JPH1179999A - 光線過敏症群治療剤 - Google Patents

光線過敏症群治療剤

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JPH1179999A
JPH1179999A JP24533697A JP24533697A JPH1179999A JP H1179999 A JPH1179999 A JP H1179999A JP 24533697 A JP24533697 A JP 24533697A JP 24533697 A JP24533697 A JP 24533697A JP H1179999 A JPH1179999 A JP H1179999A
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英志 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な光線過敏症群治療剤を提供する。 【解決手段】 1α,24(R)−ジヒドロキシコレカ
ルシフェロールを有効成分とする光線過敏症群治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な光線過敏症群
治療剤に関する。更に詳しくは、本発明は1α,24
(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分
として含有する新規な光線過敏症群治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】光線
過敏症群は、健常皮膚では反応を起こしにくい量の(太
陽)光線照射によって異常皮膚反応が引き起こされる状
態の総称である。異常皮膚反応とは、炎症性皮膚症であ
り、表皮に海綿状態化、(表皮)肥厚不全角化、(表皮
内および真皮内)炎症細胞の浸潤等が認められる。臨床
的には、紅斑、腫脹、丘疹、水疱、色素沈着、慢性湿疹
様変化等の多彩な皮疹が、(太陽)光線曝露部に一致し
た分布パターンで認められる。また、急性・亜急性・慢
性の経過をとり、慢性化すると苔癬化を示すことが多
い。光線過敏症群の分類については、原因的分類が試み
られているが、光接触皮膚炎やDNA修復異常光遺伝病
を除くと、その光吸収物質および皮膚症状発症までの機
序に関しては、ほとんど推論であり、今後解明されねば
ならぬ疾患の分類とされている、(市橋正光「光線過敏
症改訂第2版」佐藤吉昭編、金原出版刊.1991年、
40頁〜)。市橋の分類に従うと、光線過敏症は非遺伝
性光線過敏症と遺伝性光線過敏症とに大別され、さら
に、非遺伝性光線過敏症は、特発性光線過敏症、光接触
皮膚炎、薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症およびペラ
グラとに分類されている。特発性光線過敏症としては、
多形日光疹、種痘様水疱症等があげられ、また、光接触
皮膚炎としては、光毒性皮膚炎および光アレルギー性皮
膚炎があげられる。さらに、薬剤性光過敏症としては、
光毒性皮膚炎、光アレルギー性皮膚炎などがあげられ
る。
【0003】これらの疾患は、その共通な発症原因に、
可視光線、長波長紫外線、中波長紫外線等の光線照射が
あるため、フロンガスによるオゾン層破壊等に伴う、紫
外線量の増加により、近年増加しつつある。これらの疾
患の光線照射以外の発症原因は、多形日光疹、種痘様水
痘症等の特発性光線過敏症に関しては、多くの物理的・
化学的因子やアレルギー機序が考えられているものの明
らかでない。しかし、光接触皮膚炎の発症原因に関して
は、原因物質である光増感剤が外来性に直接皮膚に付着
し、同時に作用波長の光が照射されることにより発症す
る。光増感剤の代表例は、皮膚疾患治療に用いられる外
用剤、日焼け防止のためのサンスクリーンクリーム、香
粧品、殺菌・消毒剤、石鹸、植物などがあげられる。ま
た、薬剤性光線過敏症の発症原因は、外用、内服あるい
は注射した薬剤そのもの、あるいは代謝産物が、光増感
剤となり、同時に作用波長の光が照射されることにより
発症する。これらの疾患の薬物療法には炎症性疾患であ
るため従来抗炎症剤が使用されており、例えばプロピオ
ン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾンジフルプレドナ
ート、プロピオン酸デキサメタゾン等の副腎皮質ホルモ
ン(ステロイド)剤や、イブプロフェンピコノール、ウ
フェナアート、グルチルレチン酸、クロタミトン、スピ
ロフェン等の非ステロイド系薬剤が主に外用剤として使
用されている。
【0004】しかし、これらの薬物療法が十分なもので
はないのが現状である。即ち、ステロイド系薬剤につい
ては、その対症療法的な有効性は認められているもの
の、副作用あるいは一時休止後の再発時の症状悪化など
(リバウンド現象)が広く知られている。上記の副作用
としては皮膚の感染症、過敏症、下垂体・副腎皮質系機
能の抑制、ステロイド褥瘡、眼瞼皮膚への使用による眼
圧亢進、緑内障、後嚢白内障等があげられ、眼科につい
ては使用が禁じられているものが多い。叉、顔面、首等
の疾患部位は該部位皮膚での薬物の吸収性が高いためス
テロイド系薬剤の全身的副作用が発症しやすく、該部位
へのステロイド系薬剤の塗布は極力避けられている。一
方、ケトプロフェン、ピロキシカムおよびスプロフェン
の非ステロイド系薬剤は、そのものが光増感剤であり、
治療に使用できない。また、その他の非ステロイド系薬
剤に関しても、ステロイド系薬剤と比較して有効性が低
い、塗布部位にかぶれが生じやすい、眼科には使用でき
ないものが多い等の欠点があり、治療薬としては不十分
といえよう。上記のような副作用、使用上の懸念等があ
る上に光線過敏症群疾患では、発症部位が顔面等の光線
照射部位だけに特定されるため、このような薬剤を一層
使用しにくくしている。従って、光線過敏症群患者に対
し有効で安全であり、顔面などに使用しやすい薬剤が強
く望まれている。
【0005】ところで、1α,24(R)−ジヒドロキ
シコレカルシフェロールは活性型ビタミンD3 類に属す
る化合物である。1α−ヒドロキシコレカルシフェロー
ル、1α,24−ジヒドロキシコレカルシフェロール、
1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールなどの
活性型ビタミンD3 類は、生体内のカルシウムレベルを
調節する作用を有し、骨粗鬆症、骨軟化症などのいわゆ
る骨減少症に有用であることが知られている〔ベイシッ
ク・リサーチ・アンド・イッツ・クリニカル・アプリケ
ーション(Basic Research and i
ts clinical Application
s)、1099〜1106(1979)〕。一方、近年
において活性型ビタミンD3 類の新たな薬理作用、例え
ば増殖抑制作用、分化誘導作用等が見いだされ、骨減少
症以外の他の患者の治療剤としての可能性が検討されて
いる。例えば、関節リウマチ治療剤(特開昭56−26
820号公報)、癌細胞の分化誘導剤(特開昭57−1
49224号公報)等への活性型ビタミンD3 類の適用
が検討されている。光線過敏症群への活性型ビタミンD
3 類の適用については従来報告はないが、湿疹・皮膚炎
群への適応においては、唯一、EP−A−012900
3号明細書で1α−ヒドロキシコレカルシフェロールあ
るいは1α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール
を含有する外用剤が開示され、湿疹、乾癬、皮膚炎、乾
皮症等への効果が示されている。
【0006】しかしながら、EP−A−0129003
号に開示されている1α−ヒドロキシコレカルシフェロ
ールは、活性型である1α,25−ジヒドロキシコレカ
ルシフェロールの前駆体であり、そのためその活性型ビ
タミンD3 作用(分化誘導、増殖抑制作用等)は弱く、
皮膚局所疾患の光線過敏症群の治療には実際には適当で
はないと考えられるのである。即ち、1α−ヒドロキシ
コレカルシフェロールを疾患部位の皮膚局所に塗布して
も、皮膚中には活性型ビタミンD3 である1α,25−
ジヒドロキシコレカルシフェロールへの転換酵素である
25−ヒドロキシラーゼが少なく、局所で薬効を呈する
活性型ビタミンD3 への転換は望めない。また、経口投
与等により1α−ヒドロキシコレカルシフェロールを全
身的に投与し、肝臓で活性型である1α,25−ジヒド
ロキシコレカルシフェロールに転換させることが出来る
が、その場合疾患部位の皮膚局所に分布される1α,2
5−ジヒドロキシコレカルシフェロール量は極めて少な
く、その薬効は多くは期待出来ないと考えられる。ま
た、EP−A−0129003号に開示されている1
α,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールは、その
後の研究によって、その局所投与(外用)により高Ca
尿症が発生することが報告されている(例えば第7回ビ
タミンDワークショッププロシーデイング、Walte
r de Gruyter社、ベルリン、ニューヨー
ク、1988年刊、A.Langner らの報告)。
すなわち、同剤の安全性に疑問が投げかけられているの
が現状である。
【0007】すなわち本発明の目的は、新規な1α,2
4(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成
分として光線過敏症群治療剤を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、その有効性、安全性に優れた新規
な光線過敏症群治療剤を提供することにある。更に本発
明の目的は、その有効性、安全性に優れ、かつ副作用ま
たはリバウンド現象等の低減化された、新規な光線過敏
症群治療剤を提供することにある。また更に、本発明の
目的は、その有効性、安全性に優れ、また副作用または
リバウンド現象等が低減化され、かつ、顔面等にも使用
できる使用し易い剤形である、新規な光線過敏症群治療
剤を提供することにある。本発明者らはこのような従来
技術および光線過敏症群への活性型ビタミンD3類の薬
理効果および安全性を鋭意検討した結果、1α,24
(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールが光線過敏
症群に対して優れた薬理作用を有することを初めて見い
出して本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明は1
α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールを
有効成分として含有する光線過敏症群治療剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】1α,24(R)−ジヒドロキシ
コレカルシフェロールは公知の化合物であり、例えばジ
ャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエ
ティー(J.Amer.Chem.Soc),95,2
748(1973);ケミカル・ファーマコロジカル・
ブレテイン(Chem.Pharm.Bull.)、2
1,2568(1978);米国特許第4022891
号明細書等に記載された方法により、より容易に合成し
得るものである。また本発明の1α,24(R)−ジヒ
ドロキシコレカルシフェロールとして、安定性に優れて
いる点でその結晶状態にあるもの、例えば特公平3−5
9063号公報に記載されている1α,24(R)−ジ
ヒドロキシコレカルシフェロールの1水塩を用いること
も好ましい。本発明の光線過敏症群とは、例えば急性ま
たは慢性の、例えば光アレルギー性皮膚炎または光毒性
皮膚炎等の光増感剤による光接触皮膚炎;例えば光アレ
ルギー性皮膚炎、光毒性皮膚炎、または扁平苔癬型光線
過敏症等の外用薬、内服薬および/または注射薬による
薬剤性光線過敏症;または、例えば多形日光疹、光線性
爪甲剥離症、または種痘様水疱症等からなる表皮に海綿
状態化、(表皮)肥厚、不全角化、および/または(表
皮内)炎症細胞の浸潤等が認められる炎症性皮膚症等を
あげることができる。これらのなかでも、本発明の光線
過敏症群としては、急性または慢性の、例えば光アレル
ギー性皮膚炎または光毒性皮膚炎等の光増感剤による光
接触皮膚炎;または、例えば光アレルギー性皮膚炎、光
毒性皮膚炎、または扁平苔癬型光線過敏症等の外用薬、
内服薬および/または注射薬による薬剤性光線過敏症を
好ましいものとしてあげることができる。なかでも、光
アレルギー性皮膚炎または光毒性皮膚炎等の光接触皮膚
炎;光アレルギー性皮膚炎または光毒性皮膚炎等の薬剤
性光線過敏症を特に好ましいものとして挙げることがで
きる。
【0010】本発明の1α,24(R)−ジヒドロキシ
コレカルシフェロールを光線過敏症剤に利用する時は、
1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロール
は局所的あるいは全身的に投与される。局所的には外用
剤として、軟膏・クリーム等の半固型剤、ローション等
の液剤、あるいはテープ剤の剤型で皮膚の疾患部位に直
接投与される。一方全身的には注射剤、経口剤、経鼻剤
等として血管内、組織内、胃腸管、粘膜等へ水性注射
剤、油性注射剤、錠剤、顆粒剤、液剤、カプセル剤、ソ
フトカプセル剤、経鼻液剤、経鼻粉剤等の剤型で投与さ
れる。かかる全身投与の場合、これらの剤型への製剤化
方法については、原則としては通常の方法に従うもので
あるが、1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフ
ェロールの投与量が少なく、且つ、物理化学的にも不安
定であることから、水性注射剤としては特開平2−80
317号に開示した方法、錠剤としては特公昭63−6
0007号に開示した方法、あるいは特開平2−229
115号に開示した方法等により好適に製剤化される。
上記の如く全身的にも投与されるものであるが、疾患部
位の局所濃度がより高い方がより有効であることから、
皮膚疾患部位に局所的に投与した方が有利である。外用
剤でもその処方によって、安全性、治療効果等が異なり
得るのが、例えば乾癬治療軟膏剤として提案した(特公
平3−68009号公報)軟膏剤、あるいは乳剤性組成
物として別個提案した(WO95/06482号明細
書)クリーム剤は、他の処方より治療効果等に優れてお
り、有用である。
【0011】即ち、軟膏剤としては、(a)主薬として
の1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロー
ルと、(b)1α,24(R)−ジヒドロキシコレカル
シフェロールを溶解する脂肪酸エステル類、高級アルコ
ール類および炭酸プロピレンからなる群から選ばれる一
種あるいは二種以上の混合物である疎水性・無水性の溶
剤と、(c)白色ワセリン、黄色ワセリン、流動パラフ
ィンおよび流動パラフィンのポリエチレンゲルから選ば
れる一種あるいは二種以上の混合物である親油性基剤と
からなる軟膏剤であって、該疎水性・無水性の溶剤の量
が、該軟膏剤の0.01〜25.0重量%であり、該脂
肪酸エステル類が、アジピン酸ジイソプロピル、オレイ
ン酸デシル、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプ
ロピル、トリアセチン、トリカプロン酸グリセリン、ト
リカプリル酸グリセリン、トリカプリン酸グリセリン、
トリラウリン酸グリセリン、トリリノール酸グリセリ
ン、ジカプリル酸プロピリングリコール、ジペラルゴン
酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリ
コールからなる群から選ばれた一種叉は二種以上の混合
物であり、該高級アルコール類がオクチルドデカノー
ル、セチルアルコール、オレイルアルコールからなる群
から選ばれた一種叉は二種以上の混合物である軟膏剤が
有用である。またクリーム剤としては、(a)主薬とし
ての1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロ
ールと、(b)(ア)5〜20重量部の白色ワセリンお
よび5〜15重量部の高級アルコール類からなる固形油
分、および(イ)3〜10重量部のスクワランからなる
液状油分とからなる油相成分と、(C)水相成分と、お
よび(d)2.5〜7.5重量部の2種以上からなる界
面活性剤とを含んでなる1α,24(R)−ジヒドロキ
シコレカルシフェロールクリーム剤であって、該固形油
分と該液状油分との重量比(該固形油分/該液状油分)
が約2以上であり該高級アルコール類がステアリルアル
コールおよびセチルアルコールとからなり、該ステアリ
ルアルコールと該高級アルコール類との重量比(該ステ
アリルアルコール/該高級アルコール類)が約0.65
〜約0.9であるクリーム剤が有用である。
【0012】本発明の光線過敏症治療剤の剤形が、例え
ば上記の軟膏剤であるとき、そのような軟膏剤は特公平
3―68009号公報の記載に従って得ることができ
る。具体的には、上記親油性基剤を単独で、あるいは2
種以上を組み合わせ、これに疎水性・無水性の溶剤を添
加した後処方して、あるいは基剤にあらかじめ主薬を溶
解した疎水性・無水性の溶剤を添加した後処方して、軟
膏剤とすることもできる。このような軟膏剤において、
疎水性・無水性の溶剤の量は、より好ましくは、0.1
〜10.0重量%である。また、本発明の光線過敏症群
治療剤の剤形が上記クリーム剤であるとき、このような
クリーム剤としては、例えばWO95/06482号明
細書に記載されたものを好ましいものとして挙げること
ができる。より具体的には、 (a)主薬としての1α,24(R)−ジヒドロキシコ
レカルシフェロール (b)(ア)5〜20重量部の白色ワセリンおよび5〜
15重量部の高級アルコール類からなる固形油分および
(イ)3〜10重量部のスクワランからなる液状油分と
からなる油相成分、 (c)水相成分、および (d)2.5〜7.5重量部の2種以上からなる界面活
性剤とを含んでなる1α,24(R)−ジヒドロキシコ
レカルシフェロールクリーム剤であって、該固形油分と
該液状油分との重量比(該固形油分/該液状油分)が約
2以上であり、該高級アルコール類がステアリルアルコ
ールおよびセチルアルコールとからなり、該ステアリル
アルコールと該高級アルコール類との重量比(該ステア
リルアルコール/該高級アルコール類)が約0.65〜
約0.9であり、該界面活性剤の50重量%以上がHL
B値が約5以下の1種以上の界面活性剤であり、該界面
活性剤全体のHLB値は約8〜約18であるクリーム剤
が好ましいものである。
【0013】かかるクリーム剤の白色ワセリンは石油か
ら得られる炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの
であり、その規格については例えば日本薬局方に定めら
れるものが使用される。なかでも、1α,24(R)−
ジヒドロキシコレカルシフェロールの安定性にとっては
純度の高いものが望ましく、例えば過酸化物価が0.5
以下のようなものが望ましい。また、高級アルコール類
はセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物
であり、混合物中のステアリルアルコールの全体に占め
る重量比は約0.65から約0.9である。なかでも好
ましくは約0.7〜約0.9、特に好ましくは約0.7
0〜約0.85の範囲を挙げることができる。セチルア
ルコール単品からステアリルアルコールを徐々に増加さ
せるに従って皮膚浸透性は増加傾向にあり、ステアリル
アルコールの重量比が約0.7をこえると急激に皮膚浸
透性が増大しステアリルアルコール単品で最大になる
が、その比率が約0.9をこえるとエマルジョンとして
の物理的安定性、特に加熱時の物理的安定性が劣化する
傾向がある。一般に市販されているセチルアルコールや
ステアリルアルコールはそれぞれ純品でないものもあ
る。例えば、セチルアルコールと称されていてもセチル
アルコール約0.7とステアリルアルコール約0.3の
混合物もあり、さらにはセトステアリルアルコールとい
われるもののようにセチルアルコール約0.6〜約0.
3とステアリルアルコール約0.4〜約0.7の混合物
もある。本発明のセチルアルコールとステアリルアルコ
ールとはそれぞれ純粋なものを指し、それらの混合比率
はそれらを基に計算される。また、かかるクリーム剤に
おけるスクワランは、例えば深海にすむサメ類の肝油か
ら得られる炭化水素を還元して得られる飽和炭化水素で
あり、その規格については、例えば化粧品原料基準に定
められるものが使用される。
【0014】クリーム剤の油相成分には上述した白色ワ
セリン、高級アルコール類、スクワランの他に、他の固
形油分、液状油分を添加しても良い。固形油分として固
形パラフィンが挙げられ、その添加量は例えば物理的安
定性が維持される範囲内であればよく、例えば固形油分
の1/10重量部以下であることがクリーム剤として適
度の硬度を維持できるので好ましい。液状油分としては
中鎖脂肪酸トリグリセリド、アシピン酸ジイソプロピ
ル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類が挙げら
れる。これら液状油分の添加量は例えば1α,24
(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールの皮膚浸透
性が維持される範囲内であればよく、スクワランの3/
10重量部以下であることが1α,24(R)−ジヒド
ロキシコレカルシフェロールの良好な皮膚浸透性を維持
できるので好ましい。上記クリーム剤の界面活性剤は2
種以上の界面活性剤からなり、それらの合計はクリーム
剤全体の2.5〜7.5重量部であるのが好ましい。更
に好ましくは、この界面活性剤の50重量%以上はHL
B値が約5以下の1種以上の界面活性剤であり、この界
面活性剤全体のHLB値は約8〜約18である。より好
ましくは約8〜約12である。このような50重量%以
上を構成するHLB値が約5以下の1種以上の界面活性
剤としては、例えばソルビタンモノオレート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタントリオレート、グリセリルモノステアレート、グ
リセリルモノオレート、プロピレングリコールモノステ
アレート等からなる群から選ばれる1種以上の界面活性
剤があげられる。残りの界面活性剤としては全体のHL
B値が約8〜約18、より好ましくは約8〜約12とな
るようなものであれば特に限定されないが、例えばポリ
オキシエチレン(30あるいは40あるいは60)ソル
ビットテトラオレート、ポリオキシエチレン(60)硬
化ヒマシ油、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビ
タンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソ
ルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソ
ルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(10)モ
ノラウレート、ポリオキシエチレン(23あるいは25
あるいは30)セチルエーテル等からなる群から選ばれ
る1種以上の界面活性剤があげられる。
【0015】以上説明したようなクリーム剤は、例えば
常法どおり主薬としての1α,24(R)−ジヒドロキ
シコレカルシフェロールの必要量を油相成分に界面活性
剤とともに加熱溶解し、乳化機中で加熱された水相成分
と混合し、ついで乳化し均一な乳化物とし、冷却して製
造することができる。かくして得られたクリーム剤は、
1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロール
の化学的安定性に優れ、しかも1α,24(R)−ジヒ
ドロキシコレカルシフェロールの皮膚浸透性が向上し、
その結果十分な薬理効果を有し、同時に、物理的安定性
および塗布時のべとつき、ギラギラ感がない等のその感
触に優れるという効果も備えた製剤である。本発明の光
線過敏症群治療剤の剤形としては、上述のような局所用
製剤または全身用製剤が挙げられるが、なかでも前述し
た各種の光線過敏症群治療剤において、その剤形が例え
ば軟膏剤、クリーム剤、ローション剤またはテープ剤の
組み合わせが好ましい。なかでも本発明の光線過敏症群
治療剤において光線過敏症群が、急性または慢性の、例
えば光アレルギー性皮膚炎または光毒性皮膚炎等の光増
感剤による光接触皮膚炎;例えば光アレルギー性皮膚
炎、光毒性皮膚炎、または扁平苔癬型光線過敏症等の外
用薬、内服薬および/または注射薬による薬剤性光線過
敏症;または、例えば多形日光疹、光線性爪甲剥離症、
または種痘様水疱症等である場合に、その剤形がそれぞ
れ、例えば軟膏剤、クリーム剤、またはローション剤等
の外用剤、なかでも前記のような特定の組成の軟膏剤ま
たはクリーム剤である場合を、より好ましい組み合わせ
としてあげることができる。
【0016】本発明の製剤中には、必要に応じて適当量
の保存剤、酸化防止剤、吸収促進剤、保湿剤等を添加し
ても良い。保存剤としては例えばパラオキシ安息香酸エ
ステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ホウ酸など
が挙げられ、酸化防止剤としては例えばブチルヒドロキ
シアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げ
られる。吸収促進剤としては例えばアジピン酸ジイソプ
ロピル、ジエチルセバケート、炭酸プロピレングリコー
ル、ソルビトールなどが挙げられる。また、クリーム剤
の油相成分には酸化防止剤を添加することができる。酸
化防止剤としてはブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒ
ドロキシアニソール、dl−α−トコフェロール等が、
より好適にはdl−α−トコフェロールが添加され、そ
の添加量は通常0.001〜5.0重量部であり、より
好適には0.01〜3.0重量部である。一方、水相成
分には保湿剤、防腐剤、キレート剤、緩衝剤等を添加す
ることができる。保湿剤としてはプロピレングリコー
ル、グリセリン、ソルビトール等が挙げられ、その添加
量は1〜20重量部、より好適には2〜15重量部であ
る。防腐剤としてはメチルパラベン、プロピルパラベ
ン、それらの混合物等のパラベン類;クロロブタノー
ル;モノチオグリセロール;ソルビン酸、ソルビン酸カ
リウム;ベンジルアルコール等が挙げられ、その添加量
は0.001〜10.0重量部であり、より好適には
0.01〜5.0重量部である。キレート剤としてはク
エン酸、クエン酸ナトリウム;エデト酸ナトリウム等が
挙げられ、その添加量は0.001〜5.0重量部であ
り、より好適には0.01〜3.0重量部である。緩衝
剤としてはリン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナト
リウム等が挙げられ、水相成分のpHを6.5〜8.0
に調節するのに必要な量比で添加される。本発明に必要
な1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロー
ルの量は治療有効必要量であり、投与法にもよるため一
概には決められないが、通常100μgから0.01μ
g,より好適には20μg〜0.1μg/日であり、例
えば錠剤の場合には1錠あたりにそれらの量を含有させ
れば良い。外用剤の場合、例えば、前記軟膏剤やクリー
ム剤における主薬としての1α,24(R)−ジヒドロ
キシコレカルシフェロールの量は、0.01μg〜10
0μg/g量となるように含有させれば良い。外用剤の
場合、より好ましくは1μg/g〜20μg/gであ
る。例えば、クリーム剤の場合、通常、クリーム剤中の
濃度として約0.00005〜約0.01重量%の範囲
である。そして、このような外用剤を、疾患の程度によ
り異なるが、単純塗布等により1日2回〜数回投与する
かあるいは密封法により1日1回投与するのが好まし
い。かくして本発明により1α,24(R)−ジヒドロ
キシコレカルシフェロールを有効成分とする新規な光線
過敏症群治療剤が提供される。前記の従来の同疾患治療
剤の課題を考慮すると、本発明の治療剤の有効成分であ
る1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロー
ルが、本発明の光線過敏症群に有効であることを示す耳
介腫脹抑制効果が認められたこと(実施例1および実施
例2)から、かかる治療剤が提供されたことによる治療
上の意義は極めて大きい。
【0017】
【実施例】以下の実施例により、本発明の効果をより詳
細に説明するが、本発明をこれにより限定するものでは
ない。なお、以下の実施例において1α,24(R)−
ジヒドロキシコレカルシフェロールを例えば1α,24
(R)−(OH)23 、1α,24D3 等と略記する
ことがある。
【0018】[実施例1] 1α,24(R)−(OH)23 の光アレルギー性炎
症に対する抗炎症作用を示す薬理実験(TCSAにより
惹起されるマウス耳介の光アレルギー性炎症を反映した
耳介腫脹に対する作用) マウス(BALB/c Cr,雄,8weeks old;Slc )腹部皮膚
にTCSA(3,3,4,5-Tetrachlorosalicylanilide; ACR
OS)を塗布した後、長波長紫外線(UVA、320〜4
00nm)を照射する事で光感作し、この光感作された
マウスの耳介にTCSAを塗布し、長波長紫外線を照射
する事で光アレルギー性炎症を惹起し、これに対する1
α,24(R)−(OH)23 の作用を耳介腫脹量を
指標として評価した。 TCSAによる光感作方法:1W/V%のエタノール
溶液としたTCSAを、剃毛したマウスの腹部皮膚2×
3cm2 に、50μL 塗布した。塗布後30分以内に、
20Wのブラックライト(FL20S・BL、ピーク波長352n
m、TOSHIBA)7本を使用し、光源からの距離約15c
m、平均光強度4.0mW/cm2、照射時間50分の
条件で下方より光照射した。光線は中波長紫外線(UV
B、290〜320nm)領域の光線の影響を除くため
に、厚さ3mmの板ガラスを透過させた。この光感作
は、1日1回、2日間連続して行った。
【0019】TCSAによる光惹起方法:1W/V%
のエタノール溶液としたTCSAを、最終光感作終了後
5日目のマウスの左右耳介に、各20μL 塗布した。塗
布後30分以内に、20Wのブラックライト(FL20S・B
L、ピーク波長352nm、TOSHIBA)7本を使用し、光源か
らの距離約15cm、平均光強度4.0mW/cm2
照射時間50分の条件で上方より光照射した。光線は中
波長紫外線(UVB、290〜320nm)領域の光線
の影響を除くために、厚さ3mmの板ガラスを透過させ
た。 被験物質投与方法:所定の濃度のエタノール溶液とし
た被験物質を、TCSAにより光惹起したマウスの左右
耳介に各20μL 塗布した。被験物質の塗布は、光照射
終了時点を0時間として、0、6および12時間後の計
3回塗布した。
【0020】耳介厚の測定および耳介腫脹量の算出 I)群構成 1.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 (−) 2.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 0.01ng/ear 3.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 0.1ng/ear 4.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 1ng/ear 5.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 10ng/ear 6.TCSA光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 100ng/ear 各群4〜5例で実施した。 II)測定方法 1α,24(R)−(OH)23、および対照物質で
あるエタノールは、TCSA光惹起終了を0時間とし
て、TCSA光惹起マウスの左右両耳介に0、6および
12時間後の合計3回塗布した。耳介厚は、TCSA光
惹起終了を0時間として、0および24時間後にdial t
hickness gauge (Peacock)を用いて、エーテル麻酔下で
測定した。耳介腫脹量は、0時間の耳介厚を基準とし、
24時間後の耳介厚との差を耳介腫脹量として算出し
た。
【0021】結果 TCSA光感作マウスをTCSA光惹起することで誘導
される耳介腫脹に対する1α,24(R)−(OH)2
3 の抗光アレルギー性炎症作用(図1) 図1から、TCSA誘発光アレルギー性炎症(皮膚炎)
を反映した耳介腫脹量を、1α,24(R)−(OH)
23 は、その塗布した用量に依存して耳介腫脹を抑制
する傾向を示し、また塗布量10ng/ear以上で
は、有意に耳介腫脹を抑制したことが判る。塗布量10
および100ng/earの用量において、1α,24
(R)−(OH)23 は、TCSA誘発光アレルギー
性炎症を反映した耳介腫脹を対照群であるエタノール塗
布群の64%および58%にそれぞれ抑制した。以上1
α,24(R)−(OH)23 は、最も強力な光ア
レルギー性炎症誘発物質であるTCSAにより光惹起さ
れた光アレルギー性皮膚炎、すなわち耳介腫脹を抑制す
ることが明らかとなった。この結果は、1α,24
(R)−(OH)23 の抗光アレルギー性炎症作用を
示唆するものであり、本発明の治療剤が、光線過敏症群
の光アレルギー性皮膚炎に分類される各種皮膚炎に有効
であることを薬理学的に支持するものである。なお、本
実施例における参考文献は以下のものである。 1)Brown,WR., et al., Dose response studies for U
VA in contact photo-sensitivity to TCSA in the mou
se, Photodermatology, 3, 334-339, (1986). [実施例2] 1α,24(R)−(OH)23 の光毒性炎症に対す
る抗炎症作用を示す薬理実験(8−MOPにより光惹起
されるマウス耳介の光毒性炎症を反映した耳介腫脹に対
する作用) マウス(BALB/c Cr,雄,8weeks old;Slc )の左右両
耳介に8−MPO(Methoxsalen; 和光純薬工業
(株))を塗布した後、長波長紫外線(UVA、320
〜400nm)を照射する事で光毒性炎症を惹起し、こ
れに対する1α,24(R)−(OH)23 の作用を
耳介腫脹量を指標として評価した。 8−MOPによる光惹起方法:0.01W/V%のエ
タノール溶液とした8−MOPを、マウスの左右耳介
に、各20μL塗布した。塗布後60分以内に、20W
のブラックライト(FL20S・BL、ピーク波長352nm、TOSHI
BA)7本を使用し、光源からの距離約15cm、平均光
強度4.0mW/cm2、照射時間50分の条件で上方
より光照射した。光線は中波長紫外線(UVB、290
〜320nm)領域の光線の影響を除くために、厚さ3
mmの板ガラスを透過させた。 被験物質投与方法:所定の濃度のエタノール溶液とし
た被験物質を、8−MOPにより光惹起したマウスの左
右耳介に各20μL 塗布した。被験物質の塗布は、光照
射終了時点を0時間として、0、12、24、36、4
8および60時間後の計6回塗布した。
【0022】耳介厚の測定および耳介腫脹量の算出 I)群構成 1.8−MOP光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 (−) 2.8−MOP(+)/1α,24(R)−(OH)2
3 1.0ng/ear 3.8−MOP光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 10ng/ear 4.8−MOP光惹起(+)/1α,24(R)−(O
H)23 100ng/ear 各群6例で実施した。
【0023】II)測定方法 1α,24(R)−(OH)23、および対照物質で
あるエタノールは、8−MOP光惹起終了を0時間とし
て、8−MOP光惹起マウスの左右両耳介に0、12、
24、36、48および60時間後の合計6回塗布し
た。耳介厚は、8−MOP光惹起終了を0時間として、
0および72時間後にdial thick-ness gauge (Peacoc
k)を用いて、エーテル麻酔下で測定した。耳介腫脹量
は、0時間の耳介厚を基準とし、72時間後の耳介厚と
の差を耳介腫脹量として算出した。
【0024】結果 8−MOP光惹起することで誘導される耳介腫脹に対す
る1α,24(R)−(OH)23 の抗光毒性炎症作
用(図2) 図2から、8−MOP誘発光毒性炎症(皮膚炎)を反映
した耳介腫脹量を、1α,24(R)−(OH)23
は、塗布量100ng/earの用量において、有意に
抑制した事が判る。また、この塗布用量において、1
α,24(R)−(OH)23 は、8−MOP誘発光
毒性炎症(皮膚炎)を反映した耳介腫脹を対照群である
エタノール塗布群の86%に抑制した。以上1α,24
(R)−(OH)23 は、最も強力な光毒性炎症誘発
物質である8−MOPにより光惹起された光毒性炎症
(皮膚炎)、すなわちを耳介腫脹を抑制することが明ら
かとなった。この結果は、1α,24(R)−(OH)
23 の抗光毒性炎症作用を示唆するものであり、本発
明の治療剤が、光線過敏症群の光毒性性皮膚炎に分類さ
れる各種皮膚炎に有効であることを薬理学的に支持する
ものである。なお、本実施例における参考文献は以下の
ものである。 1)Gerberrick,GF., et al., A predictive mouse ear
-swelling model forinvestigating topical phototoxi
city, Food-Chem-Toxicol, 27(12), 813-819,(1989).
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における1α,24(R)−(OH)
23 の光アレルギー性炎症反応抑制作用を耳介腫脹量
を指標として測定した結果を示す。
【図2】実施例2における1α,24(R)−(OH)
23 の光毒性炎症反応抑制作用を耳介腫脹量を指標と
して測定した結果を示す。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1α,24(R)−ジヒドロキシコレカ
    ルシフェロールを有効成分として含有する光線過敏症群
    治療剤。
  2. 【請求項2】 光線過敏症群が、光増感剤による光接触
    皮膚炎である請求項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 光接触皮膚炎が、光アレルギー性皮膚炎
    である請求項2記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 光接触皮膚炎が、光毒性皮膚炎である請
    求項2記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 光線過敏症群が、外用薬、内服薬および
    /または注射薬による薬剤性光線過敏症である請求項1
    記載の治療剤。
  6. 【請求項6】 薬剤性光線過敏症が、光アレルギー性皮
    膚炎である請求項5記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 薬剤性光線過敏症が、光毒性皮膚炎であ
    る請求項5記載の治療剤。
  8. 【請求項8】 薬剤性光線過敏症が、扁平苔癬型光線過
    敏症である請求項5記載の治療剤。
  9. 【請求項9】 光線過敏症群が、急性または慢性皮膚炎
    である請求項1〜8のいずれか1項記載の治療剤。
  10. 【請求項10】 光線過敏症群が、多形日光疹、光線性
    爪甲剥離症および種痘様水疱症からなる群から選ばれる
    一種または二種以上の疾患である請求項1項記載の治療
    剤。
  11. 【請求項11】 剤形が外用剤、注射剤、経口剤、経鼻
    剤からなる群から選ばれるいずれかの剤形である請求項
    1〜10のいずれか1項記載の光線過敏症群治療剤。
  12. 【請求項12】 外用剤が軟膏剤、クリーム剤、ローシ
    ョン剤叉はテープ剤である請求項11項記載の光線過敏
    症群治療剤。
  13. 【請求項13】 外用剤が、(a)主薬としての1α,
    24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールと、
    (b)1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフェ
    ロールを溶解する脂肪酸エステル類、高級アルコール類
    および炭酸プロプレンからなる群から選ばれる一種ある
    いは二種以上の混合物である疎水性・無水性の溶剤と、
    (c)白色ワセリン、黄色ワセリン、流動パラフィンお
    よび流動パラフィンのポリエチレンゲルから選ばれる一
    種あるいは二種以上の混合物である親油性基剤とからな
    る軟膏剤であって、該疎水性・無水性の溶剤の量が、該
    軟膏剤の0.01〜25.0重量%であり、該脂肪酸エ
    ステル類が、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸デ
    シル、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピ
    ル、トリアセチン、トリカプロン酸グリセリン、トリカ
    プリル酸グリセリン、トリカプリン酸グリセリン、トリ
    ラウリン酸グリセリン、トリリノール酸グリセリン、ジ
    カプリル酸プロピリングリコール、ジペラルゴン酸プロ
    ピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール
    からなる群から選ばれた一種叉は二種以上の混合物であ
    り、該高級アルコール類がオクチルドデカノール、セチ
    ルアルコール、オレイルアルコールからなる群から選ば
    れた一種叉は二種以上の混合物である軟膏剤である請求
    項11項記載の光線過敏症群治療剤。
  14. 【請求項14】 外用剤が(a)主薬としての1α,2
    4(R)−ジヒドロキシコレカルシフェロールと、
    (b)(ア)5〜20重量部の白色ワセリン、5〜15
    重量部の高級アルコール類からなる固形油分、および
    (イ)3〜10重量部のスクワランからなる液状油分と
    からなる油相成分と、(c)水相成分、および(d)
    2.5〜7.5重量部の2種以上からなる界面活性剤と
    からなる1α,24(R)−ジヒドロキシコレカルシフ
    ェロールクリーム剤であって、該固形油分と該液状油分
    との重量比(該固形油分/該液状油分)が約2以上であ
    り、該高級アルコール類がステアリルアルコールおよび
    セチルアルコールとからなり、該ステアリルアルコール
    と該高級アルコール類との重量比(該ステアリルアルコ
    ール/該高級アルコール類)が約0.65〜約0.9で
    あるクリーム剤である請求項11項記載の光線過敏症群
    治療剤。
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