JP2955558B1 - 濾過率の高いたばこフィルター - Google Patents

濾過率の高いたばこフィルター

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JP2955558B1 JP12647998A JP12647998A JP2955558B1 JP 2955558 B1 JP2955558 B1 JP 2955558B1 JP 12647998 A JP12647998 A JP 12647998A JP 12647998 A JP12647998 A JP 12647998A JP 2955558 B1 JP2955558 B1 JP 2955558B1
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Abstract

【要約】 【課題】 喫味を損なわず、香喫味、煙量感などの喫煙
に対する満足感が十分に得られるタール値3mg以下の
低タールたばこ用のたばこフィルターを提供する。 【解決手段】 中心に設けられたコア部2aとこの周囲
に設けられたシース部2bとを有するフィルター部2を
備え、前記コア部2aは、透過する空気の流速が前記シ
ース部2bよりも遅く、前記フィルター部2を17.5
ml/secで吸引したときの前記コア部2aを透過す
る空気の流速が30cm/sec以下であり、かつ、タ
ールの濾過率が80%以上であり、かつ、前記フィルタ
ー部2の断面積に対する前記コア部2aの断面積の割合
が20〜70%であることを特徴とする濾過率の高いた
ばこフィルターを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は喫煙用のたばこフィ
ルターに関し、特にたばこ1本当たりのタール値が3m
g以下となる低タールたばこ用のたばこフィルターにお
いて、濾過率を向上させたたばこフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の健康指向にともない、たばこ喫煙
者の嗜好が高タールたばこから中タールたばこヘ、また
中タールたばこから低タールたばこヘ、さらには超低タ
ールたばこへ移行する傾向がある。このような超低ター
ルたばことしては、タール3mg/本以下、さらには、
1mg/本程度のたばこが市販されている。初期の超低
タールたばこは、チップペーパーからの空気流入を増加
させたものであった。このため、のみごたえ感が得られ
ない場合が多かった。最近では、燃焼性を考慮した巻紙
を用いたり、また構造を工夫したフィルターを用いるこ
とによって、のみごたえ感を重視した超低タールたばこ
が開発されている。
【0003】フィルター構造を工夫したフィルターにつ
いては、以下のような提案がなされている。特開昭58
−198284号公報には、2重同心円フィルターであ
って、たばこの煙を濾過するコア部と、このコア部の周
囲に取り付けた内側スリーブと、この内側スリーブの周
囲に設けられた空気透過性材料からなるスリーブ本体と
から構成されたフィルターが開示されている。このフィ
ルターは、前記スリーブ本体の周囲に通気性外被を取り
付けて使用される。このフィルターを用いたたばこにお
いては、喫煙時には、煙の大部分は、コア部を通って喫
煙者の口に送られ、前記通気性外被を透過した空気の大
部分は、この通気性外被とスリーブとの間の領域に沿っ
て喫煙者の口に送られる。このようにして、煙と空気と
を、フィルター内では別々に流し、喫煙者の口の中で混
合するようにすることによって、喫味感を向上さてい
る。しかしながら、このような煙と透過空気の単なる分
離によっては、香喫味や煙量感は十分ではなかった。
【0004】特開昭59−135879号公報には、デ
ュアル形たばこ用フイルターであって、その中心に香味
料を含有させた通気抵抗の小さい濾材が配置され、その
周囲に通気抵抗の大きい濾材が配置された同心円状に二
層構造とされた第1のフィルター部をたばこ側に設け、
フィルター濾材の外周面に、その長さ方向に沿って空気
が流通する複数の溝を設けた第2のフィルター部を吸口
側に設けたフィルターが開示されている。このフィルタ
ーを用いると、空気が流通する溝と、香味料を含有させ
た通気抵抗の小さい濾材との作用によって、低タール、
低ガスでありながら喫味の豊かなたばこを得ることがで
きる。しかしながら、香喫味は香味料によって得られる
ものであって、たばこ葉の燃焼による本来の香喫味とは
異なるものであった。
【0005】特開平6−269270号公報には、波状
に加工した紙芯を円筒状に収束させてなる中心部と、そ
の周囲に設けられたセルロースアセテートトウからなる
外周部を有する2重同心円フィルター部がプラグ包装紙
で包まれた構成のフィルターが開示されている。このフ
ィルターは低タールたばこ用のもので、通気抵抗の増大
を抑制しつつ、味覚を向上させることを目的としてい
る。しかしながら、高い濾過効率が期待できるものの、
喫煙時の味覚は十分に満足できるものではなかった。特
開平8−191682号公報には、波状に加工したコル
ゲート加工シートを収束させたコア部と、その周囲に設
けられた繊維トウの開繊収束物からなるシース部を備え
たシース・コア型のフィルターにおいて、コア部の通気
抵抗を500mmH20以上、シース部の通気抵抗に対
するコア部の通気抵抗の比率を2.5倍以上としたもの
が開示されている。この提案においては、喫味を判断す
る指標としてフィルター透過後の煙濃度を定義してい
る。そして、コア部を透過した後の煙濃度をシース部を
透過した後の煙濃度よりも大きくすることによって喫味
を向上させることが開示されている。しかしながらター
ル値が3mg以下のような低タールたばこに適用するこ
とは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の提案
がなされているが、従来のタール3mg以下のような低
タールたばこにおいて、喫煙者が感じるたばこ本来の香
喫味や煙量感を十分に満足させることは困難であった。
そもそも、低タールたばこにおいては、フィルターの濾
過機能を高めることなどによって喫煙者が吸入するたば
この煙中のニコチン、タールなどの煙粒子成分の絶対量
を少なくしたり、外部空気を取り入れることよって煙を
薄めることなどによって低タール化を図るものであるか
ら、喫煙の満足感が減少するのは避け難かった。さらに
フィルター材に紙、パルプなどを用いて、単に高い濾過
作用を高めた構成としたものは、喫味が辛く感じやすい
という問題があった。本発明は前記事情に艦がみてなさ
れたものであって、タール値3mg以下の低タールたば
こに適したたばこフィルターであっても、喫味を損なわ
ず、高濾過性に優れたたばこフィルターを提供すること
を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては以下のような解決手段を提案する
ものである。すなわち本発明は、たばこ1本あたりのタ
ール値が3mg以下の低タールたばこ用の濾過率の高い
たばこフィルターであって、中心に設けられたコア部と
この周囲に設けられたシース部とを有するフィルター部
を備え、前記コア部は、透過する空気の流速が前記シー
ス部よりも遅く、前記フィルター部を17.5ml/s
ecで吸引したときの前記コア部を透過する空気の流速
が30cm/sec以下であり、かつ、タールの濾過率
が80%以上であり、かつ、前記フィルター部の断面積
に対する前記コア部の断面積の割合が20〜70%であ
ることを特徴とする濾過率の高いたばこフィルターであ
る。前記シース部の換算通気抵抗に対する前記コア部の
換算通気抵抗の比率は1.5〜4が好ましい。また、ニ
コチン濾過率は70〜90%が好ましい。前記フィルタ
ー部に対する前記コア部の重量比率は45〜70%が好
ましい。前記フィルター部の通気抵抗は100〜170
mmH2Oが好ましい。前記コア部の通気抵抗は500
〜1000mmH2Oが好ましい。また、フィルターベ
ンチレーション率は60〜80%が好ましい。また、前
記フィルター部の周囲に巻き付けられた巻取紙と、この
巻取紙の上に巻き付けられたチップペーパーを備え、前
記巻取紙の通気度が10000〜30000CUであ
り、前記チップペーパーの通気度が1200〜3600
CUであると好ましい。また、前記フィルター部の周囲
に巻き付けられた巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付け
られたチップペーパーを備え、前記チップペーパーは、
その外周にそって設けられた、ベンチレーション空気を
導入するための開孔部を有し、前記開孔部前のニコチン
濾過率に対する開孔部後のニコチン濾過率の割合が70
〜90%であると好ましい。前記シース部が繊維トウか
らなると好ましい。前記コア部がコルゲート加工シート
が収束されてなると好ましい。前記コア部と前記シース
部の一方あるいは両方がセルロースアセテート繊維から
なると好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1、図2は、本発明のたばこフ
ィルター(以下フィルターと略記する)の一例を示すも
ので、図1は軸芯方向と直交方向に切断した断面図、図
2は軸芯方向と平行に切断した側断面図である。このフ
ィルター1は、円筒形のフィルター部2とこのフィルタ
ー部2の外周に巻き付けられた通気性の巻取紙3とから
なるフィルターチップと、この巻取紙3の上に巻き付け
られたチップペーパー4とから概略構成されている。
【0009】前記フィルター部2は、その中心に設けら
れたコア部2aと、このコア部2aの周囲に設けられた
シース部2bを有している。前記巻取紙3は、フィルタ
ー部2の形状を安定に保つもので、フィルター部2と巻
取紙3とは軸芯方向の長さが等しくなっている。一方、
図2に示すように、チップペーパー4はフィルター部2
と巻取紙3よりも軸芯方向の長さが長くなっている。そ
して、チップペーパー4の一方の端部が、フィルター部
2と巻取紙3とが一体化されたフィルタチップの端部と
揃えられ、他方の端部がたばこ本体(たばこの巻部)5
aの端部に取り付けられることにより、フィルター1が
たばこ本体5aと一体化されて、たばこ5が構成される
ようになっている。
【0010】チップペーパー4には、その外周にそって
複数の開孔部(孔)4aが設けられている。そしてこの
開孔部4aから、必要に応じて外部空気(ベンチレーシ
ョン空気)がフィルター1内に取り込まれ、べンチレー
ション効果が得られるようになっている。
【0011】フィルター部2の外径は通常7.8mmと
される。また、フィルター部2と巻取紙3の軸芯方向の
長さは通常25mm、チップペーパー4の軸芯方向の長
さは通常32mmとされる。また開孔部4aはフィルタ
ー1の吸口端面から通常12.5mmの位置に一列に設
けられている。
【0012】前記コア部2aは、図3に示したような、
熱可塑性材料からなるシート状物を波状に加工し、連続
する複数の溝を形成してなるコルゲート加工シート6
を、例えば丸めたり、畳んだりすることによって収束さ
せたものである。コルゲート加工シート6の溝の深さd
は、例えば0.2〜2mmとされる。また、隣接する溝
どうしの間隔(溝間ピッチ)pは0.5〜3mmとされ
る。前記dが0.2mm未満であったり、あるいは、前
記pが0.5mm未満である場合、波が細かすぎるの
で、シートをコルゲート加工することが困難となる。ま
た、前記dが2mmをこえたり、あるいは、前記pが3
mmをこえると、コルゲート加工シート6を収束してコ
ア部2aを構成することが困難となる場合がある。ま
た、コルゲート加工シート6のシート幅(溝と平行方向
の対向辺の間の距離)は、90〜240mmとされる。
この範囲外であると、コア部2aを構成することが困難
となる場合がある。
【0013】コルゲート加工シート6を収束させて構成
したコア部2aには、コルゲート加工シート6が有する
溝によって適度な隙間が形成され、これにより煙を流通
させる流路が形成される。そして、このコア部2aを煙
が透過する際に、煙内に分布するタール、ニコチンなど
の煙粒子成分とコルゲート加工シート6とが衝突するこ
とによって、これらの煙粒子成分が捕捉される濾過機能
が得られる。フィルター1において、コア部2aはコル
ゲート加工シート6を単に収束したものである。例え
ば、その長軸直径Xは4〜7mm、短軸直径Yは2〜4
mmとされる。他の例として、コア部2aを、好ましく
は開繊した繊維トウから形成することもできる。前記ト
ウとは、複数本のフィラメントを束ねて集合させたもの
である。例えばトウを開繊し、これを円筒状に収束して
コア部2aを構成することもできる。
【0014】また、シース部2bは、好ましくは開繊し
た繊維トウなどの繊維材料などから形成されている。例
えばシース部2bは、トウを開繊し、これを管状に収束
して構成されたものである。このシース部2bにおいて
も煙粒子成分が捕捉される濾過機能が得られるようにな
っている。巻取紙3は例えば、その厚さが30〜90μ
m、好ましくは55〜85μmのものである。また、チ
ップペーパー4は例えば厚さ33〜53μmのものであ
る。
【0015】図4(a)は、本発明のフィルターの形状
の他の例を示すもので、例えばコルゲート加工シートを
収束してコア部2aを形成する際に、収束と同時に、あ
るいは収束後に、熱成形具などを透過させて、収束物の
外周面を溶融成形するなどして、コア部2aの形状を円
筒形にしたものである。このようにすると、その長さ方
向においてコア部2aの形状が均一になり、その形状安
定性を向上させることができる。このフィルター1Aの
ように、コア部2aの形状安定性を向上させたものは、
例えばシース部2bを構成するフィルター材の充填量を
増加させても、フィルター製造時に、コア部2aの形状
が変化しにくいため、製造の安定性を向上させることが
できる。このため、シース部2bの充填量の調整幅を広
げることが可能となり、最終フィルター設計の自由度が
広がる。また、美感の向上を図ることができる。さら
に、コア部2aの断面形状は特に限定するものではな
く、図5(a)〜(f)に示したような、星型、三角
形、四角形などの種々の形状とすることができる。
【0016】また、図4(b)に示すように、コア部2
aの周囲に通気性の巻取紙3’を巻き付けてコア部2a
の形状安定性を向上させて、フィルター1Bを構成する
こともできる。巻取紙3’は、例えばその厚さが30〜
90μm、好ましくは55〜85μmのものである。
【0017】コア部2aとシース部2bを形成するもの
としては、繊維材料が好適であり、なかでもセルロース
アセテート繊維が、喫味の点から好ましく用いられる。
シース部2bを構成するフィルター材としては、セルロ
ースアセテート製の繊維トウ(セルロースアセテートト
ウ)を用いると好ましい。さらに好ましくは、セルロー
スアセテート製の長繊維捲縮トウであり、このものを用
いることにより、煙粒子成分の濾過効率が高く、また香
喫味の良好なフィルター1,1A,1Bが得られる。コ
ア部2aを構成するフィルター材としては、開繊したセ
ルロースアセテートトウをコルゲート加工してなるコル
ゲート加工シートなどが用いられる。あるいは、セルロ
ースアセテート繊維製のウェブ(織布、不織布などのシ
ート状物)をコルゲート加工してなるコルゲート加工シ
ートなどを用いることもできる。これらは単独で用いる
こともできるし、組み合わせて用いることもできる。あ
るいはシース部2bと同様に、セルロースアセテートト
ウも好適であり、さらに好ましくは、セルロースアセテ
ート製の長繊維捲縮トウである。
【0018】フィルター部2に対するコア部2aの重量
比率は、45〜70%が望ましい。コア部2aの重量比
率が45%未満の場合、コア部2aの濾過能力が不足
し、タール値3mg以下の低タールたばこを構成するこ
とが困難となる場合がある。また、70%をこえると、
煙粒子成分の除去率が高くなりすぎて、喫味が薄れてし
まう場合がある。また、繊維材料からなるシート状物を
コルゲート加工シートとする場合には、前記シート状物
の目付量を増やすことにより、濾過効率を高めることが
できる。
【0019】フィルター部2の断面積に対するコア部2
aの断面積の割合は、20〜70%、好ましくは40〜
60%とされる。20%未満の場合は濾過効率が低下
し、低タールのたばこを構成することが困難となる場合
がある。70%をこえると、コア部2aを透過する空気
がベンチレーション空気によって希釈され、喫味が低下
する場合がある。すなわち、この範囲に設計することに
より、喫味を低下させずに、煙を効率的に濾過すること
ができる。
【0020】また、フィルター1,1A,1Bにおいて
は、コア部2aを透過する空気の流速が、シース部2b
よりも遅くなるように、コア部2aとシース部2bのそ
れぞれの通気抵抗が調整されている。コア部2aを透過
する空気の流速(以下コア部2aの流速という)は30
cm/sec以下、好ましくは15〜30cm/sec
とされる。30cm/secをこえる場合は、喫味が欠
如する場合がある。シース部2bを透過する空気の流速
(以下シース部2bの流速という)は、好ましくは40
〜50cm/secとされる。
【0021】コア部2aの流速とシース部2bの流速
は、図8、図9に示す流量測定装置を用いて、フィルタ
ー1とたばこ本体5aとが一体化されたたばこ5をセッ
トし、17.5ml/secで吸引した際の流量測定値
から求めた値をいうものとする。本出願人は特開平9−
304371号公報において、フィルターを透過する煙
粒子成分を、フィルターの各部分毎に測定するための装
置を提案している。図8、図9に示した流量測定装置
は、特開平9−304371号公報において提案した装
置を利用して構成したものであって、図8はサンプルホ
ルダーの拡大断面図、図9は装置の概略構成図である。
【0022】流量測定装置は、サンプルホルダー30と
流量測定部43a,43bと、図示しない吸引装置によ
って概略構成されている。流量測定部43a,43bと
しては、例えばダイナサイエンス社のラミナーフローメ
ーターなどを用いることができる。サンプルホルダー3
0は、第1の開口部31,第2の開口部32,第3の開
口部33を有している。第2の開口部32には、円管状
の流路分割部材34が挿入され、固定されている。サン
プルホルダー30の流路分割部材34と第1の開口部3
1には、チューブ41a,41bがそれぞれ接続されて
いる。これらチューブ41a,41bの途中には、それ
ぞれ流量測定部43a,43bが挿入されている。そし
てこれらチューブ41a,41bは、吸引装置接続部4
2において合流し、この吸引装置接続部42を介して吸
引装置に接続されている。
【0023】サンプルホルダー30の流路分割部材34
の先端34bは尖っており、第3の開口部33から挿入
される、フィルターチップのフィルター部2の端面に差
し込まれるようになっている。この結果、流路分割部材
34の内部と外部とに、フィルター部2の中心部を透過
した空気の流路と、その外周部を透過した空気の流路と
が分割されるようになっている。そして、流路分割部材
34の先端34bの内径Dは、前記中心部の外径に相当
し、この内径Dを変更することによって、フィルター部
2の中心部と外周部の測定範囲を自由に変更して設定す
ることができる。流路分割部材34の内部は、前記中心
部を透過した空気が流れる中心部透過気体流路34aで
あり、流路分割部材34の外部には、第3の開口部33
から第1の開口部31にかけて、前記外周部を透過した
空気が流れる外周部透過気体流路31aが形成されてい
る。
【0024】コア部2aとシース部2bのそれぞれの流
速を測定するにおいては、内径Dがコア部2aの外径と
等しい流路分割部材34を用い、サンプルホルダー30
にたばこ巻をセットし、17.5ml/secの吸引速
度で、吸引装置からチューブ41a,41bを介して吸
引する。すると、コア部2aを透過した空気は、中心部
透過気体流路34aからチューブ41aに入り、流量測
定部43aにおいてその流量が測定される。一方、シー
ス部2bを透過した空気は、外周部透過気体流路31a
からチューブ41bに入り、流量測定部43bにおいて
その流量が測定される。そして、流量測定値を以下の式
1、2にしたがって、各部の断面積で除した値を、コア
部2aとシース部2bの流速とする。
【0025】すなわち、コア部2aの流速は以下の式1
から求めるものとする。 Vc=Mc/((Dc/2)2×π)…式1 ただし、式1中の符号は以下のものを示す。 Vc:コア部の流速(cm/sec) Mc:コア部の流量測定値(ml/sec) Dc:コア部の直径(cm) また、シース部2bの流速は以下の式2から求めるもの
とする。 Vs=Ms/((Df/2)2×π−(Dc/2)2×π)…式2 ただし、式2中の符号は以下のものを示す。 Vs:シース部の流速(cm/sec) Ms:シース部の流量測定値(ml/sec) Df:フィルター部の直径(cm) Dc:コア部の直径(cm)
【0026】コア部2aとシース部2bにおける、それ
ぞれ単独の通気抵抗は以下のようにして測定するもので
ある。まず、フィルター部2をシース部2bとコア部2
aに分離する。コア部2aの通気抵抗は、分離したコア
部2aの外周にセロファンテープを巻き、コア部2aの
外径と同一の内径を有するチューブに差し込んで、コレ
スタ法で定義された方法にしたがって測定する。シース
部2bの通気抵抗は、分離したシース部2bの、コア部
2aに相当する箇所に、コア部2aの外径と同一の外径
を有する塩化ビニル樹脂製の棒を差し込み、コレスタ法
で定義された方法にしたがって測定する。
【0027】本発明において、フィルター部2の通気抵
抗は100〜170mmH2Oが好適であり、コア部2
aの通気抵抗は500〜1000mmH2Oが好まし
い。さらに好ましくは、フィルター部2の通気抵抗が1
40〜160mmH2Oであり、コア部2aの通気抵抗
は600〜850mmH2Oである。このような範囲に
設定することによって、煙をコア部2aとシース部2b
に適切に分散することができる。またコア部2aの流速
を遅くすることが容易となる。
【0028】また換算通気抵抗は、上述した方法によっ
て、それぞれ単独に測定したコア部2aとシース部2b
の通気抵抗から、以下の式3、4によって、フィルター
部2の直径が7.8mmのときの値を求めたものであ
る。 Rc=rc×(Dc2/Df2)…式3 ただし、式3中の符号は以下のものを示す。 Rc:コア部の換算通気抵抗(mmH2O) rc:コア部の通気抵抗(mmH2O) Dc:コア部の直径(mm) Df:フィルター部の直径(7.8mm) Rs=rs/((Df2−Dc2)/Df2)…式4 ただし、式4中の符号は以下のものを示す。 Rs:シース部の換算通気抵抗(mmH2O) rs:シース部の通気抵抗(mmH2O) Df:フィルター部の直径(7.8mm) Dc:コア部の直径(mm)
【0029】つまり、コア部2aの換算通気抵抗は、コ
ア部2aの通気抵抗に、フィルター部2の断面積に対す
るコア部2aの断面積の比率を掛け合わせた値である。
シース部2bの換算通気抵抗は、シース部2bの通気抵
抗に、フィルター部2の断面積に対するシース部2bの
断面積の比率を掛け合わせた値である。通常は、フィル
ター部2の直径は7.8mmであり、その円周は24.
6mmなので、本発明においてDfは7.8mmとす
る。以下、シース部2bの換算通気抵抗に対するコア部
2aの換算通気抵抗の比率を換算通気抵抗比という。本
発明においては、換算通気抵抗比を1.5〜4、好まし
くは1.5〜2.5とする。この範囲に設定することに
よって、コア部2aとシース部2bの煙の透過特性を適
切に設定し、コア部2aから流出する煙と、シース部2
bから流出する煙のバランスを改善することができる。
【0030】コア部2aの通気抵抗、換算通気抵抗は、
具体的には下記の条件などを変更することによって、変
えることができる。 1)コルゲート成形条件(温度、圧力、クリアランス、
速度) 2)コア部成形条件(温度、速度) 3)フィルター材特性(例えば、トウ品種*などの選
択) *トウ品種の特性は、繊度(dpf値)/トータルデニ
ールで表される。 4)シート開繊幅(開繊が必要な材料を用いる場合) 5)開繊後に添着させる可塑剤量 6)コア部の外径
【0031】シース部2bの通気抵抗、換算通気抵抗
は、フィルター材特性、フィルター材充填量、可塑剤量
などの条件によって変更することができる。フィルター
部2の通気抵抗は、上述のコア部2aとシース部2bの
通気抵抗に影響する条件によって変更することができ
る。
【0032】また、チップペーパー4の開孔部4aから
フィルター1,1A,1B内部に外部空気を取り入れる
ベンチレーション効果は、喫煙者の口中に到達する吸引
量に対する、開孔部4aから入る外部空気量の割合(容
量%)であるフィルターベンチレーション率(以下ベン
チレーション率と記す)で表される。このベンチレーシ
ョン率は、巻取紙3とチップペーパー4の通気度や、開
孔部4aの大きさや数などを変化させることによって調
整することができる。ベンチレーション率は、コレスタ
法NO.6にしたがって測定して得られる値である。
【0033】本発明において、ベンチレーション率は、
60〜80%が望ましい。この際、巻取紙3の通気度が
10000〜30000CU、チップペーパー4の通気
度が1200〜3600CUであると望ましい。これら
の通気度はコレスタ法NO.40にしたがって測定して
得られる値である。前記範囲のベンチレーション率とす
ることにより、コア部2aを透過する煙がベンチレーシ
ョン空気によって希釈されず、喫味の欠如を少なくする
ことができる。
【0034】また、フィルター1,1A,1Bにおける
ニコチン濾過率が70〜90%であると好ましい。70
%未満の場合は低タールたばこを構成することが困難と
なる場合がある。90%をこえると、喫味が損なわれる
場合がある。ニコチン濾過率は、コレスタ法に基づいて
測定することができる。ニコチン濾過率は、コア部2a
とシース部2bの材料、重量比、断面積などの構成、あ
るいはベンチレーション率などを調節することによって
変更することができる。また、たばこ本体5a側を前、
フィルター部2側を後ろとしたとき、チップペーパー4
の開孔部4a前のフィルター部2におけるニコチン濾過
率よりも、開孔部4a後のフィルター部2におけるニコ
チン濾過率は低くなっている。本発明においては、開孔
部4a前のフィルター部2におけるニコチン濾過率に対
する、開孔部4a後のフィルター部2におけるニコチン
濾過率の割合が、70〜90%であると好ましい。この
範囲とすることにより、ベンチレーション空気が選択的
にシース部2bを流れるようにすることができる。これ
らのニコチン濾過率は、コレスタ法にしたがって喫煙さ
せたフィルターを開孔部4aで切断し、開孔部4aの前
後に分けて測定することができる。
【0035】また本発明においては、フィルター1,1
A,1Bのタールの濾過率が80%以上となるようにす
ると好ましい。80%未満の場合にはタール値3mg以
下の低タールたばこを構成することが困難となる場合が
ある。タールの濾過率は、コア部2aとシース部2bの
材料、重量比、断面積などの構成、あるいはベンチレー
ション率などを調節することによって変更することがで
きる。
【0036】以下、フィルター1,1A,1Bの作用に
ついて説明する。フィルター部2においては、上述のよ
うにシース部2bの流速よりもコア部2aの流速が遅く
なっている。このため、喫煙操作を行うと、煙の分布が
コア部2aとシース部2bにおいて異なり、コア部2a
とシース部2bのそれぞれから喫煙者の口中に到達する
煙は、その到達速度や煙粒子成分の濃度などの特性が異
なるものとなる。
【0037】このため、喫煙者は、シース部2bから流
出する煙の後に、コア部2aから流出する適度な濃度の
煙を味わうことによって、喫味感を味わうことができ
る。また、シース部2bを透過する煙をベンチレーショ
ン空気の希釈によって低タール化し、コア部2aにおい
ては高い濾過効率で煙を透過させることにより、フィル
ター1,1A,1B全体の濾過効率を高めることができ
る。
【0038】この結果、このフィルター1,1A,1B
を用いてタール値3mg以下、好ましくは1mg以下の
低タールたばこを構成できるとともに、喫味の欠如の少
ないたばこを得ることができる。本発明のフィルターを
用いたたばこのタール値は、コレスタ法にしたがって測
定する値であり、たばこ本体の構成、フィルターの構成
などによって調整できる。
【0039】図6は、本発明のフィルターの好適な製造
方法の第1の例に用いる装置の概略構成図である。以
下、製造操作にしたがって説明する。まずコア部の材料
として、トウのように開繊が必要な繊維素材を用いる場
合、べールから引き出したトウ状コア部材料10Aを、
開繊装置11Aに供給して、均一に開繊する。そして、
テリベリーロール12Aを通過させて、好ましくは、ト
リアセチンなどの可塑剤を均一に添着させてシート状コ
ア部材料10Bとする。そして、このシート状コア部材
料10Bをコルゲート熱成形装置14に供給する。一
方、コア部の材料として、不織布、フィルムなど開繊不
要なもの(ウェブ)を用いる場合には、このシート状コ
ア部材料10Bをガイド13を介して直接コルゲート熱
成形装置14に供給することができる。
【0040】コルゲート熱成形装置14は、多数の溝を
有する上下2本のニップロールを備えている。そして、
この上下のニップロールの溝が互いに噛合し、約1mm
以下の厚さでそのクリアランスを調整できる機能を有
し、所定の圧力で加圧する能力と、所定の温度で熱成形
する能カを備えているものであれば、いずれの装置をも
用いることができる。
【0041】コルゲート熱成形装置14のニップロール
間のクリアランス、圧力、温度、速度によって、フィル
ター特性が変化する。このため、これらの諸条件は、目
的とするフィルターの特性に合わせて決定される。具体
的には、例えばコルゲート熱成形装置14のニップロー
ル間のクリアランスは0.5mm以下、ロール間圧力は
0.5〜6kg/cm2Gの範囲、温度は60〜180
℃の範囲とするのが好ましい。前記クリアランスが0.
5mmを越える場合、温度が60℃未満の場合には、コ
ルゲート加工が困難である。また、温度が180℃を越
える場合には、逆にシート化が進みすぎ、十分な通気抵
抗を保ったフィルター材とすることが困難になるととも
に、製造安定性が低下する。
【0042】ついで、コルゲート熱成形装置14におい
てコルゲート加工されたコルゲート加工シート6を、エ
キストラロール15から引き出す。さらに、第1のリン
グガイド16と第2のリングガイド17を通過させた
後、熱成形収束装置18を通過させて、収束させるとと
もに、その外周面を熱融着加工し、円筒型の収束物と
し、形状の安定化を図る。ついで、二重管19の内管内
に供給する。繊維トウなどをコルゲート加工せずに、そ
のまま用いてコア部を構成する場合には、コルゲート熱
成形装置14を経ずに、開繊装置11Aとデリベリーロ
ール12Aを経たものを熱成形収束装置18に供給す
る。
【0043】熱成形収束装置18は、コルゲート加工シ
ート6を、加熱しながら収束させつつ通過させる収束路
を有している。この収束路の断面の面積は、入り口側か
ら出口にむかって徐々に小さくなっている。前記断面の
形状は、コア部の断面形状にあわせて、円形、楕円形、
角型、五角形、星型などに適宜変更できる。
【0044】熱成形収束装置18の温度と速度は、目的
とするフィルターの特性に合わせて決定すると好まし
い。具体的には、例えば熱成形収束装置18の温度は、
コルゲート加工シート6の材料にもよるが、60〜30
0℃の範囲とするのが好ましい。60℃未満の場合に
は、熱成形が困難となり、300℃をこえる場合には、
コルゲート加工シート6の溶融が進みすぎ、均一なコル
ゲート形状を保って収束物を形成することが困難とな
る。また熱成形収束装置18の出口の断面積は、通常コ
ア部2aの断面積とする。また、コルゲート加工シート
6の性質やシート幅によって、コア部2aの断面積と、
前記出口の断面積を調節することが好ましい。すなわち
前記出口の断面積が小さすぎると、収束路内の抵抗が大
きくなり、後の工程に、コルゲート加工シート6の収束
物を供給する速度が低下し、製造効率の低下を招くこと
がある。また、前記出口の断面積が大きすぎる場合に
は、前記収束物中の空隙が多くなって、剛直性が失わ
れ、均一な形状の収束物が得られない場合がある。
【0045】一方、長繊維捲縮トウなどのシース部材料
21を、開繊装置11Bに供給し、均一に開繊する。さ
らにデリベリーロール12Bを通過させて、好ましくは
トリアセチンなどの可塑剤を均一に添着させる。つい
で、第1のリングガイド16と第2のリングガイド17
を通過させて、開繊した繊維トウシートの断面形状を円
弧状に広げ、さらに筒状に成形しつつ、二重管19の外
管と内管との間に供給し、管状体に収束するとともに、
内管内に供給されるコア部となる円筒型の収束物と一体
化してフィルター部を形成する。これを、巻取紙3とと
もにフィルタープラグマシン20に供給する。
【0046】フィルタープラグマシン20においては、
巻取紙3を、その少なくとも一端縁に接着剤を塗工し、
フィルター部の外周に巻つけるとともに、前記端縁を接
着してフィルター部と一体化する。そして、カッターで
所定長に切断してフィルターチップとする。このように
して、図4(a)に示す断面形状のフィルター1Aを得
ることができる。この後、常法にしたがって、例えばた
ばこ本体と前記フィルターチップとを突き合わせて、フ
ィルターチップの上と、たばこ本体の前記フィルターチ
ップとの接合部の周囲に一体にチップペーパーを巻き付
けて接着し、たばこを完成させる。
【0047】図7は本発明のフィルターの製造方法の第
2の例に用いる装置の例を示す概略構成図であって、こ
の装置は、図4(b)に示すように、コア部2aの周囲
に巻取紙3’を設けた構成のフィルター1Bを製造する
ものである。この装置においては、エキストラルロール
15と第1のリングガイド16との間に、コア部収束ガ
イド22とコア部巻管部23が設けられている点が、図
6に示した装置と異なっている。
【0048】すなわち、コア部収束ガイド22におい
て、エキストラルロール15から供給されたコルゲート
加工シート6の収束物を形成し、これを巻取紙3’とと
もにコア部巻管部23に供給する。そして、このコア部
巻管部23において、コルゲート加工シート6の収束物
の周囲に、その一端縁に接着剤を塗工した巻取紙3’を
巻き付け、前記接着剤にて前記端縁を接着し、前記収束
物と巻取紙3’を一体化する。このようにして、コア部
の断面積を所定の断面積とし、その長さ方向における形
状を安定させる。この収束物と巻取紙3’との一体化物
を、第1のリングガイド16,第2のリングガイド17
を経て熱成形収束装置18に供給し、シース部となる管
状体と一体化する以下の操作は、図6に示した第1の例
と同様である。
【0049】
【実施例】以下のようにして、フィルターを製造し、こ
れを用いてたばこを構成し、その特性を評価した。な
お、実施例における測定項目は、それぞれ以下に示す方
法によって測定したものである。 <通気抵抗>通気抵抗はコレスタ法に基づき、たばこの
通気抵抗、およびコア部、シース部のそれぞれ単独の通
気抵抗は、加藤工業製OTIC式吸引抵抗測定器を用い
て、前述した方法にしたがって測定した。測定結果は、
表1、表2中、「コア部通気抵抗」、「シース部通気抵
抗」、「たばこ通気抵抗」の項目に示した。 <換算通気抵抗>上述の方法で測定した通気抵抗の値か
ら求めた。表1中「コア部/シース部換算通気抵抗比」
の項目に示した。 <コア部の流速とシース部の流速>流量測定装置とし
て、ダイナサイエンス社のラミナーフローメーター23
を用い、図8、9に示した装置を構成し、上述の方法で
測定した。サンプルホルダーの流路分割部材の内径D
は、それぞれのコア部の直径にあわせて、順次変更し
た。測定結果は、表3中、「コア部流速」と「シース部
流速」の項目に示した。
【0050】<たばこの煙中のタール、ニコチンの測定
>喫煙による煙中のタールとニコチンの喫煙量を、ボル
グワルト社製回転型喫煙器RM20/CSを用い、コレ
スタ法に基づき実施した。測定結果は、表2中、「ター
ル/ニコチン喫煙量」の項目にそれぞれ示した。 <コア部、シース部のそれぞれのニコチン喫煙量>図1
0に示したような喫煙量測定装置を構成した。この装置
は、図9に示した流量測定装置において、流量測定部4
3a,43bをケンブリッジフィルター44a,44b
に変更したものである。この装置を用いて喫煙操作を行
い、たばこ1本の喫煙によるコア部とシース部から流出
する煙粒子成分をケンブリッジフィルター44a,44
bにてそれぞれ捕捉し、ガスクロマトグラフィーで定量
した。測定結果は、表2中、「フィルター中コア部より
喫煙されるニコチン量割合」の項目に、コア部とシース
部の測定結果の合計に対するコア部の測定結果の割合を
示した。
【0051】(実施例1)図6に示す装置を用いてフィ
ルターを製造し、図4(a)に示す断面形状を有するフ
ィルターを形成した。コア部はセルロースアセテートト
ウからなるコルゲート加工シートから形成した。また、
シース部としては、セルロースアセテートトウからなる
管状のたばこフイルタープラグ(円周24.6mm)を
製造し、これを用いた。フィルターチップの長さは25
mmになるように切断した。表1にコア部とシース部の
構成を示した。表1中、「コアトウ」、「シーストウ」
の項目には、コア部とシース部を構成するそれぞれのセ
ルロースアセテートトウの特性を、繊度(dpf値)/
トータルデニールの値で示した。
【0052】このフィルターチップの周囲にチップペー
パーを巻き付けて糊付けし、たばこ本体と接続し、フィ
ルターを完成させるとともに、たばこを製造した。この
ときチップペーパーの開孔部には糊付けしないようにし
た。たばこ本体は、日本たばこ産業(株)製商品名「ア
ルファ」のフィルター部分を除いたものと同様の構成の
ものを用いた。巻取紙はポーラス紙、通気度30000
CUを用いた。チップペーパーはレーザー4列開孔、通
気度1200CUを用いた。その開孔部は、フィルター
吸口端面から12.5mmの位置に、チップペーパーの
外周に沿って一列に設けた。たばこの評価結果を表2
に、フィルターの各部の流速を表3に示した。
【0053】(実施例2)図7に示した装置を用い、コ
ア部の周囲に巻取紙を巻き付けた点と、コア部に、セル
ロースアセテートトウをコルゲート加工せずにそのまま
用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルターを作
製し、たばこを製造した。コア部の周囲に巻き付けた巻
取紙はポーラス紙、通気度30000CUを用いた。表
1にコア部とシース部の構成を示した。また、たばこの
評価結果を表2に、フィルターの各部の流速を表3に示
した。
【0054】(実施例3)コア部をセルロースアセテー
トトウからなるコルゲート加工シートから形成した以外
は実施例2と同様にしてフィルターを作製し、たばこを
製造した。表1にコア部とシース部の構成を示した。ま
た、たばこの評価結果を表2に、フィルターの各部の流
速を表3に示した。
【0055】(比較例1)フィルター部をセルロースア
セテートトウからなる均一構造とした以外は、実施例1
と同様の構成のフィルターとたばこを製造した。表1に
フィルター部の構成を、表2にたばこの評価結果を示し
た。また、サンプルホルダーの流路分割部材の内径Dを
2〜6mm間で1mm刻みで変化させたときの、中心部
(「コア部流速」の項目に記載)と外周部(「シース部
流速」の項目に記載)の流速を測定し、表3にそれぞれ
示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】表3より、本発明に係る実施例1〜3のフ
ィルターにおいては、コア部の流速が小さいことがわか
る。そして、表2に示した「フィルター中コア部より喫
煙されるニコチン量割合」が大きく、コア部から流出す
る煙によって十分な喫味の満足感が得られることがわか
る。したがって、実施例1〜3のたばこは、タール値3
mg以下の低タールたばこであっても、喫味が欠如せ
ず、香味の濃さ、煙量感などの喫煙に対する満足感を得
ることができるものである。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフィルター
においては、シース部の流速が速くなっているので、シ
ース部を透過する煙は、ベンチレーション空気によって
希釈され、低タール化されて喫煙者の口中に流出する。
一方、コア部を透過する煙は、ベンチレーション空気に
よって希釈されずに、ゆっくりとコア部を透過し、高い
濾過効率で濾過され、喫味を損なわない程度の適度な濃
度の煙となって、前記シース部を透過した煙の後に流出
する。この結果、喫煙者は、シース部から流出する煙の
後にコア部から流出する煙を味わうことによって、喫味
感を味わうことができる。また、シース部を透過する煙
はベンチレーション空気の希釈によって低タール化さ
れ、コア部においては高い濾過効率が得られるので、フ
ィルター全体の濾過効率を高めて低タール化を図ること
ができる。このため、本発明のフィルターは、タール値
3mg以下、好ましくは1mg以下の低タールたばこを
構成することができるとともに、喫味を損なわずに、喫
煙による満足感を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のたばこフィルターの一例の軸芯方向
と直交方向に切断した断面図である。
【図2】 本発明のたばこフィルターの一例の軸芯方向
と平行に切断した側断面図である。
【図3】 コルゲート加工シートの構成を示す説明図で
ある。
【図4】 図4(a)は、コア部の形状を円筒形にした
フィルターの一例を示した軸芯方向と直交方向に切断し
た断面図である。図4(b)は、コア部の周囲に通気性
の巻取紙を巻き付けたフィルターの一例を示した軸芯方
向と直交方向に切断した断面図である。
【図5】 図5(a)〜(f)は、フィルターのコア部
の断面形状の種々の例を示した軸芯方向と直交方向に切
断した断面図である。
【図6】 本発明のフィルターの製造方法の第1の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図7】 本発明のフィルターの製造方法の第2の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図8】 図9に示した流量測定装置の一例に用いるサ
ンプルホルダーの拡大断面図である。
【図9】 流量測定装置の一例の概略構成図である。
【図10】 実施例に用いた喫煙量測定装置を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…フィルター、2a…コア部、2b…シ
ース部、2…フィルター部、3,3’…巻取紙、4…チ
ップペーパー、4a…開孔部(孔)、5a…たばこ本体
(たばこの巻部)、5…たばこ、6…コルゲート加工シ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 栄一 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (72)発明者 平木 信成 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−191682(JP,A) 特開 平7−8254(JP,A) 特開 平6−169744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A24D 1/00 - 3/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 たばこ1本あたりのタール値が3mg以
    下の低タールたばこ用の濾過率の高いたばこフィルター
    であって、 中心に設けられたコア部とこの周囲に設けられたシース
    部とを有するフィルター部を備え、 前記コア部は、透過する空気の流速が前記シース部より
    も遅く、 前記フィルター部を17.5ml/secで吸引したと
    きの前記コア部を透過する空気の流速が30cm/se
    c以下であり、 かつ、タールの濾過率が80%以上であり、 かつ、前記フィルター部の断面積に対する前記コア部の
    断面積の割合が20〜70%であることを特徴とする濾
    過率の高いたばこフィルター。
  2. 【請求項2】 前記シース部の換算通気抵抗に対する前
    記コア部の換算通気抵抗の比率が1.5〜4であること
    を特徴とする請求項1記載の濾過率の高いたばこフィル
    ター。
  3. 【請求項3】 ニコチン濾過率が70〜90%であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の濾過率の高い
    たばこフィルター。
  4. 【請求項4】 前記フィルター部に対する前記コア部の
    重量比率が45〜70%であることを特徴とする請求項
    1〜3項のいずれか一項に記載の濾過率の高いたばこフ
    ィルター。
  5. 【請求項5】 前記フィルター部の通気抵抗が100〜
    170mmH2Oであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の濾過率の高いたばこフィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記コア部の通気抵抗が500〜100
    0mmH2Oであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の濾過率の高いたばこフィルター。
  7. 【請求項7】 フィルターベンチレーション率が60〜
    80%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の濾過率の高いたばこフィルター。
  8. 【請求項8】 前記フィルター部の周囲に巻き付けられ
    た巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペ
    ーパーを備え、 前記巻取紙の通気度が10000〜30000CUであ
    り、前記チップペーパーの通気度が1200〜3600
    CUであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一
    項に記載の濾過率の高いたばこフィルター。
  9. 【請求項9】 前記フィルター部の周囲に巻き付けられ
    た巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペ
    ーパーを備え、 前記チップペーパーは、その外周にそって設けられた、
    ベンチレーション空気を導入するための開孔部を有し、 前記開孔部前のニコチン濾過率に対する開孔部後のニコ
    チン濾過率の割合が70〜90%であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一項に記載の濾過率の高いた
    ばこフィルター。
  10. 【請求項10】 前記シース部が、繊維トウからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の濾
    過率の高いたばこフィルター。
  11. 【請求項11】 前記コア部が、コルゲート加工シート
    が収束されてなることを特徴とする請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載の濾過率の高いたばこフィルター。
  12. 【請求項12】 前記コア部と前記シース部の一方ある
    いは両方がセルロースアセテート繊維からなることを特
    徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の濾過率
    の高いたばこフィルター。
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