JPH1184246A - 光学素子及びそれを用いた光学系 - Google Patents

光学素子及びそれを用いた光学系

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JPH1184246A
JPH1184246A JP9255977A JP25597797A JPH1184246A JP H1184246 A JPH1184246 A JP H1184246A JP 9255977 A JP9255977 A JP 9255977A JP 25597797 A JP25597797 A JP 25597797A JP H1184246 A JPH1184246 A JP H1184246A
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JP
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optical element
optical
pass filter
optical system
reflection
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JP9255977A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Saruwatari
浩 猿渡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体像を所定面上に光学系全体の小型化及び
簡素化を図りつつ結像させる光学的ローパスフィルター
を有した光学素子及びそれを用いた光学系を得ること。 【解決手段】 透明体の表面に光束が入射する入射面
と、曲率を有する複数の反射面と、該複数の反射面にて
反射された光束を射出する出射面とを一体に成形した光
学系において、該複数の反射面のうち、少なくとも1つ
の反射面はローパスフィルターの機能を有しているこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素子及びそれを
用いた光学系に関し、特に銀塩カメラ、ビデオカメラ、
スチールビデオカメラ、及び複写機等に好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より凹面鏡や凸面鏡等の反射面を利
用した撮影光学系が種々と提案されている。図5は1つ
の凹面鏡と1つの凸面鏡より成る所謂ミラー光学系(反
射光学系)の要部概略図である。
【0003】同図のミラー光学系において、物体からの
物体光束124は、凹面鏡121にて反射され、収束さ
れつつ物体側に向かい、凸面鏡122にて反射された
後、像面123に結像する。
【0004】このミラー光学系は、所謂カセグレン式反
射望遠鏡の構成を基本としており、屈折レンズで構成さ
れるレンズ全長の長い望遠レンズ系の光路を相対する2
つの反射ミラーを用いて折り曲げることにより、光学系
全長を短縮することを目的としたものである。
【0005】また、望遠鏡を構成する対物レンズ系にお
いても、同様な理由から、カセグレン式の他に、複数の
反射ミラーを用いて光学系の全長を短縮する形式が多数
知られている。
【0006】この様に、従来よりレンズ全長の長い撮影
レンズのレンズの代わりに反射ミラーを用いることによ
り、効率よく光路を折り曲げて、コンパクトなミラー光
学系を得ている。
【0007】しかしながら、一般的にカセグレン式反射
望遠鏡等のミラー光学系においては、凸面鏡122によ
り物体光線の一部がケラレるという問題点がある。この
問題は物体光束124の通過領域中に凸面鏡122があ
ることに起因するものである。
【0008】この問題点を解決する為に、反射ミラーを
偏心させて使用して、物体光束124の通過領域を光学
系の他の部分が遮蔽することを避ける、即ち光束の主光
線126を光軸125から離すミラー光学系も提案され
ている。
【0009】図6は米国特許3,674,334 号明細書に開示
されているミラー光学系の要部概略図であり、物体光束
の主光線を光軸から離して上記のケラレの問題を解決し
ている。同図のミラー光学系は光束の通過順に凹面鏡1
31、凸面鏡132、そして凹面鏡133があるが、そ
れらはそれぞれ図中二点破線で示す様に、もともと光軸
134に対して回転対称な反射ミラーである。このう
ち、凹面鏡131は光軸134に対して紙面上側のみ、
凸面鏡132は光軸134に対して紙面下側のみ、凹面
鏡133は光軸134に対して紙面下側のみを使用する
ことにより、物体光束135の主光線136を光軸13
4から離し、物体光束135のケラレを無くした光学系
を構成している。
【0010】図7は米国特許5,063,586 号明細書に開示
されているミラー光学系の要部概略図である。同図のミ
ラー光学系は反射ミラーの中心軸自体を光軸に対して偏
心させて物体光束の主光線を光軸から離して上記の問題
を解決している。
【0011】同図において、被写体面141の垂直軸を
光軸147と定義した時に、光束の通過順に凸面鏡14
2、凹面鏡143、凸面鏡144、そして凹面鏡145
のそれぞれの反射面の中心座標及び中心軸(その反射面
の中心とその面の曲率中心とを結んだ軸)142A、1
43A、144A、145Aは、光軸147に対して偏
心している。同図では、このときの偏心量と各面の曲率
半径を適切に設定することにより、物体光束148の各
反射ミラーによるケラレを防止して、物体像を効率よく
結像面146に結像させている。
【0012】その他、米国特許4,737,021 号明細書や米
国特許4,265,510号明細書にも光軸に対して回転対象な
反射ミラーの一部を用いてケラレを避ける構成、或は反
射ミラーの中心軸自体を光軸に対して偏心させてケラレ
を避ける構成が開示されている。
【0013】この様に、ミラー光学系を構成する各反射
ミラーを偏心させることにより、物体光線のケラレを防
ぐことが出来るが、各反射ミラーを異なる偏心量にて配
置しなければならず、各反射ミラーを取り付ける構造体
が複雑となり、また、取り付け精度を確保することが非
常に厳しいものとなる。
【0014】この問題を解決する1つの方法として、例
えばミラー系を1つのブロック化することにより、組立
時に生じる光学部品の組み込み誤差を回避する方法が提
案されている。
【0015】図8は米国特許4,775,217号明細書に開示
されている観察光学系の要部概略図である。この観察光
学系は外界の風景を観察すると共に、情報表示体に表示
した表示画像を風景とオーバーラップして観察する光学
系である。
【0016】この観察光学系では、情報表示体161の
表示画像から射出する表示光束165は面162にて反
射して物体側に向かい、凹面より成るハーフミラー面1
63に入射する。そしてこのハーフミラー面163にて
反射した後、表示光束165は凹面163の有する屈折
力によりほぼ平行な光束となり、面162を屈折透過し
た後、表示画像の拡大虚像を形成するとともに、観察者
の瞳164に入射して表示画像を観察者に認識させてい
る。
【0017】一方、物体からの物体光束166は反射面
162とほぼ平行な面167に入射し、屈折して凹面の
ハーフミラー面163に至る。凹面163には半透過膜
が蒸着されており、物体光束166の一部は凹面163
を透過し、面162を屈折透過後、観察者の瞳164に
入射する。これにより観察者は外界の風景の中に表示画
像をオーバーラップして視認する。
【0018】図9は特開平2-297516号公報に開示されて
いる観察光学系の要部概略図である。この観察光学系も
外界の風景を観察すると共に、情報表示体に表示した表
示画像をオーバーラップして観察する光学系である。
【0019】この観察光学系では、情報表示体170か
ら出射した表示光束174は、プリズムPaを構成する
平面177を透過し、プリズムPaに入り放物面反射面
171に入射する。
【0020】表示光束174はこの反射面171にて反
射されて収束光束となり、焦点面176に結像する。こ
のとき反射面171で反射された表示光束174は、プ
リズムPaを構成する2つの平行な平面177と平面1
78との間を全反射しながら焦点面176に到達してお
り、これによって光学系全体の薄型化を達成している。
【0021】次に焦点面176から発散光として出射し
た表示光束174は、平面177と平面178の間を全
反射しながら放物面より成るハーフミラー172に入射
し、このハーフミラー面172で反射されると同時にそ
の屈折力によって表示画像の拡大虚像を形成すると共に
ほぼ平行な光束となり、面177を透過して観察者の瞳
173に入射し、これにより、表示画像を観察者に認識
させている。
【0022】一方、外界からの物体光束175はプリズ
ムPbを構成する面178bを透過し、放物面より成る
ハーフミラー172を透過し、面177を透過して観察
者の瞳173に入射する。観察者は外界の風景の中に表
示画像をオーバーラップして視認する。
【0023】この様に、観察光学系において、表示像を
観察すると共に物体像の認識も合わせて行える構成とす
ると、必然的に半透過面を使用しなくてはならず、表示
像の透過光量が少なくなってしまう。
【0024】そこで、上述した様に、全反射面を多用す
ることによって、各反射面での光量のロスを最少限にす
る方法が一般的に行われる。
【0025】しかしながら、全反射を用いる場合、構造
の単純化の為に全反射面を平面のみの構成とすることが
多いが、収差補正の観点からすると、各反射面において
も面形状の最適化を図り、各反射面にて収差補正を行う
ことが望ましい。
【0026】このとき、反射面に入射するすべての光線
に対して、全反射条件を満たそうとすると、面形状の自
由度がなく、反射面にて効率の良い収差補正が行えない
という欠点があった。
【0027】これらの問題点を解決すべく、本出願人
は、特開平8-292371号公報において、図10に示すよう
な、複数の曲面や平面の反射面を一体的に形成した光学
素子を用いて、光学系全体の小型化を図りつつ、又、光
学系にありがちな反射ミラーの配置精度(組立精度)を
緩やかにした反射型の光学系を提案している。
【0028】図10において、181は複数の曲面反射
面を有する光学素子であり、ガラス等の透明体で構成し
ている。光学素子181の表面には物体からの光線の通
過順に、凹面(入射面)R2及び凹面鏡R3、反射面R
4、凹面鏡R5、反射面R6、凹面鏡R7の5つの反射
面及び凸屈折面(射出面)R8を形成している。184
(R1)は光学素子181の物体側に配置した絞り(入
射瞳)である。182はフィルター等の光学補正板であ
る。183は最終結像面であり、CCD等の撮像素子
(撮像媒体)の撮像面が位置する。185は光学系の基
準軸である。
【0029】なお、2つの屈折面はいずれも回転対象の
球面、あるいは平面である。また、すべての反射面はY
Z平面に対して対象な面である。
【0030】同図においては、物体からの光束は、絞り
R1により入射光量を規制された後、光学素子181の
入射面R2に入射し、面R3で反射された後、面R3
と、面R4の間の中間結像面IP1で一旦結像し、次い
で面R4、R5、R6、R7で次々に反射していき、射
出面R8から射出して最終結像面183上に再結像す
る。この光学素子181は、入射出面と、その中での複
数の曲面反射鏡によって、所望の光学性能をもち、全体
として結像作用を有する板状・薄型のレンズユニットと
して機能している。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】一般に離散的画素構造
を持つ固体撮像素子を用いたビデオカメラなどでは、画
像情報を光学的に空間サンプリングして出力画像を得て
いる。この場合、被写体に高空間周波数成分が含まれて
いると、偽信号が生じるため、像の高周波数成分を光学
的に制限し、ナイキスト周波数以下にしてやる必要があ
る。このような働きをする光学的フィルター(ローパス
フィルター)としては、水晶のように材質の複屈折作用
を利用したものと、位相格子のように表面形状による屈
折や回折効果を利用したものがある。
【0032】ローパスフィルターとして、複屈折板を用
いる場合、通常は複屈折板は像面近傍に置かれる。これ
は、小型化が求められる設計過程において、光学系設計
の自由度を奪う、機械設計の自由度を奪う、像面近傍に
平板を挿入することによりゴースト、フレア成分が生
じ、像の品位を下げてしまうなどの欠点がある。
【0033】また、位相格子タイプのローパスフィルタ
ーを用いる場合、像面からの距離と、所望の像分離量に
応じて格子形状を定める事で、配置に関する機構上の制
約は緩和されるが、透過部材の挿入の結果、球面収差や
像面湾曲など、光学的な性能低下が生じないように設計
時の留意が必要である。
【0034】さらに、光学系と位相型のローパスフィル
ターを別部材で構成する場合は、光学系とローパスフィ
ルターとの位置合わせは、高い精度が要求されるため、
コスト的にも製造技術的にも改善が望まれている。
【0035】本発明は、透明体の表面に、光束が入射す
る屈折面と、曲率を有する複数の反射面と、該複数の反
射面にて反射された光束を射出する屈折面とを一体に成
形した光学素子を利用して、物体像を所定面上に形成す
る際、該光学素子の少なくとも1つの反射面に光学的ロ
ーパスフィルターの機能を適切に設定することによっ
て、光学系全体の小型化及び簡素化を図りつつ、所望の
光学的ローパスフィルター効果が容易に得られる光学素
子及びそれを用いた光学系の提供を目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は (1−1) 透明体の表面に光束が入射する入射面と、
曲率を有する複数の反射面と、該複数の反射面にて反射
された光束を射出する出射面とを一体に成形した光学系
において、該複数の反射面のうち、少なくとも1つの反
射面はローパスフィルターの機能を有していることを特
徴としている。
【0037】特に、 (1−1−1) 前記ローパスフィルターの機能を有す
る反射面は、反射光の位相差を周期的に変化させている
こと。
【0038】(1−1−2) 前記ローパスフィルター
の機能を有する反射面は、微細周期で反射率が変化する
反射膜より成っていること。
【0039】(1−1−3) 前記光学素子は金型より
成形されており、前記ローパスフィルターの機能を有す
る反射面は該光学素子の成形時に同時成形されているこ
と。
【0040】(1−1−4) 前記光学素子は、物体か
らの光束を前記入射面より入射させ、前記複数の反射面
のうち一部の反射面で反射させた後に、中間結像面に物
体像を形成し、該中間結像面に形成した物体像からの光
束を該複数の反射面のうち残りの反射面で反射させた後
に出射面より出射させており、前記ローパスフィルター
の機能を有する反射面は該中間結像面から離れた位置に
形成していること等を特徴としている。
【0041】本発明の光学系は、 (2−1) 構成(1−1)の光学素子を1つ又は複数
用いて、所定面上に物体像を形成していることを特徴と
している。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光学系の実施形態
1の要部断面図である。同図には光路も示している。図
1において、1は複数の曲面反射面を有する光学素子で
あり、ガラスやプラスチック等の透明体で構成してい
る。光学素子1の表面には物体からの光線の通過順に、
凹面屈折面(入射面)R2及び凹面鏡R3・凸面鏡R
4、凹面鏡R5、凸面鏡R6、凹面鏡R7の5つの反射
面及び凸屈折面(射出面)R8を形成している。R1
(4)は光学素子1の物体側に配置した絞り(入射瞳)
である。R9(3)は最終結像面であり、CCD等の撮
像素子(撮像媒体)の撮像面が位置する。5は光学系の
基準軸である。
【0043】本実施形態における基準軸5は絞り4の中
心を通って最終結像面3の中心に至る光路(一点鎖線)
と定義している。入射面R2に対する基準軸5aと出射
面R8からの基準軸5bは略平行で逆方向となってい
る。
【0044】本実施形態では、反射面R3〜R7のう
ち、少なくとも1つに光学的ローパスフィルターとして
の機能を持たせている。
【0045】2つの屈折面R2、R8はいずれも回転対
称の球面、非球面あるいは平面、又は回転非対称の曲面
が適用可能である。
【0046】尚、2つの屈折面R2、R8を回転対称の
曲面とすれば、色収差補正の条件を満たすと共に、光学
系を製作、評価する場合に基準軸を正確に測定できる為
に好ましい。又、屈折面を回転対称とすることで非対称
な色収差の発生をも低減させることができる。図におけ
るすべての反射面はYZ平面に対して対称な面となって
いる。
【0047】次に、本実施形態における光学系の結像作
用を説明する。物体からの光束6は、絞り4により入射
光量を規制された後、光学素子1の入射面R2に入射
し、面R3で反射された後、面R3と面R4の間の中間
結像面IP1で中間結像し、次いで面R4、R5、R
6、R7で次々に反射していき、射出面R8から射出し
て最終結像面3上に再結像する。
【0048】以上のように、面R2から入射した光束
は、内部の中間結像面IP1で中間結像するが、これは
光学系をx方向に薄型にするためで、絞り4を出た軸外
主光線が大きく拡がらない内に収斂させ、光学系の広角
化による第1反射面R3以降の各面有効系の大型化を抑
えている。
【0049】本実施形態では、入射基準軸5a、射出基
準軸5b及び光学素子1内の基準軸はすべて紙面内(Y
Z平面)に載っている。
【0050】この様に光学素子1は、入射出面と、その
中での複数の曲面反射鏡によって、所望の光学性能をも
ち、全体として結像作用を有する板状、薄型のレンズユ
ニットとして機能している。
【0051】光学素子1を構成する各反射面は、入出射
する基準軸と反射面との交点(基準点)における法線
が、基準軸の方向と一致しない、所謂偏心反射面であ
る。これは従来の共軸ミラー光学系において発生するケ
ラレを防止すると共に、これによって各面のより自由な
配置をとることができ、スペース効率が良く、コンパク
トでいろいろな形状の光学素子を構成することができる
ようにしている。
【0052】更に、各反射面の形状は直交する2つの面
(YZ面とXZ面)内で屈折力が異なる対称面を1つだ
け有する面である。これは各反射面を偏心配置したこと
によって生じる偏心収差を押えるためである。
【0053】図2は本発明の光学素子の実施形態1の斜
視図、図3は図2の一部分の説明図である。本実施形態
の光学素子は図1の光学系に使用している。以降、各図
において、図1と同一番号のものは同一の要素を示す。
【0054】図2において、物体からの光束6が光学素
子1の凹屈折面R2で屈折入射した後に、反射する複数
の反射面のうち第1反射面である凹面鏡R3と、第3反
射面である凹面鏡R5、そして最終反射面である凹面鏡
R7は、同図に示す様に3つの反射面を隣接して形成し
た第1の反射面群7となっている。
【0055】又、第1の反射面群7に対向して形成され
ている複数の反射面のうち、第2反射面である凸面鏡R
4と、第4反射面である凸面鏡R6も、2つの反射面が
一体化された第2反射面群8となっており、第1反射面
群7と第2反射面群8、及び入射出屈折面R2、R8に
より光学素子1を構成している。
【0056】本実施形態においては、第4反射面である
凸面鏡R6上に図3(A)に示すような位相型フィルタ
ー(ローパスフィルター)としての機能を持たせてい
る。凸面鏡R6上にx方向に拡がる複数の微細プリズム
を形成することにより、入射光をy方向へ位相変化させ
て、結果として光束の分離効果を得ている。
【0057】この時の微細プリズムのピッチ及び斜面の
形状は、回折効果による低次回折光と高次回折光の出射
比率が適切な値となるように定めている。
【0058】尚、本実施形態においては、図3(B)に
示す様に第2反射面R4において、y方向に拡がる複数
の微細プリズムを第4反射面R6において、x方向に拡
がる複数の微細プリズムを形成して周波数空間における
複数の方向へ2次元的に入射光に対してローパスフィル
ター効果を及ぼすようにしてもよい。又、微細プリズム
の拡がる方向、すなわち位相変化を生じさせる方向は、
必ずしもx方向やy方向と一致している必要はなく、
又、拡がり方向が交差する角度は、撮像素子の画素配列
によって決まるものであり、常に直交している必要はな
い。
【0059】本実施形態においては、従来より撮像素子
面の直前に配置されていたローパスフィルターは必要と
なる。本実施形態において、通常光学系中に配置される
赤外カットフィルターなどの色補正ガラスの代わりに反
射面、あるいは屈折面への波長選択性のある干渉膜を蒸
着しても良く、これによればフィルター等を光路中から
排除することが出来る。
【0060】本実施形態においては、ローパスフィルタ
ー効果を得る為に断面が三角状のプリズムに関して図示
したが、所望のフィルター効果に合わせて、断面形状は
任意に決めても良い。
【0061】又、反射面R4と反射面R6の2面でロー
パスフィルター効果が得られる様に位相形状を形成した
が、それ以外の面及び、3面以上の面を反射光に位相変
化を及ぼす形状とし、その合成の効果で所望のローパス
フィルター効果を得るようにしても良い。更には、2次
元的な位相格子を単一の反射面状に形成することによ
り、2次元的な空間フィルター特性を持たせるようにし
ても良い。
【0062】次に、本実施形態の光学素子1を構成す
る。
【0063】反射面群7、8を成形(製造)する為の金
型の構造を図4に示す。
【0064】図4は実施形態1における光学素子1を成
形する為の金型40の要部断面図である。金型40は、
光学素子1を構成する屈折面R2、R8及び凹面鏡R
3、凸面鏡R4、凹面鏡R5、凸面鏡R6、凹面鏡R7
を一体的に成形する為の、一対の金型ユニット401及
び402により構成されている。
【0065】ここで金型ユニット402は、第1反射面
群7を構成する3つの反射面、即ち凹面鏡R3、凹面鏡
R5、凹面鏡R7のそれぞれの面に対応した3つの金型
群42、44、46により構成されている。
【0066】又、金型ユニット401は、入射屈折面R
2、凸面鏡R4、凸面鏡R6からなる第2反射面群8及
び射出屈折面R8のそれぞれの面に対応した4つの金型
41、43、45、47により構成されている。
【0067】本発明においては、反射面群及び屈折面を
構成する。複数の曲率を有した反射面のそれぞれに対応
した金型をユニット化することにより、個々の反射面及
び屈折面が互いに偏心配置されている場合においても、
金型形状を自由に構成できる為、反射面群及び屈折面の
一体成形を可能にしている。
【0068】本実施形態においては金型43及び45の
反射面上に、位相フィルター形状を形成し、光学素子1
の成形時に、同時にローパスフィルター機能を有する反
射面を作ることができるため、製作が容易で、また光学
系を位相格子との位置合わせ精度の点でも、従来の位相
型ローパスフィルターをもちいた光学系と比較して製作
上有利である。
【0069】次に、本発明の実施形態2について図3
(C)を用いて説明する。
【0070】本実施形態1においては、光学素子1を構
成する少なくとも1つの反射面に位相型フィルター効果
を持たせる様に形状を定めたが、本実施形態においては
図3(C)に示すように、第2反射面である凸面鏡R4
上にy方向の反射率が一定になり、x方向の反射率が周
期的に変化するようなパターンを反射面に形成してい
る。
【0071】そして第4反射面である凸面鏡R6上に、
x方向の反射率が一定になり、y方向の反射率が周期的
に変化するようなパターンを反射面に形成している。本
実施形態は、実施形態1が位相型のローパスフィルター
であったのに対し、振幅型のローパスフィルターとして
定義することができる。その効果に関しては、実施形態
1における図3(B)と同様に、2次元的にローパスフ
ィルター効果を得ることが出来る。
【0072】本発明の実施形態において、ローパスフィ
ルターを形成するのは、絞り面R1の径が入射光量にし
たがって変化した時に、軸上光と軸外光とが受けるロー
パスフィルター効果の変化ができるだけ等しい面、言い
換えれば、フィルター効果を受ける光束の断面積が等し
くなる瞳面近傍が作画上好ましい。
【0073】又、ローパスフィルターを形成する面を中
間結像面IP1に近い反射面に形成した場合、中間結像
面IP1以降の結像倍率が小さくなるように光学素子を
設計することで、該反射面に形成すべき位相格子や微細
プリズムのピッチや、反射率の周期を大きくすることが
可能となる為、製造技術的には好ましい。この場合、中
間結像面上の像、あるいは形状は、撮像素子上で再結像
するので、撮像素子上に位相格子の形状が写らないよう
に、中間結像面IP1とローパスフィルターを形成する
面とは、一定間隔離れて配置されるよう設計することが
望ましい。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば以上のように透明体の表
面に、光束が入射する屈折面と、曲率を有する複数の反
射面と、該複数の反射面にて反射された光束を射出する
屈折面とを一体に成形した光学素子を利用して、物体像
を所定面上に形成する際、該光学素子の少なくとも1つ
の反射面に光学的ローパスフィルターの機能を適切に設
定することによって、光学系全体の小型化及び簡素化を
図りつつ、所望の光学的ローパスフィルターパス効果が
容易に得られる光学素子及びそれをもちいた光学系を達
成することが出来る。
【0075】この他本発明によれば (イ−1) 光学素子の反射面に位相タイプのローパス
フィルターを形成することで、所望のフィルター効果を
得ることが出来る。
【0076】(イ−2) 位相型のローパスフィルター
を形成する反射面を、前記光学素子の成形時に同時成形
により作る事で、光学素子とローパスフィルタートの位
置合わせを容易にすることが出来る。
【0077】(イ−3) 反射面に微細周期で反射率が
変化する反射膜を形成する事で、所望のフィルター効果
を得ることが出来る。
【0078】(イ−4) ローパスフィルターの機能を
有する反射面は、前記光学素子における中間結像面から
離れた面に構成する事で、ローパスフィルターを形成す
る反射面の形状が撮像面上に結像することを防ぐことが
出来る等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】 図1の一部分の要部斜視図
【図3】 本発明に係る光学的ローパスフィルターの説
明図
【図4】 本発明の光学素子を製造する際の金型の説明
【図5】 従来の反射光学系の要部概略図
【図6】 従来の反射光学系の要部概略図
【図7】 従来の反射光学系の要部概略図
【図8】 従来の観察光学系の要部概略図
【図9】 従来の観察光学系の要部概略図
【図10】従来の反射光学系の要部概略図
【符号の説明】
1 光学素子 R1(4) 絞り R2 入射面 R3、R4、R5、R6、R7 反射面 R8 出射面 R9(3) 最終結像面 IP1 中間結像面 5 基準面 6 光束 7 第1反射面群 8 第2反射面群 401、402金型ユニット 40〜47 金型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明体の表面に光束が入射する入射面
    と、曲率を有する複数の反射面と、該複数の反射面にて
    反射された光束を射出する出射面とを一体に成形した光
    学系において、該複数の反射面のうち、少なくとも1つ
    の反射面はローパスフィルターの機能を有していること
    を特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 前記ローパスフィルターの機能を有する
    反射面は、反射光の位相差を周期的に変化させているこ
    とを特徴とする請求項1の光学素子。
  3. 【請求項3】 前記ローパスフィルターの機能を有する
    反射面は、微細周期で反射率が変化する反射膜より成っ
    ていることを特徴とする請求項1の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記光学素子は金型より成形されてお
    り、前記ローパスフィルターの機能を有する反射面は該
    光学素子の成形時に同時成形されていることを特徴とす
    る請求項1の光学素子。
  5. 【請求項5】 前記光学素子は、物体からの光束を前記
    入射面より入射させ、前記複数の反射面のうち一部の反
    射面で反射させた後に、中間結像面に物体像を形成し、
    該中間結像面に形成した物体像からの光束を該複数の反
    射面のうち残りの反射面で反射させた後に出射面より出
    射させており、前記ローパスフィルターの機能を有する
    反射面は該中間結像面から離れた位置に形成しているこ
    とを特徴とする請求項1の光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    学素子を用いたことを特徴とする光学系。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    学素子を複数個組み合わせて構成することを特徴とする
    光学系。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6556360B2 (en) * 1998-12-30 2003-04-29 Canon Kabushiki Kaisha Optical element and optical device having it

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