JPH1182151A - アルミニウム合金製シリンダブロック - Google Patents

アルミニウム合金製シリンダブロック

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JPH1182151A
JPH1182151A JP24650197A JP24650197A JPH1182151A JP H1182151 A JPH1182151 A JP H1182151A JP 24650197 A JP24650197 A JP 24650197A JP 24650197 A JP24650197 A JP 24650197A JP H1182151 A JPH1182151 A JP H1182151A
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JP
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sleeve
plating
cylinder block
aluminum alloy
cylinder
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JP24650197A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Kurita
洋敬 栗田
Toshikatsu Koike
俊勝 小池
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダブロック母材の鋳造性を向上させると
ともに、エンジン運転中にアルミニウム合金スリーブ内
周面のメッキの剥がれ防止を図ったアルミニウム合金製
シリンダブロックを提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金の鋳造品からなるシリ
ンダブロック母材60のシリンダボア12内にアルミニ
ウム合金からなるスリーブ40を装着し、このスリーブ
40の内周面37にメッキ処理を施してピストン摺動面
を形成したシリンダブロック2において、前記母材60
のアルミニウム合金は5〜20重量%のSiを含み、前
記スリーブ40のアルミニウム合金は、(前記スリーブ
のSi重量含有率/前記母材のSi重量含有率)×10
0をαとすると、50<α<150となるSiを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのシリンダ
ブロックに関し、特にシリンダボアに別体のスリーブを
装着したアルミニウム合金製シリンダブロックに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】車両用エンジン、船舶用エンジンあるい
は汎用エンジン等は、通常アルミニウム合金の鋳造品か
らなるシリンダブロックにより構成され、そのシリンダ
ボア内壁面にはピストン摺動に対する耐摩耗性や潤滑性
を向上させるためにメッキ処理が施されている。この場
合、鋳造品に直接メッキを施した場合、メッキの密着性
が悪いためエンジン運転中にメッキが剥がれエンジン性
能等に影響を及ぼす。このようなメッキの剥がれを防止
するためにシリンダボア内にスリーブを鋳込みこのスリ
ーブにメッキ処理を施すシリンダブロックの製造方法が
公開されている(特開平3−90594号公報)。
【0003】この公報記載のシリンダブロックの製造方
法は、アルミニウムの押出し材や引き抜き材によりスリ
ーブを形成し、このスリーブを予め鋳型内に配置した状
態でAC4C等の溶融原材料を注湯し、シリンダの内壁
面にスリーブを鋳込んだシリンダブロックの素材に機械
加工を施し、さらにスリーブの内周面に複合メッキを施
し、これにホーニング処理を施してシリンダブロックを
製造するものである。このようにアルミニウムのスリー
ブを用いることにより、重量の増加を防止しつつメッキ
を可能とし、ピストンの摺動に対するシリンダボアの耐
摩耗性や潤滑性の確保を図っている。
【0004】一方、本出願の発明者は、このような鋳込
みによりスリーブをシリンダボア内に装着する方法の他
に、鋳造したシリンダブロックの母材にスリーブを圧入
してその後スリーブ内面にメッキを施して、またはメッ
キを施してからスリーブを圧入してシリンダブロックを
製造する方法も検討している。このような鋳込み又は圧
入のいずれの場合においても、母材となるシリンダブロ
ックをアルミニウム合金を用いて、砂型鋳造、金型鋳
造、ダイカスト等により鋳造する場合に、鋳造性をよく
して歩留りを向上させ生産性を高めることが要求され
る。このような要求に対処するため、AC4C等のSi
を含有するアルミニウム合金を用いることにより鋳造性
を向上させることが検討されている。一方、スリーブに
ついては押出し性あるいは引き抜き性から、できるだけ
Si含有量の少ないアルミニウム合金を使用することが
考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金にSiを含有させた場合、図8に示すよう
に、Siの含有率により合金の熱膨張率が大きく変化す
る。このため、主として鋳造性の観点から必要充分な量
のSiを含有するシリンダブロック母材のアルミニウム
合金と、単に押出し性や引き抜き性からスリーブにSi
含有量の少ないアルミニウム合金を使う場合、このアル
ミニウム合金との間で熱膨張率が異なりその差が大きく
なる場合がある。
【0006】エンジン運転中は、スリーブ内に形成され
る燃焼室で発生する高熱にスリーブが晒され、スリーブ
が熱膨張する。スリーブの熱はその外側のシリンダブロ
ック母材に伝達され、母材も熱膨張する。この場合、ス
リーブより母材の熱膨張率が大きいと、圧入締め代ある
いは鋳込み時の母材の凝固収縮による緊迫力が低下し、
スリーブと母材の間に部分的に隙間が発生し、その部分
の熱伝達性が悪化し、スリーブ内面に温度の高いヒート
スポットが発生する。これにより、その部分のメッキ密
着性が劣化し、ピストン摺動によりメッキが剥がれ摺動
性を低下させるおそれが出てくる。
【0007】逆に、スリーブが母材より熱膨張率が大き
いと、スリーブは膨張しつつ且つ母材により収縮方向に
力を受ける。このため、シリンダボア外側のブロック形
状に応じてスリーブ内周円が変形し、ピストンに対する
当りが不均一になり、当りが強い部分でメッキが剥がれ
るおそれが出てくる。
【0008】本発明は上記従来技術を考慮してなされた
ものであって、シリンダブロックを砂型鋳造、金型鋳造
あるいはダイカスト等により鋳造するとともに、アルミ
ニウム合金製スリーブをシリンダブロック母材に鋳込む
か、いずれかの鋳造法により鋳造したシリンダブロック
母材にアルミニウム合金製スリーブを圧入するようにし
たシリンダブロックのシリンダブロック母材の鋳造性を
向上させるとともに、エンジン運転中にアルミニウム合
金スリーブ内周面のメッキの剥がれ防止を図ったアルミ
ニウム合金製シリンダブロックの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、アルミニウム合金の鋳造品からなるシ
リンダブロック母材のシリンダボア内にアルミニウム合
金からなるスリーブを装着し、このスリーブ内周面にメ
ッキ処理を施してピストン摺動面を形成したシリンダブ
ロックにおいて、前記母材のアルミニウム合金は5〜2
0重量%のSiを含み、前記スリーブのアルミニウム合
金は、(前記スリーブのSi重量含有率/前記母材のS
i重量含有率)×100をαとすると、50<α<15
0となるSiを含むことを特徴とするアルミニウム合金
製シリンダブロックを提供する。
【0010】この構成によれば、適量なSiを含有する
アルミニウム合金を用いるため、母材の鋳造性が向上
し、しかもスリーブと母材のSi含有率が所定の範囲内
にあるため、熱膨張率の差が小さくなって、エンジン運
転中の熱変形の差が小さくなりスリーブ内周面のメッキ
の剥がれが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
スリーブ入りアルミニウム合金製シリンダブロックの断
面構成図である。図において、符号1はガソリンを燃料
とする4サイクル内燃機関で、この内燃機関1はシリン
ダブロック2を有している。このシリンダブロック2の
下部のスカート部6とクランクケース7とで形成される
クランク室3にクランク軸4が収容されると共に、この
クランク軸4はその軸心5回りに回転自在となるように
上記スカート部6に支承されている。また、これらスカ
ート部6とクランクケース7とは締結具8により、互い
に着脱自在に締結されている。
【0012】上記シリンダブロック2の上部にはシリン
ダ本体10が突設され、これらスカート部6とシリンダ
本体10はアルミ合金製で互いに一体成形されている。
このアルミニウム合金製のスカート部6とシリンダ本体
10からなる一体鋳造品が本発明に係るシリンダブロッ
クの母材60を構成する。この母材60と後述のスリー
ブ40により、シリンダブロック2が構成される。
【0013】上記シリンダ本体10内には軸心11が縦
向きの断面円形のシリンダボア12が形成されている。
このシリンダボア12内に本発明に係るスリーブ40
が、後述のように、鋳込み又は圧入により装着されてい
る。このスリーブ40の内周面37には、後述のよう
に、耐摩耗性および潤滑性を高めるためのメッキ処理が
施されている。
【0014】このシリンダボア12の下端は上記クラン
ク室3に連通し、同上シリンダボア12の上端はシリン
ダヘッド13によって閉じられている。このシリンダヘ
ッド13は上記シリンダ本体10の上端に着脱自在に締
結されている。上記シリンダ本体10内のシリンダボア
12にピストン15が軸方向摺動自在に嵌入されてい
る。また、一端が上記クランク軸4に連結され、他端が
上記ピストン15にピストンピン16により連結される
連接棒17が設けられ、この連接棒17によりクランク
軸4とピストン15とが連結されている。ピストン15
にはピストンリング15aが装着されこれがシリンダボ
ア内面に摺接する。Pはピストン15の摺動範囲を示
す。
【0015】上記シリンダボア12内で、上記シリンダ
ヘッド13とピストン15とで囲まれた空間が燃焼室1
9を構成する。この燃焼室19とシリンダヘッド13の
外部とを連通させる吸気ポート20と排気ポート21と
が、上記シリンダヘッド13に形成され、上記各ポート
20、21を開閉する吸気弁22と排気弁23とが設け
られている。また、上記燃焼室19に放電部が臨む点火
プラグが設けられている。
【0016】そして、上記ピストン15の下降と吸気弁
22の開弁により吸気ポート20を通して混合気26が
シリンダボア12に吸入され、これがピストン15の上
昇で圧縮されて上記点火プラグにより着火、燃焼させら
れる。これにより、内燃機関1が駆動して、上記クラン
ク軸4を介して出力される。上記燃焼により生じた排気
27は、上記排気弁23の開弁により排気ポート21を
通して排出される。
【0017】また、上記シリンダ本体10に冷却水ジャ
ケット28が形成されていて、燃焼熱により上記シリン
ダ本体10が高温になることが抑制される。 (実施例)上記シリンダブロック2のスカート部6およ
びシリンダ本体10からなる本発明のシリンダブロック
母材60を形成するアルミニウム合金の実施例として
は、以下の表1および表2に示すJIS規格のアルミニ
ウム合金が使用可能である。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】また、上記シリンダボア12の内周面を構
成するスリーブ40のアルミニウム合金の実施例として
は、以下の表3に示す合金が使用可能である。
【0021】
【表3】
【0022】上記表1〜表3に示したように、母材のア
ルミニウム合金はSiを5〜20%(重量%)含有し、
スリーブのアルミニウム合金としては、(スリーブのS
i重量含有率/母材のSi重量含有率)×100をαと
すると、 50<α<150 となるようなSi含有量のアルミニウム合金を用いる。
このような構成のアルミニウム合金を用いて母材および
スリーブをそれぞれ形成することにより、母材とスリー
ブの熱膨張率の差が小さくなり、母材とスリーブ間での
ヒートスポットの発生やスリーブ内周面の熱変形が軽減
して、スリーブ内周面に施したメッキの剥がれが抑制さ
れる。
【0023】なお、表2のAC4Cによりシリンダブロ
ック母材60を形成する場合には、母材60のSi重量
含有率は6.5〜7.5%となるので、表3の合金1あ
るいは合金2において、Si含有率を例えば3.75〜
9.75重量%に変更した合金を使用し、上記スリーブ
のSi重量含有率/母材のSi重量含有率の条件を満足
させるようにする。同様にADC10によりシリンダブ
ロック母材60を形成する場合には、母材60のSi重
量含有率は7.5〜9.5%となるので、表3の合金1
あるいは合金2において、Si含有率を例えば4.75
〜15重量%に変更した合金を使用し、上記スリーブの
Si重量含有率/母材のSi重量含有率の条件を満足さ
せるようにする。
【0024】図2は、本発明に係るスリーブ鋳込みによ
るシリンダブロックの製造工程を説明するためのフロー
チャートである。このフローにおいて、T6処理(ステ
ップS2、S4、S6)は、スリーブのメッキ層支持部
となる内周面を含んで表面硬度を高めるために、JIS
規格に基づき、スリーブ単体またはスリーブを鋳込んだ
ブロック全体を所定の温度で溶体化後時効処理するもの
であり、S2、S4、S6のいずれか1回行えばよく、
或いは省略してもよい。このようなT6処理によりスリ
ーブ表面硬度をHB 70以上(70〜150)とするこ
とが望ましい。なお、スリーブの押出しまたは引き抜き
成形により、内周面の表面硬度をHB 70以上とした場
合には、その後のT6処理による表面硬化処理を省略す
ることもできる。
【0025】外周ショットピーニング(ステップS3)
は、スリーブ外周面に細かい凹凸を形成し、母材との接
合性を高めるためのものである。ショットピーニングに
代えてサンドブラスト処理を施してもよい。このように
スリーブの鋳込み前にスリーブ外周面に凹凸を形成する
ことにより、運転中の母材とスリーブの熱膨張率の違い
により緊迫力が低下しても、スリーブの抜けを確実に防
止できる。このようなスリーブ外周面の凹凸は、ショッ
トピーニングやサンドブラスト以外にも他の機械加工あ
るいはスリーブ全体の酸洗い(エッチング)等により形
成することができる。なお、このショットピーニング処
理(ステップS3)は省略してもよい。また、ショット
ピーニング等によりスリーブ外周に凹凸を形成して母材
との接合性を高める方法に代えて、低融点半田を用いて
スリーブと母材とを接合しスリーブの抜け防止を図って
もよい。
【0026】(実施例)スリーブ鋳込みによる製造方法
の実施例は、図3に示すように、T6処理(S2、S
4、S6)および外周ショットピーニング(S3)を省
略したフローAが最低限必要なステップを含むフローと
なる。フローBおよびフローCは、同じく外周ショット
ピーニング(S3)を省略したものであり、このうち、
フローBはスリーブ鋳込み工程(ステップS5)の前に
T6処理を施したフローであり、フローCはスリーブ鋳
込み工程(ステップS5)の後にT6処理を施したフロ
ーである。
【0027】フローD〜Gは外周ショットピーニング工
程(ステップS3)を施すフローである。このうち、フ
ローDはT6処理を省略したフロー、フローEはショッ
トピーニング処理(S3)の前にT6処理(S2)を施
したフロー、フローFはショットピーニング(S3)の
後で且つスリーブ鋳込み(S5)の前にT6処理(S
4)を施したフロー、フローGはスリーブ鋳込み(S
5)の後にT6処理(S6)を施したフローである。
【0028】ステップS7〜S10については、各フロ
ーA〜Eともに同様に実施される。すなわち、ステップ
S7では、鋳込んだスリーブおよびその他のシリンダブ
ロック各部を機械加工により形状を整える。続いてステ
ップS8において、スリーブ内面の耐摩耗性および潤滑
性を向上させるためにスリーブ内面にメッキ処理が施さ
れる(後述)。次にステップS9において、シリンダボ
ア(スリーブ)内面がホーニング処理される。最後にシ
リンダブロック全体が洗浄処理されフローが終了する。
【0029】図4は前記メッキ処理工程(ステップS
8)の詳細なフローチャートであり、図5はこのメッキ
処理を行うメッキ処理装置の構成図である。また、図6
はこのメッキ処理工程の要部ステップでのスリーブ処理
表面の断面図である。図4のフローチャートにおいて、
スリーブ内面のメッキ処理は、基本的には、脱脂処理
(ステップS11)、アルカリエッチング処理(ステッ
プS13)、混酸エッチング処理(ステップS15)、
アルマイト処理(ステップS17)および複合メッキ処
理(ステップS19)の5つの工程からなり、各工程の
後に水洗処理(ステップS12、14、16、18、2
0)が施される。
【0030】この水洗処理は各工程ごとに別々の2つの
水槽(合計10個)を用いて、シリンダブロック全体を
順番に2つの水槽内に浸漬し上下に動かして前工程の処
理液を除去するものである。水槽内の水は定期的に新し
い清浄な水と交換される。各水洗処理終了後に次の工程
への移動はできるだけ速やかに行い、表面に水膜がつい
ている状態で次の処理を行うことが望ましい。これによ
り、処理部への塵埃等の付着や空気中の酸素が直接触れ
ることを防止して酸化膜の形成等を防止し、後の工程で
の処理の信頼性を高めることができる。これは特にメッ
キ処理の場合有効である。
【0031】図5に示すように、スリーブ40を母材6
0に鋳込んだシリンダブロック2は、スリーブ40の内
周面37に各処理を施すために、シリンダ本体10を下
側にして、各工程において専用の装置本体44上にシー
ル用ガスケット41を介して搭載される。各工程でそれ
ぞれ専用の処理液槽48内の処理液47が専用のポンプ
49により装置本体44の内部に供給され、スリーブ4
0の内側を上昇して内筒46を通って処理液槽48に戻
る。
【0032】ガスケット41は、各処理工程における処
理液の漏れを防止するためのシール材であるとともに、
後述のアルマイト処理工程(ステップS17)および複
合メッキ工程(ステップS19)においては電解作用の
絶縁材として機能する。このアルマイト処理工程と複合
メッキ工程においてはそれぞれ、例えば交流電源63か
ら整流器64および制御回路65を介してシリンダ本体
10と内筒46d(46e)間に直流電圧を印加して電
解液中に直流電流を流す。なお、その他の工程において
は電解液中に直流電流は流さない。
【0033】まず、図4の脱脂処理(ステップS11)
において、スリーブ40の内周面37(図5)に付着す
る加工油等の汚れを除去する。この脱脂処理は、図5に
示すように、処理液槽48a内の脱脂液47aをポンプ
49aにより装置本体44a内に供給して行う。脱脂液
47aは、スリーブ40の内周面に接しながら上昇し内
筒46aを通って処理液槽48aに戻って循環し、スリ
ーブ内周面37を脱脂処理する。
【0034】この脱脂処理により、図6(a)に示すよ
うに、スリーブ表面53(スリーブ40の内周面37)
が清浄化される。図中、51はアルミ合金地、52は初
晶Siの粒子を示す。その後前述のように、2つの水槽
を用いて、順番にシリンダブロック61を水槽内に浸漬
して上下に動かして前工程の脱脂液を水洗除去する(ス
テップS12)。
【0035】次にアルカリエッチング工程(ステップS
13)において、別の処理液槽48b内のアルカリ液4
7bがポンプ49bにより装置本体44b内に供給さ
れ、スリーブ40の内面に接しながら上昇し内筒46b
を通って処理液槽48bに戻る。このアルカリエッチン
グ処理によりスリーブ内周面37の酸化皮膜が除去され
る。この状態では、図6(b)に示すように、さらにス
リーブ表面53のアルミ地51がエッチングにより幾分
溶解除去される。
【0036】次に前述のように、水洗処理によりアルカ
リ液が洗浄され除去される(ステップS14)。次に、
アルミニウム合金中の初晶Si粒子を除去するための混
酸エッチング処理が施される(ステップS15)。この
ステップS15においては、専用の処理液槽48c内の
混酸液47cがポンプ49cにより装置本体44c内に
供給され、スリーブ40の内周面37を上昇し内筒46
cを通って処理液槽48cに戻る。この混酸液47cの
循環により、図6(c)に示すように、スリーブ内周面
に露出するSi粒子52が溶解除去され、その跡に凹み
が形成される。
【0037】このようなSi粒子跡の凹みによりスリー
ブ内周が凹凸面となり、凹みのアンカー効果により後の
工程のメッキの密着性が向上しメッキが剥がれ難くな
る。なお、スリーブ内面に凹凸面を形成するために、前
述の混酸エッチング処理によりSi粒子を除去する方法
の他に、スリーブ内面へのサンドブラストあるいはショ
ットピーニング処理を施してもよい。
【0038】Si粒子の溶解除去によりスリーブ内面に
凹凸面を形成する場合、アルミ合金に初晶Si粒子が微
小な状態で分布させることが望ましい。これにより、エ
ッチングによりSiが除去されて形成される孔(凹み)
の大きさのばらつきが小さくなり、アンカー効果の分布
が均一化し、メッキの密着性の分布が均一化する。ま
た、スリーブをアルミ合金の押出し材または引き抜き材
で形成することにより、Si結晶粒の微小化を図っても
よい。
【0039】次に、前述のように、水洗処理により混酸
液が洗浄され除去される(ステップS16)。次に、ス
テップS17において、アルミニウムの陽極酸化処理
(アルマイト処理)を施す。このアルマイト処理におい
ては、シリンダ本体10に直流電源の正電圧が印加さ
れ、内筒46dがアースされるとともに、専用の処理液
槽48d内のアルマイト液(電解液)47dがポンプ4
9dにより装置本体44d内に供給され、スリーブ40
の内周面37を上昇し内筒46dを通って処理液槽48
dに戻る。
【0040】このアルマイト液47dの高速循環によ
り、図6(d)に示すように、Si粒子52が除去され
た跡に形成された凹みのアルミ地が露出する内部表面と
ともにスリーブのアルミ地が露出する内周面全体に0.
1〜1μmの厚さのアルマイト層54が形成される。な
お、Si粒子が完全には除去できず、凹みは形成される
が内部表面に僅かにSi粒子が残る部分においても、S
iは不電導体であるがアルマイト液47dが高速で循環
されることにより、残留Si粒子の周囲のアルミ地を酸
化して形成されるアルマイト層が、Si粒子が残る部分
にも付着し密着する。このアルマイト層は0.1〜1μ
mの微小厚であり電気を通すので、次工程の複合メッキ
時において、メッキ液中の金属イオンを還元させてアル
マイト層にメッキ層を形成することができる。
【0041】すなわち、アルミ地が露出する平坦面およ
び凹みに加え、Si粒子が残る部分においてもメッキ層
が形成される。そして、Si粒子52が除去された跡に
形成される凹部内部に、薄厚(0.1〜1μm)のアル
マイト層が形成されてなお大きく残る凹部内部に食い込
むようにしてメッキ層が形成されることによるアンカー
効果によるメッキの密着性向上に加え、このアルマイト
層54は柱状酸化膜層であり、アルマイト層54表面か
らアルミ地に到る微小なピンホールが、無数に形成され
たポーラス状になるので、アルマイト層54が電気を通
し易くなってアルマイト層54表面にメッキが可能にな
る。したがって、メッキ層がピンホール内にも形成され
るのでアンカー効果がさらに大きくなり、メッキの密着
性がさらに高められる。
【0042】一方、アルマイト層の厚みを20〜30μ
mにする硬質アルマイト処理においては、アルマイト層
が電気を通しにくくなるので、アルマイト層にメッキを
施すことが困難になる。同様に、押出し或いは引き抜き
したままの表面あるいは加工により酸化膜を除去した加
工面にも、空気中に放置することにより表面が自然に酸
化して酸化皮膜が形成されているが、この酸化皮膜は電
気を通しにくくメッキが困難になるとともに、たとえメ
ッキ層が形成されたとしても、ピンホールが形成される
アルマイト処理による酸化皮膜の場合のようなアンカー
効果が得られない。このため、前記ステップS13にお
いてスリーブ表面のアルミニウムの自然酸化皮膜を除去
し、これに代えてステップS17でアンカー効果の大き
いアルマイト層54を形成する。
【0043】このアルマイト処理ステップS17におい
ては、処理液47dを高速で循環させ循環液量が多いた
め、処理液47dがクランク室側に噴出することを防止
するためにシリンダボア(スリーブ)の上部(クランク
室側)にカバー45dが装着される。このカバー45d
は、Oリング62によりスリーブ40の上端部をシール
する。なお、前述の脱脂処理(S11)、アルカリエッ
チング処理(S13)および混酸エッチング処理(S1
5)においては、処理液47a,47b,47cが低速
で循環液量が少ないためカバー45dは不要である。ア
ルマイト処理後、前述のように、水洗処理(ステップS
18)により、アルマイト処理の電解液が除去される。
【0044】以上の前処理工程(ステップS11〜S1
8)の後、ステップS19において、スリーブ内周面に
複合メッキ処理が施される。この複合メッキ処理は高速
メッキ処理であり、後述のメッキ条件で、専用の処理液
槽48e内のメッキ液47eをポンプ49eにより装置
本体44e内に供給し、内筒46eを通して処理液槽4
8eに戻し高速で循環させながらスリーブ40の内面に
メッキを施す。
【0045】この高速メッキ工程においては、内筒46
eを電源回路の(+)側に、シリンダ本体10を(−)
側に接続し、直流電流をメッキ液中に流す。これによ
り、後述の組成のメッキ液中のNi+およびP+がスリー
ブ内周面に付着し、これに伴って分散剤であるSiC粒
子がメッキ層中に巻き込まれる。
【0046】このようにして、図6(e)に示すよう
に、アルマイト層54が形成されたスリーブ内周面に、
SiCを含み耐摩耗性および潤滑性に優れたメッキ層3
8が形成される。スリーブ40は、鋳造性を向上するた
めSiを含有させたアルミニウム合金製の母材60の熱
膨張係数と一致あるいは近づけるため、Siを含有させ
たアルミニウム合金製の材料を使用しているので、混酸
エッチング処理をメッキ工程の前処理として実施するこ
とにより表面に凹凸を形成することができる。このため
メッキ層38は、前記ステップS15でのSi粒子除去
による表面凹凸によるアンカー効果およびステップS1
7のアルマイト層の微小ピンホールによるアンカー効果
のため、密着性が大幅に向上し、スリーブ内周面に強固
に付着する。
【0047】このステップS19の高速メッキ処理にお
いてもスリーブ40の上端部にカバー45eが装着され
る。このカバー45eは、高速で循環するメッキ液47
eの飛散噴出を防止するとともに、スリーブ40の内面
のピストンの摺動範囲に対応したメッキの範囲を規制す
る。
【0048】すなわちメッキ範囲は、スリーブ40の内
周面で、シリンダヘッドとの境界部になるガスケット4
1からカバー45eのOリング62までの範囲である。
すなわち、図5において、このOリング62より上側の
スリーブ内面およびさらにその上側のクランク室3を構
成するスカート部6の内壁面6aにはメッキが付着しな
い。したがって、このOリング62の位置をピストン下
死点のピストン下端部位置に対応させておくことによ
り、ピストンの摺動範囲P(図1参照)のシリンダボア
(スリーブ)内面にのみメッキを施すことができる。ク
ランク室内壁面はアルミ合金の鋳造品の鋳肌部分であっ
て、メッキの密着性が悪く剥がれやすい。しかしなが
ら、この実施例のように、初めからクランク室内壁面に
メッキが付着しないようにしておくことにより、運転中
にメッキが剥がれクランク軸や軸受け部分へ侵入付着し
て性能に影響を及ぼすという不具合がなくなる。
【0049】なお、前述のようにスリーブ内面にアンカ
ー効果のための凹凸面を形成するためのサンドブラスト
処理を行う場合に、スリーブ内面に加えて、シリンダブ
ロックのクランク室内壁にもサンドブラスト処理を施し
てメッキの密着性を高めてもよい。このようにクランク
室内壁のメッキ密着性が高められている場合には、ステ
ップS19のメッキ処理工程でカバー45eを省略しク
ランク室内壁にメッキが付着するようにしてもよい。あ
るいは、この場合、図5のメッキ処理装置を用いずに、
静止メッキ槽にシリンダブロックを浸漬させてメッキ処
理を行ってもよい。
【0050】上記ステップS19のメッキ処理条件は以
下のとおりである。 メッキ液:スルファミン酸液または硫酸液 メッキ条件:PH3.0〜4.5 浴温65〜80℃ 極間流速:1.0〜3.0m/sec 電流密度:20〜200A/dm2 処理方式:ワーク及び電極固定、メッキ液流動 析出速度(SiC共析量2.5重量%時):20〜30μ/m
in ここで極間流速とはスリーブ40の内周面と内筒46e
の間を流れる複合メッキ液の流速のことである。
【0051】複合メッキ液の例を示せば以下のとおりで
ある。 (実施例1)スルファミン酸ニッケル・メッキ液 スルファミン酸ニッケル Ni(SO3 ・NH22 :270〜330g/l 塩化ニッケル NiCl2 :10〜30g/l ホウ酸 H3BO3 :30g/l リン P :0.1〜0.3g/l ナトリウム Na :1.0〜3.5g/l シリコンカーバイド(分散剤) SiC :1.5〜3.5重量% 水 H2O :残部 このメッキ液をPH3.0〜4.5望ましくはPH4.
0〜4.5、浴温65〜80℃に管理してメッキする。
【0052】 (実施例2)硫酸ニッケル・メッキ液 硫酸ニッケル NiSO4・6H2O :450g/l 塩化ニッケル NiCl2・6H2O :60g/l ホウ酸 H3BO3 :30g/l リン P :0.1〜0.3g/l ナトリウム Na :1.0〜3.5g/l シリコンカーバイド(分散剤) SiC :1.5〜3.5重量% 水 H2O :残部 このメッキ液をPH3.0〜4.5望ましくはPH4.
0〜4.5、浴温65〜80℃に管理してメッキする。
【0053】これらのメッキ液を使用することにより、
スリーブ40の内周面のアルマイト層の上に50μm〜
150μmの膜厚のNi−P−SiCメッキ層を形成す
ることができる。このメッキ層により、ピストン15お
よびピストンリング15aの摺動時の摩擦係数を小さく
することができるとともに、ピストン15及びピストン
リング15aの摺動に対するスリーブ40の内周面の耐
摩耗性および潤滑性を向上させることができる。
【0054】なお、実施例1のスルファミン酸ニッケル
・メッキ液からリン(P)を除去するか、実施例2の硫
酸ニッケル・メッキ液からリン(P)を除去して上記ス
テップS19のメッキ処理を実施すれば、スリーブ40
の内周面のアルマイト層に同様に50μm〜150μm
の膜厚のNi−SiCメッキ層を形成することができ
る。このメッキ層によっても、ピストン15およびピス
トンリング15aの摺動時の摩擦係数を小さくすること
ができるとともに、ピストン15およびピストンリング
15aの摺動に対するスリーブ40の内周面の耐摩耗
性、潤滑性を向上させることができる。
【0055】ステップS19の複合メッキ処理の後、再
びステップS20の水洗処理が実施されてメッキ液が除
去され、ステップS21のエアーブローによりシリンダ
ブロック2に付着する水分が除去される。
【0056】以上のメッキ処理ステップS8の後、ホー
ニングステップS9でスリーブ40内周面のメッキ層に
ホーニング仕上げを施す。これにより、メッキ層の厚み
が望ましくは約50μm、場合によっては20μm〜1
00μmになるようにメッキ層が削り取られるととも
に、メッキ層の面粗さを1.0μmRz以下にする。こ
れにより、確実にメッキ層表面を滑らかにすることがで
きてピストン15およびピストンリング15aの摺動時
の摩擦係数を小さくすることができるとともに、エンジ
ンオイルの保持性が向上し潤滑性を向上させることがで
きる。なお、RzとはJIS規格のB0601に定めら
れたものである。
【0057】図7は、本発明の別の実施の形態に係るシ
リンダブロック製造方法のフローチャートである。この
実施の形態は、スリーブをシリンダボアに圧入するもの
である。母材側は、まずシリンダ本体を含むシリンダブ
ロック母材を前述のアルミニウム合金で鋳造する(ステ
ップS31)。次にこの鋳造品のシリンダボアを含む各
部を機械加工により形状を整える(ステップS32)。
【0058】一方スリーブ側は、ステップS33からス
テップS36までの工程からなり、まず前述のスリーブ
用アルミニウム合金からなるパイプ材を押出しまたは引
き抜きにより形成し、これを所定の長さに切断する(ス
テップS33)。この後、機械加工仕上げや洗浄処理等
によりスリーブを形成する(ステップS35)。このス
リーブ形成フローは、(1)ステップS34およびS3
6のT6処理を両方とも省略したもの(S33→S3
5)、(2)スリーブ加工前にステップS34でT6処
理を行い、加工後のステップS36のT6処理を省略し
たもの(S33→S34→S35)、(3)スリーブ加
工前のステップS34のT6処理を省略し加工後のステ
ップS36でT6処理を行うもの(S33→S35→S
36)の3通りのフローがある。
【0059】この場合、スリーブを押出しまたは引き抜
きにより形成することにより、表面硬度をHB 70〜1
50にすることができる。この場合にはT6処理による
表面硬化処理は不要であり、上記(1)のステップS3
3→S35のフローでよい。押出しまたは引き抜きによ
り形成したスリーブの表面硬度がHB 70以下の場合に
は、ステップS34またはS36のT6処理によりスリ
ーブの表面硬度をHB70以上(70〜150)にす
る。
【0060】このようにして形成したスリーブを、シリ
ンダブロックの母材のシリンダボアに圧入する(ステッ
プS37)。その後、圧入したスリーブ内周面に対し、
前述の鋳込みの場合のフローのステップS8,S9,S
10と同様に、図4に記載の細部工程からなるメッキ処
理(ステップS38)、ホーニング処理(ステップS3
9)および洗浄処理(ステップS40)が施される。な
お、スリーブ圧入後にシリンダブロック全体をT6処理
することにより、少なくともスリーブの表面硬度をHb
70以上とすることもできる。
【0061】なお、図7のシリンダブロック製造方法に
おいて、メッキ処理ステップS38をスリーブ圧入工程
ステップS37の前、且つT6処理工程ステップS36
の後あるいはこのステップS36がない場合には加工
(スリーブ製作)工程ステップS35の後において実施
し、その後にスリーブ圧入工程ステップS37とさらに
その後にホーニング工程ステップS35を実施するよう
にしてもよい。この場合、メッキ時間を長くしてメッキ
層の膜厚は約500μmとなるようにし、ホーニング工
程ステップS35において圧入による芯ずれ除去のた
め、砥石によるホーニングに先行して芯出しボーリング
における取り代を確保する。これにより芯ずれがあって
もメッキの最小膜厚は20μm以上が確保でき、潤滑性
を向上することができる。
【0062】なおまた、スリーブ圧入工程ステップS3
7前にスリーブ40単体でメッキ処理ステップS38
と、その後にホーニング工程ステップS35を実施し、
この後にスリーブ圧入工程ステップS37と洗浄処理ス
テップS40をするようにしてもよい。これらの場合、
図5において、スリーブ40を単体として装置本体44
(44a〜44e)上面にガスケット41を介して載置
保持するようにして、メッキ処理ステップS38の各ス
テップを実施する。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
適量なSiを含有するアルミニウム合金を用いてシリン
ダブロックの母材およびスリーブを形成するため、母材
の鋳造性が向上し、またスリーブと母材のSi含有率が
所定の範囲内にあるため、熱膨張率の差が小さくなっ
て、エンジン運転中の熱変形の差が小さくなりスリーブ
内周面のメッキの剥がれが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される4サイクルエンジンの要
部断面図。
【図2】 本発明に係るスリーブ鋳込みによるシリンダ
ブロック製造方法のフローチャート。
【図3】 図2のフローチャートの実施例の説明図。
【図4】 本発明に係るメッキ工程の詳細フローチャー
ト。
【図5】 図4のフローを実施するための処理装置の構
成図。
【図6】 図4のフローの要部工程における処理部の断
面図。
【図7】 本発明に係るスリーブ圧入によるシリンダブ
ロック製造方法のフローチャート。
【図8】 アルミ合金のSi%と熱膨張率との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1:内燃機関、2:シリンダブロック、3:クランク
室、6:スカート部、7:下ケース、10:シリンダ本
体、12:シリンダボア、13:シリンダヘッド、3
7:内周面、38:メッキ層、40:スリーブ、41:
ガスケット、44:装置本体、45d,45e:カバ
ー、46:内筒、47:処理液、48:処理液槽、4
9:ポンプ、51:アルミ合金地、52:Si粒子、5
3:スリーブ表面、54:アルマイト層、60:シリン
ダブロックの母材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金の鋳造品からなるシリン
    ダブロック母材のシリンダボア内にアルミニウム合金か
    らなるスリーブを装着し、このスリーブ内周面にメッキ
    処理を施してピストン摺動面を形成したシリンダブロッ
    クにおいて、 前記母材のアルミニウム合金は5〜20重量%のSiを
    含み、 前記スリーブのアルミニウム合金は、(前記スリーブの
    Si重量含有率/前記母材のSi重量含有率)×100
    をαとすると、 50<α<150 となるSiを含むことを特徴とするアルミニウム合金製
    シリンダブロック。
  2. 【請求項2】前記スリーブ内周面にSiCを分散したN
    iメッキ層あるいはNi−Pメッキ層を形成したことを
    特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金製シリン
    ダブロック。
  3. 【請求項3】前記スリーブは、前記母材のシリンダボア
    内に鋳込みにより装着されたものであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のアルミニウム合金製シリン
    ダブロック。
  4. 【請求項4】前記スリーブは、前記母材のシリンダボア
    内に圧入により装着されたものであることを特徴とする
    請求項1または2に記載のアルミニウム合金製シリンダ
    ブロック。
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