JPH1180024A - 角膜血管新生阻害剤 - Google Patents

角膜血管新生阻害剤

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JPH1180024A
JPH1180024A JP9267843A JP26784397A JPH1180024A JP H1180024 A JPH1180024 A JP H1180024A JP 9267843 A JP9267843 A JP 9267843A JP 26784397 A JP26784397 A JP 26784397A JP H1180024 A JPH1180024 A JP H1180024A
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vpf
vegf
corneal
inhibitor
antibody
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Shigeru Yato
繁 矢藤
Yasushi Kawakami
康 川上
Yukichi Okuda
諭吉 奥田
Tadahiko Ozawa
忠彦 小沢
Toshiaki Segawa
俊章 瀬川
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Toagosei Co Ltd
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    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【課題】 角膜炎や角膜移植時の血管新生を抑制するこ
とのみならず、それに伴う角膜の混濁や浮腫を発生させ
ない実用的な角膜血管新生阻害剤を提供する。 【解決手段】 VEGF/VPFアンタゴニストを有効
成分とする角膜血管新生阻害剤。VEGF/VPFアン
タゴニストはVEGF/VPFに対する抗体であること
が好ましい。移植された角膜の混濁及び/又は浮腫の抑
制剤としても使用でき、移植片の生着を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管透過性因子(V
PF)[血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とも呼称されており、
本明細書では「VEGF/VPF」と総称する] アンタ
ゴニストを有効成分とする角膜血管新生阻害剤、特に、
角膜炎や角膜移植時の血管新生を抑制するとともに角膜
の混濁及び/又は浮腫を抑制する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】眼は身体の中で異物をもっとも認識し難
い組織と云われているので、ヒト角膜移植は同種移植で
ある腎移植のように集中的に免疫抑制剤を投与しなくて
も、成功率は高く、約7割とされている。一方、拒絶さ
れる残りの3割の中の80%は、適切な抗炎症剤や免疫
抑制剤を用いて拒絶反応を抑制することにより生着させ
ることが出来ると考えられている。
【0003】実際、角膜移植時の拒絶反応防止に、ステ
ロイド系と非ステロイド系の抗炎症剤が使用されてい
る。しかし、ステロイド系と非ステロイド系の抗炎症剤
は、いずれも大きな問題を抱えている。すなわち、ステ
ロイド系の点眼薬は強力な消炎作用を持っている半面、
重篤な副作用がある。この副作用としては、感染症の増
悪、感染症の誘発、創傷治癒の遅延、白内障、緑内障、
副腎系機能抑制などがあり、投薬を止めるとリバウンド
現象により炎症の増悪が起こることもある。非ステロイ
ド系抗炎症剤は、ステロイド系ほど重篤な副作用がない
が、効力が弱い欠点がある。
【0004】免疫抑制剤については、角膜移植時の拒絶
反応防止に使用できるものは限定されており、他の臓器
移植に使用できる薬剤でも角膜移植では効力が弱いのが
現状である。シクロスポリンAやFK506のようなT
リンパ球機能を特異的に抑制する免疫抑制剤の利用も有
効と思われるが、水に難溶性であるため眼科用としては
製剤化が困難で有効な薬物動態の維持や臨床での有効性
確認など開発には多くの問題がある。
【0005】一方、角膜移植術実施における同種移植片
拒絶には、角膜の血管新生が関与していることが知られ
ている(Jpn. J. Ophthalmol.,38(3),311-316(199
4))。このことから、角膜移植後に血管新生の阻害を行
えば、移植片の拒絶を抑制することが出来ると考えられ
る。このような血管新生阻害物質としては、これまで
に、例えば、プロタミン(Taylor, S. et al., Nature,
297, 307, 1982)、ヘパリンとコーチゾンの併用剤(Fo
lkman, J. et al., Science, 221, 71, 1983)、プレド
ニゾロン・アセテート(Robin, J. B., Arch. Opthalmo
l., 103, 284, 1985)、硫酸化多糖(特開昭63-119500
号公報)、ハービマイシンA(特開平63-295509号公
報)、フマギリン(特開平1-279828号公報)、インター
フェロンβ(国際公開第WO/29092号公報)等が知られて
いる。
【0006】VEGF/VPFについては、角膜および他の組織
の移植における過度の血管新生を抗VEGF/VPF抗体によっ
て阻止することの可能性が示唆されている(特表平8−
502514号公報)が、その実用性については未だ不
明である。特に、眼科領域では常に視機能の保持を念頭
において薬剤を使用しなければならず、角膜移植時の血
管新生を抑制することのみならず、移植した角膜の混濁
や浮腫を生じさせないことを確認することなくしては、
その有用性あるいは実用性を認定できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者等は、角膜炎や角膜移植時の血管新生を抑制す
ることのみならず、これに伴う角膜の混濁や浮腫を発生
させない実用的な角膜血管新生阻害剤を提供することを
目的として鋭意研究を行った結果、本発明を完成させた
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、V
EGF/VPFアンタゴニストを有効成分とする角膜血
管新生阻害剤に関するものである。本発明者等は、VEGF
/VPFの活性を中和できる抗VEGF/VPF抗体を用いてラット
の角膜移植実験(Invest. Ophthalmol. VisualSci.,26,
23(1985))を行い、抗VEGF/VPF抗体によって血管新生の
抑制のみならず、血管サイズ、浮腫、清澄度などが有意
にコントロール群に比べ改善されることを見出した結
果、本発明を完成したのである。
【0009】本発明において、VEGF/VPFアンタ
ゴニストとは、血管内皮細胞に対する特異的細胞増殖促
進活性または血管透過性促進活性を有するVEGF/V
PFの機能を阻害する機能を有するものをさし、その機
能を有するものであれば如何なる形態のものでもよく、
最も一般的には、VEGF/VPFに作用する抗体、ま
たはその一部分が挙げられるが、それらに限定されるこ
となく、例えば、VEGF/VPFの作用を阻害する不
活性なVEGF/VPF、またはその一部分、VEGF
/VPFの受容体の機能を損なう、例えば、血管内皮細
胞増殖因子/血管透過性因子受容体(例えばFLTやK
DRなど)に対する抗体、またはその一部分、さらに
は、VEGF/VPFの産生そのものを抑制する薬剤等
を挙げることができる。
【0010】VEGF/VPFには、アミノ酸残基数1
21、165、189又は206の4種類のサブタイプ
が存在するが(渋谷正史、臨床免疫、28(6)758
−764(1996)参照)、前記抗体は、何れのサブ
タイプに対する抗体であってもよい。また、該抗体とし
ては、マウス抗体等もあげられるが、ヒトへの投与にお
いて副作用を軽減するための処理を行ったものを使用す
るのが望ましい。例えば、マウスモノクローナル抗体を
ポリエチレングリコールのような物質で化学修飾を行
い、抗原性を軽減させたものや、マウス・ヒトキメラ抗
体またはヒト化抗体等を用いることできる。さらに、こ
れらを酵素的に切断して低分子化した抗体も使用するこ
とができる。該キメラ抗体またはヒト化抗体としては、
IgGタイプまたはIgAタイプ等があげられ、該Ig
Gのイソタイプとしては、IgG1、IgG2、IgG
3またはIgG4があげられる。
【0011】該キメラ抗体またはヒト化抗体は、例え
ば、VEGF/VPFによるヒト臍帯血管内皮細胞(HUVE
C)の増殖を抗VEGF/VPFウサギポリクローナル抗体と同
様の中和活性で中和する抗VEGF/VPFマウスモノクローナ
ル抗体MV833(特開平9−124697参照)を用
い、マウスモノクローナル抗体からキメラ抗体やヒト化
抗体への公知の変換技術(キメラ抗体作製の報告例:Ca
ncer Res.,47,999(1987)、実験医学 臨時増刊、6(10),9
65-971(1988)、ヒト化抗体作製例:特開昭62−296
890等参照)に従って作製することが出来る。
【0012】本発明の角膜血管新生阻害剤は、好ましく
は非経口的に、たとえば、点眼、硝子体注入、皮下注
射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射等により全身
あるいは局部的に投与することができる。さらに、少な
くとも一種の医薬用担体または希釈剤とともに医薬組成
物のキットの形態をとることができる。本発明の角膜血
管新生阻害剤のヒトに対する投与量は患者の病態、年齢
あるいは投与方法により異なるが、適宜適当な量を選択
することが必要である。例えば、全身投与の場合は、1
0μg〜10mg/kgの範囲で投与することができ、点眼
のような局所投与では1μg〜1mg/患者として投与す
る。しかしながら、本発明の角膜血管新生阻害剤はこれ
らの投与量に制限されるものではない。
【0013】本発明の角膜血管新生阻害剤は常法にした
がって製剤化することができる。たとえば、注射用製剤
は、精製されたVEGF/VPFアンタゴニストを溶
剤、たとえば、生理食塩水、緩衝液などに溶解し、それ
に、吸着防止剤、たとえば、Tween80、ゼラチ
ン、ヒト血清アルブミン(HSA)などを加えたもので
あり、または、使用前に溶解再構成するために凍結乾燥
したものであってもよい。凍結乾燥のための賦形剤とし
ては例えばマンニトール、ブドウ糖などの糖アルコール
や糖類を使用することができる。同様に、点眼液、点眼
軟膏、乳化剤等の形態としたり、滞留を延長させるため
にリポソームやマイクロスフェアーにして使用すること
も出来る。
【0014】本発明によれば、VEGF/VPFアンタ
ゴニストの作用によって血管新生を誘発するVEGF/
VPFの作用を抑えることにより、角膜移植に伴う血管
新生を抑制するとともに移植角膜の混濁や浮腫の発生を
抑制し、移植角膜の拒絶反応を起こすことなく生着を促
進する作用を示し、透明度を維持し、移植角膜の治癒に
寄与するものと考えられる。また、以下の実施例の動物
実験モデルは角膜炎モデルと考えられることから、VE
GF/VPFアンタゴニストを角膜炎による血管新生の
治療に使用することもできると考えられる。かかる角膜
炎を起こす疾患としては、Stevens-Johnson症侯群、Ste
vens-Johnson症侯群類縁の疾患、眼類天疱瘡、眼類天疱
瘡類縁の疾患、角膜腐食(アルカリ、酸、界面活性剤、
各種溶媒や揮発性ガス、その他細胞毒性を示す種々の薬
剤などによる)、コンタクトレンズ長期装着などや、ウ
イルス感染や細菌、真菌感染による角膜炎、異物による
角膜炎、アレルギーによる角膜炎などが挙げられる。
【0015】
【実施例】以下、参考例および実施例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0016】参考例1(GST−VEGF/VPFの作
製および抗VEGF/VPFウサギポリクローナル抗体
の作製)
【0017】ヒト子宮頸癌細胞HeLa/v5(微生物工業技術
研究所に寄託:寄託番号「微工研菌寄第13185
号」)から単離したVEGF/VPF(VEGF121)のcDNAを大腸菌
の中でグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)と
の融合蛋白として発現させ、得られた蛋白を抗原として
常法に従いウサギを免疫した。抗体価の上昇した血清か
らDEAEのクロマトグラフィーでIgG画分を分画した。
【0018】得られた抗体が活性型VEGF/VPFと反応する
ことを確認するためにVEGF121遺伝子を組み込み、VEGF
が高発現するようになったHeLa/v5を培養した培地から
硫安塩析により蛋白を取り出し、それを12%SDS-PAGEで
展開し、ゲルからナイロン膜に蛋白を移し、上記の免疫
して得られた抗体を反応させWestern blotを行った。VE
GF/VPFの分子量に相当する位置に特異的な交差反応が認
められ、作製した抗体は活性型のVEGF/VPF分子を認識す
ることが確認された。
【0019】実施例1(角膜移植ラットに対する抗VEGF
/VPF抗体投与効果の評価)
【0020】(1)角膜移植モデルラットの作製 Lewis ラット(雄、8週齢、日本チャールズリバ
ー)をネンブタール麻酔下、左目の角膜を直径3mmのト
レパンで取り除き、ここにFisher ラット(雄、
8週齢、日本チャールズリバー)から直径3mmのトレパ
ンで取り出した角膜を10−0ナイロン糸で4ヶ所縫合
して移植した。
【0021】(2)抗VEGF/VPF抗体による拒絶反
応防止 この角膜移植したラットを10匹ずつA〜Cの3群に分
けた。C群は、参考例1でVEGF121-GST(glutat
hione-S-transferase)融合蛋白を抗原として作製した
抗VEGF/VPFウサギポリクローナル抗体を1日5回(5、
9、13、17、22時)10μlづつ10日間点眼し
た。なお、この抗体は、参考例1で得られた免疫グロブ
リン(IgG)分画の蛋白濃度14mg/mlとしたものを生理
食塩水で10倍に希釈して使用した。B群は、ウサギ免
疫グロブリン画分(DAKO Japan、20mg/ml)を生
理食塩水で10倍に希釈し、抗VEGF/VPF抗体と同様に1
0μl/回、1日5回、10日間点眼した。A群は、生
理食塩水を用いて抗VEGF/VPF抗体と同様に行った。
【0022】(3)拒絶反応防止効果の評価 評価は、移植した角膜の清澄度、血管新生の範囲とその
血管サイズ、浮腫の度合を移植手術当日から、1、2、
4、6、8、11、12、14、19日目に実体顕微鏡
により写真撮影して調べた。さらに、手術14日目に投
与群を知らせずに眼科医に血管新生の範囲、血管サイ
ズ、浮腫の度合をランダムに実体顕微鏡下で評価するよ
う依頼した。各評価の評価基準は以下のとおりである:
【0023】・移植片の清澄度 0:完全に透明 1:かすかに靄がかかっているが、虹彩と瞳孔は容易に
看取できる 2:不透明であるが虹彩と瞳孔は看取できる 3:不透明であり虹彩と瞳孔が容易に看取できない 4:完全に不透明であり瞳孔が全く見えない
【0024】・眼科医による新生血管の範囲 顕微鏡下で角膜上の新生血管の範囲を、割合で評価し
た。 0:移植片の縁に血管なし 1:移植片の縁に血管あり 2:移植片の縁から中心までの距離の25%に血管あり 3:移植片の縁から中心までの距離の50%に血管あり 4:移植片の縁から中心まで血管あり
【0025】・新生血管サイズ 0:血管なし 1:顕微鏡下で看取できる血管あり 2:顕微鏡下で容易に看取できる血管あり 3:顕微鏡なしで容易に看取できる血管あり
【0026】・移植片の浮腫の度合 0:浮腫なし 1:浮腫はあるが軽い 2:その縁で隆起している重篤な浮腫
【0027】図1から、C群(抗VEGF/VPF抗体投与群)
の清澄度は、4〜14日目まで、B群(ウサギIgG投
与群)よりも有意に良好に保たれることが示され、4〜
12日目まで、A群(生理食塩水投与群)よりも有意に
良好に保たれることが示された。図2から、C群の血管
新生が起こっている範囲は、6〜19日目で、B群およ
びA群よりも有意に狭く保たれることが示された。図3
から、C群の新生血管の太さは、6〜19日目で、B群
およびA群よりも有意に細く保たれることが示された。
図4から、C群の浮腫は、6〜19日目で、B群および
A群よりも有意に抑制されることが示された。
【0028】また、図5から、眼科医による新生血管範
囲の判定の結果、C群の血管新生が起こっている範囲
は、14日目で、B群およびA群よりも有意に狭いこと
が示された。図6から、眼科医による新生血管サイズの
判定の結果、C群の新生血管の太さは、14日目で、B
群およびA群よりも有意に細いことが示された。図7か
ら、眼科医による浮腫の判定の結果、C群の浮腫は、1
4日目で、B群およびA群よりも有意に抑制されている
ことが示された。
【0029】さらに、移植後19日目にラットを屠殺、
その角膜移植した眼球を取りだした。この取り出した眼
球を固定した後、切片を作製しパス染色を行った。この
結果を図8及び図9の写真に示す。図8の写真はウサギ
免疫グロブリン画分を点眼したもの、図9の写真は抗V
EGFウサギポリクローナル抗体を点眼したもので、図
9の方が明かに移植角膜の腫脹が抑えられていることが
分かる。
【0030】以上から、抗VEGF/VPF抗体は、VEGF/VPFの
作用を中和する機能によって、投与している間は、移植
角膜片に生じる血管新生を有意に抑制するとともに、該
移植片の清澄度を良好に保ち、かつ、浮腫の発生を防止
して、角膜移植拒絶反応を抑制することが示された。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、VEGF/VPFアン
タゴニストを投与することにより移植角膜片の血管新生
を抑制するとともに、該移植片の清澄度を良好に保ち、
かつ、浮腫の発生を防止して、角膜移植拒絶反応を防止
することができ、また角膜炎の治療剤として、さらに
は、移植片の混濁防止剤又は浮腫防止剤としての利用も
可能である。本発明の薬剤はさらに血管新生抑制効果を
向上させるために、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗サイトカ
イン剤等と併用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼した際の移植片の清澄度を示すグラフ。
【図2】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼した際の新生血管の範囲を示すグラフ。
【図3】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼した際の新生血管サイズを示すグラフ。
【図4】角膜移植モデルマウスに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼した際の移植片の浮腫の発生を示すグラフ。
【図5】角膜移植モデルマウスに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼して14日目の眼科医による新生血管の範囲の判定
を示すグラフ。
【図6】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼して14日目の眼科医による新生血管サイズの判定
を示すグラフ。
【図7】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼して14日目の眼科医による浮腫の発生の判定を示
すグラフ。
【図8】角膜移植モデルラットに対しウサギ免疫グロブ
リン画分を点眼して19日目の移植角膜の状態を示す顕
微鏡写真。
【図9】角膜移植モデルラットに対し抗VEGF/VPF抗体を
点眼して19日目の移植角膜の状態を示す顕微鏡写真。
フロントページの続き (72)発明者 瀬川 俊章 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VEGF/VPFアンタゴニストを有効
    成分とする角膜血管新生阻害剤。
  2. 【請求項2】 角膜移植拒絶反応防止剤として用いられ
    ることを特徴とする請求項1に記載の角膜血管新生阻害
    剤。
  3. 【請求項3】 角膜炎治療剤として用いられることを特
    徴とする請求項1に記載の角膜血管新生阻害剤。
  4. 【請求項4】 VEGF/VPFアンタゴニストがVE
    GF/VPFに対する抗体であることを特徴とする請求
    項1の角膜血管新生阻害剤。
JP9267843A 1997-09-12 1997-09-12 角膜血管新生阻害剤 Pending JPH1180024A (ja)

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