JPH1188694A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1188694A
JPH1188694A JP9256260A JP25626097A JPH1188694A JP H1188694 A JPH1188694 A JP H1188694A JP 9256260 A JP9256260 A JP 9256260A JP 25626097 A JP25626097 A JP 25626097A JP H1188694 A JPH1188694 A JP H1188694A
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gradation
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JP9256260A
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English (en)
Inventor
Takashi Numakura
孝 沼倉
Iwao Numakura
巌 沼倉
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Yamatoya and Co Ltd
Original Assignee
Yamatoya and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高画質はもとより所望の画質の複製画像を合
理的に製作することができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像情報検出部と階調調整部を有する原
稿画像から複製画像を形成するための画像形成装置にお
いて、記録媒体の特性曲線を利用して原稿画像を記録す
るために前記記録媒体に入力される光量に相関した画像
情報値(Xn )を得るように構成するとともに、画像形
成装置の階調調整部を、原稿画像を記録するために前記
記録媒体に入力する光量に相関した画像情報値(Xn
を、階調調整のための階調強度値(y値)に変換するよ
うに構成すること、を特徴とする、原稿画像から階調の
再現性に優れた複製画像を形成するための画像形成装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿画像から得ら
れる画像情報信号を、新規な階調変換方式により変換処
理し、階調の再現性に優れた複製画像を形成することが
できる画像形成装置に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、各種の原稿画像(本
発明において、原稿画像の意味は最広義に解釈されるべ
きであり、記録紙、CRT、液晶などの各種の画像表現
媒体により複製しようとする全てのものが対象となる。
従って、複写、コピー等において通常使用されている原
稿という概念より広く、静物や人物などの被写体、被撮
影体も対象となることに留意しなければならない。)か
ら複製画像を製作するに際して、原稿画像から真の画像
情報値を入手するようにし、これを特定の階調変換式を
用いた階調調整機構のもとで変換処理し、階調変換され
た出力信号に基づいて記録紙等の画像表現媒体上に階調
や色調の再現性に優れた複製画像を形成することができ
る画像形成装置(本発明において、画像形成装置の意味
は最広義に解釈されるべきであり、複写機器、プリンタ
ー機器、製版用機器、画像伝送機器、TV用撮影機器、
電子カメラ機器など複製画像を製作しうる機能を有する
ものが全て対象となる。)に関するものである。
【0003】更に詳しくは、本発明は、原稿画像から複
製画像を製作するに際し、画像形成装置の画像情報検出
部(これは、周知のようにフォトマル、CCDあるいは
二次元CCD、フォトダイオードなどの光電変換素子で
構成されるものである。)において複製画像を製作する
ための画像情報値を入手するが、従来のように前記検出
部において、濃度に相関した画像情報値(後述するよう
に、この用語は最広義に解釈されるべきであり、単に濃
度情報値ということもある。)を入手するのでなく、原
稿画像から前記検出部に入力される光量に相関した画像
情報値、別言すれば前記検出部の光電変換素子の特性に
影響されない光量に相関した画像情報を入手するように
し、更に原稿画像を記録している記録媒体の特性に影響
されない光量に相関した画像情報を入手するようにし、
次いで前記光量に相関した画像情報値を特定の階調変換
式のもとで階調変換する、という機構を内蔵した全く新
規な画像形成装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】カラー原稿画像をベースとしてデジタル
的に画像を複製や複写する各種のプリンター、複写機器
などにおいては、アナログ的な処理により画像を形成す
る方式でないため、濃度階調(グラデーション)の再現
性が難しく、特にカラー原稿画像の複製の場合には前記
した濃度階調とともに色調(カラーバランス)の再現性
も容易ではない。このため、各種の画像形成装置におい
て、階調や色調の再現性を改良する努力が盛んに行なわ
れている。
【0005】画像形成装置における複製画像の形成は、
印刷分野における写真製版の連続階調から網点階調に変
換する方式と同様に、写真等の連続階調を有する原稿画
像を光電走査などして得られる濃度情報値を処理し、そ
の信号により原稿に対応した階調や色調をもつ画素の分
布から成る画像を画像の表現媒体上に形成しようとする
ものである。しかしながら、現在の画像形成装置は、原
稿画像から得られる濃度情報値を濃度階調(グラデーシ
ョン)の再現のために連続階調から網点階調(ハーフト
ーン)へ階調変換する方式が非科学的であるため、満足
のいく濃度階調及びそれと密接な関係を有する色調の再
現性が得られていないのが現状である。
【0006】周知のように複製画像の濃度階調は画素の
濃度表示方式に依存する。このような画素の濃度階調を
表示する方法としては、ドットの大きさで画素の被覆率
を変える方法(サイズ変調法、面積可変ドット。この方
式は印刷画像を製作するためのモノクロ及びカラースキ
ャナー、圧電型インクジェットなどにみられる。)、規
定(同一大の)ドットの配列数で画素の被覆率を変える
方法(密度変調法、コンスタントドット。この方式は熱
溶融転写などにみられる。)、及び規定(同一大の)ド
ット自体の濃度を変える方法(濃度変調法、濃度可変ド
ット。この方式は、熱昇華性転写にみられる。また、画
素の輝度調整により画像を形成するCRTや結晶などに
より構成されたTV用受像管なども、このカテゴリーに
含められる。)がある。
【0007】しかしながら、前記したように、原稿画像
を従来の各種の画像形成装置により複製しようとする場
合、原稿画像上の所定の標本点(画素)の濃度情報値に
対して、例えばこれに対応する複製画像上の画素におい
てドットの径の大小や密度により画素の被覆率(画素ブ
ロックを構成する単位画素の数に対して、どのような割
合で記録するかという比率)、即ち画素の濃度階調を規
定する値(以下、画素の階調強度値あるいは単に階調強
度値という。この用語は前記した各種の画素の濃度階調
の表示法に共通して使用される。)をどのように設定す
べきか、またそのような画素の階調強度値を得るにはど
のようにすべきかについて、科学的な検討がなされてい
ないのが現状である。
【0008】即ち、原稿画像上の所定の画素の濃度情報
値に対して、前記画素に対応する複製画像上の画素に、
どのような画素の階調強度値を相関させるべきかという
ことについて、科学的な相関式(階調変換式)が開発さ
れておらず、現状では、これら機器メーカーが予め経
験、勘あるいは限られた数の前提条件に基づいて決定し
たもの(相関式)に依存せざるを得ない。
【0009】このため、機器メーカーが想定しなかった
画質の原稿画像、例えば非標準的なカラーフィルム原稿
(露光オーバーの明るすぎる原稿、露光アンダーの暗す
ぎる原稿、ハイキーやローキーの原稿、色カブリや退色
した原稿など)などの場合、濃度階調や色調に優れた所
望の複製画像を得ることが極めて困難である。
【0010】従って、標準的な画質をもつ原稿画像は勿
論のこと、前記した非標準的な原稿画像から所望する画
質の複製画像が得られ、かつ、原稿画像の画質を任意に
変更や修正(濃度階調や色調の変更や修正)を行なうこ
とができるフレキシビリティのある画像形成装置を開発
することができないでいるのが現状である。
【0011】これは、従来の画像形成装置が、複製画像
を製作する上で極めて重要な画像情報値である原稿画像
上の所定の画素の濃度情報値を、対応する複製画像上の
画素の階調強度値に科学的かつ合理的に変換させること
ができないでいることを意味するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の画像形成装置に
おける上記した問題点を発生させている原因は、連続階
調画像などの原稿画像から最終的な画素の分布による複
製画像を製作する際に採用される画像の濃度階調の変換
方式にあるものと認められる。
【0013】即ち、原稿画像上の所定の画素の濃度情報
値を、対応する複製画像上の画素の階調強度値に変換す
る際、従来の画像の階調変換技術は科学的かつ合理的な
ものではなく、専ら経験と勘に依存するものであると認
められる。
【0014】本発明者らは、このような状況のもとにお
いて、画像形成工程の究極的な合理化と品質の優れた複
製画像を製作するためには、合理的な画像の階調変換技
術を確立しなければならないという基本的認識のもと
に、鋭意、研究を重ねてきた。
【0015】その結果、本発明者らは、画像形成装置に
おいて、濃度階調の変換に際して使用されるべき画像情
報値として、原稿画像から複製画像を製作するめたの画
像情報値を検出(読取)する機構(以下、画像情報検出
部という。)から入手される原稿画像の濃度情報値(こ
れは、後述するように濃度に相関した物理量であればい
ずれでもよく、最広義に解釈されるべきものである。)
を使用するべきではなく、前記画像情報検出部が固有的
に持っている(前記検出部において検出される)原稿画
像の濃度情報値と前記画像情報検出部に入力される原稿
画像からの光量に相関した画像情報値との関係を規定す
る特性曲線(以下、本発明においては、前記画像情報検
出部がなんらかの光電変換素子で構成されていることか
ら、前記画像情報検出部が有する前記した特性曲線を光
電変換特性曲線と総称する。)を介して光量に相関した
画像情報値を求め、更に前記光電変換特性の影響を排除
した光量に相関した画像情報値を利用して原稿画像が記
録されている所定の記録媒体の特性をも排除した複製の
真の対象物である原稿(例えば、写真の場合は被写体に
相当する。)から前記記録媒体に入力される光量に相関
する画像情報値を求め、かつ前記原稿画像の光量に相関
した画像情報値を特定の<階調変換式>により変換処理
して階調変換用の階調強度値とするとき、原稿画像に忠
実な画像特性はもとより、任意に画像特性を修正や変更
した複製画像が得られることを見い出した。
【0016】本発明は、前記したように従来の画像形成
装置の画像情報検出部により検出された原稿画像の濃度
情報値を重視した複製画像の製作技術を改め、複製の対
象となるべき所定の記録媒体に記録された原稿画像のも
つ真の画像情報値、即ち原稿画像を記録するために前記
記録媒体に入力される光量に相関した画像情報値を重視
するという全く新しい複製画像の製作技術を組込んだ画
像形成装置を提供しようとするものである。
【0017】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、画像情報検出部と階調調整部を有する原稿画
像から複製画像を形成するための画像形成装置におい
て、(i).画像形成装置の画像情報検出部を、(i)-1.原稿
画像から前記検出部に入力される光量に相関した画像情
報値(X'n)と前記検出部から出力される濃度に相関し
た画像情報値(D'n)との関係を規定する前記検出部の
光電変換特性曲線を利用して、原稿画像の濃度に相関し
た画像情報値(D'n)から前記検出部に入力される光量
に相関した画像情報値(X'n)を得るように構成すると
ともに、(i)-2.前記光量に相関した画像情報値(X'n
を、所定の特性曲線[濃度に相関した画像情報値(D
n )と光量に相関した画像情報値(Xn )との関係を規
定する曲線]を有する記録媒体上に記録された原稿画像
の濃度に相関した画像情報値(Dn )とみなし、かつ前
記記録媒体の特性曲線を利用して原稿画像を記録するた
めに前記記録媒体に入力される光量に相関した画像情報
値(Xn )を得るように構成するとともに、(ii).画像
形成装置の階調調整部を、前記のようにして求めた原稿
画像を記録するために前記記録媒体に入力される光量に
相関した画像情報値(Xn )を、下記<階調変換式(1)
>により階調調整のための階調強度値(y値)に変換す
るように構成すること、を特徴とする、原稿画像から階
調の再現性に優れた複製画像を形成するための画像形成
装置に関するものである。 <階調変換式(1)> y=yH +[α(1−10-kx )/(α−β)]・(y
S −yH ) 但し、上記<階調変換式(1)>において、各記号は、以
下のことを意味する。 x: (Xn −XHn)を示す。これは、前記記録媒体の
特性曲線を利用して原稿画像上の任意の画素の濃度情報
値(Dn 値)より求めた対応する画素の光量に相関した
画像情報値(Xn )から、原稿画像上の最明部(H部)
の濃度情報値(DHn)より前記記録媒体の特性曲線を利
用して求めた対応する最明部(H部)の光量に相関した
画像情報値(XHn)を差し引いた基礎光量値である。 y: 原稿画像上の任意の画素に対応した複製画像上の
画素に設定される階調強度値。 yH : 原稿画像上の最明部(H部)に対応した複製画
像上の最明部(H部)に予め設定される階調強度値。 yS : 原稿画像上の最暗部(S部)に対応した複製画
像上の最暗部(S部)に予め設定される階調強度値。 α: 複製画像を形成させるための画像表現媒体の表面
反射率。 β: β=10により決定される数値。 k: k=γ/(XSn−XHn) 但し、(XSn)は、原稿画像上の最暗部(S部)の濃度
情報値(DSn)より前記記録媒体の特性曲線を利用して
求めた対応する最暗部(S部)の光量に相関した画像情
報値(XSn)を示す。 γ: 任意の係数。
【0018】以下、本発明の技術的構成及び実施態様に
ついて詳しく説明する。なお、本発明は図面を参照して
説明されるが、本発明はこれら図面に限定されないこと
はいうまでもないことである。
【0019】まず、本発明の画像形成装置に採用されて
いる画像の階調変換法の理論的背景について説明し、本
発明の位置づけを明確にする。
【0020】なお、本発明の画像の階調変換理論は、複
製画像の製作技術として特に代表的な分野である印刷画
像の製作時における階調変換の問題点を解決すべく開発
されたものであるため、印刷画像のスキャナー(モノク
ロ及びカラースキャナー)による製作技術との関連で多
くが説明される。しかし、これは説明の便宜のためのも
のであり、もとよりプリンタ、コピー、DTP(デスク
トップパブリッシング)関連機器など各種の画像形成装
置における階調変換に際しても同様な問題点があること
から、ここで説明される本発明の階調変換理論の価値
は、これら画像形成装置にビルトインされるとき、いさ
さかもその価値が減じられるものではない。
【0021】本発明者らは、画像の階調変換技術に合理
的な理論の裏付けを行ない、かつ前記した各種の画質
(標準または比標準)の原稿画像からでも調子(この用
語は、濃度階調と色調の両者を含むものである。)の再
現性をもち、さらに進んで所望の調子をもつ複製画像を
合理的に製作するためには、複製画像の製作において中
核的な二つの要素技術、即ち階調変換技術(gradation
control)と色補正(修正)技術(color correction)
のうち、色補正(修正)技術の改善、向上に先立ち、画
像の各画素の濃度階調の変換を合理的に行なうことがで
きる技術が第一義的に重視されなければならない、と考
えている。
【0022】前記した点は、代表的にはカラー印刷画像
の製作などに見られるごとく、複製画像の製作において
科学的な解析(マスキング方程式あるいはノイゲバウア
方程式による解析)が比較的に容易である色補正(修
正)技術、カラーマッチング技術を画像の濃度階調の変
換技術よりも重視している従来の研究開発の態度に対し
て、大きな反省をせまるものである。
【0023】そして、本発明者らは、原稿画像から複製
画像を作成するときに用いられる現在の画像の濃度階調
の変換技術が、原稿画像、例えば複製画像である印刷画
像を作成するときの所定の感光材料(記録媒体)上に記
録されたカラーフィルム原稿(原稿画像)について、そ
の最明部から最暗部に至る濃度特性を合理的に把握して
いないこと、及び原稿画像の濃度特性を1:1の忠実性
をもって複製画像に変換させるうえで不可欠な両画像
(原稿画像と複製画像)間の相関関係(階調変換式)の
決定に合理的な理論の裏付けがなく、専ら人間の経験と
勘に依存したままである、という基本認識をもってい
る。
【0024】このような基本認識のもとで、本発明者ら
は、先に画像の階調変換技術を科学的、合理的なものと
するために特定の<階調変換式>を提案した(特開昭6
4−7770号公報、特願昭63−114599号、特
願昭63−207326号、米国特許第4,811,1
08号明細書)。しかしながら、本発明者らのその後の
研究開発において、本発明者らは、前記した特定の<階
調変換式>のもとで行なう画像の階調変換技術にも一定
の限界があることを見い出した。
【0025】前記した限界事項とは、前記したように複
製画像の真の対象とすべきものは原稿画像それ自体(写
真原稿の場合は被写体それ自体である。)であり、複製
に際しては原稿画像の有する真の画像情報値を利用すべ
きであるところ、本発明者らの先の提案を含めて従来の
画像の階調変換技術においては、画像形成装置の画像情
報検出部のもとで検出された画像情報値、特に原稿画像
の濃度や輝度に関する濃度情報値を手掛かりとして画像
の階調変換を行なっているということである。これで
は、画像形成装置の画像情報検出部がもっている光電変
換の特性に左右されてしまい、原稿画像自体の画像情報
を利用していることにはならない。
【0026】これを、前記した複製画像としてカラー印
刷画像を製作する場合を例にして説明する。周知のよう
に、カラー印刷画像を製作するとき、写真用感光材料と
いう記録媒体に静物や人物などの被写体(原稿画像)が
撮影されているカラーフィルム原稿(本発明において、
前記した被写体と区別するために、これを媒体画像とも
いう。)が作業の出発点となる。そして、前記カラーフ
ィルム原稿(媒体画像)をカラースキャナ(色分解装
置)を用いて、該スキャナーの画像情報検出部で各色毎
に色分解(カラーセパレーション)して画像情報値を検
出し、これを利用してカラー印刷画像を製作している。
【0027】ここで、前記カラーフィルム原稿(媒体画
像)の性格について説明しておく。 (i).カラースキャナの画像情報検出部のサイドからみる
と、カラーフィルム原稿は原稿画像ということができる
ものである。また、(ii).静物や人物などの被写体を原
稿画像とみるならば、カラーフィルム原稿は、該原稿画
像の画像情報を検出するための媒体画像とみることがで
きる。本発明においては、原稿画像(前記した静物や人
物などの被写体)の階調を正しく再現するという観点か
ら、カラーフィルム原稿(媒体画像)の前記(ii)の性格
が強く認識されなければならないものである。
【0028】前記したように、カラー印刷画像の製作に
おいて、従来は、被写体(原稿画像)から記録媒体であ
る写真用感光材料(写真用感光乳剤層)へ入射される光
を所定の露光条件(周知のごとく、入射光の強さIと入
射時間tの条件のとき、露光量Eは、E=I×tで表さ
れる。)で記録した写真画像の濃度情報値を基礎として
色分解作業(カラーセパレーション作業とは、前記した
カラーコレクションとグラデーションコントロールの両
者を含むものである。)が行なわれている。
【0029】前記した被写体(原稿画像)が撮影された
写真用感光材料には現像により写真濃度(photographic
density)が形成され、これがカラーフィルム原稿(媒
体画像)となるものである。前記した写真濃度(黒化
度)と写真用感光材料の露光量Eの相関関係を表す曲線
が、写真濃度特性曲線(photographic density charact
eristic curve)である。前記写真濃度特性曲線は、縦
軸に写真濃度(D)(D=log Io/I)、横軸に露光
量Eの対数値(log E)をとって表示されるものであ
る。なお、フィルムや乾板(透過原稿)では透過光の強
さIと入射光の強さIoとの比が、また印画紙(反射原
稿)では反射光の強さIと完全反射光の強さIoとの比
が用いられることはいうまでもないことである。典型的
な写真濃度特性曲線は、下に凸形状の足部、略直線状の
直線部、上に凸形状の肩部を持つかなり複雑な曲線(こ
の点は、後述する図1を参照のこと。)であることは周
知のことである。
【0030】別言すれば、従来のカラー印刷画像を製作
するときの色分解技術は、前記写真濃度特性曲線の縦軸
(濃度値)の立場から組み立てられた色分解技術であ
り、被写体(真の原稿画像)から写真用感光材料に入射
される露光量(以下、本発明において、後述するように
露光量の絶対値を用いてもあるいは相対値を用いてもよ
いことから、前記露光量を一般化して「光量に相関した
画像情報値」という用語を使用する。)、即ち前記写真
濃度特性曲線の横軸(光量に相関した画像情報値)の立
場から組み立てられた色分解技術ではない。
【0031】そして、従来技術が色分解作業の基礎とす
るカラーフィルム原稿の濃度情報値は、写真濃度特性曲
線の複雑な形状(図1参照)から明らかのごとく被写体
(真の原稿画像)の光量に相関した画像情報値とは相違
し(別言すれば、被写体の画像情報を線形に与えていな
い。)、しかも露光条件や現像条件などの与件の変化に
より両者の乖離の様相は千差万別のものとなる。すなわ
ち、記録媒体である写真用感光乳剤の感光特性に影響さ
れるため、カラーフィルム原稿(媒体画像)の濃度情報
値である写真濃度と被写体(真の原稿画像)の光量に相
関した画像情報値とを直線関係(1:1の45°の直線
関係)で相関させることができない。
【0032】一方、人間の視覚においては、明暗に対す
る弁別特性が対数的であることは周知のことであり、人
間は被写体(真の原稿画像)より視覚系に入射される光
量を前記した弁別特性に基づいてその明暗(グラデーシ
ョン)を評価している。ここでは、濃度変化の勾配が直
線的(リニア)であるものを自然なものとして感じてい
るのである。従って、カラー印刷画像の製作において、
写真用感光材料に記録されたカラーフィルム原稿(媒体
画像)の濃度値(D=log Io/I)を手掛かりに作業
を進めると、それは写真用感光乳剤の感光特性に影響さ
れたあとの濃度情報値を使用していることになり、複製
の真の対象となる被写体(真の原稿画像)の光量に相関
した画像情報値を使用していることにならない。
【0033】本発明者らは、前記した状況を踏まえて、
複製画像の製作において前記したような記録媒体(写真
用感光乳剤など)の感光特性、あるいは画像形成装置の
画像情報検出部を構成するフォトマル、フォトダイオー
ド、CCDや二次元CCDなどの光電変換素子の光電変
換特性によって影響されたあとの原稿画像の濃度情報値
を使用することなく、複製の真に対象となる原稿画像
(被写体、実体画像)からの第1次の(生の、原初的
な)光量に相関した画像情報値を基礎として各種の複製
画像を製作する方法について、鋭意検討を加えた。
【0034】その結果、本発明者らは、カラー印刷画像
の製作において、(1).健康画像を撮影している写真感材
の写真濃度特性曲線を使用して、縦軸(D=log Io/
I)の値から横軸(log E)の値を求め(以下、縦軸を
D軸、横軸をX軸ともいう。)、別言すれば写真濃度特
性曲線上で規定される最明部から最暗部に至るカラーフ
ィルム原稿(媒体画像)のD軸上の濃度情報値(D値)
をX軸上に投影させてX軸上の画像情報値(X値)を求
め、(2).より具体的には、カラーフィルム原稿(媒体画
像)上の任意の画素(n点)のD軸上の濃度値(Dn
値)を前記写真濃度特性曲線を介してX軸上に投影して
対応する画素の画像情報値(Xn 値)(X値は写真濃度
特性曲線においては露光量の対数値を示すが、本発明に
おいてはその絶対値を用いてもあるいはD軸と同じスケ
ーリングて読みとった相対値を用いても等しく有効であ
るため、前記したように、これを「被写体から記録媒体
に入射された光量に相関した画像情報値」、あるいは単
に「光量に相関した画像情報値」という。)を求め、次
いで、(3).前記のようにして得られた光量に相関した画
像情報値(Xn 値)を基礎とし、かつ本発明者らが先に
提案した特定の<階調変換式>を運用して前記(Xn
値)から網点面積%値を示す階調強度値を求め、これに
より網点の大きさを制御したとき、被写体(真の原稿画
像)に忠実な画像特性を有する優れた網点階調の印刷画
像が得られることを見い出した。
【0035】本発明は、前記した本発明者らの知見をベ
ースにしていることはいうまでもないことである。特
に、本発明は、前記知見から画像形成装置の画像情報検
出部での画像情報の変質、別言すれば前記検出部におけ
る画像情報の劣化を防止する技術的手段を講じている。
【0036】本発明の画像形成装置に採用される画像の
階調変換法について、カラー印刷画像の製作を例にして
説明して来たが、これは他の複製画像の形成においても
同様に有効なものである。特に、本発明は、原稿画像上
の任意の画素の濃度情報値を対応する複製画像の画素の
階調強度値に変換するに際し、前記画素の画像情報値と
して、画像形成装置の画像情報検出部において入手され
る原稿画像の濃度情報値をそのまま使用するのではな
く、即ち、前記濃度情報値からフォトマルや二次元CC
Dなどの画像情報検出部の光電変換特性曲線及び写真感
光材料などの記録媒体系の感光特性曲線を利用して、複
製の真の対象となる原稿画像(実体画像)からこれら画
像情報検出部及び記録媒体に入力される光量に相関した
画像情報値を求め、これを前記した<階調変換式(1)>
のもとで処理して階調強度値に変換する、という点に大
きな特徴を有するものである。
【0037】本発明の画像情報検出部と階調調整部を有
する画像形成装置において、まず、最大の特徴点である
前記階調調整部に適用される前記<階調変換式(1)>の
導出法や特質などについて説明する。
【0038】画像形成装置により形成される複製画像に
おいて、その複製画像を構成する基本的構成要素は、所
定の画素における階調強度値と画像の形成材料(インク
やトナー等)の表面反射濃度(TV画像などは輝度値)
との二つであり、このうち、人間の視覚が例えば印刷画
像における網点面積の大きさの1%の差異を濃度差とし
て容易に識別する能力をもっていることからわかるよう
に、前記印刷画像の網点面積の大きさと同じ関係にある
画素の階調強度値が極めて重要な役割を果たす。例え
ば、ある所定の画素に設定されるドットに注目して、そ
のドット上に塗布するインキの量の変化とドットの大き
さの変化が濃度階調に与える影響を調べてみると、後者
の方が格段に大きく、階調の再現性に優れた複製画像の
製作において階調強度値をどのように設定すべきかは、
極めて重要な問題である。そして、濃度階調の再現性に
優れる複製画像は、色調の再現性においても優れたもの
であり、これは多くの事例で確認することができる。
【0039】また前記したことと関連して、画像形成装
置により複製画像を製作しようとする場合、原稿画像の
品質内容が千差万別であること、画像の形成工程も多様
な特性を有するものであること、さらに画像品質の評価
基準が一様でないことなどの背景を抱えており、これら
の複雑、不安定要因を克服するメカニズムが画像形成装
置の中にビルトインされていることが強く望まれてい
る。
【0040】このようなことから、連続階調画像などの
原稿画像から画像形成装置により中間調(ハーフトー
ン)を有する複製画像を製作するにあたり、複製画像上
の最明部(H)の画素の階調強度値(yn )と最暗部
(S)の画素の階調強度値(yS)とを任意に選択する
ことができ、しかも最明部(H)から最暗部(S)にい
たる画像の濃度階調を合理的かつ簡便に調整管理するこ
とができる手段を確立することが是非とも必要である。
【0041】このような考え方に立脚して案出したのが
本発明の階調の調整方法、具体的には前記<階調変換式
(1)>を用いた階調の調整方法である。本発明者らは、
連続階調のカラーフィルム原稿から網点階調の印刷画像
を製作するとき、合理的に階調変換(連続階調の網点階
調への変換)を行なわしめるために本発明の<階調変換
式(1)>と同様の<階調変換式>を先に提案したが(特
願昭64−7770号、特願昭63−114599号参
照)、その運用条件は本発明とは全く相違するものであ
る。
【0042】前記の先に提案した網点階調の印刷画像を
製作するときに用いられる網点面積パーセントの数値
(y)を求める<階調変換式>(これは、前記したよう
に基本骨格は本発明の<階調変換式(1)>と同様なもの
であるが、その運用条件は全く異なるものである。)
は、一般に認められる下記の濃度公式(写真濃度、光学
濃度)から誘導することができる。 D=log(Io /I)=log (/T) 但し、上式において、各記号は、以下のことを意味す
る。 Io=入射光量、 I =反射光量または透過光量、 T =I/Io=反射率又は透過率。
【0043】前記した濃度Dに関する一般公式を、製版
・印刷に適用すると下式を得ることができる。 製版・印刷における濃度(D´)=log(Io/I)=
(単位面積×紙の反射率)/[(単位面積−網点面積)
×紙の反射率+網点面積×インキの表面反射率]=log
(αA)/[α{A−(d1+d2+……Dn)}+β
(d1+d2+……Dn)] 但し、上式において、各記号は、以下のことを意味す
る。 A :単位面積、 dn :単位面積内にある夫々の網点の面積、 α :印刷用紙の反射率、 β :印刷インキの表面反射率。
【0044】前記した製版・印刷に関する濃度式(D
´)に、印刷画像のH部とS部に所望の大きさの網点を
任意に設定することを可能とし、かつ、連続階調画像
(原稿画像)上の任意の標本点における基礎濃度値
(x)と、これに対応した網点階調画像(印刷画像)上
の標本点における網点の網点面積パーセントの数値
(y)とを合理的に関連づけるという要請を組込み、理
論値と実測値が近似的に合致するように誘導して得たも
のが、下式で示される<階調変換式(2)>である。
【0045】<階調変換式(2)> y=yH +[α(1−10-kx )/(α−β)]・(y
S −yH ) 但し、上記において、各記号は、以下のことを意味す
る。 x: 原稿画像上の任意の画素の基礎濃度値。即ち、同
画像の任意の画素における濃度値と、同画像の最明部H
における濃度値の差。 y: 印刷画像上における、前記画素に対応する画素の
網点の網点面積パーセントの数値。 yH : 印刷画像上の最明部Hに対して設定される、所
望の任意の大きさの網点の網点面積パーセントの数値。 yS : 印刷画像上の最暗部Sに対して設定される、所
望の任意の大きさの網点の網点面積パーセントの数値。 α: 印刷用紙の反射率。 β: β=10により求められる数値。 k: k=γ/(原稿画像の濃度域)により求められる
数値。 γ: 任意の係数。
【0046】前記<階調変換式(2)>を印刷画像を製作
するときの画像の階調変換に適用する場合、α、yH
S ,γ値を任意に選びながら、原稿画像上の任意の画
素の基礎濃度値(x)から印刷画像上の対応した画素に
おける網点の網点面積パーセントの数値(y)を求める
ように運用される。これにより原稿画像(連続階調画
像)の濃度階調を印刷画像(網点階調画像)上に1:1
に忠実に再現させることができるばかりでなく、所望の
画質(所望の濃度階調や色調を有するもの)の印刷画像
を製作することができる。
【0047】なお、多色製版(一般にシアン(C)、マ
ゼンタ(M)、イエロー(Y)、墨(BL)の4版が1
組と考えられている。)の場合、基準となる版(多色製
版の場合、周知の如くシアン版(C)が基準の版とな
る。)の作業基準特性曲線、即ち原稿画像の濃度情報値
を印刷画像の網点面積値に変換するための作業基準とな
る網点階調特性曲線(前記したx値とy値をグラフ化し
て得られる曲線で、これが連続階調を網点階調に変換す
るための基準となるものである。)が決まれば、その他
の色版の網点階調特性曲線は、基準となった版のy値に
印刷インキ各色のグレー・バランス比に基く適切な調整
数値を乗ずることにより、常に、合理的に決めることが
出来る。前記のようにして決められた各色版の網点階調
特性曲線は、夫々が合理的な特性曲線であることは勿論
のこと、更にはそれらの特性曲線間の濃度階調及び色調
に係る相互関係もまた合理的かつ適切なものである。
【0048】前記したことから明らかのように、連続階
調の原稿画像から網点階調の印刷画像を作成するとき、
画像の階調変換を前記<階調変換式(2)>に基づいて行
うならば、従来の経験と勘に頼る画像の階調変換方法か
ら脱却して、任意かつ合理的に画像の階調変換を行うこ
とができ、強いては濃度階調と密接不可分の関係にある
色調についても合理的に調整することができる。これに
より人間の視覚感覚にとって自然な濃度勾配、及び色調
を有する印刷画像を製作することができる。
【0049】以上は、複製画像として網点階調の印刷画
像を製作する場合を中心にして説明してきたが、前記し
た<階調変換式(2)>を使用する階調の変換作業を支え
る理論は各種のプリンタ、複写機器などの画像形成装置
による複製画像の製作にも適用することができることは
いうまでもないことである。しかしながら、前記した<
階調変換式(2)>を運用して複製画像を製作する場合、
濃度階調の変換は濃度情報値を使用するものである。
【0050】これに対して、本発明の画像形成装置に適
用される画像の階調変換においては、前記したようによ
り優れた濃度階調の変換を図るために、階調変換時に採
用すべき原稿画像の画像情報値として、従来の濃度情報
値を使用するかわりに光量に相関した画像情報値を採用
するものである。前記した従来とは全く相違する階調変
換を行うために、前記<階調変換式(2)>の運用条件を
整理すると、本発明の前記<階調変換式(1)>とその運
用条件が得られることはいうまでもないことである。
【0051】次に、本発明の前記<階調変換式(1)>の
各項の意味、運用面の特質などについて説明する。
【0052】本発明の前記<階調変換式(1)>の運用に
おいて、原稿画像上の各画素の基礎光量値(x)を求め
なければならない。前記したように、基礎光量値(x)
は、画像形成装置の画像情報検出部、具体的には所定の
光電変換素子により構成される画像情報検出部から入手
した原稿画像上の所定の画素(n点)の濃度情報値(D
'n 値)を手掛かりにして前記光電変換素子の光電変換
特性曲線、即ち、原稿画像から前記検出部に入力された
光量に相関した画像情報値(X'n )と前記検出部から
出力される濃度に相関した画像情報値(D'n )との関
係を規定する特性曲線から、検出部の光電変換素子の特
性に影響されない光量に相関した画像情報値(X'n
を求める。次いで、前記光量に相関した画像情報値(X
'n )を、所定の特性曲線[濃度に相関した画像情報値
(Dn )と光量に相関した画像情報(Xn )との関係を
規定する曲線]を有する記録媒体、例えば、所定の写真
濃度特性曲線を有する写真感光材料に記録された原稿画
像の濃度に相関した画像情報値(Dn )とみなし、かつ
前記記録媒体(写真感光材料)の特性曲線(写真濃度特
性曲線)を利用して原稿画像を記録するために前記記録
媒体に入力される光量に相関した画像情報値(Xn )を
求めればよい。
【0053】本発明において、濃度情報値は原稿画像の
各画素のもっている濃度に関する物理量を反映するもの
であればいずれでもよく、最広義に解釈されるべきであ
る。同義語としては、反射濃度、透過濃度、輝度、電流
・電圧値、などがある。これらの濃度情報値は、原稿画
像を光電走査などして濃度情報信号として取り出せばよ
い。なお、本発明の前記<階調変換式(1)>において、
基礎光量値(x)を濃度特性曲線の縦軸と同じスケーリ
ングにより目盛った横軸の光量に相関した画像情報値か
ら求め(例えば、ポジカラーフィルムの人物画として、
縦軸において0.2〜2.70の濃度値をもつものなど
があるが、これに対応した横軸の値を採用する。)、ま
た、yH [最明部(H)の画素に予め設定される階調強
度値]とyS[最暗部(S)の画素に予め設定される階
調強度値]にパーセント数値(例えば5%とか95%と
いう画素の被覆率。)を用いると、y値[原稿画像上の
任意の画素に対応する複製画像上の画素に設定される階
調強度値]はパーセント数値で算出される。
【0054】本発明の前記<階調変換式(1)>の運用に
おいて、次のように変形して利用することはもとより、
任意の加工、変形、誘導するなどして使用することも自
由である。 y=yH +E(1−10-kx)(ys −yH ) 但し、上式において、E=1/(1−β)=1/(1−
10)を示す。前記の変形例は、α=1としたもの
である。これは、複製画像を記録する記録用紙(基材)
の表面反射率を100%としたものである。αの値とし
ては、記録用紙を基準として濃度測定機構の零点調整を
行うならば、実務上α=1.0として構わない。また、
TV画像などの輝度画像の場合、α=1としてもよい。
【0055】また、前記変形例(α=1.0)によれ
ば、画像形成装置による複製画像上の最明部(H)にy
H を、最暗部(S)にyS を予定した通りに設定するこ
とができる。これは、複製画像上の最明部(H)におい
てはx=0となること、また最暗部(S)においてはx
=[XSn−XHn]となること、即ち、kx=γ・[(X
Sn−XHn)/(XSn−XHn)]=γ、従って−kx=−
γとなることから明らかである。
【0056】本発明の前記<階調変換式(1)>の運用に
おいて、α、β、γ(なお、γは、前記したようにβ=
10によりβ値を規定する。)の数値は種々の値を
とる。本発明においては、これらの数値を適宜選ぶこと
により、原稿画像の品質特性がどのようなものであれ画
像の階調の変換処理を合理的に行うことができる。即
ち、本発明の前記<階調変換式(1)>をベースとした画
像の階調の変換処理法は、原稿画像の濃度階調や色調の
再現、即ち原稿画像の調子を複製画像に1:1に再現さ
せるうえで極めて有用であるが、その有用さはこれに限
定されるものではない。本発明の前記<階調変換式(1)
>は、原稿画像の特性を忠実に再現する以外にも、前記
<階調変換式(1)>の性格から容易にわかるようにα、
β、γ値、さらにはyH ,yS 値を適宜選択することに
より原稿画像の特性を合理的に変更したり修正したりす
るうえで極めて有用なものである。なお、前記<階調変
換式(1)>のパラメータの内、特にγ値が複製画像の画
像特性を調整(修正または変更を含む。)するうえで大
きな役割を果すことは、前記<階調変換式(1)>を運用
してみれば容易にわかることである。
【0057】前記<階調変換式(1)>を使用して多色画
像を形成する場合、例えばカラーフィルム原稿を用いて
複製画像を製作する場合、印刷などの分野において周知
の色分解技術、即ち、カラー原稿からの反射光などをブ
ルー(B)、グリーン(G)、レッド(R)に分光させ
て各色毎の濃度情報値(D値)に相関した信号を入手
し、これを光量に相関した画像情報値(X値)に変換
し、更に前記<階調変換式(1)>を用いた階調調整機構
で処理し、この処理情報値(y値)に基づいて画像形成
装置の記録部を調整し画像を形成していけば良い。その
際、基準となる色版(例えばC版)に関するy値、即ち
基準となる色版の階調特性曲線(y値を計算し、x値に
対するy値をプロットしていくと、前記した印刷技術に
おける網点階調特性曲線と同様の階調特性曲線が得られ
る。)を決め、その他の色版(M版、Y版)の階調特性
曲線は前記基準となる色版のy値に、各インクのグレー
・バランス比に基づく適切な調整数値を乗ずることによ
り合理的に決めることができるので、これらの階調特性
曲線を利用して画像を形成していけば良い。前記のよう
にして設定された各色版についての階調特性曲線は、<
階調変換式(1)>で規定されるため合理的な特性曲線で
あることは勿論、それらの特性曲線間の濃度階調及び色
調に係る相互関係も合理的かつ適切なものである。
【0058】次に、原稿画像上の任意の画素(n点)の
濃度情報値(Dn 値)から、所望の記録媒体(例えば写
真感光材料など)に入射される対応する画素の光量に相
関した画像情報値(Xn 値)を求める方法について、更
に詳しく説明する。
【0059】本発明において、まず原稿画像の濃度に相
関する画像情報値は、画像形成装置の画像情報検出部、
基本的にはフォトダイオードやCCDなどの光電変換素
子の出力値から求められる。画像情報検出部で入手され
た原稿画像の各画素(n点)における濃度情報値(D'n
値)は、画像情報検出部の光電変換素子の光電変換特
性曲線[光電変換素子から入手される原稿画像の濃度情
報値(D'n 値)と光電変換素子に入射される原稿画像
の光量に相関する画像情報値(X'n 値)との関係を規
定する特性曲線]を介して対応する画素の光量に相関し
た画像情報値(X'n 値)を求めればよい。そのために
は各画像形成装置の画像情報検出部を構成する光電変換
素子の特性曲線が正確にあるいは近似的に関数化(数式
化)されなければならない。以上のようにして、画像形
成装置の画像情報検出部から検出系の光電変換素子の特
性(光電変換特性)に影響されない光電に相関した画像
情報値(X'n 値)を入手することができる。
【0060】次ぎに、本発明において、前記光量に相関
した画像情報値(X'n 値)を、原稿画像の濃度に相関
した画像情報値(Dn 値)とみなす。なお、以下の説明
においては、カラーフィルム原稿(媒体画像)を用い、
かつカラーフィルム(記録媒体)に撮影された被写体
(真の原稿画像)に忠実なカラー印刷画像を製作しよう
とする場合を説明する。そして、前記光量に相関した画
像情報値(X´値)と等しいとみなした原稿画像の濃度
に相関した画像情報値(Dn 値)を用いて、前記したよ
うに記録媒体であるカラーフィルム(写真用感光材料)
の写真濃度特性曲線[濃度に相関した画像情報値(D
n )と光量に相関した画像情報値(Xn )との相関を規
定する曲線]を利用して光量に相関した画像情報値(X
n 値)を求めればよい。
【0061】以下、原稿画像(被写体)の記録媒体であ
る写真用感光材料の写真濃度特性曲線の数式化法につい
て、更に詳しく説明する。なお、本発明において、画像
形成装置の画像情報検出部が各種の光電変換素子で構成
される場合、これらの光電変換素子の光電変換特性曲線
の数式化法についても前記写真濃度特性曲線の数式化法
と同様にして行えばよいことはいうまでもないことであ
る。
【0062】写真濃度特性曲線として、図1に示される
カラーフィルム(フジクローム、富士写真フィルム社
製)のものを使用した。なお、以下の数式化において
は、多色製版のうち基準となるC版用の階調特性曲線を
設定することを前提としているため、図1にはカラーフ
ィルムのR乳剤層の感光特性曲線(写真濃度特性曲線)
が示されている。従って、他の色版(M版、Y版)に対
してはそれぞれG、B乳剤層の感光特性曲線(写真濃度
特性曲線)が利用できることはいうもでもないことであ
る。
【0063】写真濃度特性曲線の数式化にあたっては適
宜の方法により数式化すればよく、何等の制限を受ける
ものではない。例えば、縦軸=D=log Io/I、横軸
=X(但し、X軸の目盛りスケールをD軸と一致させる
ようにした。)とし、a、b、c、d、e、fを常数と
すれば、 (イ).写真濃度特性曲線の足の部分(下に凸形状のところ
で、D値が小さい領域) D=a・bc・(X+d)+e+f (ロ).略直線状の部分(略直線状のところで、D値が中間
値の領域) D=a・X+b または、D=a・X2+bX+
c (ハ).肩の部分(上に凸形状のところで、D値が大きい領
域) D=a・log{b+(X+c)}+d などで数式化すればよい。
【0064】表1に、図1に示される写真濃度特性曲線
を数式化した内容を示す。なお、表1には、可能な限り
正確に写真濃度特性曲線を数式化するために、数式化区
分を複数としている。
【0065】
【表1】
【0066】本発明においては、図1に示されるように
カラーフィルム原稿(媒体画像)濃度値を示すD軸の目
盛と、原稿画像(被写体)から前記カラーフィルム(記
録媒体)に入射されるlogEで示される画像情報値を示
すX軸の目盛が同一であるとしてDとXの相関関係を関
数化した。これは、次の観点から行なった一種の相対化
(擬制)であり、本発明者らにおいて合理的なものと考
えている。即ち、本来、写真濃度特性曲線においては、
X軸には露光量Eの対数値(logE=log I×t)が位
置づけられること、これが視覚の明暗に対する弁明特性
が対数的に評価してリニヤ(直線性、線形)なものとし
ていることに対応すること、以上の点からみて前記した
D軸とX軸のスケーリングを同一のものにするという相
対化(擬制)は合理的なものであると考える。後述する
実施例で示されるように、この相対化(擬制)のもとで
画像の階調変換において優れた結果を得ることができ
る。なお、本発明において上記の目盛づけは一種の簡便
法であり、これに限定されないことはいうまでもないこ
とである。
【0067】本発明は、前記したように原稿画像の各画
素の有するD軸で表わされる濃度情報値(Dn 値)を基
礎とするのでなく、X軸で表わされる光量に相関した画
像情報値(Xn 値)を基礎とするものである。そして、
写真濃度特性曲線が表1に示されるように前記(Dn
値)と(Xn 値)は、X=f(D)の関数式により相関
されているため、容易に前記(Dn 値)から前記(Xn
値)を求めることができる。以上のようにして、原稿画
像(被写体)から写真用感光乳剤層へ入射される光量に
相関した画像情報値(Xn 値)を容易に得ることができ
る。
【0068】次いで、前記のようにして合理的に求めた
原稿画像(被写体)の各画素における(Xn 値)を前記
<階調変換式(1)>を使用して、各画素に対応するy値
(階調強度値)を求めることができる。本発明におい
て、前記(Xn 値)を表示するX軸(横軸)、y値を表
示するY軸(縦軸)の直交座標系に、(Xn 値)と該
(Xn 値)に対応する(y値)をプロットすると、階調
特性曲線が得られることは前記したとおりである。本発
明を従来技術と区別するために、前記階調特性曲線をX
軸色分解カーブと称し、従来のD軸上の濃度情報値を重
視するものをD軸色分解カーブという。
【0069】前記した本発明により得られるX軸分解カ
ーブと従来のD軸色分解カーブの特徴について説明す
る。本発明の<階調変換式(1)>を一定の条件、即ち
α、yH ,yS 、γ値をそれぞれ一定として運用し、か
つカラーフィルム原稿として画質が相違している(即ち
各原稿の濃度レンジや濃度情報値が相違している)複数
の原稿を使用し、それぞれのX軸色分解カーブ(階調特
性曲線)を求めるとき、得られる夫々のX軸色分解カー
ブ(階調特性曲線)は、最終製品である複製画像(例え
ば印刷画像)のH部からS部に至る各画素のy値(階調
強度値)を全て相対的に同じ関係にするという性質を有
する。
【0070】前記した点は、極めて重要な本発明の特徴
点である。別言すれば、後述する実施例で示されるよう
に、各カラーフィルム原稿のX軸上の光量に相関した画
像情報値(X値)のレンジが相違していても(これは、
カラーフィルム原稿の画質の相違を反映するもので濃度
レンジが相違するので当然のことである。)、所定の同
一のX軸レンジに調整すると、本発明により得られるX
軸色分解カーブ(階調特性曲線)は、一本(唯一のも
の)に収れんするという特徴点をもっている。従って、
夫々のX軸色分解カーブ(階調特性曲線)の形状から、
例えば網点の配列状態(y値を網点面積%値に対応させ
たとき)からみて最終的に複製画像としてどのような画
質のものが得られるかを、校正刷(プルーフの作成)し
なくても事前に正しく評価することができる。
【0071】これに対して、従来技術のD軸色分解カー
ブにおいては、夫々のカラーフィルム原稿の画質に対応
した夫々の曲線が得られ、かつ、前記したようにD軸上
で同一のD軸レンジに調整したとしても、これらは一本
(唯一のもの)に収れんしないものである。即ち、夫々
のD軸色分解カーブは、階調変換の選択肢を示すにすぎ
ず、夫々のD軸色分解カーブに従って校正刷(プルーフ
作成)をしないと、所望の階調変換が行なわれ、かつ所
望の画質の複製画像が製作されたのか否かを正確に判断
することができないものである。
【0072】前記した点と関連して、本発明の<階調変
換式(1)>は、α、yH 、yS 、γ値を任意に変えるこ
とにより(特にγ値を変えることにより)、合理的に階
調特性曲線の形状を変更することができること、即ち階
調の変換作業を管理する作業者は本発明の<階調変換式
(1)>のもとで複製画像の階調を任意に所望するものに
調製(修正、変更)することができること、別言すれ
ば、前記X軸色分解カーブのもとで階調の変換作業を合
理的に管理することができるという特徴をもっている。
【0073】以上、原稿画像(被写体)上の任意の画素
の光量に相関する画像情報値(X値)を求める方法を、
カラーフィルム原稿(媒体画像)の記録媒体である写真
用感光材料の写真濃度特性曲線を利用する例で説明し
た。本発明の画像形成装置において、原稿画像は、前記
したカラーフィルム原稿(媒体画像)に限定されず、画
像形成装置の光電変換素子で構成された画像情報検出部
において読み取られることができる全ての原稿画像が対
象となるものである。
【0074】本発明の画像形成装置において、前記した
ことから明らかのように、画像情報検出部の光電変換素
子の特性曲線、及び原稿画像を記録するための所望の記
録媒体(例えば、写真感光材料)の特性曲線が適切に関
数化されれば、高画質あるいは所望する画質の複製画像
を製作することができる。この点、従来技術のアプロー
チにおいては、高画質の複製画像を製作しようとして、
各種の光電変換素子や記録媒体(写真用感光材料)の特
性(光電変換特性や感光特性)を改善する努力が盛んに
行なわれている。この点、本発明により複製画像を製作
する場合、必ずしも各種の光電変換素子や記録媒体の高
級化、高性能性が要求されず、既存の性能(特性)のも
ので十分であり、これは本発明が採用している階調変換
法の特徴からくる大きな利点である。
【0075】以上、説明したように、本発明の画像形成
装置により複製画像を形成する場合、その階調調整機構
部に、前記<階調変換式(1)>に基づいて階調変換を行
なうハードまたはソフトを組込むことにより、濃度階調
はもとより色調の再現に優れた複製画像、あるいは原稿
画像の画質を任意に修正または変更した複製画像を得る
ことができる。
【0076】その際、<階調変換式(1)>の演算処理に
より得られるy値(階調強度値)を各画像形成装置に適
した濃度表示方式(可変ドット方式、コンスタントドッ
ト方式、濃度可変ドット)、あるいは輝度表示方式に対
応させればよいことはいうまでもないことである。
【0077】例えば、図4に示されるように、図4の
(a)の列の場合、所定の画素ブロックにおいて記録さ
れる画素の分布は記録される画素が増加するに従って、
画素ブロック内で相互に分散した位置関係にあるが、ほ
かに例えば画素ブロックの中心部から順次外方に渦巻き
状に拡がるようにしてもよく、その場合には写真製版で
の網点に近似したものとなる。また図4(b)の列に
は、(a)の列での画素の数に対応した面積をもつ網点
が示されている。ここでは、画素ブロックは、4×4の
マトリックス型として説明したが、これにより17段階
の階調が表現される。一般的にn×nのマトリックス型
の画素ブロックでn2 +1段階の階調(0〜100%)
が表現される。このように、マトリックス型の画素ブロ
ックにおいて形成される画素の分布により連続階調画像
などの原稿画像の濃度階調を表現する方法は、一般的に
ティザ・マトリックス法と称されており周知のものであ
る(例えば特開昭58−85434号、同58−114
569号、同59−52969号、同60−14158
5号、同62−186663号等に示されている。)。
【0078】次に、本発明の画像形成装置の応用分野に
ついて説明する。本発明を、これまで特に印刷画像の製
作との関連で説明してきたが、その応用面は、こと印刷
画像の製作関連機器に限定されるものではない。本発明
の画像形成装置において、最大の特徴点をなす画像の階
調変換法を、これまで特に印刷画像の製作との関連で説
明してきた。しかし、前記階調変換法を組込んだ画像形
成装置は、印刷画像の製作機器に限定されるものではな
い。以下、本発明の画像形成装置の代表例を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0079】(i).既に詳しく説明した凸版、平版、網点
グラビヤ、シルク・スクリーンなどの印刷画像、あるい
は、圧電型インクジェットや溶融転写型感熱転写画像な
どにみられる網点(ドット)の大きさを変調させること
により複製画像の階調や色調を表現しようとする(これ
は面積階調法ともいわれる。)画像形成装置。
【0080】(ii).昇華転写型感熱転写画像、(銀塩利
用)熱現象転写画像、コンベンショナル・グラビヤ画像
などにもみられる一定面積の画素当り(例えば1ドット
当り)に付着させる印刷インキなどの顔料、染料(色
素)などの濃淡により階調や色調を表現しようとする
(これは濃度階調法ともいわれる。)画像形成装置。
【0081】(iii).デジタル式の複写機(カラーコピー
など)、プリンター(インキジェット式、バブルジェッ
トシキなど)、ファクシミリなどにみられる一定面積当
りの記録密度、例えばドット数、インキの粒の数などを
変化させることにより階調を表現しようとする(これ
は、前記(i)の面積階調と類似したもので、密度変調法
ともいわれる。)画像形成装置。
【0082】(iv).X線写真などの検査のための医療用
精密画像として、被写体(患部、病巣など)に忠実な画
像を製作する機器。
【0083】(v).この他、濃度表示とともに網点面積%
などをも表示させるようにした濃度・階調変換機構つき
濃度計、色分解事前点検用(例えば校正用カラープルー
フ)や色分解教育用シュミレータなどの印刷関連機器。
【0084】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のものに限定される
ものではない。
【0085】本発明の画像形成装置による複製画像の製
作において、その中核的な要素技術である画像の階調変
換は、前記<階調変換式(1)>のもとで行うものであ
る。従って、まず最終製品である複製画像の品質を決定
づける色分解カーブ(階調特性曲線)の設定例について
説明する。ここでは本発明のX軸色分解カーブと従来の
D軸色分解カーブの設定例とその相違点を明確にする。
次いで、本発明の画像情報検出部、及び<階調変換式
(1)>に基づいて階調変換を行うハードまたはソフトを
組込んだ階調調整機構部を有する画像形成装置について
説明する。
【0086】実施例1(X軸色分解カーブの設定) 1.実験に使用した写真濃度特性曲線 写真濃度特性曲線として図1(D−X直交座標系)に示
されるもの(F社製、フジクロームのもの)を使用し
た。図1においてD軸(縦軸)はカラー原稿画像の濃度
値を表示する。一方、X軸は写真濃度特性曲線において
は露光量(logE=logI×t)を示すが、ここではD軸
と同じスケーリングで数値化した。また、前記写真濃度
特性曲線の関数式は、表1に記載されたものを使用し
た。 2.実験用原稿画像 カラーフィルム原稿(媒体画像)の画質は、一般的には
写真撮影時の露光条件などにより標準的なもの(適正露
光)、非標準的なもの(オーバー/アンダー露光)など
千差万別である。これら千差万別のカラーフィルム原稿
に対して本発明が合理的に対応できるかどうかを検証す
るために、カラーフィルム原稿の濃度レンジ(Density
Range=DR)が相違するもの(D軸における濃度レンジが
相違するもの)について実験した。 3.X軸色分解カーブの設定用データの計算 図1の写真濃度特性曲線を関数化した表1の関数式を用
いて、各種カラーフィルム原稿のD軸上のDn 値をX軸
上のXn 値に変換した。次いで、前記Xn値を<階調変
換式(1)>により階調強度値(y値)に変換した。な
お、<階調変換式(1)>の運用条件は、以下の通りであ
る。 x=Xn −XHn,yH =5%,ys =95%,γ=1.
00,β=10=0.1,α=1.00,k=γ/
sn−XHn。 (下記表2(1)の場合、XHn=0.4781、XSn
2.2300となる。その他の場合は表2を参照のこ
と。)
【0087】結果を表2に示す。表2において、表2の
(1)〜(3)は露光オーバーのもの(淡い原稿)、表2の
(4)〜(7)は適正露光に近いもの、表3の(8)〜(10)は露
光アンダーのもの(濃い原稿)、をそれぞれ示す。
【0088】
【表2(1)】
【0089】
【表2(2)】
【0090】
【表2(3)】
【0091】
【表2(4)】
【0092】
【表2(5)】
【0093】
【表2(6)】
【0094】
【表2(7)】
【0095】
【表2(8)】
【0096】
【表2(9)】
【0097】
【表2(10)】
【0098】4.X軸色分解カーブ 表2のデータを図2、図3に示す。なお、図2〜図3に
おいて、両図とも縦軸はy値を示すが、図2と図3の横
軸の性格が相違することに注意しなければならない。図
2の横軸は光量に相関した画像情報値(Xn 値)を示
し、図3の横軸はカラーフィルム原稿の濃度値(D
n値)を示す。表2のデータをグラフ化するに当たり、
比較の便宜を図るために、光量値及び濃度値に関するレ
ンジ(ダイナミックレンジ)を同一になるように調整し
た。本実施例の場合は2.5000に調整した。なお、
いうまでもないことであるが、調整レンジを1.000
0などの所望のレンジに調整してもよい。これは、調整
レンジの大きさに応じてy値(本実施例の場合は網点面
積%値)も相対化して変化するためである。また、調整
レンジを1.0000に設定すると、本発明の<階調変
換式(1)>の性格からして計算負荷が大幅に軽減され
る。前記した調整後の値は、表2において(Dn →)D
n°、(Xn →)Xn°として示されている。Dn →Dn
°への調整は、表2(1)の場合、 Dn°=(Dn −1.800)×[(調整レンジ)/D
n ]=(Dn −1 .800)×(2.50/2.52)により計算すれば
よい。同様にXn →Xn°への調整は、Xn°=(Xn
0.4781)×(2.500/1.7519)により
計算すればよい。
【0099】図2は、本発明による階調特性曲線、即ち
X軸色分解カーブ(前記したようにXn°とyの関係)
を示し、図3はD軸色分解カーブ(前記したようにDn
°とyの関係を示すもので、これは従来の色分解カーブ
の設定例とみなすことができる。)を示すものである。
【0100】図2〜図3から明らかな如く、極めて驚く
べき事実を発見することができる。即ち、本発明の階調
変換法に従えば、どのような画質のカラーフィルム原稿
を用いようとも、<階調変換式(1)>中のα、yH 、ys
、γ値の四つの値を同一にする場合、図2に示される
ように夫々のX軸色分解カーブは一つの同一のカーブに
収れんするという驚くべき事実であり、かつ色分解後に
得られるカラー複製画像の調子を統一的に表示している
という事実である。別言すれば、本発明の階調特性曲線
(X軸色分解カーブ)の設定技術によれば、どのような
画質のカラーフィルム原稿を用いようとも、H部からS
部に至る各画素のy値(階調強度値)が同一な同質の複
製画像を製作することができる階調特性曲線が得られ
る。加えて、画像形成装置により複製画像を製作しよう
とする作業者は、前記のようにして求めたx軸色分解カ
ーブを<階調変換式(1)>中のパラメーター、特にγ値
を変えることにより所望の形状に変更することができ
る。即ち、前記したX軸色分解カーブをベースとして所
望な画質や調子が得られるように階調を合理的に管理す
ることができる。
【0101】これに対して、図3に示される従来の色分
解カーブの設定例においては、各カラーフィルム原稿の
画質内容に対応したD軸色分解カーブが得られるもの
の、色分解後に製作されるカラー印刷画像の調子が全て
同じものになっているかを夫々のD軸色分解カーブから
は予め正確に知ることができない。即ち、従来のD軸色
分解カーブのもとでは実際に校正刷(プルーフの作成)
をして評価してみないと、最終製品の画質や調子が適正
なものなのかどうか判らないという欠点を有する。これ
は、画像形成装置による色分解作業において数多くの色
分解カーブの中から適切な色分解カーブを選び出さなけ
ればならないというセットアップ作業、及びセットアッ
プ作業の前工程においてカラー原稿のグルーピング作業
などが必要であることを意味する。即ち、従来のD軸色
分解カーブの設定技術は、階調の変換作業を効率的に実
施したり合理的に管理することができないことを意味す
る。
【0102】実施例2(画像形成装置について) 本発明の画像形成装置を図5〜図10に基づいて説明す
る。
【0103】図5は、本発明の第1実施例の画像形成装
置のブロック図である。図5に示されるように、本発明
の画像形成装置は、原稿画像の透過光または反射光をR
(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)に分光して
読み取る画像情報検出部1と、前記画像情報検出部1の
出力信号をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シア
ン)、K(ブラック)の色分解信号に変換する色分解部
2と、<階調変換式(1)>を用いて適正な画素の分布に
よる濃度階調をもとめる階調調整部3と、前記階調調整
部3の出力信号に基づいてレーザ光により電子写真感光
体に露光を行なう出力部4とを有し、感光体に形成され
た潜像が現像部において現像されてトナー像となり、記
録シートに転写され定着部で定着される。カラー画像形
成のためには、成分色ごとに独立した感光体と現像部と
を備えていて各々形成されたトナー像を順次記録シート
に転写するか、あるいは1つの感光体に成分色の潜像を
形成し現像してトナー像とした後に記録シートに転写し
このプロセスを各色成分について反復するという手順に
なる。
【0104】画像情報検出部1は、フォトマルや固体撮
影素子(CCD)等の光電変換素子により原稿画像5の
各画素の透過光または反射光を検出し電流としてのR、
G、B、USM各信号を出力し、この信号をA/V変換
部6において電圧信号に変換する。色分解部2は、ログ
アンプ7において、画像情報検出部1のR、G、B、U
SMのそれぞれの電圧信号(画像情報)を対数演算して
濃度に変換、ベーシックマスキング(BM)8において
この濃度からブラック(K)成分を分離し、さらにY、
M、Cの各成分を分離する。即ち、本発明の画像形成装
置において、複製対象物(原稿画像)は、まず画像情報
検出部1のフォトマルやCCDなどで構成される画像情
報読取機構において画像情報が読取られ、色分解部2に
おいてY、M、C各色成分毎の画像情報が求められる。
【0105】本発明において、前記画像情報検出部1で
検出される濃度に相関した画像情報(D'n)は、前記画
像情報検出部1を構成するCCDの光電変換特性曲線を
利用して、光量に相関した画像情報値(X'n)に変換さ
れる。次いで、前記光量に相関した画像情報(X'n)を
カラーフィルム原稿から得られる濃度に相関した画像情
報(Dn )とみなし、更にカラーフィルム原稿の写真濃
度特性曲線を利用して前記(Dn )から光量に相関した
画像情報値(Xn )を求める。前記したD'n→X'n=D
n →Xn の変換は、図示しないソフトやハードのもとで
行えばよい。
【0106】図5には、色分解部2の構成としてカラー
コレクション(CC)部9及びUCR/UCA部10が
示されている。前記CC部9は、R、G、B及びY、
M、Cの各原稿色に対しY成分、M成分、C成分をコン
トロールする。さらに前記UCR/UCA部10のUC
R(under color removal)またはUCA(under color
addition)は、原稿画像のブラック成分をY、M、Cの
3成分で表現する比率を決定する。
【0107】前記のようにして、光量に相関した画像情
報値(Xn )に変換されたY、M、C、K成分は、図5
に示されるように調整部11で階調変換される。なお、
従来は、階調調整部(IMC)におけるグラデーション
コントロール部において、各成分の画素の占める面積比
率ye´、me´、ce´、ke´を求め、更にこれを
逆log変換部において逆log変換している。この実施
例においては、前記グラデーションコントロール部及び
逆log変換部にかえて調整部11を用い、ここでY、
M、C、Kからye´、me´、ce´、ke´への変
換を行なっている。調整部11は<階調変換式(1)>の
アルゴリズムを内部に持ち、Y、M、C、Kそれぞれに
ついて<階調変換式(1)>を適用し、ye´、me´、
ce´、ke´を求める。
【0108】調整部11としては、<階調変換式(1)>
のアルゴリズムをソフトウェアとして保有しかつA/
D、D/AのI/F(インターフェース)を有する汎用
コンピュータ、アルゴリズムを内部ロジックとして汎用
ICにより具現化した電気回路、アルゴリズムの演算結
果を保持したROMを含む電気回路、アルゴリズムを内
部ロジックとして具現化したPAL、ゲートアレー、カ
スタムIC等々種々の形態をとることができる。
【0109】調整部11によって得られた画素の面積比
率(階調強度値)は、カラーチャンネルセレクタ12に
入力され、カラーチャンネルセレクタ12はye´、m
e´、ce´、ke´を順次選択的に出力する。この出
力はA/D変換部13によりA/D変換されて、出力部
4に入力される。出力部4は階調調整部3の出力に基づ
いてドットコントロール部14においてレーザービーム
発振器15のコントロールを行う。
【0110】図6は、本発明の第2実施例の画像形成装
置を示すもので、従来の逆log変換部16をそのまま使
用し、従って、調整部11においては対数の形式でye
´、me´、ce´、ke´が出力される。これによっ
て従来の機器における一つの構成要素を変換するだけで
<階調変換式(1)>を適用でき、第1実施例によるもの
よりも少ない機器の変更により既存システムを本方式に
よるシステムに改造することができる。
【0111】図7は、本発明の第3実施例の画像形成装
置を示すものであり、従来のグラデーションコントロー
ル(IMC)部17を残すとともに、前記グラデーショ
ンコントロール部17を併用できる形式としたものであ
る。そして、前記第2実施例と同様の調整部11、即ち
対数の形式でye´、me´、ce´、ke´を出力す
る調整部11が採用されている。調整部11はグラデー
ションコントロール部17の前段からY、M、C、Kの
信号をとり、逆log変換部16に階調変換後の値を出
力している。
【0112】図8は、本発明の第4実施例の画像形成装
置を示すものであり、従来の逆log変換部16とグラデ
ーションコントロール(IMC)部17を残すととも
に、これらを併用できる形式としたものである。そし
て、調整部11はグラデーションコントロール部17の
前段からY、M、C、K信号をとり、直接カラーチャン
ネルセレクタ12に接続しており、ye´、me´、c
e´、ke´を従来システムに拘束されることなく、前
記第1実施例の調整部11におけるのと同程度の最適な
処理形態でye´、me´、ce´、ke´を求めるこ
とができる。そして、本発明の第4実施例は、前記第3
実施例と同様に従来システムのわずかな改造で本発明の
システムを具現化することができる。
【0113】図9は、本発明の第5実施例の画像形成装
置を示すものであり、従来の階調変換部全体を新たな調
整部11として構成し、この調整部11において<階調
変換式(1)>を運用し得るようにしている。
【0114】図5〜図9に示される画像形成装置の画像
形成部は、光導電性を有する感光体にレーザービームの
走査により静電潜像を形成する電子写真式のものであ
る。しかしながら、画素の分布により複製画像を形成す
る手法として、他の手法、例えば静電記録式、磁気記録
式等種々のものを採用することができる。
【0115】図10は、画像形成装置の静電記録方式に
よる画像形成部を示すものである。この方式は、図10
に示されるように、移動するシート状誘電体からなる記
録体に近接または接触してその移動方向に直角をなす方
向に多数の電極を配列した記録ヘッドの各々の電極に電
圧を印加して静電潜像を形成する。この潜像にトナーを
付加して現像する工程以降は電子写真式の場合と同様で
ある。電極の集合体としての記録ヘッドに対して、出力
部4のドットコントロール部14からの記録すべき画像
に応じた出力信号としての電圧が印加されるのである。
【0116】また、磁気記録方式のものにおいては、記
録体として例えばドラム体の表面に磁性体を一様に被覆
したものを用い、その表面に接触した磁気記録ヘッドに
画像情報信号としての電圧を印加しつつ磁気記録ヘッド
と記録体面とを相対的に移動させて記録体面上に磁気潜
像を形成する。この潜像を現像するためには、磁性材料
によるトナーを用いるが、そのほかは電子写真式の場合
と同様にして行なわれる。
【0117】以上のようにして従来機器の階調調整部を
改造すれば、<階調変換式(1)>と他の処理との融合を
も行なうことができ、システムの最適化による高速化、
コンパクト化が実現されるとともに、システム当りのコ
ストパフォーマンスを高めることができる。なお、前記
した実施例において、色分解部は従来と同様の構成にな
っているが、本発明においては前記<階調変換式(1)>
を使用することにより高画質の複製画像が得られるた
め、従来のカラーコレクション(CC)部9、USR/
UCA部10を省略した色分解部としてもよい。また、
本発明に直接関係のない例えばボケマスクやシャープネ
ス効果などを得るための構成については、前記した画像
形成装置に関する実施例では説明を省略しているが、こ
れらの他の効果を得るための構成を付加してもよいこと
はいうまでもないことである。
【0118】
【発明の効果】本発明は、次のような優れた効果を奏す
るものである。 1).複製画像を製作するうえで最も基本的な要素技術で
ある、連続階調画像などの原稿画像上の所定の画素の濃
度値と製作される複製画像(画素の分布によって記録さ
れる画像)上の対応する画素の階調強度値との相関関係
を決めるにあたり、従来は専ら作業者の経験と勘、ある
いは限られた数の前定条件の資料に基づくという非合理
的な方法によるものであった。これに対して、本発明で
は、どのような予件の下にあっても、これを<階調変換
式(1)>のもとで合理的に決定することができる。
【0119】2).連続階調画像などの原稿画像を画素の
分布による複製画像に変換するとき、最も重要な要素技
術である階調の管理(階調の変換、修正または変更)の
如何は、単に画像の濃度階調のみに止まらず、画像の色
調にも直接的に深い係り合いをもっている。このため、
本発明により濃度階調と色調を同時に合理的に管理する
ことができる。
【0120】3).階調の調整機構に本発明の<階調変換
式(1)>のアルゴリズムを採り入れた画像形成装置は、
色分解作業と階調変換作業を理論的、合理的に体系化
し、その作業を単純化することができ、その効果は極め
て大きなものである。
【0121】4).画像形成装置の画像情報検出部の中に
検出系の光電変換素子の特性による画像情報の劣化(変
質)を防止する手段を採り入れること、及び<階調変換
式(1)>のアルゴリズムを画像形成装置の階調調整機構
に採り入れることにより、画像形成装置が合理化、簡素
化され、製造コストを低減させることが可能である。ま
た、操作も簡易化、明確化され、作業のやり直し(re-m
ake)を極端に少なくし、消耗資材の消費を大幅に節約
して、画像形成装置の性能を大幅に向上させることがで
きる。特に、画像形成装置の性能において、原稿画像の
品質がどのようなものであれ、濃度階調や色調に優れた
複製画像を形成できるという大きなメリットを有する。
【0122】5).<階調変換式(1)>のアルゴリズムを
採り入れた階調調整機構により、原稿画像の画像情報と
切り離して合理的に、かつ簡便に画素の分布による記録
画像の品質の評価基準を規定することができる。従っ
て、顧客の多様化したニーズに合理的に対応することが
できる。
【0123】6).<階調変換式(1)>を採用することに
より、現在、プリンタやコピーなどの画像製作機器の高
度化にともなって必要とされる技術者の教育、訓練を<
階調変換式(1)>の運用を通じて効果的に行なうことが
でき、かつ日常作業における無用な労力を省き、新しい
創造的開発に向ける時間的余裕を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、カラーフィルムの写真濃度特性曲線
を示す。
【図2】 図2は、図1の写真濃度特性曲線に基づいて
設定されたX軸色分解カーブ(本発明の階調変換におい
て使用されるもの)を示す。
【図3】 図3は、図1の濃度特性曲線に基づいて設定
されたD軸色分解カーブ(従来例の階調変換において使
用されるもの)を示す。
【図4】 図4(a)は、連続階調を有する原稿画像を
画素ブロック内での単位画素の分布によって濃度階調を
表現する例を示し、図4(b)は、図4(a)に対応す
る写真製版において網点の大きさで濃度階調を表現する
例を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施例の画像形成装置のブロッ
ク図である。
【図6】 本発明の第2実施例の画像形成装置のブロッ
ク図である。
【図7】 本発明の第3実施例の画像形成装置のブロッ
ク図である。
【図8】 本発明の第4実施例の画像形成装置のブロッ
ク図である。
【図9】 本発明の第5実施例の画像形成装置のブロッ
ク図である。
【図10】 本発明の画像形成装置に適用される静電記
録式における画像形成部の説明図である。
【符号の説明】
1 ……… 画像情報検出部 2 ……… 色分解部 3 ……… 階調調整部 4 ……… 出力部 5 ……… 原稿画像

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報検出部と階調調整部を有する原
    稿画像から複製画像を形成するための画像形成装置にお
    いて、 (i).画像形成装置の画像情報検出部を、 (i)-1.原稿画像から前記検出部に入力される光量に相関
    した画像情報値(X'n)と前記検出部から出力される濃
    度に相関した画像情報値(D'n)との関係を規定する前
    記検出部の光電変換特性曲線を利用して、原稿画像の濃
    度に相関した画像情報値(D'n)から前記検出部に入力
    される光量に相関した画像情報値(X'n)を得るように
    構成するとともに、 (i)-2.前記光量に相関した画像情報値(X'n)を、所定
    の特性曲線[濃度に相関した画像情報値(Dn )と光量
    に相関した画像情報値(Xn )との関係を規定する曲
    線]を有する記録媒体上に記録された原稿画像の濃度に
    相関した画像情報値(Dn )とみなし、かつ前記記録媒
    体の特性曲線を利用して原稿画像を記録するために前記
    記録媒体に入力される光量に相関した画像情報値(X
    n )を得るように構成するとともに、 (ii).画像形成装置の階調調整部を、前記のようにして
    求めた原稿画像を記録するために前記記録媒体に入力さ
    れる光量に相関した画像情報値(Xn )を、下記<階調
    変換式(1)>により階調調整のための階調強度値(y
    値)に変換するように構成すること、を特徴とする、原
    稿画像から階調の再現性に優れた複製画像を形成するた
    めの画像形成装置。 <階調変換式(1)> y=yH +[α(1−10-kx )/(α−β)]・(y
    S −yH ) 但し、上記<階調変換式(1)>において、各記号は、以
    下のことを意味する。 x: (Xn −XHn)を示す。これは、前記記録媒体の
    特性曲線を利用して原稿画像上の任意の画素(n点)の
    濃度情報値(Dn 値)より求めた対応する画素の光量に
    相関した画像情報値(Xn )から、原稿画像上の最明部
    (H部)の濃度情報値(DHn)より前記記録媒体の特性
    曲線を利用して求めた対応する最明部(H部)の光量に
    相関した画像情報値(XHn)を差し引いた基礎光量値で
    ある。 y: 原稿画像上の任意の画素に対応した複製画像上の
    画素に設定される階調強度値。 yH : 原稿画像上の最明部(H部)に対応した複製画
    像上の最明部(H部)に予め設定される階調強度値。 yS : 原稿画像上の最暗部(S部)に対応した複製画
    像上の最暗部(S部)に予め設定される階調強度値。 α: 複製画像を形成させるための画像表現媒体の表面
    反射率。 β: β=10により決定される数値。 k: k=γ/(XSn−XHn) 但し、(XSn)は、原稿画像上の最暗部(S部)の濃度
    情報値(DSn)より前記記録媒体の特性曲線を利用して
    求めた対応する最暗部(S部)の光量に相関した画像情
    報値(XSn)を示す。 γ: 任意の係数。
  2. 【請求項2】 画像情報検出部が、フォトマル、フォト
    ダイオード、あるいはCCDなどの光電変換素子で構成
    される請求項1に記載の複製画像を形成するための画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 原稿画像の記録媒体が、写真用感光材料
    であり、かつその特性曲線が写真濃度特性曲線である請
    求項1に記載の複製画像を形成するための画像形成装
    置。
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