JPH1185944A - 繊維補強構造物の繊維シート層数の検出方法 - Google Patents

繊維補強構造物の繊維シート層数の検出方法

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JPH1185944A
JPH1185944A JP9252735A JP25273597A JPH1185944A JP H1185944 A JPH1185944 A JP H1185944A JP 9252735 A JP9252735 A JP 9252735A JP 25273597 A JP25273597 A JP 25273597A JP H1185944 A JPH1185944 A JP H1185944A
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fiber
reinforced structure
fiber sheet
layers
fiber reinforced
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JP9252735A
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Takao Nakayama
孝男 中山
Katsunori Ogushi
勝教 大串
Akihiko Kitano
彰彦 北野
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Toray Techno Co Ltd
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Toray Techno Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビル、橋脚などの建造物の表面に、シート状に
配列された多数本の繊維からなる繊維シートを、基材と
一体化させて、取り付け施工した際、完成物(繊維補強
構造物)における前記繊維シートの層数の検出を、その
施工現場(オンサイト)にて可能にした、繊維補強構造
物の繊維シートの層数の検出方法を提供する。 【解決手段】シート状に配列された多数本の繊維(例え
ば、炭素繊維)からなる繊維シートが層状をなして基材
(例えば、エポキシ樹脂)と一体化されている繊維補強
構造物における前記繊維シートの層数を、当該繊維補強
構造物を破壊することなく検出する検出手段(例えば、
発信周波数が100KHz乃至100MHzの超音波)
を用いて検出してなる繊維補強構造物の繊維シート層数
の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状に配列さ
れた多数本の繊維からなる繊維シートが層状をなして基
材と一体化されている繊維補強構造物における前記繊維
シートの層数の検出方法に関するものである。特に、ビ
ル、橋脚などの建造物が存在する現場(オンサイト)に
て、その建造物の表面に、前記繊維シートを、樹脂、セ
メントなどの基材(マトリックス材)を用いて、層状に
一体化施工した際、完成物(繊維補強構造物)における
前記繊維シートの層数を、施工現場において検出する、
繊維補強構造物における前記繊維シートの層数の検出方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公昭62−25986号公報には、マ
トリックス材(基材)と繊維強化材とからなる複合材料
成型品に埋設された繊維強化材の層構成の偏りや乱れに
よる成型品の欠陥を、成型品を破壊することなく検出す
る方法として、成型品の成型前に、強化材を構成する繊
維とは異なるX線透過度を有する繊維を、強化材中にマ
ーキング材(トレーサ)として挿入した強化材を用意
し、これを用いて複合材料成型品を製造し、得られた成
型品における強化材の層構成の欠陥を、X線の透視によ
り検出する方法が提案されている。
【0003】しかるに、この提案は、強化材の偏りや乱
れによる成型品中の欠陥検知を教えるに止まり、繊維強
化材の層数の検出を、開示、示唆するものではない。
【0004】なお、この提案によれば、トレーサーを繊
維強化材中に挿入しておく必要があるがため、すなわ
ち、格別の繊維強化材を別途用意する必要があるがた
め、かつ、X線を用いるものであるがため、工場で規格
品を製造するような環境での製品検査手法としては、利
用価値が考えられるものの、ビル、橋脚などの建造物が
存在する現場(オンサイト)において、その建造物の表
面に、基材を用いて層状に一体化施工された繊維シート
の層数の検出に、この提案を応用することは、前記トレ
ーサを組み込むなど準備作業が煩雑過ぎる上、X線と云
う取り扱い基準が厳格な手段を用いるがため、実用上不
可能である。
【0005】また、特開平5−38790号公報には、
複数枚の樹脂フィルム(主材層)を接着材を介して積層
した多層積層構造材において、接着材層の欠落による欠
陥を、当該構造材を破壊することなく検出する方法とし
て、主材層とは異なる音響インピーダンスを有する特定
の成分からなる接着材層を用意し、これを用いて多層積
層構造材を製造し、得られた多層積層構造材における接
着材層の欠陥を、超音波により検出する方法が提案され
ている。
【0006】しかるに、この提案は、超音波を用いるこ
とは開示しているものの、ここに開示されている多層積
層構造材(成型品)は、樹脂フィルムと接着材とからな
る多層積層構造材(成型品)であって、基材中に層状に
繊維シートが存在する繊維補強構造物とは異なる上、こ
の提案は、前記多層積層構造材(成型品)中の接着材層
の欠陥の検知を教えるに止まるもので、その層数を検出
することは、示唆しておらず、ましてや、繊維シートの
ごときものの層数を検知することは、示唆していない。
【0007】なお、この提案によれば、主材層とは異な
る音響インピーダンスを有する特定の成分からなる接着
材層を用意する必要があるがため、この文献にも述べら
れている通り、工場での品質管理、工程管理における製
品検査手法としては、利用価値が考えられるものの、ビ
ル、橋脚などの建造物が存在する現場(オンサイト)に
おいて、その建造物の表面に、基材を用いて層状に一体
化施工された繊維シートの層数の検出に、この提案を応
用することは、前記特定の接着材層を組み込むなど準備
作業が煩雑過ぎるため、実用上不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近、地震により被害
を受けた建造物(ビル、橋脚、道路など)の表面に、シ
ート状に配列された多数本の繊維からなる繊維シート
(織物、不織布、マット、一方向あるいは二方向、更に
は、バイアスに繊維が配列されたプリプレグシートな
ど)を、基材(樹脂、セメントなど)と共に、現場にて
一体化施工し、形成された繊維補強構造物により、当該
建造物の補修、補強をする工事が、その施工効果が顕著
であることが認められ、盛んに行われるようになってい
る。
【0009】このような工事は、盛んになるにつれ、現
場での施工作業が、各種各様な作業計画に基づき、各種
各様な作業者により進められることになり、中には、施
工すべき繊維シートの層の数が、設計通りとなっている
のか不安になるケースが出始め、安全上の問題や完成品
引き渡しに際しての保証の問題などへの対処が必要とな
ってきている。
【0010】この発明は、このような、現場施工に起因
する問題を解決することを目的とし、より具体的には、
ビル、橋脚などの建造物の表面に、シート状に配列され
た多数本の繊維からなる繊維シートを、基材と一体化さ
せて、一体化施工した際、完成物(繊維補強構造物)に
おける前記繊維シートの層数の検出を、その施工現場
(オンサイト)において可能にした、繊維補強構造物の
繊維シートの層数の検出方法の提供を目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の繊維シートの層数の検出方法は、次の構成
からなる。
【0012】シート状に配列された多数本の繊維からな
る繊維シートが層状をなして基材と一体化されている繊
維補強構造物における前記繊維シートの層数を、当該繊
維補強構造物を破壊することなく検出する検出手段を用
いて検出してなる繊維補強構造物の繊維シート層数の検
出方法(発明その1)。
【0013】ここで、繊維シートを形成する繊維として
は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維などの無
機繊維、あるいは、アラミド繊維、ポリアミド繊維など
の有機繊維などが、通常、用いられる。また、基材を形
成する材料としては、樹脂、ゴム、セメントなどが、通
常、用いられる。更に、繊維シートの基材中の層数とし
ては、目的の補強強度の値、使用する繊維の特性、使用
する基材の特性にもよるが、1層乃至10層が、通常、
用いられる。
【0014】また、前記発明その1において、基材が、
樹脂である繊維補強構造物の繊維シート層数の検出方法
(発明その2)。
【0015】ここで、基材を形成する樹脂としては、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂、あるいは、これらの
樹脂の変性樹脂などが、通常、用いられる。
【0016】更に、前記発明その2において、検出手段
が、発信周波数が20KHz乃至1GHzである超音波
を用いてなる検出手段である繊維補強構造物の繊維シー
ト層数の検出方法(発明その3)。
【0017】ここで、発信周波数の上記範囲は、好まし
い範囲であるが、より好ましくは、使用されている繊
維、基材により、受信する超音波情報の鮮明度を考慮し
て、この範囲内において最適値を選択するのが良い。
【0018】また、前記発明その1において、繊維シー
トを形成している繊維が、実質的に炭素繊維である繊維
補強構造物の繊維シート層数の検出方法(発明その
4)。
【0019】更に、また、前記発明その4において、基
材が、樹脂である繊維補強構造物の繊維シート層数の検
出方法(発明その5)。
【0020】更に、前記発明その5において、検出手段
が、発信周波数が100KHz乃至100MHzである
超音波を用いてなる検出手段である繊維補強構造物の繊
維シート層数の検出方法(発明その6)。
【0021】ここで、発信周波数の上記範囲は、繊維が
炭素繊維である場合の好ましい範囲であるが、より好ま
しくは、使用されている基材を形成している樹脂によ
り、受信する超音波情報の鮮明度を考慮して、この範囲
内において最適値を選択するのが良い。
【0022】
【発明の実施の形態】この発明に係る繊維補強構造物の
繊維シート層数の検出方法を、その一実施例を用い、図
面を参照しながら、説明する。
【0023】図1は、この発明に係る繊維シートの層数
の検出方法が適用される繊維補強構造物の一例の縦断面
模式図であり、垂直のコンクリート製壁面1上に、繊維
補強構造物2が、一体化施工された状態を示す。この図
において、繊維補強構造物2は、エポキシ樹脂からなる
基材3中に、炭素繊維からなる繊維シート4が層状に位
置して、基材3と一体化されて形成されている。
【0024】この繊維補強構造物2の形成は、より具体
的には、炭素繊維が一方向または2方向以上に引きそろ
えられて形成されている繊維シート4を、補強強度設計
により定められた枚数、一枚目は、基材3となる樹脂を
下塗りした壁面1上に、それ以降は、その前に施工され
形成された繊維シート4と基材3とからなる層上に、順
次、繊維シート4を載置し基材3となる樹脂を塗布、含
浸させて行われる。
【0025】なお、基材3となる樹脂は、常温(5℃〜
30℃)で硬化するいわゆる常温硬化タイプのものが多
用されるが、施工現場で熱源が使用できる場合には、加
熱タイプのものを用いても良い。また、樹脂の塗布、含
浸は、通常、ローラやハケなどにより行われ、一枚目の
繊維シート4の貼着施工に際しては、通常、前処理とし
て、プライマーと呼ばれるコンクリートなどの壁面1と
の接着性を向上させる下地層が壁面1上に形成される。
下地層の材料にもよるが、この下地層の硬化には、通
常、約1日を要している。
【0026】なお、また、上記の例とは別に、繊維補強
構造物2は、基材3となる樹脂が、所定量予め塗布、含
浸されている繊維シート、いわゆるプリプレグを用い、
補強強度設計により定められた枚数重ねていく方法によ
り形成される場合もある。
【0027】また、図2は、同じく繊維補強構造物の他
の一例の一部破断斜視模式図であり、コンクリート製の
円柱状体5の外周面に、繊維補強構造物6が、一体化施
工された状態を示す。この図において、繊維補強構造物
6は、エポキシ樹脂からなる基材7に、炭素繊維の織物
からなる繊維シート8が一体化して形成されている。
【0028】この繊維補強構造物6の形成は、基材7と
なるエポキシ樹脂が塗布、含浸されている炭素繊維の織
物からなる繊維シート8を、補強強度設計により定めら
れた枚数、一枚目は、円柱状体5の外周面上に、それ以
降は、その前に貼着施工された繊維シート8上に、順次
捲回貼着施工されることに行われる。この貼着施工は、
加熱、加圧により、基材7を、円柱状体5の外周面と
の、あるいは、繊維シート8同士の接着剤として作用せ
しめ、相互に一体化することにより行われる。
【0029】図3は、この発明に係る繊維補強構造物の
繊維シート層数の検出方法を実施するための装置の一例
の全体説明図である。
【0030】図3において、壁面9の補強を目的とし
て、補強工事現場において、当該壁面9上に、繊維補強
構造物10が、一体化施工された状態を示す。すなわ
ち、壁面9上に、繊維シート11に基材12となるエポ
キシ樹脂を塗布、含浸させたシートを、複数層、順次貼
着積層することにより、繊維補強構造物10が、壁面9
上に形成された状態を示す。
【0031】更に、図3を用いて、この発明に係る繊維
補強構造物の繊維シート層数の検出方法を説明する。す
なわち、前記繊維補強構造物10の表面に対向して、超
音波探触子13が、用意される。この超音波探触子13
は、繊維構造物10の表面に対し、所定の間隙を有し、
かつ、1軸方向(X方向)に走査可能に、支持体14に
取り付けられている。また、この超音波探触子13に
は、少なくとも前記間隙を水で満たした状態にするため
の水流柱15を形成するための水流噴射ノズル16が取
り付けられている。
【0032】なお、施工現場での作業を考慮して、超音
波探触子13を含めこの支持体14は、全体として、人
手による可搬(ハンディー)タイプとされている。
【0033】なお、また、上に、超音波探触子13が1
軸方向(X方向)に走査されることを説明したが、これ
と異なる方向、通常は、これと直角方向(Y方向)にも
走査可能に、超音波探触子13を、支持体14により、
支持しておいても良い。
【0034】一方、超音波探触子13には、パルサー/
レシーバー17が係合され、このパルサーは、所定の発
信周波数の超音波を超音波探触子13が繊維補強構造物
10の表面に対し投射するように、超音波探触子13の
超音波発受信素子(図示せず)を電気的に駆動し、レシ
ーバーは、発信した超音波の、主として、前記壁面9、
ならびに、前記繊維補強構造物10中の繊維シート11
による反射波を、超音波探触子13の超音波発受信素子
(図示せず)が受信した結果を、電気的に受け取る。な
お、この超音波の発受信自体のメカニズムは、従来知ら
れている超音波発受信メカニズムと特に変わるところは
ない。
【0035】更に、パルサー/レシーバー17には、計
数器18と画像処理装置19とが、電気的に係合されて
いる。この計数器18は、前記反射波のうち繊維シート
11でより強く反射されて発生するピークとその位置
(繊維補強構造物10の表面からの深さ)情報により、
繊維シート11の層数を、計数するように構成されてい
る。なお、このピークの数の計数自体は、一定のスレシ
ョールドレベルを設けるなど、従来知られている処理技
術を利用すれば良い。
【0036】また、この画像処理装置19は、パルサー
/レシーバー17に係合され、繊維補強構造物10の厚
み方向の断面画像を可視化して表示器20に表示させる
ための画像処理をなすものである。この画像処理によ
り、繊維補強構造物10からの超音波の反射強度、およ
び、反射波の時間、すなわち、音速から算出される繊維
補強構造物10における深さから、繊維補強構造物10
の深さ方向の構造情報が得られ、超音波探触子13のX
軸方向の移動により、繊維補強構造物10の縦断面画像
が得られる。これらの画像処理システムは、従来知られ
ているシステムを利用すれば良い。
【0037】上記システムにおいて、繊維シートの層数
の検出には、計数器18による層数情報を用いても良い
し、表示器20の表示画面情報を用いても良い。あるい
は、これらの情報を適宜プリントアウトしたものを用い
ても良い。
【0038】なお、超音波による検出は、原理的には、
1点での検知により、繊維シート11の層数の情報が得
られるはずではあるが、実際は、繊維シート11には、
その構造自体に由来する局部的不均一性があるため、超
音波ビームが均一に反射しない箇所が出現する場合があ
ることが、この発明をなすに当たり判明した。そこで、
上記実施装置では、超音波探触子13を、1軸方向(X
軸方向)に走査させることにより断面図の取得を可能と
し、この問題を回避し、検出精度の向上が図れるように
してある。なお、また、2軸方向(X、Y軸方向)に走
査させることにより、Y軸方向について、複数枚の断面
図の取得を可能とし、Y軸方向における同様の問題が解
消され、検出精度の向上が図れる。
【0039】図4は、この発明に係る繊維補強構造物の
繊維シート層数の検出方法を実施するための装置の他の
一例の全体説明図である。
【0040】図4において、被補強物(図示せず)に一
体化施工された繊維補強構造体21に対し、超音波探触
子22が用意されている。この超音波探触子22は、支
持体(図示せず)により、繊維補強構造体21の表面に
対し、所定の間隙をもって二次元方向(X−Y方向)に
移動可能に支持されている。なお、移動距離は、X、Y
方向に、それぞれ、15mmとされている。
【0041】また、この超音波探触子22は、底面壁が
厚さの薄いゴムシート23で形成された水槽24中の水
の中にて、前記移動がなされるように支持されている。
なお、ゴムシート23の外表面は、繊維補強構造体21
の表面に、水、または、グリースを介して係合されてい
る。
【0042】超音波探触子22は、探傷映像装置25と
電気的に係合されている。探傷映像装置25は、東レテ
クノ株式会社製HA701であり、前記実施装置におけ
るパルサー/レシーバー17および画像処理装置19と
が組み込まれている装置である。この探傷映像装置25
からの出力情報は、プリンター26により、プリントア
ウトされるように構成されている。
【0043】ここに用いられている超音波探触子22
は、超音波の発受信素子が、高分子圧電膜で構成され、
超音波発受信面の直径が6mm、焦点距離が20mm、
発信周波数が25MHzのものである。
【0044】
【実施例】工事現場にある補強対象とされたスレート板
からなる壁面9に、先ず、プライマーを塗布し、1日放
置し、次いで、その上に、基材12を構成するエポキシ
樹脂を下塗りし、その上に、繊維シート11を構成する
厚さ約0.3mmの炭素繊維織物を載置し、その上か
ら、ローラーを用いて、基材12を構成するエポキシ樹
脂を塗布、含浸せしめ、次いで、同様にして、前記の炭
素繊維織物を、2枚貼着積層して、当該壁面9に、合計
3枚の繊維シート11が基材12中に埋設されてなる繊
維補強構造物10を形成し、当該スレート板の補強工事
を完了した。なお、形成された繊維補強構造物10の全
体の厚さは、約1mmであった。
【0045】この施工により、スレート板の壁面9上に
形成された繊維補強構造物10における炭素繊維織物か
らなる繊維シート11のエポキシ樹脂からなる基材12
中の埋設層数を、次のようにして検知した。
【0046】すなわち、超音波の発受信素子が、高分子
圧電膜で構成され、超音波発受信面の直径が6mm、焦
点距離が20mmである超音波探触子13を、繊維補強
構造物10の表面に対し所定間隙をもって1軸方向に、
水流柱15と共に、15mm幅移動可能に支持する支持
体14に取り付け、この支持体14を繊維補強構造物1
0の表面に載置固定し、前記超音波探触子13を1軸方
向に15mm幅で往復移動させながら、周波数25MH
zの超音波を繊維補強構造物10に対し照射し、そこか
らの反射波を、前記超音波探触子13により受信し、こ
の情報を表示器18にて表示したところ、繊維補強構造
物10における繊維シート11の基材12中の埋設層数
が、3層であることが明確に把握された。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る繊維補強構造物の繊維シー
ト層数の検出方法は、以上に説明したように、基材中の
繊維シート層数を、繊維補強構造物を破壊することな
く、検出するようにしたため、完成された繊維補強構造
物を、検査のために損傷することがなく、また、その表
面に施された塗装などの意匠性を損なうこともなく、当
該繊維補強構造物の繊維シート層数を検出することがで
きると云う効果を奏する。
【0048】また、繊維シートを形成する繊維が炭素繊
維、基材が樹脂である場合は、用いる超音波の発信周波
数を、100KHz乃至100MHzに選択することに
より、極めて鮮明な繊維シート層の画像を得ることがで
き、層数の検出精度が極めて良好で、繊維補強構造物の
施工現場での繊維シート層数の検出に、現在のところ、
最適な方法と云える。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維補強構造物の一例の縦断面模式図である。
【図2】繊維補強構造物の他の一例の一部破断斜視模式
図である。
【図3】この発明の方法を実施するための装置の一例の
全体説明図である。
【図4】この発明の方法を実施するための装置の他の一
例の全体説明図である。
【符号の説明】
1:壁面 2:繊維補強構造物 3:基材 4:繊維シート 5:円柱状体 6:繊維補強構造物 7:基材 8:繊維シート 9:壁面 10:繊維補強構造物 11:繊維シート 12:基材 13:音波探触子 14:支持体 15:水流柱 16:水噴射ノズル 17:パルサー/レシーバー 18:計数器 19:画像処理装置 20:表示器 21:繊維補強構造体 22:超音波探触子 23:ゴムシート 24:水槽 25:探傷映像装置 26:プリンター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 彰彦 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状に配列された多数本の繊維からな
    る繊維シートが層状をなして基材と一体化されている繊
    維補強構造物における前記繊維シートの層数を、当該繊
    維補強構造物を破壊することなく検出する検出手段を用
    いて検出してなる繊維補強構造物の繊維シート層数の検
    出方法。
  2. 【請求項2】基材が、樹脂である請求項1記載の繊維補
    強構造物の繊維シート層数の検出方法。
  3. 【請求項3】検出手段が、発信周波数が20KHz乃至
    1GHzである超音波を用いてなる検出手段である請求
    項2記載の繊維補強構造物の繊維シート層数の検出方
    法。
  4. 【請求項4】繊維シートを形成している繊維が、実質的
    に炭素繊維である請求項1記載の繊維補強構造物の繊維
    シート層数の検出方法。
  5. 【請求項5】基材が、樹脂である請求項4記載の繊維補
    強構造物の繊維シート層数の検出方法。
  6. 【請求項6】検出手段が、発信周波数が100KHz乃
    至100MHzである超音波を用いてなる検出手段であ
    る請求項5記載の繊維補強構造物の繊維シート層数の検
    出方法。
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WO2007048187A1 (en) * 2005-10-25 2007-05-03 Fourth Wave Pty Ltd Methods and apparatus for measuring properties of fibre samples
CN113358072A (zh) * 2021-06-03 2021-09-07 河南科技大学 一种板材层数的超声波测量设备及其测量方法
CN114509454A (zh) * 2021-12-27 2022-05-17 上海东北亚新纺织科技有限公司 一种织袜机成品检测系统、存储介质及终端设备

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