JPH1172849A - フレネルレンズシート及び透過型スクリーン - Google Patents

フレネルレンズシート及び透過型スクリーン

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JPH1172849A
JPH1172849A JP9231898A JP23189897A JPH1172849A JP H1172849 A JPH1172849 A JP H1172849A JP 9231898 A JP9231898 A JP 9231898A JP 23189897 A JP23189897 A JP 23189897A JP H1172849 A JPH1172849 A JP H1172849A
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JP
Japan
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lens sheet
fresnel lens
light
acid
weight
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JP9231898A
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Tomihito Morishita
富仁 森下
Hideki Shiba
英樹 柴
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 虹現象を軽減し、優れた光拡散性を有すると
ともに、高いコントラストを有する高品質の明るい映像
が得られるフレネルレンズシートおよび透過型スクリー
ンを提供する。 【解決手段】 サーキュラーフレネルレンズシート2
は、ネオジム元素を0.05〜20重量%含有する光選
択機能性樹脂ビーズ23を0.05〜20重量%含有す
る。透過型スクリーンは、サーキュラーフレネルレンズ
シート2と両面レンチキュラーレンズシート1とを組み
合わせてなり、サーキュラーフレネルレンズシート2は
光源側に配置されており、ブラックストライプ13を観
察面側に有する両面レンチキュラーレンズシート1は観
察側に配置されている。サーキュラーフレネルレンズシ
ート2は、観察側の面にフレネルレンズ22が形成され
ており且つ光源側の面が平面21とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示技術に属
するものであり、特に、プロジェクションテレビやマイ
クロフィルムリーダー等の画面として用いられている透
過型スクリーン及び該透過型スクリーンを構成するフレ
ネルレンズに関するものであり、さらに詳しくは、虹現
象の発生がなく、優れた拡散性を有するとともに、高い
コントラストを有する高品質の映像を得ることができる
フレネルレンズおよび透過型スクリーンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】背面投写型プロジェクションテレビ等に
おいて使用される透過型スクリーンは、投射光を拡散し
て画面の明るさおよび均一性が得られるように、また斜
め方向から観察した場合でもある程度の明るい像が観察
出来るようにしている。このような透過型スクリーンと
しては、光源側にフレネルレンズシートを、観察側にレ
ンチキュラーレンズシートを配置してなるものが一般的
に使用されている。フレネルレンズシートは、例えば、
光源側の面が平面で、観察側の面にフレネルレンズが形
成されている。また、レンチキュラーレンズシートとし
ては、両面に互いに対応せるレンチキュラーレンズを形
成し、観察側の面にブラックストライプ加工を施したも
のが一般的に使用されている。フレネルレンズシート
は、光源から入射した光線を観察者の方へ向け、画面の
四隅周辺が暗くならないようにしている。また、レンチ
キュラーレンズシートは、3管式プロジェクターから入
射した赤、緑、青の3色(RGB)の光のミキシングを
行いカラーユニフォーミティーを与えるとともに、水平
方向へ光線を拡散させ水平視野角を広げている。
【0003】以上のような透過型スクリーンのフレネル
レンズシートにおいて、光源側の平面に入射する投影光
(光源からの光)のうち正常な光路を進む光は、入射平
面で屈折し、次いでフレネルレンズ面で再び屈折して出
射する。しかし、入射した光のうちの一部がフレネルレ
ンズ面で反射されてしまい、正常な光路を進む光と全く
異なる異常な方向に出射されることがある。例えば、フ
レネルレンズ面で反射された光は、再び平面で反射され
て、フレネルレンズの非レンズ面部から出射し、次いで
フレネルレンズ面で反射されるような光路を進むことが
ある。また、フレネルレンズ面先端部で反射された光
は、そのまま非レンズ面部から出射し、次いでフレネル
レンズ面で反射されるような光路を進むことがある。こ
のような異常な光路を進む光が全体の数%にもなること
があり、その場合には、スクリーンを観察側から観察す
ると、虹がかかったような現象(虹現象)が観察され、
画質を低下させる原因となる。
【0004】このような虹現象の発生防止を目的とし
て、フレネルレンズシートに光拡散機能を付与させる方
法が提案されている。一般的に、光拡散機能の付与は、
光拡散剤を添加することで実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来光拡散機能付与の
ために使用されている光拡散剤としては、シリカ粒子、
アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子、ガラスビーズ等の
無機粒子や、アクリル系樹脂ビーズ、スチレン系樹脂ビ
ーズ等の樹脂ビーズが挙げられる。
【0006】しかし、これらの光拡散剤を使用すると、
虹現象は改善されるけれども、画像のコントラストが低
下するという難点があった。
【0007】そこで本発明は、虹現象を軽減し、優れた
光拡散性を有するとともに、高いコントラストを有する
高品質の明るい映像が得られるフレネルレンズシートお
よび透過型スクリーンを提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、以上の如き目的を達成するものとして、ネオジム元
素を0.05〜20重量%含有する光選択機能性樹脂ビ
ーズを0.05〜20重量%含有することを特徴とする
フレネルレンズシート、が提供される。
【0009】また、本発明によれば、以上の如き目的を
達成するものとして、以上のようなフレネルレンズシー
トが光源側に配置されており、レンチキュラーレンズシ
ートが観察側に配置されてなることを特徴とする透過型
スクリーン、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0011】図1は本発明のフレネルレンズシート及び
これを用いた透過型スクリーンの一実施形態を示す斜視
図であり、図2はその部分拡大断面図である。
【0012】図中、2はフレネルレンズシートであり、
1はレンチキュラーレンズシートである。これらフレネ
ルレンズシート2とレンチキュラーレンズシート1とは
互いに平行になるように配置され、フレネルレンズシー
ト2は光源側に配置され、レンチキュラーレンズシート
1は観察側に配置されている。
【0013】レンチキュラーレンズシート1は、光源側
の面に第1のレンチキュラーレンズ(入射側レンチキュ
ラーレンズ)11が形成されており、観察側の面に第2
のレンチキュラーレンズ(出射側レンチキュラーレン
ズ)12が形成されており、更に観察側の面には出射側
レンチキュラーレンズ12の隣接レンズ単位間に位置す
るブラックストライプ13が形成されている。
【0014】本発明においては、このような両面レンチ
キュラーレンズシートに限定されるものではなく、目的
に応じて、一方の面にレンチキュラーレンズを形成した
片面レンチキュラーレンズシートであってもよい。
【0015】一方、フレネルレンズシート2は、光源側
の面が平面(入射平面)21とされており、且つ観察側
の面にサーキュラーフレネルレンズ22が形成されてい
る。
【0016】フレネルレンズシート2は、透光性樹脂中
に分散された光選択機能性樹脂ビーズ23を含んでい
る。フレネルレンズシート2中の光選択機能性樹脂ビー
ズ23の含有量は、0.05〜20重量%である。これ
は、光選択機能性樹脂ビーズ23の含有量が0.05重
量%未満ではフレネルレンズシート2の光拡散性が低下
するとともに、特定の波長の光の吸収が少なくなり、コ
ントラストの低下をまねくためであり、一方、光選択機
能性樹脂ビーズ23の含有量が20重量%を越えると光
透過率や機械的強度が低下するためである。光選択機能
性樹脂ビーズ23を分散状態で含む透光性樹脂として
は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等の透明樹脂が例示される。なかでも、メチ
ルメタクリレートを主成分とすメタクリル系樹脂が好ま
しい。
【0017】光選択機能性樹脂ビーズ23は、透光性樹
脂中にネオジム元素を含有するものである。光選択機能
性樹脂ビーズ23中のネオジム元素の含有量は0.05
〜20重量%であり、好ましくは0.1〜15重量%の
範囲である。これは、ネオジム元素の含有量が0.05
重量%未満では光拡散性および波長580nm付近の吸
収が小さく、十分にコントラストを高めることができ
ず、一方、ネオジム元素の含有量が20重量%を越える
と光透過率が低下するとともに、光選択機能性樹脂ビー
ズの生産性が劣るようになるためである。光選択機能性
樹脂ビーズ23を構成する透光性樹脂としては、特に限
定されるものではないが、メチルメタクリレート系樹脂
などの(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。光選択機能
性樹脂ビーズ23は、平均粒子径が2〜50μmの範囲
内にあることが好ましい。これは、平均粒子径が2μm
未満では、散乱光が発生しやすくなりフレネルレンズシ
ートが黄色く着色するようになる傾向にあり、逆に平均
粒子径が50μmを越えると、フレネルレンズシートの
製造が困難となったり、フレネルレンズシートの機械的
強度が低下したりする傾向にあるためである。
【0018】本発明で用いられる光選択機能性樹脂ビー
ズ23は、580nm付近の波長域で選択的に光線を吸
収し、スクリーンのコントラストを高めるとともに、防
眩性や演色性を向上させ、かつ光拡散性を有する。尚、
図2において、3は光源からの投影光及び正常な光路を
進む光を示し、4は異常な光路を進むに光を示し、本発
明では、光選択機能性樹脂ビーズ23によって光が拡散
されるため、正常な光路を進む光3に対する異常な光路
を進む光4の割合は極めて低い。
【0019】ネオジム元素を含有する光選択機能性樹脂
ビーズ23としては、透光性樹脂中に酸化ネオジム等の
粉末を均一に分散させたものや、透光性樹脂にネオジム
化合物が結合あるいは溶解した状態で含有されているも
の等が挙げられるが、ビーズの透明性や波長580nm
付近での光吸収の大きさ等の点から後者のような光選択
機能性樹脂ビーズが特に好ましい。この後者のような光
選択機能性樹脂ビーズは、例えば、カルボン酸ネオジム
あるいはカルボン酸ネオジムとカルボン酸から得られた
複塩と、重合ポリマーが透光性となり得る重合性モノマ
ーを懸濁重合することによって製造できる。
【0020】使用されるカルボン酸ネオジムとしては、
重合性を有するものでも、非重合性のものであってもよ
い。重合性を有するカルボン酸ネオジムとしては、メタ
クリル酸ネオジム、アクリル酸ネオジム、α−クロロア
クリル酸ネオジム、α−エチルメタクリル酸ネオジム、
マレイン酸ネオジム、フマール酸ネオジム、イタコン酸
ネオジム等が挙げられる。また、非重合性のカルボン酸
ネオジムとしては、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪
酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、n−カプロン酸、n−カ
プリル酸、n−カプリン酸、α−エチルヘキサン酸、ラ
ウリル酸、ステアリル酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、安息香酸、フ
タール酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、イタコ
ン酸モノアルキルエステル、ナフテン酸等の不飽和脂肪
酸、レプリン酸、アセチル酸等のオキソカルボン酸、乳
酸、グリコール酸エチルエーテル、グリコール酸ブチル
エーテル等のヒドロキシカルボン酸、ブチルアッシドフ
ォスフェート、エチルアッシドフォスフェート等の燐酸
類、脂肪族、芳香族のスルホン酸等のネオジム塩が挙げ
られる。これらカルボン酸ネオジムは、単独もしくは2
種以上を併用して使用することができ、重合性のものと
非重合性のものとを併用することもできる。
【0021】このようなカルボン酸ネオジムは、重合性
モノマーに対して難溶性であるため、必要に応じてカル
ボン酸と反応させて複塩として重合性モノマーに対する
溶解性を付与する。このためのカルボン酸としては、メ
タクリル酸、アクリル酸等の重合性不飽和カルボン酸、
プロピオン酸、イソ酪酸、n−酪酸、カプロン酸、カプ
リル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリル
酸、ステアリン酸、オクタン酸、ナフテン酸等の脂肪族
カルボン酸等が挙げられる。これらカルボン酸は、単独
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボン酸の使用量は、カルボン酸ネオジムとカルボン
酸との合計量を100重量%として10〜50重量%の
範囲とすることが好ましい。これは、カルボン酸の使用
量が50重量%を越えると、光選択機能性樹脂ビーズ中
のネオジム元素の含有量が低下する傾向にあるととも
に、樹脂ビーズの機械的特性や熱的特性が低下する傾向
にあるためである。
【0022】更に、カルボン酸ネオジムの溶解性を一層
向上させるために、α−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、α−ヒドロキシエチルメタクリレート等の不飽和ア
ルコール、プロピルアルコール、シクロヘキシルアルコ
ール等の飽和脂肪族アルコール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価
アルコール等のアルコール類を上記カルボン酸と併用す
ることができる。この場合のアルコール類の使用量は、
カルボン酸との合計量がカルボン酸ネオジムとカルボン
酸とアルコール類との合計量を100重量%として上記
と同様に10〜50重量%の範囲とするのが好ましい。
【0023】重合ポリマーが透明となり得る重合性モノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン
等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとして
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アク
リル酸フェニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)
アクリル酸メタリル、(メタ)アクリル酸β−ナフチ
ル、(メタ)アクリル酸β−アミノエチル、(メタ)ア
クリル酸2−メトキシエチル、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
及びこれらのハロゲン置換(メタ)アクリレート等が挙
げられる。これら重合性モノマーは、単独または2種以
上を組み合わせて使用することができる。重合性モノマ
ーとして、エチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート等の多官能アクリル酸エステルを使用
した場合には、架橋タイプの樹脂ビーズとすることもで
きる。また、上記重合性モノマーには、得られる樹脂ビ
ーズの透明性を損なわない範囲で、共重合モノマーを併
用することができる。このような共重合モノマーとして
は、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリルニトリ
ル等が挙げられる。
【0024】上記のようなカルボン酸ネオジム及びカル
ボン酸を重合性モノマーに添加し、常温もしくは100
℃以下の加温下で0.5〜5時間程度攪拌を行うことに
よって、カルボン酸ネオジムとカルボン酸との複塩が生
成され、重合性モノマー中に溶解された状態となる。こ
れによって、カルボン酸ネオジム、カルボン酸及び重合
性モノマーが均一に混合した重合性混合溶液が得られ
る。得られた重合性混合溶液と重合開始剤とを水相に懸
濁させて、30〜90℃で1〜10時間程度懸濁重合を
行う。懸濁重合の完了後、常法によって得られた重合粒
子を脱水、水洗、乾燥させるこことによって、透明で球
状の光選択機能性樹脂ビーズを得ることができる。必要
に応じて、この光選択機能性樹脂ビーズを分級機を用い
て所望の粒径範囲に分級することもできる。
【0025】この場合、使用される重合開始剤として
は、α,α’−アゾビスイソブチルニトリル、α,α’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、α,
α’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレ
ロニトリル)等のアゾビス系の開始剤が挙げられ、単独
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
その使用量は、重合性混合溶液中の重合性成分100重
量部に対して0.001〜1重量部の範囲である。ま
た、懸濁粒子の安定化のために、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、アルギン酸、ゼラチン等の保護コロイドを適宜
使用することもできる。
【0026】光選択機能性樹脂ビーズ23を透光性樹脂
中に分散させてフレネルレンズシート2を作製する方法
は、従来の光拡散剤を透光性樹脂中に分散させてフレネ
ルレンズシートを製造する方法と同様である。
【0027】本発明の透過型スクリーンは、上述したよ
うなフレネルレーズシートを光源側に配置し、観察側に
レンチキュラーレンズシートを配置することによって構
成される。この場合、レンチキュラーレンズシート中に
も、透明樹脂中にネオジム元素を含有する光選択機能性
樹脂ビーズを含有させることにより、透過型スクリーン
としてのコントラストを更に向上させることができる。
含有させる光選択機能性樹脂ビーズとしては、フレネル
レンズシートと同様のものを0.05〜20重量%の範
囲で使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0029】光選択機能性樹脂ビーズの製造 メタクリル酸ネオジム34重量%、メタクリル酸メチル
42重量%、ラウリル酸15重量%、プロピレングリコ
ール9重量%を撹拌下65℃に加温して約2時間かけて
溶解させて重合性混合溶液を得た。この重合性混合溶液
100重量部、アゾビスイソブチルニトリル0.5重量
部、ポリビニルアルコール3重量部、水800重量部を
投入し、高速で撹拌しながら窒素ガスで置換した。その
後、75℃で4時間の重合を行い、次いで90℃で1時
間の重合を行った。重合終了後、脱水、水洗、乾燥を行
い、透明の球状樹脂ビーズを得た。得られた樹脂ビーズ
を、風力ミクロセパレーターを用いて分級して、平均粒
子径5μmと20μmの2種類の光選択機能性樹脂ビー
ズを製造した。なお、得られた光選択機能性樹脂ビーズ
中のネオジム元素の含有率は12重量%であった。
【0030】[実施例1]メチルメタクリレートの部分
重合体(重合率20%)と共重合モノマーとの混合液1
00重量部に、重合触媒としてα,α’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.04重量部、
ジオクチルスルホサクシネート・ナトリウム塩0.00
5重量部を添加した。次いで、上記製造例で得られた平
均粒子径5μmのネオジム含有メタクリル樹脂ビーズ
0.1重量%を添加、混合して、脱気した。その後、予
め板厚が2mmとなるように設定された強化ガラスと軟
質塩化ビニル製ガスケットとで構成された鋳型内に注入
し、70度の温水中に80分間浸漬し、さらに130℃
の空気浴中で80分間放置して重合を完結させ、鋳型か
ら取り出し、厚さ2mmの光拡散板を得た。
【0031】かくして得られた光拡散板を、サーキュラ
ーフレネルレンズパターンを有する黄銅製のレンズ型を
用いて、加熱プレス法により成形して、ピッチ0.22
9mmの片面にサーキュラーフレネルレンズを有するフ
レネルレンズシートを得た。
【0032】得られたフレネルレンズシートと、前面
(観察側の面)にブラックストライプを施した、上記製
造例で得られたネオジム含有メタクリル樹脂ビーズを4
重量%含有し、ピッチ0.78mmの両面レンチキュラ
ーレンズシートとを組み合わせて、図1〜2に示すよう
な透過型スクリーンを作製した。この透過型スクリーン
をプロジェクションテレビに取り付け、スクリーンゲイ
ン、コントラスト及び虹現象を評価して、その結果を表
1に示した。
【0033】[実施例2]メタクリル樹脂ビーズとして
上記製造例で得られた平均粒子径20μmのものを用い
且つ該メタクリル樹脂ビーズの添加量を0.5重量%と
することを除いて、上記実施例1と同様の手順を行っ
た。
【0034】[比較例1]サーキュラーフレネルレンズ
パターンを有する黄銅製のレンズ型を用いて、平均粒子
径5μmのシリカ粒子を0.3重量%含有する厚さ2m
mのメタクリル樹脂板を加熱プレス法により成形してフ
レネルレンズシートを得た。
【0035】かくして得られたフレネルレンズシートを
使用することを除いて、上記実施例1と同様にして透過
型スクリーンを作製した。この透過型スクリーンを上記
実施例1と同様にしてプロジェクションテレビに取り付
け、スクリーンゲイン、コントラスト及び虹現象を評価
して、その結果を表1に示した。
【0036】[比較例2]厚さ2mmのメタクリル樹脂
板として平均粒子径5μmのシリカ粒子を1.0重量%
含有するものを用いることを除いて、上記比較例1と同
様の手順を行った。
【0037】[比較例3]厚さ2mmのメタクリル樹脂
板としてシリカ粒子を含有しないもの(三菱レイヨン社
製アクリライトL#001)を用いることを除いて、上
記比較例1と同様の手順を行った。
【0038】
【表1】 [注] コントラスト ○: 良い ×: 悪い 虹現象 ○: 観察されない ×: 観察された。
【0039】表1から明らかなように、本発明のフレネ
ルレンズシートおよび透過型スクリーンを用いた実施例
1及び実施例2では、虹現象の発生がなく、高いコント
ラストを有する明るい高品質の画像が得られた。これに
対して、従来の光拡散剤ビーズ含有のフレネルレンズシ
ートを用いた比較例1では、虹現象の発生はないもの
の、コントラストに劣る画像であった。従来の光拡散剤
ビーズ含有のフレネルレンズシートを用いた比較例2で
は、虹現象の発生はなく、光拡散性には優れているもの
の、スクリーンゲインが極端に低下し、非常に暗い画像
しか得られず、コントラストにも劣るものであった。光
拡散剤ビーズをも含有しない従来のフレネルレンズシー
トを用いた比較例3では、虹現象の発生が観察され、コ
ントラストにも劣る画像であった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフレネル
レンズシートおよび透過型スクリーンによれば、特定の
光選択機能性樹脂ビーズを使用することによって、虹現
象がなく、優れた光拡散性を有するとともに、高いコン
トラストを有する高品質の映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズシート及びこれを用い
た透過型スクリーンの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 レンチキュラーレンズシート 2 フレネルレンズシート 11 入射側レンチキュラーレンズ 12 出射側レンチキュラーレンズ 13 ブラックストライプ 21 入射平面 22 フレネルレンズ 23 光選択機能性樹脂ビーズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネオジム元素を0.05〜20重量%含
    有する光選択機能性樹脂ビーズを0.05〜20重量%
    含有することを特徴とするフレネルレンズシート。
  2. 【請求項2】 前記光選択機能性樹脂ビーズは平均粒子
    径が2〜50μmであることを特徴とする、請求項1に
    記載のフレネルレンズシート。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載のフレネ
    ルレンズシートが光源側に配置されており、レンチキュ
    ラーレンズシートが観察側に配置されてなることを特徴
    とする透過型スクリーン。
JP9231898A 1997-08-28 1997-08-28 フレネルレンズシート及び透過型スクリーン Pending JPH1172849A (ja)

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