JPH1169989A - 水素製造方法 - Google Patents

水素製造方法

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JPH1169989A
JPH1169989A JP27732497A JP27732497A JPH1169989A JP H1169989 A JPH1169989 A JP H1169989A JP 27732497 A JP27732497 A JP 27732497A JP 27732497 A JP27732497 A JP 27732497A JP H1169989 A JPH1169989 A JP H1169989A
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JP
Japan
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starch
hydrogen
rhodobium
marinum
assimilating
Prior art date
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Pending
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JP27732497A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Miyamoto
和久 宮本
Kazumasa Hirata
收正 平田
Akiko Ike
晶子 池
Tomoko Murakawa
朋子 村川
Akio Toriyama
明夫 鳥山
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に水素製造出来る水素製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 デンプンを栄養源として供給して、デン
プン資化性かつ有機酸を生成可能なビブリオ・フルビア
リス(Vibrio fluvialis)、および、有機酸資化性かつ
水素生産可能なロドビウム・マリナム(Rhodobium mari
num )を共生させた共生菌群を培養し、水素を発生させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を用いた水
素製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物を用いた水素製造方法とし
ては、有機酸, 糖等の低分子量の炭素源を光合成細菌に
資化させて水素を製造する技術が知られている。また、
デンプンよりこのような低分子量の炭素源を得るために
は、デンプン資化性の菌を用いて、高分子のデンプンを
低分子化する工程を行い、得られた低分子量の炭素源を
光合成細菌に供していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の技術は、言い換えると、デンプンを栄養源として水
素を生産しようとする場合に、前記デンプン資化性の菌
を用いる低分子化の工程、低分子化した炭素源により、
水素生産菌を培養し水素を発生させるという工程の2つ
の工程を経なければならないという事情があった。とい
うのは、個々の微生物の培養条件は種々多様なため、そ
れぞれの微生物が効率よく目的物を生産する条件を統一
することが困難である為であるが、ことに高分子のデン
プンを低分子化する菌と水素を生産する菌の一方が海産
性のものであり他方が淡水性のものであるような場合、
塩分濃度の調整等に多大な労力を要するものであり、実
際的には、このような労力の軽減も求められているので
ある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記実状に鑑
み、簡便に水素製造出来る水素製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の水素製造方法の特徴構成は、デンプンを栄養
源として供給して、デンプン資化性かつ有機酸を生成可
能なビブリオ・フルビアリス(Vibrio fluvialis)、お
よび、有機酸資化性かつ水素生産可能なロドビウム・マ
リナム(Rhodobium marinum )を共生させた共生菌群を
培養し、水素を発生させる点にあり、前記ビブリオ・フ
ルビアリスが、ビブリオ・フルビアリスT−522(以
下単にT−522株と称する)であることが望ましく、
前記ロドビウム・マリナムが、ロドビウム・マリナムA
−501(以下単にA−501株と称する)であること
が望ましい。また、栄養源としてのデンプンは、藻体バ
イオマスであることが好ましい。
【0006】〔作用効果〕上述の経緯に基づき、本発明
者らが研究を重ねた結果、自然界において安定して機能
する共生体より抽出したビブリオ・フルビアリス、およ
び、ロドビウム・マリナムを共生させた共生菌群は、デ
ンプンを栄養源として、培養することができ、効率よく
水素生産できるという新知見を得た。つまり、上述の条
件下で効率よく個々の菌体が働き、ビブリオ・フルビア
リスが、デンプンを発酵し、その製造された有機酸をロ
ドビウム・マリナムが水素に変換する協働作業を行って
いるものと思われる。
【0007】実際には後述のように、本発明者らが独自
に発見したT−522株およびA−501株が好適に用
いられ、デンプンを効率よく資化して、水素ガスを発生
させられることになる。
【0008】種々の藻体バイオマスについて、デンプン
の蓄積能を調べたところ、表1に示すようになり、いず
れの場合にも良好なデンプン源になることがわかった。
【0009】
【表1】
【0010】尚、表中各菌株は、以下のものに対応す
る。 クラミドモナス:クラミドモナス・ラインハーディ(Ch
lamydomonas reinhardtii )、 クロレラ :クロレラ・ピレノイドーサ(Chlorell
a pyrenoidosa )、 ドナリエラ :ドナリエラ・ターチオレクタ(Dunali
ella tertiolecta)、
【0011】以下に、各菌株の性状を示す。 ○A−501株 ロドビウム・マリナム(旧称ロドシュードモナス・マリ
ナ(Rhodopseudomonasmarina ))は、FEMS Microbiolo
gy letters 36(1986)99-104等に示されるように、海産
性の紅色非硫黄細菌群に属する光合成細菌であり、耐塩
性を有し、海洋など高塩分環境に広く分布する。また、
光エネルギーを利用して窒素を固定する能力を有する。
乳酸をはじめとする種々の有機物を炭素源として水素を
生産する能力を持つ。A−501株は、16S rRN
Aの塩基配列を調べたところ、GenBankによるロ
ドビウム・マリナムのrRNAの配列にほぼ100%一
致し、ロドビウム・マリナムであることがわかった。
【0012】○T−522株ビブリオ・フルビアリス
は、ビブリオ科に属するグラム陰性通性嫌気性桿菌であ
り、河口域、海洋に広く分布する低度好塩性の細菌であ
る。T−522株は、API20E簡易同定キット(ビ
オメリュー(bioMerieux)社製)で同定したところ、各
試験に対する結果が表2のようになり、また、TCBS
ビブリオ選択培地(表3)による培養が可能であったこ
となどから、ビブリオ・フルビアリスであることがわか
った。
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】さらに、栄養源としてのデンプンを藻体バ
イオマスとしてあれば、デンプン質を分離回収・精製等
をすることなしに水素生産を行うことが出来、効率のよ
い水素生産が行えるので好ましい。尚、この場合、前記
共生菌群は、海産性であるから、海産性の藻体バイオマ
スを用いれば、海水中での培養操作のみとなって、培地
の調整等の操作も省略でき、培養に要する労力を軽減さ
せる上で有効であり、また、無尽蔵ともいえる海洋資源
を利用して大気中の炭酸ガスの固定化、さらには、エネ
ルギー問題の解消への途を提供することができる点から
も望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明者らが見いだしたT−52
2株と、A−501株を共生させた共生菌群を調整する
とともに、デンプンを供給して、その共生菌群を、33
0W/m2の光照射下デンプン培地で培養したところ、
図1に示すように良好にデンプンを消費し、それに伴
い、水素を発生させることが出来た。尚、水素発生量
は、培養条件下での発生ガスの総量を水上置換にて採取
し、ガスクロマトグラフィーにて水素濃度を求め、培地
1Lあたりの生成mol数に換算したもの(mmol/
L−culture)であり、デンプン量は、グルコー
ス換算重量での濃度(mg−glucose/L)を求
めた。また、共生菌群としては、A−501株と、T−
522株とを乾燥重量比で1:1で植菌し、M3培地に
て3日間培養したものを遠心分離により回収したものを
用いた。
【0017】尚、デンプン培地とは、表4中の主成分か
らなる培地をpH6.8に調整し、121℃、20分オ
ートクレーブ加熱した後、炭酸水素ナトリウム1.5
g、リン酸水素二カリウム750mg、リン酸二水素カ
リウム850mgおよびビタミン類を濾過滅菌して添加
することにより調整したものである。
【0018】
【表4】
【0019】また、前記M3培地とは、表5中の主成分
からなる培地をpH7.0に調整し、121℃、20分
オートクレーブ加熱した後、リン酸水素二カリウム75
0mgおよびリン酸二水素カリウム850mgを濾過滅
菌して添加することにより調整したものである。
【0020】
【表5】
【0021】
【実施例】
〔共生菌群の水素生産性〕A−501株にグルコースま
たはデンプンを供給して水素生産性を調べるとともに、
T−522株とA−501株とを共生させた共生菌群に
ついても同様に水素生産性を調べたところ、図2のよう
になった。
【0022】図2よりA−501株の培養条件下にT−
522株を共生させただけの共生菌群が、A−501株
単独使用の場合に比べてグルコースからの高い水素生産
性を示すことがわかり、かつ、A−501株単独では資
化出来なかったデンプンを、資化して効率よく水素生産
できるようになっていることがわかる。尚、前記T−5
22株を培養して、デンプンを資化して水素生産する能
力を調べたところ、極めて少ない水素生産量しか示さな
いことがわかった。(表6参照)
【0023】
【表6】
【0024】尚、上述の試験において、デンプンを用い
た場合には、先述のデンプン培地を用いたのに対し、グ
ルコースを用いる場合には、前記デンプン培地における
デンプンを等価なグルコース量に換算したグルコース換
算量として、4.5gのグルコースに置換した培地を用
いた以外、先述と同条件で試験を行った。
【0025】〔共生菌群の組成の水素生産性への影響〕
共生菌群のT−522株とA−501株の混合割合を変
化させた場合に、水素生産性を調べたところ、図3のよ
うになった。尚本発明において菌比率とは、培養液中の
各菌株の乾燥重量比である。
【0026】その結果、T−522株の割合を高くする
ほど水素生産初速度が速くなり、50時間以内における
水素生産性が高く、また、水素生産量は、A−501
株:T−522株=2:1のときに最大となり、供給炭
素源量あたりの水素生産量が高く、エネルギー変換効率
が高いものといえる。
【0027】〔別実施形態〕以下に別実施形態を説明す
る。先の実施の形態においては炭素源として通常のデン
プンを用いた例を示したが、クラミドモナス、クロレ
ラ、ドナリエラ、NOA118等の藻体バイオマスを通
常のデンプンに替えて用いることもできる。GL培地に
て3日間培養したA−501株と、LBバッファー培地
にて4時間培養したT−522株とを、遠心分離により
回収して、乾燥重量比で、1:2になるように調節した
ものを、下表7に示す藻体バイオマスを主成分とする培
地に植菌してその共生菌群を、330W/m3 の光照射
下に培養したところ、図4にのようになった。尚、GL
培地、LBバッファー培地とは、それぞれ表8,9に示
すものである。
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】この結果、藻体バイオマスを栄養源として
も良好な水素生産性を示すことが分かった。尚、藻体バ
イオマスとして、クラミドモナスを用いた場合にドナリ
エラを用いた場合に比べて水素生産性が低いように思わ
れるが、クラミドモナスの培養条件、回収時期等の調整
により、共生菌群による資化性を向上させることが出
来、水素生産収率を向上させることが出来ると考えられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】デンプンからの水素生産性を示すグラフ
【図2】共生菌群とA−501株の水素生産性の相違を
示すグラフ
【図3】共生菌群の比率の相違による水素生産性を示す
グラフ
【図4】藻体バイオマスからの水素生産性を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥山 明夫 茨城県竜ケ崎市向陽台5丁目6番 株式会 社クボタ基盤技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デンプンを栄養源として供給して、デン
    プン資化性かつ有機酸を生成可能なビブリオ・フルビア
    リス(Vibrio fluvialis)、および、有機酸資化性かつ
    水素生産可能なロドビウム・マリナム(Rhodobium mari
    num )を共生させた共生菌群を培養し、水素を発生させ
    る水素製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ビブリオ・フルビアリスが、ビブリ
    オ・フルビアリスT−522(大阪大学微生物病研究所
    寄託、受託番号RIMD2220048)である請求項
    1に記載の水素製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ロドビウム・マリナムが、ロドビウ
    ム・マリナムA−501(生命工学工業技術研究所寄
    託、FERM P−16275)である請求項1〜2の
    いずれか1項に記載の水素製造方法。
  4. 【請求項4】 栄養源としての前記デンプンが藻体バイ
    オマスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素
    製造方法。
JP27732497A 1997-06-20 1997-10-09 水素製造方法 Pending JPH1169989A (ja)

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JP9-163685 1997-06-20
JP16368597 1997-06-20
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Cited By (2)

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