JPH1183831A - イオン交換樹脂灰化物のコバルトの分析方法 - Google Patents

イオン交換樹脂灰化物のコバルトの分析方法

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JPH1183831A
JPH1183831A JP24514597A JP24514597A JPH1183831A JP H1183831 A JPH1183831 A JP H1183831A JP 24514597 A JP24514597 A JP 24514597A JP 24514597 A JP24514597 A JP 24514597A JP H1183831 A JPH1183831 A JP H1183831A
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ash
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Naohiko Sado
直彦 佐渡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コバルトイオンを吸着させたイオン交換樹脂の
酸化減容処理した灰化物中のコバルトを定量分析する方
法を提供する。 【解決手段】灰化物を四ホウ酸リチウムと炭酸リチウム
とヨウ化ナトリウムとをアルカリ融剤として、加熱容器
に白金るつぼを用いて溶融した後、塩酸を用いて水溶液
を調製し、その溶液をプラズマ発光分析法によって定量
分析する。測定波長としては238.892nmを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物として生じ
るイオン交換樹脂を酸化減容処理した灰化物に係わり、
特にコバルトを吸着したイオン交換樹脂の灰化物のコバ
ルトの分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、産業廃棄物として排出されるイオ
ン交換樹脂は、他の廃棄樹脂と同時にバーナーを使用し
て焼却する焼却法,高温に加熱して分解させる熱分解
法、或いは過酸化水素を用いる酸化分解法等によって減
容処理されている。最近、減圧酸素含有雰囲気中の放電
により生じた活性酸素をイオン交換樹脂に作用させて、
灰化減容処理する方法および装置が考案されている。
〔特願平9−37478号参照〕この方法は、低圧の酸
素を高周波で励起して化学的に極めて活性な原子状の酸
素を含む活性種を生成し、その活性種を有機物,高分子
材料などに接触させて、緩慢な表面酸化を起こすことに
より、室温をやや上回る程度の低温で有機物を酸化除去
するものである。つまり、酸素プラズマによってイオン
交換樹脂の炭化水素が酸化され、吸着していた金属イオ
ンを含めた灰分だけが残り、減容化されるものである。
【0003】すなわちこの方法は、前記の従来法で主に
問題となる煤の発生や処理炉材の損傷などが無く、処理
装置のメンテナンスが不要で、かつ排出ガス量が少ない
特長を有している。そのため、原子力設備からの廃棄物
等の放射性核種を含むものの処理に対しても、放射性核
種の飛散を抑制して減容処理できるので注目されてい
る。
【0004】これらの灰化減容処理する方法において、
処理効果を評価するためには、イオンを吸着させたイオ
ン交換樹脂と、処理後の灰化物等に含まれる物質量を分
析して物質量の推移を把握することが重要であり、灰化
物の組成を迅速に精度良く定量分析する方法が求められ
ている。特に放射性物質の場合は、物質の推移を把握す
ることは非常に重要である。その放射性物質の代表的な
一つとしてはコバルトイオンがある。
【0005】コバルトの標準的な分析方法は、例えば日
本分析化学会編の分析化学便覧〔改訂四版(1991)〕に述
べられている。その内容は、分析試料によって異なる
が、一般的に溶液化した後、吸光光度法,原子吸光法等
を適宜適用し、主成分または微量成分としてのコバルト
を検出し、定量分析する方法が述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の灰化減容処理す
る方法はいずれも酸化処理をおこなうものであり、処理
後に生じる灰化物質は、イオン交換樹脂に吸着していた
物質が酸化された金属酸化物が主体になるであろうこと
は予測される。しかし、灰化減容処理後における灰化物
の性状,構造,化合物形態等が一様でないことから、分
析試料の前処理方法を含めた決まった分析方法がない。
【0007】本発明はこの点に鑑みてなされ、その目的
はイオン交換樹脂灰化物のコバルトの分析に最適な試料
調製法と高精度な定量化の方法とからなる灰化物中のコ
バルトの分析方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の灰化減容処理はい
ずれも酸化処理をおこなうものであり、処理後に生じる
灰化物は、イオン交換樹脂に吸着していた物質が酸化さ
れた金属酸化物が主体になるであろうことは予測され
る。Coの酸化物である酸化コバルト(Co3 4
は、溶液化のために通常用いられる酸(HNO3 やHC
l)には溶解しない。しかし、アルカリ融剤とは反応し
て、コバルトを含む融成物とすることができ、それを酸
を用いて分解して溶液化させれば、発光分析による定量
分析が可能になる。
【0009】上述の目的を達成するため本発明は、コバ
ルトイオンを吸着させたイオン交換樹脂を酸化減容処理
したイオン交換樹脂灰化物のコバルトの定量分析方法に
おいて、灰化物をアルカリ融剤と共に加熱溶融する工程
と、酸による溶液化を行う工程と、得られた試料液中の
コバルト量を発光分析によって求める定量工程とからな
るものとする。
【0010】特に、アルカリ溶融する工程において、四
ホウ酸リチウムと炭酸リチウムとヨウ化ナトリウムとを
アルカリ融剤として、加熱容器に白金るつぼを用いて溶
融し、酸による溶液化をおこなう工程において、塩酸を
用いて水溶液を調製するものとする。四ホウ酸リチウム
と炭酸リチウムとを用いてアルカリ融解することによ
り、コバルトを含むホウ酸リチウムと炭酸リチウムとの
融成物となる。微量添加したヨウ化ナトリウムは、融成
物と白金るつぼの容器との剥離性を向上させる働きを有
する。塩酸は、先に加えた融剤の炭酸塩を分解して試料
溶液を安定化させる作用をもつ。
【0011】更に、コバルト量を発光分析によって求め
る定量工程において、プラズマ発光分析法によっておこ
ない、測定波長としては238.892nmを用いるの
がよい。238.892nmは、線強度が大きいだけで
なく、近接線が無く分光干渉を低減できるので、他の発
光線に比べて最も感度の高い分析が可能になる。
【0012】イオン交換樹脂灰化物が、イオン交換樹脂
に減圧酸素含有雰囲気中の放電により生じた活性酸素を
作用させ、灰化したものとする。そのような灰化物であ
れば、その主成分は酸化コバルトと、イオン交換樹脂に
由来する炭素とであり、上記分析方法で容易に高精度の
定量分析ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の分析方法は、灰化物の処
理を工夫して溶液化し、定量化するものである。以下、
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。た
だし、放射性物質をそのまま用いて分析することはでき
ないので、模擬放射性物質を用いて分析をおこなった。
【0014】[実施例]図1は、本発明に係るイオン交
換樹脂灰化物のコバルトの定量分析のための試料調製か
ら分析にいたる手順を示す流れ図である。ここでイオン
交換樹脂としては、スルホン基(−SO3 −)を交換基
とするスチレン系の樹脂[三菱化学(株)製ダイヤイオ
ンSKN−1]を用いた。また、被吸着剤のコバルトイ
オンは塩化コバルト六水化物の水溶液として供給され
た。
【0015】コバルトイオンを吸着させたイオン交換樹
脂を試料Aとする。コバルトイオンを吸着させたイオン
交換樹脂(試料A)を、酸素プラズマ処理装置によって
減容、灰化した。酸素プラズマにより極めて活性な原子
状の酸素を含む活性種を生成し、イオン交換樹脂に接触
させる。イオン交換樹脂の炭化水素が酸化され、吸着し
ていた金属イオンを含む灰化物が残る。灰化物試料は、
約φ1mm以下の球状を呈している。灰化した試料を試
料Bとする。
【0016】[1]予備分析 灰化物中のコバルトを分析評価するには、予め灰化物の
性状、構造、化合物形態等を把握し、試料の溶液化の方
法を見出さなければならない。まず、灰化物の性状を把
握するため、減容処理実験後の灰化物について蛍光X線
による定性分析を行い主成分と不純物を明らかにした。
分析結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】なお、表1欄外に定性分析表示目安(wt
%)を示してある。構成元素はコバルト(Co)と炭素
(C)が主体であることが分かる。他に極微量レベルの
シリコン(Si)、アルミニウム(Al)などが含まれ
ている。不純物の中で比較的多い硫黄(S)はイオン交
換樹脂のスルホン基に由来したものと考えられる。
【0019】次に灰化物を構成している結晶性物質を知
るため、X線回折を行った。図4にX線回折データを示
す。回折ピークの解析結果は、酸化コバルト(Co 3
4 )のそれとほぼ一致している。以上のことから、イオ
ン交換樹脂灰化処理実験後の灰化物は酸化コバルト(C
3 4 )と炭素(C)が主体のものであることがわか
る。
【0020】[2]試料調製 上記予備分析において、分析すべき灰化物の主成分は酸
化コバルト(Co3 4 )と炭素(C)であることが分
かったので、コバルトの定量分析に適する灰化物の溶液
化の方法を検討した結果、次の結論に達した。 塩酸,硝酸,過酸化水素などの酸分解では、完全な溶
液化はできない。
【0021】四ほう酸リチウム(Li2 4 7 )と
炭酸リチウム(LiC2 3 )とヨウ化ナトリウム(N
aI)の混合融剤を用いたアルカリ溶融法であれば溶融
でき、融成物は希塩酸で溶液化できる。 まず、アルカリ溶融を容易にするため、灰化物試料(試
料B)を粉砕した。粉砕はメノウ乳鉢を用い、粒状物の
形がくずれる程度を目安におこなった。次に吸着水分の
除去の目的で、乾燥器に入れて105℃2時間の乾燥を
おこない、その後デシケーター中で室温まで冷却した。
【0022】0.1g程度の分析試料を正確に秤量し、
融剤の四ほう酸リチウム(Li2 4 7 )1g、炭酸
リチウム(LiC2 3 )1g、よう化ナトリウム(N
aI)5mgを秤り取って一緒に白金るつぼに入れ、ガ
スバーナーで予備加熱を行う。この工程は、るつぼ内で
の融剤の突沸を防ぐためにおこなうものである。次に電
気炉に入れ、1000℃に加熱した。加熱時間は15分
間である。加熱後は炉外に取り出して室温まで放置冷却
した。
【0023】ここでアルカリ溶融の過程について述べ
る。例えば、融剤が四ほう酸リチウム(Li2
4 7 )の場合、金属Mの酸化物をMOとしたとき、溶
融過程は次式で説明される。 Li24 7 → 2LiBO2 +B2 3 LiBO2 +MO → LiMBO32 3 +MO → M(BO2 2 M(BO2 2 +2LiBO2 →Li2 M(BO2 3 四ホウ酸リチウム(Li24 7 )は融点が950℃
と比較的高いが、後に述べるようにアルカリ性を高める
ことによって約800℃まで融点の降下を図ることがで
きて、溶融しやすくできる。
【0024】さらに、例えば炭酸リチウム( Li2 CO
3 )のようなアルカリ炭酸塩の融剤を加えることによ
り、次の作用がもたらされる。炭酸リチウム( Li2
3 )は融点が低い(628℃)ので、融剤の融点を降
下させることができる。また、Li2 CO3 は溶融状態
で強電解質の性質を持ちイオン解離している。すなわち
炭酸リチウムの場合は次式で作用する。
【0025】 Li2 CO3 → 2Li+ +CO3 2- ここで生じた高温でのLi+ 、CO3 2- は、酸化物に対
して強力な反応性を持っている。特に融剤として多量の
炭酸イオン(CO3 2- )が存在するときは、不溶解性物
質と交換平衡の結果、不溶解性塩を炭酸塩として冷却後
に固化する。従って、今回の灰化物の場合、アルカリ融
剤と反応して、コバルトを含むホウ酸リチウムと炭酸リ
チウムとの融成物となる。これらのホウ酸塩、炭酸塩は
水に可溶な性質を有する。
【0026】アルカリ融解の際に微量添加したヨウ化ナ
トリウム(NaI)は、他のハロゲン化物でも同じであ
るが、融成物と白金るつぼとの剥離性を増す作用および
融点を降下させる作用がある。しかも前記融剤の1/2
00程度の微量で十分な効果を発揮する。その後の試料
の溶液化は、純水との容量比が1:1の希塩酸を用いて
おこない、全量200mlとして分析試料の溶液化が完
了する。塩酸は、アルカリ融剤として用いた炭酸塩を分
解し、塩酸酸性にすることによって、炭酸ガスを含まな
い溶液試料とし、試料の安定化に役立っている。
【0027】以上のような試料溶液化の方法によって、
プラズマ発光分析法の適用できるコバルト(Co)溶液
が調製される。この溶融・溶解処理時間は約1時間以内
で完了するので迅速な試料調製ができる。 [3]分析装置と定量分析のための基準化 図2は、本発明のCoの分析方法で使用した、プラズマ
発光分析装置の構成を示す。
【0028】この分析計は、高周波電源部34、試料導
入部32、光源部31、分光部35、測光部36および
データ処理部37からなり、光源部にアルゴンガス38
が送られ励起温度が6000〜8000Kの高温のアル
ゴンプラズマが用いられる。試料液は、試料導入部のネ
ブライザー(霧吹型)からプラズマ炎中に導入して発光
させ、発光線は分光器で分光し測定線の選別を行って光
電子増倍管36で光電検出が行われる。溶液化された灰
化物の試料液33が準備されてCoの発光線が測定され
る。
【0029】プラズマ発光分析における感度の低下や妨
害になる干渉には次に示すような4つの事項が知られて
いる。 物理干渉−−試料液の粘性、表面張力、密度などの物
理的性質の変化によるもの 化学干渉−−試料液中の難解離性化合物の生成などの
化学的性質の変化によるもの イオン化干渉−−試料液中にアルカリ金属類などイオ
ン化しやすい元素が多く含まれているときプラズマ内の
イオン化平衡が変化するもの 分光干渉−−プラズマガス成分やプラズマ中の他の分
子や原子による発光スペクトルが目的とする分析スペク
トルと重なって分析測定に影響することによるもの 〜項は、試料調製時の試薬の種類と量が関係する。
後述のように、前記分析試料調製時に用いた融剤と塩酸
の量を管理して、標準試料液に対しても分析試料と同等
量を添加し、液組成の整合をおこなって用いるようにし
たため分析上の干渉は除外されている。
【0030】また項については、分析波長を選択する
ことで影響を避けることができる。本実験では、検討の
結果Co(238.892nm)を使うこととした。C
oの発光線としては、他に228.616nm、23
7.862nm等の線があるが、238.892nmが
最も線強度が大きいこと、Cr、Fe等の近接線が無い
ことなどの理由により、分析に適当な波長として選択し
た。すなわち、この波長を選択することによって、分光
干渉がなく分析できる。
【0031】分析方法の主な測定条件を表2に示す。
【0032】
【表2】 定量分析のための標準試料液としては、適当な濃度の試
薬(硝酸コバルト)の水溶液に上記アルカリ融剤の同等
量を加えて液組成の整合を行い調製する。その標準試料
液のプラズマ発光分析の発光強度を測定し、Coの定量
分析のための検量線を作成する。
【0033】灰化処理前のイオン交換樹脂および灰化物
中のCoの量は%レベルで存在することが推定される。
この量を評価するため、灰化物試料量によっても異なる
が標準試料液中のCo濃度は0.01〜数十ppmレベ
ルのものが必要である。上記のように決めた測定条件で
Coの発光線の強度との関係から、直線回帰計算により
定数を求めて、検量線を作成した。
【0034】図3は、先に調製した標準試料液について
得られた検量線図である。低濃度レベルのCoの検量線
41と高濃度レベルのCoの検量線42が示されてい
る。いずれも直線性の良好な検量線が得られた。この時
の実験式は次の通りで、濃度の単位はmg/Lすなわち
ppmである。 X(Co)=2.4845×10-6y - 5.551 ×10-2 濃度と発光強度の相関係数=0.999 ここでyは発光強度である。試料中のCo濃度と発光強
度との相関係数は0.999で極めて良好であることが
わかる。
【0035】[4]定量分析精度 調合組成を15.00mg/Lとした標準試料液につい
て、プラズマ発光強度の測定を行い、図3に示した検量
線を適用して繰り返し分析精度の検討を行った結果を表
3に示す。
【0036】
【表3】 標準試料液でのCo濃度の繰り返し分析精度は、変動係
数で0.5%以下で良好である。これから定量分析自体
の精度は、極めて高いことがわかる。
【0037】[5]灰化物中のCoの定量分析 溶液化の工程を含め前記の確立した方法を灰化物試料B
に適用した。表4は、Coの定量分析結果であり、単位
は、(mg/L)である。
【0038】
【表4】 繰り返し測定精度は変動係数で0.8%以下で良好であ
る。これから、溶液化の工程を含め本発明の分析方法の
精度が、極めて高いことがわかる。
【0039】このコバルト量を、もとの0.100gの
灰化物に対する含有量に換算すると、表5の結果とな
る。単位は、重量%(wt%)である。また同表に、灰
化前の試料(A)に対するコバルト量をも示した。
【0040】
【表5】 以上によって、イオン交換樹脂灰化物中のコバルトの分
析は完了した。
【0041】また、他の酸化減容処理法により処理した
イオン交換樹脂灰化物の分析にも適用した結果、Co濃
度について、0.1〜10%の値が得られた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
バルトイオンを吸着させたイオン交換樹脂を酸化減容処
理したイオン交換樹脂灰化物中のコバルトの定量分析方
法において灰化物を、四ホウ酸リチウムと炭酸リチウム
とヨウ化ナトリウムのようなアルカリ融剤と共に加熱溶
融した後、例えば塩酸により溶液化し、その試料液をプ
ラズマ発光分析することにより、短時間で精度よくコバ
ルト量を定量できることを示した。
【0043】特に、プラズマ発光分析法の測定波長とし
て、238.892nmを用いることにより、Fe、C
r等の類似元素が共存する場合においても高精度の分析
を可能にした。本発明の分析方法は、イオン交換樹脂の
灰化処理法の評価以外にも、イオン交換樹脂コバルト吸
着率の評価等、様々な用途に適用できる極めて実用的な
方法と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料調製から定量分析までの手順を示す流れ図
【図2】プラズマ発光分析装置の構成図
【図3】(a)、(b)は標準溶液を用いたCoの検量
線図
【図4】X線回折データを示す図
【符号の説明】
31...プラズマ炎 32...ネブライザー(霧吹型) 33...試料液 34...高周波電源 35. ..分光器 36...検出器(光電子増倍管) 36. ..データ処理部 38...アルゴンガス 41...低濃度のCoの検量線 42...高濃度のCoの検量線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コバルトイオンを吸着させたイオン交換樹
    脂を酸化減容処理したイオン交換樹脂灰化物のコバルト
    の定量分析方法において、灰化物をアルカリ融剤と共に
    加熱溶融する工程と、酸による溶液化を行う工程と、得
    られた試料液中のコバルト量を発光分析によって求める
    定量工程とからなることを特徴とするイオン交換樹脂灰
    化物のコバルトの分析方法。
  2. 【請求項2】アルカリ溶融する工程において、四ホウ酸
    リチウムと炭酸リチウムとヨウ化ナトリウムとをアルカ
    リ融剤として、加熱容器に白金るつぼを用いて溶融し、
    酸による溶液化をおこなう工程において、塩酸を用いて
    水溶液を調製することを特徴とする請求項1記載のイオ
    ン交換樹脂灰化物のコバルトの分析方法。
  3. 【請求項3】コバルト量を発光分析によって求める定量
    工程において、プラズマ発光分析法によっておこない、
    測定波長としては238.892nmを用いることを特
    徴とする請求項1または2記載のイオン交換樹脂灰化物
    のコバルトの分析方法。
  4. 【請求項4】イオン交換樹脂灰化物が、イオン交換樹脂
    に減圧酸素含有雰囲気中の放電により生じた活性酸素を
    作用させ、灰化したものであることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載のイオン交換樹脂灰化物の
    コバルトの分析方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017106747A (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 東亜ディーケーケー株式会社 分析装置、分析装置のドリフト評価方法、及びプログラム
CN113754458A (zh) * 2021-07-08 2021-12-07 北方民族大学 一种SiO2掺杂树脂灰多孔陶瓷及其制备方法

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