JPH1181082A - フィッティング材用組ひも組織プリフォーム及びその製造法 - Google Patents

フィッティング材用組ひも組織プリフォーム及びその製造法

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JPH1181082A
JPH1181082A JP9254335A JP25433597A JPH1181082A JP H1181082 A JPH1181082 A JP H1181082A JP 9254335 A JP9254335 A JP 9254335A JP 25433597 A JP25433597 A JP 25433597A JP H1181082 A JPH1181082 A JP H1181082A
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多 健 二 福
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突支持環と板状固定部とから構成されるフィ
ッティング材用組み組織プリフォームを、フィッティン
グ材として望ましい繊維配列で、且つ、ニアネットシェ
ープで直接製紐可能にする。 【解決手段】 フィッティング材用組ひも組織プリフォ
ーム1を、一体構造の組ひも組織として製紐された繊維
組織体により構成する。この繊維組織体は、突支持環3
とそれを支持する板状固定部2とを備え、両者を構成す
る糸がそれらの分岐・合流部分5で分糸または合糸して
製紐される。板状固定部の端部においては、糸を折り返
して双糸状に並列させた状態で組ひも組織を製紐し、最
端部の糸の各ループへ止着部片を挿通緊締して糸端を縛
束する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量、高強度、高
靱性を有するフィッティング材を成形するための組ひも
組織プリフォーム及びそのプリフォームを製造するため
の方法に関するものであり、更に詳しくは、軸やワイヤ
ー等の支持に用いる支持環を形成する単数または複数の
突環状支持部と、それを支持するための板状固定部と
を、一体に連設した構成を有し、エンジン、配管系、各
種機械、あるいはその他の装置に使用されるところの、
標準寸法の小さな補助部品であるフィッティングの成形
に用いる組ひも組織プリフォーム、及びその組ひも組織
プリフォームをニアネットシェープに製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】単数または並列する複数の突環状支持部
とそれらを支持するための平板状固定部とからなるフィ
ッティングは、航空機や宇宙関連機器をはじめ、各種の
産業機器に補助部品として多用されている。これらのう
ち、特に航空機や宇宙関連機器など、高強度と高靱性、
軽量化が要求されるものは、チタン等の高強度金属ブロ
ックを所要の複雑形状に加工した製品が用いられてい
る。しかし、チタン等の金属材料でも十分な軽量効果が
得られないことや、複雑で精密な形状を得るための切削
など、加工上の難度が高いという問題があり、そのた
め、これらの要求性能を満たすフィッティング及びその
製作技術の開発が望まれている。
【0003】このような問題に対処し、本発明者らは、
先に特開平8−127939号として、「フィッティン
グ材用三次元織物及びその製織方法」を提案している。
そのフィッティング材用三次元織物は、フィラメント・
ワインディング法によるロービングの巻積を利用するも
のであるが、このフィラメント・ワインディング法を適
用した場合に、基本的に、ロービングの配向方向と平行
な繊維層が積層された組織状態にあるため、外力等の作
用により生じ易い層間剥離の問題を解決する必要があ
り、この問題の解決のための工程を付加する場合に、全
体として工程が複雑化する可能性がある。
【0004】また、フィッティングは、その突環状支持
部を支持するための板状固定部を各種機器等にボルト等
で固定して使用するのが一般的であり、このフィッティ
ングの基材を、上記フィラメント・ワインディング法に
よる組織や、ロープ状・ベルト状等の組ひも組織体を利
用する場合を含めて、繊維強化複合材料で形成する場合
には、その板状固定部における強化用繊維の組織につい
て十分な配慮を行い、積層組織の層間剥離が生じないよ
うにしたり、組み始め及び組み終わりとなる端部におい
て組織が解れたりする欠点を解消し、各種外力に対する
板状固定部の強度を十分に高めておくことが極めて重要
である。しかしながら、上記板状固定部は突環状支持部
から突出した状態にあり、その先端部における強化用繊
維を、簡単な手段により、ボルト等による板状固定部の
固定に十分に対応できる強度をもつように組織させるこ
とは、比較的困難である。例えば、従来は組ひも組織体
の端部における繊維束を糸で縛ったり、この部分に嵌め
た金属製の環をかしめたりしているが、十分な補強効果
を得ることが困難であり、しかも、このような構造で
は、複合材料として長さ方向の強度が優れた繊維を有効
に利用したものとは言えない。また、上記板状固定部に
おいてその繊維を特殊な組織にしようとすると、そのた
めに製造の工程が極端に複雑化する可能性もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な技術
的課題は、従来の金属材料よりも一層軽量で、強度、靱
性の高い繊維強化複合材料製のフィッティングを成形す
るための組ひも組織プリフォーム及びそれを製造するた
めの方法を提供することにある。本発明の他の技術的課
題は、強度の優れた繊維をフィッティングの各部位に要
求される性能に合わせて所要の方向に配列させたところ
のフィッティングを成形するための組ひも組織プリフォ
ーム及びそれを製造するための方法を提供することにあ
る。本発明の他の技術的課題は、複雑な最終形状に近い
形に直接製紐(ニアネットシェープ)できるようにした
フィッティングの組ひも組織プリフォーム及びその製造
方法を提供することにある。
【0006】また、上記フィッティングを組ひも組織に
より形成する場合に、その板状固定部の組ひも組織をボ
ルト等による固定に対応できる十分な強度を有するもの
とする必要があるが、本発明の他の技術的課題は、それ
を「伏止め」状に組織の利用により簡単に実現できるよ
うにした組ひも組織のフィッティング材用プリフォーム
及びその製造方法を提供することにある。本発明の更に
他の技術的課題は、プリフォームにおける組ひも組織に
対称性を付与し、組ひも組織の方向性に伴う捻れ応力の
発生を防ぐことにより、フィッティングの機械的特性の
均一化を図るようにした製造方法を、あるいは上記対称
性をもたせることなく、製紐を容易にしたプリフォーム
の簡易な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のフィッティング材用組ひも組織プリフォーム
は、一体構造の組ひも組織として製紐された繊維組織体
からなり、上記繊維組織体は、単数または複数の突環状
支持部とそれを支持するための板状固定部とを備え、こ
れらは組ひも組織の突環状支持部を構成する糸と組ひも
組織の板状固定部を構成する糸とが、分岐・合体部分に
おいて分糸または合糸されて突環状支持部と板状固定部
が一体構造の組ひも組織を形成し、板状固定部の端部に
おいては、糸を伏止め組織として糸端を縛束し、具体的
には、糸を折り返して双糸状に並列させた状態で組ひも
組織を製紐し、最端部の糸の各ループへ止着部片を挿通
緊締して双糸状の糸端を縛束したことを特徴とするもの
である。
【0008】上記組ひも組織プリフォームは、突環状支
持部と板状固定部間の組ひも組織の分岐・合体部分にお
いて、分岐した二つの突環状支持部側とそれらを合体し
た板状固定部側の組ひも組織が、上記各突環状支持部を
組織する糸の全てまたは大半部を、少なくともそれらの
合体直後の板状固定部の組織において、それらの突環状
支持部の分技側とは反対側の組織内に組み込み、且つ、
その糸の一部を、該反対側の板状固定部の組織において
組織外縁部を構成する糸に含めて組織されていること
が、分岐・合体部分の強度を高めるために有効であり、
また、突環状支持部の組ひも組織が、その中央部から両
側に向けて対称性をもつ組織として製紐されていること
が、組織に安定性を付与するために有効である。
【0009】一方、上記課題を解決するための本発明の
上記対称性のあるプリフォームの製造方法は、単数また
は複数の突環状支持部とそれを支持するための板状固定
部とを備え、一体構造の組ひも組織として製紐された繊
維組織体からなるフィッティング材用組ひも組織プリフ
ォームを製造するための方法であって、組ひも組織を構
成する糸により上記板状固定部と突環状支持部の中央の
製紐開始面から両側に向けて対称性のある組ひも組織の
製紐を行い、突環状支持部の両端の板状固定部との合体
部分において、突環状支持部を構成する糸と板状固定部
を構成する糸とを合糸して、板状固定部において突環状
支持部の糸の延長部を含む一体構造の組ひも組織を形成
させ、板状固定部の端部においては、糸を伏止め組織と
して糸端を縛束し、具体的には、糸を折り返して双糸状
に並列させた状態で組ひも組織を製紐し、最端部の糸の
各ループへ止着部片を挿通緊締して糸端を縛束すること
を特徴とするものである。
【0010】フィッティング材が、突環状支持部の両端
を合体させて板状固定部を形成する構造を有する場合に
は、上記方法において、突環状支持部の両端を合体させ
て板状固定部を形成する部分において、突環状支持部の
両端の糸を合糸し、板状固定部において上記合糸した糸
の延長部を含む一体構造の組ひも組織を形成させること
になる。
【0011】また、上記対称性を有しないプリフォーム
を簡易に製造するための本発明の方法は、組ひも組織を
構成する糸により上記板状固定部の一端から製紐を行
い、突環状支持部との分岐部分において、突環状支持部
を構成する糸と板状固定部を構成する糸とに分糸して、
それぞれを組ひも組織として製紐すると共に、突環状支
持部と板状固定部との合体部分において、突環状支持部
を構成する糸を板状固定部に合糸し、板状固定部として
突環状支持部の糸の延長部を含む一体構造の組ひも組織
を形成させ、板状固定部の端部においては、糸を伏止め
組織として糸端を縛束し、具体的には、糸を折り返して
双糸状に並列させた状態で組ひも組織を製紐し、最端部
の糸の各ループへ止着部片を挿通緊締して糸端を縛束す
ることを特徴とするものである。
【0012】フィッティング材が、突環状支持部の両端
を合体させて板状固定部を形成する構造を有する場合に
は、組ひも組織を構成する糸により突環状支持部の一端
の製紐開始端から突環状支持部の他側に向けて組ひも組
織による製紐を行い、突環状支持部の終端で上記製紐開
始端の糸と合体させて板状固定部を形成するに際し、突
環状支持部の両端の糸を合糸して製紐することにより、
合糸した突環状支持部の両端の糸の延長部を含む一体構
造の組ひも組織の板状固定部を形成させ、板状固定部の
端部においては、糸を伏止め組織として糸端を縛束する
ことになる。
【0013】上記構成を有するフィッティング材用組ひ
も組織プリフォームは、軽量・高強度の繊維からなる糸
を組ひも状に組織しながら、突環状支持部及び板状固定
部を構成するための所要の部位において分岐・合体さ
せ、フィッティングの最終形状に直接賦形したもので、
連続繊維を途中で切断することなく、繊維が主として力
の作用方向に向けられた一体構造の繊維組織体として得
られるので、繊維の特徴を最大限に生かすことができ、
この繊維組織体を樹脂等のマトリックスで固化すること
により、軽量、高強度、高靱性のフィッティングとする
ことができる。
【0014】更に、フィッティングにおける組ひも組織
を、その中央の製紐開始面から両側に向けて対称性をも
つ組織として製紐することにより、これを強化材とした
フィッティングには組ひも組織の方向性に伴う捻れ応力
の発生が防がれる。加えて、プリフォームの各部の糸配
列が対称位置の関係となる組ひも組織とすることによ
り、プリフォームの所要位置における組織の分岐・合体
に際して組織の均一性が図られ、これらの組織上の対称
性により、フィッティングの機械的特性の均一性が得ら
れる。一方、組ひも組織を構成する糸により板状固定部
や突環状支持部の一端から製紐を開始する場合には、プ
リフォームに上記対称性を付与できないが、製紐が容易
になってプリフォームを簡易に製造することが可能にな
る。
【0015】また、上記フィッティングにおける組ひも
組織の分岐・合体部分において、各枝部分を組織する糸
の全てまたは大半部を、少なくともそれらの合体直後の
幹部分の組織において、それらの枝部分の分岐側とは反
対側の組織内に組み込むと共に、その組織の一部を該反
対側の幹部分の組織内において組織外縁部を構成する糸
に含めて組織させ、それによって、枝部分の糸が幹部分
の分岐基準面(幹部分と枝部分を構成する繊維数または
糸数の比率で幹部分を区分する面)を越えてX字状に配
置された組織とすることにより、分岐・合体部分におけ
る組ひも組織を強化し、枝部分の引き裂き強度を格段に
高めることが可能になる。
【0016】更に、上述したフィッティング材用組ひも
組織プリフォームは、従来から伝統的に用いられている
組機を利用し、あるいは組ひも組織を得るために必要な
糸の選択的移動を機械的に行う既知の製紐装置に若干の
改良を加えるだけで製紐できる組ひも組織を有している
ため、上記製造法により既知の組ひも技術を有効に利用
して簡単に製紐することができる。しかも、所要のフィ
ッティングの形状に直接賦形(ニアネットシェープ)さ
れるため、フィッティングの製造に際して部位の接合や
切削等の加工上の工数が殆どなく、省力化が可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るフィッティ
ング材用組ひも組織プリフォームの一例(第1実施例)
をマトリックスで固化することにより成型したフィッテ
ィングを示すものである。同図において、フィッティン
グを構成する組ひも組織プリフォーム1は、全体を一体
構造の組ひも組織として製紐した繊維組織体からなり、
この繊維組織体は、任意の部材に取付けるための板状固
定部2と、該板状固定部2から突出する状態に形成した
突環状支持部3とを備え、その突環状支持部3と板状固
定部2の一部により軸やワイヤー等の支持に用いる支持
環4を形成している。また、後述するように、該支持環
4に嵌合して固定される金属製の支持補助片8が必要に
応じて付設される。上記繊維組織体は、組ひも組織の突
環状支持部を構成する糸と組ひも組織の板状固定部を構
成する糸とが、分岐・合体部分5において分糸または合
糸されて突環状支持部3と板状固定部2が合体され、一
体構造の組ひも組織を形成するものである。
【0018】突環状支持部3を支持するための板状固定
部2には、それを任意部材に取付けるための必要数のボ
ルト孔6を設けている。このボルト孔6は、板状固定部
2を構成する糸を切断することなく、合成樹脂等のマト
リックスによるプリフォーム1の成型に際し、製紐した
糸の組織内にボルト孔を形成するための棒材を押入し、
糸を押し分けることにより形成したものである。また、
プリフォーム1における糸の組み始め位置及び組み終わ
り位置である板状固定部2の端部2aは、糸を折り返し
て双糸状に並列させた状態で組ひも組織を製紐し、最端
部の糸の各ループへ止着部片を挿通緊締して双糸状の糸
端を縛束し、組ひも組織の組織端が解れないように固定
しているが、その具体的な組織については、このプリフ
ォーム1の製紐方法と共に後述する。
【0019】上記突環状支持部3は、一体構造の繊維組
織体にその複数を並列させて設け、あるいはその複数を
任意の位置に設けることができ、図2は、二つの突環状
支持部13を板状固定部12に並列させて設けた第2の
プリフォームの一例(第2実施例)を示している。な
お、この第2実施例のプリフォーム11のその他の構成
は、第1実施例と同様である。また、図3には、一つの
突環状支持部23を板状固定部22の一端に連設し、そ
れを一体構造の繊維組織体として形成したプリフォーム
の一例(第3実施例)を示している。この第3実施例の
プリフォーム21の場合にも、図2の第2実施例と同様
に、複数の突環状支持部23を板状固定部22に突設し
たものとすることができる。なお、この第3実施例は、
第1及び第2実施例に比して、突環状支持部23のみに
より軸やワイヤーを支持する支持環24を形成している
点、及びその突環状支持部23から一つの板状固定部2
2を延設している点で第1及び第2実施例と相違し、そ
れに伴って製紐手順も相違することになるが、板状固定
部22及び突環状支持部23の機能は前記実施例と変わ
るところがないものである。これらの第2及び第3実施
例において、突環状支持部13,23に嵌合・固定する
支持補助片18,28は、前記第1実施例の場合と同様
であり、また、板状固定部12,22に設けるボルト孔
16,26についても同様である。
【0020】これらの一体構造の繊維組織体からなるプ
リフォームの製紐に使用する糸としては、多数のフイラ
メントを引き揃えたロービングや加撚糸などが用いられ
る。また、これらの糸を構成する繊維としては、高強
度、高弾性で、耐熱性が高く、熱膨張率の低い繊維が望
ましく、例えば、アラミド繊維や、ポリパラフエニレン
ベンゾビスオキサゾール、所謂PBO繊維等の有機系繊
維、炭素繊維等の無機繊維が用いられる。一方、これら
の糸により製紐したプリフォームを固化(硬化)成型す
るために用いるマトリックスとしては、耐熱性及び高強
度を有し且つ成型性の良好な樹脂が望ましく、例えば、
エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂
等の熱硬化性樹脂や、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフエ
ニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂が用い
られる。この熱可塑性樹脂は、予め糸の繊維間に含浸さ
せ固化した状態、または、鞘状に糸を包むように固化し
たシースドヤーンの状態でプリフォームを製紐し、製紐
後に加熱処理を得て成型することができる。また、高温
特性や耐食性を得るために、炭素や窒化ケイ素等のセラ
ミックス系マトリックスを用いることもできる。
【0021】次に、図1〜図9を参照して、上記各プリ
フォーム1,11,21の製紐組織と共にその製紐方法
について順次詳細に説明する。本発明に係わるフィッテ
ィングは、繊維強化複合材料としての特性を最大限に発
揮するために、強化材であるプリフォームの組織の均一
性を高めるようにし、そのため、フィッティング形状の
中央部の実質的対称面と交差する位置を組み始め位置と
して、プリフォームにおける組ひも組織に対称性を付与
する製紐を行う第1の方法、または、フィッティングの
機械的特性の均一化よりも製紐を容易にすることを重視
した簡易型の第2の方法により製紐することができる。
これらの方法によれば、製紐の開始位置の相違によりフ
ィッティング材用組ひも組織プリフォームの組み組織上
に差異が生じることになる。
【0022】図4の(A)は、図1に示す第1実施例の
プリフォーム1を、上記第1の方法で製紐する場合の組
み組織上の方向性(製紐方向)を示し、同図の(B)は
同プリフォーム1を上記第2の方法で製紐する場合の製
紐方向を示している。また、図5の(A)は、図3に示
す第3実施例のプリフォーム21を上記第1の方法で製
紐する場合の製紐方向を、同図の(B)は、同プリフォ
ーム21を上記第2の方法で製紐する場合の製紐方向を
示している。図中の矢印は、組み組織上の方向性(製紐
方向)を示すものである。
【0023】上記第1の方法で製紐する図4(A)の組
み組織上の方向性について具体的に説明すると、図1の
プリフォーム1の板状固定部2及び突環状支持部3は、
該プリフォーム1の形状の中央部の実質的対称面p1
交差する板状固定部2の中点cと、突環状支持部3の頂
点dとを組み始め位置(製紐開始面)として、糸による
製紐を開始し、中点cよりプリフォーム1の一方端aに
向かって製紐した板状固定部2の糸と、頂点dより同端
aに向かって製紐した突環状支持部3の糸とを、分岐・
合体部分5で合糸・合体させたうえで、板状固定部2の
該端aまで製紐し、板状固定部2において、突環状支持
部3の糸の延長部を含む一体構造の組ひも組織を形成さ
せる。次に、上記中点c及び頂点dを起点として、板状
固定部2と突環状支持部3の上記とは反対側の部位を、
上記と同様な手順で他方端bに向って製紐し、板状固定
部2と突環状支持部3とを分岐・合体部分5で合糸・合
体させたうえで、板状固定部2の他方の他方端bまで製
紐する。これにより、矢印で示される組み組織上の方向
性は、実質的対称面p1 を境にして面対称となり、製紐
開始面から両側に向けて対称性のある組ひも組織が製紐
される。そのため、組ひも組織の方向性に伴う捻れ応力
の発生を防ぎ、フィッティングの機械的特性の均一性が
得られる。なお上記中点c及び頂点dでは、以下の実施
例をも含めて、組織の対称性に起因して組ひも組織がく
ずれないようにする配慮が必要である。
【0024】一方、第2の方法で製紐する図4(B)の
組み組織は、板状固定部2の一方端aより糸の製紐を開
始し、分岐・合体部分5で分糸して、板状固定部2と突
環状支持部3とに分岐させ、それぞれを組ひも組織とし
て製紐し、中点cを得て製紐された板状固定部2と頂点
dを経て製紐された突環状支持部3とを、他方の分岐・
合体部分5で再び合糸・合体させ、板状固定部2の他方
端bまで、突環状支持部3の糸の延長部を含む一体構造
の組ひも組織として製紐するものである。この場合、プ
リフォームの全ての部位において、組み組織上の方向は
一方端aより他方端bに向かっており、これを強化材と
したフィッティングには組織の方向性に伴う若干の捻れ
を生じ、材料上の均質性が損なわれるが、製紐が簡易化
される点で有利なものである。
【0025】図5の(A)は、前記図3のプリフォーム
21を上記第1の方法で製紐する場合の組み組織上の方
向性を説明するためのもので、このプリフォーム21
は、突環状支持部23の頂点dを組み始め位置(製紐開
始面)として、糸による製紐を開始し、上記頂点dから
一方に向かって製紐した突環状支持部23の部位23a
と、頂点dから他方に向かって製紐した突環状支持部2
3の部位23bとを、分岐・合体部分25で相互に合糸
・合体させ、そのうえで、板状固定部22において、上
記合糸した糸の延長部を含む一体構造の組ひも組織が板
状固定部22の端部22aまで製紐される。これによ
り、製紐開始面から両側に向けて対称性のある組ひも組
織が製紐され、矢印で示される組み組織上の方向性は、
実質的対称面p2 を境にして対称となる。そのため、組
ひも組織の方向性に伴う捻れ応力の発生を防ぎ、フィッ
ティングの機械的特性の均一性が得られる。
【0026】また、図5の(B)は、板状固定部22と
突環状支持部23との連接部である分岐・合体部分2
5、即ち突環状支持部23の一端の製紐開始端eから、
該突環状支持部23を他側に向けて組み始め、所要長の
組ひも組織の突環状支持部23を製紐し、突環状支持部
23の終端で上記製紐開始端の糸と合体させて、板状固
定部22を形成するに際し、突環状支持部23の両端の
糸を合糸し、この合糸した突環状支持部23の両端の糸
の延長部を含む一体構造の組ひも組織の板状固定部22
を製紐する場合を示している。この場合、突環状支持部
23の組み組織上の方向性は、その突環状支持部23内
で同方向であって、フィッティングの実質的対称面p2
に対して対称でなく、これを強化材としたフィッティン
グには組織の方向性に伴う若干の捻れを生じ、材料上の
均質性が損なわれるが、製紐が簡易化される点で有利な
ものである。
【0027】上述の組み組織に付与する方向性は、プリ
フォームにおける組ひも組織に対称性を付与するために
有効であるが、組み組織の分岐・合体部分における乱れ
(組織崩れ)にも関係するものである。図6は、この分
岐・合体部分における組み組織の方向性と組織との関連
性を示すもので、同図(A)においては、分岐・合体部
分30Aにおける幹部分(板状固定部)31とそこから
分岐直後の枝部分(突環状支持部)32,33の組み組
織の方向(矢印で表示)とが同方向にあり、分岐・合体
部分30Aで組織の乱れ(組織崩れ)を伴わずに製紐さ
れる。製紐の方向が全く逆の場合についても同様であ
る。これらは、主として前記各実施例のプリフォームを
第1の方法で製紐する場合、並びに第1及び第2実施例
のプリフォームを第2の方法で製紐する場合における分
岐・合体部分の組織である。
【0028】一方、図6(B)に矢印で示すように、分
岐・合体部分30Bの幹部分31及び枝部分32,33
の組み組織の方向が異なる場合には、分岐・合体部分
(f部)で組織の乱れ(組織崩れ)を生じ、組み組織が
不均一になるため、これを強化材としたフィッティング
においては、その部分での繊維強化複合材料としての特
性の低下を避けることができない。これは、主として前
記第3実施例のプリフォームを第2の方法で製紐した場
合に分岐・合体部分に生じる組織であるが、前述したよ
うに、第2の方法による製紐では製紐が容易になってプ
リフォームを簡易に製造することが可能になるという点
で有利であるため、前記第1及び第2の製紐方法は、フ
ィッティングの用途から要求される性能に基づいて選択
されるべきである。
【0029】ここで、図6の(A)(B)を参照して、
上記組ひも組織プリフォームの分岐・合体部分において
有効な組ひも組織について説明する。即ち、これらの分
岐・合体部分30A,30Bにおいて、分岐した二つの
枝部分(突環状支持部)32,33側と、それらを合体
した幹部分(板状固定部)31側の組ひも組織は、上記
各枝部分32,33を組織する糸の全てまたは大半部
を、少なくともそれらの合体直後の幹部分31の組織に
おいて、それらの枝部分32,33の分岐側とは反対側
の組織内、具体的には、その幹部分31における分岐基
準面(幹部分と枝部分を構成する繊維数または糸数の比
率で幹部分を区分する面)Pの反対側の組織内に組み込
み、且つ、それらの枝部分32,33の分岐側とは反対
側の組織内に組み込んだ糸の一部分を、該反対側の幹部
分の組織内において組織外縁部を構成する糸に含めて組
織させ、それによって、枝部分の糸が幹部分の分岐基準
面Pを越えてX字状に配置された組織とするのが、分岐
・合体部分における組ひも組織を強化し、枝部分の引き
裂き強度を格段に高めるために有効であり、その結果、
枝部分32,33を広げてもその分岐・合体部分におい
て伸びたりすることなく、長さが安定した繊維組織体を
得ることができる。
【0030】即ち、上記両枝部分32,33を有する分
岐・合体部分30A,30Bは、図1ないし図3におけ
る突環状支持部3,13,23を構成するための基本的
組織であり、この組織の安定化は、突環状支持部3,1
3と板状固定部2,12の一部、あるいは突環状支持部
23により構成されるところの支持環4,14,24の
内周長の安定に寄与し、それらの支持環に嵌入する支持
補助片8,18,28の支承を確実にするものである。
上記支持環4,14,24の内周長は支持補助片8,1
8,28の外周の長さより僅かに短く製紐され、両者の
長さの比率は突環状支持部及び板状固定部の製紐におい
て採用する組織をも考慮して最適値に定められる。ここ
に示している支持補助片8,18,28は、中央部に軸
やワイヤーを挿通するための支持孔8a,18a,28
aを設けた金属製のブロックで、上記支持環に嵌合して
固定されるものである。図1及び図2に示したようなプ
リフォームにおける支持補助片8,18の平面形状は、
強度上の最適設計から左右の肩部の傾斜を45°前後に
するのが望ましい。
【0031】また、上記各実施例における板状固定部
2,12,22及び突環状支持部3,13,23の各部
の太さや断面形状は、製品に要求される形状及び機械的
機能によって定められるが、支持環4,14,24に嵌
める支持補助片8,18,28の保持機能を高めるため
に、上記支持環4,14,24を形成する板状固定部及
び突環状支持部の各部における内周側断面形状を凸形あ
るいは凹形とし、支持補助片8,18,28における外
周側を、その凸形あるいは凹形と互いに密嵌する断面形
状に形成することもできる。
【0032】次に、一体的組ひも組織体である本発明の
フィッティング材用組ひも組織プリフォームを得るため
の組み組織の組織端、即ち、板状固定部2,12,22
の端部2a,12a,22aの組織及びその組織を得る
ための処理方法を、図7〜図9に沿って説明する。図7
〜図9は当該板状固定部の組織端近傍の製紐組織例を示
している。この組織例において、板状固定部35をその
最端部35aに向かって製紐される糸36は、端部組織
準備位置qーq’までの製紐を行ったときに双糸状に折
り返し、その折り返し糸36aをもとの糸に並列させた
状態で、糸の遊端を組織から導出したままにして最端部
35aまで組ひも組織を製紐する。図中、36bは最端
部35aに残された折り返し糸36aのループを示して
いる。
【0033】図8及び図9には、プリフォームの組み終
わり位置である最端部35aの組織法(伏止め)を例示
する。この最端部35aでは、図8に示すように、各糸
のループ36bへ順次隣接する糸のループ36bを通
し、そのうえで、図7の端部組織準備位置qーq’にお
いて板状固定部35の組み組織の外部に出されている折
り返し糸36aの遊端を引っ張り、それにより折り返し
糸のループ36bが閉じるように糸36aを引き出し、
ループ36bに通されている他の糸を引き締める。その
結果、双糸状の糸端を順次強固に縛束して、所謂伏止め
し、組み組織が容易に解けたりほつれたりしない組織と
して板状固定部35の最端部を形成することができる。
図8(A)は、プリフォームの最端部(端面)35aの
ループ36bの組織例を示すもので、上記伏止めを層状
に行っている。この場合、伏止めの方向L1 はフイッテ
ィングの端部を他の構造物に固定するためのボルト等
(ファスナー)の軸方向L2 に対して直角な方向に行わ
れるので、強度的に特に有効である。また、同図(B)
には伏止めを環状に行った場合を例示している。
【0034】上記組ひも組織の組織端の処理において、
双糸状の折り返し糸36aを用いると、それだけ板状固
定部35が太くなる。これが不適切な場合には、端部組
織準備位置qーq’から板状固定部35の最端部35a
に至るまでの製紐に際して、選択した一部の糸36を折
り返さない単糸の状態として、板状固定部35の最端部
35aまでを組織することにより、糸を双糸状に折り返
すことによる板状固定部35の過度の太さの変化を避け
ることができる。この場合、折り返す糸と折り返さない
糸との本数の比率は、製紐する組織体の部位の太さの変
化に許容される比率と、組織端に要求される組織の拘束
力について許容される値によって定められる。
【0035】この際、折り返す糸と折り返さない糸との
選択は、組織端形成の態様によっても異なる。例えば、
折り返しのない単糸状態の糸を、端部組織準備位置qー
q’から板状固定部35の最端部35a間での組織にお
いて組織体の中央に芯状に位置させ、これを芯部として
その外側を鞘状にした双糸状の折り返し糸で拘束するよ
う組織する場合には、端部組織準備位置qーq’におい
て、組織の中央部に位置する糸を折り返さず単糸状態で
板状固定部35を組織する糸に指定し、外側の双糸状の
折り返し糸36aにより板状固定部35の最端部35a
までを製紐し、該最端部35aの組織化(伏止め)を行
うことにより、内層の単糸状糸を双糸状糸が外から拘束
する芯・鞘状の組織を得ることができる。
【0036】また、単糸状で折り返しのない状態の糸と
双糸状の折り返し糸36aを混在させて、これらを互い
に組んで、端部組織準備位置qーq’より板状固定部3
5の最端部35aまでを製紐する場合は、板状固定部3
5の最端部35aにおいて組織の中央部に位置する糸
を、折り返さず単糸状態で端部組織準備位置qーq’以
降の製紐を行う糸に指定して、板状固定部35の最端部
35aまでを製紐し、続いて、同最端部35aの組織化
を行うことにより、板状固定部35の最端部35aにお
いて双糸状の糸が外層を形成し、該糸のループ36bの
組織化により、内層に位置する単糸状の折り返し部を有
しない糸を拘束した組織が得られる。前記図9(B)の
伏止めの例は、プリフォームの端部の組織化に際して、
糸のループ36bで形成される内側の環状の伏止め列の
内側に、折り返しのない単糸状の糸を芯状に位置させ、
それらを縛束するのに好適である。なお、プリフォーム
の最終端35a外縁部を形成する糸を、端部組織基準位
置q−q’において予め特定することは、組ひも組織の
規則性の吟味により容易に可能である。
【0037】上記板状固定部35の組織端近傍の製紐に
おいて、端部組織準備位置qーq’より最終端35aま
での間の組織長は、組み組織が容易にほどけない長さ
で、しかも、折り返し糸36aの引き戻しが可能な長さ
に設定される。また、必要に応じて、折り返し糸36a
をその引き戻しが可能な程度に加撚した状態で上記の処
理を行うことができる。折り返し糸36aは、ループ3
6bを閉ざすため引き戻したのち、板状固定部35の組
織外に出る部分で切り取ればよいが、必要に応じて、板
状固定部35中に戻し、また他の部位の補強糸等として
使用することができる。各糸のループ36bへ順次隣接
する糸のループ36bを通して最後に残ったループ36
bも、同様に板状固定部35中に戻し、他の部位の補強
糸等として使用することができる。
【0038】なお、ここでは、板状固定部35の組織端
の製紐組織例として、組み終り位置において各折り返し
糸36aのループ36bを順次隣接する糸のループ36
bに通す場合について説明したが、各ループに隣接する
糸のループとは別異の止着部片、例えば止着用の糸やワ
イヤ等を通し、ループ36bが閉じるように折り返し糸
を引き戻して緊締することにより伏止めすることもでき
る。また、板状固定部の端部で折り返さない糸は、最端
部35aで切り取るか、最端部で折り返して組織内に引
き込めばよい。さらに、上記伏止め組織は、上述した双
糸状の折り返し糸36aを用いる場合に限ることなく、
一体構造の組ひも組織を構成する糸を用いて、ほつれが
生じることなく、板状固定部35におけるボルト等のフ
ァスナーによる固定に対して十分な強度を発揮する組織
とすることができる。このような処理により、板状固定
部35の組織端を、長さ方向の強度が優れた繊維を有効
に利用して、糸配列の規則性を保った強固な組み組織と
することができ、しかも、その組織を簡単に得ることが
できる。
【0039】次に、本発明に係る図1ないし図3の各種
フィッティング材用組ひも組織プリフォームを製紐する
過程を、その製紐に使用する装置の概要と共に説明す
る。図10の(A)(B)は、図1ないし図3のプリフ
ォームの製紐を開始するに先立って製紐機に仕掛ける糸
51の準備状態を説明するためのものである。同図
(A)には、主として前記第1の方法で製紐するに際
し、糸51の端部を後述の製紐機におけるキャリアの一
対のフック96(図12参照)間に係留させるために、
その糸51の両端部にそれぞれ取付ける係留用部材52
を示し、同図(B)には、主として前記第2の方法で製
紐するに際し、一端に上記係留用部材52を取り付けた
糸51の他端に取付ける係留用部材54を示している。
いずれの係留用部材を用いるかは、製紐するフイッティ
ング用プリフォームの形状、及び組織上の対称性への対
応によって異なるものである。また、図11の(A)
(B)には、多数の糸51の各両端に上記係留用部材5
2,54を取付けてなる糸束50の両端の係留用部材5
2または54をそれぞれ保持させる糸配列枠57、及び
糸束50を該糸配列枠57に保持させて糸配列準備板5
8の両端に装着した製紐準備枠56を示している。
【0040】図10(A)に示す係留用部材52は、糸
51の端部を折り返して通す微小止め管60、該微小止
め管60に通すことにより形成した糸ループ51aに一
端側を係止する両頭ベラ針61、その両頭ベラ針61の
他端側に係止し、微小止め管60から開放された糸を収
容する糸収容管62、並びに、係留縄63によって上記
糸収容管62に接続され、他端側に係留用ループ65を
有する糸張力調整体64により構成されている。この係
留用部材52は、前記第1の方法で製紐するに際し、各
糸51の両端に対称的に取付けるものであるが、それら
の糸51の全長は、前述したようにフィッティングの形
状・寸法、組ひも組織、あるいは製紐機への糸束50の
セッティング条件等を考慮して定められる。
【0041】上記糸張力調整体64の一端に設けた係留
用ループ65は、上記係留用部材52に取付けた糸51
を製紐機の主要部であるキャリアのフック96(図12
及び図15)に係留させるためのものである。また、上
記微小止め管60は、プリフォームの板状固定部の最端
部35aを解けないように伏止め組織とする際に、必要
な折り返し糸36aを確保するためのものであり、該微
小止め管60には、通した糸が滑脱しない程度の拘束力
のあるゴム管等を用いることができる。更に、製紐中に
糸51の端部を収容しておく糸収容管62には、前記し
たプリフォームの板状固定部の最端部35aの処理に際
して要する長さの糸を収容することが必要であり、断面
が円形や渦巻き状の微細なプラスチック等の管が用いら
れる。渦巻き状断面の糸収容管においては、その管の長
さ方向に沿って管壁に糸を巻き取ることができ、比較的
に長い糸を収容できることや糸に対する着脱が容易であ
るなどの点で利便性がある。また、上記糸張力調整体6
4は、係留される糸51に所要の張力を維持させ、製紐
動作を容易とするためのものであり、ゴム紐や引張バネ
等を用いることができる。
【0042】一方、図10(B)に示す係留用部材54
は、前記第2の方法で製紐するに際し、上記図10
(A)の係留用部材52を一端に取付けた糸51の他端
に取付けるもので、糸51の端部の折り返した部分51
bを微小管66で結束してループを形成し、その糸51
の端部を、それを通すように設けられた糸収容管67に
収容している。この係留用部材54を用いる場合にも、
糸51の全長は、フイッティングの形状・寸法、組ひも
組織、あるいは製紐機へのセッティング条件を考慮して
定められ、プリフォームの板状固定部の最端部35aの
処理に際して要する長さの糸を収容管67に収容するこ
とが必要である。
【0043】所要数の糸51に対して、上記の状態に諸
処置を施し、多数の糸51の各両端に上記係留用部材5
2,54を取付けた糸束50は、図11の(A)に示す
ような糸配列枠57の一対におけるフック59に、それ
らの各糸51の両端の係留用部材52または54をそれ
ぞれ係止させ、図11(B)の製紐準備枠56に整列し
た状態で仕掛けられる。即ち、製紐は、糸端の規則的な
移動により行われるため、製紐の始めまたは途中の糸の
配列の乱れは、製紐される組ひも組織に乱れを生ずるば
かりでなく、製紐そのものを困難にする。上記製紐準備
枠56は、所要の糸51を整列・配置した糸束50を得
る作業を容易にするため糸準備用の枠であり、一方の面
に糸を掛けるフック59が行と列方向に配列され、他の
面には製紐機の糸配列枠取付部に取付けるための軸60
が設けられた上下一対の糸配列枠57と、これを所要の
間隔に調節可能に保持する糸配列準備板58とから構成
されている。この製紐準備枠56に縦横に配列させた各
糸51を所要の配列で仕掛けることにより、多数の糸を
その配列を乱すことなく容易に並列・配置した状態に準
備し、装置本体に仕掛けることができる。
【0044】また、上記フィッティングは、その形状・
寸法により製紐されるプリフォームが途中で分岐される
分岐数、及び各分岐部分を構成する糸束50の糸数や糸
長等を異にするため、糸束50はフィッティングの形状
・寸法に応じてその各分岐部分毎に分けられ、各分岐部
分において必要とする長さと構成数の糸束50が上記分
岐の数に応じた製紐準備枠56に架設される。なお、こ
の製織前の糸の準備は、製紐するフィッティング用プリ
フォームの形状及び組織上の対称性への対応等に応じて
異なるものとなる。
【0045】図12及び図13に、フィッティング材用
プリフォームの製紐機の概略を示し、図12には、製紐
機に糸束50A,50Bを仕掛けた製紐開始時の状態
を、図13には、その製紐中の状況を示している。ここ
では、図14の(A)〜(D)の工程進行図に沿って、
図1に例示するプリフォーム1を、前記第1の方法で対
称性のある組織として製紐する場合(図4の(A))に
ついて説明するので、図12及び図13では、図1の板
状固定部2と突環状支持部3の製紐用として、二組の製
紐準備枠56に予め準備された糸束50A,50Bを、
それらが取付けられた糸配列枠57A,57Bと共に糸
配列準備板58から取外し、それぞれの糸配列枠57
A,57Bを、その軸60により機枠70上の昇降軸7
3A,73Bに設けた糸懸垂用チャック72A,72B
に把持させ、糸束50A,50Bの製紐開始位置となる
各糸の中点の部分を、糸束位置決めチャック75A,7
5Bで拘束している。また、下方の糸配列枠のフックに
係留されている糸端の係留用ループ65を、製紐機の糸
束駆動装置に装着されているキャリアのフック96へ、
行・列の配置を乱すことなく順次係留させる。
【0046】上記製紐機における糸懸垂用チャック72
A,72Bは、機枠70に組織移動装置74A,74B
により横移動及び昇降可能に支持させた昇降軸73A,
73Bに取付け、糸配列枠57A,57Bを介して糸束
50A,50Bをそれぞれ所要の位置に懸垂するように
したものであり、また、糸束の製紐開始位置となる中点
の部分を拘束する糸束位置決めチャック75A,75B
は、機枠70上に横移動可能に取付けた移動枠76A,
76Bに昇降可能に取付けたものである。更に、この製
紐機の機枠70上には、移動枠78A,78Bを横移動
可能に支持させ、この移動枠78A,78Bに、フィッ
ティングの中央から製紐を始めてフィッティングの一方
の端部までを組織する前半の工程の終了後の後半の工
程、即ち、組織部と未組織の糸束を反転させて残りの未
組織部を製紐する後半の工程で、一方の糸束を製紐する
間、もう一方の糸束を配列した糸配列枠57Aまたは5
7Bを一時的に保持して、糸束50Aまたは50Bを退
避させる糸束ホルダー77A,77Bを、昇降可能に取
付けている。
【0047】また、上記機枠70に横移動可能に支持さ
せた移動枠82には、糸束50A,50Bの合体・分岐
に際して組み口位置を調節するための組み口調節ジグ8
1をもった組み口位置調節具80を昇降可能に取付け、
移動枠76A,76Bには、製紐するプリフォームの組
織端で組み組織が解けないように糸を伏止め処理する際
に、板状固定部の最端部の近傍を把持して固定する組織
端把持チャック84A,84Bを設けると共に、該組織
端把持チャック84Aまたは84Bと共動して板状固定
部の組み組織の端部組織準備位置(図7のq−q’)に
おいて組織外に出ている折り返し糸36aの端を引っ張
る組織端処理装置85を、移動枠86に設置している。
更に、前記移動枠78A,78Bには、一時的に未組織
の糸束をその配列順序を維持した状態で退避させる糸係
留用補助具87A,87Bを設けている。この糸係留用
補助具87A,87Bは、各糸を把持する多数のニッパ
ー88A,88Bを備えたものである。また、機枠70
の下部には、上記糸束50A,50Bのそれぞれの端部
を各駆動ユニット(図15)に保持させる糸束駆動装置
90を搭載している。
【0048】図12において、機枠70上に搭載された
上記糸束駆動装置90は、図15に示すように、回転ス
テッピング・アクチュエータ等の90°を単位として間
欠回転する駆動装置91と、それによって間欠回転駆動
されるロータ92とを備えた多数の駆動ユニットを、平
面状をなす糸束移動用のキャリア95の配列域内におい
て、上記ロータ92が互いに隣接するようにして、多数
行、多数列に配列設置することにより構成したものであ
る。このロータ92は、隣接するロータ92との間に糸
束移動用のキャリア95を挟持させるため、それぞれの
ロータ92の四周にキャリア保持用の凹部93を設けて
いる。これらの凹部93は、隣接する一対のロータ92
間においてキャリア95を挟持し、そのロータ92の一
方が回転する際に、それらの間に挟持されたキャリア9
5を他方のロータ92の凹部93をガイドとして移動で
きるようにしたものである。そのため、上記凹部93の
内側面は、隣接するロータの回転軸線を中心とする円筒
面、あるいは機能的にそれと同等の回転面に形成されて
いる。
【0049】一方、これらのロータ間に挟持されるキャ
リア95は、隣接する一対のロータ92の凹部93間に
形成される空間に嵌入するように、二つの円筒面で形成
された保持部95aとその上下に突設したつば部95b
とを備え、それに設けたフック96に、糸51に張力を
付与する前記糸張力調整体64(図10の(A))の係
留用ループ65を係合可能とし、それにより各キャリア
95に係留用部材52を介して糸51を係留可能にした
ものである。上記駆動ユニットにおける各駆動装置91
は、制御部によりそれぞれ独立に正逆の回転駆動を制御
され、その駆動制御により、このキャリア95が一定の
移動範囲内において製紐に必要な所定の経路に沿って駆
動されるものである。
【0050】次に、図12ないし図14を参照し、図1
及び図4(A)のフィッティング材用プリフォーム1を
製紐する過程について説明する。図14(A)〜(D)
は、図4(A)の支持環4を構成する突環状支持部3の
頂点d及び板状固定部2の中点cを製紐開始位置として
製紐を行う場合の工程進行図である。同図(A)は、図
12の製紐機に糸束50A,50Bを仕掛けた製紐開始
時の状態を示すもので、先ず、突環状支持部3と板状固
定部2を構成するための糸束50A,50Bとを別々に
張設した2組の製紐準備枠56を準備し、これらの製紐
準備枠の上部糸配列枠57A,57Bの軸60を装置本
体の糸懸垂用チャック72A,72Bに把持させたの
ち、それぞれの糸配列準備板58を取り外し、下部の糸
配列枠のフック58に係留されている糸の係留用ループ
65を装置本体の糸束駆動装置90に設置されているキ
ャリア95のフック96へ、行・列の配置を乱すことな
く順次移し変え、糸束50A,50Bを装置本体に懸垂
させる。この状態で、糸束50A,50Bの組織開始位
置となる中点の位置を、糸束位置決めチャック75A,
75Bで拘束する。
【0051】このような状態において、図14(A)及
び図4(A)からわかるように、先ず、突環状支持部3
の頂点dより板状固定部2に合体する一方の分岐・合体
部分5に至る部分3aと、板状固定部2の中央の中点c
より突環状支持部3に会合する上記一方の分岐・合体部
分5に至る部分2aとを、同時にまたは段階的に、所要
の組織と形状の繊維組織体に製紐する。次に、図14
(A)(B)に示すように、突環状支持部3と板状固定
部2との組み口h,h’を、組み口位置調節具80に取
付けた組み口調節ジグ81で同一レベルに合わせて、組
み口h,h’の糸束50A,50Bをそれぞれに会合・
合体させ、そのうえで、板状固定部2を図7の端部組織
準備位置q−q’に至るまで製紐する。組み口位置調節
具80の構成及び作用については、図16を参照して後
述する。
【0052】糸束50A,50Bの会合・合体に際して
は、その会合の位置において、突環状支持部3の部分3
aと板状固定部2の部分2aとの組織を構成する糸の全
てまたは大半部が、図6により説明した分岐基準面Pを
通って反対側に位置するよう組織させる。このようにし
て製紐することにより、分岐部分の引き裂き強度の高い
一体構造のフィッティング用プリフォームを得ることが
できる。また、突環状支持部3及び板状固定部2の各部
の太さや断面形状は、製品に要求される形状上及び機械
的機能によって定められるが、支持環4にはめる支持補
助片8の保持機能を高めるために、突環状支持部3及び
板状固定部2の断面を凸形または凹形にし、支持補助片
8の外周面をこれに沿う凹凸状に形成することもでき
る。
【0053】板状固定部2を図7の端部組織準備位置q
ーq’に至るまで製紐したのち、係留用部材52におい
て糸ループ51aの形成に用いた微小止め管60をベラ
針61の先端に近い位置に移し、糸収容管62に収容さ
れている糸51の端部を板状固定部2の組織の外に出し
た状態で、図14(B)に示すように、双糸状となって
いる折り返し糸で端部組織準備位置qーq’より板状固
定部2の最端部までを製紐する。続いて、板状固定部2
の最端部近傍を組織端把持チャック84Aまたは84b
で把持した状態で、係留用部材52における糸ループ5
1aのループ端をベラ針61のフックから外し、続い
て、微小止め管60を糸ループから外し、図8により説
明した折り返し糸の隣接するループ(図8及び図9のル
ープ36b)に通した糸51の開放端を、組織端処理装
置85により順次引っ張って、隣接する糸端を縛束す
る。
【0054】上記のように、一方の板状固定部2の最端
部まで組織したのち、図13及び図14(C)に示すよ
うに、糸束50A,50Bを懸垂している糸配列枠57
A,57Bを製紐機の糸懸垂用チャック72A,72B
から取り外し、糸束50A,50Bの未組織側が下方
に、組織側が上方になるように反転させ、製紐した板状
固定部2の最端部を連結軸89を介して連結した糸懸垂
用チャック72Bに連結する糸配列枠57B’に把持さ
せ、一方、糸配列枠57Bに係留していた糸張力調整体
64の係留用ループ65は製紐機本体のキャリア95の
フック96に移し変えて再係留する。また、糸束50A
の下部に位置するようになった糸配列枠57Aは、糸束
ホルダー77Aで保持して、板状固定部2を製紐する
間、一時的に退避させた状態にする。上記係留用ループ
65のフック96に対する移し変えは、糸配列を乱さな
いようにして糸配列枠57Bを反転させたときの糸の配
列状態に準じて行う。この状態で、装置本体のキャリア
95を製紐する組織に対応するよう駆動し、板状固定部
2の反対側を製紐する。
【0055】次に、図13及び図14(D)に示すよう
に、糸束50Bに連係している糸張力調整体64の係留
用ループ65を製紐機本体のキャリア95のフック96
から外し、糸の配列順序を保った状態で、糸係留用補助
具87Bのニッパー88Bに一時的に退避させ、糸束ホ
ルダー77Aに退避させていた突環状支持部3の製紐用
の糸配列枠57Aの糸をキャリア95のフック96に係
留し直して、所要長に製紐する。その後、前記と同じ手
順で板状固定部2を製紐し、最後に板状固定部2の最端
部を伏止め組織する。
【0056】上記の製紐手順では、突環状支持部3また
は板状固定部2の製紐の間、一方の糸束を退避させる場
合について例示したが、製紐用の糸に連係する糸張力調
整体64から補助的糸を送出し、その糸の巻き取りを可
能とする機能を備える手段を講じることにより、複数の
糸束を製紐機本体のキャリア95のフック96に同時に
係留して製紐した場合のキャリア95の干渉を避けるこ
とができるので、一方の糸束を退避させることなく、上
述した糸束反転後における糸配列枠から製紐機のキャリ
ア95のフック96への糸の移し替えを同時に行うこと
もできる。
【0057】次に、上記プリフォームの組織端の伏止め
処理において、図7における端部組織準備位置qーq’
から板状固定部35の最端部35aに至るまでの製紐に
際して、選択した一部の糸36を折り返さない単糸の状
態として板状固定部の最端部35aまでを組織すること
により、双糸状に折り返すことによる過度の太さの変化
を避ける場合の製紐手順を示す。この場合には、図14
(B)の製紐工程において、端部組織準備位置q−q’
まで製紐した段階で、製紐される糸51の微小止め管6
0をベラ針61の先頭に近い位置に移動させて、折り返
し糸51aの折り返しを解除することにより、糸51を
折り返しのない一本の糸の状態にし、この糸が係留され
ている糸束駆動装置90のキャリア95を停止状態に
し、折り返し糸51aが係留されている糸束駆動装置9
0のキャリア95を駆動させることによって、上記の折
り返しのない糸が組織体の中央に芯状に位置し、その外
側を折り返しのある糸が鞘状に包んだ組ひも組織とする
ことができる。製紐される組織体の中央部に位置して芯
状となる糸と組織体の外側を構成する糸との構成比率を
変えることにより、製紐される組ひも組織体の太さを調
節することができる。組織体の中央部に位置して芯状と
なる糸と組織体の外側を構成する糸との構成比率は、製
紐するプリフォームの形状、及びこれを製紐に際して採
用する組織によって定められる。
【0058】次に、プリフォームの組織端の処理におい
て、双糸状に折り返すことによる過度の太さの変化を避
けるために、単糸状で折り返しのない状態の糸と双糸状
で折り返された状態の糸を混在させて、これらを互いに
組み、端部組織準備位置qーq’より板状固定部の最端
部までを製紐する場合の手順を示す。この場合には、端
部組織準備位置q−q’において、プリフォームの板状
固定部35の最端部35aにおいて最端部の外縁部を形
成する糸51と、最端部で中央部に位置させる糸51と
を予め選定し、中央部に位置させる糸51の微小止め管
60をベラ針61の先頭に近い位置に移動させて、折り
返し糸51aの折り返しを解除することにより、糸51
を折り返しのない状態にして、端部組織準備位置q−
q’に至るまでと同じ手順で端部までを製紐する。
【0059】この製紐ののち、外縁部に位置する折り返
し糸のループ(図7の36b)を隣接する折り返し糸の
ループに通して絡ませ、端部組織準備位置q−q’にお
いて組織の外に出ている折り返し糸の先端を引っ張って
縛り目を形成する。折り返さずに一本の糸の状態で組織
端の中央部に位置する糸は、組織端の外縁部に位置する
折り返し糸のループによる組織化(縛り目の形成)によ
って、中央に位置したまま結束される。なお、プリフォ
ームの最終端の外縁部を形成する糸を端部組織準備位置
q−q’において予め特定することは、組ひも組織の規
則性の吟味により容易に可能である。
【0060】上述したフィッティング用プリフォームを
構成する組ひも組織体の形成は、角台などの伝統的組ひ
も機を使用して実現することができるが、次に説明する
ように、組ひも組織を得るために必要な糸の選択的移動
を機械的に行う製紐方法、即ち、特許第1,700,9
03号(特公平3ー64621号:不等断面立体織物の
製織方法)や、特許1,713,985号(特公平3ー
79461号:ビーム状複合材料のための強化用三次元
織物及びその製造方法)として知られている技術を利用
して、それを実現することもできる。
【0061】ここで、図16を参照して、前記組み口位
置調節具80の概要について説明する。この組み口位置
調節具80は、分岐して製紐された突環状支持部3と板
状固定部2とを会合・合体させて、幹部となる板状固定
部を製紐するに際し、両者の組み口h,h’を同一のレ
ベルに近接させるためのもので(図14(A)、(B)
参照)、内蔵するモーター(図示しない)に取付けた歯
車を、機枠70に支持させた移動枠82に設けられてい
るラック82aに噛合させることにより、該移動枠82
に沿って上下に移動可能とし、また、内蔵するモーター
の駆動系統を切り替えることにより、これに連動する組
み口調節ジグ81を円弧状(または直線状)の軌道に沿
って移動させるよう構成している。これにより、分岐部
における2本の組ひも組織体のうち、長い方の組織体
(突環状支持部の部分3a)を組み口調節ジグ81で支
えて、双方の組み紐組織体の組み口h,h’が同一レベ
ルで近接するよう組み口調節ジグ81の位置を移動さ
せ、両分岐部の組ひも組織を合体させた組織体として製
紐することができる。
【0062】また、図17には、端部組織準備位置(図
7のq−q’)において組織外に出ている折り返し糸3
6aの端を引っ張る組織端処理装置85の具体的な構成
例を示すものである。この組織端処理装置85は、機枠
70の複数位置に設け、組織端把持チャック84Aまた
は84Bと共動して、組ひも組織体の周囲の組織外に出
ているいずれの折り返し糸36aの端をも引っ張れるよ
うにしたもので、主として、先端に糸を把持するための
溝102を備えた糸端巻付けロッド101と、その糸端
巻付けロッド101を支え、これに回転と前後動を与え
る駆動源を内装した糸端巻付けロッド駆動部103と、
この糸端巻付けロッド駆動部103を上下に移動させる
ための駆動機構を備えた処理装置駆動部104から構成
され、装置本体の機枠70に横移動自在の移動枠86に
取り付けられている。この組織端処理装置85は、組織
端把持チャック84Aまたは84Bに端部を把持された
組織体の組織外に出ている折り返し糸36aの先端を、
糸端巻付けロッド101の先端に設けた溝102の部分
に導いて、これを巻付けることにより把持させ、糸端巻
付けロッド101を組織端処理装置駆動部104によっ
て回転または上部に引き上げることにより、折り返し糸
36aを引き抜き、折り返し糸のループを閉じることに
より、組織端の伏止め処理を行うものである。
【0063】次に、図18(A)〜(C)に示す工程進
行図によって、図1のフィッティング用プリフォーム
を、前記第2の方法により、図4(B)に示すように、
その一端から組み始め、他端に至るよう製紐する手順に
ついて説明する。先ず、製紐前糸処理については、一端
に前述した図10(A)の係留用部材52を取付けた所
要数の糸51、即ち、図1の板状固定部2と突環状支持
部3の製紐用として必要な本数の糸51の各他端に同図
(B)の係留用部材54を取付け、これらの糸51の端
部の係留用ループ65及び糸の折り返し部分51bを、
図11(B)の製紐準備枠56における糸配列枠57に
配置して、糸束50を準備する。
【0064】製紐に際しては、製紐準備枠56(図11
(B))の上部糸配列枠57の軸60を製紐機本体の糸
懸垂用チャック72に把持させたのち、製紐準備枠56
の糸配列準備板58を取り外し、下方の糸配列枠57の
フックに掛けている糸51の下端の係留用部材52の係
留用ループ65を製紐機本体における糸束駆動装置90
のキャリアのフック96に移して、糸張力調整体64を
介した状態で糸束50を懸垂する。次いで、糸束50の
組織開始位置となるループ状の折り返し部分51bの糸
配列枠57側の位置を糸束位置決めチャック75で拘束
し、糸束50のループ状の折り返し部分51bにより、
図18の(A)に示すように、組ひも組織体の端部から
端部組織準備位置q−q’に相当する長さの板状固定部
2を所要の形態と組織に製紐する。
【0065】次に、図10(B)に示す微小管66及び
糸収容管67を糸51から外し、折り返されて糸収容管
67に収容されている糸の部分が組織外に出るようにし
て、端部組織準備位置q−q’から先の分岐・合体部分
までを所要の形態と組織に製紐したのち、図18(B)
に示すように、未製紐の糸束50をフイッティング用プ
リフォームの突環状支持部3及び板状固定部2の太さの
比に応じた糸数の糸束50A,50Bに配分し、これに
より突環状支持部3を板状固定部2より分岐して、それ
らのうち、フイッティング用プリフォームの支持環4を
構成する長い方の突環状支持部3用糸束50Aを先に製
紐し、続く板状固定部2の製紐に際して、製紐した突環
状支持部3を組み口調節ジグ81によりそれと干渉しな
い位置に退避させたのち、該板状固定部2を構成する糸
束50Bを製紐する。上記突環状支持部3及び板状固定
部2の太さの比に応じた糸数の配分に当たっての糸51
の移動には、糸51を所要の位置のキャリアのフック9
6に掛け直して行ってもよく、また、キャリアを移動さ
せることで行ってもよい。分岐部分の製紐に際しては、
突環状支持部3及び板状固定部2のそれぞれを構成する
糸の全てまたは大半部を、分岐基準面P(図6)の反対
側より採取し、更に、上記反対側の組織の外縁部を構成
する糸の一部を含めて採取するのが望ましい。
【0066】所要長の板状固定部2を製紐したのち、各
分岐部分の組み口h,h’を同レベルの位置にし、糸束
50Aと糸束50Bとを合体して、他方の板状固定部2
の端部組織準備位置q−q’に至るまでの部分を製紐す
る(図18(C))。分岐部分を合体して板状固定部2
を製紐するに際し、糸の全てまたは大半部が分岐基準面
Pの反対側に位置するように組織し、更に、分岐基準面
Pの反対側に導いた糸の一部を、その組織外縁部を構成
する糸に含ませるのが望ましいことは、前述した場合と
同様である。上記端部組織準備位置q−q’に至るまで
製紐したのち、糸51のループ形成に用いた微小止め管
60をベラ針61の先頭に近い位置に移し、糸収容管6
2に収容されている糸51の端部を板状固定部2の組織
の外に出した状態で、双糸状となっている糸で、端部組
織基準位置q−q’より板状固定部2の最端部までを製
紐する。続いて、製紐した端部近傍を組織端把持チャッ
ク(図12の84A,84Bに相当)で把持した状態
で、糸ループ51aをベラ針61のフックから外すと共
に微小止め管60を外し、隣接する糸のループを通した
糸より順次その開放端を引っ張って、隣接する糸端を互
いに縛束し、板状固定部2の端部をほどけないように伏
止め組織する。
【0067】板状固定部2の端部の組織化が終わった上
記プリフォームは、糸懸垂用チャック72の把持を開放
して、糸配列枠57が下方になるようにプリフォームを
反転し、上端を糸懸垂用チャック72で把持してプリフ
ォームを懸垂した状態で、製紐開始端側の板状固定部2
の端部の組織化を、上記と同様の手順で行う。上述した
フイッティング用プリフォームの形成を、角台などの伝
統的組ひも機を使用し、あるいは、前述したところの、
組ひも組織を得るために必要な糸の選択的移動を機械的
に行うようにした製紐方法を利用できるのは勿論であ
る。
【0068】次に、図3及び図5(A)に示すように、
一つの突環状支持部23を板状固定部22の一端に連設
したプリフォームを、該プリフォームの組織上の対称性
が得られるように製紐する手順を、図19(A)〜
(C)によって説明する。先ず、フイッティング用プリ
フォームの突環状支持部23を構成する必要本数の糸5
1からなる糸束50を、それらの両端に図10(A)の
係留用部材52を連結した状態にして、製紐準備枠56
の糸配列枠57間に準備し、これらの製紐準備枠から糸
束50を糸配列枠57と共に取り外し、図19(A)に
示すように、糸束50の一端を糸配列枠57を介して製
紐機本体の糸懸垂用チャック72に保持させ、もう一方
の側を製紐機本体の糸束駆動装置90のキャリアのフッ
ク96に糸張力調整体64を介して取付け、糸束50を
製紐機本体に懸垂させる。次いで、糸束50の組織開始
位置となる該糸束の中点を糸束位置決めチャック75で
拘束し、突環状支持部23の長さの半分に相当する突環
状支持部23の頂点dから組み口hまでを所要の形状、
組織に製紐する。
【0069】上記製紐を完了したのち、図19(B)に
示すように、製紐した突環状支持部23の組み口hを組
み口ほつれ防止ジグ108で拘束した状態で、糸束50
の上下を反転させるために、製紐機本体の糸束駆動装置
90のキャリアのフック96に糸張力調整体64を介し
て係留させた糸束50の下端を、上記フック96に配列
されている配列順序を維持した状態で、前記糸配列枠5
7’へ戻し、糸懸垂用チャック72に掴んでいる糸配列
枠57を、糸束50の下端を掛け直した糸配列枠57’
と取り替えて糸懸垂用チャック72に保持させ、更に、
下側に位置させた糸配列枠57に係留させている糸の係
留用ループ65を、製紐機本体の糸束駆動装置90のキ
ャリアのフック96に移しかえて、糸束50を反転させ
た状態に再係留する。この状態で、組み口(前記組織開
始位置に対応)を糸束位置決めチャック75で拘束し、
糸束駆動装置90を駆動して、前記で製紐した突環状支
持部23に対応する頂点dから組み口hまでを所要の形
状、組織に製紐する。
【0070】次に、図19(C)に示すように、糸懸垂
用チャック72に掴まれている糸配列枠57’を外し、
突環状支持部23として製紐した部分を環状部支持ジグ
109に支持した状態で、両端の組み口hを同レベルに
合わせ、糸束50の両端を合体し、それらの糸端を糸束
駆動装置90のキャリアのフック96に係留して、板状
固定部2を端部組織準備位置q−q’に至るまで製紐す
る。糸束50の両端の会合・合体に際し、その合体部分
において、突環状支持部23を構成する糸の全てまたは
大半部が板状固定部2の分岐基準面P(図6)を通って
反対側に位置するように組織し、更に、分岐基準面Pの
反対側に導いた糸の一部を、概反対側の組織内において
組織外縁部を構成する糸に含ませるのが望ましい。この
ようにして製紐することにより、分岐部分の引き裂き強
度の高い一体構造のフイティング用プリフォームを得る
ことができる。
【0071】板状固定部2を端部組織準備位置q−q’
まで製紐したのち、係留用部材52において糸51のル
ープ形成に際して用いた微小止め管60をベラ針61の
先頭の近くに移し、糸収容管62に収容されていた糸5
1の端部を板状固定部2の組織の外に出した状態で、双
糸状となっている折り返し糸で、端部組織基準位置q−
q’より板状固定部2の最端部までを製紐する(図19
(C))。続いて、板状固定部2の最端部近傍を組織端
把持チャックで把持した状態で、糸のループ端をベラ針
61のフックから外し、微小止め管60を取り外して、
隣接する糸のループ端を順次通した糸の開放端を引っ張
って、隣接する糸端を互いに縛束し、板状固定部2の最
端部をほどけないように組織する。
【0072】次に、図3及び図5(B)に示すように、
一つの突環状支持部23を板状固定部22の一端に連設
したプリフォームを、該プリフォームの組織上の対称性
を得ずに簡易に製紐する方法の手順を、図20の(A)
(B)によって説明する。この場合も、先ず、フイッテ
ィング用プリフォームの突環状支持部23を構成する必
要本数の糸51からなる糸束50を、それらの両端に図
10(A)の係留用部材52を連結した状態にして、製
紐準備枠56の糸配列枠57間に準備し、これらの製紐
準備枠から糸束50を糸配列枠57と共に取り外し、図
20(A)に示すように、糸束50の一端を糸配列枠5
7を介して製紐機本体の糸懸垂用チャック72に保持さ
せ、もう一方の側を製紐機本体の糸束駆動装置90のキ
ャリアのフック96に糸張力調整体64を介して取付
け、糸束50を製紐機本体に懸垂させる。次いで、糸束
50の中点より、突環状支持部23の周長の1/2に相
当する距離だけ糸配列枠57側にずらした糸束50の位
置を、糸束位置決めチャック75で拘束し、その拘束位
置を糸束50の組織開始位置として、突環状支持部23
の全長に相当する長さを、所要の形状、組織に製紐す
る。
【0073】上記製紐を完了したのち、図20(B)に
示すように、糸懸垂用チャック72に掴まれている糸配
列枠57を外し、突環状支持部23として製紐した部分
を環状部支持ジグ109に支持した状態で、突環状支持
部23の製紐開始位置の組み口hと突環状支持部23の
製紐終了位置である組み口hとを同レベルに合わせ、糸
束50の両端を合体し、糸束50の両糸端を糸束駆動装
置90のキャリアのフック96に係留して、板状固定部
22を端部組織準備位置q−q’に至るまで製紐する。
糸束50の両端の会合・合体に際し、その合体部分にお
いて、突環状支持部23を構成する糸の全てまたは大半
部が板状固定部2の分岐基準面P(図6)を通って反対
側に位置するように組織し、更に、分岐基準面Pの反対
側に導いた糸の一部を、概反対側の組織内において組織
外縁部を構成する糸に含ませるのが望ましい。板状固定
部2を端部組織準備位置q−q’まで製紐したのち、双
糸状に折り返した糸で製紐し、続いて、その板状固定部
2の最端部を伏止め組織とするのは、前記実施例の場合
と同様である。
【0074】次に、複数の支持環を有する第2実施例
(図2)のフイッティング材用組ひも組織プリフォーム
12を前記第1の方法で製紐する工程を、図21〜図2
3によって説明する。先ず、製紐前糸処理は、各糸51
の両端に前記図10(A)に示す係留用部材52を取付
け、図12〜図14によって説明した場合と同様にして
製紐機本体に懸架するが、この場合には、上記所要数の
糸51によって構成される糸束を、フイッティングの突
環状支持部13及び板状固定部12の断面積に見合った
本数からなる3組の糸束、即ち、突環状支持部用2組
(111a,111b)と、板状固定部用1組(11
2)として準備する。次に、図21(A)(B)に示す
ように、準備した各糸束111a,111b,112
を、それぞれ、製紐機本体の糸束駆動装置90における
キャリア移動域a11(糸束111a用領域)、a12(糸
束111b用領域)、a2 (糸束112用領域)に位置
させて、各糸束の下端をキャリアのフック96に係留さ
せ、各糸束の上端は、それぞれ個別的に糸配列枠115
a,115b,116に係留させ、これらの糸配列枠を
介して、それぞれ個別的に製紐機本体の糸懸垂用チャッ
ク72に懸垂配設する。(図21(A)において糸束1
11bは糸束111aの背後にある。)上記キャリア移
動域a11,a12及びa2 は、製紐される組ひも組織体
(プリフォーム)の部位の形状と組ひも組織に応じて、
製紐機本体の糸束駆動装置に設けられているキャリアの
移動範囲及び移動軌道が特定された領域を意味してい
る。
【0075】図22(A)〜(C)は、複数の支持環を
有する第2実施例のプリフォームを製紐する場合の前段
の工程の進行状態を、図23(A)(B)はその後段の
工程の進行状態を示すもので、製紐に際しては、図21
に示すように、上記糸束の最初の組み始め位置となる中
点を、糸束位置決めチャック118で拘束し、支持環1
4となる突環状支持部13の頂点d及び板状固定部12
の中点cを製紐開始位置として(d,cは図4(A)の
場合と同位置)、図22(A)に示すように、二つの突
環状支持部13用の糸束111a,111bと、一つの
板状固定部12用の糸束112とを、同時にまたは別々
に、所要の組織と形状の繊維組織体に製紐する。
【0076】次に、図22の(B)に示すように、各糸
束111a,111b,112をそれらの組み口h11
12,h2 においてそれぞれに会合・合体させ、合体し
た板状固定部12を端部組織準備位置q−q’に至るま
で製紐する。図中の組み口調節ジグ81は、上記3組の
糸束の合体に際して、組み口のレベルを合わせるためも
のである。糸束111a,111b,112の会合・合
体に際しては、その会合の位置において、二つの突環状
支持部13及び板状固定部12を構成する組織の全てま
たは大半部がの分岐基準面P(図6)を通って反対側に
導出されるよう組織し、更に、その反対側に導出した糸
が該反対側の組織の外縁部を構成するように組織するの
が望ましい。これにより、分岐・合体部分の引き裂き強
度の高い一体構造のプリフォームを得ることができる。
【0077】板状固定部12を端部組織準備位置q−
q’に至るまで製紐したのちには、糸51のループ形成
に際して用いた微小止め管をベラ針61の先端に近接し
た位置に移し、糸収容管62に収容されていた糸51の
端部を組織の外に出した状態で、双糸状となっている折
り返し糸により端部組織基準位置q−q’より板状固定
部の最端部までを製紐する(図22(C))。続いて、
平面状支持部の端部近傍を組織端把持チャック(図12
の84A,84Bに相当)で把持した状態で、糸ループ
51aをベラ針61のフックから外し、隣接する糸のル
ープ端を通した糸の開放端を順次引っ張って、隣接する
糸端を互いに縛束する。
【0078】このように、一方の板状固定部をその最端
部まで組織したのち、糸束111a,111b,112
を懸垂している糸配列枠115a,115b,116を
製紐機本体から取り外し、糸束111a,111b,1
12の未組織側が下方に、組織側が上方になるよう反転
させて、図23(A)に示すように、既に製紐した板状
固定部側を糸懸垂用チャック72で把持し、それを製紐
機本体の昇降軸73に連結軸89を介して連結すると共
に、糸配列枠115a,115b,116に係留されて
いた糸51の糸張力調整体64の係留用ループ65を、
製紐機本体のキャリアのフック96に、前記キャリア移
動域a11,a12,a2 に対応させて移し変え、再係留す
る。そのうえで、二つの突環状支持部13の組み口
11、h12の近傍を組み口調節ジグ81で支え、板状固
定部12の中点cよりそれが突環状支持部13に会合す
る部分までと、突環状支持部13の中点dよりそれが板
状固定部12に会合する部分までとを、同時に、または
別々に所要の組織、形状に製紐する。
【0079】上記の糸束111a,111b,112の
移し替えは、各組口における糸51の配列状態を維持す
るよう糸を乱さずに糸配列枠115a、115b、11
6を反転させたときの糸の配列状態に準じて行う。ま
た、移し替えるキャリア移動域a11,a12,a2 とし
て、キャリア95の運行に関係しない領域a0 を設定す
ることができる。この領域a0 の設定は、組み口調節ジ
グ81の位置と関連して、組み口調節ジグ81に支えら
れる位置近傍の突環状支持部13の組み組織の変形等の
障害の防止に寄与するものである。
【0080】複数の支持環を有する第2実施例(図2)
のフィッティング材用組ひも組織プリフォーム12を、
組ひも組織に対称性を付与せず簡易型の製紐手順である
第2の方法によって製紐する場合は、一端に前述した図
10(A)の係留用部材52を取り付け、他端に同図1
0(B)の係留用部材54を取り付けた糸51を所要
数、即ち、図2の板状固定部2と2個の突環状支持部1
3、13’の製紐用として必要な糸本数の繊維束50を
係留用部材54側を上部にして、糸配列枠を介して装置
本体の糸懸垂用チャック72に一体的に懸垂配設して、
単数の支持環を有する第1実施例における図18(A)
〜(C)について既に詳述した製紐動作に沿って、一方
の板状固定部を端部より製紐し、これを分離させて複列
の突環状支持部とこれに並列する板状固定部の部分を製
紐して、これらを合体してもう一方の側の板状固定部を
製紐した後、両端の端部を伏し止め状に組織して緊締す
る。次に、組み口調節ジグ81の位置調整を行って、上
記三組の糸束の組み口h11,h12,h2 のレベルを合わ
せ、突環状支持部13の組み口h11及びh12と、板状固
定部12の組み口h2 の糸束111a,111b,11
2をそれぞれ会合・合体させ、それらが合体した板状固
定部12を端部組織準備位置q−q’に至るまで製紐し
たのちは、双糸状に折り返した糸で製紐し、そのうえ
で、前述した場合と同様にして、板状固定部の最端部を
伏止め組織とする(図23(B))。
【0081】フイッティングにおいては、軸やピン等の
被支持物を支承する部分(突環状支持部3,13,2
3)と取付け部分(板状固定部2,12,22)との間
は、強度上の最適設計に基づいて、デルタ形状に製作さ
れているものが多い。上記の第1及び第2実施例では、
軸やピン等の被支持物を直接支持する部分に、デルタ形
状の支持補助片8,18を用い、それを突環状支持部
3,13と板状固定部2,12とから構成される支持環
4,14に嵌合した構造を示しているが、次に、デルタ
形状の支持補助片を用いずに、組ひも組織のみでデルタ
状部を有する第4実施例のプリフォームを得る方法につ
いて詳述する。図24(A)には、上記組ひも組織から
成る第4実施例のフイッティング材用プリフォームの構
成を示す。また、図24(B)は、上記構成を有するフ
イッティング材用プリフォームを製紐する際の製紐の方
向を矢印によって示すものである。図25(A)〜
(D)には製紐の手順を示す。この第4実施例のプリフ
ォーム121は、前記各実施例のものと比較して形状に
差異があるが、それらの実施例と同様に、板状固定部1
22と、該板状固定部により支持される突環状支持部1
23とを備え、これにより支持孔129を囲む支持環1
24を構成し、それらが多数の糸により一体構造の組ひ
も組織として構成されている。
【0082】上記プリフォーム121の製紐に際して
は、先ず、突環状支持部123の頂点dの断面積に見合
った構成数の糸51の両端に、図10(A)に示した係
留用部材52を連結し、糸端の係留用ループ65を製紐
準備枠56における一対の糸配列枠57間に係留した糸
束50を準備する。次に、この糸束50を糸配列枠57
と共に製紐準備枠56から取り外し、糸束50の一端を
糸配列枠57を介して製紐機本体の糸懸垂用チャック7
2側に、もう一方の側を製紐機本体の糸束駆動装置90
におけるキャリアのフック96に糸張力調整体64を介
して繋げた状態で懸垂する。上記の状態で、糸束50の
組織開始位置となる該糸束の中点を糸束位置決めチャッ
ク75で拘束して、突環状支持部123の頂点dから支
持環124内に形成される支持孔129に沿って断面積
が変わらない部位123aを、内部の未組織の糸が芯糸
として外周の組み組織によって包まれる芯−鞘状構造
(図26参照)に、即ち、糸束50を構成する糸51の
一部を芯糸とし、一部を組み組織用として製紐する。続
いて、断面積が変化する突環状支持部123の支持孔1
29の底部gまでの部位123bを、図26及び図27
によって以下に説明するように、断面積の増分に応じ
て、順次追加糸を組み組織の部分に加えて製紐する。
【0083】図26は、上記部位123bにおいて、断
面積の増分に応じて、鞘糸kと芯糸mに追加糸nを順次
加えて製紐する方法を説明するためのもので、並列して
鞘糸kに包まれている芯糸mと、既に製紐されている部
位に支えられている支持ピン131に掛けることにより
それに追加した追加糸nとが、順次、組ひも組織に組み
込まれることにより、部位123bの断面が拡大され
る。
【0084】図27の(A)(B)は、上記追加糸nの
追加方法、即ち、追加糸を製紐中の組み口に固定する方
法の一例を具体的に示すものである。この追加糸nの追
加に際して用いる追加糸支持具130は、図27(B)
に示すように、所要数の追加糸nを掛ける支持ピン13
1と、その両端を支える一対の対向するピンホルダー1
32と、そのピンホルダー132に穿設したピン孔13
3を通して既に製紐されている部位の組織体に刺入する
固定用ピン134を備えたもので、同図(A)に示すよ
うに、組織体の追加糸nを追加すべき位置で、所要数の
追加糸nを掛けた支持ピン131を支える一対のピンホ
ルダー132を、既に製紐されている部位の組織体の外
側に添うように配置し、そのピン孔133を通して固定
用ピン134を貫通させることにより、組み口Hに追加
糸nを掛けた支持ピン131を挿入、固定し、製紐域に
追加糸を挿入することができる。上記追加糸支持具13
0は、追加糸を組み口に位置する他の糸と組織したのち
に抜き取られる。上記追加糸支持具130を用いること
による追加糸組み込みの動作は、上記の部位123bに
おける断面の増分に応じて、部位123bの製紐の進行
に伴って形成される新規の組み口に支持具130の位置
を順次移して行われる。上述した実施例においては、組
み組織の断面の拡大に際して、芯糸と追加糸を併用した
が、組み組織断面の拡大割合が比較的小さい場合には、
芯糸または追加糸のいずれか一方を選択しても良い。
【0085】上述した追加糸nを追加しながら製紐する
突環状支持部123の部位123bは、該突環状支持部
123の部位123aと123bの長さの和が、支持孔
129の周の1/2に相当する長さになるまで、即ち、
支持孔の底部gの位置に対応する組み口h1 まで製紐す
る(図25(A))。次に、組み口h1 の糸束を組織支
持チャック140で拘束した状態で、製紐機本体の糸束
駆動装置90のキャリアのフック96に糸張力調整体6
4を介して繋げた糸束50の下方端を、該フック96で
の配列順序を維持した状態で、前に取り外した糸配列枠
57と類似の構造を有し、追加糸の増分にも対応できる
糸把持数を備えた糸配列枠57aへ戻す。また、糸懸垂
用チャック72に掴持させている糸配列枠57と、糸束
の下端を掛け直した上記糸配列枠57aとを取り替え
て、糸配列枠57aを糸懸垂用チャック72に掴持さ
せ、糸束50を反転させて懸垂し、下側に位置させた糸
配列枠57に係留されている糸束を、製紐機本体の糸束
駆動装置90のキャリアのフック96に移しかえて再係
留する。
【0086】この状態で、糸束50の組織開始位置とな
る該糸束の中点(前記突環状支持部123の組織開始位
置に対応)を糸束位置決めチャック75で拘束して、糸
束駆動装置90を駆動し、先に製紐した突環状支持部1
23の部位123a及び123bに対向する反対側の突
環状支持部123の部位123a’,123b’を、頂
点dから組み口h1'まで、所要の形状、組織に製紐する
(図25(B))。次に、糸懸垂用チャック72に掴ま
れている糸配列枠57aを外し、図25の(C)に示す
ように、突環状支持部123として製紐した各部位12
3a,123b,123a’,123b’を、製紐中に
プリフォーム121の支持と支持孔129の整形との作
用を兼ね備えた支持用ジグ141に支持した状態で、糸
束の各糸端を糸束駆動装置90のキャリアのフック96
に連結し、それぞれの組み口h1 、h1'を同レベルに合
わせ、糸束を合体すると共に必要に応じて追加糸を加え
ながら、板状固定部122の連結部122aを製紐す
る。
【0087】上記連結部122aにおける糸束の両端の
合体に際しては、その合体の位置において、突環状支持
部123の部位123b及び123b’を構成する糸の
全てまたは大半部が、分岐基準面Pを通って反対側に位
置するように組織し、その際、更に、分岐基準面Pの反
対側に導いた糸の全部または一部を、該反対側の組織内
において組織外縁部を構成する糸に含ませるのが好まし
い。このようにして製紐することにより、支持孔129
の底部gにおける引き裂き強度の高い一体構造のフイテ
ィング用プリフォームを得ることができる。図25
(D)に示すように、製紐機本体の糸束駆動装置90の
駆動により板状固定部122を端部組織準備位置q−
q’に至るまで製紐したのちは、板状固定部122の最
端部を伏止めするが、この伏止めは、前記実施例の場合
と同様にして行うことができるので、ここではその説明
を省略する。
【0088】以上に詳述した第1〜第4実施例のプリフ
ォームにおいて、板状固定部はいずれも平板状にした場
合を示しているが、これらはフィッティングを取り付け
る対象物の形状に応じて曲面板状に湾曲させ、あるい
は、端部をL字形に湾曲させたりT字状に分岐させるな
ど、適宜形状に形成することができ、さらに、金属製の
金具等に連結するため、角柱状、円柱状等に形成し、対
象物への固定も前記ボルトを用いる場合に限るものでは
なく、かしめや接着等の手段を用いることもできる。
【0089】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の組ひも組織プリ
フォーム及びその製造法によれば、従来の金属材料より
も一層軽量で、強度、靱性の高い繊維強化複合材料製の
フィッティングを成形する組ひも組織プリフォーム及び
その製造法を提供することができ、特に、強度の優れた
繊維をフィッティングの各部位に要求される性能に合わ
せて所要の方向に配列させたところのフィッティングを
得ることができると共に、複雑な最終形状に近い形に直
接製紐(ニアネットシェープ)することが可能になる。
また、上記フィッティングを組ひも組織により形成する
に際し、伏止め組織の利用により、その板状固定部の組
ひも組織をボルト等による固定に対応できる十分な強度
を有するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の組ひも組織プリフォーム
を用いて成型したフィッティングの概要を示す斜視図で
ある。
【図2】同第2実施例のプリフォームを成型したフィッ
ティングの概要を示す斜視図である。
【図3】同第3実施例のプリフォームを成型したフィッ
ティングの概要を示す斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は、第1及び第2実施例のプ
リフォームの製紐の方向性についての説明図である。
【図5】(A)及び(B)は、第3実施例のプリフォー
ムの製紐の方向性についての説明図である。
【図6】(A)及び(B)は、組ひも組織プリフォーム
における糸の分岐・合体部分の組織についての説明図で
ある。
【図7】板状固定部の組織端近傍の製紐組織例を示す部
分平面図である。
【図8】同要部拡大説明図である。
【図9】(A)及び(B)は、板状固定部の端部の組織
例を示す端面図である。
【図10】(A)は製紐機に仕掛けるために糸端に係留
用部材を取付けた状態を示す平面図、(B)は他の係留
用部材を取付けた状態の平面図である。
【図11】(A)製紐準備枠における係留用部材の斜視
図、(B)は多数の糸に係留用部材を取付けてなる糸束
を製紐準備枠に装着した状態を示す斜視図である。
【図12】プリフォームの製紐開始時の状態を示す製紐
機の概略的構成図である。
【図13】上記製紐機による製紐中の状態を示す概略的
構成図である。
【図14】(A)〜(D)は、上記製紐機により第1実
施例のプリフォームを対称性をもつ組織状態に製紐する
場合の工程進行図である。
【図15】上記製紐機における糸束駆動装置の構成の詳
細を示す要部斜視図である。
【図16】上記製紐機における組み口位置調節具の構成
を示す斜視図である。
【図17】上記製紐機における組織端処理装置の構成例
を示す斜視図である。
【図18】(A)〜(C)は、第1実施例のプリフォー
ムを一端から他端に向けて製紐する場合の工程進行図で
ある。
【図19】(A)〜(C)は、第3実施例のプリフォー
ムを組織上の対称性をもつ状態に製紐する場合の工程進
行図である。
【図20】(A)及び(B)は、第3実施例のプリフォ
ームを一端から他端に向けて製紐する場合の工程進行図
である。
【図21】(A)は、第2実施例のプリフォームを製紐
する場合の糸束の準備状態についての側面視の説明図、
(B)は糸束駆動装置におけるキャリア移動域について
の説明図である。
【図22】(A)〜(C)は、第2実施例のプリフォー
ムを製紐する場合の前段の工程進行図である。
【図23】(A)及び(B)は、第2実施例のプリフォ
ームを製紐する場合の後段の工程進行図である。
【図24】(A)は組ひも組織から成るプリフォームの
第4実施例の正面図、(B)は、該実施例のプリフォー
ムの製紐の方向性についての説明図である。
【図25】(A)〜(D)は、上記第4実施例のプリフ
ォームを製紐する場合の工程進行図である。
【図26】上記第4実施例における要部の組み組織につ
いての説明図である。
【図27】(A)は上記第4実施例における追加糸の追
加方法についての説明図、(B)は糸の追加に用いる追
加糸支持具の斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,121 プリフォーム 2,12,22,122 板状固定部 3,13,23,123 突環状支持部 5,25 分岐・合体部分 36a 折り返し糸 36b ループ 51 糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 105:06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一体構造の組ひも組織として製紐された繊
    維組織体からなり、 上記繊維組織体は、単数または複数の突環状支持部とそ
    れを支持するための板状固定部とを備え、 これらは組ひも組織の突環状支持部を構成する糸と組ひ
    も組織の板状固定部を構成する糸とが、分岐・合体部分
    において分糸または合糸されて突環状支持部と板状固定
    部が一体構造の組ひも組織を形成し、 板状固定部の端部においては、上記糸を伏止め組織とし
    て糸端を縛束した、ことを特徴とするフィッティング材
    用組ひも組織プリフォーム。
  2. 【請求項2】突環状支持部と板状固定部間の組ひも組織
    の分岐・合体部分において、分岐した二つの突環状支持
    部側とそれらを合体した板状固定部側の組ひも組織が、
    上記各突環状支持部を組織する糸の全てまたは大半部
    を、少なくともそれらの合体直後の板状固定部の組織に
    おいて、それらの突環状支持部の分技側とは反対側の組
    織内に組み込み、且つ、その糸の一部を、該反対側の板
    状固定部の組織において組織外縁部を構成する糸に含め
    て組織されていることを特徴とする請求項1に記載のフ
    ィッティング材用組ひも組織プリフォーム。
  3. 【請求項3】突環状支持部の組ひも組織が、その中央部
    から両側に向けて対称性をもつ組織として製紐されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のフィッテ
    ィング材用組ひも組織プリフォーム。
  4. 【請求項4】単数または複数の突環状支持部とそれを支
    持するための板状固定部とを備え、一体構造の組ひも組
    織として製紐された繊維組織体からなるフィッティング
    材用組ひも組織プリフォームを製造するための方法であ
    って、 組ひも組織を構成する糸により上記板状固定部と突環状
    支持部の中央の製紐開始面から両側に向けて対称性のあ
    る組ひも組織の製紐を行い、突環状支持部の両端の板状
    固定部との合体部分において、突環状支持部を構成する
    糸と板状固定部を構成する糸とを合糸して、板状固定部
    において突環状支持部の糸の延長部を含む一体構造の組
    ひも組織を形成させ、 板状固定部の端部においては、糸を伏止め組織として糸
    端を縛束する、ことを特徴とするフィッティング材用組
    ひも組織プリフォームの製造法。
  5. 【請求項5】単数または複数の突環状支持部とそれを支
    持するための板状固定部とを備え、一体構造の組ひも組
    織として製紐された繊維組織体からなるフィッティング
    材用組ひも組織プリフォームを製造するための方法であ
    って、 組ひも組織を構成する糸により上記突環状支持部の中央
    の製紐開始面から両側に向けて対称性のある組ひも組織
    の製紐を行い、突環状支持部の両端を合体させて板状固
    定部を形成する部分において、突環状支持部の両端の糸
    を合糸し、板状固定部において上記合糸した糸の延長部
    を含む一体構造の組ひも組織を形成させ、 板状固定部の端部においては、糸を伏止め組織として糸
    端を縛束する、ことを特徴とするフィッティング材用組
    ひも組織プリフォームの製造法。
  6. 【請求項6】単数または複数の突環状支持部とそれを支
    持するための板状固定部とを備え、一体構造の組ひも組
    織として製紐された繊維組織体からなるフィッティング
    材用組ひも組織プリフォームを製造するための方法であ
    って、 組ひも組織を構成する糸により上記板状固定部の一端か
    ら製紐を行い、突環状支持部との分岐部分において、突
    環状支持部を構成する糸と板状固定部を構成する糸とに
    分糸して、それぞれを組ひも組織として製紐すると共
    に、突環状支持部と板状固定部との合体部分において、
    突環状支持部を構成する糸を板状固定部に合糸し、板状
    固定部として突環状支持部の糸の延長部を含む一体構造
    の組ひも組織を形成させ、 板状固定部の端部においては、糸を伏止め組織として糸
    端を縛束する、ことを特徴とするフィッティング材用組
    ひも組織プリフォームの製造法。
  7. 【請求項7】単数または複数の突環状支持部とそれを支
    持するための板状固定部とを備え、一体構造の組ひも組
    織として製紐された繊維組織体からなるフィッティング
    材用組ひも組織プリフォームを製造するための方法であ
    って、 組ひも組織を構成する糸により上記突環状支持部の一端
    の製紐開始端から突環状支持部の他側に向けて組ひも組
    織による製紐を行い、 突環状支持部の終端で上記製紐開始端の糸と合体させて
    板状固定部を形成するに際し、突環状支持部の両端の糸
    を合糸して製紐することにより、合糸した突環状支持部
    の両端の糸の延長部を含む一体構造の組ひも組織の板状
    固定部を形成させ、 板状固定部の端部においては、糸を伏止め組織として糸
    端を縛束する、ことを特徴とするフィッティング材用組
    ひも組織プリフォームの製造法。
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