JPH1171662A - 形状記憶合金から成るエレメントのトレーニング法及び該方法を実施する装置 - Google Patents

形状記憶合金から成るエレメントのトレーニング法及び該方法を実施する装置

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JPH1171662A
JPH1171662A JP20053198A JP20053198A JPH1171662A JP H1171662 A JPH1171662 A JP H1171662A JP 20053198 A JP20053198 A JP 20053198A JP 20053198 A JP20053198 A JP 20053198A JP H1171662 A JPH1171662 A JP H1171662A
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actuator
shape memory
memory alloy
training
wire
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JP20053198A
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Matthias Piening
ピーニング マティアス
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Deutsches Zentrum fuer Luft und Raumfahrt eV
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Zentrum fur Luft & Raumfahrt
Deutsches Zentrum fuer Luft und Raumfahrt eV
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/006Resulting in heat recoverable alloys with a memory effect

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  • Springs (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状記憶合金から成るエレメントをトレーニ
ングする方法、並びに該方法を実施する装置を改良し、
しかも公知技術に付随する欠点を最早生ぜしめないよう
にし、要するに構造内に組込まれた前記形状記憶合金か
ら成るエレメントの長い耐用寿命と極めて良好な機能態
とを保証する。 【解決手段】 アクチュエータ1に、形状記憶合金から
成るエレメントを設け、前記アクチュエータ1を、実質
的にオーターキックなユニットとして、形状記憶合金か
ら成る組付け済みの未トレーニングのエレメント2でも
って、使用時に等しい挙動でトレーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金から
成るエレメントのトレーニング法及び該方法を実施する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金から成るエレメントをトレ
ーニングすること、すなわち該エレメントに、特定の外
部条件下での特定の挙動を教え込むことは公知である。
このトレーニング目的のために、例えば形状記憶合金か
ら成る長い線材が、適当な固定部に懸架され、かつ重錘
を吊すことによって交番温度条件下で負荷される。これ
によって例えば Stoeckel,Dieter:" Shape Memory Allo
ys-Prompt New ActuatorDesigns ", Advanced Material
s & Processes(1990) 10, P.33-38 に記載されているよ
うに、線材内部では、オーステナイトからマルテンサイ
トへの変態と、これとは逆にマルテンサイトからオース
テナイトへの変態が常に交互に行われる。
【0003】同じく又、形状記憶材料から成る前記のよ
うな線材状のエレメントを、トレーニング後に相応の構
造内へ、例えば翼の作動制御のために該翼内へ、装嵌す
ることも公知である。しかしながら大抵は、線材にトレ
ーニングされた挙動は、後の運転中に要求されている挙
動とは著しく相違している。問題の発生因は専ら運転位
相における種々異なった条件に帰することができる。例
えば線材に対して、種々異なった温度の場合の長さ変化
がトレーニングされる。この長さ変化は、すでに前述し
たように重錘を吊すことによって交番温度条件下で行わ
れる。しかしながらこの長さ変化並びに当該構造内への
線材の後の組込み形状は、後の運転条件に必ずしも対応
しているとは限らない。そればかりでなく、形状記憶材
料から成る線材を当該構造内へ組込むことができるよう
にするためには、当該構造側で種々の運転条件が満たさ
れねばならない。この要件は、当該構造への線材の組込
み度合に伴って増大する。それというのは当該構造と、
形状記憶材料から成る線材との協働は、できるだけ摩耗
やトラブル無く機能せねばならないからである。
【0004】特定の構造に所属する変向ガイド体に、形
状記憶材料から成る線材が巻付けられる場合、このよう
な線材が、その長手方向の長さ負荷についてしかトレー
ニングされず、このような変向ガイド体を備えた構造の
内部負荷についてはトレーニングされなかったという問
題が生じる。それ故に摩擦、その他の不利な効果に基づ
いて、後の運転中にこのような線材には高い摩耗が生じ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、形状
記憶合金から成るエレメントをトレーニングする方法、
並びに該方法を実施する装置を改良し、しかも公知技術
に付随する欠点を最早生ぜしめないようにし、要するに
構造内に組込まれた前記形状記憶合金から成るエレメン
トの長い耐用寿命と極めて良好な機能態とを保証するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の方法上の構成手段は、請求項1に記載したように、
アクチュエータに、形状記憶合金から成るエレメントを
設け、前記アクチュエータを、実質的にオーターキック
(autarkic)なユニットとして、形状記憶合金から成る
組付け済みの未トレーニングのエレメントでもって、使
用時に等しい挙動でトレーニングする点にある。アクチ
ュエータはコンパクトなユニットとして組付け可能かつ
組外し可能である。本発明の有利なその他の構成手段は
請求項2以降に規定されている。
【0007】
【発明の効果】本発明の構成手段によって得られる形状
記憶合金から成るエレメントのトレーニング法、並びに
該方法の実施装置によれば、トレーニングすべきエレメ
ントを備えた装置の、つまり、それ自体で完結したほぼ
オーターキック(自給自足的)なユニットでもあるとこ
ろの、形状記憶合金から成るエレメントを備えたアクチ
ュエータの、適格性の評価を、アクチュエータの組付け
部位の範囲外でかつ該組付け部位に関わり無く行うこと
が可能になる。この場合1つのアクチュエータは、これ
が結合又は組込まれている1つの構造体の部分を作動す
るために使用される。該アクチュエータが、その他の補
助手段なしに形状記憶合金から成るエレメントのトレー
ニングを可能にするばかりでなく、相応の構造の後の運
転のために該構造内にそのまま残留できるのだから、該
アクチュエータは、その限りにおいてオーターキックで
あり、かつそれ自体で完結している。特に有利な点は、
トレーニング工程時のアクチュエータの内部状態が、後
の運転から予期される状況に正確に合致していることで
ある。それ故にアクチュエータの、使用時に等しい挙動
がトレーニングされる。特に有利なことは、これによっ
てトレーニングの終結と共にアクチュエータの特性曲線
がすでに既知である点である。最終トレーニングサイク
ルを受入試験として構成し、かつ記録されたトレーニン
グ履歴と相俟ってアクチュエータの適格証拠として使用
するのが有利である。
【0008】特に有利にはアクチュエータの、ひいては
又、形状記憶材料から成るエレメントの、運動プロセス
を実施するために絶縁及び能動的冷却のための限界条件
を予め設定すると同時に、閉じられた空間を設けること
によって、前記エレメントとアクチュエータの構造との
接合部が、少なくとも2つの係合接続的な固定部と1つ
の電気的な作動制御部とに制限されている。これによっ
てアクチュエータは、コンパクトなユニットとして組付
け可能かつ組外し可能である。
【0009】形状記憶材料から成るトレーニングされた
エレメントの形状維持を、僅かな曲げ剛さをもった予荷
重ばねによって行うのが特に有利である。
【0010】アクチュエータのトレーニング時に、後続
の運転時に使用される膨張状態のみに専ら影響を及ぼ
し、しかも形状記憶材料の自由膨張長さ全体にわたっ
て、一定の膨張を印象付けるのが特に有利である。これ
によって、異なった膨張状態においてアクチュエータの
変向ガイド体の変向ガイド域における摩擦及び、形状記
憶材料から成る線材端部を固定している部位における摩
擦に基づいて必然的に生じる固有応力状態が顕著に回避
される。この限りでは変向ガイド域は、いわばプロブレ
ムゾーンである。本発明の方法ではアクチュエータは全
体ユニットとしてトレーニングされるので、このネガテ
ィブな影響因子は最小限になる。変向ガイド体の領域に
おける運転中のアクチュエータの伸長・短縮による不断
の摩擦に起因した、形状記憶材料から成る線材の折損は
大幅に回避される。形状記憶材料から成る線材はトレー
ニング時にすでに、アクチュエータ上で、つまり該アク
チュエータの変向ガイド体の領域でも、後の運転中に膨
張するのと全く同一の位置で有利に膨張される。トレー
ニング中に印象付けられる膨張状態は、形状記憶材料か
ら成る線材のいかなる部位においても、後の運転中に発
生するのと全く同一の膨張状態に対応している。
【0011】アクチュエータの変向ガイド体は多シェル
形、殊に2シェル形に製作されているのが特に有利であ
る。これによって形状記憶材料から成るワインディング
は多層に、特に2層に配置され、つまり第1のシェルと
第2のシェルの上に配置される。形状記憶材料のワイン
ディングは、変向ガイド体又は変向ガイドエレメントの
形の変向ガイド域を係合接続式に囲繞する。電気的な巻
線(ワインディング)は単一シェル形又は多シェル形の
変向ガイド体を介して案内され、その場合電気的接続部
は、ワインディングの総数に対して1本の線材として、
或いは、シェルに作用するワインディングに対してシェ
ル毎に設けることができる。複数のシェル上のワインデ
ィング配列の幾何学的形状は、ワインディングに均等に
給電する1つの電圧源しか必要としないように選ぶのが
有利である。アクチュエータの個々のシェルにおいて異
なったワインディング長さが選ばれる場合には、設計の
異なった複数の電圧源が必要である。それ故に複数の電
圧源の必要を有利に避けるためには、ワインディングは
できるだけ統一的寸法を有していなければならない。線
材端部を変向ガイド体に適当に巻付ける場合、該端部は
無負荷ワインディングによって固定される。変向ガイド
体上における摩擦によって、変向ガイド体からの解離を
生ぜしめることのある、線材内に作用する力は低下され
る。
【0012】従って変向ガイド域においても線材固定部
位においても適合したトレーニングが行われる。さもな
ければ、固定部に対する要求とは相容れない膨張が存在
することになる。
【0013】少なくとも変向ガイド域において、形状記
憶材料から成るワインディングが係合接続式に接する変
向ガイド体は、電気絶縁可能に製造されている。形状記
憶材料から成る線材は給電負荷によって伸張するので、
少なくとも線材の支承域、要するに変向ガイド域では、
アクチュエータ内部に絶縁体を設ける必要がある。負荷
・無負荷時における形状記憶材料の膨張・収縮の際に、
従来技術において前記変向ガイド域で発生する、絶縁体
に沿った線材の摩擦による摩擦力は、オーステナイト変
態温度を超えた際に形状記憶材料内に生じる膨張に抗し
て作用する。形状変形の阻止に基づいてその場合、内部
固有応力状態が生じる。この内部固有応力状態は従来技
術では、アクチュエータ機能のためには利用することが
できない。従って前記の内部固有応力状態は、形状記憶
材料から成るエレメントを無益に負荷することになり、
これによってアクチュエータの早期故障を惹起すること
になる。このようなアクチュエータは特に宇宙飛行の分
野で適用されるが、また航空機分野において、特に翼表
皮などを能動的に変形するために使用することもでき
る。それ故に特に宇宙飛行分野においてアクチュエータ
の故障による極めてネガティブかつ不利な効果が、本発
明の方法及び本発明のアクチュエータでは、もはや発現
することはないので、殊の外有利である。
【0014】特に有利には変向ガイド体が、作動するア
クチュエータの構成部分もしくは該アクチュエータの構
造エレメントである場合は、形状記憶材料から成るワイ
ンディングは、ばね負荷された前記変向ガイド体によっ
て形状を維持される。しかし又、ばね負荷された変向ガ
イド体に代えて、アクチュエータの剛性構造に、つまり
アクチュエータ構造の、高い曲げ剛さをもった構造部分
に、この形状付与機能を担当させるようにするのも有利
である。このことは特にトレーニング段階について該当
する。アクチュエータの適用部位に組付けを行った後、
これらの補助手段、要するにばね負荷された変向ガイド
体又は除去可能な剛性構造は取り外される。この取り外
し後に適用部位に残留するのは、所定数の線材ワインデ
ィングだけであり、該線材ワインディングは、アクチュ
エータ構造の作動すべき部分及び/又はアクチュエータ
の残留構造エレメントを囲繞しかつ電気的接続端子及び
/又は機械的な固定部を備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】次に図面に基づいて、形状記憶材
料から成るアクチュエータの形の本発明の装置の実施例
を詳説する。
【0016】図1の側面断面図には、形状記憶材料から
成るワインディング10,11を有するアクチュエータ
1が原理図として図示されている。該アクチュエータ1
は変向ガイド体20,21及び変向ガイド体30,31
を有している。変向ガイド体30,31は変向ガイド体
20,21と同様に2シェル状に互いに重なって配置さ
れている。形状記憶材料から成る線材2はワインディン
グ10,11を成して内位の変向ガイド体30,20の
周面並びに外位の変向ガイド体31,21の周面に嵌合
式に係合接続している。変向ガイド体のシェル上に位置
しているワインディングの各始端部と終端部もしくは線
材2の始端部と終端部は、例えば狭幅域に数回巻掛ける
ことによって、機械的に固定されている。この機械的固
定部及び線材2の2つの電気的接続端子は共に図1では
図示されていない。両電気的接続端子は、線材を電流源
に接続して、線材を通流する電流によって該線材を加熱
するために使用される。線材を特定の膨張状態にトレー
ニングするために線材を加熱しかつ冷却することが必要
である。加熱と冷却によって線材内部では、マルテンサ
イトからオーステナイトへの組織変態及び、それとは逆
にオーステナイトからマルテンサイトへの組織変態が生
じる。
【0017】変向ガイド体20,21;30,31は、
絶縁するように、又は絶縁体として構成されているのが
有利である。これによって、線材2内へ導入された電流
は、該線材のみを通流し、変向ガイド体を通って流れる
ことはない。
【0018】内位の各変向ガイド体20;30はそれぞ
れ円筒形付設部22;32を有している。相互に向き合
う前記円筒形付設部22,32には1本の案内管40が
装嵌されている。円筒形付設部22,32も案内管40
も共に予荷重ばね41によって囲繞される。該予荷重ば
ね41は内位の両変向ガイド体20,30に支持されて
いる。案内管40及び内位の両変向ガイド体の円筒形付
設部22,32と協働する予荷重ばね41を設けたこと
によってアクチュエータは、予め規定された出発長さを
有している。従って変向ガイド体に巻掛けられた線材又
は線材2も同じく、予め規定された出発長さを有してい
る。
【0019】形状記憶材料から成る線材2を有するアク
チュエータ1をトレーニングするために、内位の両変向
ガイド体20,30には交番力が作用する。該交番力は
アクチュエータを先ず予荷重ばね41の方向に引き離
す。これによって線材2は規定量分だけ長くなる。
【0020】線材をオーステナイト変態温度以上に達す
るまで均等に加熱することによって線材は収縮し、これ
によってばね力に抗して作用する。要するに、予荷重ぱ
ね41とは逆向きに作用する力が、圧縮力として予荷重
ばねに及ぼされる。
【0021】形状記憶合金から製作された線材をオース
テナイト変態温度以下に冷却すると、線材は再びそのマ
ルテンサイト形状をとり、要するに膨張する。予荷重ば
ね41は変向ガイド体を矢印の方向に外位位置へ押圧す
る。予荷重ばね41のこの引張り力が要するに、変向ガ
イド体20,21と30,31とを相互離間させる。こ
れによって線材は変向ガイド域では、重力又は外側のば
ね剛さがもはや作用しない場合でも、外位及び内位の両
変向ガイド体20,21;30,31の表面に係合接続
式に固定された状態を維持する。
【0022】電流の通流時に導電体内で作用する電気抵
抗の物理的現象の活用による電気的な直接加熱によっ
て、線材は特に均等に加熱されるので、線材が冷却損に
対してシールドされ、これによって断熱状態が得られる
限り、線材全長にわたってかつ線材横断面全体にわたっ
て実質的に同時にオーステナイト変態温度が得られる。
【0023】マルテンサイト状態への再変態を迅速に実
施できるようにするためには冷却を能動的に行うのが特
に有利である。この目的を達成するために、冷却媒体を
通すための接続部を備えた断熱体を変向ガイド体の領域
内に設けておくことが可能である。その場合この領域に
おいて冷却媒体は線材と直接接触し、熱伝導によって及
び/又は対流によってエネルギを吸収し、従って形状記
憶合金から成る線材を冷却する。これによって又、アク
チュエータの作動周波数を高めることも可能である。線
材の個々のワインディング相互の電気的絶縁は、変向ガ
イド体を絶縁体として作用させることに依る以外に、線
材に絶縁シーズを設けることによっても行うことができ
る。そればかりでなく線材の個々のワインディング間に
間隔が維持されている。
【0024】線材のトレーニング中、該線材では膨張が
生じる。この膨張経過Dは図1に同じく図示されてい
る。
【0025】図2の原理的な断面図では、2シェル形の
変向ガイド体並びに、形状記憶材料から成る2条の線材
ワインディングが図示されている。両線材ワインディン
グは変向ガイド体20,21の両シェルを係合接続式に
囲繞している。
【0026】変向ガイド体の両シェルに作用する力と両
線材ワインディングに作用する力がそれぞれ矢印によっ
て図示されている。両方の力は互いに逆向きに作用す
る。従来技術では、変向ガイド体の輪郭に沿った摺動に
基づいて、線材ワインディングと変向ガイド体との間に
摩擦力が発生することになった。その原因は、従来技術
の線材の場合は、線材が長く延びた状態でトレーニング
が行われる点にある。これに対して本発明の方法では、
形状記憶材料から成る線材がアクチュエータにすでに装
着された時点において始めて、該線材にトレーニングが
施されるようになっている。これによって、摩擦力に起
因した伸びが発生することはない。該伸びは、形状記憶
材料から成る線材においてオーステナイト変態温度を上
回る温度で生じることがある。
【0027】図3の原理的断面図では、変向ガイド体2
0と略示線材並びに力F1,F2によるトレーニング中の
線材の膨張経過が概略的に図示されている。変向ガイド
体の変向ガイド輪郭に沿った摩擦力が、線材内で作用す
る引張り力を、下記式中の巻掛け角αと摩擦係数μとに
関連して減少させる。
【0028】F1=F2*e-μ*α線材内に内在又は作用
する応力及び膨張は力F2に正比例している。アクチュ
エータの動作中、摩擦を伴う状態と摩擦の無い状態との
間の応力差はほぼ無効である。アクチュエータの本発明
のトレーニングでは、後続の動作状態に相当する状態で
は要するに、摩擦力に基づいて作用する膨張状態は、有
利なことに先ず全く生じない。
【0029】全体的な膨張経過Dは図1から一層良く推
考することができる。
【0030】図4の線図では、形状記憶材料から成る線
材の変向ガイド領域における、摩擦に関連した力経過線
が図示されている。線図の縦軸線上には力比β=F/P
もしくはβ=F12がプロットされ、また横軸線上には
巻掛け角αが度単位でプロットされている。線図中に表
示された個々の曲線は、異なった摩擦係数μに対応して
いる。摩擦係数μ=0.1の場合、例えば巻掛け角α=
0゜では力比β=1であり、巻掛け角α=90゜では力
比β=0.9である。このような巻掛け角α=90゜の
場合が図3に示されている。摩擦係数μ=0.5で同一
の巻掛け角α=90゜の場合、力比は例えばほぼβ=
0.46に低下する。従って図3においてF2で示した
力は、小さな摩擦係数μの場合よりも、大きな摩擦係数
μの場合の方が小さい。
【0031】ばね負荷されており、これによって線材ワ
インディングの形状を維持する、図1〜図3に図示した
変向ガイド体に代えて、同一の形状付与機能を満たす剛
性構造体をアクチュエータに設けることも可能である。
剛性構造体による形状付与機能或いは予荷重ばねを有す
る変向ガイド体による形状付与機能は特に、アクチュエ
ータのトレーニング段階のために必要とされる。適用部
位でアクチュエータの組付けを行った後に前記の補助エ
レメント、つまり、ばね負荷された変向ガイド体又は除
去可能な剛性構造体は、可能である限り取り除かれる。
その場合、適用部位には、アクチュエータが力を及ぼす
ことになる構造体の係合接続部分に巻掛けられる線材ワ
インディング数だけが残存する。
【0032】このようなアクチュエータユニットは例え
ば長さl=30cmを有している。該アクチュエータユ
ニットは、線材横断面が0.176mm2でワインディ
ング数が4条の場合、10mmの行程長にわたって50
kpの力で、図1〜図3に示したような線材ワインディ
ングの形の機構を多数回作動することができる。該アク
チュエータユニットの重量はその場合、例えばスチロポ
ールから成る絶縁体なしに、かつ電気的接続端子なしに
3g以下である。
【0033】図5の平面図では、互いに平行に配列され
た複数本の線材(引張り線材)2を有する変向ガイド体
20,30が図示されている。形状記憶合金から成る複
数本の斜向引張り線材3のノーマル状態が破線で図示さ
れている。しかしこれによってはアクチュエータの動作
にトラブルが生じることになる。それ故に線材を平行に
配列するように努力が払われる。
【0034】前記の問題を解決するために、斜めに又は
ヘリカルに延びる条溝50を有する一方のシェルつまり
変向ガイド体20が、前記条溝のリード角に基づいて該
条溝内に挿入された線材を、次のワインディング平面の
方へずらすように形成される。従って線材は変向ガイド
体20上を案内される。これによってアクチュエータで
は引張り線材の正確な平行配列と線材2における正確な
平行引張り力が得られる。
【0035】前記実施形態とは択一的な実施形態とし
て、両方のシェルつまり両方の変向ガイド体20,30
に夫々半リードの条溝を設けることも可能である。その
場合、変向ガイド体の軸線へ下ろした垂線に対してワイ
ンディングの傾斜が生じる。この場合はただ1つのタイ
プの変向ガイド体を設ければよく、ひいては経費削減に
繋がるので有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】膨張経過を鎖線ハッチングで示したアクチュエ
ータの第1実施形態の原理的断面図である。
【図2】2シェル形の変向ガイド体の原理的断面図であ
る。
【図3】膨張経過を鎖線ハッチングで示した単シェル形
の変向ガイド体の原理的断面図である。
【図4】形状記憶材料から成る線材の変向ガイド域にお
ける摩擦に関連した力経過を示す線図である。
【図5】線材を互いに平行に巻成した変向ガイド体の平
面図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ、 2 線材、 3 線材(破
線)、 10,11 ワインディング、 20 変向ガ
イド体(内位)、 21 変向ガイド体(外位)、22
円筒形付設部、 30 変向ガイド体(内位)、 3
1 変向ガイド体(外位)、 32 円筒形付設部、
40 案内管、 41 予荷重ばね、 50 ヘリカル
条溝又は斜向条溝、 51 ストレイト条溝、 D 膨
張経過、F1,F2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 1/18 C21D 1/18 Z 9/52 103 9/52 103Z 9/62 102 9/62 102

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータ(1)に、形状記憶合金
    から成るエレメントを設け、前記アクチュエータ(1)
    を、実質的にオーターキックなユニットとして、形状記
    憶合金から成る組付け済みの未トレーニングのエレメン
    ト(2)でもって、使用時に等しい挙動でトレーニング
    することを特徴とする、形状記憶合金から成るエレメン
    トのトレーニング法。
  2. 【請求項2】 アクチュエータのトレーニング時に、後
    続の運転時に使用される膨張状態のみに影響を及ぼし、
    しかも形状記憶合金から成るエレメントの自由膨張長さ
    にわたって、一定の膨張を印象付ける、請求項1記載の
    トレーニング法。
  3. 【請求項3】 アクチュエータの変向ガイド域に、形状
    記憶合金から成るエレメント(2)を係合接続式に接触
    させて摩擦によってトレーニングする、請求項1又は2
    記載のトレーニング法。
  4. 【請求項4】 絶縁及び能動的冷却のための限界条件に
    関して閉じられた空間内で運動プロセスをトレーニング
    する、請求項1から3までのいずれか1項記載のトレー
    ニング法。
  5. 【請求項5】 ばね負荷された変向ガイド体(20,2
    1,30,31)又はアクチュエータの剛性構造体のよ
    うな補助手段によって形状を付与される形状記憶合金か
    ら成るエレメント(2)のワインディング(10,1
    1)をトレーニング段階で負荷し、かつ適用部位に組付
    けを行った後に前記補助手段を取り除き、しかも前記変
    向ガイド体及び/又は前記エレメント(2)のワインデ
    ィングを前記剛性構造体に沿って又は該剛性構造体内に
    そのまま残留させる、請求項1から4までのいずれか1
    項記載のトレーニング法。
  6. 【請求項6】 ワインディング(10,11)及び剛性
    構造体を共にアクチュエータとして作用させる、請求項
    5記載のトレーニング法。
  7. 【請求項7】 形状記憶合金から成るエレメント(2)
    を有するアクチュエータ(1)の特性曲線を、前記エレ
    メント(2)のトレーニング中に完全に記録し、かつト
    レーニングの終結をもって既知とする、請求項1から6
    までのいずれか1項記載のトレーニング法。
  8. 【請求項8】 最終トレーニングサイクルを受入試験と
    して構成し、かつ記録されたトレーニング履歴と相俟っ
    てアクチュエータの適格証拠として使用する、請求項1
    から7までのいずれか1項記載のトレーニング法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれか1項記載
    のトレーニング法の実施装置において、実施装置が、形
    状記憶合金から成るエレメント(2)を備えたアクチュ
    エータ(1)であり、かつ該アクチュエータ(1)が、
    コンパクトなユニットとして組付け可能かつ組外し可能
    であることを特徴とする、トレーニング法の実施装置。
  10. 【請求項10】 形状記憶合金から成るエレメントが線
    材(2)であり、形状記憶合金から成るワインディング
    (10,11)が設けられており、該ワインディング
    が、アクチュエータ(1)の構造エレメント(20,2
    1,30,31)に係合接続式に巻掛けられかつ電気的
    接続端子及び/又は機械的な固定部を有しており、かつ
    作動すべき構造エレメント(20,21,30,31)
    及び取り外し可能な補助エレメント(40,41)が設
    けられている、請求項9記載の実施装置。
  11. 【請求項11】 補助エレメントが、案内管(40)と
    協働する予荷重ばね(41)であり、該予荷重ばねが、
    構造エレメントとしての変向ガイド体(20,30)間
    に配置されており、僅かな曲げ剛さを有し、かつ形状記
    憶合金から成る線材のワインディング(10,11)の
    形状維持のために使用されている、請求項9又は10記
    載の実施装置。
  12. 【請求項12】 補助エレメントがアクチュエータの剛
    性構造体であり、該剛性構造体が、形状記憶合金から成
    る線材(2)のワインディング(10,11)の形状維
    持のために使用されている、請求項9又は10記載の実
    施装置。
  13. 【請求項13】 変向ガイド体(20,21,30,3
    1)が多シェル形、特に2シェル形であるか、又は複数
    の変向ガイド体が上下に重ねて設けられて、該変向ガイ
    ド体に巻掛けられる形状記憶合金から成るエレメント
    (2)を絶縁している、請求項10から12までのいず
    れか1項記載の実施装置。
  14. 【請求項14】 変向ガイド体の周面に条溝(50,5
    1)が、形状記憶合金から成るワインディング相互間の
    平行配列を保証するように設けられている、請求項9か
    ら13までのいずれか1項記載の実施装置。
  15. 【請求項15】 一方の変向ガイド体が、特定リードの
    ヘリカル状に延びる条溝(50)を有しかつ他方の変向
    ガイド体がストレイト条溝(51)を有しているか、或
    いは両方の変向ガイド体が、夫々半リードのヘリカル状
    に延びる条溝を有している、請求項14記載の実施装
    置。
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