JPH1187987A - 電磁波シールド用透明部材とその製造方法 - Google Patents
電磁波シールド用透明部材とその製造方法Info
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- JPH1187987A JPH1187987A JP25757097A JP25757097A JPH1187987A JP H1187987 A JPH1187987 A JP H1187987A JP 25757097 A JP25757097 A JP 25757097A JP 25757097 A JP25757097 A JP 25757097A JP H1187987 A JPH1187987 A JP H1187987A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた電磁波シールド性と高い透明性を有す
る網の目状電磁波シールド用透明部材とその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 前記部材は、透明基体(1)上に、Tt
50%以上になるように網の目状に、物理的薄膜形成手
段によりなる銅又はその合金の薄膜層(2)とメッキ手
段によりなる銅層(3)が順次積層されている。また更
に該銅層の上に褐色〜黒色の着色層(4)が設けられて
いる。これらの部材の製造方法は、例えば透明基体とし
てPETフィルムを用いて、この片面に銅をスパッタリ
ング法によって、厚さ50Å〜1μmの銅薄膜層を設
け、次にその上に銅を電解メッキして厚さ1〜15μm
の銅層を設けて、最後にフォトエッチング法によって、
網の目(例えば格子)状導電パターン化を行う。また該
銅層の表面を酸化処理して酸化銅にかえることで、褐色
〜黒色に着色した該導電パターンとすることができる。
る網の目状電磁波シールド用透明部材とその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 前記部材は、透明基体(1)上に、Tt
50%以上になるように網の目状に、物理的薄膜形成手
段によりなる銅又はその合金の薄膜層(2)とメッキ手
段によりなる銅層(3)が順次積層されている。また更
に該銅層の上に褐色〜黒色の着色層(4)が設けられて
いる。これらの部材の製造方法は、例えば透明基体とし
てPETフィルムを用いて、この片面に銅をスパッタリ
ング法によって、厚さ50Å〜1μmの銅薄膜層を設
け、次にその上に銅を電解メッキして厚さ1〜15μm
の銅層を設けて、最後にフォトエッチング法によって、
網の目(例えば格子)状導電パターン化を行う。また該
銅層の表面を酸化処理して酸化銅にかえることで、褐色
〜黒色に着色した該導電パターンとすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された電磁波シ
ールド用透明部材とその製造方法に関する。該部材はプ
ラズマディスプレイ等種々の電子情報機器の部材として
有効に活用される。
ールド用透明部材とその製造方法に関する。該部材はプ
ラズマディスプレイ等種々の電子情報機器の部材として
有効に活用される。
【0002】
【従来の技術】各種電子情報機器から発せられる電磁
波、逆に他から受ける電磁波は、該機器の誤動作を招く
ものとして問題になっている。
波、逆に他から受ける電磁波は、該機器の誤動作を招く
ものとして問題になっている。
【0003】電磁波障害を除去する手段には、電磁波を
表面で反射等させ、透過させなくする方法と、電磁波エ
ネルギーを吸収して、反射も透過もさせない方法とに大
別される。本発明は後者の電磁波を吸収する方法に関
し、その材料を提供することにあるが、その材料も電子
情報機器の中での使用場所によって要求される機能が異
なる。例えば、該機器がCRTやプラズマディスプレイ
モニターである場合には、それ自身画面を通して電磁波
が放射されるので、そのシールド性はまず不透明であっ
てはならず、透明(画面を見るのに不都合のない透明
性)であって電磁波を有効にシールドするものが要求さ
れる。
表面で反射等させ、透過させなくする方法と、電磁波エ
ネルギーを吸収して、反射も透過もさせない方法とに大
別される。本発明は後者の電磁波を吸収する方法に関
し、その材料を提供することにあるが、その材料も電子
情報機器の中での使用場所によって要求される機能が異
なる。例えば、該機器がCRTやプラズマディスプレイ
モニターである場合には、それ自身画面を通して電磁波
が放射されるので、そのシールド性はまず不透明であっ
てはならず、透明(画面を見るのに不都合のない透明
性)であって電磁波を有効にシールドするものが要求さ
れる。
【0004】透明な電磁波シールド材については、既に
種々提案されており、それは大きく分けて次の3つであ
る。その1つに電導性メッシュ織物をベースとするもの
で、例えば特開昭62−47200号公報、特開平1−
35112号公報及び特開平2−302098号公報が
挙げられる。以下これら公報による発明をM法と呼ぶ。
種々提案されており、それは大きく分けて次の3つであ
る。その1つに電導性メッシュ織物をベースとするもの
で、例えば特開昭62−47200号公報、特開平1−
35112号公報及び特開平2−302098号公報が
挙げられる。以下これら公報による発明をM法と呼ぶ。
【0005】その2つに導電性インキを使って印刷手法
により、格子状パターン化し、これをベースとするもの
で、例えば実開昭62−186498号公報、実開平5
−15492号公報が挙げられる。以下これら公報によ
る考案をP法と呼ぶ。
により、格子状パターン化し、これをベースとするもの
で、例えば実開昭62−186498号公報、実開平5
−15492号公報が挙げられる。以下これら公報によ
る考案をP法と呼ぶ。
【0006】そして3つ目には、銅等による箔(又は
板)又は銅等を無電解メッキして銅層を設け、この箔又
は銅層を格子状マスキング(フォトレジスト又は印刷に
よるマスキング)して、エッチングして得た格子状パタ
ーンをベースとするもので、この例としては実開昭64
−44697号公報と特開平5−283889号公報が
挙げられる。以下これらの公報による考案、発明をE法
と呼ぶ。
板)又は銅等を無電解メッキして銅層を設け、この箔又
は銅層を格子状マスキング(フォトレジスト又は印刷に
よるマスキング)して、エッチングして得た格子状パタ
ーンをベースとするもので、この例としては実開昭64
−44697号公報と特開平5−283889号公報が
挙げられる。以下これらの公報による考案、発明をE法
と呼ぶ。
【0007】尚、前記M法、P法及びE法の中で、更に
導電性メッシュ織物、格子状パターンの表面を黒く着色
することの記載もあり、視認性の改善を目的としている
ものである。これら黒色化の手段は、黒色の樹脂を表面
コーティングする方法、黒色インキを印刷する方法、銅
等を無電解メッキする方法(無電解メッキすることで黒
に着色した格子状パターンが得られる。これはアンカー
層に用いるパラジウム触媒によると考えられる)であ
る。
導電性メッシュ織物、格子状パターンの表面を黒く着色
することの記載もあり、視認性の改善を目的としている
ものである。これら黒色化の手段は、黒色の樹脂を表面
コーティングする方法、黒色インキを印刷する方法、銅
等を無電解メッキする方法(無電解メッキすることで黒
に着色した格子状パターンが得られる。これはアンカー
層に用いるパラジウム触媒によると考えられる)であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記M法、P法及びE
法は、各々に特長もあるが、改良すべき点もある。その
改良すべき点は、まずM法では、繊維を芯材とする導電
メッシュパターンであることで、該パターン自身が太
く、厚くなること。つまりこれは、透明性において限界
がある。特に斜め方向から見た場合に、透明性がより悪
くなり、プラズマディスプレイにおける画面への使用は
不可能に近い。また該メッシュを板状にするのには、他
の樹脂による支持が必要になるが、十分な接着ができに
くいとか、透明性がより低下する等の問題点がある。
法は、各々に特長もあるが、改良すべき点もある。その
改良すべき点は、まずM法では、繊維を芯材とする導電
メッシュパターンであることで、該パターン自身が太
く、厚くなること。つまりこれは、透明性において限界
がある。特に斜め方向から見た場合に、透明性がより悪
くなり、プラズマディスプレイにおける画面への使用は
不可能に近い。また該メッシュを板状にするのには、他
の樹脂による支持が必要になるが、十分な接着ができに
くいとか、透明性がより低下する等の問題点がある。
【0009】一方、P法では、銀とか銅の粉体を透明イ
ンキに練り込んだ導電性インキによる印刷格子状パター
ンである。これは得られる導電性(抵抗)に限界があ
り、電磁波をシールドするに十分な性能は得られないこ
と、また該格子状パターンのより細かい線数(メッシュ
度)にも限界があり、このことも十分な電磁波シールド
性発現を阻害している要因になっている。
ンキに練り込んだ導電性インキによる印刷格子状パター
ンである。これは得られる導電性(抵抗)に限界があ
り、電磁波をシールドするに十分な性能は得られないこ
と、また該格子状パターンのより細かい線数(メッシュ
度)にも限界があり、このことも十分な電磁波シールド
性発現を阻害している要因になっている。
【0010】更にE法では、まず銅等の箔(板)による
格子状パターンでは、透明基体と接着せしめる必要があ
り、その結果、その接着層による透明性の更なる低下は
避けられないこと、接着力、特に屈曲に対して剥離する
危険性が高いこと、更には、箔であることでより薄層の
格子状パターンが得られず、その結果、表面に凹凸が認
められ、製品としての価値を低下せしめるものであるこ
と。また、厚いことで、エッチングにより長時間を要
し、更にはエッチング過程でサイドエッチングがあっ
て、原マスクパターンに対して1対1での再現性に欠け
るといった製造法にも問題がある。一方、無電解メッキ
による銅等の格子状パターンでは、透明基体との直接密
着力が極めて悪いので、そのための下地層を設ける必要
がある。下地層は他の接着性樹脂のコーティングによっ
てなるが、該樹脂層が存在することで透明性の低下は避
けられない。また該下地層は透明基体との間にも高い接
着力を必要とするが、この両者を高い密着力でバランス
をとることは極めて困難である。本発明は、前記各法に
よる改良すべき点(問題点)に立って、電磁波シールド
性と透明性、更には視認性において、より優れた電磁波
シールド部材を見出すべく鋭意検討した結果なされたも
のである。それは次の手段によって容易に達成すること
ができる。
格子状パターンでは、透明基体と接着せしめる必要があ
り、その結果、その接着層による透明性の更なる低下は
避けられないこと、接着力、特に屈曲に対して剥離する
危険性が高いこと、更には、箔であることでより薄層の
格子状パターンが得られず、その結果、表面に凹凸が認
められ、製品としての価値を低下せしめるものであるこ
と。また、厚いことで、エッチングにより長時間を要
し、更にはエッチング過程でサイドエッチングがあっ
て、原マスクパターンに対して1対1での再現性に欠け
るといった製造法にも問題がある。一方、無電解メッキ
による銅等の格子状パターンでは、透明基体との直接密
着力が極めて悪いので、そのための下地層を設ける必要
がある。下地層は他の接着性樹脂のコーティングによっ
てなるが、該樹脂層が存在することで透明性の低下は避
けられない。また該下地層は透明基体との間にも高い接
着力を必要とするが、この両者を高い密着力でバランス
をとることは極めて困難である。本発明は、前記各法に
よる改良すべき点(問題点)に立って、電磁波シールド
性と透明性、更には視認性において、より優れた電磁波
シールド部材を見出すべく鋭意検討した結果なされたも
のである。それは次の手段によって容易に達成すること
ができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、電磁波シ
ールド用透明部材とその製造方法との提供によってなる
が、その該透明部材は、請求項1と2に記載するもので
あり、そして請求項1に従属して請求項3〜7、請求項
2に従属して請求項3〜8が提供される。つまり請求項
1は透明基体(1)上に、全光線透過率が50%以上に
なるように網の目状に物理的薄膜形成手段よりなる銅又
はその合金の薄膜層(2)とメッキ手段によりなる銅層
(3)とが順次積層されてなる。そして請求項2は請求
項1に更に条件を付加したもので、それは請求項1にお
ける銅層(3)上に更に褐色から黒色の着色層(4)が
設けられた電磁波シールド用透明部材である。
ールド用透明部材とその製造方法との提供によってなる
が、その該透明部材は、請求項1と2に記載するもので
あり、そして請求項1に従属して請求項3〜7、請求項
2に従属して請求項3〜8が提供される。つまり請求項
1は透明基体(1)上に、全光線透過率が50%以上に
なるように網の目状に物理的薄膜形成手段よりなる銅又
はその合金の薄膜層(2)とメッキ手段によりなる銅層
(3)とが順次積層されてなる。そして請求項2は請求
項1に更に条件を付加したもので、それは請求項1にお
ける銅層(3)上に更に褐色から黒色の着色層(4)が
設けられた電磁波シールド用透明部材である。
【0012】そして、前記電磁波シールド用透明部材の
製造法としては、請求項9と10とにて記載する。つま
り、請求項1に対応する製造方法は請求項9に記載する
ものであり、それは、全光線透過率が60%以上のシー
ト状熱可塑性樹脂の片面に、まず銅又はその合金をスパ
ッタリングして、厚さ50Å〜1μmの薄膜層を形成
し、次に該薄膜層状に銅を電解メッキして厚さ1〜15
μmの銅層を積層した後、これをフォトエッチングし
て、網の目状導電パターン化を行うというものである。
製造法としては、請求項9と10とにて記載する。つま
り、請求項1に対応する製造方法は請求項9に記載する
ものであり、それは、全光線透過率が60%以上のシー
ト状熱可塑性樹脂の片面に、まず銅又はその合金をスパ
ッタリングして、厚さ50Å〜1μmの薄膜層を形成
し、次に該薄膜層状に銅を電解メッキして厚さ1〜15
μmの銅層を積層した後、これをフォトエッチングし
て、網の目状導電パターン化を行うというものである。
【0013】一方、請求項2に対応する製造法は請求項
10に記載するが、それは請求項9による網の目状導電
パターン化を行った後、更にその表面を酸化処理して、
褐色から黒色に着色した酸化銅表面層を形成せしめる方
法である。以下に本発明を詳述する。尚、前記製造方法
については1つの望ましい態様として提供するものであ
り、従ってこれに特定されるものではない。
10に記載するが、それは請求項9による網の目状導電
パターン化を行った後、更にその表面を酸化処理して、
褐色から黒色に着色した酸化銅表面層を形成せしめる方
法である。以下に本発明を詳述する。尚、前記製造方法
については1つの望ましい態様として提供するものであ
り、従ってこれに特定されるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】まず本発明において、透明基体
(1)は基本的には本発明の電磁波シールド用透明部材
を通して、少なくともディスプレイ画面とか、あるいは
機器内部が透視できる全光線透過率60%以上の透過性
と、他に耐熱性、耐候性、非収縮性、そして機械的強
度、耐薬品性等にも優れているものであるのが良い。そ
してその形状は、一般にはシート状(厚さにして約0.
05〜2mm程度)であるが、使用場所によっては、そ
れが曲折形状の場合もある。具体的には、ガラス板等の
無機物による透明基体、ポリメチルメタアクリレート、
ポリスチレン又はスチレンとアクリロニトリル又はメチ
ルメタアクリレートとの共重合体、ポリ(4−メチルペ
ンテン−1)、ポリプロピレンとかシクロペンテン、ノ
ルボネン、テトラシクロドデカン等の環状オレフィンモ
ノマーによる単独又はエチレン等の共重合による非晶性
環状オレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリ
エーテルサルホン、ポリカーボネート、各液晶性ポリマ
ー等の透明熱可塑性樹脂基体、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、シリコーン系の熱硬化性透明樹脂によ
る透明合成樹脂基体が例示できる。
(1)は基本的には本発明の電磁波シールド用透明部材
を通して、少なくともディスプレイ画面とか、あるいは
機器内部が透視できる全光線透過率60%以上の透過性
と、他に耐熱性、耐候性、非収縮性、そして機械的強
度、耐薬品性等にも優れているものであるのが良い。そ
してその形状は、一般にはシート状(厚さにして約0.
05〜2mm程度)であるが、使用場所によっては、そ
れが曲折形状の場合もある。具体的には、ガラス板等の
無機物による透明基体、ポリメチルメタアクリレート、
ポリスチレン又はスチレンとアクリロニトリル又はメチ
ルメタアクリレートとの共重合体、ポリ(4−メチルペ
ンテン−1)、ポリプロピレンとかシクロペンテン、ノ
ルボネン、テトラシクロドデカン等の環状オレフィンモ
ノマーによる単独又はエチレン等の共重合による非晶性
環状オレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリ
エーテルサルホン、ポリカーボネート、各液晶性ポリマ
ー等の透明熱可塑性樹脂基体、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、シリコーン系の熱硬化性透明樹脂によ
る透明合成樹脂基体が例示できる。
【0015】前記透明基体に何を選択するかは、種々の
条件を勘案して決めるが、透明性(全光線透過率)は少
なくとも60%以上を有していて、かつ熱可塑性樹脂に
よる基体から選択することが望ましい。尚、該全光線透
過率は以下も同様にJIS K7105(1981)に
基づいて、製作された株式会社日立製作所“積分球付属
装置(P/N 150−0909)付き分光光度計(U
−3410型)”にて測定された波長300〜800n
mにおける透過率(%)をいう(以下これをTtと略
す)。
条件を勘案して決めるが、透明性(全光線透過率)は少
なくとも60%以上を有していて、かつ熱可塑性樹脂に
よる基体から選択することが望ましい。尚、該全光線透
過率は以下も同様にJIS K7105(1981)に
基づいて、製作された株式会社日立製作所“積分球付属
装置(P/N 150−0909)付き分光光度計(U
−3410型)”にて測定された波長300〜800n
mにおける透過率(%)をいう(以下これをTtと略
す)。
【0016】また、網の目状とは特に制限はなく、例え
ば縦横同一幅又は異幅によって格子状になり、開口部分
が直角四辺形であることは勿論、ある角度をもって斜め
に交差した状態、つまり開口部分が菱形である場合と
か、あるいは5〜10角形程度の多角形状、つまり開口
部分が5〜10角形である場合も含まれる。尚、網の目
状の目の開口度に関しては、Ttについてはこれが大き
いと全体の透明性は増すが、しかし電磁波シールド効果
は減少する。従って、実際の製品設計に際しては、Tt
50%以上を前提として、両者高い状態でバランスがと
れるように事前に十分チェックして決めることが望まれ
る。
ば縦横同一幅又は異幅によって格子状になり、開口部分
が直角四辺形であることは勿論、ある角度をもって斜め
に交差した状態、つまり開口部分が菱形である場合と
か、あるいは5〜10角形程度の多角形状、つまり開口
部分が5〜10角形である場合も含まれる。尚、網の目
状の目の開口度に関しては、Ttについてはこれが大き
いと全体の透明性は増すが、しかし電磁波シールド効果
は減少する。従って、実際の製品設計に際しては、Tt
50%以上を前提として、両者高い状態でバランスがと
れるように事前に十分チェックして決めることが望まれ
る。
【0017】また物理的薄膜形成手段とは、一般に呼ば
れ、また実用もされている金属又は非金属の、特に薄膜
形成技術において、化学的薄膜形成手段(メッキ法とか
CVD法)に対するものであり、具体的にはスパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法の3法が
ある。これらは共通して、該金属又は非金属を何らかの
方法で気体又はイオンの状態にして、これを透明基体表
面に受けて、これを沈着して薄膜状とするものである。
れ、また実用もされている金属又は非金属の、特に薄膜
形成技術において、化学的薄膜形成手段(メッキ法とか
CVD法)に対するものであり、具体的にはスパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法の3法が
ある。これらは共通して、該金属又は非金属を何らかの
方法で気体又はイオンの状態にして、これを透明基体表
面に受けて、これを沈着して薄膜状とするものである。
【0018】本発明が、特に前記物理的薄膜形成手段を
用いて、銅又はその合金による薄膜層(2)を設け、更
にその上に銅メッキ層(3)を設けるという構成をとる
のは次の理由による。まず、効果的な電磁波シールド性
は、形成される網の目状導電パターンにおいて、必要最
小限の厚さを必要とする。この厚さは該薄膜形成手段の
みでは容易に効率的に得られない。この厚さを効率的
に、しかも高品質で得るのには、特にメッキ技術の組み
合わせが必要になる。ところでこの厚さに関しては、メ
ッキ技術のみでも効率的に得ることができるが、前記従
来法のE法でもその欠点を説明したように、どうしても
接着剤層を介してのメッキということになり、これでは
Ttの低下は勿論、より高い密着力でもって形成するこ
とはできない。本発明が、透明基体と銅メッキ層の間
に、特に該薄膜形成手段によって銅又はその合金の薄膜
層を介在せしめているのは、前記悪影響をもたらす該接
着剤を使用しないためであり、これにより銅のメッキ層
(3)は、該薄膜層は勿論、透明基体とも高い密着力で
もって網の目状導電パターンが形成される。
用いて、銅又はその合金による薄膜層(2)を設け、更
にその上に銅メッキ層(3)を設けるという構成をとる
のは次の理由による。まず、効果的な電磁波シールド性
は、形成される網の目状導電パターンにおいて、必要最
小限の厚さを必要とする。この厚さは該薄膜形成手段の
みでは容易に効率的に得られない。この厚さを効率的
に、しかも高品質で得るのには、特にメッキ技術の組み
合わせが必要になる。ところでこの厚さに関しては、メ
ッキ技術のみでも効率的に得ることができるが、前記従
来法のE法でもその欠点を説明したように、どうしても
接着剤層を介してのメッキということになり、これでは
Ttの低下は勿論、より高い密着力でもって形成するこ
とはできない。本発明が、透明基体と銅メッキ層の間
に、特に該薄膜形成手段によって銅又はその合金の薄膜
層を介在せしめているのは、前記悪影響をもたらす該接
着剤を使用しないためであり、これにより銅のメッキ層
(3)は、該薄膜層は勿論、透明基体とも高い密着力で
もって網の目状導電パターンが形成される。
【0019】前記手段による銅又はその合金の薄膜層
が、透明基体と直接に高い密着力を発現するのは、該基
体の表面に銅又はその合金の粒子が高速で衝突し、その
表面に突き刺さるようにして沈着するためではないかと
も考えられるが、その理由は定かではない。
が、透明基体と直接に高い密着力を発現するのは、該基
体の表面に銅又はその合金の粒子が高速で衝突し、その
表面に突き刺さるようにして沈着するためではないかと
も考えられるが、その理由は定かではない。
【0020】また、前記銅又はその合金による層は、そ
の厚さが極めて薄いこともあって、最終的構成である網
の目状導電パターンが、例えばフォトエッチング法で形
成される場合には、その非パターン部分が銅メッキの該
部分と同時に容易に除去される。この容易に除去される
ことは、全体のエッチング時間が短くなるばかりか、サ
イドエッチングが少ないので、原マスクパターンに対し
て1対1で再現され、かつより細かい該パターンを形成
せしめることができる。サイドエッチングの少ないこと
は、該パターン自身の透明基体との密着性に変化をもた
らさないことにもなり、極めて重要な効果の1つであ
る。
の厚さが極めて薄いこともあって、最終的構成である網
の目状導電パターンが、例えばフォトエッチング法で形
成される場合には、その非パターン部分が銅メッキの該
部分と同時に容易に除去される。この容易に除去される
ことは、全体のエッチング時間が短くなるばかりか、サ
イドエッチングが少ないので、原マスクパターンに対し
て1対1で再現され、かつより細かい該パターンを形成
せしめることができる。サイドエッチングの少ないこと
は、該パターン自身の透明基体との密着性に変化をもた
らさないことにもなり、極めて重要な効果の1つであ
る。
【0021】前記物理的薄膜形成手段の具体方法の中で
も、スパッタリング法又はイオンプレーティング法が好
ましい。更にこの中でもスパッタリング法がより好まし
い。これはイオンプレーティング法はスパッタリング法
よりも高エネルギーでの蒸着であり、それだけにその蒸
着効率(速度)は高いが、しかし蒸着雰囲気の温度が高
いので透明基体の選択に幅がないこと、真空槽内が汚染
されやすいこと等の点で、総合的に見てスパッタリング
法がより好ましい。
も、スパッタリング法又はイオンプレーティング法が好
ましい。更にこの中でもスパッタリング法がより好まし
い。これはイオンプレーティング法はスパッタリング法
よりも高エネルギーでの蒸着であり、それだけにその蒸
着効率(速度)は高いが、しかし蒸着雰囲気の温度が高
いので透明基体の選択に幅がないこと、真空槽内が汚染
されやすいこと等の点で、総合的に見てスパッタリング
法がより好ましい。
【0022】尚、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、真空蒸着法は一般的に行われている方法による
もので特別な条件はない。
ング法、真空蒸着法は一般的に行われている方法による
もので特別な条件はない。
【0023】前記物理的薄膜形成手段による銅又はその
合金の薄膜層(2)の厚さは、あまりに薄くても、逆に
厚すぎても好ましくなく、50Å〜1μm、好ましくは
100Å〜0.7μm程度の範囲内にするのが良い。こ
れはあまりにも薄いと、つまり50Å未満では、上層の
銅メッキ層(3)が透明基体と十分な密着力でもって形
成されない。一方、あまりにも厚いと、つまり1μmを
超えると、必要以上の厚さになり、これは特に薄膜形成
における時間をより長くすることにもなり、メリットは
ない。
合金の薄膜層(2)の厚さは、あまりに薄くても、逆に
厚すぎても好ましくなく、50Å〜1μm、好ましくは
100Å〜0.7μm程度の範囲内にするのが良い。こ
れはあまりにも薄いと、つまり50Å未満では、上層の
銅メッキ層(3)が透明基体と十分な密着力でもって形
成されない。一方、あまりにも厚いと、つまり1μmを
超えると、必要以上の厚さになり、これは特に薄膜形成
における時間をより長くすることにもなり、メリットは
ない。
【0024】また前記薄膜形成手段における銅は、可能
な限り純銅であるのが好ましいが、他の金属が混成され
ていても良い。但し、他の金属は、該薄膜層形成手段に
よって、銅と共に薄膜として得られなかったり、また銅
の化学エッチングに用いられるエッチング液に対して、
銅のように化学エッチングされず、残るものは避ける必
要がある。他の金属は、一般に銅との合金の形で混成さ
れているものが好ましく、例えば、これにはCu/Zn
(黄銅)、Cu/Sn(青銅)、Cu/Al、Cu/N
i、Cu/Pd、リン青銅、Cu/Be等が挙げられ
る。
な限り純銅であるのが好ましいが、他の金属が混成され
ていても良い。但し、他の金属は、該薄膜層形成手段に
よって、銅と共に薄膜として得られなかったり、また銅
の化学エッチングに用いられるエッチング液に対して、
銅のように化学エッチングされず、残るものは避ける必
要がある。他の金属は、一般に銅との合金の形で混成さ
れているものが好ましく、例えば、これにはCu/Zn
(黄銅)、Cu/Sn(青銅)、Cu/Al、Cu/N
i、Cu/Pd、リン青銅、Cu/Be等が挙げられ
る。
【0025】次に、前記薄膜層(2)の上に更に積層さ
れる、メッキ手段によりなる銅層(3)について説明す
る。まず、該銅層は、高い電磁波シールド性を発現する
ために必要不可欠なものであり、これを特にメッキ手段
によって形成して達成するものである。つまり、該薄膜
層のみの厚さでは、高い電磁波シールド性は勿論、最低
限必要な該シールド性も得られない。より高い該シール
ド性を得るためには、より厚い銅層を必要とするが、メ
ッキ手段を使うことで、より厚い銅層が迅速に、高品質
で容易に得られることになる。但し、より厚い銅層とい
っても、ある厚さを持って電磁波シールド性に向上はみ
られず、またフォトエッチング法による化学エッチング
処理の場合に、該エッチング時間が長くなり、それによ
ってサイドエッチングも起こり易くなる等の問題も発生
する。従って、必要以上に厚くすることは望ましくな
い。ここでの厚さは、1〜15μm、好ましくは2〜1
0μmである。尚、得られる銅網の目状導電パターンの
厚さとしては、該薄膜層自身も電磁波シールド性に寄与
しているので、該薄膜層と該メッキによる銅層との合計
厚さとしてなり、前記各例示する厚さの範囲から、これ
を合計すると1.005〜16μm、好ましくは2.0
1〜10.7μmということになる。
れる、メッキ手段によりなる銅層(3)について説明す
る。まず、該銅層は、高い電磁波シールド性を発現する
ために必要不可欠なものであり、これを特にメッキ手段
によって形成して達成するものである。つまり、該薄膜
層のみの厚さでは、高い電磁波シールド性は勿論、最低
限必要な該シールド性も得られない。より高い該シール
ド性を得るためには、より厚い銅層を必要とするが、メ
ッキ手段を使うことで、より厚い銅層が迅速に、高品質
で容易に得られることになる。但し、より厚い銅層とい
っても、ある厚さを持って電磁波シールド性に向上はみ
られず、またフォトエッチング法による化学エッチング
処理の場合に、該エッチング時間が長くなり、それによ
ってサイドエッチングも起こり易くなる等の問題も発生
する。従って、必要以上に厚くすることは望ましくな
い。ここでの厚さは、1〜15μm、好ましくは2〜1
0μmである。尚、得られる銅網の目状導電パターンの
厚さとしては、該薄膜層自身も電磁波シールド性に寄与
しているので、該薄膜層と該メッキによる銅層との合計
厚さとしてなり、前記各例示する厚さの範囲から、これ
を合計すると1.005〜16μm、好ましくは2.0
1〜10.7μmということになる。
【0026】前記メッキ手段は、電解メッキ又は無電解
メッキのいずれかをいうが、電解メッキの方が好まし
い。これは、無電解メッキでは触媒としてのパラジウム
等を前記薄膜層上に担持する必要があり、そのための別
工程を必要とする。またパラジウム等の触媒自身がフォ
トエッチングを行う場合に、エッチング液での化学エッ
チンングが容易でなく、非導電網の目状パターン部分に
残存しやすいこと、更には該薄膜層との密着力も若干悪
い等の理由による。
メッキのいずれかをいうが、電解メッキの方が好まし
い。これは、無電解メッキでは触媒としてのパラジウム
等を前記薄膜層上に担持する必要があり、そのための別
工程を必要とする。またパラジウム等の触媒自身がフォ
トエッチングを行う場合に、エッチング液での化学エッ
チンングが容易でなく、非導電網の目状パターン部分に
残存しやすいこと、更には該薄膜層との密着力も若干悪
い等の理由による。
【0027】次に請求項2について説明する。銅層
(3)上に、更に褐色から黒色の範囲で着色層(4)を
設けるのは、電磁波シールド用透明部材を通して、画面
内部を見た時にそれが見やすいこと、つまり視認性がよ
り向上することになり、その結果、長時間凝視しても目
の疲労感をあまり感じなくなることによる。この傾向は
純粋な褐色よりも黒色に近づく程良い。
(3)上に、更に褐色から黒色の範囲で着色層(4)を
設けるのは、電磁波シールド用透明部材を通して、画面
内部を見た時にそれが見やすいこと、つまり視認性がよ
り向上することになり、その結果、長時間凝視しても目
の疲労感をあまり感じなくなることによる。この傾向は
純粋な褐色よりも黒色に近づく程良い。
【0028】前記着色層(4)を設ける手段には特に制
限はない。例えば、網の目状導電パターン化をフォトエ
ッチング法で行う場合には、予め褐色から黒色に着色さ
れたフォトレジストを使用し、化学エッチング後も該レ
ジストを剥離除去せずそのまま残すとか、得られた該導
電パターンの銅層面に印刷法によって該色に着色された
インキを印刷する。また別法として、該銅層面を化学的
に酸化処理して、その表面を酸化銅に変える等の方法が
ある。中でも、後者の酸化処理による方法が望ましい。
これは迅速にかつ極めて薄くかつ均一な状態で着色する
ことができるし、また、条件を変えることで、褐色から
黒色の範囲で自由に変えることが可能である等の理由に
よる。
限はない。例えば、網の目状導電パターン化をフォトエ
ッチング法で行う場合には、予め褐色から黒色に着色さ
れたフォトレジストを使用し、化学エッチング後も該レ
ジストを剥離除去せずそのまま残すとか、得られた該導
電パターンの銅層面に印刷法によって該色に着色された
インキを印刷する。また別法として、該銅層面を化学的
に酸化処理して、その表面を酸化銅に変える等の方法が
ある。中でも、後者の酸化処理による方法が望ましい。
これは迅速にかつ極めて薄くかつ均一な状態で着色する
ことができるし、また、条件を変えることで、褐色から
黒色の範囲で自由に変えることが可能である等の理由に
よる。
【0029】以上に説明する請求項1及び2における網
の目状に積層されてなる導電パターンの製造手段には、
特に制限されない。例えば、前記するように一旦銅又は
その合金による薄膜層とメッキ手段による銅層とを透明
基体上に全面に積層した後、フォトエッチング、つまり
該銅層面全体にフォトレジストをコーティング又は感光
性ドライフィルムを貼り合わせ、形成したい網の目状パ
ターンをもったマスキングフィルムを通して、露光−現
像した後、エッチング液(例えば塩化第二鉄を主成分と
する水溶液)にてエッチングして非網の目状パターン部
を溶解除去する方法、該フォトレジスト又はドライフィ
ルムに変えて、これを紫外線硬化型の印刷インキにて、
印刷法(オフセット法又はスクリーン印刷法)に変え
て、該パターン印刷して、同様にエッチングする方法が
ある。
の目状に積層されてなる導電パターンの製造手段には、
特に制限されない。例えば、前記するように一旦銅又は
その合金による薄膜層とメッキ手段による銅層とを透明
基体上に全面に積層した後、フォトエッチング、つまり
該銅層面全体にフォトレジストをコーティング又は感光
性ドライフィルムを貼り合わせ、形成したい網の目状パ
ターンをもったマスキングフィルムを通して、露光−現
像した後、エッチング液(例えば塩化第二鉄を主成分と
する水溶液)にてエッチングして非網の目状パターン部
を溶解除去する方法、該フォトレジスト又はドライフィ
ルムに変えて、これを紫外線硬化型の印刷インキにて、
印刷法(オフセット法又はスクリーン印刷法)に変え
て、該パターン印刷して、同様にエッチングする方法が
ある。
【0030】一方、前記薄膜層を形成した後に、ここで
前記フォトレジスト又は印刷を介してのエッチングを行
って、まず該薄膜層で網の目状パターンを作る。次にマ
スク状態にあるレジスト又はインキを剥離除去して、最
後に銅のメッキをする。銅メッキは、既に形成されてい
る該パターン部分のみにメッキされることになる。これ
らの各方法の中でもより微細で確実に行える方法は前記
フォトエッチングである。
前記フォトレジスト又は印刷を介してのエッチングを行
って、まず該薄膜層で網の目状パターンを作る。次にマ
スク状態にあるレジスト又はインキを剥離除去して、最
後に銅のメッキをする。銅メッキは、既に形成されてい
る該パターン部分のみにメッキされることになる。これ
らの各方法の中でもより微細で確実に行える方法は前記
フォトエッチングである。
【0031】次に、請求項9と10とに記載する前記電
磁波シールド用透明部材の製造方法について詳述する。
ここで記載する製造方法は、前記する種々の製造方法の
中で、好ましい1つの態様として提供している。
磁波シールド用透明部材の製造方法について詳述する。
ここで記載する製造方法は、前記する種々の製造方法の
中で、好ましい1つの態様として提供している。
【0032】まず、請求項9の製造方法において、まず
ここで用いられる透明基体(1)としては、Ttが少な
くとも60%以上を有し、かつ最終部材としての形状が
シート状で、かつそれが熱可塑性樹脂によりなるもので
ある。ここでシート状の厚さは、取り扱い上から見て
0.1〜1mm程度のもので、あまりに薄くても厚くて
も好ましくはない。該樹脂としては、一般的には、二軸
延伸のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、のポリエステル系、非晶性環状オレフィンポ
リマーが使われる。
ここで用いられる透明基体(1)としては、Ttが少な
くとも60%以上を有し、かつ最終部材としての形状が
シート状で、かつそれが熱可塑性樹脂によりなるもので
ある。ここでシート状の厚さは、取り扱い上から見て
0.1〜1mm程度のもので、あまりに薄くても厚くて
も好ましくはない。該樹脂としては、一般的には、二軸
延伸のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、のポリエステル系、非晶性環状オレフィンポ
リマーが使われる。
【0033】そして前記シート状熱可塑性樹脂の片面に
まず銅又はその合金をターゲットとして、スパッタリン
グして厚さ50Å〜1μm、好ましくは100Å〜0.
7μmの厚さで薄膜を全面に形成せしめるが、該片面は
該樹脂によっては、単にゴミとか油脂等を除去するだけ
で直ちにスパッタリングをしても良いが、特に該樹脂表
面が極めて鏡面的であるとか、非極性の樹脂である場合
には、グロー放電処理とかコロナ放電処理等の衆知の前
処理を併用した方が望ましい。これによってより一層の
密着力でもって薄膜を形成することができる。
まず銅又はその合金をターゲットとして、スパッタリン
グして厚さ50Å〜1μm、好ましくは100Å〜0.
7μmの厚さで薄膜を全面に形成せしめるが、該片面は
該樹脂によっては、単にゴミとか油脂等を除去するだけ
で直ちにスパッタリングをしても良いが、特に該樹脂表
面が極めて鏡面的であるとか、非極性の樹脂である場合
には、グロー放電処理とかコロナ放電処理等の衆知の前
処理を併用した方が望ましい。これによってより一層の
密着力でもって薄膜を形成することができる。
【0034】スパッタリングは、一般的条件に従って行
えば良いが、低ガス(ガスはアルゴン等の不活性ガス)
圧スパッタ、つまり10-1〜10-2トール以下の低圧で
のスパッタリングが薄膜の純度も高く、形成速度も速い
ので望ましい。低ガス圧スパッタは、3極DCグロー放
電、2極RFグロー放電、マグネトロン、イオンビーム
の各スパッタが相当するが、就中、より好ましいのはマ
グネトロンスパッタである。尚、スパッタリング時の真
空槽内の温度上昇はせいぜい100℃前後以下である。
えば良いが、低ガス(ガスはアルゴン等の不活性ガス)
圧スパッタ、つまり10-1〜10-2トール以下の低圧で
のスパッタリングが薄膜の純度も高く、形成速度も速い
ので望ましい。低ガス圧スパッタは、3極DCグロー放
電、2極RFグロー放電、マグネトロン、イオンビーム
の各スパッタが相当するが、就中、より好ましいのはマ
グネトロンスパッタである。尚、スパッタリング時の真
空槽内の温度上昇はせいぜい100℃前後以下である。
【0035】次に前記形成された薄膜全面に、電解によ
る銅のメッキを行うが、この電解メッキの条件は一般的
な銅の電解メッキに準じて行われる。例えば、硫酸銅と
硫酸を主成分として調整された硫酸銅メッキ浴を用いる
場合には、これを陰極としてこの中に前記薄膜形成熱可
塑性樹脂シートを陽極として浸漬し、陰極電流密度0.
5〜6A/dm2、該溶液温度15〜30℃、メッキ速
度0.1〜1.2μm/minで行われる。勿論、他の
方法、例えばシアン化第一銅とシアン化ナトリウムを主
成分とするメッキ浴による銅メッキ、つまりシアン化銅
メッキとか、ピロりん酸銅とピロりん酸カリウムを主成
分とするメッキ浴による銅メッキ、つまりピロりん酸銅
メッキ等によっても同様に銅メッキができる。
る銅のメッキを行うが、この電解メッキの条件は一般的
な銅の電解メッキに準じて行われる。例えば、硫酸銅と
硫酸を主成分として調整された硫酸銅メッキ浴を用いる
場合には、これを陰極としてこの中に前記薄膜形成熱可
塑性樹脂シートを陽極として浸漬し、陰極電流密度0.
5〜6A/dm2、該溶液温度15〜30℃、メッキ速
度0.1〜1.2μm/minで行われる。勿論、他の
方法、例えばシアン化第一銅とシアン化ナトリウムを主
成分とするメッキ浴による銅メッキ、つまりシアン化銅
メッキとか、ピロりん酸銅とピロりん酸カリウムを主成
分とするメッキ浴による銅メッキ、つまりピロりん酸銅
メッキ等によっても同様に銅メッキができる。
【0036】前記電解メッキによって全面積層される銅
層の厚さは、前記するように電磁波シールド効果が最大
限に得られる厚さであれば良く、必要以上に厚くメッキ
することはない。この厚さは1〜15μmであれば良
い。
層の厚さは、前記するように電磁波シールド効果が最大
限に得られる厚さであれば良く、必要以上に厚くメッキ
することはない。この厚さは1〜15μmであれば良
い。
【0037】次にフォトエッチングを行って網の目状導
電パターンに変える該フォトエッチングは、写真製版法
と化学エッチングとを結合して一挙に該パターンを作製
する方法である。具体的には、まず前記銅メッキにて積
層された銅表面に感光性樹脂液(ポジ型フォトレジス
ト)を数μmオーダーで均一にコーティングする。そし
て別途作成された網の目状のマスク用ポジフィルムと該
コーティング面に真空密着し、紫外光源にて露光する。
これにより網の目画像部分は未露光状態にあるので、露
光した非網の目画像部分のみの該レジストを現像液にて
溶解除去(現像)する。全面を水洗−乾燥した後、次に
銅の腐食液(エッチング液)に接して(一般にスプレー
状で接触)該非網の目画像部分の銅層(電解メッキ銅層
とスパッタリング銅又はその合金薄膜層)をエッチング
除去し、水洗又は更に乾燥を行う。
電パターンに変える該フォトエッチングは、写真製版法
と化学エッチングとを結合して一挙に該パターンを作製
する方法である。具体的には、まず前記銅メッキにて積
層された銅表面に感光性樹脂液(ポジ型フォトレジス
ト)を数μmオーダーで均一にコーティングする。そし
て別途作成された網の目状のマスク用ポジフィルムと該
コーティング面に真空密着し、紫外光源にて露光する。
これにより網の目画像部分は未露光状態にあるので、露
光した非網の目画像部分のみの該レジストを現像液にて
溶解除去(現像)する。全面を水洗−乾燥した後、次に
銅の腐食液(エッチング液)に接して(一般にスプレー
状で接触)該非網の目画像部分の銅層(電解メッキ銅層
とスパッタリング銅又はその合金薄膜層)をエッチング
除去し、水洗又は更に乾燥を行う。
【0038】前記エッチングによって、所望する網の目
をもってTt50%の電磁波シールド用透明シートが得
られるので、基本的には全行程を終了するが、網の目画
像部分に残存するレジスト膜は、そのまま残す場合もあ
れば、これを剥離除去する場合もある。剥離除去は一般
に有機溶剤(主としてアセトン)又はアルカリ水溶液
(主として水酸化ナトリウム)に浸漬して行う。
をもってTt50%の電磁波シールド用透明シートが得
られるので、基本的には全行程を終了するが、網の目画
像部分に残存するレジスト膜は、そのまま残す場合もあ
れば、これを剥離除去する場合もある。剥離除去は一般
に有機溶剤(主としてアセトン)又はアルカリ水溶液
(主として水酸化ナトリウム)に浸漬して行う。
【0039】尚、前記エッチング液には、銅に対しては
一般に塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いる
が、他に過酸化水素−硫酸、塩化第二銅、過硫酸アンモ
ニウム−リン酸を主成分とするものもある。また、エッ
チング操作において注意すべきことは、使用によるエッ
チング液の劣化、それによる腐食ムラ、腐食時間の変化
があるので十分管理して行う必要がある。また必要以上
にエッチングを続けるとサイドエッチングが進む。サイ
ドエッチングが進まないように十分注意する必要があ
る。
一般に塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いる
が、他に過酸化水素−硫酸、塩化第二銅、過硫酸アンモ
ニウム−リン酸を主成分とするものもある。また、エッ
チング操作において注意すべきことは、使用によるエッ
チング液の劣化、それによる腐食ムラ、腐食時間の変化
があるので十分管理して行う必要がある。また必要以上
にエッチングを続けるとサイドエッチングが進む。サイ
ドエッチングが進まないように十分注意する必要があ
る。
【0040】次に請求項10について説明する。これ
は、前記請求項9で製造した電磁波シールド用透明シー
トの網の目部分を褐色から黒色に着色する方法である。
つまり、前記請求項9に記載する製造方法において、化
学エッチングして、網の目状導電パターン化した後、ま
ず網の目画像部分に残るレジスト膜を有機溶剤又はアル
カリ水溶液にて剥離除去する。ここで十分水洗し、乾燥
する。
は、前記請求項9で製造した電磁波シールド用透明シー
トの網の目部分を褐色から黒色に着色する方法である。
つまり、前記請求項9に記載する製造方法において、化
学エッチングして、網の目状導電パターン化した後、ま
ず網の目画像部分に残るレジスト膜を有機溶剤又はアル
カリ水溶液にて剥離除去する。ここで十分水洗し、乾燥
する。
【0041】次に酸化処理して、銅の表層を酸化銅に変
える。具体的には、例えばアルカリ性の強酸化剤水溶液
である、苛性ソーダと亜塩素酸ソーダの混合水溶液の浴
に浸漬する方法が挙げられ、浴中のアルカリ濃度、亜塩
素酸濃度、処理温度等の条件を変えることで、酸化銅の
結晶構造に由来するといわれている色調が褐色から黒色
の範囲で変えられる。
える。具体的には、例えばアルカリ性の強酸化剤水溶液
である、苛性ソーダと亜塩素酸ソーダの混合水溶液の浴
に浸漬する方法が挙げられ、浴中のアルカリ濃度、亜塩
素酸濃度、処理温度等の条件を変えることで、酸化銅の
結晶構造に由来するといわれている色調が褐色から黒色
の範囲で変えられる。
【0042】尚、前記請求項1及び2に記載する電磁波
シールド用透明部材は一般には、少なくとも銅層(3)
又は着色層(4)部分をオーバーコーティングして実用
に供せられる。これは外部からの物理的、化学的攻撃に
対して保護するためである。オーバーコーティングの材
料としては、一般的には耐水、耐熱、耐薬品、機械的強
度に優れたハードコーティング剤として使用されている
透明性の高い硬化型のアクリル系、ウレタン系、シリコ
ーン系の有機系コーティング剤である。一方、無機系の
ものとして、例えば二酸化ケイ素がある。二酸化ケイ素
のコーティング手段は、二酸化ケイ素をスパッタ蒸着す
る方法、あるいはペルヒドロポリシラザン溶液をコーテ
ィングした後、分解(熱、加水)するという化学的方法
によってもできる。これらの中から適宜選択して、オー
バーコーティングすれば良いが、Tt、外部からの水分
と酸素、表面硬度等の点で総合勘案すると無機系の二酸
化ケイ素によるオーバーコーティングが好ましい。
シールド用透明部材は一般には、少なくとも銅層(3)
又は着色層(4)部分をオーバーコーティングして実用
に供せられる。これは外部からの物理的、化学的攻撃に
対して保護するためである。オーバーコーティングの材
料としては、一般的には耐水、耐熱、耐薬品、機械的強
度に優れたハードコーティング剤として使用されている
透明性の高い硬化型のアクリル系、ウレタン系、シリコ
ーン系の有機系コーティング剤である。一方、無機系の
ものとして、例えば二酸化ケイ素がある。二酸化ケイ素
のコーティング手段は、二酸化ケイ素をスパッタ蒸着す
る方法、あるいはペルヒドロポリシラザン溶液をコーテ
ィングした後、分解(熱、加水)するという化学的方法
によってもできる。これらの中から適宜選択して、オー
バーコーティングすれば良いが、Tt、外部からの水分
と酸素、表面硬度等の点で総合勘案すると無機系の二酸
化ケイ素によるオーバーコーティングが好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例にて更に詳述するが、電磁波シ
ールド性は電磁波の減衰率(デシベル)で示し、これは
(財)関西電子工業振興センター法(一般にKEC法と
呼んでいる)の測定装置を使用した近接電界シールド効
果測定によって求めた。
ールド性は電磁波の減衰率(デシベル)で示し、これは
(財)関西電子工業振興センター法(一般にKEC法と
呼んでいる)の測定装置を使用した近接電界シールド効
果測定によって求めた。
【0044】(実施例1)まず、透明基体として厚さ1
25μm、大きさ400×1000mm、Tt90%の
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、
PETフィルムと呼ぶ)を用い、これをグロー放電によ
って片面を前処理した。そしてこの前処理PETフィル
ムをマグネトロン式スパッタ装置の真空槽内に、銅ター
ゲットに対峙して配置し、空気をアルゴンに完全置換し
て得た真空度2×10-3トールの環境下、印加電圧DC
9kWで1m/minで3回繰り返しのスパッタ蒸着を
行った。
25μm、大きさ400×1000mm、Tt90%の
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、
PETフィルムと呼ぶ)を用い、これをグロー放電によ
って片面を前処理した。そしてこの前処理PETフィル
ムをマグネトロン式スパッタ装置の真空槽内に、銅ター
ゲットに対峙して配置し、空気をアルゴンに完全置換し
て得た真空度2×10-3トールの環境下、印加電圧DC
9kWで1m/minで3回繰り返しのスパッタ蒸着を
行った。
【0045】前記にて得られた銅薄膜の厚さは0.12
μm(±0.01)で均一であった。また1部を切り取
って180゜折り曲げテストしたが、銅薄膜が剥離する
ような様子はなかった。
μm(±0.01)で均一であった。また1部を切り取
って180゜折り曲げテストしたが、銅薄膜が剥離する
ような様子はなかった。
【0046】次に、前記得られた銅蒸着PETフィルム
の該蒸着面に、硫酸銅と硫酸の混合水溶液のメッキ浴中
で、浴温度23℃、陰極電流密度1.7A/dm2、メ
ッキ速度0.3μm/minの条件で銅の電解メッキを
行った。
の該蒸着面に、硫酸銅と硫酸の混合水溶液のメッキ浴中
で、浴温度23℃、陰極電流密度1.7A/dm2、メ
ッキ速度0.3μm/minの条件で銅の電解メッキを
行った。
【0047】前記にて得られた銅メッキ層の厚さは2μ
m(±0.1)で、均一であり、また1部を切り取って
180゜折り曲げテストしたが、前記同様にPETフィ
ルムから剥離する様子はなかった。
m(±0.1)で、均一であり、また1部を切り取って
180゜折り曲げテストしたが、前記同様にPETフィ
ルムから剥離する様子はなかった。
【0048】次に、前記得られた銅メッキPETフィル
ムを、次条件でフォトエッチングして網の目状導電パタ
ーンに変えた。まず、銅メッキ層面にポジ型フォトレジ
ストをロールコーターで、厚さ2μmにコーティングし
た。そして次に線幅15μm、140メッシュの格子状
網の目を有するマスク用ポジフィルムを真空密着した
後、紫外光源で130mJ/cm 2の露光を行った。そ
して現像液を噴射して、露光部分(非格子画像部分)の
該レジストを溶解除去し、水洗した。次にこれをエッチ
ング装置の槽内に固定し、30℃の塩化第二鉄を主成分
とする水溶液をエッチング液とし、これをスプレー噴射
して該露光部分に相当する銅層を下地の銅スパッタ蒸着
層と共にエッチング除去した。この場合のエッチング時
間は1分であった。
ムを、次条件でフォトエッチングして網の目状導電パタ
ーンに変えた。まず、銅メッキ層面にポジ型フォトレジ
ストをロールコーターで、厚さ2μmにコーティングし
た。そして次に線幅15μm、140メッシュの格子状
網の目を有するマスク用ポジフィルムを真空密着した
後、紫外光源で130mJ/cm 2の露光を行った。そ
して現像液を噴射して、露光部分(非格子画像部分)の
該レジストを溶解除去し、水洗した。次にこれをエッチ
ング装置の槽内に固定し、30℃の塩化第二鉄を主成分
とする水溶液をエッチング液とし、これをスプレー噴射
して該露光部分に相当する銅層を下地の銅スパッタ蒸着
層と共にエッチング除去した。この場合のエッチング時
間は1分であった。
【0049】前記エッチング後は、水洗−乾燥し、最後
に水酸化ナトリウム水溶液(濃度5%)に浸漬(1分
間)して、残存する未露光部分(格子画像)のレジスト
膜を剥離除去し、水洗-乾燥後全行程を終了した。
に水酸化ナトリウム水溶液(濃度5%)に浸漬(1分
間)して、残存する未露光部分(格子画像)のレジスト
膜を剥離除去し、水洗-乾燥後全行程を終了した。
【0050】得られた銅の格子状パターンの線幅は14
μmで、ほぼ1対1に再現されていることを確認し、ま
たエッチング不良(銅残査やサイドエッチング)もほと
んどなかった。このもののTtと電磁波減衰率は表1に
まとめた。
μmで、ほぼ1対1に再現されていることを確認し、ま
たエッチング不良(銅残査やサイドエッチング)もほと
んどなかった。このもののTtと電磁波減衰率は表1に
まとめた。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例2)実施例1におけるマスク用ポ
ジフィルム、エッチング条件(エッチング液、接触方
法、エッチング時間)を下記のように変更する以外、実
施例1と全く同条件にて実施し、銅による格子状導電パ
ターン化を行い、PETを基体とする電磁波シールド用
の透明シートを得た。 マスク用ポジフィルム・・・線幅30μm、140メッ
シュ エッチング条件・・・過酸化水素−硫酸系エッチング
液、浸漬、2分間
ジフィルム、エッチング条件(エッチング液、接触方
法、エッチング時間)を下記のように変更する以外、実
施例1と全く同条件にて実施し、銅による格子状導電パ
ターン化を行い、PETを基体とする電磁波シールド用
の透明シートを得た。 マスク用ポジフィルム・・・線幅30μm、140メッ
シュ エッチング条件・・・過酸化水素−硫酸系エッチング
液、浸漬、2分間
【0053】得られた前記パターンの線幅は27μmで
あり、ほぼ1対1に再現された。またこのもののTt、
電磁波シールド性は表1にまとめた。
あり、ほぼ1対1に再現された。またこのもののTt、
電磁波シールド性は表1にまとめた。
【0054】(実施例3)実施例1で得られた銅の格子
状導電パターンを有するPETフィルムの1部を切り出
して、これについて苛性ソーダ−亜塩素酸ソーダの混合
水溶液の浴中で、浴温度70℃で浸漬(5分間)して、
メッキによる銅層を表面酸化した。
状導電パターンを有するPETフィルムの1部を切り出
して、これについて苛性ソーダ−亜塩素酸ソーダの混合
水溶液の浴中で、浴温度70℃で浸漬(5分間)して、
メッキによる銅層を表面酸化した。
【0055】得られた銅層の表面は酸化銅に変わり、色
は黒褐色を呈していた。またその着色層の厚さは約0.
5μmであった。そしてこれをプラズマディスプレイの
画面に懸垂して画像を見ると、実施例1の未着色品に比
べてよりはっきりと視認でき、かつ目の疲れをあまり感
じなかった。このもののTtと電磁波減衰率を表1にま
とめた。また得られたものの構成を図1の斜視図で示し
た。ここで1はPETフィルム、2は銅薄膜層、3は銅
メッキ層、4は酸化銅着色層である。
は黒褐色を呈していた。またその着色層の厚さは約0.
5μmであった。そしてこれをプラズマディスプレイの
画面に懸垂して画像を見ると、実施例1の未着色品に比
べてよりはっきりと視認でき、かつ目の疲れをあまり感
じなかった。このもののTtと電磁波減衰率を表1にま
とめた。また得られたものの構成を図1の斜視図で示し
た。ここで1はPETフィルム、2は銅薄膜層、3は銅
メッキ層、4は酸化銅着色層である。
【0056】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているので
次のような効果を奏する。優れた電磁波シールド効果と
高い透明度を兼ね備えた部材であり、内外からの電磁波
をシールドしつつ、ディスプレイ画面とか機器の内部を
はっきりと視認することができる。今後、製品化が進め
られるプラズマディスプレイの画面に装着して使う用途
に極めて有効である。
次のような効果を奏する。優れた電磁波シールド効果と
高い透明度を兼ね備えた部材であり、内外からの電磁波
をシールドしつつ、ディスプレイ画面とか機器の内部を
はっきりと視認することができる。今後、製品化が進め
られるプラズマディスプレイの画面に装着して使う用途
に極めて有効である。
【0057】特に網の目状導電パターンの表層を酸化銅
によって褐色から黒色に着色したことによって視認性が
向上し、目の疲れも軽減される。
によって褐色から黒色に着色したことによって視認性が
向上し、目の疲れも軽減される。
【0058】透明基体と網の目状導電パターンとの密着
性は卓越しているので、屈曲状態で使用してもまた高温
高湿中で長時間使用しても剥離することはない。
性は卓越しているので、屈曲状態で使用してもまた高温
高湿中で長時間使用しても剥離することはない。
【図1】実施例3における構成の斜視図である。
1.PETフィルム 2.銅薄膜層 3.銅メッキ層 4.酸化銅着色層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】前記透明基体に何を選択するかは、種々の
条件を勘案して決めるが、透明性(全光線透過率)は少
なくとも60%以上を有していて、かつ熱可塑性樹脂に
よる基体から選択することが望ましい。尚、該全光線透
過率は以下も同様に、株式会社日立製作所”積分球付属
装置(P/N 150−0909)付き分光光度計(U
−3410型)”にて測定された波長300〜800n
mにおける透過率(%)をいう(以下これをTtと略
す)。
条件を勘案して決めるが、透明性(全光線透過率)は少
なくとも60%以上を有していて、かつ熱可塑性樹脂に
よる基体から選択することが望ましい。尚、該全光線透
過率は以下も同様に、株式会社日立製作所”積分球付属
装置(P/N 150−0909)付き分光光度計(U
−3410型)”にて測定された波長300〜800n
mにおける透過率(%)をいう(以下これをTtと略
す)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉見 武 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社滋賀研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 透明基体(1)上に、全光線透過率が5
0%以上になるように、網の目状に物理的薄膜形成手段
によりなる銅又はその合金の薄膜層(2)とメッキ手段
によりなる銅層(3)とが順次積層されてなることを特
徴とする電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項2】 請求項1において、銅層(3)上に更に
褐色から黒色の着色層(4)を設けてなることを特徴と
する電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項3】 前記透明基体(1)が全光線透過率60
%以上のシート状熱可塑性樹脂である請求項1又は2に
記載の電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項4】 前記物理的薄膜形成手段がスパッタリン
グ法又はイオンプレーティング法である請求項1又は2
に記載の電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項5】 前記メッキ手段が電解メッキ法である請
求項1又は2に記載の電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項6】 前記銅又はその合金の薄膜層(2)の厚
さが50Å〜1μmである請求項1又は2に記載の電磁
波シールド用透明部材。 - 【請求項7】 前記銅層(3)の厚さが1〜15μmで
ある請求項1又は2に記載の電磁波シールド用透明部
材。 - 【請求項8】 前記着色層(4)が酸化銅よりなる請求
項2に記載の電磁波シールド用透明部材。 - 【請求項9】 全光線透過率が60%以上のシート状熱
可塑性樹脂の片面に、まず銅又はその合金をスパッタリ
ングして、厚さ50Å〜1μmの薄膜層を形成して、次
に該薄膜層上に銅を電解メッキして厚さ1〜15μmの
銅層を積層し、最後にフォトエッチング法によって網の
目状導電パターン化を行うことを特徴とする電磁波シー
ルド用透明シートの製造方法。 - 【請求項10】 請求項9においてさらに、網の目状導
電パターン化後、レジスト膜を剥離除去して、次に銅層
表面を酸化処理して、褐色から黒色の酸化銅表面層を形
成することを特徴とする電磁波シールド用透明シートの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25757097A JPH1187987A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 電磁波シールド用透明部材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25757097A JPH1187987A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 電磁波シールド用透明部材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1187987A true JPH1187987A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17308115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25757097A Pending JPH1187987A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 電磁波シールド用透明部材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1187987A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005101595A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-04-14 | Bridgestone Corp | Pdpフィルタ |
JP2006108357A (ja) * | 2004-10-05 | 2006-04-20 | Toppan Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽材およびその製造方法、ならびにディスプレイ用フィルム |
JP2007142334A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Gunze Ltd | 電磁波シールド材及びその製造方法 |
JP2008259733A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Toshiba Corp | X線ct装置 |
JP2012139602A (ja) * | 2012-05-01 | 2012-07-26 | Toshiba Corp | X線ct装置 |
CN115700295A (zh) * | 2022-11-15 | 2023-02-07 | 西安泰金新能科技股份有限公司 | 一种pet复合铜箔卷的连续制备工艺 |
-
1997
- 1997-09-05 JP JP25757097A patent/JPH1187987A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005101595A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-04-14 | Bridgestone Corp | Pdpフィルタ |
JP2006108357A (ja) * | 2004-10-05 | 2006-04-20 | Toppan Printing Co Ltd | 電磁波遮蔽材およびその製造方法、ならびにディスプレイ用フィルム |
JP2007142334A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Gunze Ltd | 電磁波シールド材及びその製造方法 |
JP2008259733A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Toshiba Corp | X線ct装置 |
JP2012139602A (ja) * | 2012-05-01 | 2012-07-26 | Toshiba Corp | X線ct装置 |
CN115700295A (zh) * | 2022-11-15 | 2023-02-07 | 西安泰金新能科技股份有限公司 | 一种pet复合铜箔卷的连续制备工艺 |
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