JPH1180815A - 合金粉末の製造方法 - Google Patents

合金粉末の製造方法

Info

Publication number
JPH1180815A
JPH1180815A JP23579897A JP23579897A JPH1180815A JP H1180815 A JPH1180815 A JP H1180815A JP 23579897 A JP23579897 A JP 23579897A JP 23579897 A JP23579897 A JP 23579897A JP H1180815 A JPH1180815 A JP H1180815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
metal
compound
alkaline earth
alloy powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23579897A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Abe
功 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP23579897A priority Critical patent/JPH1180815A/ja
Publication of JPH1180815A publication Critical patent/JPH1180815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均粒径が0.1〜10μmであり、分散性
が良好な合金粉末を安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウムやカルシウムの酸化物・水
酸化物・炭酸塩粉末と、2種以上の金属の酸化物・水酸
化物・炭酸塩粉末とを混合する第1の工程と、第1の工
程で得られた混合物中の2種以上の金属を水素雰囲気で
金属状に還元する第2の工程と、第2の工程で得られた
2種以上の金属状の金属を合金化する第3の工程と、第
3の工程で得られた加熱物中のマグネシウムやカルシウ
ムの化合物を酸で溶解し除去する第4の工程とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン印刷な
どで電子回路を形成する厚膜プロセスにおける導電ペー
スト用や、粉末冶金用、機能性塗料用などに用いられる
合金粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】導電ペーストは、電極形成成分としての
導電性粉末と、セルロース系樹脂、ターピネオールなど
の有機バインダーをスリーロールミルによって混練し、
導電性粉末を充分に混合分散することにより作製され
る。
【0003】このような導電ペーストの性能は、その構
成成分である導電性粉末の特性によってほぼ決定され
る。導電性粉末の有すべき特性としては、(1)平均粒
径が0.1〜10μmであること、(2)分散性が良好
であることが挙げられる。これらは、粉末冶金用、機能
性塗料用などに用いられる合金粉末でも同様である。そ
こで、上記特性を満足する合金粉末の供給が強く望まれ
ている。
【0004】合金粉末の製造方法としては、溶融状態の
合金をノズルなどから吹き出しアルゴンガスなどの不活
性ガスで粉砕、急冷するアトマイズ法などが知られてい
る。
【0005】しかしながら、アトマイズ法では、10μ
m以下の粒径の粒子を均一に製造することが困難であ
る。そこで、10μm以下の粒子を製造する場合、分級
により10μmより大きい粒子を除いているが、10μ
m以下の粒子の歩留まりが悪いので、合金粉末が非常に
高価になる。しかも、1μm以下の粒子を製造すること
が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑み、平均粒径が0.1〜10μmであり、分散
性が良好な合金粉末を安価に製造する方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、次の(1)〜(3)
の事項を見いだした。
【0008】すなわち、(1)金属化合物を水素ガスで
還元処理して金属粉末を生成させる周知の方法におい
て、生成した金属粉末粒子が粗大化するのは、該金属粉
末粒子同士の焼結や融着によること、(2)アルカリ土
類金属化合物を金属化合物に混ぜて用いると、そのアル
カリ土類金属化合物が上記焼結・融着に対する障壁とし
て働いて、上記焼結・融着を防止するため、微細で、分
散性が良好な粒子が得られること、(3)アルカリ土類
金属化合物が金属粉末粒子より酸易溶性のため、アルカ
リ土類金属化合物を酸で溶解除去することにより金属粉
末との分離が容易であることを見いだした。
【0009】2種以上の金属粉末粒子を合金化させて合
金粉末を製造する方法に上記知見を応用し発展させるこ
とに成功し、本発明に到達した。
【0010】なお、本明細書では、「合金」の意に、金
属が複合した組織を有するものも含める。
【0011】すなわち、本発明の合金粉末の製造方法
は、アルカリ土類金属化合物粉末と、2種以上の金属の
化合物粉末とを混合する第1工程と、第1工程で得られ
た混合物中の金属を金属状にし、かつ合金化するため
に、該混合物を焙焼する第2工程と、第2工程で得られ
た焙焼物中のアルカリ土類金属化合物を酸で溶解し除去
する第3工程とからなる。
【0012】上記本発明において、混合物中の金属を金
属状にする際、合金化が起こらないか、不十分な場合、
上記焙焼の後、さらに、金属状の金属を合金化するため
の加熱をして、アルカリ土類金属化合物を酸で溶解し除
去すればよい。
【0013】なお、本明細書で単にいう「金属」は、ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属を含まない。
【0014】また、上記本発明の合金粉末の製造方法に
おいて、金属化合物粉末と、金属粉末とを併用してもよ
い。
【0015】
【発明の実施の形態】
[混合]混合に供されるアルカリ土類金属化合物は、例
えば、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化
カルシウムである。また、金属化合物は、例えば、酸化
物、炭酸塩、水酸化物、有機酸塩である。
【0016】アルカリ土類金属化合物粉末は、焙焼およ
びその後の加熱中、固体(熱分解するものは、熱分解生
成物)として存在する。そして、還元や熱分解によって
生成したり、原料として用いたりした金属粒子、および
合金粒子といった粒子間の焼結や融着に対する障壁とし
て働き、これら粒子が粗大化するのを防止する。そのた
め、微細で、分散性が良好な合金粒子が製造される。ア
ルカリ土類金属化合物粉末のこの粗大化防止作用は、金
属粒子や合金粒子との濡れ性の悪さに起因するものと思
われる。また、アルカリ土類金属化合物粉末は、該粉末
粒子が合金粒子より酸易溶性で、酸により容易に溶解す
るため、合金粉末と分離されやすい。
【0017】上記粗大化防止作用のために、アルカリ土
類金属化合物粉末の添加は重要である。これらを有効に
発揮させるために、アルカリ土類金属化合物粉末と金属
化合物粉末と(必要によりさらに金属粉末と)をよく混
合し、アルカリ土類金属化合物粒子を金属化合物粒子
(必要により混合した場合さらに金属粒子)中に充分均
一に分散させる。そのために、例えば、次の混合法が好
ましい。なお、ここで、必要によりさらに混合される金
属を含めた金属化合物を、「金属化合物等」という。
【0018】(1)アルカリ土類金属化合物粉末と金属
化合物等粉末とを純水に懸濁させ攪拌するか、ボールミ
ルやビーズミル等の内部の純水中で粉砕、混合する。
【0019】(2)アルカリ土類金属水溶液に金属化合
物等粉末を懸濁させた後、苛性アルカリまたは炭酸アル
カリを添加して、アルカリ土類金属化合物の沈殿を生成
させながら混合する。
【0020】(3)金属水溶液にアルカリ土類金属化合
物粉末を懸濁させた後、苛性アルカリまたは炭酸アルカ
リを添加して、金属化合物の沈殿を生成させながら混合
する。
【0021】(4)アルカリ土類金属および金属の水溶
液に苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加して、アル
カリ土類金属化合物の沈殿および金属化合物の沈殿を生
成させながら混合する。
【0022】なお、上記(1)〜(4)のようにして得
たスラリーは固液分離し、固形分は水洗、乾燥、解砕な
どを適宜行う。
【0023】本発明の混合において、アルカリ土類金属
化合物粉末の量と、金属量との重量比が小さすぎると、
上記粗大化防止作用が十分発揮されず、一方、大きすぎ
ると、合金化が阻害されるだけでなく、後工程で溶解分
離するために使用する酸の量が増加する。上記重量比が
小さい(大きい)ほど、製造される合金粉末の粒子径は
大きく(小さく)なる傾向がある。なお、製造される合
金粉末の粒子径は、用いる金属化合物粉末の粒子径が小
さい(大きい)ほど、小さく(大きく)なる傾向もあ
る。
【0024】[焙焼]上記混合工程で得られた混合物中
の化合物状金属を金属状にするために、該混合物を焙焼
する。金属状にするために、化合物状の金属を水素雰囲
気または一酸化炭素雰囲気で還元したり、金属化合物を
熱分解させたりする。
【0025】焙焼は、化合物状の金属すべてが金属状に
なる温度で行う。この温度が低すぎると、未還元(未熱
分解)の金属化合物が残存し、製造される合金粉末中に
不純物として混入する。特に、焙焼後の加熱を行う場
合、上記残存した金属化合物がアルカリ土類金属化合物
と複合酸化物を生成し、生成した複合酸化物は酸に溶解
しにくいので、アルカリ土類金属化合物も合金粉末中に
不純物として混入する。また、焙焼は、上記複合酸化物
の生成温度未満で行うのが好ましい。
【0026】[焙焼後の加熱]金属粒子の合金化が焙焼
で所望通り行われれば、焙焼後の加熱はしなくてもよ
い。合金化が不十分であれば、それに必要な温度まで昇
温し、昇温温度を保持する加熱を行う。なお、この加熱
で金属の生成を完結させながら、上記合金化を行うこと
もできる。
【0027】焙焼後の加熱を行う温度は、製造する合金
粉末粒子の融点を超えてもよく、例えば融点:200℃
以下、平均粒径:1μm以下(サブミクロン)の合金粉
末も製造可能である。上記温度が、製造する合金粉末の
融点を超えると、合金粒子は、アルカリ土類金属化合物
中に分散保持されたまま溶融し、表面張力で球形となる
ため、真球状となりやすい。また、上記温度での保持後
の冷却において冷却速度をコントロールすることにより
種々の相を生成させて、複合相を有する粒子からなる合
金粉末を製造することも可能である。上記温度が高い
(低い)ほど、製造される合金粉末の粒子径は大きく
(小さく)なる傾向がある。
【0028】加熱雰囲気は、還元性、不活性、真空など
の非酸化性でよい。
【0029】この加熱は、焙焼で用いたのと同一の装置
内で連続的に行っても、焙焼後一旦冷却し、別の装置で
行ってもよい。
【0030】[溶解分離]焙焼(加熱)で得られた焙焼
物(加熱物)を第3工程(第4工程)で酸洗し、含まれ
るアルカリ土類金属化合物を溶解し、合金粉末から分離
除去する。ここで使用する酸の種類は、特に制限がな
い。酸使用量は、合金粉末粒子をできるだけ溶解しない
ように、好ましくは、含まれるアルカリ土類金属化合物
を溶解するのに必要な理論量との重量比が1.0〜1.
1となるようにする。
【0031】
【実施例】
[実施例1]ニッケル−銀合金(複合)粉末を次のよう
にして製造した。
【0032】(1)酸化銀と塩基性炭酸ニッケルと水酸
化マグネシウムとの混合 9.2gの試薬1級硝酸銀を100mlの純水に溶解し
た水溶液に、10gの試薬1級水酸化マグネシウムを添
加して、攪拌機で30分間攪拌した。その後、2.1g
の試薬1級水酸化ナトリウムを100mlの純水に溶解
した水溶液と、31gの試薬塩基性炭酸ニッケルとを添
加し、30分間攪拌した。得られた殿物を吸引ろ過によ
り固液分離した後、80℃で12時間固形物を大気乾燥
した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0033】(2)焙焼 水素気流中400℃で30分解砕物を焙焼した。
【0034】(3)焙焼後の加熱 焙焼後、雰囲気を窒素に切り替えて、1000℃で30
分加熱した。
【0035】(4)マグネシウム化合物の溶解除去 加熱物を200mlの純水中に懸濁させ、18gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0036】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間大気乾燥した。以上の操作で20gの粉末
を得た。この粉末を硝酸に溶解し、ICP発光分光装置
でニッケルと銀を定量した結果、ニッケルが69重量
%、銀が30重量%であった。
【0037】(5)ニッケル−銀合金粉末の物性評価 製造されたニッケル−銀合金粉末について、粒子形状お
よび分散性を観察し、粒径を測定した。なお、これらの
観察・測定は、走査型電子顕微鏡で行った。その結果、
粒子形状は不定形で、分散性(個々の粒子が独立に存在
している程度)は良好であり、そして粒径は0.5〜5
μmであった。
【0038】[実施例2]銅−ニッケル合金粉末を次の
ようにして製造した。
【0039】(1)塩基性炭酸銅と塩基性炭酸ニッケル
と水酸化マグネシウムとの混合 47.2gの試薬塩基性炭酸銅と、43.1gの試薬塩
基性炭酸ニッケルと、25gの試薬水酸化マグネシウム
とをボールミル(ボール:直径5mm、ジルコニア製)
で300mlの純水中12時間混合、粉砕し、吸引ろ過
により固液分離した後、80℃で12時間固形物を大気
乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0040】(2)焙焼 水素気流中450℃で30分解砕物を焙焼した。
【0041】(3)焙焼後の加熱 焙焼後、雰囲気を窒素に切り替えて、1000℃で30
分加熱した。
【0042】(4)マグネシウム化合物の溶解除去 加熱物を500mlの純水中に懸濁させ、46gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0043】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、1リットルの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で45gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中の銅とニッ
ケルを分析した結果、銅が60重量%、ニッケルが38
重量%であった。
【0044】(5)銅−ニッケル合金粉末の物性評価 製造された銅−ニッケル合金粉末について、実施例1と
同様にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径
を測定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良
好であり、そして平均粒径は1μmであった。
【0045】[実施例3]銀−銅合金粉末を次のように
して製造した。
【0046】(1)酸化銀と塩基性炭酸銅と水酸化カル
シウムとの混合 143gの試薬1級硝酸銀を500mlの純水に溶解し
た水溶液に、33.7gの試薬1級水酸化ナトリウムを
200mlの純水に溶解した水溶液と、80gの試薬水
酸化カルシウムとを添加し、30分間攪拌した。その
後、60.5gの試薬塩基性炭酸銅を添加し、30分間
攪拌した。得られた殿物を吸引ろ過により固液分離した
後、80℃で12時間固形物を大気乾燥した。乾燥物は
乳鉢で解砕した。
【0047】(2)焙焼 水素気流中450℃で1時間解砕物を焙焼した。
【0048】(3)焙焼後の加熱 焙焼後、雰囲気を窒素に切り替えて、1000℃で1時
間加熱した。
【0049】(4)カルシウム化合物の溶解除去 加熱物を1リットルの純水中に懸濁させ、200mlの
試薬1級塩酸(濃度:36%)を添加し30分間攪拌し
て、含まれるカルシウム化合物を溶解した。
【0050】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、2リットルの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で113gの粉
末を得た。実施例1と同様にして、この粉末中の銀と銅
を分析した結果、銀が73重量%、銅が25重量%であ
った。
【0051】(5)銀−銅合金粉末の物性評価 製造された銀−銅合金粉末について、実施例1と同様に
して、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径を測定
した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良好であ
り、そして平均粒径は2μmであった。
【0052】[実施例4]銅−スズ合金粉末を次のよう
にして製造した。
【0053】(1)酸化銅と酸化錫と炭酸マグネシウム
との混合 10.2gの試薬亜酸化銅と、11.4gの試薬酸化第
二錫と、14.5gの試薬炭酸マグネシウムとを200
mlの純水に懸濁し、ボールミル(ボール:直径5m
m、ジルコニア製)で12時間粉砕、混合し、吸引ろ過
により固液分離した後、80℃で12時間固形物を大気
乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0054】(2)焙焼 水素気流中800℃で30分解砕物を焙焼した。
【0055】(3)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に焙焼物を懸濁させ、18.5gの
試薬1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグ
ネシウム化合物を溶解した。
【0056】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で17gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中の銅とスズ
を分析した結果、銅が49重量%、スズが50重量%で
あった。
【0057】(4)銅−スズ合金粉末の物性評価 製造された銅−スズ合金粉末について、実施例1と同様
にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径を測
定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良好で
あり、そして平均粒径は0.8μmであった。
【0058】[実施例5]銀−スズ合金粉末を次のよう
にして製造した。
【0059】(1)酸化銀と酸化錫と水酸化マグネシウ
ムとの混合 84.9gの試薬1級硝酸銀を500mlの純水に溶解
した水溶液に、20.1gの試薬1級水酸化ナトリウム
を200mlの純水に溶解した水溶液と、30gの試薬
水酸化マグネシウムと、7.5gの試薬酸化第二錫とを
添加し、30分間攪拌した。得られた殿物を吸引ろ過に
より固液分離した後、80℃で12時間固形物を大気乾
燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0060】(2)焙焼 水素気流中700℃で1時間解砕物を焙焼した。
【0061】(3)マグネシウム化合物の溶解除去 1リットルの純水中に焙焼物を懸濁させた。そこに、5
5.5gの試薬1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含
まれるマグネシウム化合物を溶解した。
【0062】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、1リットルの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で58gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中の銀とスズ
を分析した結果、銀が89重量%、スズが10重量%で
あった。
【0063】(4)銀−スズ合金粉末の物性評価 製造された銀−スズ合金粉末について、実施例1と同様
にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径を測
定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良好で
あり、そして平均粒径は0.3μmであった。
【0064】[実施例6]スズ−銅−銀合金粉末を次の
ようにして製造した。
【0065】(1)酸化銀と酸化錫と酸化銅と水酸化マ
グネシウムとの混合 1.1gの試薬1級硝酸銀を100mlの純水に溶解し
た水溶液に、0.25gの試薬1級水酸化ナトリウムを
50mlの純水に溶解させた水溶液と、20gの試薬水
酸化マグネシウムと、21.7gの試薬酸化第二錫と、
2.25gの試薬亜酸化銅とを添加し、30分間攪拌し
た。得られた殿物を吸引ろ過により固液分離した。10
0mlの純水を固形物に添加し、ボールミル(ボール:
直径5mm、ジルコニア製)で12時間混合、粉砕し、
吸引ろ過により固液分離した後、得られた固形物を80
℃で12時間大気乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0066】(2)焙焼 水素気流中700℃で1時間解砕物を焙焼した。
【0067】(3)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に焙焼物を懸濁させ、37gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0068】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、1リットルの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で18gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中のスズと銅
と銀を分析した結果、スズが86重量%、銅が9重量
%、銀が3重量%であった。
【0069】(4)スズ−銅−銀合金粉末の物性評価 製造されたスズ−銅−銀合金粉末について、実施例1と
同様にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径
を測定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良
好であり、そして平均粒径は1μmであった。
【0070】[実施例7]スズ−ビスマス合金粉末を次
のようにして製造した。
【0071】(1)酸化ビスマスと酸化錫と水酸化マグ
ネシウムとの混合 11.1gの試薬酸化ビスマスと、12.7gの試薬酸
化第二錫と、20gの試薬水酸化マグネシウムとを20
0mlの純水に懸濁し、ボールミル(ボール:直径5m
m、ジルコニア製)で12時間粉砕、混合し、吸引ろ過
により固液分離した後、80℃で12時間固形物を大気
乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0072】(2)焙焼 水素気流中600℃で30分解砕物を焙焼した。
【0073】(3)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に焙焼物を懸濁させ、37gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0074】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で18gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中のスズとビ
スマスを分析した結果、スズが48重量%、ビスマスが
49重量%であった。
【0075】(4)スズ−ビスマス合金粉末の物性評価 製造されたスズ−ビスマス金粉末について、実施例1と
同様にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径
を測定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良
好であり、そして平均粒径は0.5μmであった。
【0076】[実施例8]ニッケル−タングステン合金
粉末を次のようにして製造した。
【0077】(1)タングステン酸化物と塩基性炭酸ニ
ッケルと水酸化マグネシウムとの混合 3.8gの試薬タングステン酸(無水)と、64.9g
の試薬塩基性炭酸ニッケルと、15gの試薬水酸化マグ
ネシウムとを200mlの純水に懸濁し、ボールミル
(ボール:直径5mm、ジルコニア製)で12時間粉
砕、混合し、吸引ろ過により固液分離した後、80℃で
12時間固形物を大気乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕し
た。
【0078】(2)焙焼 水素気流中、450℃で30分、次いで1000℃で3
0分、解砕物を焙焼した。
【0079】(3)焙焼後の加熱 焙焼後、雰囲気を窒素に切り替えて、1300℃で1時
間加熱した。
【0080】(4)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に加熱物を懸濁させ、28gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0081】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で28gの粉末
を得た。この粉末中のニッケルとタングステンを分析し
た結果、ニッケルが90重量%、タングステンが9重量
%であった。
【0082】(5)ニッケル−タングステン合金粉末の
物性評価 製造されたニッケル−タングステン合金粉末について、
実施例1と同様にして、粒子形状および分散性を観察
し、平均粒径を測定した。その結果、粒子形状は球形
で、分散性は良好であり、そして平均粒径は0.3μm
であった。
【0083】[実施例9]ニッケル−モリブデン合金粉
末を次のようにして製造した。
【0084】(1)酸化モリブデンと塩基性炭酸ニッケ
ルと水酸化マグネシウムとの混合 6gの試薬三酸化モリブデンと、34gの試薬塩基性炭
酸ニッケルと、10gの試薬水酸化マグネシウムとを2
00mlの純水に懸濁し、ボールミル(ボール:直径5
mm、ジルコニア製)で12時間粉砕、混合し、吸引ろ
過により固液分離した後、80℃で12時間固形物を大
気乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0085】(2)焙焼 水素気流中1000℃で30分解砕物を焙焼した。
【0086】(3)焙焼後の加熱 焙焼後、雰囲気を窒素に切り替えて、1300℃で1時
間加熱した。
【0087】(4)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に加熱物を懸濁させ、14gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0088】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で18gの粉末
を得た。この粉末中のニッケルとモリブデンを分析した
結果、ニッケルが79重量%、モリブデンが20重量%
であった。
【0089】(5)ニッケル−モリブデン合金粉末の物
性評価 製造されたニッケル−モリブデン合金粉末について、実
施例1と同様にして、粒子形状および分散性を観察し、
平均粒径を測定した。その結果、粒子形状は球形で、分
散性は良好であり、そして平均粒径は0.3μmであっ
た。
【0090】[実施例10]銅−銀合金粉末を次のよう
にして製造した。
【0091】(1)酸化銀とシュウ酸銅と水酸化カルシ
ウムとの混合 23.7gの試薬1級硝酸銀を500mlの純水に溶解
した水溶液に、5.6gの試薬1級水酸化ナトリウムを
100mlの純水に溶解した水溶液と、60gの試薬水
酸化カルシウムとを添加し30分間攪拌した。さらに1
13gの試薬シュウ酸銅を添加し30分間攪拌し、吸引
ろ過により固液分離した後、80℃で12時間固形物を
大気乾燥した。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0092】(2)焙焼 水素気流中1000℃で1時間解砕物を焙焼した。
【0093】(3)カルシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に焙焼物を懸濁させた。そこに、1
75mlの試薬1級塩酸(濃度:36%)を添加し30
分間攪拌して、含まれるカルシウム化合物を溶解した。
【0094】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、2リットルの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で58gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中の銅と銀を
分析した結果、銅が78重量%、銀が20重量%であっ
た。
【0095】(4)銅−銀合金粉末の物性評価 製造された銅−銀合金粉末について、実施例1と同様に
して、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径を測定
した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良好であ
り、そして平均粒径は2μmであった。
【0096】[実施例11]スズ−鉛合金粉末を次のよ
うにして製造した。
【0097】(1)酸化鉛と酸化錫と水酸化マグネシウ
ムとの混合 7.9gの試薬酸化第一鉛と、16gの試薬酸化第二錫
と、20gの試薬水酸化マグネシウムとを200mlの
純水に懸濁し、ボールミル(ボール:直径5mm、ジル
コニア製)で12時間粉砕、混合し、吸引ろ過により固
液分離した後、80℃で12時間固形物を大気乾燥し
た。乾燥物は乳鉢で解砕した。
【0098】(2)焙焼 水素気流中600℃で30分解砕物を焙焼した。
【0099】(3)マグネシウム化合物の溶解除去 500mlの純水中に焙焼物を懸濁させ、37gの試薬
1級硫酸を添加し30分間攪拌して、含まれるマグネシ
ウム化合物を溶解した。
【0100】溶解後、吸引ろ過により固液分離した。分
離された粉末は、500mlの純水で2回水洗し、50
℃で12時間真空乾燥した。以上の操作で18gの粉末
を得た。実施例1と同様にして、この粉末中のスズと鉛
を分析した結果、スズが63重量%、鉛が35重量%で
あった。
【0101】(4)スズ−鉛合金粉末の物性評価 製造されたスズ−鉛合金粉末について、実施例1と同様
にして、粒子形状および分散性を観察し、平均粒径を測
定した。その結果、粒子形状は球形で、分散性は良好で
あり、そして平均粒径は1μmであった。
【0102】
【発明の効果】本発明によって、平均粒径が0.1〜1
0μmであり、分散性が良好な合金粉末を安価に製造す
ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属化合物粉末と、2種以
    上の金属の化合物粉末とを混合する第1工程と、第1工
    程で得られた混合物中の金属を金属状にし、かつ合金化
    するために、該混合物を焙焼する第2工程と、第2工程
    で得られた焙焼物中のアルカリ土類金属化合物を酸で溶
    解し除去する第3工程とからなる合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属化合物粉末と、2種以
    上の金属の化合物粉末とを混合する第1工程と、第1工
    程で得られた混合物中の金属を金属状にするために、該
    混合物を焙焼する第2工程と、第2工程で得られた焙焼
    物中の金属状の金属を合金化するために、該焙焼物をさ
    らに加熱する第3工程と、第3工程で得られた加熱物中
    のアルカリ土類金属化合物を酸で溶解し除去する第4工
    程とからなる合金粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ土類金属化合物粉末と、1種以
    上の金属の化合物粉末と、1種以上の金属の粉末とを混
    合する第1工程と、第1工程で得られた混合物中の金属
    を金属状にし、かつ金属状の金属を合金化するために、
    該混合物を焙焼する第2工程と、第2工程で得られた焙
    焼物中のアルカリ土類金属化合物を酸で溶解し除去する
    第3工程とからなる合金粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ土類金属化合物粉末と、1種以
    上の金属の化合物粉末と、1種以上の金属の粉末とを混
    合する第1工程と、第1工程で得られた混合物中の金属
    を金属状にするために、該混合物を焙焼する第2工程
    と、第2工程で得られた焙焼物中の金属状の金属を合金
    化するために、該焙焼物をさらに加熱する第3工程と、
    第3工程で得られた加熱物中のアルカリ土類金属化合物
    を酸で溶解し除去する第4工程とからなる合金粉末の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 化合物状の金属を金属状にするのは、水
    素雰囲気または一酸化炭素雰囲気で還元することによる
    請求項1〜4のいずれかに記載の合金粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 化合物状の金属を金属状にするのは、金
    属化合物を熱分解することによる請求項1〜4のいずれ
    かに記載の合金粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ土類金属化合物は、酸化マグネ
    シウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
    カルシウム、炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムよ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜
    4のいずれかに記載の合金粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属化合物は、酸化物、炭酸塩、水酸化
    物および有機酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1
    種である請求項1〜4のいずれかに記載の合金粉末の製
    造方法。
JP23579897A 1997-09-01 1997-09-01 合金粉末の製造方法 Pending JPH1180815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23579897A JPH1180815A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 合金粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23579897A JPH1180815A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 合金粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1180815A true JPH1180815A (ja) 1999-03-26

Family

ID=16991420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23579897A Pending JPH1180815A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 合金粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1180815A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330585A (ja) * 2004-05-17 2005-12-02 General Electric Co <Ge> 溶融を伴うことなく他の添加成分を有する金属物品を作製する方法
KR20210142175A (ko) 2019-03-29 2021-11-24 가부시키가이샤 노리타케 캄파니 리미티드 은팔라듐 합금 분말 및 그의 이용

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8216508B2 (en) 2002-06-14 2012-07-10 General Electric Company Method for preparing a metallic article having an other additive constituent, without any melting
US10100386B2 (en) 2002-06-14 2018-10-16 General Electric Company Method for preparing a metallic article having an other additive constituent, without any melting
JP2005330585A (ja) * 2004-05-17 2005-12-02 General Electric Co <Ge> 溶融を伴うことなく他の添加成分を有する金属物品を作製する方法
KR20210142175A (ko) 2019-03-29 2021-11-24 가부시키가이샤 노리타케 캄파니 리미티드 은팔라듐 합금 분말 및 그의 이용

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4711660A (en) Spherical precious metal based powder particles and process for producing same
JP4687599B2 (ja) 銅微粉とその製造方法及び導電性ペースト
US4711661A (en) Spherical copper based powder particles and process for producing same
CA1301462C (en) Hydrometallurgical process for producing finely divided spherical refractory metal based powders
US7066980B2 (en) Method for manufacturing metal powder
US4756746A (en) Process of producing fine spherical particles
US4783216A (en) Process for producing spherical titanium based powder particles
US4705560A (en) Process for producing metallic powders
JP3277823B2 (ja) 金属粉末の製造方法
JP2009235556A (ja) 導電性ペースト用銅粉及び導電性ペースト
US4783218A (en) Process for producing spherical refractory metal based powder particles
US5846288A (en) Electrically conductive material and method for making
JP2004124257A (ja) 金属銅微粒子及びその製造方法
JP2004002927A (ja) 超硬質合金スクラップの処理方法
JP4433743B2 (ja) 銅微粒子の製造方法
US4780131A (en) Process for producing spherical light metal based powder particles
JP3812359B2 (ja) 金属粉末の製造方法
JPH1180815A (ja) 合金粉末の製造方法
JP2021515111A (ja) 合金の金属を選択的に酸化する方法
EP0834369B1 (en) Process for preparing metal powder
JPH1192805A (ja) 銅合金粉末およびその製造方法
JPH10183208A (ja) 銀粉末の製造方法
JPH07331360A (ja) 新規な銅合金粉末及びその製造方法
JPH11291087A (ja) スズービスマス半田合金粉末の製造方法
JPH11140513A (ja) 球状ニッケル粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040709