ
透気度でもその細孔が濾過材の厚さ方向で変わらない場
合には、その濾過能力の点からその細孔の大きさをそれ
ほど大きくできないため、大きい粒子により目が詰まり
易く、濾過効率も劣るものと考えられる。また、実施例
2の濾過効率がさらに良いのは塩基性物質のためと考え
られる。このように実施例では、オイル劣化の原因であ
る固体粒子の除去、カーボン微粒子等の酸性物質の除
去、金属や金属イオンの除去を効率良く行うことがで
き、塩基性物質を併用すればその効率をさらに高めるこ
とができる。
【0021】これらのことから、上記の発明のほかに、
「オイルを濾過する処理を行うのに用いる濾過材におい
て、該濾過材は不織布及び濾紙の少なくとも一方を用い
た積層材を有し、(又は該濾過材表面に塩基性物質の溶
液の塗布膜を有し、かつその塗布膜が形成される濾過材
は不織布及び濾紙の少なくとも一方を用いた積層材を有
し、)透気度を維持し、濾過効率(少なくとも30%
(又は少なくとも40%))及び濾過ライフを向上(少
なくとも40%延長)するオイル処理用濾過材及びこれ
を用いたオイル処理用フィルター。」の発明を構成する
ことができる。ここで、「積層材」を「積層するにつれ
て細孔の空隙を小さくし厚さ方向に細孔の空隙の大きい
方から小さい方に配置した」としてもよい。なお、上記
いずれの発明においても、「オイル処理用濾過材」、
「オイル処理用フィルター」をそれぞれ「オイル処理用
濾過材の製造方法」、「オイル処理用フィルターの製造
方法」とし、それぞれの限定構成を準用してもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、濾過材は、不織布及び
濾紙の少なくとも一方を用いた積層材を有し、かつその
透気度が1.3より大きくないようにしたので、油圧に
よるオイルの流通抵抗を低減させ高速濾過を行えるとと
もに、オイル劣化の原因である固体粒子の除去、カーボ
ン微粒子等の酸性物質の除去、金属や金属イオンの除去
を効率良く行うことができ、これは不織布又は濾紙の透
気度を0.8より大きくないようにすることによりさら
に改善できる。この際、塩基性物質を濾過材の少なくと
も1層に含有させることよりその除去効率をさらに高め
ることができ、その濾過材表面に塩基性物質を均一に分
布させる処理を行えば、オイルの透過量を損なわず、さ
らにその除去効率を高めることができる。このようにし
て、フィルターの用途に応じ塩基性物質あるいは濾過材
を適宜代え易く、特に、自動車用潤滑油等の高温に加熱
されカーボン微粒子等を生じるオイルの処理においてそ
の除去効率が高く、かつ高速濾過を行え、しかも濾過ラ
イフの長い自動車用オイルフィルター等に用いられるオ
イル処理用濾過材及びオイル処理用フィルターを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイル処理用フィルターの一実施例と
しての自動車用カートリッジオイルフィルターの断面図
である。
【図2】その濾過材の平面図である。
【図3】カートリッジオイルフィルターを用いた濾過ラ
イフ試験、濾過効率試験を行うオイル循環回路図であ
る。
【符合の説明】
2b オイル処理用濾過材 7 カートリッジオイルフィルター

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルを濾過する処理を行うのに用いる
    濾過材において、該濾過材は不織布及び濾紙の少なくと
    も一方を用いた積層材を有するオイル処理用濾過材。
  2. 【請求項2】 オイルを濾過する処理を行うのに用いる
    濾過材において、該濾過材は不織布及び濾紙の少なくと
    も一方を用いた積層材を有し、JIS P8131に準
    じた試験における直径10mmの円形試験片を300c
    cの空気が透過する時間を秒で表示した透気度が1.3
    より大きくないオイル処理用濾過材。
  3. 【請求項3】 オイルを濾過する処理を行うのに用いる
    濾過材において、該過材はそれぞれJIS P8131
    に準じた試験における直径10mmの円形試験片を30
    0ccの空気が透過する時間を秒で表示した透気度が
    0.8より大きくない不織布及び濾紙の少なくとも一方
    を用いた積層材を有し、かつ該濾過材は上記透気度が
    1.3より大きくないオイル処理用濾過材。
  4. 【請求項4】 積層材を構成する不織布及び濾紙の少な
    くとも一方の少なくとも1層は塩基性物質を含有する請
    求項2又は3記載のオイル処理用濾過材。
  5. 【請求項5】 塩基性物質を含有する層は該塩基性物質
    の溶液の塗布膜として濾過材の表面層に形成されている
    請求項4記載のオイル処理用濾過材。
  6. 【請求項6】 オイルはカーボン微粒子を含有し、塩基
    性物質は塩基性高分子化合物及びケイ酸塩の少なくとも
    1種である請求項2ないし5のいずれかに記載のオイル
    処理用濾過材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のオ
    イル処理用濾過材を用いたオイル処理用フィルタ−。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113135A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Daifuku Paper Mfg Co Ltd 液体濾過用フィルタ用紙及び液体濾過用フィルタ用紙の製造方法
JP2016179423A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 株式会社アトックス 有害物質除去フィルタ、フィルタカートリッジ、及びそれを用いた吸着塔

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