JPH1169965A - デュアル構造のフィルタを備えたシガレット - Google Patents

デュアル構造のフィルタを備えたシガレット

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JPH1169965A
JPH1169965A JP10160297A JP16029798A JPH1169965A JP H1169965 A JPH1169965 A JP H1169965A JP 10160297 A JP10160297 A JP 10160297A JP 16029798 A JP16029798 A JP 16029798A JP H1169965 A JPH1169965 A JP H1169965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】減少したCO/タール比を呈し、かつ香喫味に
優れたデュアル構造のフィルタを備えたシガレットを提
供する。 【解決手段】デュアル構造のフィルタ付を備えたシガレ
ット10は、長さ方向に沿って上流側に配置された第1
フィルタ要素13および下流側に配置された第2フィル
タ要素14で構成されたフィルタ11、フィルタ11の
上流側に配置されたたばこロッド12、およびたばこロ
ッド12の一部およびフィルタ11の周面を覆いかつ複
数のベンチレーション孔20がフィルタ11の周方向に
沿って少なくとも一列に形成されているチップペーパー
19を備える。第2フィルタ要素14の単位長さ当たり
の通気抵抗は、第2フィルタ要素14のそれの2倍以上
であり、チップペーパー19からの空気流入割合は、2
0%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デュアル構造のフ
ィルタを備えたシガレットに係り、特には、十分な吸い
ごたえを有するとともに、主流煙中のCO/タール比の
低減を図ることもできる、デュアル構造のフィルタを備
えたシガレットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、喫煙者の嗜好の変化に伴い、低ニ
コチンかつ低タールのシガレットが要望されている。そ
こで、たばこロッドとフィルターとを接続するいわゆる
チップペーパーにフィルタの周方向に沿って複数の開孔
(ベンチレーション孔)を穿設することが行われてい
る。吸煙時に、これら開孔から空気がフィルタ内に流入
し、チップペーパーからの空気流入割合(フィルタベン
チレーション割合ともいう)が高くなる。空気流入割合
が高くなると、主流煙中の空気量が多くなり、相対的に
ニコチンおよびタールの濃度が低くなる。
【0003】しかしながら、空気流入割合が高いと、シ
ガレット製品の吸引抵抗(製品通気抵抗)が低下するた
め、喫煙時の吸いごたえがなくなり、製品本来の味を維
持できない。
【0004】他方、現在市販されているフィルタ付きシ
ガレットは、タール量が通常1mg/本から15mg/
本であり、CO/タール比(すなわち、主流煙中に含ま
れる一酸化炭素(CO)の対タール重量比)は、一般的
に1以上であり、CO/タール比が約1.5と高いシガ
レットも市販されている。近年、このCO/タール比を
1未満に低減したシガレットが要望されている。
【0005】CO/タール比を低減するための手法とし
て、タール濾過効率の低いフィルタを使用するととも
に、フィルタ通気度を増大させる方法がある。タール濾
過効率の低いフィルタを用いると、主流煙中のタールが
高くなりCO/タール比が低下する。また、フィルタ通
気度を増大させると、たばこの燃焼量が減少してタール
が減少するが、CO/タール比は実質的に変化しない。
従って、両者を組み合わせることにより、主流煙中のタ
ール量を所望の値に維持したまま、CO/タール比を低
減させることができる。
【0006】しかし、この方法も、シガレットの製品通
気抵抗を低くさせる。
【0007】特に、フィルタ通気を有する(すなわち、
チップペーパーに開口を設ける等フィルタの側面から空
気を流入させる手段を有する)シガレットの場合、良好
な味を保持するためには90〜130mmH2 Oの製品
通気抵抗が必要とされているが、上述の方法によりCO
/タール比を低減させたシガレットは製品通気抵抗が9
0mmH2 Oに達しないため喫味が悪くなってしまう。
【0008】また、CO/タール比を低減させる別の手
法として、特開昭62−175162号公報には、フィ
ルタ要素としてポリエチレンフィルム等のプラスチック
フィルムのような特殊素材を使用するフィルタが開示さ
れている。また、特公平4−16151号公報には、C
ODフィルタと呼ばれる、先端がクリンプされたプラス
チック製の管状内側部材を有するフィルタのように特殊
素材および特殊構造のフィルタが提案されている。これ
らのフィルタはCO/タール比を低減させることができ
るが、特殊素材や特殊構造を採用するため製造コストが
高くなり、また、製造も難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、第
1に、特殊な素材や構造を採用することなく、ニコチン
およびタールを低減された濃度で主流煙中に有し得るに
もかかわらず、十分な吸いごたえを呈するフィルタ付き
シガレットを提供することを課題とする。
【0010】本発明は、第2に、CO/タール比が1未
満でありながら、満足し得る製品通気抵抗を有するフィ
ルタ付きシガレットを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべくデュアル構造のフィルタに着目し、これに
つき鋭意研究した。デュアル構造のフィルタは、当該分
野において周知の通り、吸煙したときの主流煙の流れ方
向において上流側(本明細書において、単に、上流側と
いうことがある。)に配置された第1フィルタ要素と、
吸煙したときの主流煙の流れ方向において下流側(本明
細書において、単に、下流側ということがある。)に配
置された第2フィルタ要素とからなるフィルタである。
従来のデュアル構造のフィルタを備えたシガレットにお
いては、第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗
と第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗とが実
質的に等しいか、あるいは第2フィルタ要素の単位長さ
当たりの通気抵抗が第1フィルタ要素の単位長さ当たり
の通気抵抗よりも低いものであった。
【0012】しかしながら、本発明者らは、意外にも、
第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗を第1フ
ィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗よりも有意に大
きくすることにより、ベンチレーション孔が穿設された
チップペーパーからの空気流入割合を高めた場合でも、
シガレットの製品通気抵抗を有意に増加させることがで
き、もって十分な吸いごたえを呈するシガレットを提供
し得ることを見出した。この知見に基づき、さらに研究
を進めた結果、デュアル構造のフィルタの第2フィルタ
要素の単位長さ当たりの通気抵抗を第1フィルタ要素の
単位長さ当たりの通気抵抗の2倍以上大きくし、チップ
ペーパーからの空気流入割合を20%以上とすることに
より、上記第1の課題を解決し得ることを見出し、本発
明を完成した。そして、特に、第2フィルタ要素の単位
長さ当たりの通気抵抗が第1フィルタ要素の単位長さ当
たりの通気抵抗の2.5ないし10倍であり、チップペ
ーパーからの空気流入割合が20ないし85%であり、
空気流入手段がフィルタの上流端から4mmないし下流
端から10mmの範囲内に開孔位置を有すると、CO/
タール比を1未満とし、かつ製品通気抵抗を90ないし
130mmH2 Oとすることができることがわかった。
【0013】すなわち、本発明は、第1フィルタ要素お
よび該第1フィルタ要素の下流側に配置された第2フィ
ルタ要素により構成されたデュアル構造のフィルタ、前
記フィルタの上流側に配置されたたばこロッド、および
前記たばこロッドの下流端部と前記フィルタの周面とを
覆い、かつ前記フィルタの周方向に沿って少なくとも1
列に穿設された複数の開孔(ベンチレーション孔)から
なる空気流入手段を有するチップペーパーを具備し、前
記第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗が前記
第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗の2倍以
上大きく、前記チップペーパーからの空気流入割合が2
0%以上であることを特徴とする、デュアル構造のフィ
ルタを備えたシガレットを提供する。
【0014】本発明において、チップペーパーからの空
気流入割合は、35%以上であることが好ましく、60
ないし85%であることがより好ましい。
【0015】また、本発明において、第2フィルタ要素
の単位長さ当たりの通気抵抗は、第1フィルタ要素の単
位長さ当たりの通気抵抗の2ないし7倍大きいことが好
ましい。
【0016】さらに、本発明において、空気流入手段
は、第1フィルタ要素に対応する領域内に開孔位置を有
することが好ましく、フィルタの上流端から4mmない
し下流端から10mmまでの範囲内に開孔位置を有する
ことがより好ましい。
【0017】本発明において、第2フィルタ要素の単位
長さ当たりの通気抵抗が第1フィルタ要素の単位長さ当
たりの通気抵抗の2.5ないし10倍であり、チップペ
ーパーからの空気流入割合が20ないし85%であり、
空気流入手段がフィルタの上流端から4mmないし下流
端から10mmまでの範囲内に開孔位置を有すると、1
未満のCO/タール比および90ないし130mmH2
Oの製品通気抵抗をより一層確実に達成することができ
る。その場合、第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通
気抵抗が、第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵
抗の3ないし7倍であり、および/またはチップペーパ
ーからの空気流入割合が、30ないし85%であること
が好ましい。
【0018】本発明においては、通常のシガレットと同
様に、フィルタの長さは、15ないし40mmであり
得、フィルタの円周は、20ないし27mmであり得
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0020】図1は、全体的にほぼ円柱状の形態にあ
る、本発明のデュアル構造のフィルタを備えたシガレッ
ト(以下単にシガレットということがある)の一実施形
態を示す一部展開斜視図である。図1に示すシガレット
10は、フィルタ11およびたばこロッド12を具備す
る。フィルタ11とたばこロッド12とは、チップペー
パー19により接続されている。
【0021】フィルタ11は、長さ方向に沿って上流側
に配置された第1フィルタ要素13および下流側に配置
された第2フィルタ要素14とからなる。
【0022】第1および第2フィルタ要素13および1
4は、それぞれ、繊維素材15および16によって構成
され、これら繊維素材15および16は、互いに同じ繊
維素材であっても異なる繊維素材であってもよい。繊維
素材は、セルロースアセテート、ポリプロピレン、レイ
ヨン等の長繊維のトウや、粉砕パルプ、リンター、クレ
ープ加工糸等であり得る。好ましくは、第1および第2
のフィルタ要素13,14は、香喫味の点から、セルロ
ースアセテート繊維、または特公昭44−13788号
公報記載のたばこフィルタ用乾式不織布で形成される。
簡単に説明すると、後者の不織布は、酢酸ビニルと、ア
クリル酸エステルと、アミノ基、アミド基、メチロール
基および/またはカルボキシル基を含有するビニル単量
体(例えば、2−アミノメチルビニルエーテル、5−ア
ミノベンジルビニルエーテル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキ
シメチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸等)と
の自己架橋性共重合体樹脂をO/W型エマルジョンまた
は溶液の形態で、湿式パルプウエブに、好ましくは該ウ
エブ重量の5ないし40%の樹脂の割合で、噴霧し、乾
燥させることにより得られる。乾燥により、樹脂は熱硬
化される。
【0023】特に、第1フィルタ要素13が、単繊維繊
度が5デニール以上のY型繊維断面形状のセルロースア
セテート繊維のトウからなり、かつ第2フィルタ要素1
4が単繊維繊度が2デニール以下のY型繊維断面形状の
セルロースアセテート繊維のトウからなる場合、現行の
設備で製造できる点で好ましい。
【0024】図1に示すシガレットにおいては、第1お
よび第2フィルタ要素13および14は、上述の繊維素
材15および16がラッパー17および18でそれぞれ
覆われて円柱状プラグとして提供されている。ラッパー
17および18は、空気透過性を有する多孔性材料また
は複数の孔を有する物質からなり得、例えば通常の通気
性巻紙からなり得る。そのよう巻紙は、通常、1000
ないし50000mL/cm2 ・分・100mmH2
の通気度を有し得る。しかしながら、ラッパー17,1
8のうちの一つは、空気不透過性であってもよい。空気
不透過性のラッパーは、当該分野でよく知られている。
なお、第1および第2フィルタ要素13,14は、ラッ
パー17,18により巻装することなく、チップペーパ
ー19により直接巻装されていてもよい。
【0025】第1および第2フィルタ要素13,14
は、それらを構成する繊維素材が第1および第2フィル
タ要素13,14の長さ方向および全横断面に渡って実
質的に均一であることが、現行の製造設備を用いて容易
に製造できる点で好ましい。
【0026】第1フィルタ要素13および第2フィルタ
要素14は互いに接して配置されてもよいし、図1に示
すように長さ方向に離間して配置されてもよい。後者の
場合、第1フィルタ要素13および第2フィルタ要素1
4の間に形成された間隙には、活性炭(図示せず)を装
填することができる。また、第1フィルタ要素に活性炭
を装填することもできる。
【0027】本発明において、ラッパー17,18でそ
れぞれ個別に巻装された第1フィルタ要素13および第
2フィルタ要素14をさらに第2のラッパーで一体的に
覆い、両フィルタ要素を連結してもよい。この第2のラ
ッパーは、空気透過性を有する多孔性材料または孔を有
する材料からなり、例えば、上記ラッパー17,18用
の通気性巻紙と同様の通気性巻紙からなり得る。
【0028】このようなデュアル構造のフィルタ11の
上流側には、第1のフィルタ要素13と接して、たばこ
ロッド12が、フィルタ11の長さ方向に配置されてい
る。このたばこロッド11は、通常のシガレットに用い
られるものであるが、具体的には、たばこ刻みのような
たばこ材料を通常の通気性巻紙で巻き上げて形成するこ
とができる。この巻紙は、通常、10ないし200mL
/cm2 /分/100mmH2 Oの通気度を有し得る。
たばこロッドの側面を塞ぐことなく、その一端から1
7.5cm3 /秒の流量で吸引したときの差圧であるた
ばこロッドの通気抵抗は、通常、35ないし100mm
2 Oである。
【0029】このたばこロッド12の下流端部周面およ
びフィルタ11の全周面は、チップペーパー19により
巻装されている。チップペーパー19の材質は、通常の
シガレットに使用されているものであれば特に限定され
ない。例えば、空気不透過性のチップペーパーを利用す
ることができる。
【0030】チップペーパー19には、フィルタの周方
向に沿って少なくとも1列に穿設された複数の開孔(ベ
ンチレーション孔)20からなる空気流入手段が設けら
れている。図1のシガレットにおいては、空気流入手段
は、1列のベンチレーション孔からなる。しかしなが
ら、空気流入手段は、2列以上に穿設された複数のベン
チレーション孔からなることもできる。
【0031】ベンチレーション孔20は、当該分野で知
られている機械的または電気的手段あるいはその他の手
段のいずれによっても穿設することができる。より具体
的には、ベンチレーション孔20をチップペーパー19
に機械的または電気的に形成した後、このチップペーパ
ー19をフィルタ11およびたばこロッド12の下流端
部の周面に巻き、その端部で接着することができる。あ
るいは、ベンチレーション孔20がまだ形成されていな
いチップペーパー19をフィルタ11およびたばこロッ
ド12の周面に巻き、その端部を接着した後に例えばレ
ーザーでベンチレーション孔20を形成することもでき
る。穿設された複数の開孔が形成されたチップペーパー
の通気度は、通常、100ないし7000mL/cm2
/分/100mmH2 Oである。
【0032】さて、本発明のシガレットにおいて、第2
フィルタ要素14の単位長さ当りの通気抵抗は、第1フ
ィルタ要素13のそれよりも2倍以上大きく、かつ空気
流入手段を設けたチップペーパー19からの空気流入割
合は20%以上である。
【0033】本発明において、(第1または第2)フィ
ルタ要素の通気抵抗とは、フィルタ要素をその側面から
空気が流入しないように空気不透過性のゴムで覆い、そ
の一端から17.5cm3 /秒の流量で吸引したときの
フィルタ要素における差圧PD(mmH2 O)である。
フィルター通気抵抗(開)とは、フィルター付きシガレ
ットをたばこロッドとフィルタ部との接触面で切断分離
し、その分離したフィルタ部を開孔を塞ぐことなくその
一端から17.5cm3 /秒の流速で吸引したときのフ
ィルタ部の差圧であり、FAPR(開)と略称される。
フィルタ通気抵抗(閉)とは、上記分離されたフィルタ
ー部を開孔部から空気が流入しないように空気不透過性
のゴムで覆い、その一端から17.5cm3 /秒の流速
で吸引したときのフィルタ部の差圧であり、FAPR
(閉)と略称される。
【0034】また、空気流入割合またはフィルタベンチ
レーション割合(Vf)とは、フィルタ付きシガレット
製品を標準流量17.5cm3 /秒で吸煙したときの吸
口端におけるガス(煙と空気の混合物)の流量に対す
る、(空気流入手段を有する)チップペーパーを通じて
シガレット製品内部に取り入れられた空気の流量の比を
百分率で表わしたものである。
【0035】本発明に従い、第2フィルタ要素14の単
位長さ当りの通気抵抗を第1フィルタ要素13のそれよ
りも2倍以上に設定し、かつ開孔チップペーパー19か
らの空気流入割合を20%以上に設定することによっ
て、主流煙中のニコチンおよびタールの濃度が低下する
(空気流入割合が20%以上と高いので)にもかかわら
ず、十分な吸いごたえを呈するデュアル構造のフィルタ
を備えたシガレットが提供されるのである。本発明のシ
ガレットは、1.0未満のCO/タール比、および90
ないし130mmH2 Oの製品通気抵抗を示し得る。
【0036】本発明において、製品通気抵抗とは、シガ
レット製品のチップペーパーに穿設されたベンチレーシ
ョン孔を塞ぐことなく流量17.5cm3 /秒で吸引し
たときのシガレット製品の差圧(mmH2 O)であり、
PAPRと略称される。このようにベンチレーション孔
を開放した状態で測定した製品通気抵抗を、特に、製品
通気抵抗(開)またはPAPR(開)として示すことが
ある。
【0037】フィルタ要素の通気抵抗あるいはPDは、
当該分野でよく知られているように、繊維素材の繊維径
や充填量を適切に選択することにより調節することがで
きる。また、フィルタベンチレーション割合Vfは、ベ
ンチレーション孔のサイズ、数および/または列の数を
適切に選択することにより調節することができる。
【0038】本発明においては、第2フィルタ要素の単
位長さ当りの通気抵抗もしくはPD/第1フィルタ要素
の単位長さ当りの通気抵抗もしくはPDの比(以下、
「フィルタ要素PD比」、またはより簡単に「PD比」
ということがある。)は、2ないし7であることがより
好ましく、また空気流入割合Vfは、35%以上である
ことが好ましく、60ないし85%であることがより好
ましい。この場合、本発明によれば、1本あたりのター
ル量が1〜3mgのいわゆる低タールシガレットにおい
て、高い空気流入割合を維持しつつ製品通気抵抗を有意
に増加(例えば、通常のデュアル構造のフィルタ付きシ
ガレットに対して10mmH2 O以上)させることがで
きるので、低タールでかつ十分な吸いごたえを呈するシ
ガレットを提供できる。しかしながら、本発明は、低タ
ールシガレットに限らず、1本あたりのタール量が4〜
10mgの中タールシガレットについても、空気流入割
合を35〜60%に設定して、製品通気抵抗を有意に増
加させることができる。
【0039】さらに、本発明において、空気流入手段
は、第1フィルタ要素に対応する領域内において開孔位
置を有することが好ましい。以下、図2(A)〜(C)
を参照してその理由を説明する。
【0040】モデルとして、フィルタ長さ25mm、第
1フィルタ要素13の長さ10mm、第2フィルタ要素
14の長さ15mm、第1フィルタ要素13の通気抵抗
25mmH2 O、第2フィルタ要素の通気抵抗75mm
2 O、フィルタ要素PD比2.0のフィルタ11を想
定する。このフィルタ11の周囲はチップペーパー19
で覆われている。
【0041】図2(A)に示すように、このフィルタ1
1にてチップペーパー19にベンチレーション孔20を
設けずに、フィルタ11の吸口から一定流量で吸引を行
った場合、フィルタ11への空気流入は、フィルタ11
の上流端から100%行われる。この結果、フィルタ1
1のフィルタ通気抵抗(閉)(FAPR(閉))は、第
1フィルタ要素13および第2フィルタ要素14の通気
抵抗の合計すなわち100mmH2 Oとなる。
【0042】次に、図2(B)に示すように、フィルタ
11の上流端から10mmの位置、言い換えれば、第1
フィルタ要素13と第2フィルタ要素14の接続箇所に
対応するチップペーパー19の部位にベンチレーション
孔20を設け、このベンチレーション孔20からの空気
流入割合を50%に設定し、フィルタ11の吸口端から
一定量で吸引を行った場合、フィルタ11への空気流入
は、その50%だけがフィルタ11の上流端から行われ
る。この結果、第1フィルタ要素13の見かけ上の通気
抵抗は12.5mmH2 Oに下がるので、フィルタ11
のFAPR(開)は、87.5mmH2 Oとなる。
【0043】これに対して、図2(C)に示すように、
フィルタ11の上流端から5mmの位置、言い換えれ
ば、第1フィルタ要素13の長手方向の中心に対応する
チップペーパー19の部位にベンチレーション孔20を
設け、このベンチレーション孔20からの空気流入割合
を50%に設定し、フィルタ11の吸口から一定量で吸
引を行った場合、フィルタ11への空気流入は、その5
0%だけがフィルタ11の上流端から行われ、第1フィ
ルタ要素13の開孔位置より上流側では見かけ上の通気
抵抗が6.25mmH2 Oとなり、一方、第1フィルタ
要素13の開孔位置よりも下流側では、ベンチレーショ
ン孔20から空気流入により見かけ上の通気抵抗が1
2.5mmH2 Oとなる。この結果、フィルタ11のF
APR(開)は、93.75mmH2 Oとなる。製品通
気抵抗は、たばこロッドの見かけ上の通気抵抗とFAP
R(開)の和である。図2(B)と図2(C)のたばこ
ロッドの見かけ上の通気抵抗は同じである。従って、図
2(C)のFAPR(開)が図2(B)のFAPR
(開)より増加しているという結果は、製品通気抵抗に
も適用できる。
【0044】このように、ベンチレーション孔20の開
孔位置を第1フィルタ要素に対応するチップペーパーの
部位に設定することにより、ベンチレーション孔20の
開孔位置を第1フィルタ要素13および第2フィルタ要
素14の接続箇所の直上およびそれよりも下流側にした
場合に比べて、シガレット10の製品通気抵抗をより増
加させることが可能である。
【0045】なお、開孔位置とは、チップペーパー19
に形成されたベンチレーション孔の、フィルタ11の長
さ方向の位置である。図1に示すように周方向の複数の
ベンチレーション孔が1列で形成されている場合には、
開孔位置は、ベンチレーション孔20の中心の位置であ
る。空気流入手段が、複数列の開孔からなる場合、その
開孔位置は、最も離れた2つの列の間のフィルタの長さ
方向における中心位置である。
【0046】より具体的には、チップペーパー19のベ
ンチレーション孔20の開孔位置は第1フィルタ要素に
対応する領域内であって、しかもフィルタ11の上流端
から4mmないし下流端(吸口端)から10mmまでの
範囲内にあることが好ましい。開孔位置がフィルタ11
の上流端から4mm未満の領域にある場合には、チップ
ペーパー19にベンチレーション孔20を形成した後に
フィルタ10およびたばこロッド12の周囲に接着する
ときに、フィルタ10およびたばこロッド12の接続の
ための接着剤をフィルタ11の上流端の近くに塗布でき
なくなり、シガレット11の機械的強度が著しく低下し
てしまうからである。また、開孔位置がフィルタ11の
下流端から10mm未満の位置にある場合には、製品通
気抵抗をより増加させる効果を発揮し得ないおそれがあ
り、さらに喫煙時にベンチレーション孔20が唇で塞が
れてしまうおそれがある。
【0047】さて、本発明において、フィルタ要素PD
比を2.5ないし10に設定し、チップペーパー19か
らの空気流入割合を20ないし85%に設定し、しかも
ベンチレーション孔からなる空気流入手段をその開孔位
置がフィルタの上流端から4mmないし下流端から10
mmの範囲内の領域にあるように設けることにより、C
O/タール比を1未満とし、かつ製品通気抵抗を90な
いし130mmH2 Oとすることがより一層確実に行え
得ることがわかった。この場合、フィルタ要素PD比
は、3ないし7であることがより好ましく、また、空気
流入割合Vfは、30ないし85%であることがより好
ましい。
【0048】本発明において、第1フィルタ要素は、1
ないし4mmH2 O/mmの通気抵抗を有し得る。
【0049】また、本発明において、フィルタ11は、
通常のフィルタ付きシガレットにおけるフィルタと同
様、15ないし40mmの全長、および20ないし27
mmの円周を有し得る。
【0050】このように、本発明のデュアル構造のフィ
ルタ付きシガレットは、CO/タール比を1.0未満に
低減すること、および、製品通気抵抗を90mmH2
以上に維持すること、という一般的には両立できない要
求を同時に達成し得る。
【0051】また、本発明のデュアル構造フィルタ付き
シガレットは、特殊な繊維素材や特殊な構造を利用する
必要がないため、製品コストの増大を抑制できる。
【0052】
【実施例】以下、本発明のデュアル構造フィルタ付きシ
ガレットの効果を確認するために行った試験について説
明する。
【0053】実験I 表1に示すロット番号I−1〜I−7の試料シガレット
を以下の通り試作した。
【0054】第1フィルタ要素および第2フィルタ要素
は、それぞれ、表1に示す単繊維重量、繊維断面形状お
よびトウ全重量を持つセルロースアセテートトウを、同
じく表1に示す通気度を持つ第1のラッパーで覆い、プ
ラグ状に成形して得た。得られた第1および第2フィル
タ要素の各長さおよび各通気抵抗を表1に示す。
【0055】これらの第1フィルタ要素および第2フィ
ルタ要素を、それぞれ、長手方向に沿って上流側および
下流側に配置し、第2のラッパーで巻装してフィルタと
した。これらのフィルタ(仕上品)のフィルタ要素PD
比、第2のラッパー通気度およびフィルタ(仕上品)の
通気抵抗(閉)を表1に示す。
【0056】別途用意したたばこロッドの一部と各フィ
ルタの周面を、同じく表1に示す通気度、ベンチレーシ
ョン孔列数およびZCを備えたチップペーパー(幅30
mm)で覆い、ロット番号I−1〜I−7の試料シガレ
ットを得た。なお、「ZC」とは、フィルタ吸口端から
開孔位置までの距離をいう。
【0057】なお、フィルタおよびチップペーパー以外
の試料シガレットの特性は、通常のシガレットの規格に
準じた。すなわち、刻みには、シガレット用ブレンド刻
みを用い、刻みの充填量は1本当たり703mgとし
た。また、たばこロッド用の巻紙としては、通気度24
mL/cm2 /分/100mmH2 Oのものを用いた。
また、試料シガレットの設計は、たばこロッド長59m
m、フィルタ長さ25mm、周囲長24.8mm、チッ
プペーパー幅30mmとした。
【0058】これらのロット番号I−1〜I−17の試
料シガレットは、温度22℃、湿度60%RHの条件下
で48時間以上調和させた。調和後の全シガレットにつ
いてシガレット品質測定器を用いて重量、製品通気抵
抗、およびVfを測定し、それぞれ平均値を算出し、平
均重量±10mg、平均製品通気抵抗±5mmH2 O、
平均Vf±2%の基準を満たすものを選別し、実験に供
した。
【0059】
【表1】
【0060】以上のような試料シガレットI−1〜I−
7について、フィルトローナ(Filtrona)社製8本掛け
喫煙器を用いて、標準喫煙条件で、製品通気抵抗、空気
流入割合(Vf)、ニコチン、タール、COガスのデリ
バリー量およびパフ回数を測定した。また、得られた測
定値からCO/タール比を求めた。
【0061】以上の結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2から明らかなように、空気流入割合
(Vf)が35%と低く、ZCが14mmである場合、
フィルタ要素PD比が4.1であるロット番号I−2の
試料シガレットは、フィルタ要素PD比が1.0である
ロット番号I−1の試料シガレットに比べて、PAPR
が増加し、CO/タール比が0.96から0.94に低
減された。
【0064】また、空気流入割合(Vf)が75または
76%の高い割合でZCが14mmの場合、フィルタ要
素PD比が2.0および6.8であるロット番号I−
5、I−6の試料シガレットは、フィルタ要素PD比が
0.5および1.0であるロット番号I−3、I−4の
試料シガレットに比べて、PAPRが増加し、かつ、C
O/タール比が低減された。
【0065】以上の結果から、フィルタ要素PD比が
2.0以上、すなわち第2フィルタ要素の単位長さあた
りの通気抵抗が第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通
気抵抗の2倍以上であるときには、フィルタ要素PD比
が1.0、すなわち第1フィルタ要素および第2フィル
タ要素の単位長さあたりの通気抵抗が等しい場合や、フ
ィルタ要素PD比が0.5、すなわち第1フィルタ要素
の単位長さあたりの通気抵抗が第2フィルタ要素の単位
長さ当たりの通気抵抗の2倍である場合に比べ、製品通
気抵抗を増加させることができるとともに、CO/ター
ル比を低減できることがわかった。また、フィルタ要素
PD比が大きいほど製品通気抵抗の増加が大きくなり、
かつ、CO/タール比の低減率が高くなることがわかっ
た。
【0066】次に、フィルタ要素PD比がそれぞれ6.
8および6.7と実質的に等しく、ZCがそれぞれ14
mmおよび19mmであるロット番号I−6およびI−
7の試料シガレットについて比較すると、ZCが第2フ
ィルタ要素の長さ(15mm)より大きい、すなわちベ
ンチレーション孔が第1フィルタ要素側にあるロット番
号I−7の試料シガレットでは、ZCが第2フィルタ要
素の長さ(15mm)よりも小さいロット番号I−6の
試料シガレットに比べ、製品通気抵抗がより増加し、か
つ、CO/タール比がより低減された。
【0067】実験II (A)シミュレーション CO/タール比が低くかつ製品通気抵抗を高く維持する
こと、すなわち、高通気抵抗・低濾過特性を発現し得
る、デュアル構造のフィルタ付きシガレットについて、
シミュレーションを用いて検討した。
【0068】フィルタの通気抵抗とタール濾過率の予測
には、一般的なデュアル構造フィルタについての予測式
が適用できる。
【0069】周囲からの空気流入がない場合、フィルタ
内を流れる流体の流量Q(cm3 /秒) と通気抵抗ΔP
(cmH2 O)の関係は、次式(1)で表されるダルシ
ーの法則に従うことが知られている(Fordyce, W. B.,
I. W. Hughes and M. G. Ivinson; Tob. Sci.,75, 20-2
5 (1961))。
【0070】 ΔP=λ・L(Q/A) (1) ここで、λ(cmH2 O・秒/cm2 )は、フィルタの
インピーダンス係数、L(cm)はフィルタの長さ、A
(cm2 )はフィルタの断面積を示す。
【0071】一方、円周2.47cm、長さ2.5cm
のセルロースアセテートフィルタのタール濾過率E0
簡易的に次式(2)で示すDWYERの実験式で表され
る。
【0072】
【数1】
【0073】従って、長さLのフィルタのタール濾過率
Eは、対数透過則を適用することにより次式(3)で求
められる。 E=1−(1−E0 L/2.5 (3)
【0074】デュアル構造のフィルタは、第1フィルタ
要素および第2フィルタ要素の通気抵抗の違いおよびベ
ンチレーション孔によるフィルタ内流量変化を考慮する
と3つの領域に区分される。それぞれの領域における通
気抵抗およびタール透過率を、ΔP1 ,ΔP2 ,ΔP3
およびE1 ,E2 ,E3 とすると、デュアル構造のフィ
ルタの通気抵抗ΔPT とタール濾過率ET は次式(4)
および(5)によりそれぞれ表される。 ΔPT =ΔP1 +ΔP2 +ΔP3 (4) ET =1−(1−E1 )(1−E2 )(1−E3 ) (5)
【0075】以上のように導かれた式(1)〜(5)
を、通常のシガレットの燃焼特性と組み合わせて、製品
通気抵抗、パフ回数、タール、ニコチン、COガスの量
を予測した。なお、このシミュレーションにおいて、フ
ィルタの通気抵抗(FAPR(閉))とフィルタベンチ
レーション割合(Vf)は実測値を与えた。
【0076】(B)実 測 シミュレーションの結果が実際に作製したシガレットに
適用可能であることを確認するために実測値を求めた。
すなわち、表3に示すように、本発明に係るフィルタ要
素PD比が2.8のデュアル構造フィルタ(実験例Iと
同様に調製)と、比較例としての通気抵抗が異なる2種
類のプレーンフィルタ1,2を試作した。ここでプレー
ンフィルタとは、単一のフィルタ要素からなるフィルタ
である。これらのフィルタのフィルタ要素には、繊維素
材としてセルロースアセテートを用いた。これらのフィ
ルタを通気度が異なる4種類のチップペーパーで巻き上
げた。フィルタおよびチップペーパー以外に関する特性
は、通常のシガレットの規格に準じた。すなわち、本実
験において、刻みとしてはシガレット用ブレンド刻みを
用い、その充填量は1本あたり703mgとした。ま
た、たばこロッド用の巻紙としては、通気度24mL/
cm2 /分/100mmH2 Oの巻紙を使用した。さら
にシガレットの設計は、たばこロッドの長さを59m
m、フィルタの長さを25mm、周囲長を24.8mm
とした。チップペーパーとしては、ZC14mm、幅3
0mmのサイズであって、ベンチレーション孔が1、2
または4列で施され、通気度が200、600または1
200であるものを使用した。
【0077】これらのロット番号II−1〜II−12の試
料シガレットは、温度22℃、湿度60%RHの条件下
で48時間以上調和させた。調和後の全シガレットにつ
いてシガレット品質測定器を用いて重量、製品通気抵抗
およびVfを測定し、それぞれ平均値を算出し、平均重
量±10mg、平均製品通気抵抗±5mmH2 O、平均
Vf±2%の基準を満たすものを選別し、実験に供し
た。
【0078】
【表3】
【0079】以上のような試料シガレットII−1〜II−
12について、フィルトローナ社製8本掛け喫煙器を用
いて、標準喫煙条件でニコチン、タール、COガスデリ
バリー量およびパフ回数を測定した。この結果を表4に
示す。
【0080】
【表4】
【0081】表4のシガレットの結果をもとに、シミュ
レーション結果に基づいて図3、図4および図5を作成
した。
【0082】図3(A)に、FAPR(閉)が異なる2
種類のプレーンフィルタ1,2(88mmH2 O、10
6mmH2 O)を用いたシガレットについて、フィルタ
ベンチレーション割合(Vf)(%)に対するシガレッ
ト1本当たりのタールの量およびCO/タール比を示
す。
【0083】また、図3(B)に、同じプレーンフィル
タ1,2を用いたシガレットについて、フィルタベンチ
レーション割合(Vf)(%)に対するシガレット1本
当たりのタールの量および製品通気抵抗(PAPR
(開))を示す。
【0084】なお、図3(A)、(B)において、プロ
ットは実測値を示し、実線および破線は、シミュレーシ
ョンにより求められた各シガレットについての計算値を
示す。
【0085】図3(A)および(B)に基づいて、ター
ル量を維持しながらCOタール比を低減する従来技術に
ついて説明する。
【0086】FAPR(閉)が106mmH2 Oのプレ
ーンフィルタ(図中プレーン2)を備え、かつ、Vfが
50%のシガレットをコントロールとした。プレーンフ
ィルタは、フィルタ要素PD比が約1、すなわち第1フ
ィルタ要素および第2フィルタ要素の通気抵抗が有意な
差がないデュアル構造フィルタに相当する。
【0087】コントロールのタール量は、図3(A)中
の点a1で示されているように5.3mgであった。ま
た、コントロールのCO/タール比は、図3(A)中の
点a2で示されているように1.18であった。さら
に、コントロールのPAPRは、図3(B)中の点a3
で示されているように102mmH2 Oであった。
【0088】従来技術により、コントロールにおけるタ
ール量を維持しながらCO/タール比を低減するため、
FAPRを88mmH2 Oと低抵抗にしたプレーンフィ
ルタ(プレーン1)を備え、かつ、Vfを58.5%に
したシガレットについてのタール量は、図3(A)中に
点b1で示しているように5.3mgであり、CO/タ
ール比は、図3(A)中にb2で示しているように0.
96であった。また、PAPRは、図3(B)中にb3
で示しているように82mmH2 Oであった。
【0089】すなわち、FAPR(閉)を106mmH
2 Oから88mmH2 Oに低くし、Vfを50%から5
8.5%に増大させることにより、タール量を5.3m
gに維持しながら、CO/タール比を1.18から0.
96に低減できた。しかし、シガレットのPAPRは、
コントロールのシガレットが102mmH2 Oであった
が、従来技術によりCO/タール比を低減したプレーン
1を具備するシガレットの場合には、82mmH2 Oと
なり、大きく低下してしまった。
【0090】次に、図4(A)に、FAPR(閉)が8
8mmH2 Oであるプレーンフィルタ1を用いたシガレ
ットと、FAPR(閉)が97mmH2 Oであって、フ
ィルタ要素PD比が2.8のデュアル構造フィルタを用
いたシガレットについて、Vf(%)に対するシガレッ
ト1本当たりのタールの量およびCO/タール比を示
す。
【0091】また、図4(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタールの量および製品通気抵抗(PAP
R)を示す。
【0092】なお、図4(A)、(B)において、プロ
ットは実測値を示し、実線および破線は、シミュレーシ
ョンにより求められた各シガレットについての計算値を
示す。
【0093】図4(A)および(B)を参照して、本発
明のデュアル構造フィルタの作用について説明する。
【0094】フィルタ通気抵抗(FAPR)(閉)が8
8mmH2 Oのプレーンフィルタ(プレーン1)を備
え、かつ、Vfが50%のシガレットをコントロールと
した。
【0095】コントロールのタールは、図4(A)中の
点c1で示されているように6.3mgであった。ま
た、コントロールのCO/タール比は、図4(A)中の
点c2で示されているように1.02であった。さら
に、コントロールのPAPRは、図4(B)中の点c3
で示されているように90mmH2 Oであった。
【0096】FAPR(閉)が97mmH2 Oでフィル
タ要素PD比が2.8のデュアルフィルタを備え、Vf
が50%のシガレットを本発明のデュアル構造フィルタ
付きシガレットの実施例とする。実施例に係るデュアル
フィルタ付きシガレットのタール量は、図4(A)中に
点d1で示しているように6.3mgであり、CO/タ
ール比は、図4(A)中にd2で示しているように1.
02であった。また、PAPRは、図4(B)中にd3
で示しているように106mmH2 Oであった。
【0097】すなわち、実施例に係るデュアル構造フィ
ルタ付きシガレットは、コントロールと比較して、ター
ルとCO/タール比を同一の値に保ちながら製品通気抵
抗を増大させることができた。
【0098】次に、図5(A)に、FAPR(閉)が1
06mmH2 Oであるプレーンフィルタ2を用いたシガ
レットと、フィルタ全体としてのFAPR(閉)が97
mmH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュ
アル構造フィルタを用いたシガレットについて、Vf
(%)に対するシガレット1本当たりのタール量および
COタール比を示す。
【0099】また、図5(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタールの量および製品通気抵抗を示す。
【0100】なお、図5(A)、(B)において、プロ
ットは実測値を示し、実線および波線は、シミュレーシ
ョンにより求められた各シガレットについての計算値を
示す。
【0101】図5(A)および(B)を参照して、本発
明のデュアルフィルタの作用について説明する。
【0102】FAPR(閉)が106mmH2 Oのプレ
ーンフィルタ(プレーン2)を備え、かつ、Vfが50
%のシガレットをコントロールとした。
【0103】コントロールのタールは、図5(A)中の
点a1で示されているように5.3mgであった。ま
た、コントロールのCO/タール比は、図5(A)中の
点a2で示されているように1.18であった。さら
に、コントロールのPAPRは、図5(B)中の点a3
で示されているように102mmH2 Oであった。
【0104】FAPR(閉)が97mmH2 Oで、フィ
ルタ要素PD比が2.8のデュアル構造フィルタを備
え、Vfが59%のシガレットを本発明のデュアル構造
フィルタ付きシガレットの実施例とする。実施例に係る
デュアル構造フィルタ付きシガレットのタールは、図5
(A)中に点e1で示しているように5.3mgであ
り、CO/タール比は、図5(A)中にe2で示してい
るように0.95であった。また、PAPRは、図5
(B)中にe3で示しているように102mmH2 Oで
あった。
【0105】すなわち、本発明のデュアル構造フィルタ
付きシガレットは、コントロールと比較して、タールを
5.3mgに維持し、かつ、製品通気抵抗を102mm
2Oに維持しながら、CO/タール比を1.18から
0.95に低減することができた。
【0106】このように、本実験により、デュアル構造
フィルタは、フィルタ要素PD比が2.8である場合、
すなわちフィルタの上流側の第1フィルタ要素の単位長
さ当たりの通気抵抗が吸口側の第2フィルタ要素の単位
長さあたりの通気抵抗よりも有意に低い場合に、タール
量および製品通気抵抗を維持しながらCO/タール比を
低減できることが確認された。
【0107】ここで、タール量を維持できるとは、コン
トロールのタール量に対し、±1mg以下の範囲内に維
持できることを意味する。また、製品通気抵抗を維持で
きるとは、コントロールの製品通気抵抗に対し、±10
mmH2 O以下の範囲内に維持できることを意味する。
【0108】なお、以上の実験において、実測値および
計算値の比較により、上述のシュミレーションを用いた
フィルタの特性予測が適正であることが確認された。
【0109】上述のように本発明によれば、製品通気抵
抗を維持できることは、以下のような意義がある。すな
わち、シガレットの喫味が銘柄毎に異なり、それぞれ特
有の喫味イメージがあるが、この銘柄毎の喫味イメージ
は、巻紙やフィルタ等の材料品、香料およびたばこの種
類だけでなく、製品通気抵抗にも影響される。従って、
個々のシガレットの喫味イメージを変えないために、製
品通気抵抗を維持できることは、シガレットにおいて極
めて重要なことである。
【0110】次に、CO/タール比を1未満に低減でき
ることと、製品通気抵抗を維持できることの両条件(以
下、目的条件という)を達成できるか否かについて検討
した。
【0111】まず、図3(A)から明らかなように、V
fが同一である場合には、フィルタ通気抵抗(閉)が低
いプレーンフィルタ1を用いたシガレットは、フィルタ
通気抵抗(閉)が高いプレーンフィルタ2に比べてCO
/タール比が低いが、図3(B)から明らかなように、
製品通気抵抗も低下する。このように、プレーンフィル
タでは、フィルタ通気抵抗(閉)を低下させることによ
りCO/タール比を低減できるものの、製品通気抵抗の
低下により、香喫味の低下が避けられない。図3(A)
からわかるように、フィルタ通気抵抗(閉)が低いフィ
ルタを用いたシガレットにおいて、Vfを53%以上と
した場合には、CO/タール比を1未満に低減すること
ができるが、この場合の製品通気抵抗は、図3(B)か
らわかるように、90mmH2 O未満になってしまう。
既に説明した通り、製品通気抵抗は、90ないし130
mmH2 Oの範囲内が香喫味の点から好ましい。しか
し、プレーンフィルタのフィルタ通気抵抗(閉)を低下
させることによりCO/タール比を低減させる方法で
は、上述の目的条件を達成できなかった。
【0112】一方、本発明に係るフィルタ要素PD比
2.8のデュアル構造フィルタを備えたシガレットは、
図4(A)、(B)および図5(A)、(B)から明ら
かなように、53%以上のVfにおいて、CO/タール
比を1未満に低減でき、かつ、製品通気抵抗を90〜1
30mmH2 Oの範囲内に維持できた。
【0113】次に、本発明に係るデュアル構造フィルタ
のフィルタ通気抵抗(閉)を変更した場合についてシミ
ュレーションの結果に基づいて説明する。
【0114】図6(A)に、FAPR(閉)が80mm
2 Oであるプレーンフィルタを用いたシガレットと、
フィルタ全体としてのFAPR(閉)が71mmH2
であってフィルタ要素PD比が2.8のデュアル構造フ
ィルタを用いたシガレットについて、Vf(%)に対す
るシガレット1本当たりのタール量およびCOタール比
を示す。
【0115】また、図6(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタールの量およびPAPRを示す。なお、
図6(A)、(B)において、実線および波線は、シミ
ュレーションにより求められた各シガレットについての
計算値を示す。
【0116】図6(A)、(B)から明らかなように、
フィルタ全体としてのフィルタ通気抵抗(閉)が71m
mH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュア
ル構造フィルタを用いたシガレットでは、Vfが40%
以下のときに目的条件を達成できることが確認された。
【0117】次に、図7(A)に、FAPR(閉)が8
8mmH2 Oであるプレーンフィルタを用いたシガレッ
トと、フィルタ全体としてのFAPR(閉)が78mm
2Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュアル
構造フィルタを用いたシガレットについて、Vf(%)
に対するシガレット1本当たりのタール量およびCOタ
ール比を示す。
【0118】また、図7(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタール量およびPAPRを示す。
【0119】なお、図7(A)、(B)において、実線
および波線は、シミュレーションにより求められた各シ
ガレットについての計算値を示す。
【0120】図7(A)、(B)から明らかなように、
フィルタ全体としてのフィルタ通気抵抗(閉)が78m
mH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュア
ル構造フィルタを用いたシガレットでは、Vfが35〜
50%のときに目的条件を達成できることが確認され
た。
【0121】次に、図8(A)に、FAPR(閉)が1
00mmH2 Oであるプレーンフィルタを用いたシガレ
ットと、フィルタ全体としてのFAPR(閉)が87m
mH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュア
ル構造フィルタを用いたシガレットについて、Vf
(%)に対するシガレット1本当たりのタール量および
COタール比を示す。
【0122】また、図8(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタールの量およびPAPRを示す。なお、
図8(A)、(B)において、実線および波線は、シミ
ュレーションにより求められた各シガレットについての
計算値を示す。
【0123】図8(A)、(B)から明らかなように、
フィルタ全体としてのフィルタ通気抵抗(閉)が87m
mH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュア
ル構造フィルタを用いたシガレットでは、Vfが48〜
60%のときに目的条件を達成できることが確認され
た。
【0124】次に、図9(A)に、FAPR(閉)が1
40mmH2 Oであるプレーンフィルタを用いたシガレ
ットと、フィルタ全体としてのFAPR(閉)が115
mmH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュ
アル構造フィルタを用いたシガレットについて、Vf
(%)に対するシガレット1本当たりのタール量および
COタール比を示す。
【0125】また、図9(B)に、同じフィルタを用い
たシガレットについて、Vf(%)に対するシガレット
1本当たりのタールの量およびPAPRを示す。
【0126】なお、図9(A)、(B)において、実線
および波線は、シミュレーションにより求められた各シ
ガレットについての計算値を示す。
【0127】図9(A)、(B)から明らかなように、
フィルタ全体としてのフィルタ通気抵抗(閉)が115
mmH2 Oであってフィルタ要素PD比が2.8のデュ
アル構造フィルタを用いたシガレットでは、Vfが66
%以上のときに目的条件を達成できることが確認され
た。
【0128】次に、製品通気抵抗およびCO/タール比
等のシガレットの特性に対して、フィルタの通気抵抗、
濾過率、フィルタ要素PD比、開孔位置、Vfおよびフ
ィルタ要素の長さの影響を調べるために、上記と同様の
シュミレーションを行った。
【0129】(i)フィルタ要素PD比 図10は、デュアル構造フィルタのフィルタ要素PD比
に対する、ベンチレーション孔を開放した状態でのデュ
アル構造フィルタ特性、すなわちFAPR(開)および
濾過率(開)を示す特性図である。ここで濾過率(開)
とは、シガレットにおいてチップペーパーが開孔された
状態でのタール濾過率であり、TFE(開)と表示する
ことがある。ここでの前提条件は、FAPR(閉)が1
00mmH2 O、フィルタの長さ25mm、第1フィル
タ要素12.5mm、第2フィルタ要素12.5mm、
Vf70%、ZC12.5m、たばこロッドCO/ター
ル比0.60、たばこロッド通気抵抗47mmH2 Oで
ある。ここでフィルタ要素PD比が1とはプレーンフィ
ルタに相当する。
【0130】図10から明らかなように、フィルタ要素
PD比を大きくすると、フィルタ通気抵抗(開)が高く
なるとともに濾過率(開)がわずかにわずかに低下し
た。
【0131】図11は、図10と同様の前提条件におけ
るデュアル構造フィルタのフィルタ要素PD比に対する
PAPRおよびCO/タール比を示す特性図である。図
11から明らかなように、上記の前提条件では、フィル
タ要素PD比が2以上の場合にCO/タール比が1.0
未満でありかつ製品通気抵抗が90〜130mmH2
の範囲内となることが確認された。
【0132】次に、図10に示す場合において、Vfを
70%から30%、FAPR(閉)を100mmH2
から65mmH2 Oにそれぞれ変更した場合の結果を図
12に示す。
【0133】また、図11に示す場合において、同様
に、Vfを70%から30%、FAPR(閉)を100
mmH2 Oから65mmH2 Oにそれぞれ変更した場合
の結果を図13に示す。
【0134】図12および図13から明らかなように、
デュアル構造フィルタを備えたシガレットでは、Vfが
30%でかつフィルタ通気抵抗(閉)が65mmH2
の場合には、フィルタ要素PD比が2.5以上で目的条
件を達成できることが確認された。
【0135】(ii)開孔位置 図14は、チップペーパーの開孔位置に対するPAPR
およびCO/タール比を示す特性図である。ここで、Z
Cはフィルタの吸口端から開孔位置までの距離である。
また、ここでの前提条件はフィルタ長さ25mm、FA
PR(閉)90mmH2 O、Vf70%、フィルタ要素
PD比6、第1フィルタ要素長15mm、第2フィルタ
要素長10mm、たばこロッドCO/タール比0.6
0、たばこロッド通気抵抗47mmH2 Oとした。ま
た、比較のためにプレーンフィルタについての結果を併
せて示す。
【0136】図14から明らかなように、上述のフィル
タでの好ましい開孔位置、すなわち、このシュミレーシ
ョンではZCが10〜21mmの範囲内、言い換えれ
ば、フィルタの上流端から4mm以上吸口端から10m
mの範囲内において、フィルタ要素PD比が6のデュア
ル構造フィルタは、CO/タール比を1.0未満に低減
しかつ製品通気抵抗を90mmH2 O以上にすることが
できることが確認された。また、プレーンフィルタと比
べて製品通気抵抗に関して顕著な違いを示した。特に、
ZCの値が大きいほどCO/タール比が低減できること
がわかった。
【0137】(iii )Vf FAPR(閉)が80mmH2 Oおよび100mmH2
Oの場合のVfとPAPRおよびCO/タール比との関
係を調べた。この結果を図15および図16にそれぞれ
示す。なお、ここでの前提条件は、フィルタ長さ25m
m、ZC12.5mm、フィルタ要素PD比6、第1フ
ィルタ要素長12.5mm、第2フィルタ要素長12.
5mm、たばこロッドCO/タール比0.60、たばこ
ロッド通気抵抗47mmH2 Oとした。また、比較のた
めにプレーンフィルタについての結果も併せて示す。
【0138】図15から明らかなように、ここでの前提
条件下、フィルタ通気抵抗(閉)が80mmH2 Oのと
きには、Vfが20%以上でプレーンフィルタと比べて
CO/タール比の低減および製品通気抵抗の低下に関し
て顕著な違いを示した。特に、Vfが35〜60%であ
る場合に、CO/タール比が1.0未満に低減され、か
つ、製品通気抵抗が90〜130mmH2 Oの範囲内に
なることが確認された。
【0139】また、図16から明らかなように、ここで
の前提条件下、フィルタ通気抵抗(閉)が100mmH
2 Oのときには、Vfが20%以上でプレーンフィルタ
と比べてCO/タール比の低減および製品通気抵抗の低
下に関して顕著な違いを示した。特に、Vfが60%以
上である場合に、CO/タール比が1.0未満に低減さ
れ、かつ、製品通気抵抗が90〜130mmH2 Oの範
囲内になることが確認された。
【0140】比較例として、フィルタ要素PD比が1.
5のデュアル構造フィルタについて、FAPR(閉)が
65、85および100mmH2 Oの場合のVfとPA
PRおよびCO/タール比との関係を調べた。この結果
を図17〜図19にそれぞれ示す。なお、ここでの前提
条件は、フィルタ長さ25mm、ZC12.5mm、フ
ィルタ要素PD比1.5、第1フィルタ要素長12.5
mm、第2フィルタ要素長12.5mm、たばこロッド
CO/タール比0.60、たばこロッド通気抵抗47m
mH2 Oとした。また、比較のためにプレーンフィルタ
についての結果も併せて示す。
【0141】図17〜図19から明らかなように、フィ
ルタ通気抵抗(閉)が65mmH2Oおよび85mmH
2 Oのいずれの場合であっても、フィルタ要素PD比が
1.5のデュアル構造フィルタを備えたシガレットは、
目的条件を達成できないことが確認された。
【0142】次に、フィルタ要素PD比が3のデュアル
構造フィルタについて、FAPR(閉)が70、80、
90、100および120mmH2 Oの場合のVfとP
APRおよびCO/タール比との関係を調べた。この結
果を図20〜図24にそれぞれ示す。なお、ここでの前
提条件は、フィルタ長さ25mm、ZC12.5mm、
フィルタ要素PD比3、第1フィルタ要素長12.5m
m、第2フィルタ要素長12.5mm、たばこロッドC
O/タール比0.60、たばこロッド通気抵抗47mm
2 Oとした。また、比較のためにプレーンフィルタに
ついての結果も併せて示す。
【0143】図20〜図24から明らかなように、各フ
ィルタ通気抵抗(閉)において表5に示すVfの範囲内
で目的条件を達成できることが確認された。
【0144】
【表5】
【0145】次に、フィルタ要素PD比が10のデュア
ル構造フィルタについて、FAPR(閉)が70、8
5、および100mmH2 Oの場合のVfとPAPRお
よびCO/タール比との関係を調べた。この結果を図2
5〜図27にそれぞれ示す。なお、ここでの前提条件
は、フィルタ長さ25mm、ZC12.5mm、第1フ
ィルタ要素長12.5mm、第2フィルタ要素長12.
5mm、たばこロッドCO/タール比0.60、たばこ
ロッド通気抵抗47mmH2 Oとした。また、比較のた
めにプレーンフィルタについての結果も併せて示す。
【0146】図25〜図27から明らかなように、各フ
ィルタ通気抵抗(閉)において表6に示すVfの範囲内
で目的条件を達成できることが確認された。
【0147】
【表6】
【0148】(iv)フィルタ通気抵抗(閉) Vfが40%、70%の場合のFAPR(閉)に対する
PAPRおよびCO/タール比の関係を調べた。この結
果を図28および図29にそれぞれ示す。なお、ここで
の前提条件は、フィルタ長さ25mm、開孔位置12.
5mm、フィルタ要素PD比6、第1フィルタ要素長1
2.5mm、第2フィルタ要素長12.5mm、たばこ
ロッドCO/タール比0.60、たばこロッド通気抵抗
47mmH2 Oとした。また、比較のためにプレーンフ
ィルタについての結果も併せて示す。
【0149】図28および図29から明らかなように、
デュアル構造フィルタのCO/タール比および製品通気
抵抗は、フィルタ通気抵抗(閉)の違いに関わらずプレ
ーンフィルタと顕著に異なる。
【0150】特に、Vfが40%のときには、フィルタ
通気抵抗(閉)が65〜80mmH2 Oの場合に、CO
/タール比が1.0未満に低減され、かつ、製品通気抵
抗が90〜130mmH2 Oの範囲内になることが確認
された。
【0151】また、Vfが70%のときには、フィルタ
通気抵抗(閉)が85〜120mmH2 Oの場合に、C
O/タール比が1.0未満に低減され、かつ、製品通気
抵抗が90〜130mmH2 Oの範囲内になることが確
認された。
【0152】次に、比較例として、フィルタ要素PD比
が1.5のデュアル構造フィルタについて、Vfが5
5、70、85%の場合のFAPR(閉)に対する製品
通気抵抗およびCO/タール比との関係を調べた。この
結果を図30〜図32にそれぞれ示す。なお、ここでの
前提条件は、フィルタ長さ25mm、開孔位置12.5
mm、フィルタ要素PD比1.5、第1フィルタ要素長
12.5mm、第2フィルタ要素長12.5mm、たば
こロッドCO/タール比0.60、たばこロッド通気抵
抗47mmH2 Oとした。また、比較のためにプレーン
フィルタについての結果も併せて示す。
【0153】図30〜図32から明らかなように、フィ
ルタ要素PD比が1.5のデュアル構造フィルタを備え
たシガレットは、Vfが55、70、85%のいずれの
場合においても、目的条件を達成できないことが確認さ
れた。
【0154】次に、フィルタ要素PD比が3のデュアル
構造フィルタについて、Vfが30、40、55、7
0、85%の場合のFAPR(閉)に対するPAPRお
よびCO/タール比との関係を調べた。この結果を図3
3〜図37にそれぞれ示す。なお、ここでの前提条件
は、フィルタ長さ25mm、開孔位置12.5mm、フ
ィルタ要素PD比3、第1フィルタ要素長12.5m
m、第2フィルタ要素長12.5mm、たばこロッドC
O/タール比0.60、たばこロッド通気抵抗47mm
2 Oとした。また、比較のためにプレーンフィルタに
ついての結果も併せて示す。
【0155】図33〜図37から明らかなように、各V
fにおいて表7に示すフィルタ通気抵抗(閉)の範囲内
で目的条件を達成できることが確認された。
【0156】
【表7】
【0157】次に、フィルタ要素PD比が10のデュア
ル構造フィルタについて、Vfが30、55、70%の
場合のFAPR(閉)に対するPAPRおよびCO/タ
ール比との関係を調べた。この結果を図38〜図40に
それぞれ示す。なお、ここでの前提条件は、フィルタ長
さ25mm、開孔位置12.5mm、フィルタ要素PD
比10、第1フィルタ要素長12.5mm、第2フィル
タ要素長12.5mm、たばこロッドCO/タール比
0.60、たばこロッド通気抵抗47mmH2 Oとし
た。また、比較のためにプレーンフィルタについての結
果も併せて示す。
【0158】図38〜図40から明らかなように、各V
fにおいて表8に示すフィルタ通気抵抗(閉)の範囲内
で目的条件を達成できることが確認された。
【0159】
【表8】
【0160】次に、フィルタ要素PD比10および6の
デュアル構造フィルタを備えたシガレットにおいて、た
ばこロッドCO/タール比およびたばこロッド通気抵抗
を変更した場合の、FAPR(閉)およびPAPRの関
係について調べた。この結果を図41および図42に示
す。なお、ここでの前提条件は、フィルタ長さ25m
m、開孔位置12.5mm、第1フィルタ要素長12.
5mm、第2フィルタ要素長12.5mmとした。ま
た、比較のためにプレーンフィルタについての結果も併
せて示す。
【0161】図41は、フィルタ要素PD比10のデュ
アル構造フィルタを、たばこロッドCO/タール比0.
67、たばこロッド通気抵抗68mmH2 Oのたばこロ
ッドに組合わせたシガレットであって、Vfを40%と
したものについてFAPR(閉)およびPAPRの関係
を示している。図41から明らかなように、この場合に
は、フィルタ通気抵抗(閉)が55〜65mmH2 Oの
範囲内で目的条件を達成できることが確認された。
【0162】図42は、フィルタ要素PD比6のデュア
ル構造フィルタを、たばこロッドCO/タール比0.8
0、たばこロッド通気抵抗35mmH2 Oのたばこロッ
ドに組合わせたシガレットであって、Vfを80%とし
たものについてFAPR(閉)およびPAPRの関係を
示している。図42から明らかなように、この場合に
は、フィルタ通気抵抗(閉)が95〜135mmH2
の範囲内で目的条件を達成できることが確認された。
【0163】以上のことから、使用するたばこロッドの
CO/タール比および通気抵抗が変わると、目的条件を
達成できるVfおよびフィルタ通気抵抗(閉)の組み合
わせが変化するが、たばこロッドのCO/タール比が
0.8以下でかつ通気抵抗が35mmH2 O以上であれ
ば、本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシガレット
は、目的条件を達成できる。
【0164】(v) フィルタ要素の長さ フィルタの全長を25mmに固定し、下流側の第2フィ
ルタ要素の長さを変更した場合の、CO/タール比およ
びPAPRを求めた結果を図43に示す。ここでの前提
条件としては、フィルタの長さ25mm、FAPR
(閉)100mmH2 O、Vf70%、ZC15mm、
フィルタ要素PD比6とした。また比較として、プレー
ンフィルタについての結果をあわせて示す。
【0165】図43からわかるように、第2フィルタ要
素の長さがいずれの場合であってもプレーンフィルタに
比べてCO/タール比を低減しかつ製品通気抵抗を高く
することができた。従って、第1フィルタ要素および第
2フィルタ要素の長さの比は特に限定されないが、1:
1すなわち同じ長さのときに、CO/タール比をもっと
も低くかつ製品通気抵抗を最も高くすることができた。
【0166】以上の説明では、デュアルフィルタ構造を
構成する第1フィルタ要素および第2フィルタ要素がそ
れぞれ長さ方向および全横断面にわたって実質的に均一
であるフィルタ要素である場合について説明したが、こ
れらフィルタ要素は、例えば、チャンネルフィルタ、二
重同心フィルタ、絞りフィルタ等の一般的なフィルタ構
造であってもよい。このように本発明のデュアル構造の
フィルタ付きシガレットは、デュアル構造であればどの
ようなフィルタであっても、同様の効果を奏するもので
ある。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1に、特殊な素材や構造を採用することなく、ニコチ
ンおよびタールを低減された濃度で主流煙中に有し得る
にもかかわらず、十分な吸いごたえを呈するフィルタ付
きシガレットが提供され、第2に、CO/タール比が1
未満でありながら、満足し得る製品通気抵抗を有すると
いう一般的には両立し得ない要求を満足するフィルタ付
きシガレットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
におけるベンチレーション孔の位置を説明するための概
略斜視図。
【図3】比較例のプレーンフィルタを有するシガレット
の特性を示す特性図であって、(A)は比較例のシガレ
ットにおけるVfに対するシガレット1本当たりのター
ルの量およびCO/タール比を示す特性図、(B)は比
較例のシガレットにおけるVfに対するシガレット1本
当たりのタールの量および製品通気抵抗を示す特性図。
【図4】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ1(PD88mmH
2 O)および本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシ
ガレット(PD97mmH2 O、フィルタ要素PD比
2.8)におけるVfに対するシガレット1本当たりの
タールの量およびCO/タール比を示す特性図、(B)
は、Vf(%)に対するシガレット1本当たりのタール
の量および製品通気抵抗を示す特性図。
【図5】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ2(PD106mmH2
O)および本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシガ
レット(PD97mmH2O、フィルタ要素PD比2.
8)におけるVfに対するシガレット1本当たりのター
ルの量およびCO/タール比を示す特性図、(B)は、
Vf(%)に対するシガレット1本当たりのタールの量
および製品通気抵抗を示す特性図。
【図6】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ(PD80)および本発
明に係るデュアル構造フィルタ付きシガレット(PD7
1、フィルタ要素PD比2.8)におけるVfに対する
シガレット1本当たりのタールの量およびCO/タール
比を示す特性図、(B)は、Vf(%)に対するシガレ
ット1本当たりのタールの量および製品通気抵抗を示す
特性図。
【図7】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ(PD88mmH2 O)
および本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(PD78mmH2 O、フィルタ要素PD比2.8)
におけるVfに対するシガレット1本当たりのタールの
量およびCO/タール比を示す特性図、(B)は、Vf
(%)に対するシガレット1本当たりのタールの量およ
び製品通気抵抗を示す特性図。
【図8】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ(PD100mmH
2 O)および本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシ
ガレット(PD87mmH2 O、フィルタ要素PD比
2.8)におけるVfに対するシガレット1本当たりの
タールの量およびCO/タール比を示す特性図、(B)
は、Vf(%)に対するシガレット1本当たりのタール
の量および製品通気抵抗を示す特性図。
【図9】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレット
の特性を比較例とともに示す特性図であって、(A)
は、比較例のプレーンフィルタ(PD140mmH
2 O)および本発明に係るデュアル構造フィルタ付きシ
ガレット(PD115mmH2O、フィルタ要素PD比
2.8)におけるVfに対するシガレット1本当たりの
タールの量およびCO/タール比を示す特性図、(B)
は、Vf(%)に対するシガレット1本当たりのタール
の量および製品通気抵抗を示す特性図。
【図10】デュアル構造フィルタ(フィルタ通気抵抗
(閉)100mmH2 O,Vf70%)のフィルタ要素
PD比に対するフィルタ通気抵抗(開)およびフィルタ
濾過率(開)を示す特性図。
【図11】デュアル構造フィルタ(フィルタ通気抵抗
(閉)100,Vf70%)のフィルタ要素PD比に対
する製品通気抵抗およびCO/タール比を示す特性図。
【図12】デュアル構造フィルタ(フィルタ通気抵抗
(閉)65,Vf30%)のフィルタ要素PD比に対す
るフィルタ通気抵抗(開)およびフィルタ濾過率(開)
を示す特性図。
【図13】デュアル構造フィルタ(フィルタ通気抵抗
(閉)65mmH2 O,Vf30%)のフィルタ要素P
D比に対する製品通気抵抗およびCO/タール比を示す
特性図。
【図14】チップペーパーの開孔位置に対する製品通気
抵抗およびCO/タール比を示す特性図。
【図15】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)80mmH2 O、フィルタ要素PD比6)
の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比との
関係を示す特性図。
【図16】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)100mmH2 O、フィルタ要素PD比
6)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図17】比較例のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)65mmH2 O、フィルタ要素PD比1.
5)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図18】比較例のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)85mmH2 O、フィルタ要素PD比1.
5)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図19】比較例のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)100mmH2 O、フィルタ要素PD比
1.5)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/ター
ル比との関係を示す特性図。
【図20】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)70mmH2 O、フィルタ要素PD比3)
の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比との
関係を示す特性図。
【図21】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)80mmH2 O、フィルタ要素PD比3)
の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比との
関係を示す特性図。
【図22】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)90mmH2 O、フィルタ要素PD比3)
の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比との
関係を示す特性図。
【図23】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)100mmH2 O、フィルタ要素PD比
3)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図24】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)120mmH2 O、フィルタ要素PD比
3)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図25】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)70mmH2 O、フィルタ要素PD比1
0)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図26】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)85mmH2 O、フィルタ要素PD比1
0)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図27】本発明のデュアル構造フィルタ(フィルタ通
気抵抗(閉)100mmH2 O、フィルタ要素PD比1
0)の場合のVfと製品通気抵抗およびCO/タール比
との関係を示す特性図。
【図28】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf40%、フィルタ要素PD比6)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図29】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf70%、フィルタ要素PD比6)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図30】比較例のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf55%、フィルタ要素PD比1.5)の場合の
フィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびC
O/タール比の関係を示す特性図。
【図31】比較例のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf70%、フィルタ要素PD比1.5)の場合の
フィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびC
O/タール比の関係を示す特性図。
【図32】比較例のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf85%、フィルタ要素PD比1.5)の場合の
フィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびC
O/タール比の関係を示す特性図。
【図33】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf30%、フィルタ要素PD比3)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図34】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf40%、フィルタ要素PD比3)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図35】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf55%、フィルタ要素PD比3)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図36】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf70%、フィルタ要素PD比3)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図37】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf85%、フィルタ要素PD比3)の場合のフィ
ルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO/
タール比の関係を示す特性図。
【図38】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf30%、フィルタ要素PD比10)の場合のフ
ィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO
/タール比の関係を示す特性図。
【図39】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf55%、フィルタ要素PD比10)の場合のフ
ィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO
/タール比の関係を示す特性図。
【図40】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(Vf70%、フィルタ要素PD比10)の場合のフ
ィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗およびCO
/タール比の関係を示す特性図。
【図41】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(たばこロッドCO/タール比0.67、たばこロッ
ド通気抵抗68mmH2 O、フィルタ要素PD比10)
の場合のフィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗
およびCO/タール比の関係を示す特性図。
【図42】本発明のデュアル構造フィルタ付きシガレッ
ト(たばこロッドCO/タール比0.80、たばこロッ
ド通気抵抗35mmH2 O、フィルタ要素PD比6)の
場合のフィルタ通気抵抗(閉)に対する製品通気抵抗お
よびCO/タール比の関係を示す特性図。
【図43】フィルタの長さを25mmに固定し、下流側
の第2フィルタ要素の長さを変更した場合の、CO/タ
ール比および製品通気抵抗を示す特性図。
【符号の説明】
10…シガレット 11…フィルタ 12…たばこロッド 13…第1フィルタ要素 14…第2フィルタ要素 15、16…繊維素材 17,18…ラッパー 19…チップペーパー 20…ベンチレーション孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 伸一郎 東京都墨田区横川一丁目17番7号 日本た ばこ産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1フィルタ要素および該第1フィルタ
    要素の下流側に配置された第2フィルタ要素により構成
    されたデュアル構造のフィルタ、 前記フィルタの上流側に配置されたたばこロッド、およ
    び前記たばこロッドの下流端部と前記フィルタの周面と
    を覆い、かつ前記フィルタの周方向に沿って少なくとも
    1列に穿設された複数の開孔からなる空気流入手段を有
    するチップペーパーを具備し、 前記第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗が前
    記第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗の2倍
    以上大きく、 前記チップペーパーからの空気流入割合が20%以上で
    あることを特徴とする、デュアル構造のフィルタを備え
    たシガレット。
  2. 【請求項2】 前記空気流入割合が35%以上である請
    求項1記載のシガレット。
  3. 【請求項3】 前記第2フィルタ要素の単位長さ当たり
    の通気抵抗が前記第1フィルタ要素の単位長さ当たりの
    通気抵抗の2ないし7倍大きい請求項1または2記載の
    シガレット。
  4. 【請求項4】 前記チップペーパーからの空気流入割合
    が60ないし85%である請求項1ないし3のいずれか
    1項記載のシガレット。
  5. 【請求項5】 前記空気流入手段が、第1フィルタ要素
    に対応する領域内に開孔位置を有する請求項1ないし4
    のいずれか1項記載のシガレット。
  6. 【請求項6】 前記空気流入手段が、フィルタの上流端
    から4mmないし下流端から10mmまでの範囲内に開
    孔位置を有する請求項5記載のシガレット。
  7. 【請求項7】 前記第2フィルタ要素の単位長さ当たり
    の通気抵抗が前記第1フィルタ要素の単位長さ当たりの
    通気抵抗の2.5ないし10倍であり、前記チップペー
    パーからの空気流入割合が20ないし85%であり、前
    記空気流入手段が前記フィルタの上流端から4mmない
    し下流端から10mmの範囲内に開孔位置を有し、CO
    /タール比が1未満であり、かつ製品通気抵抗が90な
    いし130mmH2 Oであることを特徴とする請求項1
    記載のシガレット。
  8. 【請求項8】 第2フィルタ要素の単位長さ当たりの通
    気抵抗が第1フィルタ要素の単位長さ当たりの通気抵抗
    の3ないし7倍である請求項7記載のシガレット。
  9. 【請求項9】 空気流入割合が、30ないし85%であ
    る請求項7または8記載のシガレット。
  10. 【請求項10】 フィルタの長さが、15ないし40m
    mであり、フィルタの円周が20ないし27mmである
    請求項1ないし9のいずれか1項記載のシガレット。
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