JP2955556B1 - たばこフィルター - Google Patents

たばこフィルター

Info

Publication number
JP2955556B1
JP2955556B1 JP12647698A JP12647698A JP2955556B1 JP 2955556 B1 JP2955556 B1 JP 2955556B1 JP 12647698 A JP12647698 A JP 12647698A JP 12647698 A JP12647698 A JP 12647698A JP 2955556 B1 JP2955556 B1 JP 2955556B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
core
tobacco
sheath
smoke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12647698A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11318419A (ja
Inventor
恒志 赤木
道弘 稲垣
栄一 高瀬
信成 平木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Tobacco Inc
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Japan Tobacco Inc
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Japan Tobacco Inc, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP12647698A priority Critical patent/JP2955556B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2955556B1 publication Critical patent/JP2955556B1/ja
Publication of JPH11318419A publication Critical patent/JPH11318419A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Cigarettes, Filters, And Manufacturing Of Filters (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 香喫味、煙量感などの喫煙に対する満足感が
十分に得られるタール値3mg以下の低タールたばこ用
のたばこフィルターを提供する。 【解決手段】 中心に設けられたコア部2aとこの周囲
に設けられたシース部2bとを有するフィルター部2を
備え、前記コア部2aは、透過する空気の流速が前記シ
ース部2bよりも速く、前記フィルター部2を17.5
ml/secで吸引したときの前記コア部2aを透過す
る空気の流速が50cm/sec以上であり、かつ、前
記フィルター部2の断面積に対する前記コア部2aの断
面積の割合が5〜60%であることたばこフィルターを
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は喫煙用のたばこフィ
ルターに関し、特にたばこ1本当たりのタール値が3m
g以下となる低タールたばこ用のたばこフィルターにお
いて、喫味感を向上させたたばこフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の健康指向にともない、たばこ喫煙
者の嗜好が高タールたばこから中タールたばこヘ、また
中タールたばこから低タールたばこヘ、さらには超低タ
ールたばこへ移行する傾向がある。このような超低ター
ルたばことしては、タール3mg/本以下、さらには、
1mg/本程度のたばこが市販されている。初期の超低
タールたばこは、チップペーパーからの空気流入を増加
させたものであった。このため、のみごたえ感が得られ
ない場合が多かった。最近では、燃焼性を考慮した巻紙
を用いたり、また構造を工夫したフィルターを用いるこ
とによって、のみごたえ感を重視した超低タールたばこ
が開発されている。
【0003】フィルター構造を工夫したフィルターにつ
いては、以下のような提案がなされている。特開昭58
−198284号公報には、2重同心円フィルターであ
って、たばこの煙を濾過するコア部と、このコア部の周
囲に取り付けた内側スリーブと、この内側スリーブの周
囲に設けられた空気透過性材料からなるスリーブ本体か
ら構成したフィルターが開示されている。このフィルタ
ーは、前記スリーブ本体の周囲に通気性外被を取り付け
て使用される。このフィルターを用いたたばこにおいて
は、喫煙時には、煙の大部分は、コア部を通って喫煙者
の口に送られ、前記通気性外被を透過した空気の大部分
は、この通気性外被とスリーブとの間の領域に沿って喫
煙者の口に送られる。このようにして、煙と空気とを、
フィルター内では別々に流し、喫煙者の口の中で混合す
るようにすることによって、喫味感を向上させている。
しかしながら、このような煙と透過空気の単なる分離に
よっては、香喫味や煙量感は十分ではなかった。
【0004】特開昭59−135879号公報には、デ
ュアル形たばこ用フイルターであって、その中心に香味
料を含有させた通気抵抗の小さい濾材が配置され、その
周囲に通気抵抗の大きい濾材が配置された同心円状に二
層構造とされた第1のフィルター部をたばこ側に設け、
フィルター濾材の外周面に、その長さ方向に沿って空気
が流通する複数の溝を設けた第2のフィルター部を吸口
側に設けたフィルターが開示されている。このフィルタ
ーを用いると、空気が流通する溝と、香味料を含有させ
た通気抵抗の小さい濾材との作用によって、低タール、
低ガスでありながら喫味の豊かなたばこを得ることがで
きる。しかしながら、香喫味は香味料によって得られる
ものであって、たばこ葉の燃焼による本来の香喫味とは
異なるものであった。
【0005】特開平6−269270号公報には、波状
に加工した紙芯を円筒状に収束させてなる中心部と、そ
の周囲に設けられたセルロースアセテートトウからなる
外周部を有する2重同心円フィルター部がプラグ包装紙
で包まれた構成のフィルターが開示されている。このフ
ィルターは低タールたばこ用のもので、通気抵抗の増大
を抑制しつつ、味覚を向上させることを目的としてい
る。しかしながら、高い濾過効率が期待できるものの、
喫煙時の味覚は十分に満足できるものではなかった。特
開平8−191682号公報には、波状に加工したコル
ゲート加工シートを収束させたコア部と、その周囲に設
けられた繊維トウの開繊収束物からなるシース部を備え
たシース・コア型のフィルターにおいて、コア部の通気
抵抗を500mmH20以上、シース部の通気抵抗に対
するコア部の通気抵抗の比率を2.5倍以上としたもの
が開示されている。この提案においては、喫味を判断す
る指標としてフィルター透過後の煙濃度を定義してい
る。そして、コア部を透過した後の煙濃度をシース部を
透過した後の煙濃度よりも大きくすることによって喫味
を向上させることが開示されている。しかしながらター
ル値が3mg以下のような低タールたばこに適用するこ
とは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の提案
がなされているが、従来のタール3mg以下のような低
タールたばこにおいて、喫煙者が感じるたばこ本来の香
喫味や煙量感を十分に満足させることは困難であった。
そもそも、低タールたばこにおいては、フィルターの濾
過機能を高めることなどによって喫煙者が吸入するたば
この煙中のニコチン、タールなどの煙粒子成分の絶対量
を少なくしたり、外部空気を取り入れることよって煙を
薄めることなどによって低タール化を図るものであるか
ら、喫煙の満足感が減少するのは避け難かった。本発明
は前記事情に艦がみてなされたものであって、タール値
3mg以下の低タールたばこでありながら、香喫味、煙
量感などの喫煙に対する満足感が十分に得られるたばこ
フィルターを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来注目
されていたフィルター透過後のたばこの煙の濃度の他
に、たばこの煙がフィルターを透過する流速が、喫味に
多大な影響を与えることを見い出した。さらに、喫煙者
の口中に喫煙される総タール量を、フィルターの濾過の
高効率化と、外部空気(ベンチレーション空気)の導入
によって低減しても、煙の局在化とこの局在化された煙
を高濃度化することによって、香味の濃さ、煙量感など
の喫煙に対する満足感を向上させることができることを
見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明は、たばこ1本あたりのタール値が
3mg以下の低タールたばこ用のたばこフィルターであ
って、中心に設けられたコア部とこの周囲に設けられた
シース部とを有するフィルター部を備え、前記コア部
は、透過する空気の流速が前記シース部よりも速く、前
記フィルター部を17.5ml/secで吸引したとき
の前記コア部を透過する空気の流速が50cm/sec
以上であり、かつ、前記フィルター部の断面積に対する
前記コア部の断面積の割合が5〜60%であることを特
徴とするたばこフィルターである。前記フィルター部に
対する前記コア部の重量比率は15〜55%が好まし
い。前記フィルター部の通気抵抗は100〜170mm
2Oが好ましい。前記コア部の通気抵抗は450〜8
00mmH2Oが好ましい。また、フィルターベンチレ
ーション率が60〜80%であると好ましい。また、前
記フィルター部の周囲に巻き付けられた巻取紙と、この
巻取紙の上に巻き付けられたチップペーパーを備え、前
記巻取紙の通気度が10000〜30000CUであ
り、前記チップペーパーの通気度が1600〜3000
CUであると好ましい。前記シース部は、繊維トウから
なると好ましい。前記コア部が、コルゲート加工シート
が収束されてなると好ましい。また、前記コア部と前記
シース部の一方あるいは両方がセルロースアセテート繊
維からなると好ましい。また、前記コア部が、その繊度
が5〜14dpfの繊維材料からなり、前記シース部
が、その繊度が3dpf以下の繊維材料からなると好ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1、図2は、本発明のたばこフ
ィルター(以下フィルターと略記する)の一例を示すも
ので、図1は軸芯方向と直交方向に切断した断面図、図
2は軸芯方向と平行に切断した側断面図である。このフ
ィルター1は、円筒形のフィルター部2とこのフィルタ
ー部2の周囲に巻き付けられた通気性の巻取紙3とから
なるフィルターチップと、この巻取紙3の上に巻き付け
られたチップペーパー4とから概略構成されている。
【0010】前記フィルター部2は、その中心に設けら
れたコア部2aと、このコア部2aの周囲に設けられた
シース部2bを有している。前記巻取紙3は、フィルタ
ー部2の形状を安定に保つもので、フィルター部2と巻
取紙3とは軸芯方向の長さが等しくなっている。一方、
図2に示すように、チップペーパー4はフィルター部2
と巻取紙3よりも軸芯方向の長さが長くなっている。そ
して、チップペーパー4の一方の端部が、フィルター部
2と巻取紙3とが一体化されたフィルタチップの端部と
揃えられ、他方の端部がたばこ本体(たばこの巻部)5
aの端部に取り付けられることにより、フィルター1が
たばこ本体5aと一体化されて、たばこ5が構成される
ようになっている。
【0011】チップペーパー4には、その外周にそって
複数の開孔部(孔)4aが設けられている。そしてこの
開孔部4aから、必要に応じて外部空気(ベンチレーシ
ョン空気)がフィルター1内に取り込まれ、べンチレー
ション効果が得られるようになっている。フィルター部
2の外径は通常7.8mmとされる。また、通常フィル
ター部2と巻取紙3の軸芯方向の長さは例えば25m
m、チップペーパー4の軸芯方向の長さは32mmとさ
れる。また、開孔部4aは、フィルター1の吸口端面か
ら通常12.5mmの位置に一列に設けられている。
【0012】前記コア部2aは、好ましくは図3に示し
たような、熱可塑性材料からなるシート状物を波状に加
工し、連続する複数の溝を形成してなるコルゲート加工
シート6を、例えば丸めたり、畳んだりすることによっ
て収束させたものである。コルゲート加工シート6の溝
の深さdは、例えば0.2〜2mmとされる。また、隣
接する溝どうしの間隔(溝間ピッチ)pは0.5〜3m
mとされる。前記dが0.2mm未満であったり、ある
いは、前記pが0.5mm未満である場合、波が細かす
ぎるので、シートをコルゲート加工することが困難とな
る。また、前記dが2mmをこえたり、あるいは、前記
pが3mmをこえると、コルゲート加工シート6を収束
してコア部2aを構成することが困難となる場合があ
る。また、コルゲート加工シート6のシート幅(溝と平
行方向の対向辺の間の距離)は、90〜240mmとさ
れる。この範囲外であると、コア部2aを構成すること
が困難となる場合がある。
【0013】コルゲート加工シート6を収束させて構成
したコア部2aには、コルゲート加工シート6が有する
溝によって適度な隙間が形成され、これにより煙を良好
に流通させる流路が形成される。そして、このコア部2
aを煙が透過する際に、煙内に分布するタール、ニコチ
ンなどの煙粒子成分とコルゲート加工シート6とが衝突
することによって、これらの煙粒子成分が捕捉される濾
過機能が得られる。フィルター1において、コア部2a
はコルゲート加工シート6を単に収束したものである。
例えば、その長軸直径Xは4〜7mm、短軸直径Yは2
〜4mmとされる。他の例として、コア部2aを、好ま
しくは開繊した繊維トウから形成することもできる。前
記トウとは、複数本のフィラメントを束ねて集合させた
ものである。例えばトウを開繊し、これを円筒状に収束
してコア部2aを構成することもできる。
【0014】また、シース部2bは、好ましくは開繊し
た繊維トウなどの繊維材料などから形成されている。例
えばシース部2bは、トウを開繊し、これを管状に収束
して構成されたものである。このシース部2bにおいて
も煙粒子成分が捕捉される濾過機能が得られるようにな
っている。巻取紙3は、例えばその厚さが30〜90μ
mで、好ましくは55〜85μmである。また、チップ
ペーパー4は、例えばその厚さ33〜53μmである。
【0015】図4(a)は、本発明のフィルターの形状
の他の例を示すもので、例えばコルゲート加工シートを
収束してコア部2aを形成する際に、収束と同時に、あ
るいは収束後に、熱成形具などを通過させて、収束物の
外周面を溶融成形するなどして、コア部2aの形状を円
筒形にしたものである。このようにすると、その長さ方
向においてコア部2aの形状が均一になり、その形状安
定性を向上させることができる。このフィルター1Aの
ように、コア部2aの形状安定性を向上させたものは、
例えばシース部2bを構成するフィルター材の充填量を
増加させても、フィルター製造時に、コア部2aの形状
が変化しにくいため、製造安定性を向上させることがで
きる。このため、シース部2bの充填量の調整幅を広げ
ることが可能となり、最終フィルター設計の自由度が広
がる。また、美感の向上を図ることができる。さらに、
コア部2aの断面形状は特に限定するものではなく、図
5(a)〜(f)に示したような、星型、三角形、四角
形などの種々の形状とすることができる。
【0016】また、図4(b)に示すように、コア部2
aの周囲に通気性の巻取紙3’を巻き付けてコア部2a
の形状安定性を向上させて、フィルター1Bを構成する
こともできる。巻取紙3’は例えばその厚さが30〜9
0μmで、好ましくは55〜85μmのものである。
【0017】コア部2aとシース部2bを形成するもの
としては、繊維材料が好適であり、なかでもセルロース
アセテート繊維が、喫味の点から好ましく用いられる。
シース部2bを構成するフィルター材としては、セルロ
ースアセテート製の繊維トウ(セルロースアセテートト
ウ)を用いると好ましい。さらに好ましくは、セルロー
スアセテート製の長繊維捲縮トウであり、このものを用
いることにより、煙粒子成分の濾過効率が高く、また香
喫味の良好なフィルター1,1A,1Bが得られる。コ
ア部2aを構成するフィルター材としては、開繊したセ
ルロースアセテートトウをコルゲート加工してなるコル
ゲート加工シートが好適である。あるいは、セルロース
アセテート繊維製のウェブ(織布、不織布などのシート
状物)をコルゲート加工してなるコルゲート加工シート
も好適である。これらは単独で用いることもできるし、
組み合わせて用いることもできる。
【0018】フィルター部2に対するコア部2aの重量
比率は、15〜55%が望ましい。コア部2aの重量比
率が15%未満の場合、コア部2aが粗になりすぎ、そ
の周囲を覆うシース部2bによってコア部2aの形状を
保つことが困難となる。55%をこえると、製造時に、
シース部2bを構成するフィルター材によって、コア部
2aを均一に包み込んで巻き上げることが困難となる。
【0019】また、コア部2aとシース部2bとを繊維
材料から形成する場合、コア部2aの繊維材料の繊度を
5〜14dpf、シース部2bの繊維材料の繊度を3d
pf以下、好ましくは1.5〜3.0dpfとすること
により、コア部2aとシース部2bの通気抵抗を適切な
範囲に設定し、これらの流速差を適切に設定することが
容易となる。また、繊維材料からなるシート状物をコル
ゲート加工シートとする場合には、前記シート状物の目
付量を増やすことにより、濾過効率を高めることができ
る。フィルター部2の断面積に対するコア部2aの断面
積の割合は、5〜60%、好ましくは10〜45%とさ
れる。この範囲外の場合には、煙を効率的にコア部2a
に局在化させることができない場合がある。
【0020】また、フィルター1,1A,1Bにおいて
は、コア部2aを透過する空気の流速が、シース部2b
よりも速くなるように、コア部2aとシース部2bのそ
れぞれの通気抵抗が調整されている。コア部2aを透過
する空気の流速(以下コア部2aの流速という)は50
cm/sec以上、好ましくは60〜120cm/se
cとされる。50cm/sec未満の場合は、香味の濃
さ、煙量感などの喫煙に対する満足感を得ることができ
ない。シース部2bを透過する空気の流速(以下シース
部2bの流速という)は、20〜40cm/sec、好
ましくは25〜35cm/secとされる。
【0021】コア部2aの流速とシース部2bの流速
は、図8、図9に示す流量測定装置を用いて、フィルタ
ー1とたばこ本体5aとが一体化されたたばこ5をセッ
トし、17.5ml/secで吸引した際の流量測定値
から求めた値をいうものとする。本出願人は特開平9−
304371号公報において、フィルターを透過する煙
粒子成分を、フィルターの各部分毎に測定するための装
置を提案している。図8、図9に示した流量測定装置
は、特開平9−304371号公報において提案した装
置を利用して構成したものであって、図8はサンプルホ
ルダーの拡大断面図、図9は装置の概略構成図である。
【0022】流量測定装置は、サンプルホルダー30と
流量測定部43a,43bと、図示しない吸引装置によ
って概略構成されている。流量測定部43a,43bと
しては、例えばダイナサイエンス社のラミナーフローメ
ーターなどを用いることができる。サンプルホルダー3
0は、第1の開口部31,第2の開口部32,第3の開
口部33を有し、第2の開口部32には円管状の流路分
割部材34が挿入、固定されている。この流路分割部材
34と第1の開口部31には、チューブ41a,41b
がそれぞれ接続されている。これらチューブ41a,4
1bの途中には、それぞれ流量測定部43a,43bが
挿入されている。そしてこれらチューブ41a,41b
は、吸引装置接続部42において合流し、この吸引装置
接続部42を介して吸引装置に接続されている。
【0023】サンプルホルダー30の流路分割部材34
の先端34bは尖っており、第3の開口部33から挿入
される、フィルターチップのフィルター部2の端面に差
し込まれるようになっている。この結果、流路分割部材
34の内部と外部とに、フィルター部2の中心部を透過
した空気の流路と、その外周部を透過した空気の流路と
が分割されるようになっている。そして、流路分割部材
34の先端34bの内径Dは、前記中心部の外径に相当
し、この内径Dを変更することによって、フィルター部
2の中心部と外周部の測定範囲を自由に変更して設定す
ることができる。流路分割部材34の内部は、前記中心
部を透過した空気が流れる中心部透過気体流路34aで
あり、流路分割部材34の外部には、第3の開口部33
から第1の開口部31にかけて、前記外周部を透過した
空気が流れる外周部透過気体流路31aが形成されてい
る。
【0024】コア部2aとシース部2bのそれぞれの流
速を測定するにおいては、内径Dがコア部2aの外径と
等しい流路分割部材34を用い、サンプルホルダー30
にたばこ巻をセットし、17.5ml/secの吸引速
度で、吸引装置からチューブ41a,41bを介して吸
引する。すると、コア部2aを透過した空気は、中心部
透過気体流路34aからチューブ41aに入り、流量測
定部43aにおいてその流量が測定される。一方、シー
ス部2bを透過した空気は、外周部透過気体流路31a
からチューブ41bに入り、流量測定部43bにおいて
その流量が測定される。そして、流量測定値を以下の式
1、2にしたがって、各部の断面積で除した値を、コア
部2aとシース部2bの流速とする。
【0025】すなわち、コア部2aの流速は以下の式1
から求めるものとする。 Vc=Mc/((Dc/2)2×π)…式1 ただし、式1中の符号は以下のものを示す。 Vc:コア部の流速(cm/sec) Mc:コア部の流量測定値(ml/sec) Dc:コア部の直径(cm) また、シース部2bの流速は以下の式2から求めるもの
とする。 Vs=Ms/((Df/2)2×π−(Dc/2)2×π)…式2 ただし、式2中の符号は以下のものを示す。 Vs:シース部の流速(cm/sec) Ms:シース部の流量測定値(ml/sec) Df:フィルター部の直径(cm) Dc:コア部の直径(cm)
【0026】コア部2aとシース部2bにおける、それ
ぞれ単独の通気抵抗は以下のようにして測定するもので
ある。まず、フィルター部2をシース部2bとコア部2
aに分離する。コア部2aの通気抵抗は、分離したコア
部2aの周囲にセロファンテープを巻き、コア部2aの
外径と同一の内径を有するチューブに差し込んで、コレ
スタ法で定義された方法にしたがって測定する。シース
部2bの通気抵抗は、分離したシース部2bの、コア部
2aに相当する箇所に、コア部2aの外径と同一の外径
を有する塩化ビニル樹脂製の棒を差し込み、コレスタ法
で定義された方法にしたがって測定する。この測定方法
によって得られる通気抵抗値の単位はmmH2Oであ
る。
【0027】本発明において、フィルター部2の通気抵
抗は100〜170mmH2Oが好適であり、コア部2
aの通気抵抗は450〜800mmH2Oが好ましい。
さらに好ましくは、フィルター部2の通気抵抗が140
〜160mmH2Oであり、コア部2aの通気抵抗は5
00〜600mmH2Oである。この範囲のフィルター
1,1A,1Bは、煙をコア部2aに局在化させること
ができ、コア部2aを透過する煙の流速を高めやすい。
【0028】コア部2aの通気抵抗は、具体的には下記
の条件などを変更することによって、変えることができ
る。 1)コルゲート成形条件(温度、圧力、クリアランス、
速度) 2)コア部成形条件(温度、速度) 3)フィルター材特性(例えば、トウ品種*などの選
択) *トウ品種の特性は、繊度(dpf値)/トータルデニ
ールで表される。 4)シート開繊幅(開繊が必要な材料を用いる場合) 5)開繊後に付着させる可塑剤量 6)コア部の外径
【0029】フィルター部2の通気抵抗は、上述のコア
部2aの通気抵抗に影響する条件の他に、シース部2b
のフィルター材特性、フィルター材充填量、可塑剤量な
どの条件によって変更することができる。
【0030】また、チップペーパー4の開孔部4aから
フィルター1,1A,1B内部に外部空気を取り入れる
ベンチレーション効果は、喫煙者の口中に到達する吸入
量に対する、開孔部4aから入る外部空気量の割合(容
量%)であるフィルターベンチレーション率(以下ベン
チレーション率と記す)で表される。このベンチレーシ
ョン率は、巻取紙3とチップペーパー4の通気度や開孔
部4aの大きさや数などを変化させることによって調整
できる。ベンチレーション率は、コレスタ法NO.6に
したがって測定して得られる値である。
【0031】本発明において、ベンチレーション率は、
60〜80%が望ましい。この際、巻取紙3の通気度が
10000〜30000CUであり、チップペーパー4
の通気度が1600〜3000CUであると望ましい。
これらの通気度はコレスタ法NO.40にしたがって測
定して得られる値である。前記範囲のベンチレーション
率とすることにより、シース部2bに流入した煙は、シ
ース部2bの外部から流入するベンチレーション空気の
流入圧によってコア部2a中に押しやられる。この結
果、コア部2aに煙をさらに集中させて、局在化するこ
とができる。
【0032】以下、フィルター1,1A,1Bの作用に
ついて説明する。フィルター部2は、上述のようにシー
ス部2bの流速よりもコア部2aの流速が速くなるよう
な構成となっている。このため、喫煙操作を行うと、煙
の分布がコア部2aとシース部2bにおいて異なり、コ
ア部2aとシース部2bのそれぞれから喫煙者の口中に
到達する煙は、その到達速度や煙粒子成分の濃度などの
特性が異なるものとなる。すなわち喫煙操作を行うと、
たばこ本体5a側からフィルター部2に吸い込まれた煙
の流れがコア部2aに局在化する。すると、コア部2a
を透過する煙の流速は、シース部2bを透過する煙の流
速、あるいはチップペーパー4と巻取紙3を介してシー
ス部2bの側面から取り入れられるベンチレーション空
気の流速よりもかなり速くなる。この結果、コア部2a
を透過する煙は、コア部2a内で十分に濾過されないま
ま、高濃度の煙として喫煙者の口中に到達する。一方、
シース部2bを透過する煙は、その速度が遅いため、シ
ース部2bにおいて十分に濾過されるとともに、シース
部2bの側面側から取り入れられるベンチレーション空
気によって希釈される。そしてシース部2bからは低濃
度の煙が、前記高濃度の煙の後に、喫煙者の口中に流出
する。
【0033】このように、喫煙者は、コア部2aから先
に流出する、タール、ニコチンなどの煙粒子成分を高濃
度に含有する煙を味わうことができる。また、シース部
2bから流出する煙は十分に低タール化される。したが
ってこれらのコア部2aから流出する煙とシース部2b
から流出する煙との作用によって、香味の濃さ、煙量感
などの喫煙に対する満足感を得ることができ、かつ全体
としてはタール値3mg以下、好ましくは1mg以下の
低タールたばこを構成できる。
【0034】また、本発明のフィルターにおいては、喫
煙者の口中に達する煙中のタールに対する一酸化炭素
(CO)の重量比(CO/タール)を1以下、すなわち
タールの重量に対してCOガスの重量を小さくできると
いうさらなる効果が得られる。従来の低タールたばこに
おいては、ベンチレーション空気の導入割合が大きくな
る構成が取られる場合が多い。この結果、喫煙者の口中
に到達する煙中のCOガスの割合が低下することが知ら
れている。この際、COガス量の低下に伴い、タールや
ニコチンも同様に減少し、喫煙に対する満足感も減少し
てしまう。しかしながら、本発明のフィルターにおいて
は、コア部2aを透過する煙中のタール濃度は、ほとん
どベンチレーション空気に影響されないため、喫煙者の
口中に到達する煙中のCO濃度が低下しても、タール濃
度が低下することがない。このため、喫煙者の口中に到
達する全煙中のCOガス濃度が小さくても、喫煙に対す
る満足感が十分得られる。本発明のフィルターを用いた
たばこのタール値は、コレスタ法にしたがって測定する
値であり、たばこ本体の構成、フィルターの構成などに
よって調整される。本発明のフィルターは、タール値が
3mg以下、好ましくは1mg以下の低タールたばこに
好適に用いられるものである。
【0035】図6は、本発明のフィルターの好適な製造
方法の第1の例に用いる装置の概略構成図である。以
下、製造操作にしたがって説明する。まずコア部の材料
として、トウのように開繊が必要な繊維素材を用いる場
合、べールから引き出したトウ状コア部材料10Aを、
開繊装置11Aに供給して、均一に開繊する。そして、
テリベリーロール12Aを通過させて、好ましくは、ト
リアセチンなどの可塑剤を均一に付着させてシート状コ
ア部材料10Bとする。そして、このシート状コア部材
料10Bをコルゲート熱成形装置14に供給する。一
方、コア部の材料として、不織布、フィルムなど開繊不
要なもの(ウェブ)を用いる場合には、このシート状コ
ア部材料10Bをガイド13を介して直接コルゲート熱
成形装置14に供給することができる。
【0036】コルゲート熱成形装置14は、多数の溝を
有する上下2本のニップロールを備えている。そして、
この上下のニップロールの溝が互いに噛合し、約1mm
以下の厚さでそのクリアランスを調整できる機能を有
し、所定の圧力で加圧する能力と、所定の温度で熱成形
する能カを備えているものであれば、いずれの装置をも
用いることができる。
【0037】コルゲート熱成形装置14のニップロール
間のクリアランス、圧力、温度、速度によって、フィル
ター特性が変化する。このため、これらの諸条件は、目
的とするフィルターの特性に合わせて決定される。具体
的には、例えばコルゲート熱成形装置14のニップロー
ル間のクリアランスは0.5mm以下、ロール間圧力は
0.5〜6kg/cm2Gの範囲、温度は60〜180
℃の範囲とするのが好ましい。前記クリアランスが0.
5mmを越える場合、温度が60℃未満の場合には、コ
ルゲート加工が困難である。また、温度が180℃を越
える場合には、逆にシート化が進みすぎ、十分な通気抵
抗を保ったフィルター材とすることが困難になるととも
に、製造安定性が低下する。
【0038】ついで、コルゲート熱成形装置14におい
てコルゲート加工されたコルゲート加工シート6を、エ
キストラロール15から引き出す。さらに、第1のリン
グガイド16と第2のリングガイド17を通過させた
後、熱成形収束装置18を通過させて、収束させるとと
もに、その外周面を熱融着加工し、円筒型の収束物と
し、形状の安定化を図る。ついで、二重管19の内管内
に供給する。繊維トウなどをコルゲート加工せずに、そ
のまま用いてコア部を構成する場合には、コルゲート熱
成形装置14を経ずに、開繊装置11Aとデリベリーロ
ール12Aを経たものを熱成形収束装置18に供給す
る。
【0039】熱成形収束装置18は、コルゲート加工シ
ート6を、加熱しながら収束させつつ通過させる収束路
を有している。この収束路の断面の面積は、入り口側か
ら出口にむかって徐々に小さくなっている。前記断面の
形状は、コア部の断面形状にあわせて、円形、楕円形、
角型、五角形、星型などに適宜変更できる。
【0040】熱成形収束装置18の温度と速度は、目的
とするフィルターの特性に合わせて決定すると好まし
い。具体的には、例えば熱成形収束装置18の温度は、
コルゲート加工シート6の材料にもよるが、60〜30
0℃の範囲とするのが好ましい。60℃未満の場合に
は、熱成形が困難となり、300℃をこえる場合には、
コルゲート加工シート6の溶融が進みすぎ、均一なコル
ゲート形状を保って収束物を形成することが困難とな
る。また熱成形収束装置18の出口の断面積は、通常コ
ア部2aの断面積とする。また、コルゲート加工シート
6の性質やシート幅によって、コア部2aの断面積と、
前記出口の断面積を調節することが好ましい。すなわち
前記出口の断面積が小さすぎると、収束路内の抵抗が大
きくなり、後の工程に、コルゲート加工シート6の収束
物を供給する速度が低下し、製造効率の低下を招くこと
がある。また、前記出口の断面積が大きすぎる場合に
は、前記収束物中の空隙が多くなって、剛直性が失わ
れ、均一な形状の収束物が得られない場合がある。
【0041】一方、長繊維捲縮トウなどのシース部材料
21を、開繊装置11Bに供給し、均一に開繊する。さ
らにデリベリーロール12Bを通過させて、好ましくは
トリアセチンなどの可塑剤を均一に付着させる。つい
で、第1のリングガイド16と第2のリングガイド17
を通過させて、開繊した繊維トウシートの断面形状を円
弧状に広げ、さらに筒状に成形しつつ、二重管19の外
管と内管との間に供給し、管状体に収束するとともに、
内管内に供給されるコア部となる円筒型の収束物と一体
化してフィルター部を形成する。これを、巻取紙3とと
もにフィルタープラグマシン20に供給する。
【0042】フィルタープラグマシン20においては、
巻取紙3を、その少なくとも一端縁に接着剤を塗工し、
フィルター部の外周に巻つけるとともに、前記端縁を接
着してフィルター部と一体化する。そして、カッターで
所定長に切断してフィルターチップとする。このように
して、図4(a)に示す断面形状のフィルター1Aを得
ることができる。この後、常法にしたがって、例えばた
ばこ本体と前記フィルターチップとを突き合わせて、フ
ィルターチップの周囲と、たばこ本体の前記フィルター
チップとの接合部の周囲に一体にチップペーパーを巻き
付けて接着し、たばこを完成させる。
【0043】図7は本発明のフィルターの製造方法の第
2の例に用いる装置の例を示す概略構成図で、この装置
は、図4(b)に示すように、コア部2aの周囲に巻取
紙3’を設けた構成のフィルター1Bを製造するもので
ある。この装置においては、エキストラルロール15と
第1のリングガイド16との間に、コア部収束ガイド2
2とコア部巻管部23が設けられている点が、図6に示
した装置と異なっている。
【0044】すなわち、コア部収束ガイド22におい
て、エキストラルロール15から供給されたコルゲート
加工シート6の収束物を形成し、これを巻取紙3’とと
もにコア部巻管部23に供給する。そして、このコア部
巻管部23において、コルゲート加工シート6の収束物
の周囲に、その一端縁に接着剤を塗工した巻取紙3’を
巻き付け、前記接着剤にて前記端縁を接着し、前記収束
物と巻取紙3’を一体化する。このようにして、コア部
の断面積を所定の断面積とし、その長さ方向における形
状を安定させる。この収束物と巻取紙3’との一体化物
を、第1のリングガイド16,第2のリングガイド17
を経て熱成形収束装置18に供給し、シース部となる管
状体と一体化する以下の操作は、図6に示した第1の例
と同様である。
【0045】
【実施例】以下のようにして、フィルターを製造し、こ
れを用いてたばこを構成し、その特性を評価した。な
お、実施例における測定項目は、それぞれ以下に示す方
法によって測定したものである。 <通気抵抗>通気抵抗はコレスタ法に基づき、たばこの
通気抵抗、およびコア部、シース部のそれぞれ単独の通
気抵抗は、加藤工業製OTIC式吸引抵抗測定器を用い
て、前述した方法にしたがって測定した。測定結果は、
表1、表2中、「コア部通気抵抗」、「シース部通気抵
抗」、「たばこ通気抵抗」の項目に示した。 <コア部の流速とシース部の流速>流量測定装置とし
て、ダイナサイエンス社のラミナーフローメーター23
を用い、図8、9に示した装置を構成し、上述の方法で
測定した。サンプルホルダーの流路分割部材の内径D
は、それぞれのコア部の直径にあわせて、順次変更し
た。測定結果は、表3中、「コア部流速」と「シース部
流速」の項目に示した。
【0046】<たばこの煙中のタール、ニコチンの測定
>喫煙による煙中のタールとニコチンの喫煙量を、ボル
グワルト社製回転型喫煙器RM20/CSを用い、コレ
スタ法に基づき実施した。測定結果は、表2中、「ター
ル/ニコチン喫煙量」の項目にそれぞれ示した。 <たばこの煙中の一酸化炭素の測定>上述のタール、ニ
コチンの測定の際に、発生したガス成分をテドラーパッ
グに捕集し、ボルグワルト社製CO−Analyzer C2
1にて定量した。測定方法はコレスタ法にしたがった。
測定結果は、表2中、「CO/タール比」の項目に、煙
中のCO/タールの重量比として示した。 <コア部、シース部のそれぞれのニコチン喫煙量>図1
0に示した喫煙量測定装置を構成した。この装置は、図
9に示した流量測定装置において、流量測定部43a,
43bをケンブリッジフィルター44a,44bに変更
したものである。この装置を用いて喫煙操作を行い、た
ばこ1本の喫煙によるコア部とシース部から流出する煙
粒子成分をケンブリッジフィルター44a,44bにて
それぞれ捕捉し、ガスクロマトグラフィーで定量した。
測定結果は、表2中、「フィルター中コア部より喫煙さ
れるニコチン量割合」の項目に、コア部とシース部の測
定結果の合計に対するコア部の測定結果の割合を示し
た。
【0047】(実施例1〜2)図6に示す装置を用いて
フィルターを製造し、図4(a)に示す断面形状を有す
るフィルターを形成した。コア部はセルロースアセテー
トトウからなるコルゲート加工シートから形成した。ま
た、シース部としては、セルロースアセテートトウから
なる管状のたばこフイルタープラグ(円周24.6m
m)を製造し、これを用いた。また、巻取紙はポーラス
紙、通気度30000CUを用いた。フィルター部の外
径は7.8mm、フィルターチップの長さは25mmに
なるように切断した。表1にコア部とシース部の構成を
示した。表1中、「コアトウ」、「シーストウ」の項目
には、コア部とシース部を構成するそれぞれのセルロー
スアセテートトウの特性を、繊度(dpf値)/トータ
ルデニールの値で示した。
【0048】このようにして得られたフィルターチップ
に、チップペーパーを巻き付けて糊付けし、たばこ本体
と接続し、フィルターを完成させるとともに、たばこを
製造した。このときチップペーパーの開孔部には糊付け
しないようにした。たばこ本体は、日本たばこ産業
(株)製商品名「アルファ」のフィルター部分を除いた
ものと同様の構成のものを用いた。チップペーパーはレ
ーザー4列開孔、通気度1600CUを用いた。チップ
ペーパーの開孔部は、フィルター吸口端面から12.5
mmの位置を中心に配置した。たばこの評価結果を表2
に、フィルターの各部の流速を表3に示した。
【0049】(実施例3)コア部に、セルロースアセテ
ートトウをコルゲート加工せずにそのまま用いた以外
は、実施例1〜2と同様にして、フィルターを作製し、
たばこを製造した。表1にコア部とシース部の構成を示
した。また、たばこの評価結果を表2に、フィルターの
各部の流速を表3に示した。
【0050】(比較例1)フィルター部をセルロースア
セテートトウからなる均一構造とした以外は、実施例1
と同様の構成のフィルターとたばこを製造した。表1に
フィルター部の構成を、表2にたばこの評価結果を示し
た。また、サンプルホルダーの流路分割部材の内径Dを
2〜6mm間で1mm刻みで変化させたときの、中心部
(「コア部流速」の項目に記載)と外周部(「シース部
流速」の項目に記載)の流速を測定し、表3にそれぞれ
示した。
【0051】(比較例2)実施例1〜2と同様にして、
フィルターを作製し、たばこを製造した。表1にフィル
ター部の構成を示した。また、たばこの評価結果を表2
に、フィルターの各部の流速を表3に示した。この比較
例2のフィルターは、コア部の径が5mmで、高いコア
部通気抵抗という構成にしたことにより、コア部の流速
がシース部の流速よりも遅いところが、実施例1〜2の
フィルターと大きく異なっていた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】表3より、本発明に係る実施例1〜3のフ
ィルターにおいては、コア部の流速が大きいことがわか
る。そして、実施例1〜3のたばこは、表2に示した
「フィルター中コア部より喫煙されるニコチン量割合」
が大きく、煙を十分にコア部に局在化させることができ
ることが明らかである。また、CO/タール重量比を1
以下にできることがわかる。そして、このような特性を
もちながらこれらのたばこのタール値は1.2mg以下
であり、非常に低くなっている。したがって、実施例1
〜3のたばこは、コア部から流出する煙によって香味の
濃さ、煙量感などの喫煙に対する満足感を得ることがで
きるものであり、かつ低タールのものであることが明ら
かである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフィルター
においては、コア部の流速とシース部の流速の差によっ
て、煙の流れがコア部に局在化されるようになってい
る。このため、コア部を透過する煙は、コア部内で十分
に濾過されないまま、高濃度の煙として喫煙者の口中に
到達する。一方、シース部を透過する煙は、その速度が
遅いため、シース部において十分に濾過されるととも
に、シース部の側面側から取り入れられるベンチレーシ
ョン空気によって希釈される。そしてシース部からは低
濃度の煙が、前記高濃度の煙の後に、喫煙者の口中に流
出する。このように、喫煙者は、コア部から先に流出す
る、タール、ニコチンなどの煙粒子成分を高濃度に含有
する煙を味わうことができる。また、シース部から流出
する煙は十分に低タール化される。この結果、香味の濃
さ、煙量感などの喫煙に対する満足感を得ることがで
き、かつ全体としてタール値が3mg以下、好ましくは
1mg以下の低タールたばこを構成することができる。
また、本発明のフィルターにおいては、喫煙者の口中に
到達する煙中のタールに対する一酸化炭素(CO)の重
量比(CO/タール)を1以下、すなわちタールの重量
に対してCOガスの重量を小さくできるというさらなる
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のたばこフィルターの一例の軸芯方向
と直交方向に切断した断面図である。
【図2】 本発明のたばこフィルターの一例の軸芯方向
と平行に切断した側断面図である。
【図3】 コルゲート加工シートの構成を示す説明図で
ある。
【図4】 図4(a)は、コア部の形状を円筒形にした
フィルターの一例を示した軸芯方向と直交方向に切断し
た断面図である。図4(b)は、コア部の周囲に通気性
の巻取紙を巻き付けたフィルターの一例を示した軸芯方
向と直交方向に切断した断面図である。
【図5】 図5(a)〜(f)は、フィルターのコア部
の断面形状の種々の例を示した軸芯方向と直交方向に切
断した断面図である。
【図6】 本発明のフィルターの製造方法の第1の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図7】 本発明のフィルターの製造方法の第2の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図8】 図9に示した流量測定装置の一例に用いるサ
ンプルホルダーの拡大断面図である。
【図9】 流量測定装置の一例の概略構成図である。
【図10】 実施例に用いた喫煙量測定装置を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…フィルター、2a…コア部、2b…シ
ース部、2…フィルター部、3,3’…巻取紙、4…チ
ップペーパー、4a…開孔部(孔) 、5a…たばこ本
体(たばこの巻部)、5…たばこ、6…コルゲート加工
シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 栄一 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (72)発明者 平木 信成 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−191682(JP,A) 特開 平7−8254(JP,A) 特開 平6−169744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A24D 1/00 - 3/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 たばこ1本あたりのタール値が3mg以
    下の低タールたばこ用のたばこフィルターであって、 中心に設けられたコア部とこの周囲に設けられたシース
    部とを有するフィルター部を備え、 前記コア部は、透過する空気の流速が前記シース部より
    も速く、 前記フィルター部を17.5ml/secで吸引したと
    きの前記コア部を透過する空気の流速が50cm/se
    c以上であり、 かつ、前記フィルター部の断面積に対する前記コア部の
    断面積の割合が5〜60%であることを特徴とするたば
    こフィルター。
  2. 【請求項2】 前記フィルター部に対する前記コア部の
    重量比率が15〜55%であることを特徴とする請求項
    1項に記載のたばこフィルター。
  3. 【請求項3】 前記フィルター部の通気抵抗が100〜
    170mmH2Oであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のたばこフィルター。
  4. 【請求項4】 前記コア部の通気抵抗が450〜800
    mmH2Oであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のたばこフィルター。
  5. 【請求項5】 フィルターベンチレーション率が60〜
    80%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のたばこフィルター。
  6. 【請求項6】 前記フィルター部の周囲に巻き付けられ
    た巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペ
    ーパーを備え、 前記巻取紙の通気度が10000〜30000CUであ
    り、前記チップペーパーの通気度が1600〜3000
    CUであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一
    項に記載のたばこフィルター。
  7. 【請求項7】 前記シース部が、繊維トウからなること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のたば
    こフィルター。
  8. 【請求項8】 前記コア部が、コルゲート加工シートが
    収束されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一項に記載のたばこフィルター。
  9. 【請求項9】 前記コア部と前記シース部の一方あるい
    は両方がセルロースアセテート繊維からなることを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のたばこフィ
    ルター。
  10. 【請求項10】 前記コア部が、その繊度が5〜14d
    pfの繊維材料からなり、前記シース部が、その繊度が
    3dpf以下の繊維材料からなることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれか1項に記載のたばこフィルター。
JP12647698A 1998-05-08 1998-05-08 たばこフィルター Expired - Fee Related JP2955556B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12647698A JP2955556B1 (ja) 1998-05-08 1998-05-08 たばこフィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12647698A JP2955556B1 (ja) 1998-05-08 1998-05-08 たばこフィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2955556B1 true JP2955556B1 (ja) 1999-10-04
JPH11318419A JPH11318419A (ja) 1999-11-24

Family

ID=14936174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12647698A Expired - Fee Related JP2955556B1 (ja) 1998-05-08 1998-05-08 たばこフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2955556B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023226522A1 (zh) * 2022-05-24 2023-11-30 云南中烟工业有限责任公司 一种内芯填充的外中空滤棒及其加工方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114983016A (zh) * 2022-05-24 2022-09-02 云南中烟工业有限责任公司 一种三角形间隔填充丝束的滤棒及其加工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023226522A1 (zh) * 2022-05-24 2023-11-30 云南中烟工业有限责任公司 一种内芯填充的外中空滤棒及其加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11318419A (ja) 1999-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2048978B1 (en) Smoking article with single piece restrictor and chamber
US4357950A (en) Tobacco smoke filter having improved tar/carbon monoxide ratio
US4508525A (en) Method and apparatus for producing tobacco smoke filter having improved tar/carbon monoxide ratio
JP3533156B2 (ja) シガレット用フィルタ及びフィルタ付きシガレット
JPH024275B2 (ja)
GB2078086A (en) Flow-impedance device for ventilated smoking articles
JPH07147964A (ja) タバコ用フィルタ、紙巻きタバコ、及び紙巻きタバコからの微粒子の放出を制御する方法
AU2009275329A1 (en) Filter for a smoking article
GB2119221A (en) Cigarette filter
JP3607856B2 (ja) シガレットフィルタ及びフィルタシガレット
WO2015035220A1 (en) Filter components, filters, smoking articles, and related methods, all for the controlled delivery of aerosols
JP2001120249A (ja) たばこフィルター
JP2955558B1 (ja) 濾過率の高いたばこフィルター
JP2955556B1 (ja) たばこフィルター
JP3648072B2 (ja) タバコフィルター
JP2955557B1 (ja) シース・コア型たばこフィルター
JPS59203483A (ja) デユアル構造タバコフイルタ−
JP2952238B1 (ja) 二重同心構造のフィルターを有するシガレット
BG64611B1 (bg) Филтърна цигара с биологично разграждащ се филтър
JP2826983B2 (ja) デュアル構造フィルター付きたばこ
JP2920448B2 (ja) デュアル構造たばこフィルター
JPH08191682A (ja) シース・コア型シガレットフィルター
JP3208731B2 (ja) デュアル構造フィルター付きたばこ
JP2923741B2 (ja) デュアル構造フィルター付きたばこ
JP2926113B2 (ja) デュアル構造フィルター付きたばこ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990629

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 13

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees