JPH1188004A - マイクロ波回路 - Google Patents

マイクロ波回路

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JPH1188004A
JPH1188004A JP9238159A JP23815997A JPH1188004A JP H1188004 A JPH1188004 A JP H1188004A JP 9238159 A JP9238159 A JP 9238159A JP 23815997 A JP23815997 A JP 23815997A JP H1188004 A JPH1188004 A JP H1188004A
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voltage
bias
phase shifter
switch fet
gate bias
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JP9238159A
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Yoshinobu Sasaki
善伸 佐々木
Yasuharu Nakajima
康晴 中島
Takanari Maruyama
隆也 丸山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/18Phase-shifters
    • H01P1/185Phase-shifters using a diode or a gas filled discharge tube
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/08Coupling devices of the waveguide type for linking dissimilar lines or devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q23/00Antennas with active circuits or circuit elements integrated within them or attached to them

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  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移相器としてのマイクロ波回路100におい
て、システム側の電源の都合で、移相量を切り替えるス
イッチFET素子の制御電圧が制限される場合であって
も、スイッチFET素子のゲートバイアスのオフレベル
がピンチオフ電圧に比べて深いことによる移相器出力の
立ち上がり遅延を抑制する。 【解決手段】 外部システムの電源電圧により形成され
た上記スイッチFET素子50a〜50dの制御電圧に
波形変換処理を施して、上記スイッチFET素子のゲー
トバイアスを生成するバイアス調整回路101a〜10
1dを備え、上記スイッチFET素子のゲートバイアス
のオフレベルを、そのピンチオフ電圧に近い値とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波回路に
関し、特にスイッチFET素子のオンオフ動作によりマ
イクロ波入力信号の位相を変化させる移相器における、
該スイッチFET素子を制御するゲートバイアスの波形
変換に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から移相器は、フェーズドアレイア
ンテナ等を構成する回路の1つとして用いられている。
図13は、従来のフェーズドアレイアンテナの構成を概
略的に示すブロック図である。図において、200は複
数のアンテナ素子211〜214を有するフェーズドア
レイアンテナであり、該アンテナ200から出射あるい
は入射される電波の方向Dを、各アンテナ素子211〜
214から出射あるいは入射される電波の位相を調整す
ることにより変化させる構成となっている。
【0003】このアンテナ200は、各アンテナ素子2
11〜214から出射あるいは入射されるマイクロ波を
増幅する、各アンテナ素子211〜214に対応する増
幅器221〜224と、各アンテナ素子211〜214
から出射あるいは入射されるマイクロ波の位相を調整す
る、各アンテナ素子211〜214に対応する移相回路
231〜234とを有している。また、該各移相回路2
31〜234は、対応する方向性結合器251〜254
を介して信号源260及び受信機270に接続されるよ
うになっている。
【0004】さらに、上記アンテナ200は、上記移相
回路及び方向性結合器を制御する制御回路240を有し
ている。つまり、この制御回路240は、上記各移相回
路231〜234における移相量をそれぞれ5ビットの
制御信号Pc1〜Pc4により調整するとともに、上記
各移相回路と信号源260との接続、各移相回路と受信
器270との接続の切替を制御信号Kcにより切り換え
る構成となっている。
【0005】なお、図13では説明の都合上、フェーズ
ドアレイアンテナとして、4つのアンテナ素子を有する
ものを示しているが、実際のフェーズドアレイアンテナ
では、さらに多数のアンテナ素子を有していることは言
うまでもない。
【0006】図14は、上記各移相回路の具体的な回路
構成を示している。図に示すように、上記各移相回路2
31〜234は、移相量が異なる第1〜第5の5つのス
イッチドライン型移相器230a〜230eから構成さ
れている。ここで、上記移相量は、各移相器にてマイク
ロ波の位相を変化させたときの、位相変化の前後におけ
る移相器出力の位相差である。なお、図中、23a,2
3bは移相回路の入力端子,出力端子である。
【0007】ここで、上記第1の移相器230aは、電
気長がλ/32(λは伝搬するマイクロ波の波長)だけ
異なる第1,第2の伝送線路13,14と、該両伝送線
路の一方の入力端を選択する入力側スイッチ11と、該
両伝送線路の一方の出力端を選択する出力側スイッチ1
2とから構成されている。また、第2〜第5の移相器2
30b〜230eも、上記第1の移相器230aとほぼ
同様な構成となっている。ただし、上記第2の移相器2
30bでは、第1の伝送線路と第2の伝送線路との電気
長の差がλ/16、上記第3の移相器230cでは、第
1の伝送線路と第2の伝送線路との電気長の差がλ/
8、上記第4の移相器230dでは、第1の伝送線路と
第2の伝送線路との電気長の差がλ/4、上記第5の移
相器230eでは、第1の伝送線路と第2の伝送線路と
の電気長の差がλ/2となっている。
【0008】また、各移相器の入力側及び出力側スイッ
チ11,12は、上記各移相回路の制御信号としてのス
イッチ制御信号Pca〜Pceにより切替制御されるよ
うになっている。
【0009】このような構成の移相回路では、11.2
5°〜348.75°の範囲にわたって、上記5ビット
の制御信号により11.25°毎にマイクロ波入力の位
相を変化させることができる。
【0010】図11(a) は上記スイッチドライン型移相
器の詳細な構成を示す。なお、上記第1〜第5の移相器
230a〜230eは、図14で説明したように、移相
量のみ異なる構成となっているので、図11(a) では、
説明の都合上、各移相器230a〜230eを区別せず
に移相器230とする。
【0011】上記移相器230は、高周波入力端子(R
F入力端子)2と第1の伝送線路13の入力端との間に
接続された第1の入力側FET素子50aと、上記RF
入力端子2と第2の伝送線路14の入力端との間に接続
された第2の入力側FET素子50cとからなる入力側
スイッチ11を有する。また上記移相器230は、高周
波出力端子(RF出力端子)3と第1の伝送線路13の
出力端との間に接続された第1の出力側FET素子50
bと、該RF出力端子3と第2の伝送線路14の出力端
との間に接続された第2の出力側FET素子50dとか
らなる出力側スイッチ12を有している。
【0012】ここで、上記移相器を構成する各素子は、
MMIC(マイクロ波モノリシックIC)の基板上に形
成されるため、上記スイッチFET素子としてはGaA
sMESFETが用いられる。また、上記各スイッチF
ET素子50a〜50dのソース及びドレインに印加さ
れるバイアス電圧は、外部システム(フェーズドアレイ
アンテナの制御回路)の電源の制約からその電源電圧
(5V)が印加されている。なお、上記基板上に形成さ
れるFET素子では、そのソース,ドレイン間には実質
的にインダクタLが存在することとなるため、図11に
示すように、上記移相器を構成する4つのスイッチFE
T素子のうちの1つ(ここではスイッチFET素子50
d)のソースにバイアス抵抗1を介して上記システムの
電源電圧(5V)を印加することにより、上記各スイッ
チFET素子のソース,ドレインの電位を5Vに設定し
ている。
【0013】そして、上記従来の移相器230では、各
スイッチFET素子のゲート端子5a〜5dには、該F
ET素子をオン状態とするオン電位として5Vを、該F
ET素子をオフ状態とするオフ電位として0Vを印加す
るようにしている。
【0014】次に動作について説明する。このような構
成のフェーズドアレイアンテナ200では、信号源26
0で発生されたマイクロ波信号が各方向性結合器251
〜254を介して各移相回路231〜234に供給され
ると、マイクロ波信号は、各移相回路にて所定の移相量
だけ位相を進めたりあるいは遅らせたりする処理が施さ
れて、各増幅器221〜224に供給される。そして各
増幅器にて増幅されたマイクロ波信号は、各アンテナ素
子211〜214から空中に放射される。
【0015】このとき、上記アンテナ200から放射さ
れるマイクロ波の進行方向は、各アンテナ素子からの放
射される複数のマイクロ波の同一位相点を含む波面Wに
垂直な方向Dとなる。つまりアンテナ200からはマイ
クロ波が方向Dに向けて放射される。このマイクロ波の
放射方向Dは、上記各移相回路231〜234にて制御
信号Pc1〜Pc4により設定された移相量に応じた方
向となる。
【0016】また、上記フェーズドアレイアンテナ20
0には、目標物にて反射されて上記方向Dから戻ってく
る放射電波のみが入射する。この入射電波は、各アンテ
ナ素子211〜214を介して各増幅器221〜224
に供給され、各増幅器で増幅された入射電波は、方向性
結合器251〜254を介して受信装置270に供給さ
れる。
【0017】このようなマイクロ波の送受信動作にて、
上記各移相回路231〜234の各々を構成する移相器
230a〜230eの移相量を上記制御回路240から
の制御信号Pc1〜Pc4により制御することにより、
上記フェーズドアレイアンテナ200から出射あるいは
入射される電波の方向Dを所定の範囲にわたって変化さ
せて、フェーズドアレイアンテナ200におけるスキャ
ン動作を行うことができる。
【0018】次に上記移相回路及びこれを構成する各移
相器の動作について説明する。上記各移相回路231〜
234では、これを構成する移相器230a〜230e
での移相量が上記制御回路240により制御されてお
り、この状態で各移相回路231〜234の入力端子2
3aにRF信号(マイクロ波信号)が入力されると、各
移相回路の各移相器にて順次所定の移相量だけRF信号
の位相が変化することとなる。この結果、各移相回路で
は、それぞれ第1〜第5の移相器に設定されている移相
量の合計分だけRF信号の位相が変化する。
【0019】ここで、上記移相器230における移相量
の設定,つまり移相量の切替は、入力側スイッチ11及
び出力側スイッチ12を切り替えることにより行われ
る。
【0020】具体的には、RF入力端子2から入力され
たRF信号はスイッチドライン型移相器230における
第1,第2の伝送線路13,14のいずれかを伝送して
RF出力端子3から出力される。この際、例えば、第1
の入力側スイッチFET素子50aのゲート端子5a,
及び第1の出力側スイッチFET素子50bのゲート端
子5bに5Vを印加し、第2の入力側スイッチFET素
子50cのゲート端子5c,及び第2の出力側スイッチ
FET素子50dのゲート端子5dを0Vにすると、R
F信号は第1の伝送線路13を通る。一方、上記第1の
入力側,出力側スイッチFET素子のゲート端子5a,
5bへの印加電圧を0Vとし、第2の入力側,出力側ス
イッチFET素子のゲート端子5c,5dへの印加電圧
を5Vにすれば、RF信号は第2の伝送線路14を通
る。
【0021】従って、上記第1,第2の入力側スイッチ
FET素子及び第1,第2の出力側スイッチFET素子
のゲート端子5a,5c及び5b,5dへの印加電圧
を、切り替えることにより、入力されるRF信号の位相
を変化させることができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに従来のフェーズドアレイアンテナ200では、その
移相回路を構成する各移相器には、システム(アレイア
ンテナの制御回路)側の電源電圧を移相器の制御電圧と
している。つまり、各移相器のバイアス端子,つまり移
相器を構成するスイッチFET素子のゲート端子5a〜
5dへは、オン電圧として5Vを、オフ電圧として0V
を印加している。この場合、各スイッチFET素子をオ
フ状態とするバイアス(オフ電圧)がそのピンチオフ電
圧(ソース及びドレイン間での動作電流の流れが遮断さ
れる電圧)に比べてかなり深い電位(0V)となる。な
お、ピンチオフ電圧は、一般的にはソース及びドレイン
に印加されている電圧より1V程度低い4Vである。
【0023】このため、移相器における位相切り替え
時,つまり入力側及び出力側スイッチ11,12におけ
る第1,第2のスイッチFET素子のオンオフの切替時
に、移相器出力における位相変化が遅延するという問題
が生ずる。
【0024】例えば、図12(a) は、図11に示す移相
器230の出力における位相変化を示しており、図中、
L13は、第1の伝送線路13をマイクロ波入力が伝搬
するようスイッチFET素子50a〜50dが制御され
たときの移相器出力の位相、L14は第2の伝送線路1
4をマイクロ波入力が伝搬するようスイッチFET素子
50a〜50dが制御されたときの移相器出力の位相、
t1,t2は、それぞれ移相器における伝送線路の切替
タイミングである。また、グラフPh0は、理想的な移
相器出力の位相変化を、グラフPh1は、実際の移相器
出力の位相変化を示している。
【0025】この図から分かるように、実際の移相器で
は、その出力の位相が目標の位相になるまで、位相切替
タイミングから一定時間を要することが分かる。
【0026】また、図12(b) は、位相切替タイミング
における移相器の出力電力の変化を示しており、グラフ
Pout0は、上記切替タイミングt1からt2までの
移相器の出力電力の理想的な変化を示し、グラフPou
t1は、上記切替タイミングt1からt2までの移相器
の出力電力の実際の変化を示している。この図から、移
相器出力の位相切替わり時には、移相器の出力電力の立
ち上がりに遅延が生ずることが分かる。
【0027】また、上記のように従来の移相器で、出力
位相の切替時に出力電力の立ち上がりの遅延が生ずるの
は、移相器を構成するスイッチFET素子のゲートとソ
ース,ドレイン間に容量が存在することも原因となって
いる。
【0028】さらに、上記のような移相器での位相切替
時の出力が遅延するという問題の他に、FET素子のピ
ンチオフ電圧は一般的にロット間やウェハ面内でばらつ
くので、移相器出力の遅延の程度もばらつくという問題
もある。
【0029】なお、図11(b) は、図12(b) に示す移
相器の出力電圧の変化を測定する測定回路の構成を示し
ている。この測定回路300は、上記移相器230の出
力端子3に、入力ノード31と第1,第2の出力ノード
32a,32bを有する測定用スイッチ回路300aを
接続してなるものである。このスイッチ回路300aの
入力ノード31は上記出力端子3に接続され、その第1
の出力ノード32aが測定端子301に接続され、第2
の出力ノード32bは接地されている。またこのスイッ
チ回路300aは、上記移相器230のスイッチFET
素子の制御信号Pcにより制御される。つまり、上記ス
イッチ回路300aでは、上記移相器にて第2の伝送線
路14をマイクロ波が伝搬する状態となったとき、上記
入力ノード31が出力ノード32aにつながり、上記移
相器にて第1の伝送線路13をマイクロ波が伝搬する状
態となったとき、入力ノード31が出力ノード32bに
つながるようになっている。従って、上記測定端子30
1には、移相器230の第2の伝送線路14を伝搬した
マイクロ波の電力が、移相器の出力電力として表れるこ
ととなる。
【0030】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされるもので、位相切替時における出力電力の
立ち上がり遅延を抑制することができ、しかもFET素
子のピンチオフ電圧がロット間やウェハ面内でばらつく
ことによる出力電力の立ち上がり遅延時間のばらつきを
低減することができるマイクロ波回路を得ることを目的
とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係るマイクロ波回路は、電気長の異なる複数の伝送線路
と、該複数の伝送線路のうちの対応するものに接続さ
れ、ゲートバイアスによりオンオフする複数のスイッチ
FET素子と、外部システムの電源電圧により形成され
た上記スイッチFET素子の制御電圧に波形変換処理を
施して上記ゲートバイアスを生成する電圧波形変換手段
とを備え、マイクロ波入力信号が伝搬する伝送線路を上
記スイッチFET素子のオンオフ制御により選択してマ
イクロ波入力信号の位相を変化させるものである。
【0032】この発明(請求項2)は、請求項1記載の
マイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段を、直
列接続の第1及び第2の分圧抵抗素子を有し、上記制御
電圧を該両分圧抵抗素子により分圧して上記ゲートバイ
アスを発生する構成とし、上記各分圧抵抗素子の抵抗値
を、上記スイッチFET素子のソース及びドレインに上
記外部システムの電源電圧と同一の一定電位が印加され
た状態にて、該スイッチFET素子のピンチオフ電圧
と、上記ゲートバイアスの、該スイッチFET素子をオ
フ状態とするオフ電位との電位差が所定値となるよう設
定したものである。
【0033】この発明(請求項3)は、請求項1記載の
マイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段を、ダ
イオード接続のバイアスFET素子とバイアス抵抗素子
とを直列に接続してなる直列接続体を有し、上記制御電
圧を該両素子により分圧して上記ゲートバイアスを発生
する構成とし、上記ゲートバイアスの、上記スイッチF
ET素子をオフ状態とするオフ電位を、該オフ電位と該
スイッチFET素子のピンチオフ電圧との電位差が、プ
ロセスのばらつきによる該ピンチオフ電圧の変動分より
大きくなるよう設定したものである。
【0034】この発明(請求項4)は、請求項2記載の
マイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段を、上
記直列接続の第1,第2の分圧抵抗素子の接続点と、該
両分圧抵抗素子の、制御電圧が印加される端子との間に
並列に接続された、補助抵抗素子と容量素子とを直列接
続してなる補助回路を有する構成としたものである。
【0035】この発明(請求項5)は、請求項3記載の
マイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段を、イ
ンダクタ素子と補助抵抗素子とを直列接続してなる補助
回路を上記直列接続体に並列に接続し、該電圧波形変換
手段の出力である上記ゲートバイアスが、該スイッチF
ET素子をオフ状態とするオフ電位から、該スイッチF
ET素子をオン状態とするオン電位へ変化するとき、該
ゲートバイアスのオーバーシュートが生ずるよう構成し
たものである。
【0036】この発明(請求項6)は、請求項5記載の
マイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段を、上
記ゲートバイアスの、オーバーシュート部分の波形が、
該オーバーシュート部分の電位変化による上記スイッチ
FET素子の表面電荷の引き抜きに適した波形となるよ
う、該電圧波形変換手段を構成する素子の定数を設定し
たものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 実施の形態1.図1〜図3は本発明の実施の形態1によ
る、移相器としてのマイクロ波回路を説明するための図
であり、図1は上記移相器の基本構成を示す図、図2
(a) は該移相器の構成,図2(b) は該移相器におけるバ
イアス調整回路の具体的構成,図2(c) はバイアス調整
回路の動作波形を示している。
【0038】図において、100は本実施の形態1の移
相器であり、これは、図11に示す従来の移相器230
と同様、フェーズドアレイアンテナ200の移相回路2
31〜234を構成するものである。
【0039】上記移相器100は、従来の移相器230
と同様、電気長の異なる第1,第2の伝送線路13,1
4と、該第1,第2の伝送線路13の入力端に接続され
た第1,第2の入力側スイッチFET素子50a,50
cと、該第1,第2の伝送線路13の出力端に接続され
た第1,第2の出力側スイッチFET素子50b,50
dとを有している。ここでは、上記第1,第2の伝送線
路13,14及びスイッチFET素子50a〜50d
は、従来の移相器230と同一機能を有する移相器本体
4を構成している。なお、本実施の形態においても、従
来の移相器と同様、移相器100における各スイッチF
ET素子50a〜50dのソース及びドレインには、5
Vを印加するようにしており、このため各スイッチFE
T素子50a〜50dは、ゲートバイアスが5V付近に
達したときオン状態となり、ゲートバイアスが0Vにな
ると完全にオフ状態となるようになっている。
【0040】そして、本実施の形態1の移相器100
は、上記各スイッチFET素子50a〜50dに対応す
るバイアス調整回路(電圧波形変換手段)101a〜1
01dを有しており、各バイアス調整回路101a〜1
01dは、外部システム(フェーズドアレイアンテナの
制御回路)の電源電圧により形成された各スイッチFE
T素子50a〜50dの制御電圧をバイアス端子7a〜
7dに受け、該制御電圧に波形変換処理を施して該スイ
ッチFET素子のゲートバイアスを発生する構成となっ
ている。
【0041】上記バイアス調整回路101aは、そのバ
イアス端子7aと、上記スイッチFET素子50aのゲ
ート端子5aとの間に接続された第1の分圧抵抗素子1
1と、上記ゲート端子5aと電源端子6との間に接続さ
れた第2の分圧抵抗素子12とから構成されている。ま
た、その他のバイアス調整回路101b〜101dも、
上記バイアス調整回路101aと同様に、直列接続の第
1,第2の分圧抵抗素子11,12から構成されてお
り、第1の分圧抵抗素子11の一端がバイアス端子7b
〜7dに接続され、第2の分圧抵抗素子12の一端が電
源端子6に接続され、両分圧抵抗素子11,12の他端
がそれぞれスイッチFET素子50b〜50dのゲート
端子5b〜5dに接続されている。ここで、上記電源端
子6には5Vを印加するようにしている。
【0042】次に図2(b) ,(c) を用いて、上記各バイ
アス調整回路101a〜101dの機能について詳しく
説明する。なお、上記各バイアス調整回路101a〜1
01dは、全く同一の機能を有しているため、図2(b)
は、各回路を区別せずに、バイアス調整回路101とし
て説明する。図2(b) 中、5は上記各ゲート端子5a〜
5dに対応するゲート端子、7は上記各バイアス端子7
a〜7dに対応するバイアス端子であり、R1,R2は
それぞれ、第1,第2の分圧抵抗素子11,12の抵抗
値である。ここで、これらの抵抗値R1,R2は、R1
=2.5kΩ、R2=3.5kΩとしている。図2(c)
中、V0は上記外部システム(図13に示すアンテナの
制御回路240)からバイアス調整回路101のバイア
ス端子7に供給されるスイッチFET素子の制御電圧、
Vgはバイアス調整回路101から各スイッチFET素
子のゲート端子5に供給されるゲートバイアスである。
【0043】つまり、本実施の形態1のバイアス調整回
路101は、移相器外部のシステム側からバイアス端子
7に供給されたスイッチFET素子の制御電圧V0に波
形変換処理を施し、波形変換された制御電圧をゲートバ
イアスVgとして、上記スイッチFET素子のゲート5
に印加する。このゲートバイアスは、スイッチFET素
子をオン状態とするオンレベルが5V、スイッチFET
素子をオフ状態とするオフレベルが、ピンチオフ電圧
(4V付近)よりやや低い電位(3V程度)となってい
る。このため、本実施の形態の移相器100では、スイ
ッチFET素子はゲートバイアスとして0Vが印加され
てオフするのではなく、ゲートバイアスとして3Vが印
加されてオフするようになっている。
【0044】なお、本実施の形態においても、移相器を
構成する素子は、マイクロ波帯で動作するMMIC(マ
イクロ波モノリシックIC)上に構成されるため、FE
T素子としては、GaAsMESFETが用いられる。
【0045】次に作用効果について説明する。このよう
な構成の実施の形態1の移相器100では、上記バイア
ス端子7a〜7dにスイッチFET素子50a〜50d
の制御電圧V0が印加されると、上記バイアス調整回路
101a〜101dにより、オフレベルがピンチオフ電
圧よりやや低い電位となるゲートバイアスVgに変換さ
れて、上記移相器の各スイッチFET素子50a〜50
dに印加される。言い換えると、本実施の形態では、各
スイッチFET素子のゲートバイアスのオフレベルが従
来0Vであったものが、ピンチオフ電圧に比べて若干低
い(3V程度)となる。このため、スイッチFET素子
のオフ状態からオン状態への状態遷移に要する時間が短
縮され、これにより切替速度が速くなる。
【0046】例えば、図3は図12(b) と同様、移相器
における位相切替タイミングt1〜t2における、本実
施の形態の移相器の出力波形を示すものであり、図11
(b)に示す測定回路300と同様な構成の測定回路によ
り測定した結果を示している。Pout0は理想的な出
力波形、Pout2は、本実施の形態の移相器の出力波
形である。この図3から、従来の移相器230で位相切
替時に生じていた移相器出力の立ち上がり遅延(図12
(b) 参照)が、改善されているのが分かる。
【0047】このように本実施の形態1では、移相器に
おける位相切替時に生ずる移相器出力の立ち上がり遅延
を抑制することができる。
【0048】実施の形態2.図4は本発明の実施の形態
2による、移相器としてのマイクロ波回路を説明するた
めの図であり、該移相器におけるバイアス調整回路の構
成を示している。図において、102は本実施の形態2
の移相器におけるバイアス調整回路であり、このバイア
ス調整回路102は、実施の形態1のバイアス調整回路
における第1の分圧抵抗素子11に代えて、ダイオード
接続のバイアスFET素子8を備えたものであり、その
他の構成は実施の形態1のバイアス調整回路101と全
く同一である。
【0049】上記バイアスFET素子8は、上記移相器
100を構成する各スイッチFET素子50a〜50d
(図1参照)と同一プロセスにて形成される、該各スイ
ッチFET素子と同一種類のFET素子である。このバ
イアスFET素子8は、製造プロセスのばらつきによる
上記スイッチFET素子の特性変動により変化する移相
器の特性を、該バイアスFET素子8における製造プロ
セスのばらつきによるオン抵抗Ronの変動により補償
するばらつき補償回路を構成している。ここで、オン抵
抗値Ronとしては、例えばゲート幅400μmに対し
て10Ω程度としている。
【0050】次に作用効果について説明する。この実施
の形態2においても、上記バイアス端子7に印加される
スイッチFET素子の制御電圧V0は、上記バイアス調
整回路102により、オフレベルがピンチオフ電圧(4
V)よりやや低い電位(3V)となるゲートバイアスV
gに変換されて、上記移相器を構成する各スイッチFE
T素子に印加されることとなる。
【0051】このため移相器におけるスイッチFET素
子のオフ状態からオン状態への状態遷移に要する時間が
短縮され、これにより、移相器における位相切替時に生
ずる移相器出力の立ち上がり遅延を抑制することができ
る効果がある。
【0052】また、この実施の形態2では、移相器の製
造プロセスによる特性のばらつきを抑制できる効果があ
る。
【0053】簡単に説明すると、プロセスのばらつきに
より、移相器本体を構成するスイッチFET素子のピン
チオフ電圧は変化するが、バイアス調整回路102を構
成するバイアスFET素子8と、上記移相器本体におけ
るスイッチFET素子とは同じ種類のFET素子である
ので、該バイアスFET素子8のピンチオフ電圧の変動
と、上記スイッチFET素子のピンチオフ電圧の変動と
はほぼ同じ程度となる。
【0054】また、一般的にこれらのFET素子のピン
チオフ電圧が深くなる,つまりピンチオフ電圧とソー
ス,ドレイン電圧との電位差が大きくなるにつれて、F
ET素子のオン抵抗(Ron)は小さくなる傾向があ
る。例えば、スイッチFET素子のピンチオフ電圧が予
想しているものより深くなったとする。この場合、その
オン抵抗Ronは予想値より小さくなるので、バイアス
FET素子のオン抵抗値Ronと、第2の分圧抵抗素子
12の抵抗値R2による分圧比が変化し、第2の分圧抵
抗素子12にかかる電圧つまりゲートバイアスVgが大
きくなる。つまり、スイッチFET素子のピンチオフ電
圧が深くなったことによる移相器の特性変動が、バイア
スFET素子8のピンチオフ電圧が深くなることにより
補償されることとなる。
【0055】このように本実施の形態2では、バイアス
調整回路を、その種類及び製造プロセスが同一である補
償用FET素子を含む構成としたので、移相器本体4を
構成するスイッチFET素子のピンチオフ電圧が製造プ
ロセスの変動により変化しても、該スイッチFET素子
のバイアス電圧を、これとピンチオフ電圧の差がほぼ一
定に保たれるよう補償用FET素子のオン抵抗が変化す
ることとなる。これによりオフ時のバイアスVgがピン
チオフ電圧より、ある一定の値だけ深い、望ましい状態
を、製造プロセス変動に拘わらず保持することが可能と
なり、移相器の製造歩留りを向上することができる。
【0056】実施の形態3.図5は本発明の実施の形態
3による、移相器としてのマイクロ波回路を説明するた
めの図であり、図5(a) は、上記移相器を構成するバイ
アス調整回路を示している。
【0057】図において、103は本実施の形態3の移
相器を構成するバイアス調整回路であり、このバイアス
調整回路103は、上記実施の形態1のバイアス調整回
路101における第1の抵抗素子11と並列に接続され
たスピードアップ回路9を備えたものである。このスピ
ードアップ回路9は、容量素子9aと抵抗素子9bとを
直列に接続してなる構成となっている。その他の構成
は、実施の形態1のバイアス調整回路101と同一であ
る。
【0058】次に作用効果について説明する。一般には
スイッチFET素子のゲート端子5と電源端子6との間
には、寄生容量C1が存在するため、図6(a) に示すよ
うに、制御電圧V0の変化に対する実際のゲートバイア
スVgrの変化は、その理想的なゲートバイアスVgi
に比べて遅れることとなる。この結果、図6(b) に示す
ように、実際の移相器出力Pout3の変化は、理想的
な移相器出力Pout0の変化に対して遅れる。
【0059】これに対し、本実施の形態3のバイアス調
整回路103は、図5(a) に示すようにスピードアップ
回路9を備えているため、このバイアス調整回路103
では、上記寄生容量C1を無視した場合、制御電圧V0
がレベル変化したとき、該回路103の出力V1は、図
6(c) に示すように、レベル変化前のレベルから、制御
電圧のレベル変化分(5V)に相当する電位差だけ変化
することとなる。実際は、上記ゲート端子に寄生容量C
1が存在するので、この出力V1の急峻な変化が、実際
のゲート端子に付く寄生容量C1の影響を打ち消すこと
となる。これにより、寄生容量C1に起因するゲートバ
イアスVgrの変化の遅れが低減され、位相切替時t
1,t2における移相器出力の変化を、理想的なものに
近づけることができる。
【0060】なお、上記実施の形態3では、実施の形態
1のバイアス調整回路101の第1の分圧抵抗素子11
にスピードアップ回路9を接続したものを示したが、ス
ピードアップ回路9は、図5(b) に示すように、実施の
形態2のバイアス調整回路102におけるばらつき補償
回路を構成するバイアスFET素子8に接続してもよ
い。
【0061】実施の形態4.図7は本発明の実施の形態
4による、移相器としてのマイクロ波回路を説明するた
めの図であり、上記移相器を構成するバイアス調整回路
を示している。
【0062】図において、104は本実施の形態4の移
相器を構成するバイアス調整回路であり、このバイアス
調整回路104は、上記実施の形態3のバイアス調整回
路103の電源端子6とバイアス端子7との間に、抵抗
素子10aを介してリンギングインダクタ10を接続し
たものである。その他の構成は、実施の形態3のバイア
ス調整回路103と同一である。
【0063】次に作用効果について説明する。一般的に
FET素子のソース,ドレイン間抵抗の特性は、図8
(a) に示すように、ソース,ドレイン間抵抗Rsdがゲ
ートバイアスVgの切替タイミングt1から所定時間遅
れて切り替わる特性となっている。この原因の1つとし
て、FET素子のゲート電極付近に存在する表面負電荷
の影響が考えられる。
【0064】例えば、図8(a) に示すように、ゲートバ
イアスVgがオフレベルからオンレベルに変化する場
合、図8(b) ,(c) に示すように、空乏層の縮まりの度
合いがゲートバイアスVgの変化に比べて遅れる。図8
(b) はゲートバイアスがオフレベルである時のFET素
子のゲート付近に存在する表面電荷53の密度及び空乏
層52の拡がりを示しており、図8(c) は、ゲートバイ
アスがオフレベルからオンレベルに変化した直後におけ
る、FET素子のゲート付近に存在する表面電荷53の
密度及び空乏層52の拡がりを示している。これらの図
8(b) ,(c) から分かるように、ゲートバイアスVgの
変化後、表面電荷53が完全に抜けるまでは空乏層52
は完全に消失せず、このため、制御電圧V0の波形とほ
ぼ同様な波形を持つゲートバイアスVgによりスイッチ
FET素子をオンオフ制御した場合、制御電圧V0の変
化に対してソース,ドレイン間抵抗Rsdの変化が遅れ
ることとなる。
【0065】このように、ソース・ドレイン間抵抗Rs
dの変化が制御電圧V0の変化に比べて遅れることか
ら、実際の移相器出力Pout4の変化もやはり、図9
に示すように、制御電圧V0の変化に対応した理想的な
移相器出力Pout0の変化に比べて遅れる。
【0066】本実施の形態4の移相器におけるバイアス
調整回路104は、このような問題に対する対策を講じ
たものである。つまり、本実施の形態7のバイアス調整
回路104では、第1,第2の分圧抵抗素子11,12
と並列にリンギングインダクタ10を接続している。こ
のため、バイアス端子7に入力された制御電圧V0は、
バイアス調整回路104にて図10(a) に示すような、
そのピーク値が制御電圧V0の最大値(5V)をはるか
に超えた鋭いバルス状立ち上がり部(オーバーシュート
部)を有するゲートバイアスVg4に変換されることと
なる。
【0067】このようなオーバーシュート部を有するゲ
ートバイアスVg4をFET素子に印加するようにした
場合、制御電圧V0が変化したとき、ゲートバイアスV
g4は制御電圧の変化に比べて遙かに急峻な変化をする
こととなり、この急峻なゲートバイアスの変化により、
ゲート付近の表面負電荷の引き抜きが効果的に行われ、
ソース,ドレイン間抵抗Rsdの変化は図10(b) に示
すように制御電圧V0の変化に対応したものとなる。つ
まり、制御電圧V0の変化に対してソース,ドレイン間
抵抗Rsdの変化が表面電荷の影響により遅れるのを抑
制することができる。この結果、移相器出力の変化が制
御電圧の変化に対して遅れるのを抑制することができ
る。
【0068】また、本実施の形態4では、バイアス調整
回路104を構成する素子の定数を、上記オーバーシュ
ート部の波形が、該オーバーシュート部分の電位変化に
よる上記FET素子の表面負電荷の引き抜きに適した波
形となるよう設定することにより、移相器の出力波形
を、上記制御電圧V0の変化に対応した理想的な出力波
形とすることができる。
【0069】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係
るマイクロ波回路によれば、電気長の異なる複数の伝送
線路と、そのオン状態とオフ状態の切り替わりにより、
マイクロ波入力を伝搬させる伝送線路を選択する、各伝
送線路に対応するスイッチFET素子とを備えるととも
に、外部システムの電源電圧により形成された上記スイ
ッチFET素子の制御電圧に波形変換処理を施して、上
記スイッチFET素子のゲートバイアスを生成する電圧
波形変換手段を備えたので、システム側の電源の都合に
より、移相量を切り替えるスイッチFET素子の制御電
圧が制限される場合であっても、該FET素子のオフレ
ベル(オフ時のゲート電圧)をピンチオフ電圧に近い電
位に設定することができ、これによりオフレベルがピン
チオフ電圧に比べて深いことによる移相器出力の立ち上
がり遅延を抑制することができる。
【0070】この発明(請求項2)によれば、請求項1
記載のマイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段
を、直列接続の第1,第2の分圧抵抗素子を有し、上記
制御電圧を該両抵抗素子により分圧して上記ゲートバイ
アスを発生する構成としたので、抵抗素子のみからなる
簡単な回路構成により電圧波形変換手段を実現すること
ができる。
【0071】この発明(請求項3)によれば、請求項2
記載のマイクロ波回路において、上記電圧波形変換手段
を、ダイオード接続のバイアスFET素子とバイアス抵
抗素子とを直列に接続してなる直列接続体を有し、上記
制御電圧を上記両素子により分圧してゲートバイアスを
発生する構成としたので、上記スイッチFET素子のピ
ンチオフ電圧が製造プロセスのばらつきにより変動して
も、この変動による該スイッチFET素子のゲートバイ
アスとピンチオフ電圧との電位差の変動が、上記製造プ
ロセスのばらつきによるバイアスFET素子のオン抵抗
の変動により抑制されることとなる。これにより上記ス
イッチFET素子のオフバイアスがピンチオフ電圧より
一定値だけ深い望ましい状態を、製造プロセスのばらつ
きに拘わらず維持することができ、移相器としてのマイ
クロ波回路の製造歩留りを向上することができる。
【0072】この発明(請求項4)によれば、請求項2
記載のマイクロ波回路において、上記直列接続の第1,
第2の分圧抵抗素子の接続点と、該両分圧抵抗素子の、
制御電圧が印加される端子との間に並列に接続された、
補助抵抗素子と補助容量素子とを直列に接続してなる補
助回路を備えたので、上記ゲートバイアスのオンレベル
とオフレベルとの差電圧が、制御電圧のオンレベルとオ
フレベルとの差電圧より小さくなるようゲートバイアス
の波形変換処理を行った場合でも、ゲートバイアスのレ
ベル切替時には、ゲートバイアスは容量素子によって一
時的に制御電圧の差電圧だけ変化することとなる。これ
によりスイッチFET素子のゲートに付く容量成分によ
るゲートバイアスの立ち上がり遅延を低減することがで
きる。
【0073】この発明(請求項5)によれば、請求項3
記載のマイクロ波回路において、インダクタ素子と抵抗
素子とを直列に接続してなる補助回路を、上記バイアス
FET素子とバイアス抵抗素子の直列接続体に並列に接
続し、上記ゲートバイアスがオフ電位からオン電位へ変
化するとき、該ゲートバイアスのオーバーシュートが生
ずるようにしたので、ゲートバイアスのレベル切替時に
は、ゲートバイアスは上記インダクタ素子により鋭いパ
ルス状に立ち上がることとなり、これによりゲートバイ
アスの変化に対するスイッチFET素子のソース,ドレ
イン間抵抗の変化の遅れを小さくすることができる。
【0074】この発明(請求項6)によれば、請求項5
記載のマイクロ波回路において、上記ゲートバイアスの
オーバーシュート部分の波形が、この部分の電位変化に
よる上記スイッチFET素子の表面電荷の引き抜きに適
した波形となるよう、電圧波形変換手段を構成する素子
の定数を設定したので、移相器としての出力電力波形
を、上記スイッチFET素子のゲートバイアスの変化に
対応した理想的なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による、移相器として
のマイクロ波回路の概略構成を示す図である。
【図2】上記実施の形態1の移相器を説明するための図
であり、図(a) は該移相器の構成,図(b) は該移相器に
おけるバイアス調整回路の具体的構成,図(c) はバイア
ス調整回路の動作波形を示している。
【図3】上記実施の形態1の移相器の出力波形を示す図
である。
【図4】本発明の実施の形態2による、移相器としての
マイクロ波回路を説明するための図であり、該移相器を
構成するバイアス調整回路を示している。
【図5】本発明の実施の形態3による、移相器としての
マイクロ波回路を説明するための図であり、図(a) は該
移相器におけるバイアス調整回路、図(b) はその変形例
によるバイアス調整回路を示している。
【図6】上記実施の形態3の移相器の出力波形(図(b)
),移相器におけるバイアス調整回路の出力変化の遅
れ(図(a) )、該出力変化の遅れの改善(図(c) )を示
す図である。
【図7】本発明の実施の形態4による、移相器としての
マイクロ波回路を説明するための図であり、該移相器に
おけるバイアス調整回路を示している。
【図8】上記実施の形態4の移相器におけるスイッチF
ET素子の動作波形(図(a) )及び該スイッチFET素
子の空乏層の変化(図(b) ,(c) )を示す図である。
【図9】上記実施の形態4の移相器におけるバイアス調
整回路の出力波形を示す図である。
【図10】上記実施の形態4の移相器におけるバイアス
調整回路の出力波形(図(a) )、及び該移相器における
スイッチFET素子のソース,ドレイン間抵抗の変化
(図(b) )を示す図である。
【図11】従来の移相器の説明図であり、図(a) は移相
器の回路構成、図(b) は移相器の出力出力波形の測定回
路を示している。
【図12】従来の移相器の動作を説明するための波形図
であり、図(a) は移相器出力の位相変化、図(b) は移相
器の出力電力波形を示している。
【図13】従来のフェーズドアレイアンテナを説明する
ための図である。
【図14】従来のフェーズドアレイアンテナを構成する
移相回路を示す図である。
【符号の説明】
2 RF入力端子、3 RF出力端子、5a〜5d ゲ
ート端子、6 つり上げ電源端子、7a〜7d バイア
ス端子、8 ばらつき補償回路、9 スピードアップ回
路、10 リンギングインダクタ、11,12 第1,
第2の分圧抵抗素子、13,14 第1,第2の伝送線
路、50a〜50d スイッチFET素子、100,2
30,230a,230d 移相器、101〜104
バイアス調整回路、200 フェーズドアレイアンテ
ナ、211〜214 アンテナ素子、231〜234
移相回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気長の異なる複数の伝送線路と、 該複数の伝送線路のうちの対応するものに接続され、ゲ
    ートバイアスによりオンオフする複数のスイッチFET
    素子と、 外部システムの電源電圧により形成された上記スイッチ
    FET素子の制御電圧に波形変換処理を施して上記ゲー
    トバイアスを生成する電圧波形変換手段とを備え、 マイクロ波入力信号が伝搬する伝送線路を上記スイッチ
    FET素子のオンオフ制御により選択してマイクロ波入
    力信号の位相を変化させることを特徴とするマイクロ波
    回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマイクロ波回路におい
    て、 上記電圧波形変換手段は、 直列接続の第1及び第2の分圧抵抗素子を有し、上記制
    御電圧を該両分圧抵抗素子により分圧して上記ゲートバ
    イアスを発生する構成としたものであり、 上記各分圧抵抗素子の抵抗値は、上記スイッチFET素
    子のソース及びドレインに上記外部システムの電源電圧
    と同一の一定電位が印加された状態にて、該スイッチF
    ET素子のピンチオフ電圧と、上記ゲートバイアスの、
    該スイッチFET素子をオフ状態とするオフ電位との電
    位差が所定値となるよう設定されていることを特徴とす
    るマイクロ波回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマイクロ波回路におい
    て、 上記電圧波形変換手段は、 ダイオード接続のバイアスFET素子とバイアス抵抗素
    子とを直列に接続してなる直列接続体を有し、上記制御
    電圧を該両素子により分圧して上記ゲートバイアスを発
    生する構成としたものであり、 上記ゲートバイアスの、上記スイッチFET素子をオフ
    状態とするオフ電位は、該オフ電位と該スイッチFET
    素子のピンチオフ電圧との電位差が、プロセスのばらつ
    きによる該ピンチオフ電圧の変動分より大きくなるよう
    設定されていることを特徴とするマイクロ波回路。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のマイクロ波回路におい
    て、 上記電圧波形変換手段は、 上記直列接続の第1,第2の分圧抵抗素子の接続点と、
    該両分圧抵抗素子の、制御電圧が印加される端子との間
    に並列に接続された、補助抵抗素子と容量素子とを直列
    接続してなる補助回路を有することを特徴とするマイク
    ロ波回路。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のマイクロ波回路におい
    て、 上記電圧波形変換手段は、 インダクタ素子と補助抵抗素子とを直列接続してなる補
    助回路を上記直列接続体に並列に接続し、該電圧波形変
    換手段の出力である上記ゲートバイアスが、該スイッチ
    FET素子をオフ状態とするオフ電位から、該スイッチ
    FET素子をオン状態とするオン電位へ変化するとき、
    該ゲートバイアスのオーバーシュートが生ずるよう構成
    したことを特徴とするマイクロ波回路。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のマイクロ波回路におい
    て、 上記電圧波形変換手段は、上記ゲートバイアスの、オー
    バーシュート部分の波形が、該オーバーシュート部分の
    電位変化による上記スイッチFET素子の表面電荷の引
    き抜きに適した波形となるよう、該電圧波形変換手段を
    構成する素子の定数を設定したものであることを特徴と
    するマイクロ波回路。
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