JPH1177139A - 棒鋼圧延設備の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒鋼が綾にならず、棒鋼の本数に関係なく落
下距離が一定で且つ、低空落下させることができ、棒鋼
の本数の制約を受けないようにする。 【解決手段】 ランインローラテーブル１０により棒鋼
１が走行する。このとき、各棒鋼１はレーン仕切板１２
により仕切られており、相互に交差することはない。棒
鋼１は更に走行すると開閉トラフ１４に導かれて１本の
棒鋼が１個のトラフ内を走行する。そして、開閉トラフ
１４は棒鋼が分割シャーにより分割されると開いて棒鋼
１を落下する。落下した棒鋼１はランインローラテーブ
ル１８により走行し、ここでも、各棒鋼１はレーン仕切
板２０により仕切られており、相互に交差することはな
い。そして、ブレーキングプレート２８の上昇により棒
鋼１の走行が停止すると、テークイントトラバーサー２
２の移送により棒鋼１を矯正床３２に移載する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は棒鋼圧延設備の搬送
装置に関し、特に、中小条鋼圧延のランインテーブルに
関する。

【０００２】

【従来の技術】棒鋼圧延設備においては、圧延機で圧延
された棒鋼を冷却床へ搬送して冷却している。棒鋼を冷
却床へ搬送するための装置として、例えば傾斜ローラー
方式のランインテーブルがある。このランインテーブル
においては、走行レーンとブレーキレーンとを備えてお
り、例えば３本の棒鋼が走行レーンを走行し、所定位置
においてブレーキレーンへ横滑りして、次に、ブレーキ
ングプレートにより持上げられた後、３本の棒鋼がレー
キへ同時に走りつつ横滑りしつつ落ち込む。この方式に
おいては、綾になる可能性が３工程もあり、現実に、エ
ンドユーザーからクレームを受けることもある。

【０００３】また、棒鋼を冷却床へ搬送するための装置
の他の例として、トラフタイプの多条スリットの方式が
ある。この方式においては各条数毎に落下高さが異な
り、例えば６レーンのものに至ってはその最上部のレー
ンの落下高さが１５５０mmにもなり、落下中に棒鋼は波
打ちして、レーキとの衝突時の衝撃でこの波打ちが更に
助長され、甚だしいときはレーキを飛び出して隣りの溝
に迄入ってしまう。このように隣りの溝に迄入ってしま
い、本来の溝に引き込まれない棒鋼は冷却過程で曲りが
発生し、曲り不良として精整で跳ねられる。また、この
トラフは冷却床全長にわたって細かいパーツで構成され
ていて、その総数は厖大であり、この厖大なパーツの芯
合せを頻繁に長時間入念に行って始めて飛出しを防ぐこ
とができるが、それとても真直度に不満があるが、妥協
しているのが現実である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の傾斜ローラー方
式のランインテーブルの場合においては、搬送過程にお
いて綾になる可能性が３工程もある、という問題点があ
る。また、上記のトラフタイプの多条スリットの方式の
場合においては、スリット条数が多くなると落下位置が
高くなり、実用上は４条スリットが限界である。４条で
も最高段トラフからの落下距離は約２ｍとなり、レーキ
（溝）から飛び出して操業が安定せず、落下時に曲がり
が発生し常時入念な調整を行って始めて、実用に耐える
という情況にある。従って、一緒に処理できる棒鋼の本
数（スリット条数）に制約がある、という問題点があ
る。

【０００５】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたものであり、棒鋼が綾にならず、棒鋼の本数に
関係なく落下距離が一定で且つ、低空落下させることが
でき棒鋼の本数に制約がない棒鋼圧延設備の搬送装置を
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る棒鋼圧延設
備の搬送装置は、分割シャーの下流側に配置され、各棒
鋼を走行させるための第１のランインローラテーブル
と、第１のランインローラテーブルに対応して配置さ
れ、各棒鋼をその走行方向に沿って仕切って分離するた
めの第１のレーン仕切板と、冷却床に隣接し、且つ、第
１のランインローラテーブルと同一のレベルで配置さ
れ、第１のランインローラテーブルからの各棒鋼をそれ
ぞれ案内し、所定のタイミングで各棒鋼を落下させるた
めの開閉トラフと、開閉トラフより所定距離下方に配置
され、開閉トラフから落下した各棒鋼を走行させるため
の第２のランインローラテーブルと、第２のランインロ
ーラテーブルに対応して配置され、各棒鋼をその走行方
向に沿って仕切って分離するための第２のレーン仕切板
と、第２のレーン仕切板により仕切られて走行する各棒
鋼を停止させるためのブレーキ手段と、走行が停止した
状態にある各棒鋼を隣接した位置にある冷却床側に移送
するトラバース手段とを備えたものである。

【０００７】本発明においては、第１のランインローラ
テーブルにより棒鋼が走行する。このとき、各棒鋼は第
１のレーン仕切板により仕切られており、相互に交差す
ることはない。棒鋼は更に走行すると開閉トラフに導か
れて１本の棒鋼が１個のトラフ内を走行する。そして、
開閉トラフは例えば棒鋼が分割シャーにより分割される
と開いて棒鋼を落下する。落下した棒鋼は第２のランイ
ンローラテーブルにより走行し、ここでも、各棒鋼は第
２のレーン仕切板により仕切られており、相互に交差す
ることはない。そして、ブレーキ手段により棒鋼の走行
が停止すると、トラバース手段は棒鋼を冷却床側に移送
する。これらの処理をしているとき、後行の棒鋼は開閉
トラフに導かれて案内されながら走行し、そして、先行
の棒鋼と同様な処理を受けることになる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施形態に係る
ランインテーブルの構成図である。このランインテーブ
ルにおいては、ランインローラテーブル１０が棒鋼１の
走行方向に沿って所定の間隔で配置されており、そし
て、そのランインローラテーブル１０に前後してレーン
仕切板１２が配置される。ランインローラテーブル１０
の下流側の冷却床入り口に相当する位置からその下流側
にかけて開閉トラフ１４が配置されており、この開閉ト
ラフ１４は、ランインローラテーブル１０と同一のレベ
ルに配置されており、レーン仕切板１２により仕切られ
た状態で走行してきた棒鋼１を案内する。開閉トラフ１
４にはトラフ開閉装置１６が取付られており、トラフ開
閉装置１６の駆動により開閉トラフ１４を開閉制御す
る。

【０００９】この開閉トラフ１４の下方には搬送方向に
沿ってランインローラテーブル１８及びレーン仕切板２
０が設けられており、ランインローラテーブル１８は上
記のランインローラテーブル１０に対して約１５０ｍｍ
低い位置に配置されている。そして、棒鋼１の走行方向
に沿って配置されているレーン仕切板２０とレーン仕切
板２０との間に、テークイントラバーサー２２が棒鋼１
の走行方向と直交する方向に移送自在に配置されてい
る。このテークイントラバーサー２２にはテークイント
ラバーサー移送装置２４が取り付けられており、テーク
イントラバーサー２２を移送する。テークイントラバー
サー２２及びテークイントラバーサー移送装置２４はテ
ークイントラバーサー昇降装置２６により昇降自在に支
持されている。そして、最下流側のレーン仕切板２０の
間にはブレーキングプレート２８が配置されており、こ
のブレーキングプレート２８にはブレーキングプレート
昇降装置３０が取り付けられており、ブレーキングプレ
ート２８を上昇させることにより棒鋼１の走行に対して
ブレーキをかける。また、テークイントラバーサー２２
の移送方向には、矯正床３２、可動レーキ３４及び固定
レーキ３６が配置されている。

【００１０】図２は図１のランインローラテーブル１０
及びレーン仕切板１２の正面図である。ランインローラ
テーブル１０はその駆動装置１１により回転駆動し棒鋼
１を走行させる。このとき、棒鋼１はレーン仕切板１２
により相互に仕切られており、交差することはない。

【００１１】図３は図１の開閉トラフ１４及びトラフ開
閉装置１６の正面図である。同図（Ａ）は開閉トラフ１
４が閉じている状態を示した図であり、同図（Ｂ）は開
閉トラフ１４を開いて棒鋼１を開放した状態を示した図
である。開閉トラフ移送装置１６がそのシャフトを延長
することにより開閉機構１５によって支持されている開
閉トラフ１４が開く。

【００１２】図４は図１のブレーキングプレート２８及
びブレーキングプレート昇降装置３０の正面図である。
開閉トラフ１４の開放によって落下した棒鋼１はランイ
ンローラテーブル１８の回転駆動により走行するが、ブ
レーキングプレート昇降装置３０によりブレーキングプ
レート２８を上昇させることにより棒鋼１の走行を停止
させる。

【００１３】図５は図１のテークイントラバーサー２
２、テークイントラバーサー移送装置２４及びテークイ
ントラバーサー昇降装置２６の正面図である。図４のブ
レーキプレート２８により棒鋼１の走行が停止すると、
テークイントラバーサー昇降装置２６の駆動によりテー
クイントラバーサー２２を上昇させ、そして、テークイ
ントラバーサー移送装置２４により矯正床３２側に移動
せ、そして、テークイントラバーサー昇降装置２６の駆
動によりテークイントラバーサー２２を下降させること
により、棒鋼１を矯正床３２上に載置する。

【００１４】図６は本実施形態に係るランインテーブル
における棒鋼の位置と各部との関係を示した図である。
図６と上述の図１〜図５を参照しながら全体の動作を説
明する。 （１）ランインローラテーブル１０が回転駆動されこと
で棒鋼１は走行する。このとき、ランインローラテーブ
ル１０はレーン仕切板１２によって棒鋼１の本数（スリ
ット条数）に一致した走行レーンに仕切られており、１
条１レーンとなっており、各棒鋼１は他の棒鋼と交差す
ることなく走行することが出来る。棒鋼１の先端が冷却
床入口に到達すると、そこには棒鋼の本数（スリット条
数）に見合った本数の開閉トラフ１４がランインローラ
テーブル１０と同レベルに配置されており、棒鋼１は開
閉トラフ１４内を走行することになる。（図６の） （２）棒鋼１が分割シャーにより分割されると同時に開
閉トラフ１４が開き、先行の棒鋼１の先頭部はローラー
テーブル１８上を、後半部はローラーテーブル１０上を
後行材の先頭との間隔を広げつつ、１条１レーンを保っ
て走行する。開閉トラフ１４は棒鋼１を落下した後、速
やかに閉じて、後行材の先頭の進入を待つ。（図６の
，） （３）棒鋼１が減速位置に到達すると、レーン仕切板２
０の間に沈んでいるブレーキングプレート２８を上昇さ
せる。これによりブレーキングプレート２８がローラー
レベルから浮き上って棒鋼１を減速停止させる。それと
同時にレーキと同一ピッチのＶ−ノッチ付のテークイン
トラバーサー２２が上昇してレーン内のスリット成品を
レーキピッチにラインアップしつつレーン仕切板２０の
上方まで持ち上げる。（図６の，）

【００１５】図７はこのときの状態を示す示す説明図で
ある。棒鋼１はテークイントラバーサー２２の上昇によ
りレーン仕切板２０の上方まで持ち上げられ、更に、テ
ークイントラバーサー２２を前進させることにより、棒
鋼１を矯正床３２の上方に持ってくる。そして、テーク
イントラバーサー２２を下降させることにより棒鋼１を
矯正床３２に載置する。この後、テークイントラバーサ
ー２２を後退させて元の位置に戻す。矯正床３２に載置
された棒鋼１は可動レーキ３４の円運動により順次移動
してゆき、固定レーキ３６の所望の位置まで搬送され、
矯正床３２を空にして次の棒鋼１の移載を待つ。

【００１６】以上の説明から明らかなように本実施形態
によれば、次のような効果が得られている。 （ａ）スリット圧延の条数に制限なく（何条スリットで
も）且つ綾が発生することなく搬送出来て、冷却床のレ
ーキに１溝１本ずつ取込むことができる。 （ｂ）ランインローラテーブル１０，１８にはレーン仕
切板１２，２０が取り付けられており、棒鋼の本数（ス
リット条数）に一致した走行レーンに仕切られているの
で１条１レーンとなっている。このため、各棒鋼が他の
棒鋼と交差することなく走らせることが出来る。 （ｃ）開閉トラフからの棒鋼落下はその本数（スリット
条数）に関係なく、同一の高さから可能であり、且つそ
の高さは約１５０mmと従来の公知の多条スリット圧延用
ランイントラフに比べ大幅に低い。 （ｄ）レーン仕切板２０はエプロンを兼ねた昇降式ブレ
ーキングプレート２８を備えており、そして、テークイ
ントラバーサー２２はレーキのピッチに合致したＶ−ノ
ッチ付となっている。このため、ブレーキングプレート
２８がブレーキングのため上昇した時、同時にテークイ
ントラバーサー２２を上昇させてレーキピッチにライン
アップ出来る。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、第１のラ
ンインローラテーブルにより棒鋼を第１のレーン仕切板
により仕切った状態で走行させ、更に、開閉トラフに導
いて１条１トラフ内を走行させ、開閉トラフが開いて棒
鋼を落下すると、第２のランインローラテーブルにより
その棒鋼を第２のレーン仕切板により仕切った状態で走
行させ、そして、ブレーキ手段により棒鋼の走行が停止
すると、トラバース手段は棒鋼を冷却床側に移送するよ
うにしたので、次のような効果が得られている。 （１）スリット圧延なるが故に発生する最終製品の品質
を左右する重大な問題、棒鋼の曲がりや綾が発生しな
い。 （２）棒鋼の本数（スリット条数）に関係なく落下距離
が一定で且つその距離が短い。このため、棒鋼の本数
（スリット条数）に制約がない。 （３）棒鋼の本数（スリット条数）が増えることによる
冷却床取込みの難しさが解消される。これは、上流の圧
延方式にサイズに応じた自由度を与えることになり、細
物サイズの生産性ボトムアップが簡単に実現でき、バラ
ンスのとれた高生産ミルが実現できることとなる。 （４）トラフタイプの如き頻繁で面倒なメンテナンスを
必要としない、メンテナンスフリー設備が実現できるこ
とから、ダウンタイムが減少し生産能率が上昇する。 （５）真直で綾のない製品を製造することができ、その
ような製品はエンドユーザーの好評を博し、拡販に結び
つく。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るランインテーブルの
構成図である。

【図２】図１のランインローラテーブル及びレーン仕切
板の正面図である。

【図３】図１の開閉トラフ及びトラフ開閉装置の正面図
である。同図（Ａ）は開閉トラフが閉じている状態を示
した図であり、同図（Ｂ）は開閉トラフを開いて棒鋼を
開放した状態を示した図である。

【図４】図１のブレーキングプレート及びブレーキング
プレート昇降装置の正面図である。

【図５】図１のテークイントラバーサ、テークイントラ
バーサ移送装置及びテークイントラバーサ昇降装置の正
面図である。

【図６】本実施形態に係るランインテーブルにおける棒
鋼の位置と各部との関係を示した図である。

【図７】本実施形態において棒鋼を冷却床側に移送する
際の動作説明図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 分割シャーの下流側に配置され、各棒鋼
   を走行させるための第１のランインローラテーブルと、 前記第１のランインローラテーブルに対応して配置さ
   れ、各棒鋼をその走行方向に沿って仕切って分離するた
   めの第１のレーン仕切板と、 冷却床に隣接し、且つ、前記第１のランインローラテー
   ブルと同一のレベルで配置され、前記第１のランインロ
   ーラテーブルからの各棒鋼をそれぞれ案内し、そして、
   所定のタイミングで各棒鋼を落下させるための開閉トラ
   フと、 前記開閉トラフより所定距離下方に配置され、前記開閉
   トラフから落下した各棒鋼を走行させるための第２のラ
   ンインローラテーブルと、 前記第２のランインローラテーブルに対応して配置さ
   れ、各棒鋼をその走行方向に沿って仕切って分離するた
   めの第２のレーン仕切板と、 前記第２のレーン仕切板により仕切られて走行する各棒
   鋼を停止させるためのブレーキ手段と、 走行が停止した状態にある各棒鋼を隣接した位置にある
   冷却床側に移送するトラバース手段とを備えたことを特
   徴とする棒鋼圧延設備の搬送装置。