JPH1183685A - 後2軸車両のスタビリティファクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方法 - Google Patents

後2軸車両のスタビリティファクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方法

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JPH1183685A
JPH1183685A JP24860897A JP24860897A JPH1183685A JP H1183685 A JPH1183685 A JP H1183685A JP 24860897 A JP24860897 A JP 24860897A JP 24860897 A JP24860897 A JP 24860897A JP H1183685 A JPH1183685 A JP H1183685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な演算式を用いた後2軸車両のスタビリ
ティファクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方法を提
供する。 【解決手段】 車両諸元としての各車軸間距離L1
2,L3を求め、前輪Fに対する各後輪FR,RRのコ
ーナリングパワー比の代表的値を設定した後、これら各
車軸間距離及びコーナリングパワー比の代表的値に基づ
き2輪モデルに等価な車軸間距離を設定する。車両の定
常円旋回時に検出した車速、前輪操舵角、実ヨーレイト
及び設定した等価車軸間距離Lに基づいて簡便な演算式
から後2軸車両のスタビリティファクタを導出する。一
方、車両の一般走行時には、検出した車速、前輪操舵
角、導出したスタビリティファクタ及び設定した等価車
軸間距離に基づき車両の目標ヨーレイトを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、後2軸車両にお
いて、その旋回特性の指標を得るためのスタビリティフ
ァクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】例えば、特開平6−239216
号公報には、車両の旋回運動制御に好適した制動力制御
装置が開示されている。この公知の制動力制御装置にあ
っては、車両の走行時、ヨーレイトフィードバック制御
を実行するにあたり、検出した車速V及び前輪操舵角δ
に基づいて定常円旋回における車両のスタビリティファ
クタAとヨーレイトの関係式から目標ヨーレイトγを算
出するものとなっている。そして、車両の制動力は、検
出した実ヨーレイトを目標ヨーレイトに一致させるべく
制御されている。
【0003】具体的には、上述した公知のヨーレイトフ
ィードバック制御技術によれば、車両の目標ヨーレイト
γは、次式(1)から算出される。
【0004】
【数1】
【0005】なお、L:前後輪車軸間距離である。ここ
で、車両のスタビリティファクタAは、理論的には次式
(2)より定義される。
【0006】
【数2】
【0007】なお、m :車両質量 Lf:車両重心点と前輪車軸間の距離 Lr:車両重心点と後輪車軸間の距離 Kf:前輪のコーナリングパワー Kr:後輪のコーナリングパワー である。このようなスタビリティファクタは、車両の旋
回特性を決定付ける重要な指標であり、車両の旋回運動
を制御するにあたって重要な要素となるものである。ま
た、車両のスタビリティファクタは、車両諸元としての
L,Lf,Lr及びKf,Krが決定されれば、これら諸元
に基づき上式(2)から一義的にその理論値が定まる。
【0008】実際のヨーレイトフィードバック制御にあ
たって、上式(1)のスタビリティファクタAに式
(2)から得た理論値をそのまま適用することは可能で
あるが、このような理論値、つまり、車両諸元から得ら
れるデータとしてのスタビリティファクタと、実際の制
御対象車両に固有のスタビリティファクタとの間には誤
差が生じている場合が多い。
【0009】そこで、このような誤差を補償した車両の
スタビリティファクタを求めるためには、実際の車両を
定常円旋回走行させ、この定常円旋回時の車速、前輪操
舵角及び実ヨーレイトをそれぞれ検出し、そして、これ
ら検出値に基づき上式(1)から逆算によりスタビリテ
ィファクタを求める方法がより好適しているものと考え
られる。
【0010】上述した方法によれば、実車に即したスタ
ビリティファクタを容易に求めることができる。また、
実際の目標ヨーレイトの設定にあたっては、このように
して求めたスタビリティファクタが適用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上式(1)
に示す車両のスタビリティファクタとヨーレイトとの関
係は、前後輪の車軸がそれぞれ1軸ずつの車両につい
て、その力学的運動モデルを2輪モデルとしたときの定
常円旋回の運動方程式から得られるものである。しかし
ながら、車軸が前1軸・後2軸である車両にあっては、
前後の車軸間距離Lを具体的に1つの値にて特定するこ
とができず、このため上式(1)の関係をそのまま適用
することはできない。この点、前の車軸と後2軸の中間
位置(例えばトラニオン中心)との間の距離を代替的に
車軸間距離Lとすることも考えられるが、このようなL
の値は2輪モデルのLの値との等価性に欠けるため、上
式(1)によっても高精度に車両のスタビリティファク
タを求めることはできない。
【0012】また、目標ヨーレイトは車両のスタビリテ
ィファクタに基づいて設定されるものであるが、スタビ
リティファクタの精度が低ければ、もはや的確な目標ヨ
ーレイトを設定することは困難である。この発明は上述
した事情に基づいてなされたもので、その目的とすると
ころは、後2軸車両であっても、スタビリティファクタ
及び目標ヨーレイト等の車両旋回特性の指標を簡便且つ
高精度に得ることができるスタビリティファクタ導出方
法及び目標ヨーレイト設定方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の後2軸車両のスタビリティファクタ導出
方法は、車両諸元としての各車軸間距離L1,L2,L3
をそれぞれ使用し、また、前輪に対する前方及び後方後
輪のコーナリングパワー比の代表的値X1,X2をそれぞ
れ設定して、これらL1,L2,L3及びX1,X2に基づ
いて等価車軸間距離Lを設定するものとしている。
【0014】従って、請求項1のスタビリティファクタ
導出方法によれば、前1軸・後1軸車両で一般的に使用
されるスタビリティファクタ導出式に適用可能な等価車
軸間距離Lが特定されるので、実際の車両を旋回走行さ
せて検出した車速V、前輪操舵角δ及び実ヨーレイト
γ、そして、設定した等価車軸間距離Lに基づいて、前
1軸・後1軸車両で一般的に使用されるスタビリティフ
ァクタとヨーレイトとの関係式から後2軸車両のスタビ
リティファクタAが算出される。
【0015】また、請求項2の目標ヨーレイト設定方法
は、請求項1と同様の方法によりスタビリティファクタ
Aを導出した後、車両の走行時、検出した車速V、前輪
操舵角δ、そして、導出したスタビリティファクタA及
びスタビリティファクタAの導出に際して既に設定した
等価車軸間距離Lに基づき目標ヨーレイトγ*を設定す
るものとなっている。この場合でも、上述した関係式か
ら後2軸車両の目標ヨーレイトγ*が設定される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の後2軸車両のス
タビリティファクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方
法について具体的に詳述する。図1を参照すると、後2
軸車両の一例として、後2軸式のトラック1が概略的に
示されている。すなわち、このトラック1は、その前車
軸afが1軸である一方、後車軸は2軸タイプとなって
いる。前車軸afに対応する前輪Fは、運転者によるハ
ンドル操作に応じて操舵可能な操舵車輪である。また、
後2軸のうち後前軸afr、つまり、前方の後車軸は、図
示しないエンジンから駆動系を介して動力の伝達を受け
る駆動軸となっており、この後前軸afrに対応する前方
後輪FRは、駆動力を発生する駆動輪である。これに対
し、後後軸arr、つまり、後方の後車軸はデッド軸であ
り、この後後軸arrに対応する後方後輪RRは単なる遊
動輪である。つまり、このトラック1の駆動方式は、い
わゆる6×2方式となっている。ただし、この発明が適
用される後2軸車両は、当該トラック1のみに限定され
るものではなく、その他の後2軸車両であってもよい。
【0017】ここで、本発明のスタビリティファクタ導
出方法及び目標ヨーレイト設定方法について説明する前
に、後2軸車両の運動方程式から得られるヨーレイトと
スタビリティファクタとの関係について説明する。図2
を参照すると、後2軸車両における旋回時の力学的運動
モデルが示されている。なお、この運動モデルは、車両
のトレッドを無視した後2軸車両に等価的な線形3輪モ
デルである。同図に示すモデルにおいて、車速をV、前
輪操舵角をδ、実ヨーレイトをγ、車体スリップ角を
β、そして、各車輪F,FR,RRのタイヤに働くコー
ナリングフォースをそれぞれYf,Yr1,Yr2とする
と、後2軸車両の横方向の運動は次式(3)で表され
る。
【0018】
【数3】
【0019】なお、m:車体質量である。また、車両の
重心点Pgから各車輪F,FR,RRの車軸までの距離
をそれぞれLf,Lr1,Lr2とすると、車両の重心点P
g回りのヨーイング運動は次式(4)で表される。
【0020】
【数4】
【0021】なお、I:車両のヨーイング慣性モーメン
トである。ここで、各車輪F,FR,RRのタイヤスリ
ップ角βf,βr1,βr2は、それぞれ、 βf =β+Lf・γ/V−δ βr1=β−Lr1・γ/V βr2=β−Lr2・γ/V となる。
【0022】また、各コーナリングフォースYf
r1,Yr2は、それぞれ、 Yf =−Kf・βf=−Kf・(β+Lf・γ/V−δ) Yr1=−Kr1・βr1=−Kr1・(β−Lr1・γ/V) Yr2=−Kr2・βr2=−Kr2・(β−Lr2・γ/V) となる。なお、Kf,Kr1,Kr2はそれぞれ、各車輪
F,FR,RRのコーナリングパワーである。
【0023】従って、これらβf,βr1,βr2及びYf
r1,Yr2をそれぞれ式(1),(2)に代入して纏め
ると、
【0024】
【数5】
【0025】
【数6】
【0026】がそれぞれ得られる。上式(5),(6)
に定常円旋回の条件dβ/dt=0,dγ/dt=0をそれぞ
れ代入し、両式からβを消去して1つの式に纏めた後、
式をγについて解けば、後2軸車両のヨーレイトγを表
す式、
【0027】
【数7】
【0028】が得られる。上式(7)から表されるよう
に、後2軸車両の場合、前軸と後軸との車軸間距離が定
量的な1つの値に特定されないため、式(1)のような
ヨーレイトとスタビリティファクタの簡単な関係式は得
られない。(この点、公知のように前後各1軸車両の場
合、2輪モデルにおける重心点から前軸までの距離Lf
と後軸までの距離Lrの和を車軸間距離Lとして式
(1)を容易に得ることができる。)そこで、本発明の
発明者は、上式(7)を以下のように変形し、式(1)
との関連から後2軸車両のヨーレイトとスタビリティフ
ァクタとの関係を見出すよう試みた。
【0029】すなわち、式(7)は、次式(8)の形式
に変形し得る。
【0030】
【数8】
【0031】式(1)との関連において、上式(8)
中、Kf,Kr1,Kr2及びLf,Lr1,Lr2が含まれる部
分をそれぞれ、
【0032】
【数9】
【0033】
【数10】
【0034】とおけば、上式(8)を次式(11)
【0035】
【数11】
【0036】の形式、つまり、式(1)と同様の形式に
て表すことができる。発明者は、後2軸車両のヨーレイ
トγを上式(11)にて表したとき、 A:2輪モデルに等価的なスタビリティファクタ L:2輪モデルに等価的な前後車軸間距離 であるとすれば、図2に示される後2軸車両の3輪モデ
ルを2輪モデルと等価的に扱うことが可能であることに
着目した。
【0037】更に発明者は、上式(10)から定量的にL
の値、つまり、等価車軸間距離を得るため、以下の検討
を行った。等価車軸間距離Lは、単に物理量として長さ
の次元のみにて表されるべき性質のものであるが、式
(10)には各車輪のコーナリングパワーKf,Kr1,K
r2(次元:N/rad)が含まれている。そこで、発明者
は、Kf,Kr1,Kr2を無次元化することを試み、 Kr1/Kf=x1:前輪Fに対する前方後輪FRのコーナ
リングパワー比 Kr2/Kf=x2:前輪Fに対する後方後輪RRのコーナ
リングパワー比 として、式(10)を
【0038】
【数12】
【0039】と改めた。また、Lf,Lr1,Lr2はそれ
ぞれ定量値であるが、図2に示されるように車両の重心
点位置を考慮しなければその値を求めることができな
い。そこで、Lf+Lr1=L1,Lf+Lr2=L2,Lr2
r1=L3(=L2−L1)とすれば、等価車軸間距離L
は、
【0040】
【数13】
【0041】と表すことができる。なお、上述した
1,L2,L3は、図1の軸距寸法にも示されるよう
に、 L1:前車軸と後前車軸との車軸間距離 L2:前車軸と後後車軸との車軸間距離 L3:後前車軸と後後車軸との車軸間距離 であり、車両の重心位置に無関係な一定の物理量であ
る。
【0042】また、式(9)からスタビリティファクタ
Aは、
【0043】
【数14】
【0044】と表すことができる。式(13)から明らか
なように、コーナリングパワー比x1,x2を定数として
設定すれば、等価車軸間距離Lの値を具体的に特定する
ことができるものと考えられる。各車輪のコーナリング
パワーKf,Kr1,Kr2は、それぞれの輪荷重に依存し
て、使用されるタイヤの特性から決定される変数であ
る。図3には、トラック1に使用されているタイヤにつ
いて、輪荷重(W)に対するコーナリングパワー(C
p)の関係を表すタイヤCp特性曲線が示されており、
同図から明らかなように、車輪のコーナリングパワー
は、輪荷重の増加に伴って増大するものである。従っ
て、トラック1の各車輪に同一仕様のタイヤが使用され
ているとき、各車輪のコーナリングパワーKf,Kr1
r2は、それぞれの輪荷重に依存して変化する。
【0045】一方、各車輪の輪荷重は、トラック1にお
いて設定されている各車軸af,afr,arrに対する軸
重の配分比に基づいて決定される。トラック1に積載さ
れる荷物の積載荷重が、この配分比に従って各車輪に分
担されるとき、各車輪の輪荷重比は略一定であると考え
られる。従って、このような輪荷重比から決定されるコ
ーナリングパワー比x1,x2もまた、積載荷重に関わら
ずある程度一定の値をとるものと考えられる。
【0046】このようなタイヤCp特性を根拠として、
上述したコーナリングパワー比x1,x2をある程度一定
のものとして取り扱えば、式(13)から等価車軸間距離
Lを定量値として特定することができる。そして、等価
車軸間距離Lが特定されれば、前1軸・後1軸車両と同
様の手法、つまり、ヨーレイトとスタビリティファクタ
の関係式(11)から、逆算により後2軸車両のスタビリ
ティファクタAを容易に求めることが可能となる。
【0047】発明者は、以上の理論的な裏付けの下に後
2軸車両の運動モデルを等価的に2輪モデルに置き換え
ることができることを確認し、本発明のスタビリティフ
ァクタ導出方法及び目標ヨーレイト設定方法を創案する
に至ったものである。以下、スタビリティファクタ導出
方法の実施例について、具体的な工程を挙げて順次説明
する。但し、本発明は以下の実施例に挙げる工程のみに
限定されるものではない。
【0048】先ず、測定工程では、各車軸間距離が測定
される。具体的には、図1に示されるように、前輪Fと
前方後輪FRとの車軸間距離L1、前輪Fと後方後輪R
Rとの車軸間距離L2及び前方後輪FRと後方後輪RR
との車軸間距離L3がそれぞれ測定される。なお、この
測定工程において、これら各車軸間距離L1,L2,L3
の値を実際の測定作業によらず、当該トラック1の設計
諸元に基づくデータから得ることとしてもよい。
【0049】次に、代表的値設定工程では、各車輪のコ
ーナリングパワーKf,Kr1,Kr2に基づいて、前輪F
に対する後輪FR,RRそれぞれのコーナリングパワー
比x 1,x2の代表的な値、つまり、それぞれの代表的値
1,X2が設定される。ところで、後2軸式トラックで
は、通常、後前軸と後後軸の軸重比(以下、「タンデム
比」という。)は、1:1に設定されている。この場
合、前方後輪FRと後方後輪RRとの輪荷重は略等し
く、これら各後輪FR,RRのコーナリングパワー
r1,Kr2もまた略等しくなる。従って、積載状況に関
わらず、前輪Fに対する前方後輪FRのコーナリングパ
ワー比x1と後方後輪RRのコーナリングパワー比x2
略等しいものと考えられる。
【0050】これに対し、駆動軸となる後前軸の軸重を
後後軸の軸重よりも大きく設定した後2軸式トラックで
は、上述したタンデム比が1:(1以下の値)であり、
この場合、前方後輪FRと後方後輪RRとの輪荷重が異
なるため、前輪Fに対する前方後輪FRのコーナリング
パワー比x1と後方後輪RRのコーナリングパワー比x2
は等しくならない。
【0051】また、空車時に後2軸の軸重を駆動軸側に
より大きく配分する軸重移動装置(特開平8−1979
28号公報等に記載)が搭載された後2軸式トラックで
は、荷物積載時のタンデム比が1:1に設定されていて
も、この軸重移動装置の作動時にタンデム比が1:(1
以下の値)となる。この場合もまた前輪Fに対する前方
後輪FRのコーナリングパワー比x1と後方後輪RRの
コーナリングパワー比x2は等しくならない。
【0052】従って、この代表的値設定工程では、3軸
それぞれに軸荷重が異なっている状況をも考慮して、各
後輪FR,RRの前輪Fに対するコーナリングパワー比
1,x2の代表的値X1,X2をそれぞれ別個に設定する
ものとしている。図4から図7には、荷物の積載状況別
に各車輪の輪荷重が変化する様子が示されている。な
お、このトラック1には上述した軸重移動装置が搭載さ
れており、軸重移動装置の非作動時におけるタンデム比
は1:1に設定されているものとする。
【0053】先ず、図4を参照すると、空車状態、つま
り、トラック1に荷物が全く積載されていないときの輪
荷重の様子が示されている。この空車状態では、軸重移
動装置(図示されていない)の作動により、後前軸の軸
重の方が後後軸の軸重よりも大きくなっており、この場
合、前方後輪FRの輪荷重Wfrの方が後方後輪RRの輪
荷重Wrrよりも大きい。
【0054】次に、図5を参照すると、積車標準状態、
つまり、積荷Cを荷台の全域に亘って均等に積載したと
きの様子が示されている。この場合、軸重移動装置は非
作動の状態であり、後2軸のタンデム比は1:1、つま
り、後前軸と後後軸の軸重は等しい。従って、この積車
標準状態における輪荷重Wfr,Wrrは略等しくなる。図
6には、積車前荷状態、つまり、積荷を荷台の前方領域
のみに積載したときの様子が示されている。この場合、
積車標準状態に比べ前輪Fの軸重が極端に大きいため、
その輪荷重Wfもまた極端に大きくなるが、積車標準状
態と同様に各後輪FR,RRの輪荷重Wfr,Wrrは略等
しくなる。
【0055】また図7には、積荷を荷台の後方領域のみ
に積載した積車後荷状態が示されており、この場合、輪
荷重Wfは極端に小さくなるが、各後輪の輪荷重Wfr,
Wrrは略等しくなる。発明者が図4から図7に示される
各積載状況別に、実際のトラック1について各車輪の輪
荷重を測定した結果によれば、空車時を除く積車時、つ
まり、タンデム比が1:1の場合、積載状況に関わらず
コーナリングパワー比x1,x2の値は略同じとなること
が確認されている。
【0056】トラック1に荷物が積載されている場合、
代表的値設定工程において設定すべきコーナリングパワ
ー比の代表的値X1,X2には、例えば、積車標準状態に
おけるコーナリングパワー比x1,x2の値をそれぞれ採
用することができる。これに対し、トラック1に荷物が
積載されていない場合、設定すべきコーナリングパワー
比の代表的値X1,X2には、空車時におけるコーナリン
グパワー比x 1,x2の値がそれぞれ採用される。
【0057】なお、この代表的値設定工程では、上述の
ように実測した輪荷重から求めたコーナリングパワー比
によらず、トラック1において設定されている軸重配分
比、軸重移動装置作動時のタンデム比及びタイヤCp特
性を考慮して、トラック1の諸元から決定されるデータ
としてのコーナリングパワー比x1,x2から代表的値X
1,X2をそれぞれ設定することとしてもよい。
【0058】等価車軸間距離設定工程では、測定したL
1,L2,L3及び設定したX1,X2に基づいて、式(1
3)から算出される等価車軸間距離Lの値が設定され
る。次に、定常時検出工程では、トラック1を実際に定
常円旋回走行させたときの車速V、前輪Fの操舵角δ及
びトラック1に発生する実ヨーレイトγがそれぞれ検出
される。この場合、定常円旋回の状況として、例えば、
車体に発生する横加速度が重力加速度の0.3倍以下で、
トラック1が一定の車速で一定半径の円旋回を行う状況
を設定することができる。
【0059】ここで図8を参照すると、上述したスタビ
リティファクタ導出方法の実施に好適した装置の概略図
が示されている。この装置は、車速を検出する車速検出
手段と、前輪操舵角を検出する操舵角検出手段及び車両
に発生する実ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段
を有しており、具体的には、車速検出手段としての車速
センサ10、操舵角検出手段としての操舵角センサ12
及び実ヨーレイト検出手段としてのヨーレイトセンサ1
4等の各種センサを備えている。
【0060】また、図8に示される装置は、各種センサ
からの検出信号に基づいて演算処理を実行する演算ユニ
ット16も備えている。この演算ユニット16には、上
述したコーナリングパワー比の代表的値X1,X2を設定
するための設定ブロック18、等価車軸間距離Lを設定
するための設定ブロック20、次の算出工程においてス
タビリティファクタAを算出するための算出ブロック2
2及び後述する目標ヨーレイトγ*を設定するための設
定ブロック24等の複数の演算処理ブロックが含まれ
る。
【0061】更に、この装置は、演算ユニット16に対
し種々のデータを入力可能なデータ入力部26を備えて
いる。このデータ入力部26を介して演算ユニット16
に入力された種々のデータは、演算ユニット16内の図
示しないメモリに蓄積され、必要に応じて読み出すこと
ができるようになっている。また、演算ユニット16に
は、上述した軸重移動装置30から、その作動信号が入
力されるようになっており、演算ユニット16は、この
作動信号の有無によりトラック1の積車又は空車状態を
判定することができる。
【0062】従って、上述した各車軸間距離L1,L2
3のデータ、そして、積車時及び空車時のコーナリン
グパワー比の代表的値X1,X2のデータをそれぞれ演算
ユニット16に入力しておけば、設定ブロック18では
トラック1の積車又は空車状態に応じてそのときのコー
ナリングパワー比の代表的値X1,X2を設定することが
でき、また、設定ブロック20では、コーナリングパワ
ー比の代表的値X1,X2及び各車軸間距離L1,L2,L
3に基づいて等価車軸間距離Lを設定することができ
る。
【0063】トラック1に図8に示される装置を搭載し
て定常円旋回走行を行えば、このとき車速V、前輪操舵
角δ及び実ヨーレイトγを容易に検出することができ
る。この場合、トラック1を確実に定常円旋回走行させ
るためには、例えば、自動車テストコース等のクローズ
ドエリア内にて定常時検出工程を実行することがより望
ましい。ただし、一般道路上においてもこの発明を実施
することができることはいうまでもない。
【0064】そして、次の算出工程では、検出したV,
δ,γ及び設定したLに基づいて、次式(15)、
【0065】
【数15】
【0066】からスタビリティファクタAが算出され
る。なお、上式(15)は、式(10)を変形してAについ
て解いたものである。また、図8の装置を適用すれば、
定常時検出工程を実行した後、算出ブロック22にて直
ちにスタビリティファクタAを算出することもできる。
上述した各工程を経た後、算出工程にて得られる算出結
果は、本発明のスタビリティファクタ導出方法により導
出される後2軸式トラック1のスタビリティファクタと
なる。ここで発明者は、導出されたスタビリティファク
タの信頼性について検討するため、以下の実験を行っ
た。
【0067】まず、複数の旋回半径にて車速条件を変え
てトラック1の定常円旋回走行を行い、このとき導出さ
れたスタビリティファクタの車速に対するばらつき状況
を確認した。本来ならば、車速条件に関わらずスタビリ
ティファクタの値は一定となるべきものである。すなわ
ち、理論的なスタビリティファクタを表す式(14)から
明らかなように、スタビリティファクタAは車速Vに影
響される性質のものではない。しかしながら、スタビリ
ティファクタAを式(15)より逆算して導出した場合、
特に車速Vによる影響が大きいものと考えられる。従っ
て、式(14)から求められる理論的なスタビリティファ
クタの計算値との比較も同時に行った。
【0068】また、このときトラック1を前後各1軸の
2軸車相当と仮定した場合、つまり、トラック1の車軸
間距離Lの値を前軸から後前軸と後後軸との中心までの
距離とした場合、単に式(1)から逆算して求められた
スタビリティファクタ計算値に対する優位差についても
併せて確認した。そして、積車標準状態のときのコーナ
リングパワー比x1,x2を代表的値X1,X2として設定
し、等価車軸間距離Lの値を固定値とした場合の荷物の
積載状況に対する影響を確認した。なお、荷物の積載状
況は、図4から図7に示される空車、積車標準、積車前
荷及び積車後荷状態についてそれぞれ行った。
【0069】図9から図12を参照すると、以上の実験
について積載状況別の車速条件とスタビリティファクタ
との関係が示されている。具体的には、これら図9〜図
12は、旋回半径30mについては車速30,40km
/h、旋回半径50mでは車速20,30,40km/
h、そして、旋回半径70mでは車速30,40,50
km/hにてそれぞれ旋回条件を設定して定常円旋回走
行を行い、そのときの実車速において得られたスタビリ
ティファクタの値をプロットしたものとなっている。な
お、実験では左右それぞれに2回ずつ旋回走行すること
を基本とし、半径50m及び70mでの右旋回、そし
て、積車前荷及び積車後荷状態における半径50m、車
速20km/hでの旋回及び半径70m、車速30km
/hでの旋回については省略することとした。
【0070】先ず、図9にはトラック1の積車標準状態
における車速条件とスタビリティファクタの関係が示さ
れている。同図中、ポイントP1は3軸車としてのトラ
ック1のスタビリティファクタ導出結果を示し、また、
ポイントP2はトラック1を2軸車相当としたときの計
算結果をそれぞれ示している。また、Ac2は、式
(2)から得られる2軸車相当のスタビリティファクタ
の理論値であり、Ac3は、式(14)から得られる3軸
車としてのスタビリティファクタの理論値である。な
お、上述したように実験回数の違いから、車速条件によ
ってポイントの数は異なっている。
【0071】図9から明らかなように、3軸車としての
スタビリティファクタ導出結果は旋回条件、特に、車速
条件によるばらつきが小さく、また、理論値Ac3とも
ある程度一致することが確認できる。これに対し、2軸
車相当のスタビリティファクタは車速条件によるばらつ
きが大きく、車速が低いほど理論値Ac2からよりかけ
離れている。
【0072】図10は積車前荷状態における車速条件と
スタビリティファクタの関係を示している。この場合、
3軸車としてのスタビリティファクタを導出する際、等
価車軸間距離Lの値を2通りに設定したときの導出結果
がそれぞれ示されており、同図中ポイントP1は、積車
前荷相当のスタビリティファクタ導出結果を示し、ま
た、ポイントP3は積車標準相当のスタビリティファク
タ導出結果を示している。具体的には、積車前荷相当の
スタビリティファクタ導出に当たっては、代表的値設定
工程においてコーナリングパワー比の代表的値X1,X2
に実際の積車前荷状態でのコーナリングパワー比x1
2を採用し、積車前荷状態での等価車軸間距離Lを用
いている。一方、積車標準相当では、等価車軸間距離L
を積車標準状態で用いた値に固定したものとなってい
る。なお、ポイントP2は2軸車相当のスタビリティフ
ァクタである。
【0073】図10に示されるように、積車前荷相当、
積車標準相当共に車速によるスタビリティファクタのば
らつきは小さい。しかも両者が略一致しており、理論値
Ac 3にも近いことが確認できる。また図11は、積車
後荷状態での結果を示しており、この場合、ポイントP
1が積車後荷状態でのコーナリングパワー比の代表的値
1,X2から設定された等価車軸間距離Lを用いて導出
されたスタビリティファクタを示し、ポイントP3は図
10と同様に積車前荷相当のスタビリティファクタを示
している。
【0074】図11に示されるように、車速が低いとき
積車後荷相当のスタビリティファクタと積車標準相当の
スタビリティファクタとの間にわずかなギャップがある
が、両者共に車速条件によるばらつきは小さく、理論値
Ac3にも近いことが確認できる。次に図12を参照す
ると、トラック1の空車状態におけるスタビリティファ
クタ導出結果が示されている。ポイントP1は空車時の
等価車軸間距離Lを用いた結果を示しており、この場
合、空車時のコーナリングパワー比x1,x2を代表的値
1,X2として採用している。また、ポイントP3は積
車標準相当のスタビリティファクタを示している。
【0075】トラック1の空車時、上述した軸重移動装
置の作動により等価車軸間距離Lの値が小さくなるた
め、図12に示されるようにLを固定した積車標準状態
でのスタビリティファクタ導出結果には、車速条件によ
るばらつきがみられる。ただし、空車状態での導出結果
はばらつきが小さく、理論値Ac3とも略一致すること
が確認できる。
【0076】以上、図9から図12に示した実験結果か
ら、本発明の導出方法により得られたスタビリティファ
クタは、旋回半径及び車速等の旋回条件によるばらつき
が小さいことが確認された。これに対し、2軸車相当と
仮定したときのスタビリティファクタは車速によるばら
つきが目立ち、本発明により得られたスタビリティファ
クタの優位性が明らかとなった。
【0077】また、本発明の導出方法により得られたス
タビリティファクタは、理論値とも略一致しており、高
い信頼性が認められる。更に、図10及び図11から明
らかなように、等価車軸間距離Lを固定値としても、積
車前荷及び積車後荷等の積載状況の違いによる影響は小
さいことも確認された。このことは、荷物の積載状況に
関わらず、代表的値設定工程において積車標準状態での
既知のコーナリングパワー比x1,x2を代表的値X1
2として設定しても、その結果導出されるスタビリテ
ィファクタの値には影響が小さいことを意味している。
【0078】これに対し空車時には、積車標準状態での
等価車軸間距離Lを用いないで、空車時に対応するコー
ナリングパワー比の代表的値X1,X2を設定する必要が
ある。上述した実施例のスタビリティファクタ導出方法
によれば、後2軸車両のスタビリティファクタを簡便且
つ高精度に導出することができる。また、前方後輪FR
と後方後輪RRの輪荷重比が考慮されているので、3軸
の荷重条件が異なる後2軸車両への適用にも好適であ
る。
【0079】次に、本発明の目標ヨーレイト設定方法の
実施例について説明する。目標ヨーレイトは、例えば、
車両の旋回運動を積極的に制御する際、車両を安定して
旋回走行させるための指標となるものであり、例えば、
車両の一般的な走行状況下においてヨーレイトフィード
バック制御を実行するために必要となる。なお、目標ヨ
ーレイト設定方法についても、その実施の形態は以下に
挙げる工程だけに限定されるものではない。
【0080】先ず、スタビリティファクタ導出工程で
は、上述した導出方法によりトラック1のスタビリティ
ファクタAが導出される。なお、このスタビリティファ
クタ導出工程には、上述した等価車軸間距離設定工程が
含まれており、この工程にて等価車軸間距離Lの値が適
切に設定されていることはいうまでもない。次の走行時
検出工程では、トラック1の一般的な走行状況、つま
り、一般道路交通状況下における車速V及び前輪操舵角
δがそれぞれ検出される。
【0081】次の目標ヨーレイト設定工程では、検出さ
れたV,δ、すでに設定されているL及び導出されたA
に基づいて、次式(16)からトラック1の目標ヨーレイ
トγ *が設定される。
【0082】
【数16】
【0083】なお、このような目標ヨーレイト設定方法
についても、図8に示される装置を用いて好適に実施す
ることが可能である。すなわち、スタビリティファクタ
Aの導出については、すでに述べたように図8の装置を
用いることができる。また、この装置を搭載したままト
ラック1を一般走行させれば、走行時の車速V及び操舵
角δを車速センサ10及び操舵角センサ12によりそれ
ぞれ検出することができる。そして、これらセンサ1
0,12からのセンサ信号、設定ブロック20にて設定
した等価車軸間距離L及び算出ブロック22にて算出し
たスタビリティファクタAに基づいて設定ブロック24
では式(16)に示す演算が実行される。
【0084】以上の各工程を経ることで、本発明の目標
ヨーレイト設定方法により後2軸式トラック1の目標ヨ
ーレイトγ*が設定される。なお、このように設定され
た目標ヨーレイトγ*は、ヨーレイトフィードバック制
御を用いた車両挙動制御技術に好適に利用される。例え
ば、車両のヨーイング運動を積極的に制御するヨーモー
メント制御技術や、旋回時の横加速度を減少させたり、
ロールオーバを抑制する自動減速制御技術、その他、車
両の旋回性を高める前後輪操舵制御技術等に広く応用す
ることが可能である。従って、図8に示される装置から
は、スタビリティファクタA及び目標ヨーレイトγ*
上記の各種制御を実行する制御手段に対し出力可能とな
っている。
【0085】上述した目標ヨーレイト設定方法によれ
ば、後2軸車両のスタビリティファクタを簡便且つ高精
度に導出することができ、求めたスタビリティファクタ
を用いて目標ヨーレイトを適切に設定することができ
る。従って、3軸の荷重条件や積載状況が種々に異なる
車両に適用しても、設定した目標ヨーレイトの信頼性が
担保される。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の後2軸
車両のスタビリティファクタ導出方法によれば、簡便な
工程により精度の高いスタビリティファクタを導出する
ことができる。また、請求項2の後2軸車両の目標ヨー
レイト設定方法によれば、簡便且つ高精度に導出したス
タビリティファクタを用いて実用的な目標ヨーレイトを
適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】後2軸式トラックの概略図である。
【図2】後2軸車両の運動方程式を説明するためのモデ
ル図である。
【図3】輪荷重とコーナリングパワーの関係を表すタイ
ヤCp特性曲線である。
【図4】空車時の輪荷重を説明するための図である。
【図5】積車標準時の輪荷重を説明するための図であ
る。
【図6】積車前荷時の輪荷重を説明するための図であ
る。
【図7】積車後荷時の輪荷重を説明するための図であ
る。
【図8】本発明の実施に好適な装置の構成概略図であ
る。
【図9】積車標準時の車速とスタビリティファクタとの
関係を示す図である。
【図10】積車前荷時の車速とスタビリティファクタと
の関係を示す図である。
【図11】積車後荷時の車速とスタビリティファクタと
の関係を示す図である。
【図12】空車時の車速とスタビリティファクタとの関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 後2軸式トラック F 前輪 FR 後前輪 RR 後後輪 af 前車軸 afr 後前車軸 arr 後後車軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速V、前輪の操舵角δ及び車両に発生
    するヨーレイトγを検出し、 車両のスタビリティファクタAを A={−1+(V・δ)/(γ・L)}・1/V2 なる演算式から算出するに際して、前記Lを L=(X1・L1 2+X2・L2 2+X1・X2・L3 2)/(X1・L
    1+X2・L2) 但し、L1は前車軸と後前車軸との車軸間距離 L2は前車軸と後後車軸との車軸間距離 L3は後前車軸と後後車軸との車軸間距離 X1は前輪に対する後前輪のコーナリングパワー比の代
    表的値 X2は前輪に対する後後輪のコーナリングパワー比の代
    表的値 としたことを特徴とする後2軸車両のスタビリティファ
    クタ導出方法。
  2. 【請求項2】 車速V、前輪の操舵角δ及び車両に発生
    するヨーレイトγを検出し、 車両のスタビリティファクタAを A={−1+(V・δ)/(γ・L)}・1/V2 なる演算式から算出しておき、 車速V及び前輪の操舵角δを検出して、車両の目標ヨー
    レイトγ*を γ*={1/(1+A・V2)}・(V/L)・δ なる演算式から算出するに際して、前記Lを L=(X1・L1 2+X2・L2 2+X1・X2・L3 2)/(X1・L
    1+X2・L2) 但し、L1は前車軸と後前車軸との車軸間距離 L2は前車軸と後後車軸との車軸間距離 L3は後前車軸と後後車軸との車軸間距離 X1は前輪に対する後前輪のコーナリングパワー比の代
    表的値 X2は前輪に対する後後輪のコーナリングパワー比の代
    表的値 としたことを特徴とする後2軸車両の目標ヨーレイト設
    定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006027388A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Advics:Kk 車両の姿勢制御装置
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