JPH1180712A - 粉体の低発塵化処理方法 - Google Patents

粉体の低発塵化処理方法

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JPH1180712A
JPH1180712A JP24861797A JP24861797A JPH1180712A JP H1180712 A JPH1180712 A JP H1180712A JP 24861797 A JP24861797 A JP 24861797A JP 24861797 A JP24861797 A JP 24861797A JP H1180712 A JPH1180712 A JP H1180712A
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powder
dust generation
solution
branched polyethyleneimine
glycol
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JP24861797A
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English (en)
Inventor
Nobuhide Yahiro
信英 八尋
Mitsuo Akita
光雄 秋田
Masahiro Ozawa
正弘 小澤
Hiroaki Tagami
博章 田上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chichibu Lime Industry Co Ltd
Original Assignee
Chichibu Lime Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を使用できない粉体に対しても使用するこ
とが可能であって、安価で簡便に、発塵を抑えることが
できる粉体の低発塵化処理方法を提供する。 【解決手段】 粉体の低発塵化処理方法において、粉体
に、溶媒として有機溶媒を用いた分岐ポリエチレンイミ
ン溶液を、前記粉体に対する前記分岐ポリエチレンイミ
ン溶液中に含まれる分岐ポリエチレンイミンの重量比が
0.005%以上になるように、混合する工程を含む。
この場合、前記有機溶媒は、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、メトキシエタノール、エト
キシエタノール、ポリエチレングリコールから選択され
る少なくとも1種を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体の低発塵化処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、粉体は使用時に飛散したり、
発塵をおこしやすく、取り扱いにくいものである。そこ
で、粉体に対する様々な低発塵化処理方法が提案されて
いて、特によく用いられるものとして、水が挙げられ
る。水は、安価で、取り扱いが容易で、有効に発塵を抑
えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生石灰やセメ
ントといった、水が加えられることによって、その化学
的な性状が変質してしまう物質に対しては、水を使用す
ることができなかった。
【0004】本発明の目的は、水を使用することができ
ないような粉体に対しても使用することが可能であっ
て、安価で簡便に、しかも効果的に発塵を抑えることが
できる粉体の低発塵化処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、本発明の請求項1に記載の発明は、粉体の発塵を抑
えるための粉体の低発塵化処理方法において、前記粉体
に、溶媒として有機溶媒を用いた分岐ポリエチレンイミ
ン溶液を、前記粉体に対する前記分岐ポリエチレンイミ
ン溶液中に含まれる分岐ポリエチレンイミンの重量比が
0.005%以上になるように、混合する工程を含むこ
とを特徴とする。
【0006】ここで、分岐ポリエチレンイミンの粉体に
対する重量比の上限は20%以下が好ましいが、特にコ
ストと防塵効果の面から0.01%〜0.1%程度がよ
い。ここで用いられる分岐ポリエチレンイミンの基本構
造は以下の式(I)で表されるものである。
【化1】 分岐ポリエチレンイミンの分子量は1,000〜10
0,000、特に5,000〜20,000であること
が好ましい。また、分岐ポリエチレンイミン溶液に溶媒
として用いられる有機溶媒は、分岐ポリエチレンイミン
を溶解することができ、粉体とほとんど反応しない各種
有機溶媒を使用することができる。例えば、ジエチレン
グリコール等の脂肪族多価アルコール類、メトキシエタ
ノール等のアルコキシアルコール類が挙げられる。さら
に、この低発塵化処理方法で低発塵化処理される粉体
は、粉状であって、各種作業における取り扱い時に飛散
しやすいものであれば制限はないが、一般的に平均粒径
5ミクロン程度の無機系の粉体が挙げられる。
【0007】請求項1に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、分岐ポリエチレンイミン溶液の溶媒として有
機溶媒を用い、水が含まれないことから、水と反応する
粉体、例えば、各種セメントや生石灰に対しても低発塵
化処理を行うことができる。また、分岐ポリエチレンイ
ミンを用いていることから、粉体に対する、分岐ポリエ
チレンイミン溶液中に含まれる分岐ポリエチレンイミン
の重量比の下限が、0.005%という少量であっても
よく、また、この分岐ポリエチレンイミン溶液を単に混
合すればよいので、安価で簡便な粉体の低発塵化処理方
法となる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記有機溶媒は、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、メトキシエタノー
ル、エトキシエタノール、ポリエチレングリコールから
選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。こ
こで、これらの有機溶媒は、単独で用いることもできる
が、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記で列
挙した溶媒以外の有機溶媒を含んでいてもよい。溶媒の
使用量は、使用される分岐ポリエチレンイミンの分子量
や量、あるいは粉体等によって、適宜変わるが、粉体に
対して0.3重量%〜10重量%である。0.3重量%
より少ないと、分岐ポリエチレンイミンを溶解するため
に十分でなく、10重量%より多いと、粉体によっては
べたついてしまうことがあるからである。
【0009】請求項2に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、水と反応する粉体、例えば、各種セメントや
生石灰に対して積極的に低発塵化処理を行うことができ
るだけでなく、さらに、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、メトキシエタノール、エトキシ
エタノール、ポリエチレングリコールから選択される少
なくとも1種を含む有機溶媒を溶媒として用いた分岐ポ
リエチレンイミン溶液ならば、溶液全体として粉体に対
して少量であっても発塵を有効に抑えることができる。
これは、これらの溶媒が有する水酸基と、分岐ポリエチ
レンイミンの1級窒素、2級窒素、3級窒素とから形成
される水素結合が粉体の発塵を抑えることに寄与するた
めと推測される。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、前記の粉体に分岐ポリエチレ
ンイミン溶液を混合する工程の後に、溶媒として有機溶
媒を用いたジアルデヒド溶液を混合する工程を行うこと
を特徴とする。
【0011】分岐ポリエチレンイミンにジアルデヒドを
混合すると、分岐ポリエチレンイミン側鎖末端部のアミ
ノ基とジアルデヒドのアルデヒド基が反応し、式(II)
で表されるシッフ塩基を有する3次元化ポリマーが生成
される。この3次元化ポリマーは水に溶解しないゲルで
あり粉体中で安定化する。
【化2】 ジアルデヒド溶液の混合量は、分岐ポリエチレンイミン
の量とその反応性アミノ基のモル数によって変わるが、
通常、分岐ポリエチレンイミンの反応性アミノ基に対し
てジアルデヒドのアルデヒド基が等モルになるようにジ
アルデヒド溶液を混合することが好ましい。また、ジア
ルデヒド溶液に溶媒として用いられる有機溶媒は、ジア
ルデヒドを溶解することができ、粉体とほとんど反応し
ない各種有機溶媒を使用することができる。
【0012】請求項3に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、粉体に分岐ポリエチレンイミン溶液を混合す
る工程の後に、ジアルデヒド溶液を混合する工程を行う
ことから、式(II)で表されるシッフ塩基を有する3次
元化ポリマーが生成されて、それにより、さらに効果的
に低発塵化処理される。また、分岐ポリエチレンイミン
溶液の溶媒だけでなく、ジアルデヒド溶液の溶媒も有機
溶媒であることから、水と反応する粉体に対しても用い
ることができる。
【0013】特に、請求項3に記載の発明は、請求項4
に記載の発明のように、ジアルデヒドが、グリオキザー
ル、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グル
タルアルデヒドから選択される少なくとも1種である
と、上記の3次元化ポリマーが生成されやすくなり、よ
り一層、効果的に低発塵化処理される。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に
記載の発明において、前記粉体が、生石灰、軽焼ドロマ
イト、セメント、石膏、スラグ、コークス粉、石炭粉、
珪藻土、珪砂、粘土鉱物から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする。これらの粉体は本発明の低発
塵化処理方法によって、好適に低発塵化処理される。こ
のうち、生石灰、軽焼ドロマイト、セメント、石膏、一
部の粘土鉱物は、水と反応したり、あるいは水によって
変質したりするので、水を全く使わない本発明の低発塵
化処理方法によれば、これら粉体に悪影響を及ぼすこと
なく、発塵が抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る粉体の低発塵
化処理方法について説明する。
【0016】本発明に係る低発塵化処理方法は、粉体に
分岐ポリエチレンイミン溶液を混合することで行われ
る。
【0017】本発明の分岐ポリエチレンイミン溶液に溶
解している分岐ポリエチレンイミンの基本構造は、式
(I)で表される。
【化3】 また、分岐ポリエチレンイミンの分子量は1,000〜
100,000、特に5,000〜20,000である
ことが好ましい。この分岐ポリエチレンイミンのアミノ
基の1級、2級及び3級窒素のモル比は、1:2:1で
ある。粉体に対する、分岐ポリエチレンイミン溶液中の
分岐ポリエチレンイミンの重量比は、0.005%〜2
0%以下であるが、特にコストと防塵効果の面から0.
01〜0.1%程度がよい。分岐ポリエチレンイミンを
用いることで、このような微量で低発塵化処理を行うこ
とができる。
【0018】分岐ポリエチレンイミン溶液に溶媒として
用いられる有機溶媒は、分岐ポリエチレンイミンを溶解
することができ、粉体とほとんど反応しない各種有機溶
媒を使用することができる。例えば、ジエチレングリコ
ール等の脂肪族多価アルコール類、メトキシエタノール
等のアルコキシアルコール類が挙げられる。特に、これ
らのうち、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、メトキシエタノール、エトキシエタノー
ル、ポリエチレングリコールが好ましい。これらの溶媒
を溶媒として用いた分岐ポリエチレンイミン溶液なら
ば、粉体に対して少量であっても発塵を有効に抑えるこ
とができる。これは、これらの溶媒が有する水酸基と、
分岐ポリエチレンイミンの1級窒素、2級窒素、3級窒
素とから形成される水素結合が粉体の発塵を抑えること
に寄与するためと推測される。
【0019】これらの有機溶媒は、単独で用いることも
できるが、2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよ
い。2種以上を混合する場合には、分岐ポリエチレンイ
ミン溶液を調整する際に混合してもよい。あるいは、工
業的に混合した状態、例えばプロピレンオキサイドから
エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエ
チレングリコールが混合された状態で製造される場合の
分留前の状態のものをそのまま用いてもよく、このよう
な混合溶媒を用いれば、より安価に低発塵化処理方法を
行うことができる。また、必要に応じて、その他の有機
溶媒を含んでいてもよい。溶媒の使用量は、使用される
分岐ポリエチレンイミンの分子量や量、あるいは粉体等
によって、適宜変わるが、粉体に対して0.3重量%〜
10重量%である。0.3重量%より少ないと、分岐性
ポリエチレンを溶解するために十分でなく、10重量%
より多いと、粉体によってはべたついてしまうことがあ
るからである。また、分岐ポリエチレンイミン溶液の濃
度は、0.5重量%〜30重量%であると好ましい。
【0020】本発明の低発塵化処理方法においては、粉
体に分岐ポリエチレンイミン溶液を混合した後に、ジア
ルデヒド溶液を混合するとより一層低発塵化処理の効果
が上がる。分岐ポリエチレンイミンとジアルデヒドとを
混合すると、式(II)で表されるようなシッフ塩基を形
成する。これにより水に溶解しないゲル状の3次元化ポ
リマーが生成される。この3次元化ポリマーが粉体中に
分散すると、粉体はより飛散しにくくなる。
【化4】
【0021】ジアルデヒド溶液に溶解されるジアルデヒ
ドとしては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、ス
クシンジアルデヒド、グルタルアルデヒドから選択され
る少なくとも1種を用いることが好ましく、特に経済的
である点と高い効果を有する点からグルタルアルデヒド
が好ましい。また、これらのジアルデヒドを2種以上混
合して用いてもよい。例えば、式(III)で表されるグ
ルタルアルデヒドを用いた場合には式(IV)で表される
シッフ塩基構造、式(V)で表されるエナミン構造、及
び式(VI)で表されるシッフ塩基とエナミン構造を有す
る3次元化ポリマーが生成される。
【化5】
【0022】ジアルデヒド溶液の混合量は、分岐ポリエ
チレンイミンの量とその反応性アミノ基のモル数によっ
て変わるが、通常、分岐ポリエチレンイミンの反応性ア
ミノ基に対してジアルデヒドのアルデヒド基が等モルに
なるようにジアルデヒド溶液を混合することが好まし
い。ジアルデヒド溶液の濃度は、0.5重量%〜25重
量%であると好ましい。また、ジアルデヒド溶液に溶媒
として用いられる有機溶媒は、ジアルデヒドを溶解する
ことができ、粉体とほとんど反応しない各種有機溶媒を
使用することができる。
【0023】ここで用いられる粉体としては、粉状であ
って、各種作業における取り扱い時に、飛散しやすいも
のであれば特に制限はないが、一般的に平均粒径5ミク
ロン程度の無機系の粉体、例えば、生石灰、軽焼ドロマ
イト、セメント、石膏、スラグ、コークス粉、石炭粉、
珪藻土、珪砂、粘土鉱物が挙げられ、これらの粉体は本
発明の低発塵化処理方法によって、好適に低発塵化処理
される。このうち、生石灰、軽焼ドロマイト、セメン
ト、石膏、一部の粘土鉱物は、水と反応したり、あるい
は水によって変質したりするので、水を全く使わない本
発明の低発塵化処理方法によれば、これらの粉体に悪影
響を及ぼすことなく、発塵を抑えることができる。ここ
で、セメントとしては、普通、早強、超早強、中庸熱、
耐酸、白色等の各種ポルトランドセメント、シリカセメ
ント、フライアッシュセメント、高炉セメント及びポゾ
ランセメント等の各種混合セメント、アルミナセメン
ト、水ガラスセメント、セメント系固化材のような特殊
セメント等の各種セメントを含む。
【0024】本発明の低発塵化処理方法においては、粉
体に所定量の分岐ポリエチレンイミン溶液を混合し、ミ
キサー等により攪拌して低発塵化処理を行う。上記の粉
体組成物に、必要に応じてジアルデヒド溶液を加えて攪
拌すると、さらに低発塵化した粉体が得られる。
【0025】以上の本発明の粉体の低発塵化処理方法に
よれば、水を全く用いないことから、水と反応する粉
体、例えば、各種セメントや生石灰に対して積極的に低
発塵化処理を行うことができる。
【0026】また、分岐ポリエチレンイミンを用いてい
ることから、粉体に対する分岐ポリエチレンイミンの重
量比が、最低限0.005%という少量であっても、効
果的に発塵を抑えることができる。さらに、溶媒とし
て、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ポリエ
チレングリコールを用いれば、溶液全体としての量も減
らすことができる。よって、安価な粉体の低発塵化処理
方法となる。
【0027】そして、分岐ポリエチレンイミン溶液を単
に混合するだけでよいので、簡単な作業で低発塵化処理
を行うことができる。
【0028】また、粉体に対して、分岐ポリエチレンイ
ミン溶液を混合した後にジアルデヒド溶液を混合すれ
ば、さらに発塵を抑えることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に詳
しく説明するが、本発明はこの例によって限定されるも
のではない。 1.低発塵化処理 (実施例1)粉状の生石灰(粒径150ミクロン以下)
4.0kgに、分岐ポリエチレンイミンのジエチレング
リコール溶液(分岐ポリエチレンイミン1.2g、ジエ
チレングリコール40g)を加えたものを、ミキサーに
入れ、回転数約1500rpmで5分間攪拌混合し、低
発塵化処理された生石灰を得た。このときの、生石灰に
対する分岐ポリエチレンイミンの量は、0.03重量%
であった。また、生石灰に対するジエチレングリコール
の量は、1重量%であった。 (実施例2〜4)分岐ポリエチレンイミンの量を表1に
示すように変更した以外は、実施例1と全く同様な方法
で低発塵化処理された生石灰を得た。 (比較例1)分岐ポリエチレンイミンのジエチレングリ
コール溶液の代わりに、ジエチレングリコール40gを
加えた以外は、実施例1と全く同様な方法で処理した生
石灰を得た。 (比較例2)実施例1〜4及び比較例1で用いた生石灰
を、未処理のまま比較例2の試料とした。
【0030】2.飛散性の評価 図1に飛散性の評価に用いた飛散率測定装置1を示す。
飛散率測定装置1は、直径380mm、長さ2000m
mであって両側が開口している円筒風洞2を備え、円筒
風洞2内には整流器3が設けられている。ファン4から
送られ、円筒風洞2から出て測定板6上を通り抜ける風
は、整流器3によって、風速が一定で、測定板に対して
平行な風になっている。円筒風洞2の下端部は床から2
60mmの高さになるように設置されている。また、飛
散率測定装置1は、長さ1000mmのミニベルトコン
ベアー5、測定板6(380mm×380mm)を備え
ている。ミニベルトコンベアー5のベルト上に、実施例
1〜4で低発塵化処理をした生石灰のいずれか300g
(試料量)を厚さ約1cmで敷いて、ミニベルトコンベ
アー5のベルトを矢印Aの方向に回転させ、実施例1〜
4の生石灰を毎秒15gの速度で測定板6上に落下させ
た。同時に、ファンにより円筒風洞2内に風を送り、整
流器3で整流し、測定板6上を通過するとき風速3m/
sとなるように調節した。ミニベルトコンベアー5上の
生石灰が全て落下後、測定板6上に残留している生石灰
の残留量を測定し、下記式より飛散率を計算した。 飛散率(%)=[(試料量(g)−残留量(g))/試
料量(g)]×100 また、比較例1で得た生石灰と、比較例2の生石灰(未
処理生石灰)について、全く同様の評価を行った。
【0031】実施例1〜4及び比較例1で得た処理済み
生石灰それぞれの飛散率と、未処理生石灰の飛散率から
処理効果率を下記式により求めた。 処理効果率(%)={(未処理生石灰の飛散率−処理済
み生石灰の飛散率)/未処理生石灰の飛散率}×100
【0032】以上で求めた飛散率と処理効果率の結果を
表1に示した。
【表1】
【0033】表1から分かるように、本発明の低発塵化
処理方法によって処理した粉体は、未処理の粉体と比較
して、飛散率が明らかに低い。ジエチレングリコールと
混合した比較例2と比較しても、良好な結果を示してい
る。また、実施例1〜4の低発塵化処理によって、生石
灰が反応等の化学的な性状の変化を起こすこともなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載の粉体の低発塵化処理方
法によれば、分岐ポリエチレンイミン溶液の溶媒として
有機溶媒を用い、水を含まないことから、水と反応する
粉体、例えば、各種セメントや生石灰に対しても低発塵
化処理を行うことができる。また、粉体に対する分岐ポ
リエチレンイミンの重量比の下限が、0.005%とい
う少量であってもよく、また、この分岐ポリエチレンイ
ミン溶液を粉体に対して単に混合すればよいので、安価
で簡便な粉体の低発塵化処理方法となる。
【0035】請求項2に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、請求項1の発明の効果に加えて、より発塵を
有効に抑えることができる。
【0036】請求項3に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、請求項1または2に記載の効果に加えて、ジ
アルデヒド溶液を混合するとシッフ塩基を有する3次元
化ポリマーが生成されるので、さらに効果的に低発塵化
処理される。
【0037】請求項4に記載の粉体の低発塵化処理方法
によれば、シッフ塩基を有する3次元化ポリマーが生成
されやすくなり、より効果的に低発塵化処理される。
【0038】請求項5において特定される粉体に対し
て、本発明の低発塵化処理を行うと、発塵を有効に抑え
ることができる。特に、水を用いて低発塵化処理するこ
とが不適当である、生石灰、軽焼ドロマイト、セメン
ト、石膏、一部の粘土鉱物には、化学的な性状の変化を
起こさせることなく低発塵化処理を行うことができるの
で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、飛散性の評価に用いた飛散率
測定装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田上 博章 東京都中央区新川1丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体の発塵を抑えるための粉体の低発塵
    化処理方法において、 前記粉体に、溶媒として有機溶媒を用いた分岐ポリエチ
    レンイミン溶液を、前記粉体に対する前記分岐ポリエチ
    レンイミン溶液中に含まれる分岐ポリエチレンイミンの
    重量比が0.005%以上になるように、混合する工程
    を含むことを特徴とする粉体の低発塵化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記有機溶媒は、エチレングリコール、
    ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
    ピレングリコール、グリセリン、メトキシエタノール、
    エトキシエタノール、ポリエチレングリコールから選択
    される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の粉体の低発塵化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記の粉体に分岐ポリエチレンイミン溶
    液を混合する工程の後に、溶媒として有機溶媒を用いた
    ジアルデヒド溶液を混合する工程を行うことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の粉体の低発塵化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記ジアルデヒドが、グリオキザール、
    マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタル
    アルデヒドから選択される少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項3に記載の粉体の低発塵化処理方法。
  5. 【請求項5】 前記粉体が、生石灰、軽焼ドロマイト、
    セメント、石膏、スラグ、コークス粉、石炭粉、珪藻
    土、珪砂、粘土鉱物から選択される少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉
    体の低発塵化処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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