JPH118063A - エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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JPH118063A
JPH118063A JP9154928A JP15492897A JPH118063A JP H118063 A JPH118063 A JP H118063A JP 9154928 A JP9154928 A JP 9154928A JP 15492897 A JP15492897 A JP 15492897A JP H118063 A JPH118063 A JP H118063A
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layer
particles
light emitting
prism film
light
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JP9154928A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Abe
秀俊 阿部
Yoshinori Araki
好則 荒木
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • H05B33/145Arrangements of the electroluminescent material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/02Details
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources
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    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレクトロルミネッセンス素子において、素
子面に対する法線方向および法線から傾いた角度方向へ
放射される光を効果的に高め、広い観測角度での発光輝
度を向上させる。 【解決手段】 発光面(91)を有するエレクトロルミ
ネッセンス要素(9)と、複数のプリズムが配置された
表面(11)および該表面(11)と対向する背面(1
2)を有し、該発光面(91)の上に配置されたプリズ
ムフィルム(1)とを含んでなるエレクトロルミネッセ
ンス素子において、プリズムフィルム(1)の背面(1
2)とEL要素(9)の発光面(91)とを光学的に密
着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロルミネ
ッセンス素子(以下、「EL素子」という。)およびそ
の製造方法に関し、プリズムフィルムを効果的に利用し
た高輝度発光EL素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体発光層を含むEL素子
や、蛍光体等の発光体粒子を高誘電率ポリマー等のマト
リックス樹脂に分散させて形成した、いわゆる「分散型
発光層」を含むEL素子が知られている。たとえば、
「分散型発光層」を含むEL素子は、特公昭59−14
878号公報に開示されている様に、透明基材、透明電
極層、フッ化ビニリデン系マトリックス樹脂だけからな
る絶縁層、フッ化ビニリデン系マトリックス樹脂と蛍光
体粒子とからなる発光層、上記と同一の絶縁層、および
背面電極をこの順に積層して形成される。
【0003】また、特公昭62−59879号公報に
は、ポリエステルフィルム、ITO電極、シアノエチル
化エチレン−ビニルアルコール共重合体(マトリックス
樹脂)と蛍光体粒子とからなる発光層、およびアルミ箔
(背面電極)をこの順に積層してなるEL発光素子が開
示されている。これらのEL素子では、通常は発光層か
らの光を放射する透明基材の両面(表面および背面)は
平滑であり、光学作用を利用して発光輝度を高める工夫
はなされていない。
【0004】一方、特開平5−94994号公報等か
ら、複数のプリズムが配置された表面を有するプリズム
フィルムをEL素子等の面状発光体の発光面上に載置
し、プリズムによる光学作用を利用して発光輝度を高め
ることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な構成では、発光面の法線方向に放射される光を強め
ることは可能であるが、法線から傾いた角度(たとえ
ば、法線から30度以上)の方向へ放射される光を効果
的に強めることができず、広い観測角度での輝度の向上
は望めない。この理由について本願発明者らが研究した
結果、法線から傾いた角度方向の光は、発光層とプリズ
ムフィルムとの界面に存在する空気層で反射されやす
く、プリズムフィルムへ到達する光量が減少するためで
あることが分かった。
【0006】すなわち、本発明の目的は、上記従来技術
の問題点を解決するために、法線方向および法線から傾
いた角度方向へ放射される光を効果的に強め、広い観測
角度での発光輝度が向上したEL素子を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発光面(9
1)を有するエレクトロルミネッセンス要素(9)と、
複数のプリズムが配置された表面(11)および該表面
(11)と対向する背面(12)を有し、該発光面(9
1)の上に配置されたプリズムフィルム(1)とを含ん
でなるエレクトロルミネッセンス素子において、プリズ
ムフィルム(1)の背面(12)とエレクトロルミネッ
センス要素(9)の発光面(91)とが光学的に密着し
たエレクトロルミネッセンス素子を提供し、上記課題を
解決する。
【0008】本発明によれば、図1に示す様に、プリズ
ムフィルム(1)の背面(プリズムを持たない面)とE
L要素(9)の発光面とが光学的に密着されているの
で、発光面の法線方向および法線から傾いた角度方向へ
放射される光が効果的に強められ、広い観測角度での発
光輝度が向上する。
【0009】プリズムフィルム(1)とEL要素(9)
とが「光学的に密着」するとは、それらの間に、EL要
素から放射されプリズムフィルムへ到達する光量を減ら
す様に作用する空気層が介在しない状態を意味する。ま
た、EL要素(9)の発光面が略平坦であり、かつプリ
ズムフィルム(1)の背面が略平坦である場合、この様
な密着状態の形成が特に容易である。
【0010】光学的な密着状態は、たとえば、 A:プリズムフィルム(1)の背面に、透明導電層
(2)を直接コーティングし、透明導電層(2)の背面
に発光層(8)を密着する様に配置することにより、ま
たは B:プリズムフィルム(1)とEL要素(9)とを、透
明接着剤の層を介して、3者間に実質的に空気層が介在
しない様に接着することにより達成できる。後者の場
合、透明接着剤の光透過率は75%以上である必要があ
り、好適には80%以上、特に好適には85%以上であ
る。透明接着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、
アクリル系感熱性接着剤などが使用できる。なお、本明
細書における「光透過率」は、日本分光(株)社製の紫
外/可視分光光度計「型番:Ubest V−560」を使
用し、550nmの光を用いて測定された光線透過率を
意味する。
【0011】また、発光層(8)が、発光体粒子(7)
を含む粒子から実質的になり、支持層(3)と絶縁層
(5)との間に位置し、支持層(3)と絶縁層(5)と
の両方に密着している発光粒子層(4)を含んでなる場
合、発光層(8)における発光体粒子の充填率が容易に
高められ、発光輝度がいっそう向上する。
【0012】また、EL素子は、有利には、i)透明導
電層(2)が背面(11)に積層されたプリズムフィル
ム(1)を用意し、 ii)透明導電層(2)の上に、マトリックス樹脂を含ん
でなる支持層(3)形成用の塗料を塗布し、その塗料が
固化する前に、発光体粒子(7)を含む粒子を層状に散
布し、その層を塗料中に部分的に埋設させた後その塗料
を固化し、透明な支持層(3)と、支持層(3)に密着
した発光粒子層(4)とを形成し、 iii)発光粒子層(4)の上に、絶縁体物質を含んでなる
絶縁層(5)形成用の塗料を塗布し、その塗料を固化し
て発光粒子層(4)と密着した絶縁層(5)を形成し、 iv)絶縁層(5)の上に背面電極層(6)を積層する、 ステップを含んでなる製造方法によりで製造する。この
方法により、従来のように発光体粒子の分散塗料を用い
る必要がなく、発光輝度が高い大面積のシート状EL素
子を、生産性良く製造することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】EL要素 本発明の1つの形態におけるEL要素は、図1に示す様
に、透明導電層(2)と背面電極(6)との間に挟まれ
た発光層(8)とからなるシート状のEL要素である。
図1の形態の透明導電層(2)は、プリズムフィルム
(1)の平坦な背面に直接コーティングして設けられて
平坦な発光面を形成し、プリズムフィルムとEL要素と
の間での光学的な密着状態を可能にしている。なお、こ
の形態では、最表層の透明基材をプリズムフィルム
(1)に代えた以外は、通常の分散型EL素子と実質的
に同一である。
【0014】発光層(8)は、分散型発光層とは異なる
構造、すなわち、マトリックス樹脂を含んでなる透明な
支持層(3)と、絶縁体物質を含んでなる絶縁層(5)
と、それらの間に挟まれた発光体粒子から実質的になる
発光粒子層(4)とが互いに密着した積層構造とするの
が好ましい(詳細は後述する)。なお、EL要素全体の
厚みは、通常40〜3,000μmの範囲である。
【0015】プリズムフィルム プリズムフィルムは、たとえば、1つの方向に沿って互
いに平行に配置された複数のプリズム突条を有するフィ
ルムが使用できる。この様なプリズムフィルムの具体例
を挙げると、3M(株)社製「(品番)BEF90H
P」、同「(品番)BEFII90/50」、同「(品
番)BEFII100/31」、同「(品番)BEFII9
0/24」、同「(品番)SOLF」等である。
【0016】プリズムフィルムのプリズム角度(突条の
頂部の角度)は、通常70〜120度、好適には80〜
100度の範囲である。プリズム角度が小さすぎると観
測角度が狭くなるおそれがあり、反対に大きすぎると、
発光輝度を高める効果が低下するおそれがある。互いに
隣接するプリズムの頂部間の距離(プリズムピッチ)
は、通常10〜1,000μm、好適には20〜400
μmの範囲である。プリズムピッチが小さすぎると観測
角度が狭くなるおそれがあり、反対に大きすぎると、発
光輝度を高める効果が低下するおそれがある。プリズム
フィルムの厚み(基材の背面からプリズム突条の頂部ま
での高さ)は、通常50〜1,000μm、好適には1
00〜600μmの範囲である。
【0017】プリズムフィルムは、通常は樹脂から形成
される。この様な樹脂の例は、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)
等のポリエステル樹脂;ポリメチルメタクリレート、変
性ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリフ
ッ化ビニリデン、アクリル変性ポリフッ化ビニリデン等
のフッ素樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系コ
ポリマー等の塩化ビニル樹脂等である。
【0018】図1のプリズムフィルムは、複数のプリズ
ム突条が配置された表面(11)と、略平坦な背面(1
2)とを有する。また、図1の様な単層フィルムを用い
ることもできるが、プリズムの層と、その層の平坦面に
密着した別の層を含む多層プリズムフィルムを用いるこ
ともできる。たとえば、いずれかの層が、透明性が高
く、かつ発光層の発光色と補色の色に発色する染料を含
む様にし、光の白色度を高めることができる。この様な
染料は、たとえば発光層の発光色が青緑色である場合、
ローダミン6G、ローダミンB、ペリレン系染料などの
赤色または桃色系の蛍光染料である。また、これらの染
料を樹脂中に分散させて形成した加工顔料も使用でき
る。
【0019】プリズムフィルムの光透過率は、通常60
%以上、好適には70%以上、特に好適には80%以上
である。また、本発明の効果を損なわない範囲におい
て、プリズムフィルム中に、紫外線吸収剤、吸湿剤、着
色剤、蛍光物質、燐光物質等の添加剤を含有させること
もできる。
【0020】プリズムの形状は、上記のように横断面が
三角形の他、本発明の効果を損なわない限りいろいろな
形状を自由に選択できる。たとえば、キューブコーナー
(三角錐)プリズム、プリズムの頂部を丸められたり、
切り欠かれた変形プリズム、横断面が略半円または略楕
円状の曲面プリズム等である。
【0021】透明導電層 透明導電層は、好適にはプリズムフィルムの背面に直接
コーティングして形成する。透明導電層には、通常の分
散型のEL素子に用いられているITO(インジウム・
チン・オキサイド)膜などの透明電極が使用できる。透
明導電層の厚みは、通常0.01〜1,000μmであ
り、表面抵抗値は、通常500Ω/□以下、好適には1
〜300Ω/□である。また、光透過率は通常70%以
上、好適には80%以上である。ITO膜は、通常の蒸
着、スパッタリング、ペーストの塗布等のコーティング
手段により形成する。また、プリズムフィルムの表面に
コロナ処理または酸化珪素コーティング等の易接着処理
を施した後、ITO膜をコーティングすることもでき
る。
【0022】図1の形態では、透明導電層はプリズムフ
ィルム上に直接設けられており、透明導電層とプリズム
フィルムとの間には、光を吸収または/および反射する
層がない。したがって、このような構成は、発光面の法
線方向に沿って観測される、発光輝度の向上には特に効
果的である。
【0023】広い観測角度での発光輝度を均一にするに
は、プリズムフィルムの背面とEL要素の発光面とが光
学的に密着されていれば良いのであるから、本発明は図
1の様な構成に限定されない。たとえば、プリズムフィ
ルムの上に透明接着剤の層を設けた後、その接着層の上
に透明導電層を含むEL要素を積層したり、プリズムフ
ィルムの背面にプライマー層を設けた後、透明導電層を
コーティングすることもできる。透明接着剤の層または
プライマー層の厚みは、通常0.1〜100μmであ
る。
【0024】背面電極 背面電極は、発光層の背面側(発光層の絶縁層側)に配
置される。図1の形態では、発光層と直接接する様に配
置されている。また、発光層との間に背面電極との接着
力を高める等の目的で、樹脂層を設けることもできる。
この樹脂層の樹脂には、たとえば、後述する高誘電率ポ
リマーを使用する。また、樹脂層に、絶縁体無機粒子を
含有させることもできる。
【0025】背面電極は、通常の分散型のEL素子に用
いられている導電膜、たとえばアルミニウム、金、銀、
銅、ニッケル、クロム等の金属膜;ITO膜等の透明導
電膜;導線カーボン膜などが使用できる。金属膜は、た
とえば、蒸着膜、スパッタ膜、または金属箔などであ
る。背面電極の厚みは、通常5nm〜1,000μmで
ある。また、背面電極も透明導電膜からなり、かつ絶縁
層が透明である場合、EL素子の表裏両面を発光させる
ことが可能である。
【0026】発光層の形成 発光層は、たとえば、次のようにして形成する。高誘電
率ポリマーを含んでなるマトリックス樹脂と、蛍光体粒
子と、溶媒とを混合し、ホモミキサー等の混練装置を用
いて均一に分散させ、分散型発光層用の塗料を調製し、
それを塗布、乾燥させて発光層を形成する。この場合、
透明導電層または背面電極の上に、塗料を直接塗布して
も良いし、また、剥離性を有する仮の支持体の上に発光
層を形成した後、透明導電層または背面電極の上に転写
しても良い。塗料の固形分濃度は、通常10〜60重量
%である。なお、塗布手段、塗布厚、乾燥条件等は、通
常の分散型発光層の形成方法に準ずる。
【0027】積層型発光層(支持層、発光粒子層および
絶縁層とからなる積層構造)は、たとえば、次のように
して形成する。まず、発光粒子層を、通常の粉体コーテ
ィング法により、支持層または絶縁層のいずれか一方の
表面に形成する。たとえば、支持層が流動性を有してい
る間に、静電吸引法、スプレー法、重力散布法等の手段
により、発光体粒子を含む粒子を支持層上に散布し、粒
子が部分的に、またはほぼ全体的に支持層中に埋没した
状態の発光粒子層を形成した後、支持層の流動性を失わ
せて、支持層と粒子層とを互いに密着させる。支持層が
流動性を有する状態にするには、溶剤を含む支持層用の
塗料から形成した塗布層を未乾燥状態に保つ方法、支持
層用の樹脂の軟化点または融点以上の温度に支持層を保
つ方法、または、放射線硬化型モノマーを支持層用の塗
料に含ませる方法が好適である。これらの方法によれ
ば、支持層の流動性を失わせる固化操作(乾燥、冷却ま
たは硬化)が容易である。また、同様の方法により、支
持層に代えて塗布層からなる絶縁層の上に、発光粒子層
を形成することもできる。
【0028】上記の様にして形成した発光粒子層の上
に、最後の層(絶縁層または支持層の他方)を積層し、
これらが互いに密着した積層構造を形成する。最後の層
は、その層を形成する材料を含んでなる塗料を塗布し、
固化させて積層するか、または、その層を形成する材料
からなるフィルムを圧着させる方法によって積層するの
が好ましい。これらの方法によれば、支持層、発光粒子
層および絶縁層の、それぞれの界面に気泡が存在しない
密着構造が確実に形成できる。
【0029】図1の形態では、発光粒子層は単層状に配
置された複数の粒子からなり、支持層および絶縁層の両
方に密着している。しかしながら、本発明の効果を損な
わない範囲において、発光粒子層は多層状の粒子層であ
っても良く、また、支持層または絶縁層のいずれか一方
に、発光粒子層の一部のまたはほぼ全部の粒子が完全に
埋没しても良い。要は、発光粒子層が、支持層と絶縁層
との間に配置され、いずれの層どうしの界面にも気泡が
実質的に存在しない、密着構造が形成できれば良いので
ある。
【0030】また、上記の様にして形成された発光粒子
層では、通常、粒子間に支持層または絶縁層の材料が侵
入する。この場合、粒子の充填率は、通常20体積%以
上、好適に30体積%以上、特に好適には40体積%以
上になる様にする。充填率の低下は、発光輝度の低下を
招くおそれがあるからである。ここでいう「粒子の充填
率」は、発光粒子層の全部の粒子と、その粒子間に存在
するその粒子以外の材料とからなる層を仮定し、その仮
定層の全体積に対する粒子の全体積の百分率であると定
義する。さらに、本発明の効果を損なわない限り、支持
層または/および絶縁層が2層以上の積層体であっても
良い。
【0031】支持層 発光層の支持層は、好適には透明導電層の背面に密着す
る様に配置される。これにより、発光層の発光効率が容
易に高められる。支持層は、マトリックス樹脂を含んで
なる透明な層である。支持層の厚みは通常3〜1,00
0μmであり、光透過率は通常70%以上、好適には8
0%以上である。マトリックス樹脂としては、通常の分
散型EL素子の発光層に用いられる、エポキシ樹脂、高
誘電率ポリマーなどが使用できる。高誘電率ポリマー
は、1kHzの交流電圧を印加して測定した誘電率が通
常約5以上、好適には7〜25、特に好適には8〜18
の範囲のポリマーである。誘電率が低すぎると発光輝度
が高められないおそれがあり、反対に高すぎると、発光
層の寿命が短くなるおそれがある。
【0032】高誘電率ポリマーの例は、フッ化ビニリデ
ン系樹脂、シアノ系樹脂等である。フッ化ビニリデン系
樹脂は、たとえば、フッ化ビニリデンモノマーと、少な
くとも1種の他のフッ素系モノマーとの混合物の共重合
により得られる。他のフッ素系モノマーは、たとえば、
四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プ
ロピレン等である。シアノ系樹脂は、たとえば、シアノ
エチルセルロース、シアノエチル化エチレン−ビニルア
ルコール共重合体等である。
【0033】図1の形態では、支持層はマトリックス樹
脂だけからなるが、本発明の効果を損なわない範囲にお
いて、他の樹脂、充填剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、防黴剤、防錆剤、吸湿剤、着色剤、燐光物
質等の添加剤を含有させることもできる。たとえば、発
光粒子層の発光色が青緑色である場合、ローダミン6
G、ローダミンB、ペリレン系染料などの赤色または桃
色系の蛍光染料を含有させることもできる。また、上記
他の樹脂は、透明性を損なわない限り、硬化性または粘
着性を有していても良い。
【0034】絶縁層 発光層の絶縁層に含まれる絶縁体物質は、たとえば、通
常の分散型EL素子に用いられる絶縁体粒子、高誘電率
ポリマー等であってよい。図1の形態では、絶縁層は、
高誘電率ポリマー中に絶縁体粒子を分散させて形成した
塗料から形成された塗布層である。絶縁体粒子の例は、
二酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、
酸化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム等の絶縁体無機
粒子である。高誘電率ポリマーは、支持層に用いられ得
るポリマーが使用できる。絶縁層は、たとえば、背面電
極または発光粒子層の上に塗布により設けることができ
る。絶縁層が、絶縁体粒子と高誘電率ポリマーとを含ん
でなる塗布層である場合、それらの配合割合は、高誘電
率ポリマー100重量部に対して、絶縁体粒子が1〜4
00重量部、好適には10〜300重量部、特に好適に
は20〜200重量部の範囲である。絶縁体粒子が少な
すぎると、絶縁効果が低減し発光輝度が低下するおそれ
があり、反対に多すぎると、塗料の塗布が困難になるお
それがある。
【0035】絶縁層の厚みは通常2〜1,000μmで
ある。絶縁層には、絶縁性を損なわない範囲において、
充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆剤、吸
湿剤、着色剤、燐光物質、硬化性樹脂、粘着剤等の添加
剤を含有させることもできる。
【0036】発光粒子層 発光粒子層の発光体粒子は、交流電界中に置かれた時に
自ら発光する粒子であり、たとえば、通常の分散型EL
素子の発光層に用いられている蛍光体粒子が使用でき
る。蛍光体は、たとえば、ZnS、CdZnS、ZnSSe、
CdZnSe等の蛍光化合物の単体、または蛍光化合物に
Cu、I、Cl、Al、Mn、NdF3 、Ag、B等の補助
成分を添加した複合体からなる。
【0037】蛍光体粒子の平均粒子径は、通常5〜10
0μmである。また、粒子化された蛍光体の表面にガラ
ス、セラミックス等で被覆膜を形成したものを用いても
良い。発光粒子層の厚みは、通常5〜500μmであ
る。また、発光粒子層が実質的に単層状に配置された複
数の粒子からなる場合、EL素子の薄型化が容易になる
ので好適である。
【0038】さらに発光粒子層は、2種以上の発光体粒
子を含んでいても良い。たとえば、青、青緑、緑、オレ
ンジなどの色の光を発光し、互いに独立するスペクトル
を持つ発光体粒子を、少なくとも2種類混合し、白色度
の高い発光層を形成することができる。
【0039】発光粒子層の粒子に含まれる発光体粒子の
割合は、好適には40体積%以上である。40体積%未
満であると、発光輝度の向上効果が低下するおそれがあ
る。発光輝度は、粒子が発光体粒子だけからなる場合に
最も高められる。したがって、特に好適な発光体粒子の
割合は、50〜100体積%の範囲である。
【0040】発光粒子層は、発光体粒子以外の粒子(ガ
ラス、着色材、燐光物質、ポリマー、無機酸化物等から
なる粒子)を1種または2種以上を含有することができ
る。たとえば、青緑色の光を発光する発光体粒子と、そ
の光と補色の関係にある桃色着色材(ローダミン6G、
ローダミンBなどを含有する粒子等)とを混合し、白色
度の高い発光層を形成することができる。
【0041】EL素子の製造方法 次に、上記の様な積層型EL要素を含むEL素子を製造
するのに適した、本発明の1形態の製造方法について説
明する。まず、透明導電層が表面に積層されたプリズム
フィルムを用意し、透明導電層の上に支持層形成用の塗
料を塗布し、その塗料が乾燥する前に発光体粒子を含む
粒子を層状に散布し、支持層中に粒子の層を部分的に埋
設し、その後その塗料を乾燥する。これにより、支持層
中に部分的に埋設され、かつ支持層に密着した発光粒子
層が容易に形成できる。
【0042】粒子は、粒子の垂直方向(支持層の面に対
して垂直な方向)の長さ(たとえば、略球状粒子であれ
ば「直径」)の、通常は1〜99%、好適には10〜9
0%、特に好適には20〜80%の部分が、支持層中に
埋没する様にする。埋没割合が1%未満であると、絶縁
層の形成段階で粒子層が破損するおそれがあり、反対に
99%を超える様に埋設しようとすると、粒子層が均一
に形成できないおそれがある。
【0043】支持層形成用の塗料の塗布厚は、乾燥厚が
上記の範囲になる様に選ばれる。支持層の塗料の固形分
濃度は、通常5〜80重量%の範囲である。塗料に用い
られる溶剤は、マトリックス樹脂を均一に溶解し得る様
に、通常の有機溶媒の中から選択される。塗料の調製に
は、ホモミキサー、サンドミル、プラネタリーミキサー
等の混合、混練装置が使用できる。塗布操作には、バー
コーター、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコー
ター等の塗布装置が使用できる。乾燥条件は、塗料の溶
剤の種類、固形分濃度にもよるが、通常、常温(約25
℃)〜150℃、5秒〜1時間の範囲で適宜選ばれる。
粒子の散布は前述の方法を用い、支持層形成用の塗料を
塗布後、通常1分以内に行う。これにより、粒子の埋設
を容易にすることができる。この時の支持層の塗料の乾
燥の程度は、粒子と支持層とのぬれ性にもよるが、固形
分濃度で表せば通常10〜95重量%、好適には20〜
90重量%の範囲である。
【0044】続いて、発光粒子層を被覆する様に絶縁層
形成用の塗料を塗布し、その塗料を乾燥する。これによ
り、発光体粒子層が、支持層および絶縁層の両層に埋設
され、いずれの層どうしの界面にも気泡が実質的に存在
しない、密着構造が形成できる。
【0045】絶縁層形成用の塗料の塗布厚は、乾燥厚が
上記の範囲になる様に選ばれる。絶縁層形成用の塗料の
固形分濃度は、通常5〜70重量%の範囲である。塗料
に用いられる溶剤は、絶縁体物質を均一に溶解またはお
よび分散し得る様に、通常の有機溶媒の中から選択され
る。塗料の調製および塗布には、支持層形成用の塗料の
場合と同様の装置、器具が使用できる。乾燥条件は、塗
料の溶剤の種類、固形分濃度にもよるが、通常、常温
(約25℃)〜150℃、5秒〜1時間の範囲で適宜選
ばれる。
【0046】最後に、絶縁層の上に背面電極層を積層す
る。背面電極の形成は、前述の方法が使用できる。しか
しながら、乾燥後の絶縁層上にに効率良く、かつ密着性
良く設けるには、蒸着、スパッタリング等の真空薄膜形
成法が好適である。
【0047】上記の製造方法は、各ステップが通常のシ
ート状の物品の製造方法と実質的に同一であるので、通
常のシート状の物品の製造工程を用い、発光輝度が高い
大面積のシート状EL素子を製造することが可能であ
る。たとえば、幅25〜200cm、長さ100〜200
00mのプリズムフィルムのロール状原反から出発し、
透明導電層、支持層、発光粒子層、絶縁層および背面電
極を、次々に積層していくことにより、大面積のシート
状EL素子を量産することができる。また、発光体粒子
の分散塗料を用いる必要がないので、分散塗料に起因し
て生ずる問題点を回避できる。
【0048】また、上記方法に類似の別法として、ま
ず、背面電極を含む支持体の上に絶縁層塗料を塗布し、
それが乾燥する前に発光粒子を散布し、絶縁層中に粒子
層を部分的に埋設した後乾燥し、続いて支持層塗料を塗
布、乾燥し、最後に、透明導電層付きプリズムフィルム
をドライラミネートするという、一連の工程を含む製造
方法もあり、上記方法と同様の効果を奏する。
【0049】EL素子の用途 本発明のEL素子は、自動車の液晶計器盤等の液晶ディ
スプレーのバックライト光源として使用できる。また、
内照式の看板、道路標識、装飾ディスプレー等の内照式
表示体の光源としても使用できる。たとえば、光透過性
シートの表面に、文字、図案等のイメージを設け、シー
トの背面とEL素子の発光面とを向かい合う様にして配
置して使用する。光透過性シートは、たとえば、上記プ
リズムフィルムと同様の素材が使用でき、その光透過率
は通常20%以上である。この時、シートの背面とEL
素子の発光面とは密着させないのが好ましい。
【0050】また、プリズム型再帰性反射シートを光透
過性シートとして用いることもできる。再帰性反射シー
トとの組み合わせは、EL内蔵型表示体に、再帰反射性
と自発光性能とを合わせ持たせることができる。
【0051】EL素子の発光は、通常、透明導電層と背
面電極層とに設けられた2つの端子に電源を接続し、素
子に電圧を印加して行う。電源としては、たとえば、乾
電池、蓄電池、太陽電池等の電池を使用したり、送電線
から供給される交流電流を、インバータ(電圧や周波数
の大きさを変えたり、交流−直流間の変換を行う装置)
を介してEL素子に供給する。交流周波数は、通常50
〜1,000Hzの範囲である。また、印加電圧は、通
常3〜200Vの範囲である。
【0052】積層型発光層は発光効率が高いので、分散
型発光層の場合よりも低い電圧(たとえば、100V以
下)でも十分な明るさ(たとえば、50cd/m2
上)で発光する。また、EL素子を屋外で使用する場
合、EL素子を、ポリアミド系樹脂等からなる捕水フィ
ルムや、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等からな
る防湿フィルムにて被覆して用いるのが好ましい。
【0053】
【実施例】
(実施例1)EL素子の形成 まず、プリズムフィルムとして、3M(株)社製の輝度
上昇フィルム(Brightness Enhancement Film )「品
番:BEFII90/50」を用意し、その平坦面にIT
O(インジウム−錫−オキサイド)からなる透明導電層
をスパッタ法により直接コーティングした。このプリズ
ムフィルムは、PETフィルムからなる平坦な基層の一
方の表面上に、アクリル樹脂からなる複数のプリズム突
条を平行に配置してなるレンズ層を積層したフィルムで
あった。基層の背面からプリズム突条の頂部までの高さ
は155μm、プリズム角度(突条の頂部の角度)は9
0度、プリズムピッチは50μmであった。また、IT
O層の厚みは約100nm、表面抵抗値は60Ω/□で
あった。
【0054】一方、分散型の発光層を次のようにして形
成した。まず、高誘電率ポリマー100重量部、蛍光体
粒子150重量部および酢酸エチルを混合し、ホモミキ
サーを用いて均一に分散させて、発光層形成用塗料を調
製した。塗料の固形分は約45重量%であった。この塗
料を、プリズムフィルム上に既に形成された透明導電層
の上に、ナイフコーターを用いて塗布し、約65℃、約
1分間の条件で乾燥した。発光層の乾燥後の厚さは30
μmであった。
【0055】用いた高誘電率ポリマーは、3M(株)社
製のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−フッ化ビニリデン共重合体「品番:THV200
P」で、このポリマーの誘電率は8(1kHz)、光透
過率は96%であった。また、用いた発光体粒子は、オ
スラム・シルバニア(株)社製のZnS系の蛍光体粒子
「品番:S−728(平均粒子径は約23μm)」であ
った。
【0056】続いて、発光層の上に絶縁層形成用の塗料
を塗布し、その塗料を乾燥させ、絶縁層を形成した。用
いた絶縁層形成用の塗料は、高誘電率ポリマー(前述の
「品番:THV200P」)、絶縁体粒子(関東化学
(株)社製のチタン酸バリウム)および酢酸エチルを混
合した以外は、発光層用の塗料と同様にして調製した。
ポリマー:絶縁体粒子の重量比は、100:80であ
り、塗料の固形分は約38重量%であった。塗料の塗布
は、ナイフコーター用いて行い、乾燥条件は約65℃、
約1分間であった。絶縁層の乾燥後の厚さは15μmで
あった。
【0057】最後に、絶縁層の上に、真空蒸着法を用い
てアルミニウムからなる背面電極層を積層し、本実施例
のフィルム状EL素子を形成した。なお、ここで用いた
真空蒸着装置は、ULVAC(株)社製「形番:EBV
−6DA」であり、真空蒸着は、チャンバー内圧力10
-5Torr以下、蒸着時間5秒間の条件で行った。
【0058】EL素子の発光 本実施例のEL素子(平面寸法100mm×100mm
の正方形状に裁断したもの)の透明導電層および背面電
極層にそれぞれ端子を設け、電源装置(菊水電子工業
(株)社製「品番:PCR500L」)を接続して、1
20V、600Hzにて交流電圧を印加したところ、均
一に発光した。
【0059】また、EL素子を暗箱内に設置し、プリズ
ムフィルムの表面から1m垂直方向に離れた点における
発光輝度を、ミノルタ(株)社製の輝度計「品番:LS
110」を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0060】(比較例1)プリズムフィルムに代えて、
両面が平坦な透明フィルム(尾池工業(株)社製ITO
層付きPETフィルム「品番:TCF・KPC300−
75(A)」、厚み75μm、光透過率は81%)を用
いた以外は、実施例1と同様にして本比較例のEL素子
を作製した。本比較例のEL素子の発光輝度を、実施例
1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0061】(実施例2)分散型発光層に代えて、積層
型発光層を次のようにして形成した以外は、実施例1と
同様にして本実施例のEL素子を作製した。まず、高誘
電率ポリマー(実施例1と同じ)と、酢酸エチルとを混
合し、ホモミキサーを用いて均一に分散させて、支持層
形成用塗料を調製した。塗料の固形分は約25重量%で
あった。
【0062】次に、プリズムフィルムの透明導電層の上
に、支持層形成用の塗料を塗布し、その塗料が乾燥する
前に発光体粒子を実質的に単層状に散布し、粒子が直径
の約50%が埋没する様に埋設した後、塗料を乾燥し
た。塗料の塗布は、ナイフコーターを用いて行い、塗布
直後に粒子を散布した。乾燥条件は、約65℃、約1分
間であった。支持層と発光体粒子層とを合わせた乾燥後
の厚さは、40μmであった。なお、発光体粒子は、実
施例1と同じものを用いた。
【0063】続いて、発光粒子層を被覆する様に、実施
例1で用いたのと同じ絶縁層形成用の塗料を塗布し、そ
の塗料を乾燥させ、絶縁層を形成した。塗布および乾燥
操作は、実施例1と同じであった。これにより、発光体
粒子層が、支持層および絶縁層の両層に埋設され、いず
れの層どうしの界面にも気泡が実質的に存在しない、密
着構造が形成できた。なお、発光層の乾燥厚さは45μ
mであった。
【0064】本実施例のEL素子に、印加条件を100
V、400Hzに換えた以外は実施例1と同様にして交
流電圧を印加したところ、明るく均一に発光した。ま
た、この時の発光輝度を実施例1と同様にして測定し
た。結果を表1示す。
【0065】(比較例2)プリズムフィルムに代えて、
比較例1で用いた透明フィルムを用いた以外は、実施例
2と同様にして本比較例のEL素子を作製した。本比較
例のEL素子の発光輝度を、実施例2と同様にして測定
した。結果を表1に示す。
【0066】(比較例3)比較例2と同様にして作製し
たEL素子をEL要素として用い、その透明フィルムの
表面に、実施例1で用いたプリズムフィルムを、その平
坦面がEL要素の発光面と向かい合う様にして載置し、
本比較例のEL素子を作製した。本比較例のEL素子で
は、EL要素の発光面とプリズムフィルムとの界面に
は、薄い空気層が存在した。本比較例のEL素子の発光
輝度を、実施例2と同様にして測定した。結果を表1に
示す。
【0067】
【表1】
【0068】発光輝度の角度依存性 実施例2と比較例3のEL素子を用い、プリズムフィル
ム(の平坦面)の法線に対して0、25、30、45お
よび60度の方向に傾いた観測角度における発光輝度
を、上記と同様の方法にて測定した。結果を表2と図2
に示す。本発明によるEL素子(実施例2)では、法線
から25度より大きな観測角度においても十分な輝度が
得られるのに対し、従来のEL素子(比較例3)では、
25度より大きな観測角度において明らかな輝度の低下
が見られた。
【0069】
【表2】 プリズムフィルム 各観測角度における発光輝度(cd/m2) と発光層 0° 25° 30° 45° 60° 実施例2 密着 53.2 46.7 36.8 24.2 28.8 比較例3 分離 47.0 37.8 15.9 3.0 16.6
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、法線方向(0度)およ
び法線から傾いた角度方向へ放出される光が効果的に強
められ、広い観測角度での発光輝度が向上したEL素子
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のEL素子の一例の断面図。
【図2】 実施例2および比較例3のEL素子におけ
る、発光輝度の観測角度依存性を示すグラフ。
【符号の説明】
1:プリズムフィルム、2:透明導電層、3:支持層、
4:発光粒子層、5:絶縁層、6:背面電極層、7:発
光体粒子、8:発光層、9:EL要素

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光面(91)を有するエレクトロルミ
    ネッセンス要素(9)と、 複数のプリズムが配置された表面(11)および該表面
    (11)と対向する背面(12)を有し、該発光面(9
    1)の上に配置されたプリズムフィルム(1)とを含ん
    でなるエレクトロルミネッセンス素子において、 プリズムフィルム(1)の背面(12)とエレクトロル
    ミネッセンス要素(9)の発光面(91)とが光学的に
    密着したエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 前記エレクトロルミネッセンス要素
    (9)は、 a)プリズムフィルム(1)の背面(12)に向けて配
    置された表面を有する透明導電層(2)と、 b)透明導電層(2)の背面に配置された発光層(8)
    と、 c)発光層(8)の背面に配置された背面電極(6)と
    を有してなり、 前記発光層(8)は、 (c−1)マトリックス樹脂を含んでなり、透明導電層
    (2)側に配置された透明な支持層(3)と、 (c−2)絶縁体物質を含んでなり、背面電極(6)側
    に配置された絶縁層(5)と、 (c−3)支持層(3)および絶縁層(5)の両方の層
    に埋設された粒子から実質的になり、その粒子が発光体
    粒子(7)を含んでなる発光粒子層(4)とからなる、
    請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエレクトロルミネッセ
    ンス素子を製造する方法において、 i)透明導電層(2)が背面(11)に積層されたプリ
    ズムフィルム(1)を用意し、 ii)透明導電層(2)の上に、マトリックス樹脂を含ん
    でなる支持層(3)形成用の塗料を塗布し、その塗料が
    固化する前に、発光体粒子(7)を含む粒子を層状に散
    布し、その層を塗料中に部分的に埋設させた後その塗料
    を固化し、透明な支持層(3)と、支持層(3)に密着
    した発光粒子層(4)とを形成し、 iii)発光粒子層(4)の上に、絶縁体物質を含んでなる
    絶縁層(5)形成用の塗料を塗布し、その塗料を固化し
    て発光粒子層(4)と密着した絶縁層(5)を形成し、 iv)絶縁層(5)の上に背面電極層(6)を積層する、
    ステップを含んでなる製造方法。
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