JPH1175208A - オートキャンセラ - Google Patents

オートキャンセラ

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Publication number
JPH1175208A
JPH1175208A JP9235283A JP23528397A JPH1175208A JP H1175208 A JPH1175208 A JP H1175208A JP 9235283 A JP9235283 A JP 9235283A JP 23528397 A JP23528397 A JP 23528397A JP H1175208 A JPH1175208 A JP H1175208A
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JP
Japan
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magnetic field
canceller
auto
magnetic
external magnetic
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Withdrawn
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JP9235283A
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English (en)
Inventor
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Yoshihiro Sudou
能啓 須藤
Shinichi Sasagawa
新一 笹川
Yuichi Ubunai
雄一 生内
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型にすることが可能であり、かつ地磁気に
よる磁力線の方位を精密に測定できる磁気センサを備え
たオートキャンセラを提供する。 【解決手段】 外部磁界の磁力線と逆向きで大きさが等
しいキャンセル磁界をブラウン管4に印加するキャンセ
ルコイル5と、磁気センサ2によって検出された前記外
部磁界による磁力線の方位に基づいてキャンセル磁界の
大きさを制御する制御部3とを具備してなり、磁気セン
サ2は、Feを主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式
中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示
す)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20
K以上であるFe基軟磁性金属ガラス合金からなる磁気
インピーダンス効果素子を備えてなることを特徴とする
オートキャンセラ1を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管を備え
たディスプレイ等に備えられる磁気センサを具備してな
るオートキャンセラに関するものであり、特に、Fe基
軟磁性金属ガラス合金からなる磁気インピーダンス効果
素子を備えた磁気センサを具備してなるオートキャンセ
ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CAD画像情報の緻密化に伴っ
て、ブラウン管を備えたディスプレイ(以下、CRTデ
ィスプレイと略す。)のシャドウマスク孔のピッチの緻
密化が進んでいる。例えば、画面サイズが14インチの
CRTディスプレイにおいては、0.28mm/ピッチ
となっている。このような高緻密画面では、ブラウン管
内の電子ビームが地磁気等の外部磁界の影響を受け、本
来通過すべき軌跡から外れて、画像の移動、色純度劣化
による色むらの発生といった画質低下が生じるという課
題がある。そこで、最近のCRTディスプレイには、地
磁気の影響を打ち消すために、地磁気による磁力線と逆
向きで等しい大きさの磁界(キャンセル磁界)をブラウ
ン管に印加するキャンセルコイルと、キャンセル磁界の
大きさを制御するための制御部を備えたオートキャンセ
ラが具備されているのが一般的である。制御部には、地
磁気の方位を検出するための磁気センサが備えられてい
る。
【0003】従来のオートキャンセラの制御部には、磁
気センサとして、その動作原理上安定性に優れ、磁界の
検出感度も10-7〜10-6G程度と高いフラックスゲー
トセンサーが備えられている。しかし、このフラックス
ゲートセンサーは、環状の磁心と、この磁心に巻回して
磁場を印加する励磁巻線と、磁心の磁束密度を検出する
検出巻線とからなる構造であるため、形状が塊状とな
り、オートキャンセラの小型化が図れないという課題が
ある。
【0004】一方、別の磁気センサとして、磁気抵抗素
子(以下、MR素子と略す)を用いた磁気センサは、2
つのMR素子をそれぞれに印加される電流の電流路が互
いに直交するように同一平面内に配置し、これら2つの
MR素子をブリッジ等に接続することにより外部磁界に
よる磁力線の方位を検出するもので、形状が平面状であ
り、オートキャンセラの小型化を図ることが可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のMR素
子を用いた磁気センサは、外部磁界の強度の変化による
MR素子自身の固有抵抗に対する抵抗変化率が3〜6%
程度と小さく、抵抗変化が鋭敏ではないので、地磁気等
の外部磁界による磁力線の精密な方位測定を行うことが
困難であり、キャンセルコイルよって発生させるキャン
セル磁界の大きさを最適化できないために、オートキャ
ンセラを正常に作動させることができないという課題が
あった。
【0006】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであって、その形状を小型にすることが可能で
あり、かつ地磁気による磁力線の方位を精密に測定でき
る磁気センサを備えたオートキャンセラを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明のオート
キャンセラは、外部磁界の磁力線と逆向きで大きさが等
しいキャンセル磁界をブラウン管に印加するキャンセル
コイルと、磁気センサによって検出された前記外部磁界
による磁力線の方位に基づいてキャンセル磁界の大きさ
を制御する制御部とを具備してなるオートキャンセラに
おいて、前記磁気センサは、Feを主成分とし、ΔTx
=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始温度、Tgはガ
ラス転移温度を示す)の式で表される過冷却液体の温度
間隔ΔTxが20K以上であるFe基軟磁性金属ガラス
合金からなる磁気インピーダンス効果素子を備えてなる
ことを特徴とする。本発明のオートキャンセラは、先に
記載のオートキャンセラであって、前記磁気センサは、
前記外部磁界による磁力線のX軸方向の成分の検出手段
である第1の磁気インピーダンス効果素子と、前記外部
磁界による磁力線のY軸方向の成分の検出手段である第
2の磁気インピーダンス効果素子とを備えてなることを
特徴とする。
【0008】また、本発明のオートキャンセラは、先に
記載のオートキャンセラであって、前記第1、2の磁気
インピーダンス効果素子が、それぞれに印加される交流
電流の電流路が互いに直交するように同一平面内に配置
されたことを特徴とする。また、本発明のオートキャン
セラは、先に記載のオートキャンセラであって、前記第
1、2の磁気インピーダンス効果素子には、それぞれに
印加される交流電流の電流路に沿ってバイアス磁化を印
加するための巻線が巻回されたことを特徴とする。
【0009】更に、本発明のオートキャンセラは、先に
記載のオートキャンセラであって、前記Fe基軟磁性金
属ガラス合金がFe以外の他の金属元素と半金属元素と
を含有してなり、前記他の金属元素としてAl、Ga、
In、Snのうちの1種または2種以上が含有され、前
記半金属元素として、P、C、B、Ge、Siのうちの
1種または2種以上が含有されてなることを特徴とす
る。更に、本発明のオートキャンセラは、先に記載のオ
ートキャンセラであって、前記Fe基軟磁性金属ガラス
合金の組成が、それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Fe: 残部 であることを特徴とする。
【0010】更にまた、本発明のオートキャンセラは、
先に記載のオートキャンセラであって、前記Fe基軟磁
性金属ガラス合金の組成が、それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Si: 0 〜15 Fe: 残部 であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1及び図2において、オートキ
ャンセラ1には、外部磁界の磁力線と逆向きで大きさが
等しいキャンセル磁界をブラウン管4に印加するため
に、ブラウン管4のフェイス(画面)6の周囲に巻回さ
れた導線からなるキャンセルコイル5と、磁気センサ2
によって検出された前記外部磁界による磁力線の方位に
基づいてキャンセル磁界の大きさを制御する制御部3と
が備えられている。、キャンセルコイル5の両端5a
は、制御部3に接続されている。
【0012】また、図2において、磁気センサ2には、
外部磁界のX軸方向の成分の検出手段である第1の磁気
インピーダンス効果素子(以下、MI素子と略す)12
と、X軸方向に垂直なY軸方向の外部磁界の成分の検出
手段である第2のMI素子13とが備えられている。磁
気インピーダンス効果素子(MI素子)とは、磁気イン
ピーダンス効果(Magneto-Impedance Effect)を有する
素子である。磁気インピーダンス効果とは、ワイヤ状ま
たはリボン状の磁性体に電源からMHz帯域の交流電流
を印加し、この状態で磁性体の長手方向から外部磁界を
印加すると、外部磁界が数ガウス程度の微弱磁界であっ
ても、磁性体の両端に素材固有のインピーダンスによる
電圧が発生し、その振幅が外部磁界の強度に対応して数
十%の範囲で変化する、すなわちインピーダンス変化を
起こす現象をいう。第1、2のMI素子12、13は、
Feを主成分とするFe基軟磁性金属ガラス合金からな
り、その形状は平面視略矩形で所定の厚みを有するもの
である。第1、2のMI素子12、13は、それぞれに
印加される交流電流の電流路の方向が互いに直交するよ
うに平面14に配置されている。即ち、第1、2のMI
素子12、13は、それぞれの長手方向の向きが互いに
直交するように配置されている。第1、2のMI素子1
2、13の形状は、図2においては板状であるが、これ
に限られることはなく、棒状、薄帯(リボン)状、ワイ
ヤ状、線状、線状の成形体の複数本を撚り合わせたもの
等であっても良い。
【0013】第1、2のMI素子12、13には、第
1、2のMI素子12、13に印加される交流電流の電
流路の方向に沿って、即ち、第1、2のMI素子12、
13の長手方向に沿ってバイアス磁化を印加するための
巻線15、16が巻回されている。巻線15、16の両
端は、巻線端子15a、16aを介して、外部巻線用導
線15b、16bに接続されている。第1、2のMI素
子12、13の長手方向の両端12a、13aには、出
力電流を取り出すための出力導線17、18、19が接
続されている。導線17、19は、出力端子17a、1
9aを介して、出力用外部導線17b、19bに接続さ
れている。また、導線18の両端は、第1のMI素子1
2の端部12aと第2のMI素子13の端部13aとに
接続されている。また、導線18は、出力端子18aを
介して、出力用外部導線18bに接続されている。更
に、第1、2のMI素子12、13のそれぞれの長手方
向の両端12a、13aには、図示しない交流電流を印
加するための導線が接続されている。
【0014】上述のオートキャンセラ1の動作は次の通
りである。図2において、磁気センサ2の第1、2のM
I素子12、13には、図示しない導線からMHz帯域
の交流電流が印加されている。このとき、第1、2のM
I素子12、13のそれぞれの両端12a、13aに
は、それぞれの素子に固有のインピーダンスによる電圧
が発生している。図2に示すように、地磁気等の外部磁
界による磁力線の方向を任意とし、この磁力線が第1の
MI素子12に印加されると、第1のMI素子12の両
端に発生するインピーダンスは、この磁力線の第1のM
I素子12の長手方向に対して平行な成分(X軸方向の
成分)の大きさに対応したものとなる。同様に、この磁
力線が第2のMI素子13に印加されると、第2のMI
素子13の両端に発生するインピーダンスは、この磁力
線の第2のMI素子13の長手方向に対して平行な成分
(Y軸方向の成分)の大きさに対応したものとなる。即
ち、第1、2のMI素子12、13に対して、地磁気に
よる磁力線の方向が変化すると、これに対応して第1、
2のMI素子12、13のインピーダンスが変化し、第
1、2のMI素子12、13から出力される電圧値が変
化することになる。このようにして、磁気センサ2にお
いては、出力端子17a、18aから、地磁気のX軸方
向の成分の大きさに対応した電圧値を示す出力電流が取
り出され、出力端子19a、18aから、地磁気のY軸
方向の成分の大きさに対応した電圧値を示す出力電流が
取り出される。これらの出力電流は、外部出力導線17
b、18b、19bを介して制御部3内の図示しない処
理部に送られる。処理部では、得られた出力電流に基づ
いて地磁気による磁力線の方位が測定される。
【0015】更に、制御部3においては、地磁気の大き
さが地球上でほぼ一定であることから、磁気センサ2に
よって検出された地磁気の磁力線の方位に基づいて、ブ
ラウン管4のフェイス(画面)6の鉛直方向に対する地
磁気の磁力線の成分の大きさが測定される。この大きさ
に対応した電流を制御部3からキャンセルコイル5に印
加して、地磁気の磁力線と逆向きで大きさが等しいキャ
ンセル磁界を発生させることにより、地磁気による磁力
線が打ち消されてブラウン管4の電子ビームへの影響が
取り除かれ、画像の移動、色純度劣化による色むらを修
正する。
【0016】従来のMR素子の磁気検出感度が0.1
Oe程度であるのに対し、磁気インピーダンス効果を有
する素子(MI素子)は、10-5 Oe程度の磁気を検
出することが可能である。特に、本発明の第1、2のM
I素子12、13に、コルピッツ発振回路などの自己発
振回路等を接続して数〜数十MHzの交流電流を印加し
た場合には、分解能が約10-6 Oeの高感度で外部磁
界を安定に検出できるので、微弱な外部磁界の検出が可
能になる。従って、第1、2のMI素子12、13の形
状を、長手方向の長さを短くしてMI素子固有のインピ
ーダンスを小さくするような形状とした場合においても
良好な磁気検出感度が得られるので、オートキャンセラ
1の小型化を図ることが可能となる。
【0017】また、上述したように、本発明のオートキ
ャンセラ1の磁気センサ2には、第1、2のMI素子1
2、13にバイアス磁化を印加するための巻線15、1
6が備えられている。本発明に係る第1、2のMI素子
12、13は、図3(a)に示すように、外部磁界ゼロ
を中心に外部磁界の絶対値に依存して正負方向にほぼ対
称的に出力電圧の変化(インピーダンス変化)を示す。
【0018】磁気センサ2の第1、2のMI素子12、
13にバイアス磁化を印加しない場合には、図3(b)
に示すように、外部磁界による磁力線の方向を第1のM
I素子12の長手方向に対して0〜90゜に変化させる
と、第1のMI素子12からの出力電圧が低下する。ま
た、外部磁界による磁力線の方向を90〜180゜に変
化させると、第1のMI素子12からの出力電圧が上昇
する。このとき、0゜と180゜における出力電圧の電
圧値は同一となり、磁力線の方向を正確に測定すること
ができない。
【0019】第1、2のMI素子12、13にバイアス
磁化を印加した場合には、図3(c)に示すように、外
部磁界に対するインピーダンスが直線的に変化する領域
を使用することになり、外部磁界による磁力線の方向を
0〜180゜に変化した場合でも、MI素子からの出力
電圧の変化が線形的であり、外部磁界の方向を正確に測
定できる。
【0020】第1、2のMI素子12、13に印加する
バイアス磁化の大きさは、絶対値で0.1〜2 Oeの
範囲であることが好ましい。バイアス磁化の大きさが、
0.1 Oe以下若しくは2 Oe以上の範囲では、外部
磁界に対するインピーダンス変化が線形変化でないので
好ましくない。従って、バイアス磁化を印加するための
巻線15、16に印加するバイアス電流は、数mAの直
流電流で十分である。
【0021】第1、2のMI素子12、13を構成する
Fe基軟磁性金属ガラス合金は、Feを主成分とし、Δ
Tx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始温度、Tg
はガラス転移温度を示す)の式で表される過冷却液体領
域の温度幅ΔTxが20K以上、組成によっては40〜
60K以上という顕著な温度間隔を示すので、徐冷によ
る成形が可能となり、比較的肉厚のリボン状や線状の成
形体を作成することが可能となる。
【0022】高い磁気インピーダンス効果を有しなが
ら、しかも20K以上のΔTxを有するFe基軟磁性金
属ガラス合金を得るために、このFe基軟磁性金属ガラ
ス合金に、Fe以外の他の金属元素と半金属元素とを含
有させる。このうちFe以外の他の金属とは、周期律表
の3B族および4B族の少なくとも1種類以上からなる
ものであり、具体的にはAl、Ga、In、Tl、S
n、およびPbの少なくとも1種以上が好ましく、中で
もAl、Ga、InまたはSnがより好ましい。前記の
半金属元素は、P、C、B、GeおよびSiの少なくと
も1種以上であることが好ましい。特に、P、C、およ
びBの少なくとも1種以上を含有させることが好まし
い。また、Siを加えることにより、過冷却液体の温度
間隔ΔTxを向上させ、非晶質単相組織となる臨界板厚
を増大できる。Siの含有量は多すぎると過冷却液体領
域ΔTxが消滅するので、15原子%以下が好ましい。
【0023】より具体的に例示すると、本発明では、そ
の組成が原子%で、Al:1〜10、Ga:0.5〜
4、P:0〜15、C:2〜7、B:2〜10、Fe:
残部であって、不可避不純物が含有されていても良いF
e基軟磁性金属ガラス合金が得られる。また、本発明で
は、その組成が原子%で、Al:1〜10、Ga:0.
5〜4、P:0〜15、C:2〜7、B:2〜10、S
i:0〜 15、Fe:残部であって、不可避不純物が
含有されていても良いFe基軟磁性金属ガラス合金が得
られる。尚、より大きな過冷却液体領域ΔTxを得るた
めに、上述の2つの組成中、PとCを原子%で、P:6
〜15、C:2〜7とするとより好ましく35K以上の
過冷却液体領域ΔTxを得ることができる。
【0024】本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金
からなる第1、2のMI素子12、13は、溶製してか
ら鋳造法により、或いは単ロールもしくは双ロールによ
る急冷法によって、更には液中紡糸法や溶液抽出法によ
って、バルク状、薄帯(リボン)状、線状体等の種々の
形状として製造される。これらの製造法によって、従来
の非晶質合金によるリボン状のMI素子に比べての10
倍以上の厚さと形の大きさの第1、2のMI素子12、
13を得ることができるので、磁気センサ2に用いる場
合においても、第1、2のMI素子12、13の形状の
自由度が高い故に、磁気センサ2の設計、製造が容易に
なる。
【0025】これらの方法により得られた前記の組成の
Fe基軟磁性金属ガラス合金は、室温において軟磁気特
性(Soft magnetism)を有している。この軟磁気特性は
300℃〜500℃の範囲内の熱処理を施すことによっ
て更に改善される。このため、オートキャンセラ1への
応用に有用なものとなる。
【0026】上述のオートキャンセラ1の磁気センサ2
には、Feを主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式中、
Txは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)
の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以
上、より好ましくは35K以上であり、Fe以外の他の
金属元素と半金属元素とを含有するFe基軟磁性金属ガ
ラス合金からなるMI素子が備えられており、外部磁界
の変化に対するインピーダンスの変化が大きいので、地
磁気のような微弱な外部磁界を検出することができる。
また、本発明に係る第1、2のMI素子12、13は、
外部磁界の検出感度が高いので、第1、2のMI素子1
2、13の大きさを小さくすることが可能となり、オー
トキャンセラ1を小型化できる。更に、本発明に係る第
1、2のMI素子12、13は、鋳造法、単ロール法、
双ロール法等により、従来の非晶質合金に比べて板厚が
大きい成形体を容易に得られるので、オートキャンセラ
1に用いる場合においても、第1、2のMI素子12、
13の形状の自由度が高い故に、磁気センサ2の設計が
容易になり、更に第1、2のMI素子12、13の加工
等が容易であり、オートキャンセラ1の製造が容易にな
ると共に、製造コストを低減できる。
【0027】上述のオートキャンセラ1の磁気センサ2
は、外部磁界のX軸方向の成分の検出手段である第1の
MI素子12と、Y軸方向の外部磁界の成分の検出手段
である第2のMI素子13とを備え、第1、2のMI素
子12、13は、それぞれに印加される交流電流の電流
路が互いに直交するように同一平面14内に配置され、
第1、2のMI素子12、13に印加される交流電流の
電流路に沿ってバイアス磁化を印加する巻線15、16
が巻回されたものであるので、地磁気による磁力線の方
位を正確に測定することが可能となり、キャンセルコイ
ル5により発生させるキャンセル磁界の大きさを最適に
することができる。
【0028】また、上述の第1、2のMI素子12、1
3は、外部磁界が−2 Oe〜+2Oe程度の微弱磁界
の範囲において、出力電圧の値の変化が穏やかであると
共に出力電圧の値の変化が線形的で定量性が良好である
ので、磁気センサ2の外部磁界による磁力線の方位測定
の精度をより高くすることが可能となり、キャンセル磁
界の大きさを最適にすることができる。また、外部磁界
の方位を測定するための出力電圧を処理する回路構成が
比較的簡単になり、オートキャンセラ1の製造コストを
下げることができる。更に、第1、2のMI素子12、
13に印加するバイアス磁化は最大でも2Oe程度と小
さくて済むので、バイアス磁化を印加するための回路構
成を簡単にすることができる。
【0029】上述のオートキャンセラ1は、Fe基軟磁
性金属ガラス合金である第1、2のMI素子12、13
に、300℃〜500℃の範囲内の熱処理が施されたも
のであり、良好な軟磁気特性を示し、磁気インピーダン
ス効果を向上させることができるので、地磁気のような
微弱な外部磁界を検出することが容易に行える。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって詳細に説明する。 (実施例1)Fe、Al及びGaと、Fe−C合金、F
e−P合金及びBを原料としてそれぞれ所定量秤量し、
減圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘導加
熱装置で溶解し、母合金を作製した。この母合金をるつ
ぼ内に入れて溶解し、るつぼのノズルから回転している
ロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によっ
て、減圧Ar雰囲気下で、Fe73Al5Ga21154
なる組成の急冷薄帯を得た。このとき、るつぼのノズル
径と、ノズル先端とロール表面との距離(ギャップ)
と、ロールの回転数と、射出圧力と、雰囲気圧力を適当
に調整することにより、厚さが35〜229μmの薄帯
試料を得た。
【0031】上述の薄帯試料について、300〜450
℃の温度範囲で熱処理した場合の磁気特性を測定した。
熱処理条件は、赤外線イメージ炉を用い、真空中で昇降
温速度180℃/分、保持温度10分の条件とした。図
4は、前記各薄帯試料における磁気特性の熱処理温度依
存性について示したものである。また、図5は、図4に
示したデータの中から必要数抜粋したデータのみを記載
したものである。これらの図から、35〜180μmの
範囲の板厚薄帯試料の飽和磁化(σs)については、熱
処理なしの試料と変わらずに400℃までほぼ一定の値
を示したが、450℃熱処理においては、劣化する傾向
を示した。一方、229μmの板厚の薄帯試料について
は、400℃でピークを示した後、劣化する傾向を示し
た。 これは、400℃以上において、Fe3B等の結
晶が成長したためと考えられる。保磁力(Hc)につい
ては、熱処理無しの薄帯試料でアモルファス単相である
125μmの板厚の薄帯試料までほぼ一定の値を示し、
それ以上の板厚においては増大する傾向を示した。ま
た、熱処理により、400℃まで低下する傾向を示す。
次に、透磁率μ'(1kHz)については、熱処理無し
の薄帯試料でアモルファス単相である135μmまでほ
ぼ一定の値を示し、それ以上の板厚において減少する傾
向を示した。熱処理の効果は、400℃まで向上する
が、450℃の熱処理において大幅に劣化する傾向を示
した。また、板厚増加に伴ってその効果は小さくなる。
【0032】これらの熱処理による軟磁気特性の変化に
ついては、熱処理無しの薄帯試料において存在する内部
応力が熱処理によって緩和されたためと思われる。ま
た、最適熱処理温度Taは、今回の試験においては35
0℃付近にあると言える。なお、キュリー温度Tc以下
の熱処理では、磁区固着による軟磁気特性の劣化が起こ
る可能性があるので、熱処理温度は少なくとも300℃
以上必要であると思われる。また、450℃における熱
処理では、熱処理なしの薄帯試料の値よりも劣化する傾
向にあるので、この系の結晶化温度(約500℃)に近
く、結晶核の生成開始(構造的短範囲秩化序)または結
晶析出開始による磁壁のピンニングに起因して劣化する
ものと思われる。従って、熱処理する場合の温度は30
0〜500℃、換言すると、300℃〜結晶化開始温度
の範囲であることが好ましく、300〜450℃がより
好ましいことが判明した。
【0033】また、実施例1の薄帯試料の飽和磁化(σ
s)と保磁力(Hc)と透磁率(μ')と過冷却液体の温
度間隔(△Tx)と組織構造とを表1にまとめて示す。
構造はXRD(X線回折法)で構造解析した結果を示
し、amoはアモルファス単相、amo+cryはアモルファス
相+結晶相の構造を有することを示す。△Txについて
は、229μm厚の試料以外はほぼ一定値(△Tx=4
7℃)を示した。
【0034】
【表1】
【0035】図6は、Fe78Si913なる組成の比較
試料について、熱処理なしの試料と370℃で120分
間熱処理した試料、実施例1の薄帯試料について熱処理
無しの試料と350℃で10分間熱処理した試料のそれ
ぞれに対し、飽和磁化(σs)と保磁力(Hc)と透磁率
(μ')のそれぞれの板厚依存性を測定した結果を示
す。何れの試料においても板厚30〜200μmの範囲
であれば、磁気特性の劣化も少なく、優れた特性が得ら
れた。
【0036】以上のように、実施例1に係るFe基軟磁
性金属ガラス合金によれば、良好な軟磁気特性を示すの
で、優れたMI効果を有し、オートキャンセラに用いた
場合において、微弱な外部磁化の検出が可能になる。ま
た、△Txが大きいので、板厚の大きいMI素子を得る
ことが可能となり、オートキャンセラの製造コストを下
げることができる。
【0037】(実施例2)次に、上記実施例1の組成に
Siを添加してなるFe基軟磁性金属ガラス合金につい
て実施例を挙げ、その効果を明らかにする。原子組成比
がFe72Al5Ga21064Siのインゴットを作製
し、これをるつぼ内に入れて溶解し、るつぼのノズルか
ら回転しているロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロ
ール法によって、減圧Ar雰囲気下で急冷薄帯を得た。
製造時の条件を、ノズル径0.4〜0.5mm、ノズル
先端とロール表面との距離(ギャップ)0.3mm、ロ
ールの回転数200〜2500r.p.m.、射出圧力0.3
5〜0.40kgf/cm2、雰囲気圧力−10cmHg、ロール
表面状態#1000に設定して製造したところ、厚さ2
0〜250μmのリボンを得ることができた。
【0038】前記で得られた厚さ20〜250μmの各
リボン試料について、熱処理を行わない場合と、熱処理
した場合の磁気特性をそれぞれ測定した。図7は、各薄
帯試料の磁気特性の板厚依存性を示す。熱処理条件は、
赤外線イメージ炉を用い、真空中で、上記実施例1のS
iを添加しない試料において最適条件であった昇降温速
度180℃/分、保持温度350℃、保持時間30分の
条件とした。この図から明らかなように、飽和磁化(σ
s)については、熱処理無しの場合において、板厚にか
かわらずほぼ一定で145emu/g程度の値を示し
た。熱処理後の飽和磁化(σs)は、アモルファス単相
構造を維持している板厚160μmまでは熱処理無しの
ものと大きく変わらないが、それ以上の板厚で熱処理無
しのものに比べて劣化する傾向を示した。これは、熱処
理によってFe3B、Fe3C等の結晶が成長したことが
原因であると考えられる。
【0039】保磁力(Hc)については、熱処理無しの
試料では板厚の増加に伴って増大する傾向を示した。ま
た、熱処理後の試料は熱処理無しのものに比べて保磁力
(H c)が低下しており、いずれの板厚においても0.
625〜0.125Oeの値を示した。このように熱処
理によって保磁力(Hc)が低下したのは、上記実施例
1と同様に、熱処理無しの試料において存在する内部応
力が熱処理を行うことによって緩和されたためであると
思われる。
【0040】次に、透磁率(μ'(1kHz))につい
ては、熱処理無しの試料では板厚の増加に伴って減少す
る傾向を示した。また熱処理によって透磁率(μ')は
向上し、上記実施例1のSiを含有しない組成のFe基
軟磁性金属ガラス合金とほぼ同等の値が得られた。な
お、上記実施例1と同様に、熱処理による効果が板厚増
加に従って小さくなる傾向は本実施例でも見られた。
【0041】また、本実施例で得られた各板厚の試料
(熱処理無し)における飽和磁化(σ s)と保磁力
(Hc)と過冷却液体の温度間隔(△Tx)と透磁率
(μ')と組織構造とを表2にまとめて示す。
【0042】
【表2】
【0043】図8は、Fe78Si913なる組成の比較
試料について370℃で120分間熱処理した試料と、
Fe72Al5Ga21064Si1なる組成の試料につ
いて350℃で30分間熱処理した試料のそれぞれに対
し、飽和磁化(σs)と保磁力(Hc)と透磁率(μ')
のそれぞれの板厚依存性を測定した結果を示す。この結
果より、Fe72Al5Ga21064Si1なる組成の
本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金試料は、Fe
78Si913なる組成の従来の比較試料と比べて、板厚
20〜250μmの範囲であれば、磁気特性の劣化も少
なく、優れた特性が得られることが認められた。特に軟
磁気特性に関しては、本発明に係る試料において、従来
材料よりも優れた透磁率の値が得られており、板厚20
〜250μmの範囲で透磁率5000以上の優れた軟磁
気特性が得られることが認められる。
【0044】(実施例3)実施例1と同様にして厚さが
20μmのFe72Al5Ga21164なる組成の急冷
リボンを得た。このリボンから、長さ31mm、幅0.
1mm〜0.2mm、厚さ20μmの試料を切り出して
MI素子とした。 (実施例4)原子組成がFe72Al5Ga21064
1であること以外は実施例3と同様にしてMI素子を
得た。
【0045】実施例3及び実施例4のMI素子を図9に
示す磁界検知回路に挿入し、3MHzの交流電流を印加
した状態で、MI素子の長さ方向に外部磁界Hexを印加
し、外部磁界Hex(Oe)と発生した出力電圧(mV)
との関係を調べた。外部磁界Hexは、0 Oeからスタ
ートし、5 Oe、0 Oe、−5 Oe、0 Oeと連続
的に往復変化させた。増幅率は10倍に設定した。測定
結果を図10及び図11に示す。更に、図12には、実
施例3のMI素子と、従来のFe78Si1913および
(Fe6Co9472.5Si12.515 の組成のMI素子と
を比較するために、外部磁界Hex(Oe)と発生した出
力電圧(mV)との関係をそれぞれ調べた結果を示す。
【0046】図9に示す磁界検知回路は、ブロックA,
BおよびCからなり、それぞれ、高周波電源部、外部磁
界(Hex)検知部および増幅出力部である。MI素子
(Mi)は外部磁界検知部(B)に挿入されている。高
周波電源部(A)は、高周波交流電流を発生し外部磁界
検知部(B)に供給するための回路であってその方式は
特に限定されない。ここでは一例として、安定化コルビ
ッツ発振回路を採用したものを掲げる。自己発振方式で
はこの他に磁気変調を利用した振幅変調(AM)、周波
数変調(FM)、または位相変調(PM)をかけて磁界
感知作動をさせることもできる。外部磁界検知部(B)
はMI素子(Mi)と復調回路とからなり、高周波電源
部(A)から供給された高周波交流電流により待機状態
とされたMI素子が外部磁界(Hex)に感応して発生
したインピーダンス変化を、復調回路により復調し、増
幅出力部(C)に伝送する。増幅出力部(C)は差動増
幅回路と出力端子とを有する。この出力端子からMI素
子からの出力電圧(mV)を得る。
【0047】図10及び図11において、実施例3及び
実施例4のMI素子は、−2 Oe〜+2 Oe程度の微
弱磁界帯域において、出力電圧の値が高く、かつ線形性
に優れる領域があるために良好な定量性を示す。従っ
て、このようなMI素子をオートキャンセラに使用した
場合には、地磁気のような微弱な外部磁界の検出が可能
となり、外部磁界によるMI素子からの出力電圧を処理
して外部磁界の方位を測定するための回路構成を簡単に
できる。また、バイアス磁化は、絶対値で2 Oe程度
の磁化をかければよいので、バイアス磁化を印加するた
めの回路構成も簡単にできる。
【0048】また、図12において、実施例3のMI素
子は、従来のFe78Si1913の組成のMI素子よりも
出力電圧の電圧値が高く、外部磁界の検出感度が高いこ
とがわかる。一方、実施例3のMI素子は、微弱磁界の
範囲内(−2 Oe〜+2 Oe)で従来の(Fe6Co
9472.5Si12.515 の組成のMI素子よりも出力電
圧の立ち上がりが緩やかであるので、定量性が良好とな
り、これを用いたオートキャンセラの回路構成が容易と
なる。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
オートキャンセラには、Feを主成分とし、ΔTx=T
x−Tg(式中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス
転移温度を示す)の式で表される過冷却液体の温度間隔
ΔTxが20K以上、より好ましくは35K以上であ
り、Fe以外の他の金属元素と半金属元素とを含有する
Fe基軟磁性金属ガラス合金からなるMI素子が備えら
れており、外部磁界の検出感度が高いので、地磁気のよ
うな微弱な外部磁界を検出することができると共に、M
I素子の大きさを小さくすることが可能となり、オート
キャンセラを小型化できる。更に、本発明に係るMI素
子は、加工性に優れるリボン状または線状のMI素子を
容易に得ることができるので、オートキャンセラの設
計、製造を容易にすると共に、製造コストを低減でき
る。
【0050】上述のオートキャンセラは、外部磁界のX
軸方向の成分の検出手段である第1のMI素子と、Y軸
方向の外部磁界の成分の検出手段である第2のMI素子
とを備え、第1、2のMI素子は、それぞれに印加され
る交流電流の電流路が互いに直交するように同一平面内
に配置され、第1、2のMI素子に印加される交流電流
の電流路に沿ってバイアス磁化を印加する巻線が巻回さ
れたものであるので、地磁気による磁力線の方位を正確
に測定することが可能となり、キャンセルコイルにより
発生させるキャンセル磁界の大きさを最適にすることに
より、オートキャンセラを正常に動作させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態であるオートキャンセラ
を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態であるオートキャンセラ
の磁気センサを示す平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態であるMI素子の外部磁
界と出力電圧との関係を示す図であって、(a)はMI
素子の外部磁化と出力電圧との関係を示すグラフであ
り、(b)は外部磁界の磁力線の方向をMI素子の長手
方向に対して0〜180゜の範囲で変化させたときの外
部磁界と出力電圧との関係を示すグラフであり、(c)
はMI素子のバイアス磁化をかけて(b)と同様にの外
部磁界の磁力線の方向を変化させたときの外部磁界と出
力電圧との関係を示すグラフである。
【図4】 Fe73Al5Ga21154なる組成の急冷
薄帯の飽和磁化と保磁力と透磁率の熱処理温度の依存性
を示す図である。
【図5】 図4に示す熱処理温度の依存性のデータの一
部を抜粋して示す図である。
【図6】 Fe78Si913なる組成の比較試料と、F
73Al5Ga21154なる組成の試料の熱処理なし
と熱処理ありのものの飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚
依存性を示す図である。
【図7】 Fe72Al5Ga21064Siなる組成の
急冷薄帯における熱処理なしの場合と熱処理後の飽和磁
化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図8】 Fe78Si913なる組成の比較試料と、F
72Al5Ga21064Si1なる組成の試料の飽和
磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態であるMI素子を用いた
磁気検知回路を示す回路図である。
【図10】 Fe72Al5Ga21164なる組成のM
I素子の外部磁化と出力電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図11】 Fe72Al5Ga21064Si1なる組
成のMI素子の外部磁化と出力電圧との関係を示すグラ
フである。
【図12】 Fe72Al5Ga21164なる組成のM
I素子および従来のMI素子の外部磁化と出力電圧との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 オートキャンセラ 2 磁気センサ 3 制御部 4 ブラウン管 5 キャンセルコイル 6 フェイス(画面) 12 第1のMI素子 13 第2のMI素子 14 平面 15 バイアス磁化を印加するための巻線 16 バイアス磁化を印加するための巻線 17 出力導線 18 出力導線 19 出力導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 須藤 能啓 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 笹川 新一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 生内 雄一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁界の磁力線と逆向きで大きさが等
    しいキャンセル磁界をブラウン管に印加するキャンセル
    コイルと、 磁気センサによって検出された前記外部磁界による磁力
    線の方位に基づいてキャンセル磁界の大きさを制御する
    制御部とを具備してなるオートキャンセラにおいて、 前記磁気センサは、外部磁界の検出手段として、Feを
    主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化
    開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)の式で表され
    る過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であるFe
    基軟磁性金属ガラス合金からなる磁気インピーダンス効
    果素子を備えてなることを特徴とするオートキャンセ
    ラ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオートキャンセラであ
    って、 前記磁気センサは、前記外部磁界による磁力線のX軸方
    向の成分の検出手段である第1の磁気インピーダンス効
    果素子と、 前記外部磁界による磁力線のY軸方向の成分の検出手段
    である第2の磁気インピーダンス効果素子とを備えてな
    ることを特徴とするオートキャンセラ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のオートキャンセラであ
    って、 前記第1、2の磁気インピーダンス効果素子が、それぞ
    れに印加される交流電流の電流路が互いに直交するよう
    に同一平面内に配置されたことを特徴とするオートキャ
    ンセラ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のオートキャンセラであ
    って、 前記第1、2の磁気インピーダンス効果素子には、それ
    ぞれに印加される交流電流の電流路に沿ってバイアス磁
    化を印加するための巻線が巻回されたことを特徴とする
    オートキャンセラ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のオートキャンセラであ
    って、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金がFe以外の他
    の金属元素と半金属元素とを含有してなり、前記他の金
    属元素としてAl、Ga、In、Snのうちの1種また
    は2種以上が含有され、前記半金属元素として、P、
    C、B、Ge、Siのうちの1種または2種以上が含有
    されてなることを特徴とするオートキャンセラ。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項5に記載のオート
    キャンセラであって、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金
    の組成が、それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Fe: 残部 であることを特徴とするオートキャンセラ。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項5に記載のオート
    キャンセラであって、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金
    の組成が、それぞれ原子%で Al: 1 〜10 Ga: 0.5〜 4 P: 0 〜15 C: 2 〜 7 B: 2 〜10 Si: 0 〜15 Fe: 残部 であることを特徴とするオートキャンセラ。
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