JPH1186722A - プラズマディスプレイ用背面板の製造法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用背面板の製造法

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JPH1186722A
JPH1186722A JP9240815A JP24081597A JPH1186722A JP H1186722 A JPH1186722 A JP H1186722A JP 9240815 A JP9240815 A JP 9240815A JP 24081597 A JP24081597 A JP 24081597A JP H1186722 A JPH1186722 A JP H1186722A
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JP
Japan
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layer
resin composition
photosensitive resin
phosphor
substrate
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Application number
JP9240815A
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English (en)
Inventor
Seiji Tai
誠司 田井
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Kazuya Sato
和也 佐藤
Naoki Kimura
直紀 木村
Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Ikuo Mukai
郁夫 向
Tetsuya Sudo
鉄也 須藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低コスト量産、高精細化、作業性に優れたP
DP用背面板の製造法を提供する。 【解決手段】 (I)基板上に感光性樹脂組成物(A)
の層を形成し、フォトマスクを介して活性光線によりパ
ターン露光し、未露光の部分を現像除去してレジストを
形成し、次にレジストのギャップ部へバリアリブ材を埋
め込み乾燥し、加熱硬化した後、該レジストのみを剥離
除去し、所定温度で焼成してバリアリブを形成する工
程、(II)前記基板上に、蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層を形成しフォトマスクを介して活性
光線を像的に照射し現像除去する工程を繰り返して基板
のバリアリブに挟まれた底部とバリアリブ壁面に、赤、
緑及び青に発光する蛍光体パターンを形成する工程並び
に(III)このRGB蛍光体パターンが形成された基
板を所定の温度で焼成する工程を含むプラズマディスプ
レイ用背面板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルに使用されるプラズマディスプレイ用背面板
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】平板ディスプレイの1つとして、プラズ
マ放電により発光する蛍光体を設けることによって多色
表示を可能にしたプラズマディスプレイパネル(以下P
DPと記す)が知られている。
【0003】PDPは、ガラスからなる平板状の前面板
と背面板とが互いに平行にかつ対向して配設され、両者
はその間に設けられたバリアリブにより一定の間隔に保
持されており、前面板、背面板及びバリアリブに囲まれ
た空間で放電する構造になっている。
【0004】このような空間には、表示のための蛍光体
が塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線
によって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認
できるようになっている。
【0005】従来、この背面板の製造法としては、図1
に示すように、ガラス基板(a)上にAg、Cr/Cu
/Crなどの電極(b)を形成し、必要に応じて形成し
た電極(b)を保護した後、その上に、スクリーン印刷
を約十回繰り返して未焼成のバリアリブパターン(c)
を形成した後、基板を500〜650℃の温度で焼成し
て、バリアリブを構成するリブペースト中に含まれる有
機物を除去及びリブ材を結着して、電極(b)及びバリ
アリブ(d)が形成された基板を作製する。次いで、バ
リアリブ壁面及びバリアリブ間底面に特開平1−115
027号公報、特開平1−124929号公報、特開平
1−124930号公報、特開平2−155142号公
報等に開示されているスクリーン印刷等の印刷法等によ
って、RGBパターン化された蛍光体層(e)を形成し
た後、再び450〜500℃の温度で焼成して、蛍光体
ペースト中の有機バインダーを除去することによる方法
が用いられている。
【0006】しかし、特殊技能及び熟練工が必要なスク
リーン印刷によって、PDPを作製することは、サンプ
ル出荷段階では有用であるが、大画面・高精細PDPの
低コスト生産には全く適用できない等の問題がある。
【0007】これらの問題点の解決には、すべてのPD
P製造工程にフォトプロセスを用いた自動化可能なプロ
セスを用いることが有効であると考えられる。しかしな
がら、これまでこれを実現できる有効な工程は提案され
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PD
P用背面板の低コスト量産に優れた製造法を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の他の目的は、さらに高精細化に優
れたPDP用背面板の製造法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、さらに作業性に優れ
たPDP用背面板の製造法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
(I)基板上に感光性樹脂組成物(A)の層を形成し、
フォトマスクを介して活性光線によりパターン露光した
後、未露光の部分を現像によって除きレジストを形成
し、次に、該パターン化されたレジストのギャップ部へ
バリアリブ材を埋め込み乾燥し、加熱硬化した後、該レ
ジストのみを剥離して除去し、該バリアリブパターンを
所定温度で焼成してバリアリブを形成する工程、(I
I)(i)前記電極及びバリアリブが形成された基板上
に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を形
成する工程、(ii)フォトマスクを介して活性光線を
像的に照射する工程及び(iii)現像により不要部分
を除去する工程を繰り返して電極及びバリアリブが形成
された基板のバリアリブに挟まれた底部とバリアリブ壁
面に、赤、緑及び青に発光する蛍光体を含有する層から
なる蛍光体パターンを形成する工程並びに(III)上
記の工程で作製されたRGB蛍光体パターンが形成され
た基板を所定の温度で焼成する工程の各工程を含むこと
を特徴とするプラズマディスプレイ用背面板の製造法を
提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における基板としては、例
えば、接着のための表面処理が施されていてもよいソー
ダガラス、高歪点ガラスなどの基板が挙げられる。
【0013】本発明における基板上に電極を形成する方
法としては、電極材をスパッタリング、真空蒸着等の真
空プロセスを用いて基板上に付着する方法、電極材を電
着によって基板上に付着する方法、電極材をスクリーン
印刷等の印刷によって基板上に付着する方法等が挙げら
れる。
【0014】本発明における電極材としては、銀、銅、
クロム等の導電性金属が挙げられるが、塗布方法が蒸
着、スパッタリング、メッキでは、上記導電性金属がそ
のままの形で用いられるが、塗布、印刷では、上記導電
性金属と酸化鉛等の無機バインダーを有機バインダー及
び有機溶剤と混合した電極材ペーストを調製し、これを
用いて行うことができる。
【0015】塗布又は印刷によって得られた電極パター
ンは、最後に焼成することによって有機物を除去し、目
的とする電極を得ることができる。
【0016】焼成方法としては、特に制限はなく、公知
の焼成方法を使用し、導電性金属及び無機バインダー以
外の不要分を除去し、電極を形成することができる。こ
のときの昇温速度は0.5〜50℃/分とすることが好
ましく、1〜45℃/分とすることがより好ましい。最
高焼成温度は、400〜800℃とすることが好まし
く、550〜700℃とすることがより好ましい。ま
た、最高温度での焼成時間は3〜120分間とすること
が好ましく、5〜90分間とすることがより好ましい。
また、最高焼成温度に達する前の350〜450℃の間
に、その温度を保持するステップを設けることができ、
その保持時間は5〜100分間とすることが好ましい。
【0017】このようにして作製した電極パターン上に
は、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜等の低融点ガラスフ
リットを塗布して形成されるオーバーコート層が形成さ
れていてもよい。
【0018】本発明における感光性樹脂組成物(A)と
しては、感光性樹脂組成物を含む層であれば特に制限は
ないが、例えば、(a)フィルム性付与ポリマー、
(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽
和化合物及び(c)活性光の照射により遊離ラジカルを
生成する光開始剤を含むものが好ましいものとして挙げ
られる。
【0019】(a)フィルム性付与ポリマーとしては、
ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられ
るビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタ
クリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メ
タクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチ
ル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert
−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸
ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタ
クリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、
メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル
酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、ア
クリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸
テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸
ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸
オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸
エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコ
シル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチ
ル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シク
ロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシ
ジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレ
ングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、
アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリ
ル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジ
メチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプ
ロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2
−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタ
クリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエ
チル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用
される。
【0020】(a)フィルム性付与ポリマーの重量平均
分子量は、5,000〜300,000とすることが好
ましく、20,000〜150,000とすることがよ
り好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満で
は、感光性エレメントとした場合にフィルム形成性及び
可とう性が低下する傾向があり、300,000を超え
ると、現像性(不要部が現像により、容易に除去できる
性質)が低下する傾向がある。なお、重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により
測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値で
ある。
【0021】また、感光性樹脂組成物(A)の層が、公
知の各種現像液により現像可能となるように、(a)フ
ィルム性付与ポリマーのカルボキシル基含有率(酸価
(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整すること
ができる。
【0022】例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、
90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を
超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパ
ターンとなる部分が現像液によって侵されない性質)が
低下する傾向がある。
【0023】また、水又はアルカリ水溶液と1種以上の
有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合に
は、酸価を、16〜260とすることが好ましい。この
酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、
260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0024】さらに、1,1,1−トリクロロエタン等
の有機溶剤現像液を用いる場合には、カルボキシル基を
含有しなくても良い。
【0025】本発明における(b)エチレン性不飽和基
を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合
性多官能モノマーとして知られているものを全て用いる
ことができる。エチレン性不飽和基は末端にあるものが
好ましい。
【0026】例えば、下記一般式(I)
【0027】
【化1】 [式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜1
0の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和若
しくは不飽和炭化水素残基又は複素環残基若しくはポリ
アルキレングリコール残基、あるいは式(II)
【0028】
【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、メチル基、エチル基、
プロピル基又はトリフルオロメチル基を示し、R3は炭
素数1〜6のアルキレン基、m及びnは各々独立に、1
〜20の整数である。)で表される基である。] 一般式(I)中、Yで示される置換基を有していてもよ
い飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素環残基として
は、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ
基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい炭素
数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環状のアルカン残基
(メタン残基、エタン残基、プロパン残基、シクロプロ
パン残基、ブタン残基、イソブタン残基、シクロブタン
残基、ペンタン残基、イソペンタン残基、ネオペンタン
残基、シクロペンタン残基、ヘキサン残基、シクロヘキ
サン残基、ヘプタン残基、シクロヘプタン残基、オクタ
ン残基、ノナン残基、デカン残基等)、芳香族環残基
(ベンゼン残基、ナフタレン残基、アントラセン残基、
ビフェニル残基、ターフェニル残基等)、複素環残基
(フラン残基、チオフェン残基、ピロール残基、オキサ
ゾール残基、チアゾール残基、イミダゾール残基、ピリ
ジン残基、ピリミジン残基、ヒドラジン残基、トリアジ
ン残基、キノリン残基、キノキサリン残基等)等が挙げ
られる。
【0029】具体的には、一個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマー(アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アク
リル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、
アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチ
ル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−
ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸t
ert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペ
ンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、
アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アク
リル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタク
リル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル
酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル
酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル
酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸
エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシ
ル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペ
ンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸
シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、
アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸
2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、ア
クリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオ
ロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸
2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、
アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリ
ル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メト
キシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシト
リエチレングリコール等)、スチレン系モノマー(スチ
レン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン
等)、ポリオレフィン系モノマー(ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン等)、ビニル系モノマー(塩化ビニ
ル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマー(アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイ
ロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−
2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼン(γ
−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロ
イルオキシエチル−o−フタレート)等が挙げられる。
【0030】二個の不飽和結合を有する単量体として
は、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサプロピレ
ングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコ
ールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロール
プロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリ
レート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−
ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プ
ロパン、一般式(I)の式中、Yが
【0031】
【化3】 (式中、m及びnは各々独立に、1〜20の整数であ
る。)である化合物、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化
合物等が挙げられる。
【0032】三個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルトリメタクリレート等が挙げられる。
【0033】四個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレ
ート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0034】五個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が
挙げられる。
【0035】六個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が
挙げられる。
【0036】これらの不飽和結合を有する単量体は、い
ずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであ
ればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】本発明における(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳
香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフエノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベ
ンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル
等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイ
ン等)、ベンジル誘導体(2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−
1,2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル
−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェ
ニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、ベンジルジ
メチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダ
ゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェ
ニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾ
ール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−
5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等)な
どが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。
【0038】本発明における感光性樹脂組成物(A)の
層の基板上への形成方法としては、特に制限はなく、例
えば、前記感光性樹脂組成物(A)を構成する前記各成
分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させる
ことにより、均一に分散した溶液とし、基板上に、直接
塗布し、乾燥して形成する方法、前記感光性樹脂組成物
(A)を有する感光性エレメントを用いて基板上に形成
する方法等が挙げられる。
【0039】感光性樹脂組成物(A)を構成する前記各
成分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させ
ることにより、均一に分散した溶液とし、基板上に、直
接塗布し、乾燥して形成する方法において、前記各成分
を溶解又は分散可能な溶剤としては、例えば、トルエ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブ
チルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルム
アミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコー
ル、エチルアルコール等が挙げられる。これらは単独で
又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0040】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ドクターブレードコーティング法、
マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、
スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、
インクジェットコーティング法、スプレーコーティング
法、ディップコーティング法、グラビアコーティング
法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
【0041】乾燥方法としては、公知の乾燥方法を用い
て乾燥することができ、乾燥温度は、40〜130℃と
することが好ましく、乾燥時間は、10分〜90分間と
することが好ましい。
【0042】乾燥後の感光性樹脂組成物(A)の層の厚
さは、特に制限はないが、所定の形成すべきバリアリブ
の高さにあわせて、50〜500μmとすることが好ま
しく、60〜400μmとすることがより好ましい。こ
の厚さが、50μm未満では、発光輝度が十分に得られ
ない傾向があり、500μmを超えると、パターン露光
しにくくなる傾向がある。上記所定の厚さの感光性樹脂
組成物(A)の層を得るためには、前記塗布と乾燥を1
回以上繰り返して行うことができる。
【0043】また、本発明における感光性樹脂組成物
(A)の層を構成する感光性樹脂組成物には、染料、発
色材、変色剤、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改質
剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じて
添加することができる。
【0044】また、感光性樹脂組成物(A)を有する感
光性エレメントを用いて、基板上に、感光性樹脂組成物
(A)の層を形成する方法において使用する感光性エレ
メントは、前記感光性樹脂組成物(A)を構成する各成
分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させる
ことにより、均一に分散した溶液とし、支持体フィルム
上に、塗布、乾燥することにより得ることができる。
【0045】前記各成分を溶解又は分散可能な溶剤とし
ては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチ
レン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げら
れる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用
される。
【0046】支持体フィルムとしては、化学的及び熱的
に安定であり、また、可とう性の物質で構成された、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが
好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好まし
い。
【0047】支持体フィルムは、後に感光性樹脂組成物
(A)の層から除去可能でなくてはならないため、除去
が不可能となるような表面処理が施されたものであった
り、材質であったりしてはならない。
【0048】支持体フィルムの厚さは、5〜100μm
とすることが好ましく、10〜80μmとすることがよ
り好ましい。
【0049】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。
【0050】乾燥温度は、60〜130℃とすることが
好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好ま
しい。
【0051】感光性エレメントの感光性樹脂組成物
(A)の層の厚さは、特に制限はないが、1〜200μ
mとすることが好ましく、5〜150μmとすることが
より好ましく、10〜100μmとすることが特に好ま
しい。この厚さが、1μm未満では、感光性エレメント
を作製しづらくなる傾向があり、200μmを超える
と、パターン露光しにくくなる傾向がある。
【0052】また、感光性エレメントの感光性樹脂組成
物(A)の層の上には、さらに剥離可能なカバーフィル
ムを積層することができる。
【0053】カバーフィルムとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと感光性樹脂
組成物(A)の層との接着力よりも、カバーフィルムと
感光性エレメントの感光性樹脂組成物(A)の層との接
着力の方が小さいものが好ましい。このようにして得ら
れる感光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能と
することができる。
【0054】本発明における感光性エレメントを用いて
基板表面上に感光性樹脂組成物(A)の層を形成する場
合、基板表面上に多数回ラミネートして感光性樹脂組成
物(A)の層を積層する方法、又は、感光性エレメント
の感光性樹脂組成物(A)の層を多数回貼り合わせた後
に、基板上にラミネートする方法によって行うことがで
きる。
【0055】本発明における感光性エレメントを用いて
基板表面上に感光性樹脂組成物(A)の層を形成する方
法としては、例えば感光性エレメントの感光性樹脂組成
物(A)の層を、基板の上に積層し、加熱、圧着等で感
光性樹脂組成物(A)の層を形成する方法等が挙げられ
る。
【0056】感光性エレメントの感光性樹脂組成物
(A)の層を、基板の上に積層し、加熱、圧着等で感光
性樹脂組成物(A)の層を形成する方法としては、例え
ば、感光性エレメントにカバーフィルムが存在している
ときは、そのカバーフィルムを除去後、基板の上に、感
光性樹脂組成物(A)の層が接するように、加熱圧着す
る方法等が挙げられる。
【0057】加熱圧着時の加熱温度は、10〜130℃
とすることが好ましく、20〜120℃とすることがよ
り好ましく、30〜110℃とすることが特に好まし
い。この加熱温度が、10℃未満では、感光性樹脂組成
物(A)の層が、基板の上に十分に密着できない傾向が
あり、130℃を超えると、感光性樹脂組成物(A)の
層が熱硬化する傾向がある。
【0058】また、加熱圧着時の圧着圧力は、ゲージ厚
(常圧1atmが0である)で、1×102〜1×107
Paとすることが好ましく、5×102〜5×106Pa
とすることがより好ましく、1×104〜1×106Pa
とすることが特に好ましい。この圧着圧力が、1×10
2Pa未満では、感光性樹脂組成物(A)の層が、基板
の上に十分に密着できない傾向があり、1×107Pa
を超えると、基板が破損する傾向がある。
【0059】感光性エレメントを前記のように加熱すれ
ば、基板を予熱処理することは必要ではないが、感光性
樹脂組成物(A)の層の密着性をさらに向上させる点か
ら、前記基板の予熱処理を行うことが好ましい。
【0060】さらに、同様の目的で、5×104Pa以
下の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行う
こともできる、また、感光性樹脂組成物(A)の層の凹
部内面への埋め込み性をさらに向上させる点から、上記
圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック等の柔軟性に
富んだ材質のものを使用することもできる。なお、柔軟
性に富んだ材質の層の厚さは、50〜400μmとする
ことが好ましい。
【0061】また、感光性樹脂組成物(A)の層の凹部
内面への埋め込み性をさらに向上させる点から、加熱ロ
ール等により感光性エレメントを加熱しながら、積層す
ることもできる。
【0062】また、このように積層が完了した後、30
〜150℃の範囲で、1〜120分間、加熱することも
できる。この際、支持体フィルムを必要に応じて除去す
ることもできる。
【0063】以下、図2を用いて本発明の(II)表面
に電極が形成された基板上にバリアリブを形成する工程
を詳述する。なお、図2は本工程の一例を示した模式図
である。
【0064】電極2が形成された基板1の表面上に、感
光性樹脂組成物(A)の層3を形成した状態を図2
(1)に示した。
【0065】バリアリブを形成させたい部分に活性光線
が透過しないようにフォトマスク4を介して、活性光線
5を像的に照射する状態を図2(2)に示した。 な
お、図2(3)は、光硬化後の感光性樹脂組成物(A)
の層6の露光部分を示した模式図である。
【0066】図2(2)において、活性光線5を像的に
照射する方法としては、例えば、図2(1)の状態の感
光性樹脂組成物(A)の層3の上に、支持体フィルム7
があるときはさらにその上に、ネガフィルム、ネガガラ
ス、ポジフィルム、ポジガラス等のフォトマスク4を介
して、活性光線5を像的に照射させる方法等が挙げられ
る。
【0067】活性光線5としては、公知の活性光源が使
用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キ
セノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
フォトマスク4及び活性光線5の組み合わせの代わり
に、焦点を絞った活性光線としてレーザー光等を使用す
ることもできる。
【0068】光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域に
おいて最大であるので、その場合の活性光源は、紫外線
を有効に放射するものにすべきである。また、光開始剤
が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナ
ンスレンキノン等である場合には、活性光線5として
は、可視光が用いられ、その光源としては、前記のもの
以外に写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用するこ
とができる。
【0069】また、この場合の活性光源5としては、平
行光線が好ましい。
【0070】また、本発明における活性光線5の照射量
は、特に制限はないが、5〜10000mJ/cm2
することが好ましく、7〜5000mJ/cm2とする
ことがより好ましく、10〜1000mJ/cm2とす
ることが特に好ましい。この活性光線5の照射量が5m
J/cm2未満では、形成された感光性樹脂組成物
(A)の層6の光硬化が不十分となる傾向があり、後述
する現像において、形成された感光性樹脂組成物(A)
の層6の耐現像液性(現像により除去されずに残りパタ
ーンとなる部分が、現像により侵されない性質)が低下
する傾向がある。また、活性光線5の照射量が1000
0mJ/cm2を超えると、光硬化させる必要のない部
分まで光硬化する傾向があり、後述する現像後に不要部
が残る傾向がある。
【0071】現像により不要部を除去した状態を図2
(4)に示した。なお、図2(4)において、6は光硬
化後の感光性樹脂組成物(A)の層である。
【0072】図2(4)において、現像方法としては、
例えば図2(2)の工程の後、感光性樹脂組成物(A)
の層の上に支持体フィルムが存在する場合には、これを
除去した後(図2(3))、アルカリ水溶液、水系現像
液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、揺
動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知方法に
より現像を行い、不要部を除去する方法等が挙げられ
る。
【0073】また、感光性樹脂組成物(A)の層3の不
要部を除去する方法として、ドライ現像にて行うことも
できる。なお、このときの現像時間及び現像温度は、不
要部を除去できるように適宜調節することができる。
【0074】現像時間は、感光性樹脂組成物(A)の層
3の最小現像時間(感光性樹脂組成物(A)の層を基板
上にラミネートした後、感光性樹脂組成物(A)の層が
現像によって除去される最短の時間)の1〜10倍の時
間とすることが好ましく、現像温度は10〜60℃とす
ることが好ましい。
【0075】現像時間が最小現像時間未満では、現像残
りが発生する傾向があり、最小現像時間の10倍の時間
を超えると、感光性樹脂組成物(A)の層の光硬化部6
まで除去される傾向がある。また、現像温度が10℃未
満では、現像性が低下する傾向があり、60℃を超える
と耐現像液性が低下する傾向がある。
【0076】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリ
ウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいも
のとして挙げられる。
【0077】アルカリ水溶液のpHは9〜11とするこ
とが好ましく、またその温度は感光性樹脂組成物(A)
の層の3の現像性に合わせて調整することができる。
【0078】また、アルカリ水溶液中には、表面活性
剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等
を混入させることができる。
【0079】水系現像液としては、水又はアルカリ水溶
液と1種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。
ここで、アルカリ水溶液の塩基としては、前記物質以外
に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノー
ルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホ
リン、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられ
る。
【0080】水系現像液のpHは、8〜12とすること
が好ましく、9〜10とすることがより好ましい。
【0081】有機溶剤としては、例えば、アセトンアル
コール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコ
キシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0082】有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%
の範囲とされ、また、その温度は、現像性にあわせて調
整することができる。
【0083】また、水系現像液中には、界面活性剤、消
泡剤等を少量混入することができる。
【0084】単独で用いる有機溶剤現像液としては、例
えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のた
め、1〜20重量%の範囲で水を添加してもよい。
【0085】このようにして、基板上の印刷によってバ
リアリブを形成したい部分の感光性樹脂組成物(A)の
層が現像により除去される。
【0086】また、現像後、基板上にパターン状に形成
されたレジストの密着性及び耐薬品性等を向上させる目
的で、高圧水銀ランプ等による紫外線照射や加熱を行う
こともできる。
【0087】このときの紫外線の照射量は、通常0.2
〜10mJ/cm2であり、照射の際に加熱を行うこと
もできる。また、加熱時の温度は60〜180℃とする
ことが好ましく、100〜180℃とすることがより好
ましい。また、加熱時間は15〜90分間とすることが
好ましい。これらの紫外線の照射と加熱は、照射と加熱
を別々に行ってもよく、どちらを先に行ってもよい。
【0088】以上のようにして形成したレジストを介し
て、バリアリブ剤を埋め込んで基板上にバリアリブを形
成する工程を図2(5)及び(6)を用いてさらに説明
する。
【0089】図2(4)で形成されたパターン化された
レジストのギャップ部へバリアリブ材を埋め込み、加熱
した後、表面を研磨して平坦化した構造を図2(5)に
示す。
【0090】本発明で用いられるバリアリブ材は、無機
顔料、無機結着材、有機バインダー及び沸点150℃以
上の有機溶剤からなる。
【0091】無機顔料としては、従来から用いられいる
酸化チタン、アルミナ、マグネシア、酸化亜鉛、酸化ク
ロム、酸化銅等の無機材料が1種類以上の混合物として
用いられる。無機結着材としては、公知の低融点ガラス
等のガラスフリット材料が用いられる。有機バインダー
としては、50℃以上300℃以下の温度で硬化する樹
脂を含む樹脂が用いられる。
【0092】50℃以上300℃以下の温度で硬化する
樹脂としては、エポキシ系樹脂、末端にエチレン性不飽
和基を有する熱重合性不飽和化合物、ウレタン系樹脂等
の汎用樹脂を広く用いることが可能である。
【0093】エポキシ系樹脂としては、その分子中にエ
ポキシ基を2個以上有している化合物を主成分とし、そ
の分子中にエポキシ基を1個有している化合物を添加し
た系に、硬化剤、エポキシ硬化促進剤、又はエポキシ硬
化触媒を混合したものが挙げられる。
【0094】その分子中にエポキシ基を2個以上有して
いる化合物の具体例としては、フェノールエーテル系エ
ポキシ樹脂[例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD
型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、等]:エーテル系エポキシ
樹脂[例えば、ポリオール、ポリエーテルポリオール等
とエピクロルヒドリンとの縮合物、ジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタン
ジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリ
ントリグリシジルエーテル等]:エステルエポキシ樹脂
[例えば、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン
性不飽和単量体(アクリロニトリル等)との共重合体
等]:グリシジルアミン系エポキシ樹脂[例えば、アニ
リン、ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール
類、キシリレンジアミン、ハロゲン化アニリン、ビスア
ミノメチルシクロヘキサン等のアミン類とエピクロルヒ
ドリンとの縮合物等]:非グリシジル型エポキシ樹脂
[例えば、脂肪族及び脂環式エポキシ樹脂等]が挙げら
れ、これらは2種以上併用してもよい。
【0095】これらのうち、エーテル系エポキシ樹脂及
びエステル系エポキシ樹脂が好ましく、特にエーテル系
エポキシ樹脂が好ましい。
【0096】分子中にエポキシ基を2個以上有するエポ
キシ化合物は、反応性希釈剤として、他のエポキシ化合
物と併用することもできる。他のエポキシ化合物として
は、例えば、単官能エポキシ化合物[スチレンオキサイ
ド、クレジルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
等]、ビニル結合含有エポキシ化合物[グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、エポキシ化ポ
リブタジエン、p−(グリシジルオキシメチル)スチレ
ン、p−(グリシジルオキシメチル)−α−メチルスチ
レン、m−(グリシジルオキシメチル)スチレン、m−
(グリシジルオキシメチル)−α−メチルスチレン、p
−(グリシジルオキシ)スチレン、p−(グリシジルオ
キシ)−α−メチルスチレン、ビニルシクロヘキセンモ
ノエポキサイド、2−イソシアネートエチルメタクリレ
ート、2−イソシアネートエチルアクリレート等]等が
挙げられる。これらの反応性希釈剤は、1種類、又は2
種類以上混合して用いてもよい。反応性希釈剤として
は、多官能エポキシ化合物及びビニル結合含有エポキシ
化合物が好ましく、特にビニル結合含有エポキシ化合物
が好ましい。これらの反応性希釈剤の添加量は、分子中
にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物100重
量部に対して、30重量部以下、好ましくは、20重量
部以下である。30重量部を超えて用いるとエポキシ樹
脂硬化物の硬化速度が遅く、硬化度が低くなり、硬化後
のバリアリブの形状が崩れる傾向にある。
【0097】本発明の方法において硬化剤は、特に制限
はない。具体的には、アミン系硬化剤、カルボン酸系硬
化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤等が
挙げられる。アミン系硬化剤の具体例としては、脂肪族
ポリアミン類[例えば、エチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピル
アミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン等のポリア
ルキレン(アルキレンの炭素数2〜6)ポリアミン、ア
ルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、アミノ
エチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルア
ミン等のアルキル又はヒドロキシアルキルアミン化合
物、キシリレンジアミン、テトラクロルパラキシリレン
ジアミン等の芳香族含有脂肪族アミン類等]:脂環又は
複素環含有脂肪族アミン[例えば、N−アミノエチルピ
ペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロ
ンジアミン、水添メチレンジアニリン、3,9−ビス
(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン等]:芳香族ポリアミ
ン[例えば、メタフェニレンジアミン、トルエンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフ
ェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジ
ン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、チオジアニリ
ン、ジアニシジン、メチレンビス(o−クロロアニリ
ン)、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、ジ
アミノトリスルホン、2,6−ジアミノピリジン、4−
クロロ−o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−6−
メチル−m−フェニレンジアミン、m−アミノベンジル
アミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフ
ェニルメタン等]:ポリアミドポリアミン[上記ポリア
ミン類とダイマー酸との縮合物]:ベンゾグアナミン及
び/又はアルキルグアナミン並びにその変性物、及びジ
シアンジアミド等が挙げられる。
【0098】カルボン酸系硬化剤及び酸無水物系硬化剤
の具体例としては、コハク酸、マレイン酸、イタコン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ナジック酸、メチ
ルナジック酸、ドデセニルコハク酸、ピロメリット酸、
トリメリット酸、ジシクロペンタジエンテトラカルボン
酸等及びこれらの無水物が挙げられる。
【0099】フェノール樹脂系硬化剤の具体例として
は、カテコール、カテコール誘導体、レゾルシノール、
レゾルシノール誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘
導体、ピロガロール、ピロガロール誘導体、テトラヒド
ロキシベンゼン類、テトラヒドロキシベンゼン誘導体、
2,2′−メチリデンビスフェノール、3,3′−メチ
リデンビスフェノール、4,4′−メチリデンビスフェ
ノール、2,2′−メチリデンビス(4−メチルフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(5−メチルフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(6−メチルフェノ
ール)、4,4′−メチリデンビス(2−メチルフェノ
ール)、4,4′−メチリデンビス(3−メチルフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(4,6−ジメチル
フェノール)、2,2′−メチリデンビス(3,5−ジ
メチルフェノール)、4,4′−メチリデンビス(2,
6−ジメチルフェノール)、3,3′−メチリデンビス
(2,4,6−トリメチルフェノール)、2,2′−メ
チリデンビス(4−プロピルフェノール)、4,4′−
メチリデンビス(2−プロピルフェノール)、4,4′
−メチリデンビス(2−メチル−6−エチルフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(3,4,5,6−テ
トラメチルフェノール)、4,4′−メチリデンビス
(3,4,5,6−テトラメチルフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(4−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−メチリデンビス(2−メチル−5−イ
ソプロピルフェノール)、4,4′−メチリデンビス
(3−メチル−6−イソプロピルフェノール)、4,
4′−メチリデンビス(5−メチル−6−イソプロピル
フェノール)、2,2′−メチリデンビス(4−ter
t−ブチル−6−メチルフェノール)、2,2′−メチ
リデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール)、4,4′−メチリデンビス(2−tert−ブ
チル−6−メチルフェノール)、4,4′−メチリデン
ビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(3,4−ジメチル−
6−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチリデン
ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)フェノール)、2,2′−メ
チリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−メチリデンビス(2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール)、4,4′−メチリデンビス
(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(4−クロロフェノール)、4,
4′−メチリデンビス(2−クロロフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(4−ブロモフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(4,6−ジクロロフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(4,5−ジクロロフ
ェノール)、3,3′−メチリデンビス(4,6−ジク
ロロフェノール)、4,4′−メチリデンビス(2,5
−ジクロロフェノール)、4,4′−メチリデンビス
(2,6−ジクロロフェノール)、2,2′−メチリデ
ンビス(4,6−ジブロモフェノール)、4,4′−メ
チリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(3,4,5−トリクロロフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(3,4,6−トリ
クロロフェノール)、3,3′−メチリデンビス(2,
4,6−トリクロロフェノール)、2,2′−メチリデ
ンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(4−クロロ−6−ニトロフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(6−クロロ−4−
ニトロフェノール)、2,2′−メチリデンビス(4−
ニトロフェノール)、4,4′−メチリデンビス(2−
ニトロフェノール)、2,2′−メチリデンビス(4,
6−ジニトロフェノール)、3,3′−メチリデンビス
(6−メトキシフェノール)、4,4′−メチリデンビ
ス(2−メトキシフェノール)、2,2′−メチリデン
ビス(4−クロロ−6−メチルフェノール)、2,2′
−メチリデンビス(6−クロロ−4−メチルフェノー
ル)、4,4′−メチリデンビス(2−クロロ−5−メ
チルフェノール)、4,4′−メチリデンビス(2−ク
ロロ−6−メチルフェノール)、2,2′−メチリデン
ビス(6−ブロモ−4−メチルフェノール)、4,4′
−メチリデンビス(6−ブロモ−2−メチルフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(4−クロロ−3,5
−ジメチルフェノール)、2,2′−メチリデンビス
(3−クロロ−4,6−ジメチルフェノール)、2,
2′−メチリデンビス(6−ブロモ−4,5−ジメチル
フェノール)、4,4′−メチリデンビス(2−クロロ
−3,5,6−トリメチルフェノール)、2,2′−メ
チリデンビス(4−クロロ−6−イソプロピルフェノー
ル)、2,2′−メチリデンビス(6−クロロ−4−t
ert−ブチルフェノール)、2,2′−メチリデンビ
ス(4−クロロ−3−メチル−6−イソプロピルフェノ
ール)、2,2′−メチリデンビス(4−クロロ−6−
tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′
−メチリデンビス(4,6−ジクロロ−3−メチルフェ
ノール)、2,2′−メチリデンビス(6−ニトロ−4
−tert−ブチルフェノール)、4,4′−イソプロ
ピリデンビスフェノール、2,2′−イソプロピリデン
ビス(5−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピ
リデンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−イソ
プロピリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)、
4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフ
ェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−ニ
トロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス
(2,6−ジニトロフェノール)、4,4′−ブチリデ
ンビスフェノール、2,2′−ブチリデンビス(6−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−
ブチリデンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフ
ェノール)、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノ
ール、4,4′−sec−ブチリデンビス(3−メチル
フェノール)、2,2′−sec−ブチリデンビス(3
−メチル−6−イソプロピルフェノール)、2,2′−
sec−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−4−
メチルフェノール)、4,4′−イソブチリデンビスフ
ェノール、4,4′−イソブチリデンビス(6−ter
t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−
(1,3−シクロヘキサンジイル)ビスフェノール、
4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,
4′−シクロヘキシリデンビス(2−クロロフェノー
ル)、4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−6−ジ
クロロフェノール)、2,2′−チオビスフェノール、
4,4′−チオビスフェノール、4,4′−チオビス
(2−メチルフェノール)、2,2′−チオビス(4,
5−ジメチルフェノール)、2,2′−チオビス(4,
6−ジメチルフェノール)、4,4′−チオビス(2,
6−ジメチルフェノール)、2,2′−チオビス(6−
tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′
−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノ
ール)、2,2′−チオビス(4−フルオロフェノー
ル)、2,2′−チオビス(4−クロロフェノール)、
4,4′−チオビス(3−クロロフェノール)、2,
2′−チオビス(4−クロロ−5−メチルフェノー
ル)、2,2′−チオビス(4,6−ジクロロフェノー
ル)、4,4′−チオビス(2−ブロモフェノール)、
2,2′−チオビス(5−ニトロフェノール)、4,
4′−スルフィニルビスフェノール、4,4′−スルフ
ィニルビス(2−メチルフェノール)、4,4′−スル
フィニルビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェ
ノール)、4,4′−スルフィニルビス(2−クロロフ
ェノール)、4,4′−スルフィニルビス(4−クロロ
フェノール)、2,2′−スルフィニルビス(4,6−
ジクロロフェノール)、4,4′−スルフィニルビス
(2−ブロモフェノール)、2,2′−スルホニルビス
フェノール、4,4′−スルホニルビスフェノール、
4,4′−スルホニルビス(2−メチルフェノール)、
4,4′−スルホニルビス(2,5−ジメチルフェノー
ル)、4,4′−スルホニルビス(2−tert−ブチ
ル−5−メチルフェノール)、4,4′−スルホニルビ
ス(2−クロロフェノール)、4,4′−スルホニルビ
ス(3−クロロフェノール)、4,4′−スルホニルビ
ス(2−ブロモフェノール)、4,4′−スルホニルビ
ス(2−ニトロフェノール)、2,3′−オキシビスフ
ェノール、2,2′−エタンジイルジメルカプトビスフ
ェノール、4,4′−メチリデンビスカテコール、4,
4′−メチリデンビスレゾルシン、4,4′−エチリデ
ンビスレゾルシン、2,2′−プロパンジイルビスレゾ
ルシン、2,2′−ブタンジイルビスレゾルシン、2,
2′−ペンタンジイルビスレゾルシン、4,4′−メチ
リデンビス(6−クロロレゾルシン)、2,2′−メチ
リデンビス(4−クロロ−6−ニトロレゾルシン)、
4,4′−スルフィンビスレゾルシン、2,2′−エタ
ンジイルビスヒドロキノン、4,4′−スルホニルビス
ヒドロキノン等のビスフェノール類、ノボラック型フェ
ノール樹脂類、レゾール型フェノール樹脂類、ノボラッ
ク型4−メチルフェノール樹脂類が挙げられる。
【0100】硬化剤としては、脂肪族ポリアミン類、脂
環又は複素環含有脂肪族アミン、芳香族ポリアミン、ポ
リアミドポリアミン及びフェノール樹脂系硬化剤が好ま
しい。
【0101】本発明の方法において該硬化剤の配合比
は、分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合
物と反応性希釈剤の合計のエポキシ基と当量比0.5/
1.5〜1.5/0.5の比率が望ましく、0.8/
1.2〜1.2/0.8の比率がより望ましく、0.9
5/1.05〜1.05/0.95の比率が最も望まし
い。この比が、0.5/1.5より小さい場合及び1.
5/0.5より大きい場合には、硬化後のバリアリブの
硬化度が低くなり、形状が崩れる傾向にある。
【0102】本発明の方法により硬化反応を行うにあた
っては、必要により硬化促進剤を使用できる。硬化促進
剤の具体例としては、アミン触媒[例えば、ピリジン、
キノリン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N,N
−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、
N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエ
チレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ト
リス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール
等]、第4級アンモニウム化合物[例えば、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
ブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド等]、塩基性アルカリ金属化合物[例え
ば、ナトリウムメトキシド、苛性カリ、2−エチルヘキ
サン酸カリウム等]、金属ハロゲン化物[例えば、Sn
Cl 4、FeCl3、AlCl3、StCl5、BF3、Z
nCl2、ZnBr2、LiCl等]、有機金属化合物
[例えば、トリエチルアルミニウム、アルニミウムイソ
プロポキシド、テトライソプロピルチタネート、ジエチ
ル亜鉛、n−ブトキシリチウム、酢酸亜鉛、アセチルア
セトネート等]、リン化合物[例えば、トリアルキルホ
スフィン、トリアルキルホスフィンオキシド、トリフェ
ニルホスフィン誘導体、第IVホスホニウム塩等]、ホ
ウ素化合物[例えば、トリアルキルボレート、トリアリ
ールボレート、トリシクロアルキルボレート等]、硫黄
化合物[例えば、ベンジルスルホニウム塩、アルキルス
ルホニウム塩等]等が挙げられる。
【0103】硬化促進剤を硬化剤と併用する場合、分子
中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物100
重量部に対して通常、20重量部以下、好ましくは0.
1〜10重量部用いる。
【0104】さらに、これらエポキシ樹脂に対して、硬
化触媒を単独に添加して使用できる。上記硬化触媒の具
体例としては、室温〜50℃付近までは潜在性を有し、
それ以上の加熱によって硬化反応を促進する化合物が好
ましいがこれらに限定されるものではなく、汎用の硬化
剤を用いることができる。具体的にはイミダゾール系、
ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニ
ウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジア
ミド、アミンアダクト体等、及びこれらの変性物があ
り、これらは単独又は2種以上の混合物として使用でき
る。
【0105】末端にエチレン性不飽和基を有する熱重合
性不飽和化合物としては、分子中に二重結合を2個以上
有している化合物を主成分とし、分子中に二重結合を1
個有している化合物、不飽和結合とエポキシ基やイソシ
アネート基等の他の重合又は反応基を有する化合物、あ
るいは加熱により遊離ラジカルを生成する熱開始剤を添
加することもできる。
【0106】分子中に二重結合を2個以上有している化
合物としては、本発明で用いられる感光性樹脂組成物
(A)に含有される(b)エチレン性不飽和基を有する
光重合性不飽和化合物として先に例示された化合物の中
で、2個以上の不飽和結合を有する単量体を全て用いる
ことができる。また、これらは、単独で又は二種以上組
み合わせて使用することもできる。
【0107】分子中に二重結合を1個有している化合物
は、分子中に二重結合を2個以上有している化合物10
0重量部に対して0〜50重量部の割合で混合すること
が望ましく、0〜30重量部の割合がさらに望ましい。
分子中に二重結合を1個有している化合物の割合が50
重量部を超えると硬化反応後のバリアリブの強度が保て
ない傾向にある。
【0108】さらに、不飽和結合とエポキシ基やイソシ
アネート基等の他の重合又は反応基を有する化合物とし
ては、具体的にはグリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグ
リシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエン、p−
(グリシジルオキシメチル)スチレン、p−(グリシジ
ルオキシメチル)−α−メチルスチレン、m−(グリシ
ジルオキシメチル)スチレン、m−(グリシジルオキシ
メチル)−α−メチルスチレン、p−(グリシジルオキ
シ)スチレン、p−(グリシジルオキシ)−α−メチル
スチレン、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、2
−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシア
ネートエチルアクリレート等が挙げられる。これら化合
物は、前述の硬化剤、硬化触媒を重量比0.5〜20重
量部の割合であらかじめ混合させた場合に、強度を増加
させることが可能となることから望ましい。
【0109】不飽和結合とエポキシ基やイソシアネート
基等の他の重合又は反応基を有する化合物は、分子中に
二重結合を2個以上有している化合物100重量部に対
して、重量比0〜80重量部の割合で混合することが望
ましく、0〜50重量部の割合がさらに望ましい。
【0110】さらに、加熱により遊離ラジカルを生成す
る熱開始剤としては、例えば、過酸化アセチル、過酸化
クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニ
ル、過酸化ベンゾイル、過酸化2−クロロベンゾイル、
過酸化3−クロロベンゾイル、過酸化4−クロロベンゾ
イル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化4−
ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カ
リウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒ
ドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル
−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−te
rt−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、
過ギ酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過
安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−
ブチル、過4−メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−
(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過
酸化物、2,2′−アゾビスプロパン、2,2′−ジク
ロロ−2,2′−アゾビスプロパン、1,1′−アゾ
(メチルエチル)ジアセテート、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2′−アゾビス
イソブタン、2,2′−アゾビスイソブチルアミド、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビスイソ−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2′
−ジクロロ−2,2′−アゾビスブタン、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビ
スイソ酪酸ジメチル、1,1′−アゾビス(1−メチル
ブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−
(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニト
リル、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5
−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノ
ジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−ア
リルマロノジニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチ
ルバレノニトリル、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉
草酸ジメチル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチル
バレノニトリル、1,1′−アゾビスシクロヘキサンニ
トリル、2,2′−アゾビス−2−プロピルブチロニト
リル、1,1′−アゾビス−1−クロロフェニルエタ
ン、1,1′−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニ
トリル、1,1′−アゾビス−1−シクロヘプタンニト
リル、1,1′−アゾビス−1−フェニルエタン、1,
1′−アゾビスクメン−4−ニトロフェニルアゾベンジ
ルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、
フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニル
アゾトリフェニルメタン、1,1′−アゾビス−1,2
−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,
4′−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ
(テトラエチレングリコール−2,2′−アゾビスブチ
レート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタメチ
レン)−2−テトラゼン、ベンゼンスルホニルアジド等
が使用できる。これらは単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0111】加熱により遊離ラジカルを生成する熱開始
剤は、分子中に二重結合を2個以上有している化合物1
00重量部に対して、0〜20重量部の割合で混合する
ことが望ましく、0.1〜10重量部の割合がさらに望
ましい。
【0112】また、エポキシ系樹脂、末端にエチレン性
不飽和基を有する熱重合性不飽和化合物、ウレタン系樹
脂は単独で、又は2種類以上を任意の割合で混合して用
いることができる。
【0113】硬化後のバリアリブにはその後の工程を行
うために強度が必要であるため、エポキシ系樹脂、ウレ
タン系樹脂を用いることが望ましく、エポキシ系樹脂を
用いることがより望ましい。
【0114】また、後述する本発明の焼成工程で有機物
の残渣が0.5重量%以下となる樹脂としては、エポキ
シ系樹脂、末端にエチレン性不飽和基を有する熱重合性
不飽和化合物、ウレタン系樹脂等の汎用樹脂を広く用い
ることが可能であるが、エポキシ系樹脂、末端にエチレ
ン性不飽和基を有する熱重合性不飽和化合物を用いるこ
とが望ましい。
【0115】また、混合可能な他の樹脂としては、熱可
塑性のものでもよく、ポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙
げられる。
【0116】バリアリブ材の作製に当たっては無機材料
(無機顔料及び無機結着材)と有機バインダーとの混合
比は重量比にて100/10〜100/100の割合が
望ましく、100/20〜100/50の割合がさらに
望ましい。これ以上無機材料の割合を増加させると相対
的に有機バインダーの混合量が減少し、50℃以上30
0℃以下で硬化反応を行った後もバリアリブの強度が低
くなる傾向があり、有機バインダーが多くなりすぎると
一括焼成後のバリアリブの体積収縮が大きくなりすぎ、
剥離などを起こす傾向にある。
【0117】これらの有機バインダーを用いると、バリ
アリブ中の無機材料を含んだまま硬化し機械的強度を向
上させ、また、焼成工程で燃焼して容易にバリアリブを
形成することができる。
【0118】沸点150℃以上の有機溶剤としては、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノ
イソブチレート、イソホロン、ブチルカルビトール、3
−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
【0119】本発明においてバリアリブ材をパターン化
されたレジストのギャップ部へ埋め込む方法としては、
スクリーン印刷等の印刷によって行うのが好ましい。
【0120】本発明におけるバリアリブ材の加熱による
硬化は、50℃以上300℃以下の温度で行うことが好
ましく、50℃以上250℃以下がより望ましく、80
℃以上200℃以下が特に望ましい。バリアリブ材の硬
化する温度が50℃未満であるとバリアリブ作製時に、
一部硬化し、作業性が低下する傾向があり、また300
℃よりも高い温度で硬化する場合には前記有機バインダ
ーが分解する傾向がある。
【0121】本発明におけるパターン化されたレジスト
のギャップ部へバリアリブ材を埋め込み、加熱硬化した
状態で研磨機等の方法で表面を平坦になるように研磨す
ることが好ましい。上記の埋め込みと研磨は1〜3回繰
り返すことが好ましい。
【0122】本発明におけるレジストパターンを剥離す
る方法としては、例えば図2(5)の状態の後、アルカ
リ水溶液、水系剥離液、有機溶剤剥離液等の公知の剥離
液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スク
ラッビング等の公知方法により剥離を行い、レジストパ
ターンを除去する方法等が挙げられる。なお、このとき
の剥離時間及び剥離温度は、不要部を除去できるように
適宜調節することができる。
【0123】剥離時間は、1〜200分とすることが好
ましく、剥離温度は、10〜80℃とすることが好まし
い。剥離時間が1分未満では十分な剥離が起こらない傾
向があり、200分を超えると、基板及びバリアリブ材
を侵食する傾向がある。また、剥離温度が10℃未満で
は剥離しにくくなる傾向があり、80℃を超えると基板
及びバリアリブ材を侵食する傾向がある。
【0124】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリ
ウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいも
のとして挙げられる。
【0125】剥離に用いるアルカリ水溶液のpHは10
以上とすることが好ましく、またその温度は上記剥離温
度であることが好ましい。
【0126】また、アルカリ水溶液中には、表面活性
剤、消泡剤、剥離を促進させるための少量の有機溶剤等
を混入させることができる。
【0127】水系剥離液としては、水又はアルカリ水溶
液と1種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。
ここで、アルカリ水溶液の塩基としては、前記物質以外
に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノー
ルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホ
リン、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられ
る。水系剥離液のpHは10以上とすることがより好ま
しい。
【0128】有機溶剤としては、例えば、アセトンアル
コール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコ
キシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0129】有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%
の範囲とされ、また、その温度は、剥離しやすさにあわ
せて調整することができる。また、水系現像液中には、
界面活性剤、消泡剤等を少量混入することができる。
【0130】単独で用いる有機溶剤剥離液としては、例
えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のた
め、1〜20重量%の範囲で水を添加してもよい。
【0131】このようにして、レジストパターンを剥離
して、パターン化されたバリアリブ8(図2(6))を
作製できる。
【0132】次に、パターン化されたバリアリブを焼成
することによって、目的のバリアリブを得ることができ
る。
【0133】焼成方法としては、特に制限はなく、公知
の焼成方法を使用し、無機顔料及び無機結着材以外の不
要分を除去し、バリアリブを形成することができる。
【0134】このときの昇温速度は0.5〜50℃/分
とすることが好ましく、1〜45℃/分とすることがよ
り好ましい。最高焼成温度は、400〜800℃とする
ことが好ましく、450〜600℃とすることがより好
ましい。また、最高温度での焼成時間は3〜120分間
とすることが好ましく、5〜90分間とすることがより
好ましい。また、最高焼成温度に到達する前の350〜
450℃の間に、その温度を保持するステップを設ける
ことができ、その保持時間は5〜100分間とすること
が好ましい。
【0135】本発明によって得られるガラス基板上のバ
リアリブの高さは50〜500μmが好ましく、60〜
400μmがより好ましい。また、溝の幅は30〜10
00μmが好ましく、50〜500μmがより好まし
い。
【0136】本発明の(II)工程は、(i)前記電極
及びバリアリブが形成された基板上に、蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物(B)の層を形成する工程、(i
i)フォトマスクを介して、活性光線を像的に照射する
工程及び(iii)現像により不要部分を除去する工程
を繰り返して、赤、緑、青に発光する蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物(B)の層からなる蛍光体パターンを
形成し、バリアリブが形成された基板のバリアリブに挟
まれた底部とバリアリブ壁面に赤、緑及び青に発光する
蛍光体を含有する層からなる蛍光体パターンを形成す
る。
【0137】本発明における蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層としては、蛍光体を必須成分とする
感光性樹脂組成物を含む層であれば特に制限はないが、
構成する各成分としては、例えば、(d)フィルム性付
与ポリマー、(e)エチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物及び(f)活性光の照射により遊離ラジ
カルを生成する光開始剤及び(g)蛍光体等が好ましい
ものとして挙げられる。
【0138】本発明における(d)フィルム性付与ポリ
マーとしては、前記感光性樹脂組成物(A)に使用され
る(a)フィルム性付与ポリマーをそのまま用いること
が可能である。
【0139】本発明における(e)エチレン性不飽和基
を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合
性多官能モノマーとして知られているもの、すなわち、
前記感光性樹脂組成物(A)に使用される(b)エチレ
ン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物をそのまま
用いることが可能である。
【0140】また、本発明における蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物(B)の層は、最終工程で、焼成により
不要分を除去する必要があるため、前記した(e)末端
にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物の
中から、熱分解性が良好なポリエチレングリコールジメ
タクリレート及び/又はポリプロピレングリコールジメ
タクリレートがより好ましい。
【0141】また、(d)フィルム性付与ポリマーと
(e)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽
和化合物の両方の機能を有する化合物として、側鎖にエ
チレン性不飽和基を有する光重合性高分子結合剤を
(d)フィルム性付与ポリマーの代わり用いることがで
きる。具体的には、カルボキシル基、水酸基、アミノ
基、イソシアネート基、オキシラン環、酸無水物等の官
能基を有するビニル共重合体に、少なくとも1個のエチ
レン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、
水酸基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合
物を付加反応させて得られる光重合性ビニル共重合体等
が挙げられる。
【0142】カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソ
シアネート基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有
するビニル共重合体の合成に用いられるビニル単量体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、イソシアン酸
エチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、無水マレイン酸等のカルボキシ
ル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、オキシラ
ン環、酸無水物等の官能基を有するビニル単量体が挙げ
られ、また、他のビニル単量体としては、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリ
ル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタク
リル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メ
タクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチ
ル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸
ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニ
ル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラ
デシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサ
デシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタ
デシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコ
シル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、
メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メ
タクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘ
プチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メ
タクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレ
ングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコ
ール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メ
タクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル
酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メト
キシトリエチレングリコール、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタク
リル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロ
エチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2
−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、
アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノ
エチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、
カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート
基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル
単量体を必須成分として、単独で又は2種以上を組み合
わせて使用される。
【0143】少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、
オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、酸無水物等の1個の官能基を有する化
合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、イソシアン酸エチルメタクリレ
ート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アクリル
アミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸等が挙げら
れる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0144】本発明における側鎖にエチレン性不飽和基
を有する光重合性高分子結合剤の重量平均分子量は、
5,000〜300,000とすることが好ましく、2
0,000〜150,000とすることがより好まし
い。この重量平均分子量が5,000未満では、感光性
エレメントとした場合にフィルム形成性及び可とう性が
低下する傾向があり、300,000を超えると、現像
性(不要部が現像により、容易に除去できる性質)が低
下する傾向がある。
【0145】また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層が公知の各種現像液により現像可能となるよ
うに、側鎖にエチレン性不飽和基を有する光重合性高分
子結合剤のカルボキシル基含有率(酸価(mgKOH/
g)で規定できる。)を適宜調整することができる。
【0146】例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、
90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を
超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパ
ターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)
が低下する傾向がある。
【0147】また、水又はアルカリ水溶液と1種以上の
有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合に
は、酸価を、16〜260とすることが好ましい。この
酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、
260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0148】さらに、1,1,1−トリクロロエタン等
の有機溶剤現像液を用いる場合には、カルボキシル基を
含有しなくても良い。
【0149】本発明における(f)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、感光性樹脂
組成物(A)に使用される(c)活性光の照射により遊
離ラジカルを生成する光開始剤をそのまま使用すること
が可能である。
【0150】本発明における(g)蛍光体としては、特
に制限はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使
用できる。
【0151】赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y2
2S:Eu、Zn3(PO42:Mn、Y33:Eu、
YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3
(PO42:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等
が挙げられる。
【0152】緑色発色の蛍光体としては、例えば、Zn
S:Cu、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2
SiO4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:C
e、ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Z
n、ZnS:Cu,Al+In 23、LaPO4:C
e,Tb、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。
【0153】青色発色の蛍光体としては、例えば、Zn
S:Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,
Al、ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag
+In23、Ca259Cl:Eu2+、(Sr,C
a,Ba,Mg)10(PO46C12:Eu2+、Sr10
(PO46Cl2:Eu2+、BaMgAl1017:Eu
2+、BaMgAl1423:Eu2+、BaMgAl
1626:Eu2+等が挙げられる。
【0154】本発明における(g)蛍光体の粒径は、
0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μm
であることがより好ましく、2〜8μmであることが特
に好ましい。この粒径が0.1μm未満では、発光効率
が低下する傾向があり、また、20μmを超えると、分
散性が低下する傾向がある。
【0155】また、本発明における(g)蛍光体の形状
としては、球形であることが好ましく、その表面積はよ
り小さい方が好ましい。
【0156】本発明における(d)成分の配合量は、
(d)成分及び(e)成分の総量が100重量部とし
て、10〜100重量部とすることが好ましく、20〜
100重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、10重量部未満では、感光性エレメントとしてロー
ル状で供給した場合、蛍光体含有感光性樹脂組成物がロ
ール端部からしみ出す(以下エッジフュージョンと記
す)ことにより、感光性エレメントのラミネート時にロ
ールからの繰り出しが困難となり、またしみ出した部分
がPDP用基板の空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製
造歩留りが著しく低下する等の問題が生じたり、フィル
ム形成性が低下する等の傾向がある。
【0157】本発明における(e)成分の配合量は、
(d)成分及び(e)成分の総量が100重量部とし
て、0〜90重量部とすることが好ましく、0〜80重
量部とすることがより好ましい。この配合量が、90重
量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾向があり、ま
た、感光性エレメントとした場合に、蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物が流動によって端部からしみ出した
り、フィルム形成性が低下する傾向がある。
【0158】本発明における(f)成分の配合量は、
(d)成分及び(e)成分の総量100重量部に対し
て、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.
1〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、0.01重量部未満では、蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物の感度が不十分となる傾向があり、30重量
部を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の露
光表面での活性光線の吸収が増大して、内部の光硬化が
不十分となる傾向がある。
【0159】本発明における(g)成分の配合量は、
(d)成分、(e)成分及び(f)成分の総量100重
量部に対して、10〜300重量部とすることが好まし
く、50〜250重量部とすることがより好ましく、7
0〜200重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場
合に発光効率が低下する傾向があり、300重量部を超
えると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成
性が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0160】本発明における蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成物には、
フィルム性を良好なものとするために可塑剤を添加する
ことができる。
【0161】可塑剤としては、一般式(II)
【0162】
【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Y1は水素
原子又は置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基も
しくはポリアルキレングリコール残基を示し、Y2は、
水酸基又は置換基を有してもよい飽和の炭化水素基若し
くはポリアルキレングリコール残基を示し、pは1〜2
0の整数を示す)で表わされるポリプロピレングリコー
ル及びその誘導体、ポリエチレングリコール及びその誘
導体などのポリアルキレングリコール並びに、ジオクチ
ルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレ
ート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニ
ルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェー
ト等が挙げられる。
【0163】可塑剤の配合量は、(d)成分及び(e)
成分の総量が100重量部として、0〜90重量部とす
ることが好ましく、0〜80重量部とすることがより好
ましく、0〜70重量部とすることが特に好ましい。こ
の配合量が、90重量部を超えると、感光性を含有する
感光性樹脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成
物の感度が不十分となる傾向がある。
【0164】本発明における蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成物には、
長期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするため
に、カルボキシル基を有する化合物を含有させることが
できる。
【0165】カルボキシル基を有する化合物としては、
例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、
芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等が
挙げられる。
【0166】具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘ
プタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジ
ン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メ
チルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、
マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジ
ピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト
酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が
挙げられる。
【0167】中でも、増粘を抑制する効果が高い点か
ら、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、ク
エン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以
上組み合わせて使用される。
【0168】カルボキシル基を有する化合物の配合量
は、(d)成分100重量部に対して、0〜30重量部
とすることが好ましい。この配合量が、30重量部を超
えると、感度が不十分となる傾向がある。
【0169】本発明における蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成物には、
蛍光体の分散を良好とするために、分散剤を添加するこ
とが好ましい。
【0170】分散剤としては、無機分散剤(シリカゲル
系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘク
トライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイ
デライト系等)、有機分散剤(脂肪族アマイド系、脂肪
族エステル系、酸化ポリエチレン系、硫酸エステル系ア
ニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩系、ポリカルボ
ン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエーテル系、アク
リル共重合物系、特殊シリコン系等)等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0171】分散剤の使用量としては、特に制限はな
く、(d)成分100重量部に対して、0〜100重量
部とすることが好ましい。この使用量が、100重量部
を超えると、パターン形成精度(蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物からなるパターンを、現像後、寸法的に正
確に、所望の形状で得られる性質)が低下する傾向があ
る。
【0172】本発明における蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成物には、
焼成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないようにす
るために、結着剤を使用することが好ましい。
【0173】結着剤としては、例えば、低融点ガラス、
金属アルコキシド、シランカップリング剤等が挙げられ
る。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0174】結着剤の使用量としては、特に制限はな
く、(g)成分100重量部に対して、0〜100重量
部とすることが好ましく、0〜50重量部とすることが
より好ましく、0〜30重量部とすることが特に好まし
い。この使用量が、100重量部を超えると、発光輝度
が低下する傾向がある。
【0175】また、本発明における蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物(B)の層を構成する感光性樹脂組成物
には、染料、発色剤、可塑材、顔料、重合禁止剤、表面
改質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応
じて添加することができる。
【0176】本発明の蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層の形成方法として、感光性エレメントによ
って電極パターン及びバリアリブパターンが形成された
基板表面の凹凸に追従するように蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層を形成する方法が好ましい。
【0177】使用する感光性エレメントは、前記蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を構成する前記
成分を溶解又は分散可能な溶剤に溶解又は混合させるこ
とにより均一に分散した懸濁液とし、支持体フィルム上
に塗布、乾燥することにより得ることができる。
【0178】前記各成分を、溶解又は分散可能な溶剤と
しては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化
メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて
使用される。
【0179】支持体フィルムとしては、化学的及び熱的
に安定であり、また、可とう性の物質で構成された、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが
好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好まし
い。支持体フィルムは、後に蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層から除去可能でなくてはならないた
め、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの
であったり、材質であったりしてはならない。この支持
体フィルムの厚さが、5〜100μmとすることが好ま
しく、10〜80μmとすることがより好ましい。
【0180】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。
【0181】乾燥温度は、60〜130℃とすることが
好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好ま
しい。
【0182】感光性エレメントの蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層の厚さは、特に制限はないが、
10〜200μmとすることが好ましく、20〜120
μmとすることがより好ましく、30〜80μmとする
ことが特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、
後述する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり発光希輝度
が低下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後
の蛍光体パターンが厚くなり、放電空間が少なくなる傾
向がある。
【0183】感光性エレメントの蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層は、100℃での粘度が、1〜
1×107Pa・secとすることが好ましく、2〜1
×106Pa・secとすることがより好ましく、5〜
1×105Pa・secとすることが特に好ましく、1
0〜1×104Pa・secとすることが極めて好まし
い。この100℃での粘度が1Pa・sec未満では、
室温での粘度が低くなり過ぎて感光性エレメントとした
場合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層
が流動により端部から滲み出す傾向があり、フィルム形
成性が低下する傾向がある。また、1×107Pa・s
ecを超えると、後述する凹凸を有する基板の凹部内面
への蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層の形
成性が低下する傾向がある。
【0184】感光性エレメントの蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層の上には、さらに剥離可能なカ
バーフィルムを積層することができる。カバーフィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられ、支
持体フィルムと蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層との接着力よりも、カバーフィルムと蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物(B)の層との接着力の方
が小さいものであることが好ましい。このようにして得
られる感光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能
とすることができる。
【0185】前記感光性エレメントを用いて、凹凸表面
上に形成する方法としては、例えば、感光性エレメント
の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を、凹
を有する基板の上に積層し、加熱、圧着等で凹部内面に
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を埋め込
み形成する方法、埋め込み層を用いて、加熱、圧着等で
凹部内面に蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の
層を埋め込み、形成する方法等が挙げられる。
【0186】感光性エレメントの蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層を、凹凸を有する基板の上に積
層し、加熱、圧着等で凹部内面に蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層を埋め込み形成する方法として
は、例えば、感光性エレメントにカバーフィルムが存在
しているときは、そのカバーフィルムを除去後、凹凸を
有する基板の上に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層が接するように、加熱圧着する方法等が挙げ
られる。
【0187】加熱圧着時の加熱温度は、10〜130℃
とすることが好ましく、20〜120℃とすることがよ
り好ましく、30〜110℃とすることが特に好まし
い。この加熱温度が、10℃未満では、蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物(B)の層が凹凸を有する基板の上
に十分密着できない傾向があり、130℃を超えると、
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層が熱硬化
する傾向がある。
【0188】また、加熱圧着時の圧着圧力は、ゲージ厚
(常圧1atmが0である)で、1×102〜1×107
Paとすることが好ましく、5×102〜5×106Pa
とすることがより好ましく、1×104〜1×106Pa
とすることが特に好ましい。この圧着圧力が、1×10
2Pa未満では、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層が、凹凸を有する基板の上に十分に密着でき
ない傾向があり、1×107Paを超えると、凹凸を有
する基板が破損する傾向がある。
【0189】感光性エレメントを前記のように加熱すれ
ば、凹凸を有する基板を予熱処理することは必要ではな
いが、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層の
凹凸部内面への埋め込み性をさらに向上させる点から、
前記凹凸を有する基板の予熱処理を行うことが好まし
い。
【0190】さらに、同様の目的で、4×103Pa以
下の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行う
こともできる、また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層の凹部内面への埋め込み性をさらに向上さ
せる点から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチ
ック等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもで
きる。なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、50〜
400μmとすることが好ましい。
【0191】また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層の凹部内面への埋め込み性をさらに向上させ
る点から、加熱ロール等により感光性エレメントを加熱
しながら、積層することもできる。
【0192】また、このように積層が完了した後、30
〜150℃の範囲で、1〜120分間、加熱することも
できる。この際、支持体フィルムを必要に応じて除去す
ることもできる。
【0193】また、埋め込み層を用いて、加熱、圧着等
で凹部内面に蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層を埋め込み、形成する方法としては、例えば、凹凸
を有する基板の上に、前記感光性エレメントの蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物(B)の層を、その上に熱可
塑性樹脂(C)の層等の埋め込み層が配置された状態
で、埋め込み層を加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0194】熱可塑性樹脂(C)の層を構成する樹脂と
しては、加熱圧着時の温度で軟化するものであれば特に
制限はなく、例えば、感光性樹脂組成物(A)の層を構
成する感光性樹脂組成物に使用可能な(a)フィルム性
付与ポリマーであるポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリアクリル酸エ
ステル、、ポリメタクリル酸エステル、エチレンと酢酸
ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸エステルの共
重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、スチレン
とアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共
重合体、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタ
クリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルアルコール
系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸
エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解物、
エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、エチ
レンとアクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、
塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、ス
チレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
との共重合体の加水分解物、ビニルトルエンとアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加
水分解物等)、カルボキシアルキルセルロースの水溶性
塩、水溶性セルロースエステル類、カルボキシアルキル
でん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリドン、不飽和カル
ボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合す
ることにより得られるカルボキシル基を有する樹脂など
が挙げられる。
【0195】また、熱可塑性樹脂(C)の層には、作業
性、フィルム性の向上等の点から、(k)可塑剤を含有
させることもできる。使用する(k)可塑剤としては、
感光性樹脂組成物(A)の層を構成する感光性樹脂組成
物に使用可能な(b)末端にエチレン性不飽和基を有す
る化合物、一般式(II)
【0196】
【化5】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Y1は水素
原子又は置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基も
しくはポリアルキレングリコール残基を示し、Y2は、
水酸基又は置換基を有してもよい飽和の炭化水素基若し
くはポリアルキレングリコール残基を示し、pは1〜2
0の整数を示す)で表わされるポリプロピレングリコー
ル及びその誘導体、ポリエチレングリコール及びその誘
導体などのアルキレングリコール誘導体並びに、ジオク
チルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ート等が挙げられる。
【0197】また、熱可塑性樹脂(C)の層には、感光
性樹脂組成物(A)の層を構成する感光性樹脂組成物に
使用可能な(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生
成する光開始剤を含有させてもよい。
【0198】熱可塑性樹脂(C)の層に含有される樹脂
成分の配合量は、樹脂成分及び(k)可塑剤成分の総量
が100重量部として、10〜100重量部とすること
が好ましく、20〜100重量部とすることがより好ま
しい。この配合量が、10重量部未満では、感光性エレ
メントとした場合に、樹脂組成物が流動によって端部か
らしみ出したり、フィルム形成性が低下する等の傾向が
ある。
【0199】また、熱可塑性樹脂(C)の層に含有され
る(k)可塑剤成分の配合量は、樹脂成分及び(k)可
塑剤成分の総量が100重量部として、0〜90重量部
とすることが好ましく、0〜80重量部とすることがよ
り好ましい。この配合量が、90重量部を超えると、感
光性エレメントとした場合に、流動によって端部からし
み出したり、フィルム形成性が低下する等の傾向があ
る。
【0200】さらに、熱可塑性樹脂(C)の層に含有さ
れる感光性樹脂組成物(A)の層を構成する感光性樹脂
組成物に使用可能な(c)活性光の照射により遊離ラジ
カルを生成する光開始剤成分の配合量は、樹脂成分及び
(k)可塑剤成分の総量が100重量部として、0〜3
0重量部とすることが好ましく、0〜20重量部とする
ことがより好ましい。この配合量が30重量部を超える
と露光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化
が不十分となる傾向がある。
【0201】また、熱可塑性樹脂(C)の層は、後述す
る現像工程において、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層及び熱可塑性樹脂(C)の層が同一の現像
液を使用して現像できるものであることが、工程を少な
くできる点から好ましい。同一の現像液で現像できるも
のとしては、水又はアルカリ水溶液に可溶なものが挙げ
られる。
【0202】水又はアルカリ水溶液に可溶な熱可塑性樹
脂(E)の層を構成する樹脂としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸エステル又はポ
リメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニル
の加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加
水分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体
の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の
加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトル
エンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の共重合体の加水分解物等、カルボキシアルキルセルロ
ースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボ
キシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリド
ン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単
量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を
有する樹脂等が挙げられる。
【0203】不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な
不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキ
シル基を有する樹脂としては、例えば、不飽和カルボン
酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等)と、前記感光性樹脂組成物(A)の
層を構成する(a)フィルム性付与ポリマーに使用可能
なビニル単量体とを共重合して得られるビニル共重合体
などを使用することが好ましい。
【0204】不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な
不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキ
シル基を有する樹脂は、重量平均分子量が、5,000
〜300,000とすることが好ましく、20,000
〜150,000とすることがより好ましい。この重量
平均分子量が、5,000未満では、感光性エレメント
とした場合にフィルム形成性及び可とう性が低下する傾
向があり、300,000を超えると、現像性(不要部
が現像により、容易に除去できる性質)が低下する傾向
がある。 なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチ
レン検量線を用いて換算した値である。
【0205】また、アルカリ水溶液に可溶な熱可塑性樹
脂(C)の層として、公知の各種現像液により現像可能
となるように、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能
な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボ
キシル基を有する樹脂のカルボキシル基含有率(酸価
(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整すること
ができる。
【0206】例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を9
0〜260とすることが好ましい。この酸価が、90未
満では、現像が困難となる傾向があり、260を超える
と、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0207】また、水又はアルカリ水溶液と1種以上の
有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合に
は、酸価を16〜260とすることが好ましい。この酸
価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、2
60を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0208】熱可塑性樹脂(C)の層は、これを構成す
る樹脂を溶解する溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一な溶液とし、前記した支持体フィルム上に、ナ
イフコート法、ロールコー卜法、スプレーコート法、グ
ラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等の
公知の塗布方法を用いて、塗布、乾燥することによりフ
ィルム状に形成することができる。
【0209】熱可塑性樹脂(C)の層を構成する樹脂を
溶解する溶剤としては、例えば、水、トルエン、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクト
ン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テ
トラメチルスルホン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ク
ロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチル
アルコール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以
上を組み合わせて使用される。
【0210】熱可塑性樹脂(C)の層の厚さは、特に制
限はないが、凹凸を有する基板の凹部内面への埋め込み
性の点から、10〜200μmとすることが好ましく、
20〜100μmとすることがより好ましい。
【0211】熱可塑性樹脂(C)の層は、100℃での
粘度が、1〜1×107Pa・secとすることが好ま
しく、2〜1×106Pa・secとすることがより好
ましく、5〜1×105Pa・secとすることが特に
好ましく、10〜1×104Pa・secとすることが
極めて好ましい。この100℃での粘度が1Pa・se
c未満では、室温での粘度が低くなり過ぎてフィルムと
した場合に、熱可塑性樹脂(C)の層が流動により端部
から滲み出す傾向にあり、フィルム形成性が低下する傾
向がある。また、1×107Pa・secを超えると、
後述する凹凸を有する基板の凹部内面への蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物(B)の層の形成性が低下する傾
向がある。
【0212】また、熱可塑性樹脂(C)の層の上には、
さらに剥離可能なカバーフィルムを積層することができ
る。
【0213】カバーフィルムとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと熱可塑性樹
脂(C)の層との接着力よりも、カバーフィルムと熱可
塑性樹脂(C)の層との接着力の方が小さいものが好ま
しい。
【0214】このようにしフィルム状に形成された熱可
塑性樹脂(C)の層は、ロール状に巻いて保管可能とす
ることができる。
【0215】凹凸を有する基板の上に、前記感光性エレ
メントの蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層
を、その上に、熱可塑性樹脂(C)の層を配置した状態
で、熱可塑性樹脂(C)の層を、加熱、圧着させる方法
としては、例えば、前記感光性エレメントを凹凸を有す
る基板の上に積層し、その上に支持体フィルムが存在し
ている場合には、支持体フィルムを除去後、蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物(B)の層の上に、熱可塑性樹
脂(C)の層(カバーフィルムが存在しているときは、
そのカバーフィルムを除去した後)を配置し、加熱ロー
ル等により加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0216】加熱圧着時の加熱温度は、10〜130℃
とすることが好ましく、20〜120℃とすることがよ
り好ましく、30〜110℃とすることが特に好まし
い。この加熱温度が、10℃未満では、蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物(B)の層の凹凸を有する基板の凹
部内面への埋め込み性が低下する傾向があり、130℃
を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層が熱硬化する傾向がある。
【0217】また、加熱圧着時の圧着圧力は、ゲージ厚
(常圧1atmが0である)で、1×102〜1×107
Paとすることが好ましく、5×102〜5×106Pa
とすることがより好ましく、1×104〜1×106Pa
とすることが特に好ましい。この圧着圧力が、1×10
2Pa未満では、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層の凹凸を有する基板の凹部内面への埋め込み
性が低下する傾向があり、1×107Paを超えると、
凹凸を有する基板が破壊される傾向がある。
【0218】熱可塑性樹脂(C)の層を前記のように加
熱すれば、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の
層を積層した凹凸を有する基板を予熱処理することは必
要ではないが、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層の凹部内面への埋め込み性をさらに向上させ
る点から、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の
層を積層した凹凸を有する基板を予熱処理することが好
ましい。
【0219】このときの予熱温度は、30〜130℃と
することが好ましく、また、予熱時間は0.5〜20分
間とすることが好ましい。
【0220】また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層の凹部内面への埋め込み性をさらに向上させ
る点から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチッ
ク等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもでき
る。なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜
400μmとすることが好ましい。
【0221】さらに、同様の目的で、4×103Pa以
下の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行う
こともできる、また、積層が完了した後、30〜150
℃の範囲で、1〜120分間加熱することもできる。こ
のとき、熱可塑性樹脂(C)の層の上に支持体フィルム
が存在する場合には、その支持体フィルムを必要に応じ
除去してもよい。
【0222】このようにして、蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物(B)の層を凹凸を有する基板の凹部内面に
均一に形成することができる。
【0223】また、本発明における工程において、熱可
塑性樹脂(C)の層等の埋め込み層と蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物(B)の層を有する感光性エレメント
を使用する場合には、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層と熱可塑性樹脂(E)の層とを、蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物(B)の層が凹凸を有する基
板面に接するようにして、2層同時に加熱圧着しながら
積層させることもできる。
【0224】2層同時に加熱圧着しながら積層させると
きの加熱圧着条件としては、前記熱可塑性樹脂(C)の
層を加熱圧着させるときの条件を用いることができる。
【0225】また、本発明における工程においては、熱
可塑性樹脂(C)の層等の埋め込み層と蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物(B)の層とが一体化された感光性
エレメントを使用し、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(C)の層が凹凸を有する基板面に接するようにし
て、2層同時に加熱圧着し、積層させることもできる。
【0226】本工程の蛍光体パターンの形成方法を図3
に示し、これらの図を用いて、それぞれの工程を詳述す
る。
【0227】バリアリブ8間に電極2が形成された基板
1(凹凸を有する基板)図3(1)の凹凸表面上に、蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9を形成し
た状態を図3(2)に示した。なお、本方法において、
埋め込み層を使用した場合は、図3(2)の蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物(B)の層9の上に、埋め込み
層が存在することになる。
【0228】蛍光体パターンを形成させたいバリアリブ
に挟まれた底部とバリアリブ壁面の部分以外に活性光線
が透過しないようにフォトマスク4を介して、活性光線
5を像的に照射する状態を図3(3)に示した。本発明
においてフォトマスク4は、凹部の開口幅よりも広い活
性光線透過幅を有するものであることが好ましい。
【0229】図3(3)において、活性光線5を像的に
照射する方法としては、例えば、図3(2)の状態の蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9の上に、
ネガフィルム、ネガガラス、ポジフィルム、ポジガラス
等のフォトマスク4を介して、活性光線5を像的に照射
する方法等が挙げられる。
【0230】このとき、蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物(B)の層9の上に、埋め込み層が存在する場合に
は、埋め込み層を剥離又は現像により除去した後に活性
光線5を像的に照射することもでき、また、埋め込み層
が活性光線5を透過する材質のものであれば、埋め込み
層が存在する状態で、埋め込み層の上に、フォトマスク
3を介して、活性光線5を像的に照射することもでき
る。なお、埋め込み層が存在する状態で、活性光線5を
像的に照射した場合で、埋め込み層が感光性を有するも
のである場合は、照射部の埋め込み層も照射部の蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9と同様に光硬
化することとなる。
【0231】本発明における活性光線5としては、公知
の活性光線が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀
蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等
が挙げられる。
【0232】本発明におけるフォトマスク4及び活性光
線5の組み合わせの代わりに、焦点を絞った活性光線と
してレーザー光等を使用することもできる。
【0233】光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域に
おいて最大であるので、その場合の活性光源は、紫外線
を有効に放射するものにすべきである。また、光開始剤
が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナ
ンスレンキノン等である場合には、活性光線5として
は、可視光が用いられ、その光源としては、前記のもの
以外に写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用するこ
とができる。また、本発明における活性光線5として
は、平行光線、散乱光線等が挙げられ、平行光線、散乱
光線のどちらを使用してもよく、また、両方を一工程に
おいて使用してもよく、両方を二段階で別々で使用して
もよい。なお、両方を二段階で別々に使用する場合に
は、どちらを先に行ってもよい。
【0234】また、本発明における活性光線5の照射量
は、特に制限はないが、5〜10000mJ/cm2
することが好ましく、7〜5000mJ/cm2とする
ことがより好ましく、10〜1000mJ/cm2とす
ることが特に好ましい。この活性光線5の照射量が5m
J/cm2未満では、形成された電極材を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層9の光硬化性が不十分となる傾
向があり、後述する現像において、形成された蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物(B)の層10の耐現像液性
(現像により除去されずに残りパターンとなる部分が、
現像により侵されない性質)が低下する傾向がある。ま
た、活性光線5の照射量が10000mJ/cm2を超
えると、光硬化させる必要のない部分まで光硬化する傾
向があり、後述する現像後に不要部が残る傾向がある。
【0235】現像により未硬化の蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層9を除去した状態を図3(4)
に示した。なお、図3(4)において、10は光硬化後
の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層であ
る。
【0236】図3(4)において、現像方法としては、
例えば、図3(3)の状態の後、蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層9の上に支持体フィルムが存在
する場合には、これを除去した後(蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物(B)の層9の上に埋め込み層が存在
し、その埋め込み層上に支持体フィルムが存在する場合
には、これを除去した後)、アルカリ水溶液、水系現像
液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、揺
動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法に
より現像を行い、未硬化の蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物(B)の層9を除去する方法等が挙げられる。
【0237】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層9の上に埋め込み層が存在する場合において、未硬
化の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9を
除去する場合には、まず蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物(B)の層9を溶解しない水、アルカリ水溶液、半
溶剤水溶液、半溶剤アルカリ水溶液、有機溶剤等を用い
て、埋め込み層を溶解により除去した後に、現像液を用
いて、未硬化の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層9を除去してもよく、また、未硬化の蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9及び埋め込み
層が、同一の現像液を使用して現像できるものである場
合には、その現像液を用いて未硬化の蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物(B)の層9の不要部及び埋め込み層
を一工程で除去することもできる。
【0238】また、未硬化の蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層9及び埋め込み層を除去する方法と
して、ドライ現像にて、それぞれ単独に又は一工程で行
うこともできる。
【0239】なお、本発明の図3(4)の工程において
は、前記図3(3)の工程により形成された目的のバリ
アリブで挟まれた凹部内面以外の、蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物(B)の層(蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物(B)の層9の上に、埋め込み層が存在する場
合は、その埋め込み層又は埋め込み層が感光性を有する
ものである場合は、目的の凹部内面以外の埋め込み層)
は、不要部であり、これを現像により除去する必要があ
る。
【0240】なお、このときの現像時間及び現像温度
は、未硬化の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層9を除去できるように適宜調節することができる。
【0241】現像時間は、蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物(B)の層9の最小現像時間(蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物(B)の層をガラス基板の凹部内面に
埋め込んだ後、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層が現像によって除去される最短の時間)の1
〜10倍の時間とすることが好ましく、現像温度は10
〜60℃とすることが好ましい。
【0242】現像時間が最小現像時間未満では、現像残
りが発生する傾向があり、最小現像時間の10倍の時間
を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層の硬化部分10まで除去される傾向がある。また、
現像温度が10℃未満では、現像性が低下する傾向があ
り、60℃を超えると耐現像液性が低下する傾向があ
る。
【0243】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリ
ウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいも
のとして挙げられる。
【0244】現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9
〜11とすることが好ましく、また、その温度は、蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9及び埋め込
み層が存在する場合には、その埋め込み層の現像性に合
わせて調整することができる。
【0245】また、アルカリ水溶液中には、表面活性
剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤を
混入させることができる。
【0246】水系現像液としては、水又はアルカリ水溶
液と1種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。
【0247】ここで、アルカリ水溶液の塩基としては、
前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウ
ム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,
3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール
−2−モルホリン、水酸化テトラメチルアンモニウム等
が挙げられる。
【0248】水系現像液のpHは、8〜12とすること
が好ましく、9〜10とすることがより好ましい。
【0249】有機溶剤としては、例えば、アセトンアル
コール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコ
キシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0250】有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%
の範囲とされ、また、その温度は、現像性にあわせて調
整することができる。
【0251】また、水系現像液中には、界面活性剤、消
泡剤等を少量混入することができる。
【0252】単独で用いる有機溶剤現像液としては、例
えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のた
め、1〜20重量%の範囲で水を添加してもよい。
【0253】このようにして、目的の凹部内面以外に形
成された感光性樹脂組成物(B)の層(不要部)(蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層9の上に埋め
込み層が存在する場合は、その埋め込み層又は埋め込み
層が感光性を有するものである場合には、目的の凹部内
面以外の埋め込み層)が現像により除去され、目的の凹
部内面には、光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物(B)の層10(蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層10の上に感光性を有する埋め込み層が存
在する場合は、光硬化後の埋め込み層も含む)が形成さ
れる。
【0254】また、現像後、PDP用基板上の凹部内面
における蛍光体含有フォトレジストの密着性及び耐薬品
性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による紫外
線照射や加熱を行うこともできる。
【0255】このときの紫外線の照射量は、通常0.2
〜10mJ/cm2であり、照射の際に加熱を行うこと
もできる。また、加熱の温度は60〜180℃とするこ
とが好ましく、100〜180℃とすることがより好ま
しい。また、加熱時間は15〜90分間とすることが好
ましい。これらの紫外線の照射と加熱は、照射と加熱を
別々に行ってもよく、どちらを先に行ってもよい。
【0256】本発明における蛍光体パターンの製造法
は、工程数を低減できる等の点から、前記本発明におけ
る図3(1)〜(4)の各工程を1色毎に繰り返して、
赤色、緑色及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性
樹組成物(B)の層からなる蛍光体パターンを形成する
ことができる。
【0257】本発明において、赤色、緑色及び青色に発
色する蛍光体パターンの形成は、赤色、緑色、青色の各
色について、どの様な順番でも行うことができる。
【0258】本発明における図3(1)〜(4)の各工
程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色す
る蛍光体を含有する感光性樹組成物(B)の層を含む蛍
光体パターンを形成した状態を図3(5)に示した。図
3(5)において、10は1色目のパターン、11は2
色目のパターン及び12は3色目のパターンである。
【0259】なお、前記した工程において、露光・現像
条件及びフォトマスクの位置ずれ等によって、バリアリ
ブ8の頂部に蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)
の層が残る場合がある。この場合、3色パターン形成後
に、バリアリブ8頂部の硬化した蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物(B)の層を研磨等により完全に除去する
こともできる。また、このような場合を想定して3色蛍
光体パターン形成後、次の焼成工程の前に、バリアリブ
頂部に酸化鉄、酸化クロム、酸化クロム、酸化銅などの
黒色無機顔料及び低融点ガラスフリット等を含む黒色無
機材料ペーストを塗布又は印刷あるいは、黒色無機顔料
含有感光性エレメントを用いてブラックストライプを形
成した後に次の一括焼成を行うことができる。
【0260】最後に、本発明における(III)の焼成
工程を行い多色の蛍光体パターンを形成する。
【0261】焼成方法としては、特に制限はなく、公知
の焼成方法を使用し、蛍光体及び結着剤以外の不要分を
除去し、蛍光体パターンを形成することができる。
【0262】このときの昇温速度は0.5〜50℃/分
とすることが好ましく、1〜45℃/分とすることがよ
り好ましい。最高焼成温度は、400〜800℃とする
ことが好ましく、450〜600℃とすることがより好
ましい。また、最高温度での焼成時間は3〜120分間
とすることが好ましく、5〜90分間とすることがより
好ましい。また、最高焼成温度に達する前の350〜4
50℃の間に、その温度を保持するステップを設けるこ
とができ、その保持時間は5〜100分間とすることが
好ましい。
【0263】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0264】製造例1 [フィルム性付与ポリマー(No.1)の作製]撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表1に示す溶剤を仕込み、窒素ガス雰囲気
下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちな
がら、表1に示すモノマーと開始剤の混合物を4時間か
けて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間撹
拌を続け、重量平均分子量が80,000、酸価が11
4mgKOH/gのフィルム性付与ポリマー(No.
1)を得た。
【0265】
【表1】 製造例2 [フィルム性付与ポリマー(No.2)の作製]撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表2に示す溶剤を仕込み、窒素ガス雰囲気
下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちな
がら、表2に示すモノマーと開始剤の混合物を4時間か
けて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間撹
拌を続け、重量平均分子量が30,000、酸価が15
7mgKOH/gのフィルム性付与ポリマー(No.
2)を得た。
【0266】
【表2】 製造例3 [感光性樹脂組成物(A)の層を含む感光性エレメント
(A−1)の作製]表3に示す材料を、メカニカルスタ
ーラーを用いて15分間混合し、感光性樹脂組成物溶液
を調製した。
【0267】
【表3】 得られた溶液を、20μmの厚さのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃の
熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、感
光性樹脂組成物層(A)の層を形成した。得られた感光
性樹脂組成物(A)の層の乾燥後の厚さは、50μmで
あった。
【0268】次いで、感光性樹脂組成物(A)の層の上
に、厚さが25μmのポリエチレンフィルムをカバーフ
ィルムとして貼り合わせて、感光性樹脂組成物(A)の
層を含む感光性エレメント(A−1)を作製した。
【0269】製造例4 [熱可塑性樹脂(C)の層を含む感光性エレメント(C
−1)の作製]表4に示す材料を、メカニカルスターラ
ーを用いて5分間混合し、熱可塑性樹脂(C)の溶液を
調製した。
【0270】
【表4】 得られた溶液を、20μmの厚さのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に均一に塗布し80〜100℃の熱
風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、熱可
塑性樹脂(C)の層を形成した。得られた熱可塑性樹脂
(C)の層の乾燥後の厚さは45μmであった。
【0271】次いで、熱可塑性樹脂(C)の層の上に厚
さが25μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルム
として貼り合せて、熱可塑性樹脂(C)の層を含む感光
性エレメント(C−1)を作製した。
【0272】製造例5 [赤色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を
含む感光性エレメント(B−1)の作製]表5に示す材
料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、赤色蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物懸濁液を調製した。
【0273】
【表5】 得られた懸濁液を、50μmの厚さのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃
の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、
赤色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(B)の層を
形成した。得られた赤色蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物(B)の層の乾燥後の厚さは、50μmであった。
【0274】次いで、赤色蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物(B)の層の上に、厚さが25μmのポリエチレ
ンフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせて、赤色
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を含む感光性エレメ
ント(B−1)を作製した。
【0275】製造例6 [青色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を
含む感光性エレメント(B−2)の作製]表6に示す材
料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、青色蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物懸濁液を調製した。
【0276】
【表6】 得られた懸濁液を、50μmの厚さのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃
の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、
青色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(B)の層を
形成した。得られた青色蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物(B)の層の乾燥後の厚さは、50μmであった。
【0277】次いで、青色蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物(B)の層の上に、厚さが25μmのポリエチレ
ンフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせて、青色
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を含む感光性エレメ
ント(B−2)を作製した。
【0278】製造例7 [緑色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を
含む感光性エレメント(B−3)の作製]表7に示す材
料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、緑色蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物懸濁液を調製した。
【0279】
【表7】 得られた懸濁液を、50μmの厚さのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃
の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、
緑色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を形
成した。得られた緑色蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物(B)の層の乾燥後の厚さは、50μmであった。
【0280】次いで、緑色蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物(B)の層の上に、厚さが25μmのポリエチレ
ンフィルムをカバーフィルムとして貼り合わせて、緑色
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を含む感光性エレメ
ント(B−3)を作製した。
【0281】製造例8 [熱可塑性樹脂層(C)を含むフィルム(C−2)の作
製]表8に示す材料からなる樹脂溶液を、20μmの厚
さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗
布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾
燥して蒸留水を除去し、熱可塑性樹脂(C)の層を形成
した。得られた熱可塑性樹脂(C)の層の乾燥後の厚さ
は45μmであった。
【0282】
【表8】 次いで、熱可塑性樹脂(C)の層の上に厚さが25μm
のポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして貼り合
せて、熱可塑性樹脂(C)の層を含むフィルム(C−
2)を作製した。
【0283】製造例9 バリアリブペースト(Z−1)の作製 表9に示す配合でライカイ機を用いて無機材料と樹脂を
室温で混合し、バリアリブペースト(Z−1)を作製し
た。
【0284】
【表9】 実施例1 [(I)電極が形成された基板上に、バリアリブを形成
する工程]スパッタリングによって幅約50μmのCr
/Cu/Cr電極が220μm間隔で形成され、さらに
その上に誘電層がオーバーコートされた10枚のインチ
基板上に、製造例3で得られた感光性エレメント(A−
1)を3回ラミネート(基板予熱:80℃、ラミネート
ロール温度:110℃、ラミネートロール圧:3.9×
105Pa、ラミネート速度:1.0m/min)し、
厚さ150μmの感光性樹脂組成物(A)の層を形成し
た。室温で30分放置後、所定のフォトマスクを介し、
露光量80mJ/cm2にて露光後、1wt%−Na2
3aqを用いて感光性樹脂組成物(B)の層の未露光
部分を現像して除き、バリアリブペースト埋め込み用レ
ジストを作製した。次に、製造例9で得られたバリアリ
ブペーストをスクリーン印刷機を用いて、レジストのギ
ャップ部へ埋め込んだ。得られた基板を80℃で30分
間、続いて180℃で45分間加熱した後、パターン化
されたレジスト及びバリアリブ材が形成された表面を水
洗しながら、サンドペーパーで研磨し、平坦化した。次
に得られた基板を45℃の5%−NaOH水溶液に浸漬
し、レジストを剥離した後、十分に水洗及び酸処理を繰
り返した。得られた基板を80℃で30分間乾燥した
後、250℃で2時間加熱した。その後、昇温速度3℃
/minで昇温後、350℃で30分保持し、さらに昇
温速度5℃/minで昇温580℃で30分間保持した
後、放冷した。以上の方法によって、基板上に幅約50
μm、高さ約130μmのストライプ状のバリアリブが
220μm間隔で形成された10枚の10インチ基板が
得られた。 [(II)電極及びバリアリブが形成された基板のバリ
アリブに挟まれた底部とバリアリブの壁面に赤、緑及び
青に発光する蛍光体を含有する層からなる蛍光体パター
ンを形成する工程]前記で得られた幅約50μm、高さ
約130μmのストライプ状のバリアリブが220μm
間隔で形成されたストライプ状の溝の底にストライプ状
に電極パターンが形成された10枚の10インチ基板表
面に、製造例5で得られた感光性エレメント(B−1)
をポリエチレンフィルムを剥がしながら、日立化成工業
(株)製、商品名HLM−3000型を用いてラミネー
ト(基板予熱:60℃、ラミネートロール温度:110
℃、ラミネートロール圧(ゲージ圧:常圧atmが0で
ある):3.9×105Pa、ラミネート速度:1.0
m/min)した。次に、ラミネートした感光性エレメ
ント(B−1)上のポリエチレンテレフタレートをはが
した後、その上から製造例4で得られたフィルム(C−
1)をポリエチレンフィルムを剥がしながら、日立化成
工業(株)製、商品名HLM−3000型を用いてラミ
ネート(基板予熱:100℃、ラミネートロール温度:
110℃、ラミネートロール圧(ゲージ圧:常圧atm
が0である):3.9×105Pa、ラミネート速度:
1.0m/min)し、幅約50μm、高さ約130μ
mのストライプ状のバリアリブが220μmの間隔で形
成されたストライプ状の溝の底にストライプ状に電極パ
ターンが形成された基板表面に追従するように、赤色蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層を形成し
た。続いて、フィルム(C−1)を赤色蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物(B)の層から剥離して除去した
後、所定のストライプ状マスクを介して、溝の内側に光
が照射され硬化するように露光し((株)オーク製作所
製、HMW−201GX型露光機、80mJ/c
2)、活性光線の照射後、常温で1時間放置した後、
1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で12
0秒間スプレー現像し、未露光部分を現像して除いた。
現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製東
芝紫外線照射装置を使用して、3mJ/cm2の紫外線
照射を行い、さらに、150℃で1時間、乾燥機中で加
熱した。これらの操作によって、ストライプ状の溝の内
側にストライプ状に第1色目の蛍光体パターンが形成さ
れた基板が得られた。次に、製造例6で得られた感光性
エレメント(B−2)を上記(B−1)と同様の操作で
ラミネートし、青色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層を形成し、続いて、所定のストライプ状マス
クを介して、上記と同様に露光処理し、第2色目の蛍光
体パターンが形成された基板が得られた。さらに、製造
例7で得られた感光性エレメント(B−3)を上記(B
−1)と同様の操作でラミネート、露光処理し、第3色
目の蛍光体パターンが形成された基板が得られた。以上
のようにして、RGB3色蛍光体パターンが形成された
基板を得た。
【0285】続いて、酸化鉄及び低融点ガラスフリット
並びにアクリル樹脂及びブチルカルビトールからなるブ
ラックマトリックスペーストをバリアリブ頂部に印刷
し、ブラックマトリックスを形成した。 [(III)上記の各工程で作製された電極パターン、
バリアリブパターン及びRGB蛍光体パターンが形成さ
れた基板を所定の温度で一括焼成する工程]最後に、こ
のように形成した基板を10リットル/分の空気を流し
た焼成炉に入れ、昇温速度2℃/分で400℃まで昇温
し、400℃で1時間保持、さらに500℃まで昇温し
て、30分間保持した後放冷した。これにより、樹脂及
び有機成分を除去し、プラズマディスプレイ用背面板を
製造した。
【0286】実施例2 [(I)電極が形成された基板上に、バリアリブを形成
する工程]実施例1[(I)電極が形成された基板上
に、バリアリブを形成する工程]と同様の処理を行うこ
とによって、基板上に幅約50μm、高さ約130μm
のストライプ状のバリアリブパターンが220μm間隔
で形成された10枚の10インチ基板が得られた。 [(II)電極及びバリアリブが形成された基板のバリ
アリブに挟まれた底部とバリアリブの壁面に赤、緑及び
青に発光する蛍光体を含有する層からなる蛍光体パター
ンを形成する工程]前記で得られた幅約50μm、高さ
約130μmのストライプ状のバリアリブが220μm
間隔で形成されたストライプ状の溝の底にストライプ状
に電極パターンが形成された基板表面に、製造例5で得
られた感光性エレメント(B−1)と製造例8で得られ
たフィルム(C−2)をそれぞれのポリエチレンフィル
ムを剥離しながら、感光性エレメント(B−1)の赤色
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層とフィル
ム(C−2)の熱可塑性樹脂(C)の層が内側になるよ
うに貼り合わせ、感光性エレメント(B−1)側のポリ
エチレンテレフタレートを剥がしながら、日立化成工業
(株)製、商品名HLM−3000型を用いてラミネー
ト(基板予熱:100℃、ラミネートロール温度:11
0℃、ラミネートロール圧(ゲージ圧:常圧atmが0
である):3.9×105Pa、ラミネート速度:1.
0m/min)した。続いて、所定のストライプ状マス
クを介して、溝の内側に光が照射され硬化するように露
光し((株)オーク製作所製、HMW−201GX型露
光機、80mJ/cm2)、活性光線の照射後、常温で
1時間放置した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用
いて、30℃で120秒間スプレー現像し、未露光部分
を現像して除いた。現像後、80℃で10分間乾燥し、
東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3m
J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で1
時間、乾燥機中で加熱した。これらの操作によって、ス
トライプ状の溝の内側にストライプ状に第1色目の蛍光
体パターンが形成された基板が得られた。次に、製造例
6で得られた感光性エレメント(B−2)を上記(B−
1)と同様に(C−2)と貼り合わせ、上記と同様にラ
ミネート、露光、現像などの処理をすることによって、
ストライプ状の溝の内側にストライプ状に第2色目の蛍
光体パターンが形成された基板が得られた。さらに、製
造例8で得られた感光性エレメント(B−3)を上記
(B−1)と同様に(C−2)と貼り合わせ、上記と同
様にラミネート、露光、現像などの処理をすることによ
って、ストライプ状の溝の内側にストライプ状に第3色
目の蛍光体パターンが形成された基板が得られた。以上
のようにして、RGB3色蛍光体パターンが形成された
基板を得た。
【0287】続いて、酸化鉄及び低融点ガラスフリット
並びにアクリル樹脂及びブチルカルビトールからなるブ
ラックマトリックスペーストをバリアリブ頂部に印刷
し、ブラックマトリックスを形成した。 [(III)上記の各工程で作製された電極パターン、
バリアリブパターン及びRGB蛍光体パターンが形成さ
れた基板を所定の温度で焼成する工程]最後に、このよ
うに形成した基板を10リットル/分の空気を流した焼
成炉に入れ、昇温速度2℃/分で400℃まで昇温し、
400℃で1時間保持、さらに500℃まで昇温して、
30分間保持した後放冷した。これにより、樹脂及び有
機成分を除去し、プラズマディスプレイ用背面板を製造
した。
【0288】試験例1 [プラズマディスプレイ用背面板の評価]実施例1及び
2で得られたプラズマディスプレイ用背面板それぞれ1
0枚の表面及び断面を、目視、実体顕微鏡及びSEMに
より観察し、形成状況を評価し、結果を表12に示し
た。評価基準は次の通りである。 ○:蛍光体層がPDP用基板の凹部内面(バリアリブ壁
面及び基板面)上に均一に形成されている。 ×:蛍光体層がPDP用基板の凹部内面(バリアリブ壁
面及び基板面)上に均一に形成されていない。
【0289】比較例1 10枚の10インチ基板上に、実施例1の[(I)電極
が形成された基板上にバリアリブ形成する工程]と同様
の操作でバリアリブを形成した後、スクリーン印刷によ
ってRGB蛍光体パターンを形成した基板を、実施例1
の[(III)上記の各工程で作製されたRGB蛍光体
パターンが形成された基板を所定の温度で焼成する工
程]と同様に焼成してプラズマディスプレイ用背面板を
製造した。得られたプラズマディスプレイ用背面板10
枚を試験例1と同様に評価して、その結果を表10に示
した。
【0290】
【表10】 表10から、本発明の実施例1及び2で作製した10イ
ンチプラズマディスプレイ用背面板10枚では、その形
成性(バリアリブ壁面及び基板底面に囲まれた凹部内面
において、均一な蛍光体パターンを再現よく形成できる
性質)が良好であることが分かる。
【0291】これと比較して、比較例1は、蛍光体層の
形成性が再現性が低く、同じものを安定して作製すると
いう、量産工程に用いるには不適当であることが分かっ
た。
【0292】
【発明の効果】本発明のプラズマディスプレイ用背面板
の製造法は、高精度なプラズマディスプレイ用背面板を
祐度をもって形成でき、作業性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラズマディスプレイ用背面板の製造法
の一例を示した模式図である。
【図2】本発明における(I)電極が形成された基板上
に、バリアリブを形成する工程の一例を示した模式図で
ある。
【図3】本発明における(II)電極及びバリアリブが
形成された基板のバリアリブに挟まれた底部とバリアリ
ブ壁面に赤、緑及び青に発光する蛍光体を含有する層か
らなる蛍光体パターンを形成する工程の一例を示した模
式図である。
【図4】実施例1及び2のプラズマディスプレイ用背面
板の断面の模式図である。
【図5】比較例1のプラズマディスプレイ用背面板の断
面の模式図である。
【符号の説明】
(a) 基板 (b) 電極 (c) バリアリブパターン (d) バリアリブ (e) 蛍光体層 1 基板 2 電極 3 感光性樹脂組成物(A)の層 4 フォトマスク 5 活性光線 6 光硬化後の感光性樹脂組成物(A)の層 7 支持体フィルム 8 バリアリブ 9 蛍光体を含有する感光性樹脂組成物(B)の層 10 光硬化した蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層(得られた1色目の蛍光体パターン) 11 光硬化した蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層(得られらた2色目の蛍光体パターン) 12 光硬化した蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
(B)の層(得られらた3色目の蛍光体パターン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/40 501 G03F 7/40 501 H01J 9/227 H01J 9/227 E (72)発明者 佐藤 和也 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 木村 直紀 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 芦沢 寅之助 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 向 郁夫 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 須藤 鉄也 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)基板上に感光性樹脂組成物(A)
    の層を形成し、フォトマスクを介して活性光線によりパ
    ターン露光した後、未露光の部分を現像によって除きレ
    ジストを形成し、次に、該パターン化されたレジストの
    ギャップ部へバリアリブ材を埋め込み乾燥し、加熱硬化
    した後、該レジストのみを剥離して除去し、該バリアリ
    ブパターンを所定温度で焼成してバリアリブを形成する
    工程、(II)(i)前記電極及びバリアリブが形成さ
    れた基板上に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
    (B)の層を形成する工程、(ii)フォトマスクを介
    して活性光線を像的に照射する工程及び(iii)現像
    により不要部分を除去する工程を繰り返して電極及びバ
    リアリブが形成された基板のバリアリブに挟まれた底部
    とバリアリブ壁面に、赤、緑及び青に発光する蛍光体を
    含有する層からなる蛍光体パターンを形成する工程並び
    に(III)上記の工程で作製されたRGB蛍光体パタ
    ーンが形成された基板を所定の温度で焼成する工程の各
    工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ用背
    面板の製造法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物(A)が、(a)フィ
    ルム性付与ポリマー、(b)エチレン性不飽和基を有す
    る光重合性不飽和化合物及び(c)活性光の照射により
    遊離ラジカルを生成する光開始剤を含むものである請求
    項1記載のプラズマディスプレイ用背面板の製造法。
  3. 【請求項3】 感光性樹脂組成物(B)の層が、(g)
    フィルム性付与ポリマー、(h)エチレン性不飽和基を
    有する光重合性不飽和化合物、(i)活性光の照射によ
    り遊離ラジカルを生成する光開始剤及び(j)蛍光体を
    含むものである請求項1又は2記載のプラズマディスプ
    レイ用背面板の製造法。
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