JPH1179110A - 再封性ピロー包装方法およびその包装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横型製袋充填機において所定量の内容物の消
費後に再封が可能なピロー包装体を得る。 【解決手段】 横型製袋充填機 の1 ルムロール2 から
引出して製袋手段15に向けて移送される帯状フィルムF
の移送途上に、製袋手段により筒状成形された際にフィ
ルム内面側となる面に対して、横シールFb予定位置に近
接する位置となるように再封可能な接着剤を、所定間隔
毎にフィルム移送方向と直交する方向へ、筒状成形され
たフィルムに内容物W が載置される範囲に介在しない長
さで直線状に塗布して再封性接着剤層を形成し、帯状フ
ィルムを製袋手段により筒状に成形し、得られた筒状フ
ィルムF1中に、再封性接着剤層S1とこの再封性接着剤層
が設けられない側の横シール予定位置との間に位置合せ
されるように内容物を供給し、筒状成形されたフィルム
重合部f に縦シールfaを行った後に、筒状フィルム中の
内容物を挟む前後位置において筒状フィルムを横シール
fb,fc ・切断ucし、同時に再封性接着剤層をフィルム両
外方から挾持して密着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、必要量の内容物
を取出した後に再封が容易にできるピロー包装体を横型
製袋充填機により得ることが可能な包装方法および包装
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、包装袋の内面に再封可能な接着層
を形成し、密封性を付与した状態で再封できるようにし
た包装袋が多く開発され、例えば実公平4-27783 号、実
開平6-71453 号に開示された技術内容のものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
に開示された技術においては、再封可能な接着層の形成
は、グラビア法等のコーティングによるものであり、横
型製袋充填機のフィルムロールから引出された帯状フィ
ルムを、製袋手段に向けて移送する途上で、グラビア法
のコーティングにより接着層を形成することは困難であ
り、予め、接着層処理が施されている包装フィルムを使
用する必要があるが、フィルムロールに予め、接着層処
理を施すことはコスト高となる問題がある。

【０００４】また、再封時の密封性を得るために、接着
層と交差するシール予定部位に対しても接着層を形成す
る必要があり、このため、フィルムのシール時に接着層
が形成されていない部位とのフィルムの厚みの相違によ
りシールムラ等によるシール不良品が発生する問題があ
る。また、食品の包装について、必要量消費した後の内
容物について、汚れ等の付着、虫等の混入混入の防止の
ために、開封後の袋口部に輪ゴム等で縛ったり、折り曲
げて封をする程度で密封性は要求されず、また、数回程
度の繰り返し再封ができればよいものも多く、このよう
な内容物の包装袋にまで上記従来のような密封性を有す
る接着層を付与した包装袋を採用することは好ましくな
い。特に最近、菓子パン、食パン等の包装に関し、この
ように虫等の異物混入を防止するよう再封でき、結束具
を用いることなく容易に再封することができる包装体を
低コストで生産できるものが希求されている。本発明
は、上記従来の問題点を解決するためになされたもの
で、横型製袋充填機において内容物に対して汚れ等の付
着や虫等の異物混入を防止するように再封が可能なピロ
ー包装体を得る包装方法およびその包装装置を提供する
ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の技
術課題を解決するため、請求項１の発明は、横型製袋充
填機のフィルム供給源であるフィルムロールから引出し
て製袋手段に向けて移送される帯状フィルムの移送途上
において、前記製袋手段により筒状成形された際に、フ
ィルム内面側となる面に対して、一方の横シール予定位
置に近接する位置となるようにタイミング合せされて、
繰返し再封可能な接着剤を、所定間隔毎にフィルム移送
方向と直交する方向へ、製袋手段で筒状成形されたフィ
ルムに内容物が載置される範囲に介在しない長さで直線
状に塗布して再封性接着剤層を形成し、帯状フィルムを
前記製袋手段により筒状に成形し、得られた筒状フィル
ム中に、再封性接着剤層とこの再封性接着剤層が設けら
れない側の横シール予定位置との間に位置合せされるよ
うに内容物を供給し、筒状成形されたフィルム重合部に
縦シールを行った後に、筒状フィルム中に供給されてい
る内容物を挟む前後位置において筒状フィルムの幅方向
を横シール・切断して、一方の横シールの内側に前記再
封性接着剤層を近接する位置となし、この横シール・切
断時に、再封性接着剤層をフィルム両外方から挾持して
密着することとした再封性ピロー包装体の包装方法であ
る。

【０００６】請求項２の発明は、フィルムロールから引
出して製袋手段に向けて移送される帯状フィルムの移送
途上において、前記製袋手段により筒状成形された際
に、フィルム内面側となる面に対して、一方の横シール
予定位置に近接する位置となるようにタイミングで、繰
返し再封可能な接着剤を、所定間隔毎にフィルム移送方
向と直交する方向へ、製袋手段で筒状成形されたフィル
ムに内容物が載置される範囲に介在しない長さの範囲内
で直線状に噴出して再封性接着剤層を形成するノズルガ
ンが配設される接着剤塗布手段と、製袋手段により成形
された筒状フィルム中に、再封性接着剤層とこの再封性
接着剤層が設けられない側の横シール予定位置との間に
位置合せして内容物を供給する供給コンベヤと、筒状フ
ィルムにおけるフィルム重合部に縦シールを行う縦シー
ル機構と、筒状フィルム中に供給されている内容物を挟
む前後位置において、一方の横シールの内側に前記再封
性接着剤層が近接する位置となるよう筒状フィルムの幅
方向を横シール・切断する一対のシール体を有する横シ
ール機構と、横シール機構に設けられ、筒状フィルムに
おける再封性接着剤層形成位置の外方から挾持して密着
する一対の押圧手段とより構成した再封性ピロー包装体
の包装装置である。

【０００７】請求項３の発明は、前記帯状フィルムは印
刷模様付きフィルムであり、同帯状フィルムに付された
レジマークをセンサにより検出し、その検出信号を基準
として前記ノズルガンによる接着剤の噴出タイミングな
らびに噴出時間を設定する構成としたことであり、請求
項４の発明は、前記縦シール機構は、フィルム給送ライ
ンの下部側においてフィルム重合部に縦シールを施すよ
うに設けられ、前記接着剤塗布手段による再封性接着剤
層の塗布形成範囲は、筒状フィルムにおける縦シールが
設けられる面に対して内容物を挟んで対向するフィルム
内面側を基準として、少なくとも縦シール側のフィルム
内面の内容物載置範囲に介在しない長さ範囲に設定され
るようノズルガンの噴出制御を行う構成としたことであ
り、請求項５の発明は、前記接着剤塗布手段による再封
性接着剤層の塗布形成長さは、包装体の袋幅とほぼ同等
以上の長さに設定されるようノズルガンの噴出制御を行
う構成としたことであり、請求項６の発明は、前記接着
剤は着色処理を施されたものであり、請求項７の発明
は、接着剤塗布手段から製袋手段までのフィルム移送経
路間には、再封性接着剤層が形成されたフィルム面が巻
掛け案内されるガイドローラが設けられ、該ガイドロー
ラの周面の少なくとも再封性接着剤層の長さ部分と接触
する範囲に、接着剤の付着防止処理を施したことであ
り、請求項８の発明は、前記シール体のシール面は、前
記再封性接着剤層に近接して設けられる横シール幅が、
他方の横シール幅より幅狭に設定されるよう形成されて
いることであり、請求項９の発明は、前記横シール機構
の一対のシール体のいずれか一方には、前記押圧手段と
対応するシール部との間に、縦シールと交差する方向に
引き裂き開封可能なノッチ、ミシン目等の開封補助部を
形成する補助切込手段を設ける構成としたことであり、
請求項１０の発明は、前記横シール機構にはガセット形
成手段を並設したことである。

【０００８】

【発明の効果】筒状に成形される帯状フィルムの内容物
載置面側の、少なくとも内容物の載置範囲には再封性接
着剤層を塗布形成しないので、筒状フィルムへの内容物
の供給にずれが発生しても、内容物が再封性接着剤層に
貼付いてしまうことがなく包装不良品の発生を防止する
ことができる。再封性接着剤層は、フィルムロールから
引出された帯状フィルムを筒状フィルムに成形する以前
に接着剤を横シール予定位置に近接する位置にタイミン
グ合せして線状に塗布するとともに、横シール時に接着
剤の塗布位置のフィルム外方から挾持して密着させるよ
うにしたので良好な再封性を有する包装体を横型製袋充
填機により得ることができる。また、横型製袋充填機に
よる連続包装が可能であるとともに、他の結束手段等も
設ける必要がなく、低コストで再封性を有するピロー包
装体を得ることができる。また、印刷模様付フィルムを
使用する場合にはレジマークをセンサにより検出した信
号を基準として接着剤の塗布位置が設定されるので、フ
ィルムの印刷位置との関係で位置合せされた正確な位置
決め設定ができる。また、縦シールおよび横シールに介
在しないように再封性接着剤層を形成するようにしたの
で、シール不良等による不良包装体となることが防止で
きる。また、接着剤に着色することで、開封後の再封位
置を容易に視認することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
したがって説明すると、図１は横型製袋充填機１の概略
図、図２は横シール機構１８のシール体２０，２１の断
面図、図３は横型製袋充填機により形成されるピロー包
装体ＦA の斜視図、図４はピロー包装体ＦA の断面図を
示すもので、この横型製袋充填機１は接着剤塗布手段６
と製袋手段１５と内容物供給手段１６と縦シール機構１
７および横シール機構１８とこの横シール機構１８にお
けるシール体の前後に設けられるガゼット形成手段１９
とより構成されている。

【００１０】この横型製袋充填機１はフィルム供給源で
あるフィルム原反ロール２より供給される帯状フィルム
Ｆがフィルム繰出し部３である対をなすフィルム繰出し
ローラ４，５により繰出され、中間ローラ１０，１１を
介して製袋手段である製袋器１５に向けて移送される。
そして、このフィルム繰出し部３と中間ローラ１０，１
１との間には帯状フィルムＦに対し該フィルムが筒状成
形された際に、フィルム内面側となる面に向けて再封可
能とする接着剤を塗布して再封性接着剤層ｓ1を形成す
る接着剤塗布手段６が配設されている。

【００１１】この接着剤塗布手段６と対設して３本のガ
イドローラ７，８，９が配設され、帯状フィルムＦはガ
イドローラ７で上向きに折り返され、さらにガイドロー
ラ８，９に垂直状に掛合されて中間ローラ１０，１１に
向けて移送される。そして、この接着剤塗布手段６では
ガイドローラ８，９を垂直状に移送される帯状フィルム
Ｆの横幅方向（フィルムの移送方向と直交する方向）の
所定の範囲に再封用接着剤を所定の幅の線状に噴出して
再封性接着剤層ｓ1 を塗布形成するように設けられてい
る。また、フィルム繰出し部３側には帯状フィルムＦに
予め印刷された商品名、模様等を位置合わせするため帯
状フィルムＦの一方の縁部に付されたレジマークを検出
するレジマークセンサ１２が配設されている。

【００１２】そして、帯状フィルムＦは製袋器１５で筒
状フィルムＦ1 に成形される。そして、この製袋器１５
の上流側には包装体ＦA に供給する内容物Ｗを所定の間
隔で供給する物品供給手段である物品供給コンベヤ１６
が配設されて、製袋器１５で成形される筒状フィルムＦ
1 内に内容物Ｗを所定の間隔で順次送り込むようになっ
ている。

【００１３】また、製袋器１５により筒状に成形された
帯状フィルムＦの重合された両縁のフィルム重合部ｆ
は、製袋器１５の出口側に配設された縦シール機構１７
により縦シールｆa が施されるもので、縦シール機構１
７はフィルム給送ラインの下部側でフィルム重合部ｆを
挾持して下流側に移送する対をなす送りローラ１７ａ
と、その下流側に近接してフィルム重合部ｆに縦シール
ｆa を施す対をなす縦シールローラ１７ｂとから構成さ
れている。この内容物Ｗを納めた筒状フィルムＦ1は、
下流側に配設された横シール機構１８において、内容物
Ｗの前後において横シールｆb,ｆc と切断がなされて、
図３に示すピロー包装体ＦA を得ることができる。そし
て、内容物Ｗの高い嵩高のものにおいては、同横シール
機構１８の前後に配設されたガセット形成手段１９によ
り、横シールｆb,ｆc 位置前後の袋側面にガセットｇを
付与することができる。

【００１４】このピロー包装体ＦA は図３および図４に
示すように筒状体に形成されて、同筒状体には筒状フィ
ルムＦ1 のフィルム重合部ｆに縦シールｆa が施され、
納められた内容物Ｗの前後には横シールｆb,ｆc が施さ
れるとともに、筒状体の縦シールｆa と対向するフィル
ム内面側における一方の横シールｆb の内側に近接する
位置には再封性接着剤層ｓ1 が該横シールｆb と平行状
に形成されて筒状体の対向内面側に接着され、また、各
横シール部にはガセットｇが形成されている。

【００１５】このピロー包装体ＦA に採用されるフィル
ムは、例えば無伸延ポリプロピレンの単体フィルム等の
シール部からの剥離開封が容易に行なわれるものを採用
するか、または、フィルムのシーラント層にヒートシー
ル部のシール強度を弱くする処理を施されているもの等
を採用することが好ましい。また、再封性接着剤層ｓ1
を帯状フィルムＦに塗布形成する接着剤は、フィルムＦ
より低融点の合成ゴムを主成分とするホットメルト系の
接着剤であり、接着剤塗布手段６により塗布後略瞬時に
固化するタイプの、例えば積水化学工業株式会社製、エ
スダイン No.9166Aの改良品等が適用可能である。

【００１６】また、接着剤塗布手段６による帯状フィル
ムＦへの再封性接着剤層ｓ1 （以下単に接着層という）
の形成は以下のようにして行なわれる。

【００１７】この接着剤塗布手段６には図示はしないが
アプリケーターに接続された複数のノズルガンが横並び
に配設され、その前部には噴出された接着剤を帯状フィ
ルムＦに対し該フィルムが筒状に成形された際に、その
フィルム内面側となる面に向けて所定の幅の線状に塗布
するようにガイド筒が設けられるとともに、この線状の
幅は帯状フィルムＦが連続移送される速度に対応して所
定時間噴出することで設定されるようになっており、ま
た、線状長さ（フィルム移送方向と直交する方向の寸
法）は、この複数のノズルガンの噴出数を選択制御して
調整するように設けられている。また、この帯状フィル
ムＦの幅方向への接着剤の噴出は、該フィルム移送ライ
ンの中心と噴出長さの中心とを一致状態として噴出され
るようになっている。そして、塗布形成された接着層ｓ
1 は極めて短時間で固化される。

【００１８】そして、この接着剤塗布手段６により塗布
される線状の接着層ｓ1 の長さは図４に示すように、再
封時に袋の内面同士がその幅方向略全域に亘って密着し
て虫等の異物混入を防止できる長さ、すなわちピロー包
装体ＦA についての袋筒状部を偏平にした場合の縦シー
ルｆa と直交する方向の寸法（包装体の袋幅）以上で、
かつ横型製袋充填機１で成形される筒状フィルムＦ1 内
に内容物Ｗを供給する際に、供給位置にずれが生じて内
容物Ｗの底面が接着層ｓ1 の上部に載置されることを回
避するために、内容物Ｗの載置範囲には達しない長さで
あることが好ましく、したがって、筒状フィルムＦ1 の
フィルム重合部ｆの重合代を差引いた帯状フィルムＦの
幅中心から振り分けに同幅寸法に対するほぼ１／２の長
さ以上で、かつ筒状フィルムＦ1 に内容物Ｗが載置され
た時の横断方向の内容物Ｗの底面寸法を除く長さ（内容
物Ｗの載置範囲には介在しない長さ）までの範囲内に設
定されている。

【００１９】また、この接着層ｓ1 の塗布形成される位
置は、製袋充填機１の１包装長分のフィルム移送量に応
じて筒状フイルムＦ1 の一方の横シールｆb 予定位置に
近接する位置となるようにタイミング合せされてノズル
ガンより噴出されて位置形成される。そして、使用され
るフィルムが印刷模様付である場合には、フィルムの印
刷模様の位置合わせのために、帯状フィルムＦの一方の
端縁に付されたレジマークを検出するフィルム繰出し部
３に配設したレジマークセンサ１２からのフィルム位置
検出信号を基準として求められる例えば一方の横シール
ｆb 位置に近接する位置に、所定の幅で帯状フィルムＦ
に噴出するように設定されている。

【００２０】この接着層ｓ1 の線状幅は、前記レジマー
クセンサ１２からのフィルム位置検出信号を基準とした
フィルムへの接着剤の吐出開始時点から帯状フィルムＦ
の移送速度に対するノズルガンの噴出時間を制御するこ
とで任意の幅に設定可能となっており、また、その幅寸
法は後述する一方の横シールｆb のシール幅ｔ1 と同幅
かそれ以上で、開封時、再封時における取扱い、また
は、包装体ＦA の見栄え等の観点からほぼ２０mm程度ま
での範囲に設定することが好ましい。

【００２１】なお、この接着剤塗布手段６による帯状フ
ィルムＦへの噴出タイミング、噴出時間および帯状フィ
ルムＦの幅方向への接着剤の噴出長さに対応する使用ノ
ズルガンの選択は、包装機１に設けられた入力手段１３
により入力されて、その入力データに基づき制御手段１
４に記憶された噴出条件についてのデータ値により、前
記レジマークセンサ１２からの接着剤塗布手段６による
帯状フィルムへの接着剤の噴出制御が行われる。

【００２２】また、帯状フィルムＦに印刷模様が施され
ていない等で横シール切断位置の位置合せを要しない場
合にあっては、包装機１の各作動機構の動作基準となる
基準タイミングパルス信号を基に、上記した帯状フィル
ムＦへの接着剤の噴出制御が行われる。なお、包装機１
の基準タイミングパルス信号は、制御手段１４における
クロックパルス発生手段からの信号または、各作動機構
の回転系に設けられたエンコーダからの信号等、包装機
１の各作動機構に対する同期基準信号の発生手段からの
タイミングパルス信号であることが最も好ましい。

【００２３】また、この接着剤は一般には無色透明ある
いは白色半透明のものが使用されるが、例えば赤、黄等
に着色することで再封場所についての視認性を高めるこ
とができる。また、接着剤塗布手段６におけるノズルガ
ンからの接着剤の噴出による接着層ｓ1 の形成は一条の
線状とする以外に、二条または三条等複数平行に設けら
れるように前記制御手段１４により噴出制御可能となっ
ている。

【００２４】このように接着層ｓ1 が形成された帯状フ
ィルムＦ1 は中間ローラ１０，１１を経て製袋器１５に
より筒状に成形される。なお、この帯状フィルムＦに対
しノズルガンからの噴出により塗布された接着剤は瞬時
に固化されて貼着性を有する接着層ｓ1 となり、このフ
ィルムＦにおける接着層ｓ1 の形成面側を巻掛け案内す
る一方の中間ローラ１１の周面には、接着層ｓ1 の貼着
によりフィルム移送が阻害されることを防止するため
に、少なくとも接着層ｓ1 の長さ部分と接触する範囲に
フッ素樹脂等による付着防止処理が施され、円滑なフィ
ルム移送が行われるようになっている。

【００２５】製袋器１５により成形された筒状フィルム
Ｆ1 に向けて、物品供給手段である物品供給コンベヤ１
６により内容物Ｗが順次所定の間隔で供給される。この
内容物Ｗの供給は筒状フィルムＦ1 の１包装長に対する
接着層ｓ1 の位置と上記他方の横シールｆc 予定位置と
の間に位置合せされて内容物Ｗが供給されるようにタイ
ミング合せされて供給される。そして、上記したように
製袋器１５の下流側に配設された縦シール機構１７の縦
シールローラ１７ｂにより筒状フィルムＦ1 のフィルム
重合部ｆ1 に縦シールｆa が施される。

【００２６】そして、下流側に配設された横シール機構
１８により筒状フィルムＦ1 内に供給された内容物Ｗを
挟む両端部の所定の位置を上下のシール体２０，２１に
より横シール・切断を行う。この上下のシール体２０，
２１は図示のように対応して略ボックスモーションが与
えられて、その対向面が当接移動する過程で横シール・
切断を行うもので、例えば図２に示すようにほぼ対称形
状に形成されており、このシール体２０，２１は図示の
ように対向状に一方の横シールｆb を施す後部シール部
２３ａ，２３ｂと他方の横シールｆc を施す前部シール
部２２ａ，２２ｂが間隔部２４ａ，２４ｂを有して形成
され、前部シール部２２ａ，２２ｂのシール面幅ｔ1 は
後部シール部２３ａ，２３ｂのシール面幅ｔ2 より幅広
（ｔ1 ＞ｔ2 ）に形成されている。

【００２７】また、上部シール体２０の間隔部２４ａに
はフィルムカッタ２５が内装されている。また、後部シ
ール部２３ａ，２３ｂに近接して接着層ｓ1 をフィルム
外方から挾持して密着させる押圧手段であるシリコンゴ
ム等からなる断面略Ｔ字形状の対をなす耐熱性弾性部材
２６ａ，２６ｂが対向して取付けられている。このよう
に形成されたシール体２０，２１には複数のカートリッ
ジヒータ３１が取付けられている。

【００２８】上記のように設けられた上下のシール体２
０，２１を取付けた横シール機構１８において、シール
体２０，２１は図示のように前部シール部２２ａ，２２
ｂのシール面および後部シール部２３ａ，２３ｂのシー
ル面により筒状フィルムＦ1を挾圧して移動する過程で
横シール・切断を行うもので、図５に示すように一方の
シール体２０に内装されたフィルムカッタ２５による切
断位置ｃu に対し前部シール部２２ａ，２２ｂおよび後
部シール部２３ａ，２３ｂにより横シールｆb,ｆc が施
され、この横シールｆa,ｆb の中央部において切断位置
ｃu が施されるとともに、この一方の横シールｆb の内
側に該横シールｆb と近接した位置に接着層ｓ1 が形成
されている。この接着層ｓ1 は横シールｆb,ｆc と同時
に押圧手段である上下の耐熱性弾性部材２６ａ，２６ｂ
によりフィルム外方より挾圧されることでフィルム内面
同士が密着される。また、上記したようにこの一方の横
シールｆb は所定のシール幅ｔ1 に、また、他方の横シ
ールｆc は所定のシール幅ｔ2 に形成され、ｔ1 ＜ｔ2
の関係にある。

【００２９】このように横シールｆb,ｆc および切断ｃ
u された先送りのピロー包装体ＦA1より順次図示しない
排出コンベヤにより排出され、これにより図３に示すピ
ロー包装体ＦA を得ることができる。なお、ガセット成
形手段１９は内容物Ｗが嵩高の場合に作動されるもの
で、例えば横シール機構１８のシール体２０，２１の対
向作動に合わせて、横シールｆｃ位置と接着層ｓ1 の密
着位置に近接した左右よりガセット金具をガセットヒダ
の深さ相当分挿入した状態でシール作動されることでガ
セットｇは成形される。

【００３０】このようにして形成されたピロー包装体Ｆ
A を開封するには、上記したようにヒートシール強度を
弱くすることで、一方の横シールｆb 側の縦シールｆa
を摘み、その反対側のフィルム部分を離反する方向へ引
っ張ることにより同横シールｆb を容易に開封すること
ができ、さらには、この横シールｆｂを幅狭にすること
で一層開封性を良好なものとすることができる。このよ
うに開封は横シールｆb 部分より剥離開口するととも
に、接着層ｓ1 によりフィルム内面同士の密着封止を開
封して必要量の内容物Ｗを使用後、接着層ｓ1 により残
余の内容物Ｗを虫等の異物混入から保護した状態で再封
止できる。

【００３１】また、筒状に成形される帯状フィルムＦの
内容物Ｗの載置面側における少なくとも内容物Ｗの載置
範囲には接着層ｓ1 を塗布形成しないので、横型製袋充
填機１において、筒状フィルムＦ1 への内容物Ｗの供給
にずれが発生しても、内容物Ｗが接着層ｓ1 に貼付いて
しまうことがなく良好なピロー包装体ＦA を得ることが
できる。接着層ｓ1 は、フィルムロール２から引出され
た帯状フィルムＦを筒状フィルムＦ1 に成形する以前に
フィルムの融点よりも低融点のホットメルト系接着剤を
線状に塗布形成すればよく、これによりフィルムの縮れ
等がなく良好な再封性を有する包装体ＦA を横型製袋充
填機１により得ることができる。また、印刷模様付フィ
ルムを使用する場合にはレジマークをセンサ１２により
検出した信号を基準として接着剤の塗布位置が設定され
るので、フィルムの印刷位置との関係で位置合せされた
正確な位置決め設定ができる。また、縦シールｆa 、横
シールｆb,ｆc に介在しないように接着層ｓ1 が形成さ
れているので、シール不良等による不良包装体となるこ
とが防止できる。

【００３２】また、接着剤に着色したことで、開封後の
接着層ｓ1 の再封位置を容易に視認することができる。
また、接着剤塗布手段６におけるノズルガンからの接着
剤吐出制御により、例えば図６に示すように２条あるい
は複数条の接着層ｓ1 を塗布形成することで、より良好
に再封できる。また、横シールｆb は図７および図８に
示すように接着層ｓ1 との間の一側に例えば略方形状の
開封補助部ｆd をシール形成して同補助部ｆd に開封用
ミシン目ｍ1 あるいは開封用ノッチｍ2 を形成して、開
封するようにしてもよい。この場合、この補助部ｆd に
開封用ミシン目ｍ1 あるいは開封用ノッチｍ2 を形成す
るために、例えば図９に示すようにシール体２０，２１
の一端側において、後部シール部２３ａ，２３ｂの端部
側には補助シール部２７ａ，２７ｂが補助部ｆdの略コ
字形状に形成されており、一方のシール体２０の後部シ
ール部２３ａ側の補助シール部２７ａには間隔部２４ａ
と連通してシール面に嵌通してフィルムカッタ２５に取
付けられて一体に作動するミシン目ｍ1 あるいはノッチ
ｍ2 用の補助切込手段としての補助カッタ２８を挿通す
る挿通孔２９が形成されてフィルムカッタ２５の作動と
ともに開封補助部ｆd にミシン目ｍ1 あるいはノッチｍ
2 を付すようになっている。なお、この場合の横シール
ｆb,ｆc のシール幅はｔ1 ＜ｔ2 の関係でなくてもよ
く、また、接着層ｓ1 の幅よりも大きくてもよい。

【００３３】また、横型製袋充填機における縦シール機
構１７は上記実施形態の配置位置の他にフィルム給送ラ
イン上方に設定する場合、あるいはフィルム給送ライン
の側方に設定する場合とがあり、前者においては縦シー
ルは内容物載置面とは対向する側のフィルム面に形成さ
れることにより、接着剤の塗布範囲は、筒状フィルムＦ
1 における少なくとも、縦シールとは対向面となるフィ
ルム内面側の内容物載置範囲と、縦シール予定範囲（縦
シール代）とには介在しない範囲に塗布されることとな
り、また、後者においては、筒状フィルムＦ1 のフィル
ム重合部ｆa の端縁から上記縦シール予定範囲を除く供
給内容物Ｗの上方に位置する筒状フィルムＦ1 のフィル
ム内面側から下方に位置するフィルムの内容物載置範囲
には介在しない範囲に亘り塗布されることとなる。ま
た、内容物によっては、ピロー包装体は縦シールｆa 、
横シールｆb,ｆc によるシールが密封シールとなってい
なくともよく、内容物の性状その他必要に応じて密封状
にするかどうかを選択すればよい。また、押圧手段とし
ての耐熱性弾性部材２６ａ，２６ｂをシール体２０，２
１と一体にして例示したが、これに限定するものではな
く、別体、別駆動する構成としてもよい。また、ミシン
目ｍ1 あるいはノッチｍ2 用の補助切込手段としての補
助カッタ２８をフィルムカッタ２５に取付けて例示した
が、これに限定するものではなく、例えば別に配設し、
別駆動する構成としてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】横型製袋充填機の概略図である。

【図２】横シール機構のシール体の断面図である。

【図３】横型製袋充填機により形成した再封性を有する
ピロー包装体の斜視図である。

【図４】ピロー包装体の断面図である。

【図５】筒状フィルムを横シール・切断する説明図であ
る。

【図６】２条の再封性接着剤層を付与したピロー包装体
の一部平面図である。

【図７】横シールの一側に形成した開封補助部にミシン
目を付したピロー包装体の一部平面図である。

【図８】横シールの一側に形成した開封補助部にノッチ
を付したピロー包装体の一部平面図である。

【図９】シール体の一側に形成した開封補助部側の断面
図である。

【符号の説明】

１ 横型製袋充填機 ２ フィルムロール ６ 接着剤塗布手段 １０，１１ 中間ローラ １２ レジマークセンサ １５ 製袋器（製袋手段） １６ 供給コンベヤ １７ 縦シール機構 １８ 横シール機構 １９ ガセット成形手段 ２０，２１ シール体 ２６ａ，２６ｂ 耐熱性弾性部材（押圧手段） ２８ 補助カッタ（補助切込手段） Ｆ 帯状フィルム Ｆ1 筒状フィルム ｆ フィルム重合部 ｆa 縦シール ｆb,ｆc 横シール ｃu 切断 ｓ1 再封性接着剤層 ＦA ピロー包装体 ｇ ガセット ｆd 開封補助部 ｍ1 ミシン目 ｍ2 ノッチ ｔ1,ｔ2 横シールのシール幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 巌 愛知県名古屋市西区中小田井４丁目380番 地 株式会社フジキカイ名古屋工場内

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横型製袋充填機のフィルム供給源である
   フィルムロールから引出して製袋手段に向けて移送され
   る帯状フィルムの移送途上において、 前記製袋手段により筒状成形された際に、フィルム内面
   側となる面に対して、一方の横シール予定位置に近接す
   る位置となるようにタイミング合せされて、繰返し再封
   可能な接着剤を、所定間隔毎にフィルム移送方向と直交
   する方向へ、製袋手段で筒状成形されたフィルムに内容
   物が載置される範囲に介在しない長さで直線状に塗布し
   て再封性接着剤層を形成し、 帯状フィルムを前記製袋手段により筒状に成形し、得ら
   れた筒状フィルム中に、再封性接着剤層とこの再封性接
   着剤層が設けられない側の横シール予定位置との間に位
   置合せされるように内容物を供給し、 筒状成形されたフィルム重合部に縦シールを行った後
   に、筒状フィルム中に供給されている内容物を挟む前後
   位置において筒状フィルムの幅方向を横シール・切断し
   て、一方の横シールの内側に前記再封性接着剤層を近接
   する位置となし、この横シール・切断時に、再封性接着
   剤層をフィルム両外方から挾持して密着することを特徴
   とする再封性ピロー包装体の包装方法。
2. 【請求項２】 フィルムロールから引出して製袋手段に
   向けて移送される帯状フィルムの移送途上において、 前記製袋手段により筒状成形された際に、フィルム内面
   側となる面に対して、一方の横シール予定位置に近接す
   る位置となるようにタイミングで、繰返し再封可能な接
   着剤を、所定間隔毎にフィルム移送方向と直交する方向
   へ、製袋手段で筒状成形されたフィルムに内容物が載置
   される範囲に介在しない長さの範囲内で直線状に噴出し
   て再封性接着剤層を形成するノズルガンが配設される接
   着剤塗布手段と、 製袋手段により成形された筒状フィルム中に、再封性接
   着剤層とこの再封性接着剤層が設けられない側の横シー
   ル予定位置との間に位置合せして内容物を供給する供給
   コンベヤと、 筒状フィルムにおけるフィルム重合部に縦シールを行う
   縦シール機構と、 筒状フィルム中に供給されている内容物を挟む前後位置
   において、一方の横シールの内側に前記再封性接着剤層
   が近接する位置となるよう筒状フィルムの幅方向を横シ
   ール・切断する一対のシール体を有する横シール機構
   と、 横シール機構に設けられ、筒状フィルムにおける再封性
   接着剤層形成位置の外方から挾持して密着する一対の押
   圧手段とより構成したことを特徴とする再封性ピロー包
   装体の包装装置。
3. 【請求項３】 前記帯状フィルムは印刷模様付きフィル
   ムであり、同帯状フィルムに付されたレジマークをセン
   サにより検出し、その検出信号を基準として前記ノズル
   ガンによる接着剤の噴出タイミングならびに噴出時間を
   設定する構成としたことを特徴とする請求項２の再封性
   ピロー包装体の包装装置。
4. 【請求項４】 前記縦シール機構は、フィルム給送ライ
   ンの下部側においてフィルム重合部に縦シールを施すよ
   うに設けられ、前記接着剤塗布手段による再封性接着剤
   層の塗布形成範囲は、筒状フィルムにおける縦シールが
   設けられる面に対して内容物を挟んで対向するフィルム
   内面側を基準として、少なくとも縦シール側のフィルム
   内面の内容物載置範囲に介在しない長さ範囲に設定され
   るようノズルガンの噴出制御を行う構成としたことを特
   徴とする請求項２の再封性ピロー包装体の包装装置。
5. 【請求項５】 前記接着剤塗布手段による再封性接着剤
   層の塗布形成長さは、包装体の袋幅とほぼ同等以上の長
   さに設定されるようノズルガンの噴出制御を行う構成と
   したことを特徴とする請求項４の再封性ピロー包装体の
   包装装置。
6. 【請求項６】 前記接着剤は着色処理が施されたもので
   あることを特徴とする請求項２の再封性ピロー包装体の
   包装装置。
7. 【請求項７】 接着剤塗布手段から製袋手段までのフィ
   ルム移送経路間には、再封性接着剤層が形成されたフィ
   ルム面が巻掛け案内されるガイドローラが設けられ、該
   ガイドローラの周面の少なくとも再封性接着剤層の長さ
   部分と接触する範囲に、接着剤の付着防止処理を施した
   ことを特徴とする請求項２の再封性ピロー包装体の包装
   装置。
8. 【請求項８】 前記シール体のシール面は、前記再封性
   接着剤層に近接して設けられる横シール幅が、他方の横
   シール幅より幅狭に設定されるよう形成されていること
   を特徴とする請求項２の再封性ピロー包装体の包装装
   置。
9. 【請求項９】 前記横シール機構の一対のシール体のい
   ずれか一方には、前記押圧手段と対応するシール部との
   間に、縦シールと交差する方向に引き裂き開封可能なノ
   ッチ、ミシン目等の開封補助部を形成する補助切込手段
   を設ける構成としたことを特徴とする請求項２の再封性
   ピロー包装体の包装装置。
10. 【請求項１０】 前記横シール機構にはガセット形成手
    段を並設したことを特徴とする請求項２の再封性ピロー
    包装体の包装装置。