JPH1171409A - 微粒子天然ゴムの製造方法 - Google Patents

微粒子天然ゴムの製造方法

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JPH1171409A
JPH1171409A JP13559298A JP13559298A JPH1171409A JP H1171409 A JPH1171409 A JP H1171409A JP 13559298 A JP13559298 A JP 13559298A JP 13559298 A JP13559298 A JP 13559298A JP H1171409 A JPH1171409 A JP H1171409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然ゴムラテックスを遠心分離して得られる
漿液から、容易にかつ高い収率でもって、高純度の微粒
子天然ゴムを得る方法を提供する。 【解決手段】 天然ゴムラテックスまたは脱蛋白処理を
施した天然ゴムラテックスを遠心分離し、こうして得ら
れた漿液に、当該漿液中の微粒子天然ゴム分が相分離す
るのに充分な量の無機塩を添加して、微粒子天然ゴム分
をクリーム分として分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子天然ゴムの
製造方法に関し、より詳しくは、天然ゴムラテックスを
遠心分離して得られる漿液を再利用した微粒子天然ゴム
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムラテックスはヘビヤブラジリエ
ンス等の樹液として得られるものであって、約60%の
水分と約30%のゴム分のほか、非ゴム成分としてそれ
ぞれ数%程度の蛋白質、脂質、無機質等を含有してお
り、通常フィールドラテックスと呼ばれている。一方、
工業用原料としての天然ゴムラテックスは、通常、ゴム
分が約60%になるまで濃縮精製し、さらにラテックス
の腐敗を防止するためにラテックスに対して0.2〜
0.7%のアンモニアを添加した精製天然ゴムラテック
スとして供給される。
【0003】一般に、ラテックスを濃縮精製する方法に
は、精製効率が高い遠心分離法が用いられており、この
方法では、遠心分離によって生じるクリーム状のゴム分
を取り出し、これを再度水に分散させることによって精
製天然ゴムラテックスを製造している。
【0004】しかし、遠心分離の際に生じる漿液にも、
クリーム分として回収できない粒径の小さなゴム分が含
まれており、製造コストの観点からかかるゴム分を回収
利用することが求められている。
【0005】また、漿液に含まれる粒径の小さなゴム分
は平均粒径が0.1〜0.5μm程度の微粒子であっ
て、これを通常の天然ゴムラテックスに添加するとラテ
ックスフィルムの製膜性や膜強度を向上させ得ることが
知られている。従って、製造コストの観点のみならず、
漿液中の微粒子天然ゴムを回収することは極めて重要な
課題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記漿液から微粒子天
然ゴムを回収する方法としては、従来より(A) 漿液中の
ゴム分を酸で凝固させ、スキムブロックラバーを製造す
る方法や、(B) 漿液に酸および非イオン性活性剤を添加
し、酸性ラテックスを得る方法(英国特許743139
号)等が提案されている。
【0007】しかしながら、上記(A) および(B) のいず
れの方法も、漿液から回収された微粒子天然ゴム内に不
純物が多く含まれているため、品質が劣るという問題が
あった。また、上記(B) の方法で得られるラテックスは
酸性であるため、特殊な用途に限定され、汎用性が乏し
いという問題もあった。
【0008】一方、近年、天然ゴム製品に対して高電気
絶縁性、低吸水性、アレルギーフリー等の性能が求めら
れており、かかる性能を実現するために微粒子天然ゴム
にも高度な脱蛋白処理を施すことが要求されている。
【0009】脱蛋白処理が施されて微粒子天然ゴムを得
る方法としては、(C) 漿液に酵素を添加して蛋白分解処
理を施した後、酸を添加し、凝固したゴム分を水洗、乾
燥して、窒素含有率が0.4%程度の低蛋白の固形天然
ゴムを得る方法(英国特許695813号)が提案され
ている。
【0010】しかしながら、この方法では、不純物が少
なくかつアレルギーフリーを達成した微粒子天然ゴムを
得るのは困難であった。
【0011】従って、高電気絶縁性、低吸水性、アレル
ギーフリー等を実現し、かつ製造コストを下げるという
観点から、漿液に含まれる微粒子天然ゴムを脱蛋白され
た状態で回収することも極めて重要である。
【0012】そこで本発明の目的は、天然ゴムラテック
スを遠心分離して得られる漿液に含まれる微粒子天然ゴ
ムを容易に、高収率でかつ高純度で回収できる微粒子天
然ゴムの製造方法を提供することである。
【0013】本発明の他の目的は、脱蛋白された微粒子
天然ゴムの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムラテ
ックス(脱蛋白天然ゴムラテックスまたは非脱蛋白天然
ゴムラテックス)を遠心分離して得られる漿液に所定量
の無機塩を添加すれば、遠心分離等の操作を施さずに、
高収率でかつ高純度でもって天然ゴム微粒子を回収でき
るという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明の微粒子天然ゴムの製造
方法は、天然ゴムラテックスを遠心分離して得られる漿
液に、当該漿液中の微粒子天然ゴム分が相分離するのに
充分な量の無機塩を添加して、微粒子天然ゴム分をクリ
ーム分として分離することを特徴とする。
【0016】上記本発明の微粒子天然ゴムの製造方法に
よれば、漿液から微粒子天然ゴムを分離回収する際に遠
心分離等の他の分離操作を必要とせず、無機塩を添加す
るだけで容易にかつ高収率で微粒子天然ゴムを回収でき
る。また、本発明の方法によれば、クリーム分が漿液よ
りも上層に分離するため、従来のように酸を添加してゴ
ム分を凝固沈澱させる方法とは異なり、不純物を取り込
むことがない。従って、上記の方法によれば、高純度の
微粒子天然ゴムが得られる。
【0017】また、本発明によれば、上記漿液100m
lに対して、さらに蛋白分解酵素を0.01〜10gの
割合で添加してもよい。すなわち、この方法は、天然ゴ
ムラテックスを遠心分離して得られる漿液に、当該漿液
中の微粒子天然ゴム分が相分離するのに充分な量の無機
塩と、漿液100mlに対して蛋白分解酵素0.01〜
10gとを添加し、蛋白分解処理を施して、漿液から微
粒子天然ゴム分をクリーム分として分離することを特徴
とする。
【0018】この方法によれば、漿液中に含まれる天然
ゴム微粒子を、前述と同様に簡単な操作で回収できると
ともに、脱蛋白処理が施された微粒子脱蛋白天然ゴムと
して回収できる。
【0019】本発明の微粒子天然ゴムの製造方法に使用
される天然ゴムラテックスとしては、脱蛋白されていな
い通常の天然ゴムラテックスを使用してもよいが、あら
かじめ脱蛋白処理されたものを用いてもよい。すなわ
ち、本発明の微粒子天然ゴムの製造方法は、あらかじめ
蛋白分解処理を施した天然ゴムラテックスを遠心分離
し、こうして得られる漿液に、当該漿液中の微粒子天然
ゴム分が相分離するのに充分な量の無機塩(および必要
に応じて、漿液100mlに対して蛋白分解酵素0.0
1〜10g)を添加し、漿液から微粒子天然ゴム分をク
リーム分として分離する方法であってもよい。
【0020】蛋白分解処理を施したラテックスを遠心分
離して得られる漿液には分解蛋白質等が高濃度で含まれ
ており、不純物の少ない微粒子脱蛋白天然ゴムを回収す
るのは困難であった。このため、従来はかかる漿液を廃
棄処分していたが、上記の方法によれば、従来廃棄され
ていた脱蛋白天然ゴムラテックスの漿液から微粒子脱蛋
白天然ゴムを回収することができる。
【0021】上記のようにして漿液から分離されたクリ
ーム分は、通常、水に再分散したラテックスとして使用
される。
【0022】上記クリーム分を水に再分散することによ
り、天然ゴムラテックス(または脱蛋白処理が施された
天然ゴムラテックス)の漿液に含まれる微粒子天然ゴム
を、酸性ラテックスとしてではなく、アルカリ性のラテ
ックスとして回収できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の微粒子天然ゴムの製造方
法は、いずれも天然ゴムラテックスを遠心分離して得ら
れる漿液に所定量の無機塩を加えて、前記漿液に含まれ
る天然ゴム微粒子をクリーム分として回収するものであ
って、平均粒径が0.65μm以下、好ましくは0.6
μm以下の天然ゴム微粒子が得られる。
【0024】本発明に用いられる脱蛋白処理されていな
い天然ゴムラテックスとしては、市販のアンモニア処理
ラテックスでも、新鮮なフィールドラテックスのいずれ
であってもよい。
【0025】天然ゴムラテックスの漿液は、通常、天然
ゴムラテックスを1×105 〜1×107 rpmで30
分程度遠心分離して、分離したクリーム状のゴム分と沈
澱した不純物とを除去したものである。この漿液には、
上記天然ゴム微粒子のほか、蛋白質等の非ゴム成分を多
量に含んでいる。
【0026】本発明に用いられる脱蛋白処理された天然
ゴムラテックスの漿液としては、例えば特開平6−56
902号公報に開示の方法に従って脱蛋白処理した天然
ゴムラテックスを製造する際に得られる漿液が用いられ
る。すなわち脱蛋白天然ゴムラテックスの漿液には、例
えば上記のアンモニア処理ラテックスやフィールドラテ
ックスに蛋白分解酵素および界面活性剤を添加して蛋白
質を分解させた後、遠心分離によって繰り返し洗浄する
際に得られる漿液が用いられる。
【0027】ここで用いられる界面活性剤としては、陰
イオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤が挙げ
られる。
【0028】陰イオン系界面活性剤としては、例えばカ
ルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エ
ステル系等が挙げられる。
【0029】非イオン系界面活性剤としては、例えばポ
リオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸
エステル系等の界面活性剤が挙げられる。このうち、多
価アルコール脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤の
具体例としては、炭素数2〜12の多価アルコールの脂
肪酸エステルまたはポリオキシアルキレン多価アルコー
ルの脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる無機塩としては、例え
ば塩化ナトリウム(NaCl)、炭酸ナトリウム(Na2C
O3)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)、硫酸
ナトリウム(Na2SO4)、炭酸カリウム(K2CO3 )、硫酸
アルミニウム(Al2(SO4)3 )、硫酸アンモニウム((N
H4)2SO4 )、硫酸カリウムアルミニウム(AlK(S
O4)2 )、硫酸マグネシウム(MgSO4 )等があげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して
用いてもよい。
【0031】無機塩の添加量は特に限定されないが、無
機塩として塩化ナトリウムを用いる場合には、天然ゴム
ラテックスの漿液100mlに対して5〜20g、好ま
しくは5〜10gの範囲で添加するのが適当である。
【0032】一方、無機塩として炭酸ナトリウム、リン
酸水素二アンモニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウ
ムアルミニウム、硫酸マグネシウム等を用いる場合に
は、天然ゴムラテックスの漿液100mlに対して12
〜20g、好ましくは15〜20gの範囲で添加するの
が適当である。
【0033】無機塩の添加量が上記範囲を下回ると、微
粒子天然ゴム分と漿液とが相分離しなくなるおそれがあ
る。一方、無機塩を上記範囲を超えて添加しても、それ
に見合う効果はなく、逆にコストが高くなったり、微粒
子天然ゴム中に無機塩が多量に残存するおそれが生じ
る。
【0034】本発明においては、上記漿液に無機塩を添
加した後、クリーム状の微粒子天然ゴム分と漿液とを相
分離させるために12〜24時間程度静置するのが好ま
しい。
【0035】漿液から分離したクリーム分は、そのまま
微粒子天然ゴムとして使用したり、あるいは水に再分散
させてラテックスとして使用される。なお、漿液からク
リーム分を分離するために、必要に応じて遠心分離等の
他の分離手段を用いてもよい。
【0036】本発明に用いられる蛋白分解酵素としては
市販のアルカリプロテアーゼが使用可能であって、その
活性は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25A
PU/gの範囲にあるのが適当である。
【0037】酵素活性の測定は、アンソン−ヘモグロビ
ン法(Anson. M. L., J. Gen. Physiol., 22, 79 (193
8) )の改良法を用いた。すなわち、基質として用いる
尿素変性ヘモグロビンの終濃度が14.7mg/mlと
なるように調整した溶液中で、温度25℃、pH10.
5にて10分間反応させた後、反応溶液にトリクロロ酢
酸を終濃度が31.25mg/mlとなるように添加す
る。次いで、トリクロロ酢酸の可溶分をフェノール試薬
によって呈色させ、1モルのチロシンの呈色度を1AP
Uとした検量線により反応10分間当たりの活性を求
め、これを1分間当たりに換算することによって測定し
た。なお、1APUとは、1モルのチロシンがフェノー
ル試薬によって呈色するのと同じ呈色度のトリクロロ酢
酸可溶分量を1分間に与えるプロテアーゼの量のことを
示す。但し、酵素(アルカリプロテアーゼ)の活性測定
は、前記測定方法に限定されるものではない。
【0038】また、本発明における蛋白質分解酵素は前
記アルカリプロテアーゼに限定されるものではなく、例
えばリパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ
等の公知酵素と併用してもよい。これらの酵素の酵素活
性は0.1〜50APU/gの範囲にあるのが適当であ
る。なお、酵素活性の表示値はその測定方法や単位によ
って異なり、他の単位として例えばNPU(ノボ−プロ
テアーゼユニット)等がある。
【0039】漿液に蛋白分解酵素を添加する場合におい
て、蛋白分解酵素の添加量は、漿液100mlに対して
0.01〜10g、好ましくは0.04〜2gの範囲で
あるのが適当である。蛋白分解酵素の添加量が上記範囲
を下回ると、蛋白質の分解反応が不十分になって、脱蛋
白処理の効果が得られなくなるおそれがある。一方、蛋
白分解酵素を上記範囲を超えて添加しても、それに見合
う効果はなく、逆にコストが高くなったり、微粒子天然
ゴムラテックス中に蛋白分解酵素が多量に残存するおそ
れが生じるために好ましくない。
【0040】本発明において、漿液に蛋白分解酵素を添
加して脱蛋白処理を施す際には、蛋白分解酵素(プロテ
アーゼ)とともに界面活性剤を添加してもよい。界面活
性剤としては、陰イオン界面活性剤および非イオン界面
活性剤があげられる。
【0041】本発明において、天然ゴムラテックスの漿
液中に所定量の蛋白分解酵素を添加した場合には、漿液
の温度を室温〜40℃程度、特に37℃前後に調整し
て、12〜24時間静置するのが、蛋白分解処理の効果
を高めるという観点から好ましい。
【0042】
【実施例】
試験例1 (ラテックス形態の微粒子天然ゴムの製造)ハイアンモ
ニアラテックスの漿液(全固形分8.5%)100ml
に対し、表1に示す無機塩を同表に示す割合で添加し
て、37℃で24時間静置した。
【0043】その結果、漿液の上層にクリーム分が相分
離した。このクリーム分を取り出して蒸留水で希釈し
た。
【0044】無機塩の添加量は、漿液100mlに対し
て10g、12g、15gおよび20gの4段階で設定
し、無機塩の種類および添加量毎に、(1) 相分離の状
態、(2) 微粒子天然ゴムの回収率(%)および(3) 回収
した微粒子天然ゴムの平均粒径(μm)を求めた。
【0045】上記(1) の相分離の状態は、完全に相分離
したものを〇とし、相分離した割合が50〜90%程度
のものを△とし、50%未満のものを×とした。
【0046】上記(3) の微粒子天然ゴムの平均粒径は、
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所
(株)製の「LA−910型」)を用いて測定を行い、
体積基準表示での平均粒径(μm)を求めた。
【0047】以上の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 試験例2 (ラテックス形態の微粒子脱蛋白天然ゴムの製造)フィ
ールドラテックスの漿液(全固形分8.5%、乾燥ゴム
分5.8%)100mlに対し、表2および3に示す無
機塩を同表に示す割合で添加し、さらに蛋白分解酵素
(アルカリプロテアーゼ)を0.04g添加して、37
℃で24時間静置した。
【0049】その結果、漿液の上層にクリーム分が相分
離した。このクリーム分を取り出して蒸留水で希釈し
た。
【0050】無機塩の添加量は4段階で設定し、無機塩
の種類および添加量毎に前記(1) 〜(3) の評価・測定を
行った。さらに、(4) 回収した微粒子天然ゴムの窒素含
有量(N%)をケルダール法によって求めた。
【0051】以上の結果を表2および3に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】 試験例3 (ラテックス形態の微粒子脱蛋白天然ゴムの製造)脱蛋
白天然ゴムラテックスの漿液(全固形分5.8%)10
0mlに対し、表4に示す無機塩を同表に示す割合で添
加して、37℃で24時間静置した。
【0054】その結果、漿液の上層にクリーム分が相分
離した。このクリーム分を取り出して蒸留水で希釈し
た。
【0055】無機塩の添加量は前述と同様に4段階で設
定し、無機塩の種類および添加量毎に前記(1) 〜(4) の
評価・測定を行った。
【0056】以上の結果を表4に示す。
【0057】
【表4】 表1〜4より明らかなように、いずれの無機塩を用いた
場合にも、漿液中の微粒子天然ゴム分が相分離するのに
充分な量の無機塩を添加することにより、遠心分離等の
他の分離操作を施さずに、微粒子天然ゴム分をクリーム
分として回収することができた。
【0058】これに対し、無機塩の添加量が不十分であ
るとき(すなわち、充分な相分離が起こらなかったと
き)には、ゴム分を回収する際に蛋白質等の非ゴム成分
が多量に混入するという問題が生じた。
【0059】また、表2〜4より明らかなように、天然
ゴムラテックスの漿液中に無機塩とともに蛋白分解酵素
を添加したり、あらかじめ脱蛋白処理された天然ゴムラ
テックスを用いたときは、微粒子天然ゴムの窒素含有率
(N%)が0.02%以下と極めて低く、高電気絶縁
性、低吸水性およびアレルギーフリー等の性能を発現す
るのに充分な程度にまで脱蛋白処理がなされた。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
天然ゴムラテックスの漿液に含まれる微粒子天然ゴムを
容易にかつ高収率で回収することができ、高純度の微粒
子天然ゴムが得られる。
フロントページの続き (71)出願人 392029247 株式会社ヒガシ化学 大阪府八尾市若林町3丁目9番地 (72)発明者 田中 康之 東京都八王子市打越町1481−184 (72)発明者 ジッタラーダ タンパクディー 東京都小金井市中町2−24−16 東京農工 大学小金井国際交流会館203号 (72)発明者 宮本 芳明 兵庫県神戸市西区美賀多台1丁目3番地 2703 (72)発明者 林 正治 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 金丸 英次 栃木県栃木市国府町150 不二ラテックス 株式会社内 (72)発明者 三原 匡史 埼玉県北足立郡伊奈町小室2335番地 株式 会社興国ゴム技術研究所内 (72)発明者 越智 敦子 兵庫県明石市大久保町ゆりのき通1−1− 1 イーストスクエアIII番館1205

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴムラテックスを遠心分離して得られ
    る漿液に、当該漿液中の微粒子天然ゴム分が相分離する
    のに充分な量の無機塩を添加して、微粒子天然ゴム分を
    クリーム分として分離することを特徴とする微粒子天然
    ゴムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記漿液100mlに対して、さらに蛋白
    分解酵素を0.01〜10gの割合で添加する請求項1
    記載の微粒子天然ゴムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記天然ゴムラテックスが、あらかじめ脱
    蛋白処理されたものである請求項1または2記載の微粒
    子天然ゴムの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の方法によ
    り漿液から分離された前記クリーム分を水に再分散させ
    ることを特徴とする、ラテックス形態の微粒子天然ゴム
    の製造方法。
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